JP2017027973A - リアクトル、コンバータ、および電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、および電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複合材料で構成される磁性コアを備え、生産性に優れるリアクトルを提供する。
【解決手段】第一分割コア31と第二分割コア32とを組み合わせてなる磁性コア3を備えるリアクトル1である。第一分割コア31は、第一外側コア部3Cと、第一外側コア部3Cに一体に設けられる第一挿入部31a、31bと、を備える。第二分割コア32は、第二外側コア部3Dと、第二外側コア部3Dに一体に設けられる第二挿入部32a、32bと、を備える。巻回部2A、2Bの内部で第一挿入部31a、31bと第二挿入部32a、32bとが、巻回部2A、2Bの軸方向に交差する方向に並ぶことで、巻回部2A、2Bの内部に配置される内側コア部3A、3Bが形成されている。巻回部2A、2Bのいずれかの端面側において、第一分割コア31と第二分割コア32とが巻回部2A、2Bの軸方向に離隔する離隔部3AG、3BGが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの電動車両に搭載される車載用DC−DCコンバータや電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトル、リアクトルを用いたコンバータ、およびコンバータを用いた電力変換装置に関する。
リアクトルやモータといった、巻線を巻回してなる巻回部を有するコイルと、一部がその巻回部の内部に挿通される磁性コアと、を備える磁気部品が種々の分野で利用されている。そのような磁気部品として、巻線を巻回してなる巻回部を有するコイルと、一部が巻回部の内部に挿通される磁性コアと、を備えるリアクトルを挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。
上記リアクトルに備わる磁性コアは、複数の分割コア(特許文献1ではコア部品と表記)を組み合わせることで構成されている。その分割コアとしては、軟磁性粉末を加圧成形してなる圧粉成形体、樹脂に軟磁性粉末を含有させた複合材料、あるいは電磁鋼板を積層した積層体などを挙げることができる。特に、複合材料は、軟磁性粉末と樹脂との混合比率を広範囲に設定できるため、磁気部品に求められる比透磁率を満たした分割コアを作製し易いと考えられる。
複合材料からなる分割コアは主として、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に軟磁性粉末を混合し、その混合物を金型内に射出する射出成形などによって作製される。このような射出成形では、金型を冷却または加熱して樹脂を硬化させ、分割コアを完成させる。しかし、この樹脂の硬化の際、金型に接触する分割コアの外方側の部分が、分割コアの内方側の部分に比べて早く硬化するため、混合物中に含まれる気泡が分割コアに封じ込められ、分割コアの内部にボイドが形成され易い。ボイドは、その大きさによって分割コアの磁気特性を不安定にするため、分割コアの内部にボイドが形成されることを抑制したいというニーズがある。このような問題点に対して特許文献1では、分割コアの厚さを薄くすることで、分割コアの内部にボイドが形成され難くなるようにしている。
特開2014−139988号公報
特許文献1に記載のリアクトルは、その生産性の点で改善の余地がある。
特許文献1では、磁性コアのうち、コイルの巻回部の内部に配置される内側コア部を複数の分割コアを組み合わせて構成している。そして、その内側コア部の両端面に絶縁介在部材(特許文献1ではボビンと表記)を挟んで外側コア部を配置している。このように、特許文献1の構成では磁性コアの分割数が多いという問題がある。分割数が多いと、各分割コアに対応した金型が必要になるし、分割コアを組み合わせる工程も多くなる。また、これらの分割コアを組み合わせるときに、各分割コアの位置決めが煩雑となるなど、従来のリアクトルは生産性の点で改善の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、複合材料で構成される磁性コアを備え、生産性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の別の目的は、リアクトルを用いたコンバータ、およびそのコンバータを用いた電力変換装置を提供することにある。
本発明の一態様に係るリアクトルは、巻回部を有するコイルと、前記巻回部の内部に配置される内側コア部を有する磁性コアと、を備えるリアクトルであって、前記磁性コアの少なくとも一部は、樹脂に軟磁性粉末を含有させた複合材料で構成される第一分割コアと第二分割コアとを組み合わせてなる。
前記第一分割コアは、前記巻回部の軸方向の一端側で前記巻回部の外側に配置される第一外側コア部と、前記第一外側コア部に一体に設けられ、前記巻回部の一端面から前記巻回部の内部に挿入される第一挿入部と、を備える。
前記第二分割コアは、前記巻回部の軸方向の他端側で前記巻回部の外側に配置される第二外側コア部と、前記第二外側コア部に一体に設けられ、前記巻回部の他端面から前記巻回部の内部に挿入される第二挿入部と、を備える。
上記構成のリアクトルでは、前記巻回部の内部で前記第一挿入部と前記第二挿入部とが前記巻回部の軸方向に交差する方向に並ぶことで、前記巻回部の内部に配置される前記内側コア部が形成されている。また、上記構成のリアクトルでは、前記巻回部のいずれかの端面側において、前記第一分割コアと前記第二分割コアとが前記巻回部の軸方向に離隔する離隔部が形成されている。
上記リアクトルは、生産性に優れる。
実施形態1に係るリアクトルの概略斜視図である。 実施形態1に係るリアクトルの水平断面図である。 実施形態2に係るリアクトルの水平断面図である。 実施形態3に係るリアクトルの水平断面図である。 実施形態4に係るリアクトルの水平断面図である。 実施形態5に係るリアクトルの縦断面図である。 上段は実施形態7に係るリアクトルの概略図、下段はそのリアクトルの縦断面図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 コンバータを備える電力変換装置の一例を示す概略回路である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
<1>実施形態に係るリアクトルは、巻回部を有するコイルと、前記巻回部の内部に配置される内側コア部を有する磁性コアと、を備えるリアクトルであって、前記磁性コアの少なくとも一部は、樹脂に軟磁性粉末を含有させた複合材料で構成される第一分割コアと第二分割コアとを組み合わせてなる。
前記第一分割コアは、前記巻回部の軸方向の一端側で前記巻回部の外側に配置される第一外側コア部と、前記第一外側コア部に一体に設けられ、前記巻回部の一端面から前記巻回部の内部に挿入される第一挿入部と、を備える。
前記第二分割コアは、前記巻回部の軸方向の他端側で前記巻回部の外側に配置される第二外側コア部と、前記第二外側コア部に一体に設けられ、前記巻回部の他端面から前記巻回部の内部に挿入される第二挿入部と、を備える。
上記構成のリアクトルでは、前記巻回部の内部で前記第一挿入部と前記第二挿入部とが、前記巻回部の軸方向に交差する方向に並ぶことで、前記巻回部の内部に配置される前記内側コア部が形成されている。また、上記構成のリアクトルでは、前記巻回部のいずれかの端面側において、前記第一分割コアと前記第二分割コアとが前記巻回部の軸方向に離隔する離隔部が形成されている。
上記リアクトルは生産性に優れる。巻回部の軸方向の一端側から第一分割コアの第一挿入部を挿入すると共に、その巻回部の軸方向の他端側から第二分割コアの第二挿入部を挿入し、両分割コアを連結するだけで、第一外側コア部、第二外側コア部、および内側コア部を巻回部に組み付けることができるからである。
また、上記構成によれば、安定した磁気特性を備えるリアクトルとすることができる。巻回部の内部に配置される内側コア部が、その内部にボイドが形成され難い形態となっており、ボイドに起因する磁気特性の乱れが生じ難いからである。上記<1>に規定されるように、内側コア部は、巻回部の軸方向に交差する方向に並ぶ第一挿入部と第二挿入部とで構成されている。つまり、両挿入部は、内側コア部を一体物として作製するよりも薄くなっている。厚みが薄い挿入部であれば、挿入部を構成する樹脂を硬化させる際、挿入部の内部から気泡を追い出し易く、そのため挿入部の内部にボイドができ難い。
さらに、上記構成によれば、用途に応じた磁気特性を備えるリアクトルとすることができる。第一分割コアと第二分割コアとが巻回部の軸方向に離隔することで形成される離隔部が磁性コアの全体的な磁気特性の調整を行うギャップとして機能するからである。つまり、ギャップとして機能する離隔部の大きさを調整すれば、所望の磁気特性を備えるリアクトルを得ることができる。
<2>実施形態のリアクトルとして、前記巻回部を一対備え、一方の巻回部の軸方向と他方の巻回部の軸方向とが互いに平行となるように両巻回部が並列され、前記第一分割コアは、前記一方の巻回部と前記他方の巻回部のそれぞれに挿入される前記第一挿入部を備え、前記第二分割コアは、前記一方の巻回部と前記他方の巻回部のそれぞれに挿入される前記第二挿入部を備える形態を挙げることができる。この場合、前記一方の巻回部の側に形成される前記離隔部は、前記一方の巻回部の一端面側および他端面側のいずれかの側に配置され、前記他方の巻回部の側に形成される前記離隔部は、前記他方の巻回部の一端面側および他端面側のうち、前記一方の巻回部における前記離隔部と反対側に配置される。
上記構成によれば、後述する実施形態1に示すように、第一分割コアと第二分割コアとを組み合わせるだけで環状に繋がる磁性コアを完成させることができる。また、一方の巻回部の側に形成される一方の離隔部と、他方の巻回部の側に形成される他方の離隔部と、が環状の磁性コアの中心を挟んで点対称の位置に配置されることで、コイルの損失を小さくすることができる。漏れ磁束が発生する一方の離隔部と他方の離隔部が、巻回部の軸方向の同じ側に配置されていると、コイルに交差する漏れ磁束の増加に伴う損失が大きくなる虞がある。
<3>並列される一方の巻回部と他方の巻回部を備える実施形態のリアクトルとして、前記一方の巻回部と前記他方の巻回部の内部で、前記第一挿入部と前記第二挿入部とが、両巻回部の並列方向に並ぶ形態を挙げることができる。
後述する実施形態の図2〜5に示すように、第一挿入部と第二挿入部とが、一対の巻回部の並列方向に並ぶ構成は、第一分割コアと第二分割コアを作製し易い。また、離隔部の大きさが磁気特性に影響し易いため、離隔部の大きさを調整することで目的の磁気特性を得易い。
<4>実施形態のリアクトルとして、前記第一挿入部および前記第二挿入部のうちの一方を挿入部X、他方を挿入部Yとしたとき、前記挿入部Xの側面の一つであって前記挿入部Yに対向する対向面のうち、前記挿入部Xの先端側の一部が前記挿入部Yから離隔するように、前記挿入部Xの先端側の一部が先細り形状となっている形態を挙げることができる。
上記構成によれば、巻回部の両端部から挿入部Xと挿入部Yを挿入する際、両挿入部の先端同士がぶつかり難い。そのため、両挿入部が挿入し易いし、両挿入部が損傷し難い。また、挿入部Xの先端側の一部が先細り形状となることで、挿入部Xの先端側において、挿入部Xと挿入部Yの並列方向に隙間ができる。この隙間は、磁性コアの磁気特性の調整に寄与する。即ち、上記隙間は、離隔部のギャップとしての機能を補う補助的なギャップとして機能する。このような隙間を形成することで、離隔部の間隔(巻回部の軸方向における第一分割コアと第二分割コアとの離隔距離)を拡げることなく、離隔距離を拡げることによって得られる磁気特性の調整効果を得ることができる。上記離隔距離を拡げると、離隔部の位置で漏れ磁束が大きくなり易いが、挿入部Xと挿入部Yの並列方向に隙間を設ける構成なら漏れ磁束の増加を抑制しつつ、磁気特性の調整効果を得ることができる。
<5>実施形態のリアクトルとして、前記第一分割コアと前記第二分割コアは、同一形状を備える形態を挙げることができる。
上記構成によれば、同一形状の金型で第一分割コアと第二分割コアを作製することができるため、リアクトルの生産性をより向上させることができる。
<6>実施形態のリアクトルとして、前記第一挿入部と前記第二挿入部は共に、その全体が根元側から先端側に向かうに従い細くなる先細り形状である形態を挙げることができる。
挿入部が全体的に先細り形状に形成されていることで、挿入部を備える分割コアを作製する際、金型から分割コアを抜き易くなる。また、巻回部の一端面から第一分割コアの第一挿入部を挿入すると共に、同じ巻回部の他端面から第二分割コアの第二挿入部を挿入する際、両挿入部の先端同士がぶつかり難い。そのため、両挿入部が挿入し易いし、両挿入部が損傷し難い。
<7>実施形態のコンバータは、上記実施形態のリアクトルを備える。
上記コンバータは、磁気特性と生産性に優れる。コンバータに備わる実施形態のリアクトルが磁気特性と生産性に優れるからである。
<8>実施形態の電力変換装置は、上記実施形態のコンバータを備える。
上記電力変換装置は、磁気特性と生産性に優れる。電力変換装置に備わる実施形態のコンバータが磁気特性と生産性に優れるからである。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
実施形態1では、図1,2を参照して、一対の巻回部2A,2Bを備えるコイル2と、一部が巻回部2A,2Bの内部に挿通される環状の磁性コア3と、を備えるリアクトル1を例にして説明を行なう。このリアクトル1は更に、コイル2と磁性コア3との間の絶縁を確保する絶縁介在部材4を備える。このリアクトル1における従来のリアクトル1との主たる相違点は、磁性コア3の分割形状にある。以下、磁性コア3の分割形状の説明に先立ち、リアクトル1の各構成2,3,4の概要を説明する。その後、磁性コア3の分割形状について詳細に説明する。
[コイル]
コイル2は、一対の巻回部2A,2Bと、両巻回部2A,2Bを連結する連結部2rと、を備える。各巻回部2A,2Bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行するように横並びに並列されている。また、連結部2rは、両巻回部2A,2Bを繋ぐU字状に屈曲された部分である。このコイル2は、接合部の無い一本の巻線を螺旋状に巻回して形成しても良いし、各巻回部2A,2Bを別々の巻線により作製し、各巻回部2A,2Bの巻線の端部同士を半田付けや圧着などにより接合することで形成しても良い。
コイル2は、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線を好適に利用できる。本実施形態では、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各巻回部2A,2Bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。また、各巻回部2A,2Bの端面形状を長方形の角部を丸めた形状としているが、端面形状は、円形状など適宜変更することができる。
コイル2の両端部2a,2bは、ターン形成部分から引き延ばされ、被覆が剥がされて、図示しない端子部材に接続される。この端子部材を介して、コイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示せず)が接続される。
[磁性コア]
本実施形態における磁性コア3は便宜上、図2の水平断面図に示すように、内側コア部3Aと、内側コア部3Bと、第一外側コア部3Cと、第二外側コア部3Dと、に分けることができる。内側コア部3Aと内側コア部3Bはそれぞれ、巻回部2Aと巻回部2Bの内部に配置される部分であって、巻回部2A,2Bの軸方向に沿った軸方向を有する部分である(二点鎖線で挟まれる部分を参照)。本例の場合、内側コア部3A,3Bは概略柱状に形成されており、巻回部2A,2Bの端面から突出する部分も、内側コア部3A,3Bの一部である。一方、第一外側コア部3Cは、内側コア部3A,3Bの軸方向の一端面(紙面左側の面)を繋ぐ部分であり、第二外側コア部3Dは、内側コア部3A,3Bの軸方向の他端面(紙面右側の面)を繋ぐ部分である。
上記磁性コア3は、樹脂に軟磁性粉末を含有させた複合材料で構成されている。複合材料に含まれる軟磁性粉末には、鉄や、鉄基合金、希土類元素を含む合金などを利用することができる。また、軟磁性粉末として、軟磁性粒子の表面に絶縁被覆を備える被覆粉末を利用することもできる。
一方、複合材料に用いる樹脂として、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂や、一部のポリイミド樹脂、あるいはフッ素樹脂などを挙げることができる。一方、熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、一部のポリイミド樹脂、あるいは炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)などを挙げることができる。
その他、複合材料には、セラミックスフィラーを含有させても良い。セラミックスフィラーとしては、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、ムライト、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種を挙げることができる。このセラミックスフィラーは、複合材料の放熱性の向上、複合材料における軟磁性粉末の偏在の抑制(均一的な分散)に寄与する。
複合材料における軟磁性粉末の含有量は、磁性コア3の磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)をどの程度とするかに応じて適宜選択することができる。例えば、複合材料を100%とするとき、軟磁性粉末の含有量は、体積割合で20体積%以上85体積%以下、あるいは40体積%以上65体積%以下とすることができる。また、複合材料にセラミックスフィラーを含有させる場合、その含有量は適宜選択することができる。例えば、複合材料を100質量%としたとき、フィラーの含有量を0.2質量%以上20質量%以下、更に0.3質量%以上15質量%以下、特に0.5質量%以上10質量%以下とすると、フィラーによる効果を十分に得られる。
[絶縁介在部材]
コイル2および磁性コア3の他、本実施形態のリアクトル1は、コイル2と磁性コア3との間の絶縁を確保する絶縁介在部材4を備える(図1を参照)。より具体的には、絶縁介在部材4は、コイル2の巻回部2A,2Bの内周面と、内側コア部3A,3Bの外周面と、の間の絶縁を確保すると共に、巻回部2A,2Bの端面と、外側コア部3C,3Dと、の間の絶縁を確保する。絶縁介在部材4の構成は公知であるため、その詳しい説明は省略する。また、以降に説明する実施形態2以降で参照する図3〜7において、絶縁介在部材4の図示も省略する。
[磁性コアの分割状態]
本例の磁性コア3の分割状態を図2に基づいて説明する。図2に示すように、本例の磁性コア3は、上面視した形状が概略F字状の第一分割コア31と第二分割コア32とを組み合わせることで構成されている。第一分割コア31と第二分割コア32とは同一形状を備える(第一分割コア31を180°回転させれば、第二分割コア32になる)
第一分割コア31は、第一外側コア部3Cと、この第一外側コア部3Cに一体に設けられる第一挿入部31a,31bと、で構成される。第一挿入部31aは、巻回部2Aの一端面側(紙面左側)から巻回部2Aの内部に挿入される。一方、第一挿入部31bは、巻回部2Bの一端面側(紙面左側)から巻回部2Bの内部に挿入される。
第二分割コア32は、第二外側コア部3Dと、この第二外側コア部3Dに一体に設けられる第二挿入部32a,32bと、で構成される。第二挿入部32aは、巻回部2Aの他端面側(紙面右側)から巻回部2Aの内部に挿入される。一方、第二挿入部32bは、巻回部2Bの他端面側(紙面右側)から巻回部2Bの内部に挿入される。
第一分割コア31の第一挿入部31aの一部と、第二分割コア32の第二挿入部32aは、巻回部2Aの内部で巻回部2Aの軸方向に交差する方向に並列される。即ち、両挿入部31a,32aによって内側コア部3Aが形成される。第一挿入部31aの側面と第二挿入部32aの側面とは接触していても良いし、接触していなくても良い。ここで、第一挿入部31aは第二挿入部32aよりも長くなっている。そのため、巻回部2Aの他端面側(紙面右側)において第一挿入部31aの先端面を第二外側コア部3Dに当接させたとき、巻回部2Aの一端面側(紙面左側)において、第一外側コア部3Cと第二挿入部32aとの間が離隔する。この離隔した空間(離隔部3AG)は、磁性コア3の磁気特性を調整するギャップとして機能する。
一方、第一分割コア31の第一挿入部31bと、第二分割コア32の第二挿入部32bの一部は、巻回部2Bの内部で巻回部2Bの軸方向に交差する方向に並列される。即ち、両挿入部31b,32bによって内側コア部3Bが形成される。第一挿入部31bの側面と第二挿入部32bの側面とは接触していても良いし、接触していなくても良い。ここで、第二挿入部32bは第一挿入部31bよりも長くなっている。そのため、巻回部2Bの一面側(紙面左側)において第二挿入部32bの先端面を第一外側コア部3Cに当接させたとき、巻回部2Bの他端面側(紙面右側)において、第二外側コア部3Dと第一挿入部31bとの間が離隔する。この離隔した空間(離隔部3BG)は、磁性コア3の磁気特性を調整するギャップとして機能する。
離隔部3AG,3BGのギャップ長(巻回部2A,2Bの軸方向における離隔距離)は、適宜選択することができる。例えば、ギャップ長は、0.1mm以上5mm以下とすることが好ましく、0.5mm以上3mm以下とすることがより好ましい。この範囲のギャップ長とすることで、離隔部3AG,3BGの位置における漏れ磁束の増加を抑制しつつ、離隔部3AG,3BGによる磁性コア3の磁気特性の調整効果を得ることができる。
離隔部3AG,3BGが形成される位置は、内側コア部3A,3Bにおける巻回部2A,2Bの並列方向の内方側となっている。そのため、離隔部3AG,3BGからリアクトル1の外方側に磁束が漏れ難く、漏れ磁束によるコイル2の損失が生じ難い。ここで、図示する例とは異なり、離隔部3AG,3BGが形成される位置を、巻回部2A,2Bの並列方向の外方側としても構わない。例えば、第二挿入部32a(第一挿入部31b)の先端面を第一外側コア部3C(第二外側コア部3D)に当接させ、第一挿入部31a(第二挿入部32b)の先端面が第二外側コア部3D(第一外側コア部3C)から離隔するようにすれば、内側コア部3A(3B)における巻回部2A,2Bの並列方向の外方側に離隔部3AG(3BG)を形成できる。後述する実施形態でも同様に、離隔部3AG,3BGの位置を、巻回部2A,2Bの並列方向の外方側に配置することができる。
磁性体である第一分割コア31と第二分割コア32とが離隔することで形成される離隔部3AG,3BGは、いわゆるエアギャップである。この離隔部3AG,3BGには、磁性コア3とコイル2を除く他の構成が配置される場合がある。例えば、リアクトル1をケースに収納し、ポッティング樹脂で埋設する場合、ポッティング樹脂が離隔部3AG,3BGに入り込む。また、リアクトル1を冷媒に浸積させた状態で使用する場合、冷媒が離隔部3AG,3BGに入り込む。これらポッティング樹脂や冷媒などが離隔部3AG,3BGに入り込んでも、離隔部3AG,3BGの部分がギャップとして機能することに変わりは無い。
[まとめ]
以上説明した分割状態の磁性コア3を備えるリアクトル1は生産性に優れる。巻回部2A,2Bの軸方向の一端側から第一分割コア31の第一挿入部31a,31bを挿入すると共に、巻回部2A,2Bの軸方向の他端側から第二分割コア32の第二挿入部32a,32bを挿入し、両分割コア31,32の接触部分を接着剤などで連結するだけで、コイル2に磁性コア3を組み付けることができるからである。
また、上記構成によれば、安定した磁気特性を備えるリアクトル1とすることができる。巻回部2A,2Bの内部に配置される内側コア部3A,3Bが、その内部にボイドが形成され難い形態となっており、ボイドに起因する磁気特性の乱れが生じ難いからである。内側コア部3A(3B)は、巻回部2A(2B)の軸方向に交差する方向に並ぶ第一挿入部31a(31b)と第二挿入部32a(32b)とで構成されている。つまり、両挿入部31a,32a(31b,32b)は、内側コア部3A(3B)を一体物として作製するよりも薄くなっている。厚みが薄い挿入部31a,32a(31b,32b)であれば、挿入部31a,32a(31b,32b)を構成する樹脂を硬化させる際、挿入部31a,32a(31b,32b)の内部から気泡を追い出し易い。そのため挿入部31a,32a(31b,32b)の内部にボイドができ難く、内側コア部3A(3B)の位置にボイドに起因する磁気特性の乱れが生じ難い。
さらに、上記構成によれば、用途に応じた磁気特性を備えるリアクトル1とすることができる。離隔部3AG,3BGによって磁性コア3の全体的な磁気特性の調整を行ない易いからである。特に本例では、巻回部2Aの側に形成される離隔部3AGと、巻回部2Bの側に形成される離隔部3BGと、が環状の磁性コア3の中心を挟んで点対称の位置に配置されている。そのため、両離隔部3AG,3BGからの磁束の漏れも点対称の位置に離隔するので、コイル2に交差する漏れ磁束の増加を抑制でき、コイル2の損失を小さくできる。
<実施形態2>
実施形態2では、第一分割コア31の第一挿入部31aと、第二分割コア32の第二挿入部32bと、が階段状に形成されたリアクトル1を図3に基づいて説明する。
内側コア部3Aの一部を構成する第一挿入部31aは、その根元側の部分が厚く、根元部分よりも先端側の部分が薄くなっている。また、第一挿入部31aと共に内側コア部3Aを構成する第二挿入部32aの長さは、第一挿入部31aの厚みの薄い部分の長さよりも短くなっている。そのため、第二挿入部32aの先端面と、第一挿入部31aの根元部分と、の間に離隔部3AGが形成される。その離隔部3AGは、巻回部2Aの内部に配置された状態になる。
内側コア部3Bの一部を構成する第二挿入部32bは、その根元側の部分が厚く、根元部分よりも先端側の部分が薄くなっている。また、第二挿入部32bと共に内側コア部3Bを構成する第一挿入部31bの長さは、第二挿入部32bの厚みの薄い部分の長さよりも短くなっている。そのため、第一挿入部31bの先端面と、第二挿入部32bの根元部分と、の間に離隔部3BGが形成される。その離隔部3BGは、巻回部2Bの内部に配置された状態になる。
上記構成によれば、離隔部3AG(3BG)が巻回部2A(2B)の内部に配置されるため、離隔部3AG(3BG)から磁性コア3の外部に磁束が漏れることを抑制することができる。
<実施形態3>
実施形態3では、第一分割コア31の第一挿入部31a,31bと、第二分割コア32の第二挿入部32a,32bが共に、先細り形状となったリアクトル1を図4に基づいて説明する。
内側コア部3Aの一部を構成する第一挿入部31aの側面のうち、巻回部2A,2Bの並列方向の外方側の面は、巻回部2A,2Bの軸方向に沿った平面となっている。その第一挿入部31aの側面のうち、巻回部2A,2Bの並列方向の内方側の面(第二挿入部32aに対向する対向面)は、根元から先端に向かうに従い上記並列方向の外方寄りに傾斜する傾斜面となっている。一方、内側コア部3Aの一部を構成する第二挿入部32aの側面のうち、巻回部の並列方向の内方側の面は、巻回部2A,2Bの軸方向に沿った平面となっている。その第二挿入部32aの側面のうち、巻回部2A,2Bの並列方向の外方側の面(第一挿入部31aに対向する対向面)は、根元から先端に向かうに従い上記並列方向の内方寄りに傾斜する傾斜面となっている。
内側コア部3Bの一部を構成する第一挿入部31bは、上記第二挿入部32aと同様の形状を点対称に備える。また、内側コア部3Bの一部を構成する第二挿入部32bは、上記第一挿入部31aと同様の形状を点対称に備える。
図4に示す構成によれば、巻回部2A(2B)の一端面から第一分割コア31の第一挿入部31a(31b)を挿入すると共に、巻回部2A(2B)の他端面から第二分割コア32の第二挿入部32a(32b)を挿入する際、両挿入部31a,32a(31b,32b)の先端同士がぶつかり難い。そのため、両挿入部31a,32a(31b,32b)が挿入し易いし、両挿入部31a,32a(31b,32b)が損傷し難い。
<実施形態4>
実施形態1〜3では、内側コア部3A,3Bを巻回部2A,2Bの並列方向に二分割した構成を説明した。これに対して、実施形態4では、内側コア部3A,3Bを巻回部2A,2Bの並列方向に三分割した構成を図5に基づいて説明する。
本例の第一分割コア31は、第一外側コア部3Cに一体化される二本の第一挿入部31a,31aと一本の第一挿入部31bとを備える。また、本例の第二分割コア32は、第二外側コア部3Dに一体化される二本の第二挿入部32b,32bと一本の第二挿入部32aとを備える。
第一分割コア31の二本の第一挿入部31a,31aの間隔は、第二分割コア32の第二挿入部32aの厚みとほぼ同じとなっている。同様に、第二分割コア32の二本の第二挿入部32b,32bの間隔は、第一分割コア31の第一挿入部31bの厚みとほぼ同じとなっている。そのため、第一分割コア31と第二分割コア32とを組み合わせれば、二本の第一挿入部31a,31aと一本の第二挿入部32aとで内側コア部3Aが形成されると共に、二本の第二挿入部32b,32bと一本の第一挿入部31bとで内側コア部3Bが形成される。
上記構成によれば、各挿入部31a,31b,32a,32bの厚みを、実施形態1〜3の場合よりも薄くすることができる。そのため、内側コア部3A,3Bの位置にボイドが形成される可能性を、実施形態1〜3の場合よりも低くすることができる。
<実施形態5>
実施形態5では、内側コア部3A,3Bを高さ方向(紙面上下方向)に分割した構成を図6に基づいて説明する。図6の上段図は、図1の巻回部2Aが設けられる部分の縦断面図、図6の下段図は、図1の巻回部2Bが設けられる部分の縦断面図である。
上段図に示すように本例の第一分割コア31の第一挿入部31aは、リアクトル1の高さ方向の上方側に配置され、下段図に示すように第一挿入部31bは、上記高さ方向の下方側に配置されている。
一方、上段図に示すように第二分割コア32の第二挿入部32aは、リアクトル1の高さ方向の下方側に配置され、下段図に示すように第二挿入部32bは、上記高さ方向の上方側に配置されている。このような形状の第二分割コア32と、上述した第一分割コア31とは、同一の金型で作製することができる。
上記構成によれば、巻回部2Aの側に形成される離隔部3AGと、巻回部2Bの側に形成される離隔部3BGとを、高さ方向の下方側に寄せることができる。本例では、外側コア部3C,3Dが高さ方向の下方側に突き出しているため、離隔部3AG,3BGを下方側に配置することで、離隔部3AG,3BGから磁性コア3の外部に磁束が漏れ難くなる。
<実施形態6>
実施形態6では、第一挿入部31a,31bおよび第二挿入部32a,32bの少なくとも一方の先端部が局所的に先細り形状に形成されたリアクトル1を説明する。その説明にあたっては、図2〜図6を参照する。
巻回部2A(2B)の内部で並列される第一挿入部31a(31b)と第二挿入部32a(32b)のうちの一方を挿入部X、他方を挿入部Yとする。そして、挿入部Xの側面の一つであって挿入部Yに対向する対向面のうち、挿入部Xの先端側の一部が挿入部Yから離隔するように、挿入部Xの先端側の一部を先細り形状とする。具体的には、図2〜6において点線で示す部分を切り欠いた形状とする。
挿入部Xの先端側の一部を切り欠くことで、挿入部Xの先端側において、挿入部Xと挿入部Yの並列方向に隙間を形成することができる。この隙間は、磁性コアの磁気特性の調整に寄与する。即ち、上記隙間は、補助的なギャップとして働く。このような隙間を形成することで、離隔部3AG,3BGの間隔(巻回部2A,2Bの軸方向における第一分割コア31と第二分割コア32との離隔距離)を拡げることなく、離隔距離を拡げることによって得られる磁気特性の調整効果を得ることができる。上記離隔距離を拡げると、離隔部3AG,3Bの位置で漏れ磁束が大きくなり易いが、挿入部Xと挿入部Yの並列方向に隙間を設ける構成なら漏れ磁束の増加を抑制しつつ、磁気特性の調整効果を得ることができる。
<実施形態7>
実施形態1〜6では、二つの巻回部2A,2Bを有するコイル2を備えるリアクトル1を説明した。これに対して、一つの巻回部5Aを有するコイル5を備えるリアクトル10、いわゆるポット型リアクトル10を図7に基づいて説明する。
本例のリアクトル10に備わるコイル5は、巻回部5Aを一つだけ備え、この一つの巻回部5Aから端部5a,5bが引き出されている。
上段図に示すように、リアクトル10の磁性コア6は便宜上、内側コア部6Aと、第一外側コア部6Cと、第二外側コア部6Dと、筒状外側コア部6Eと、に分けられる。この磁性コア6の分割状態は、下段図に示すように、第一分割コア61と第二分割コア62と第三分割コア63の三つとなっている。第一分割コア61は、第一外側コア部6Cと、第一外側コア部6Cに一体に設けられる棒状の第一挿入部61aと、で構成されている。また、第二分割コア62は、第二外側コア部6Dと、第二外側コア部6Dに一体に設けられる筒状の第二挿入部62aと、で構成されている。一方、第三分割コア63は、筒状外側コア部6Eで構成されている。第三分割コア63の一端部と他端部はそれぞれ、第一外側コア部6Cと第二外側コア部6Dに当接している。なお、筒状外側コア部6Eは、第一分割コア61あるいは第二分割コア62に一体に形成しても良い。この場合、磁性コア6の分割数は二つとなる。
本例では、筒状の第二挿入部62aの長さが、棒状の第一挿入部61aよりも短くなっている。そのため、内側コア部6Aの紙面上方側に離隔部6AGが形成されている。もちろん、筒状の第二挿入部62aの長さを、第一挿入部61aよりも長くして、内側コア部6Aの紙面下方側に離隔部6AGを形成することもできる。
ポット型リアクトル10においても、一対の巻回部2A,2Bを備えるリアクトル1と同様の効果を得ることができる。
<実施形態8>
実施形態1〜7のリアクトルは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンスが、10μH以上2mH以下、最大電流通電時のインダクタンスが、0Aのときのインダクタンスの10%以上を満たすものが好適に利用できると期待される。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図8に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図8では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態としても良い。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図9に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。
ここで、上記車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態のリアクトルなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態のリアクトルなどを利用することもできる。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載される双方向DC−DCコンバータといった電力変換装置のリアクトルに利用することができる。
1,10 リアクトル
2,5 コイル
2A,2B,5A 巻回部 2r 連結部
2a,2b,5a,5b 端部
3,6 磁性コア
3A,3B,6A 内側コア部
3C,6C 第一外側コア部 3D,6D 第二外側コア部
6E 筒状外側コア部
31,61 第一分割コア 31a,31b,61a 第一挿入部
32,62 第二分割コア 32a,32b,62a 第二挿入部
63 第三分割コア
3AG,3BG,6AG 離隔部
4 絶縁介在部材
1100 電力変換装置
1110 コンバータ 1111 スイッチング素子 1112 駆動回路
L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ
1220 モータ
1230 サブバッテリ
1240 補機類
1250 車輪

Claims (8)

  1. 巻回部を有するコイルと、前記巻回部の内部に配置される内側コア部を有する磁性コアと、を備えるリアクトルであって、
    前記磁性コアの少なくとも一部は、樹脂に軟磁性粉末を含有させた複合材料で構成される第一分割コアと第二分割コアとを組み合わせてなり、
    前記第一分割コアは、前記巻回部の軸方向の一端側で前記巻回部の外側に配置される第一外側コア部と、前記第一外側コア部に一体に設けられ、前記巻回部の一端面から前記巻回部の内部に挿入される第一挿入部と、を備え、
    前記第二分割コアは、前記巻回部の軸方向の他端側で前記巻回部の外側に配置される第二外側コア部と、前記第二外側コア部に一体に設けられ、前記巻回部の他端面から前記巻回部の内部に挿入される第二挿入部と、を備え、
    前記巻回部の内部で前記第一挿入部と前記第二挿入部とが前記巻回部の軸方向に交差する方向に並ぶことで、前記巻回部の内部に配置される前記内側コア部が形成されており、
    前記巻回部のいずれかの端面側において、前記第一分割コアと前記第二分割コアとが前記巻回部の軸方向に離隔する離隔部が形成されているリアクトル。
  2. 前記巻回部を一対備え、一方の巻回部の軸方向と他方の巻回部の軸方向とが互いに平行となるように両巻回部が並列されており、
    前記第一分割コアは、前記一方の巻回部と前記他方の巻回部のそれぞれに挿入される前記第一挿入部を備え、
    前記第二分割コアは、前記一方の巻回部と前記他方の巻回部のそれぞれに挿入される前記第二挿入部を備え、
    前記一方の巻回部の側に形成される前記離隔部は、前記一方の巻回部の一端面側および他端面側のいずれかの側に配置され、
    前記他方の巻回部の側に形成される前記離隔部は、前記他方の巻回部の一端面側および他端面側のうち、前記一方の巻回部における前記離隔部と反対側に配置される請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記一方の巻回部と前記他方の巻回部の内部で、前記第一挿入部と前記第二挿入部とが、両巻回部の並列方向に並ぶ請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記第一挿入部および前記第二挿入部のうちの一方を挿入部X、他方を挿入部Yとしたとき、
    前記挿入部Xの側面の一つであって前記挿入部Yに対向する対向面のうち、前記挿入部Xの先端側の一部が前記挿入部Yから離隔するように、前記挿入部Xの先端側の一部が先細り形状となっている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記第一分割コアと前記第二分割コアは、同一形状を備える請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記第一挿入部と前記第二挿入部は共に、その全体が根元側から先端側に向かうに従い細くなる先細り形状である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のリアクトルを備えるコンバータ。
  8. 請求項7に記載のコンバータを備える電力変換装置。
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