JP2017027929A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁体の割れに対する耐性を向上する。【解決手段】軸孔を有する絶縁体と、後端が軸孔内に位置する中心電極と、胴部と、胴部より後端側に位置し、絶縁体より後端側で外部に露出する頭部と、を備える端子金具と、端子金具の先端に接触する導電性のシール材と、を備えるスパークプラグの絶縁体は、端子金具の胴部の先端が配置され、第1の内径を有する円筒状の第1部と、絶縁体の後端から先端側に1mm以上離れた部分を含み、第1の内径より大きな第2の内径を有する円筒状の第2部と、第1部と第2部との間に位置し、第1の内径より大きく第2の内径より小さな第3の内径を有する円筒状の第3部と、を備える。端子金具の胴部は、先端を含む円筒状の先端胴部と、先端胴部より後端側に位置し、先端胴部の外径より大きな外径を有する円筒状の後端胴部と、を備える。第3部の後端は、後端胴部の先端より後端側に位置する。【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関等において燃料ガスに点火するためのスパークプラグに関する。
内燃機関等において着火に用いられるスパークプラグは、絶縁体によって互いに絶縁された中心電極と接地電極とに電圧が印加されることによって、中心電極の先端部と接地電極の先端部との間に形成された火花ギャップに、火花を発生させる(例えば、特許文献1)。
特開2013−206740号公報
しかしながら、スパークプラグの小径化、小型化に伴って、絶縁体の肉厚はより薄く、端子金具の外径はより細くなる傾向にある。この結果、端子金具の振動などによって絶縁体の割れが発生しやすくなる傾向にあった。このために、絶縁体の割れに対する耐性の確保が困難になる可能性があった。
本明細書は、スパークプラグの絶縁体の割れに対する耐性を向上できる技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 軸線に沿って延びる軸孔を有する絶縁体と、
前記軸線に沿って延び、後端が前記軸孔内に位置する中心電極と、
前記軸孔内に配置され、先端が前記中心電極の後端より後端側に位置する胴部と、前記胴部より後端側に位置し、前記絶縁体より後端側で外部に露出する頭部と、を備える端子金具と、
前記軸孔内において前記端子金具の先端に接触する導電性のシール材と、
を備えるスパークプラグであって、
前記絶縁体は、
前記端子金具の前記胴部の先端が配置され、第1の内径を有する円筒状の第1部と、
前記絶縁体の後端から先端側に1mm以上離れた部分を含み、前記第1の内径より大きな第2の内径を有する円筒状の第2部と、
前記第1部と前記第2部との間に位置し、前記第1の内径より大きく前記第2の内径より小さな第3の内径を有する円筒状の第3部と、を備え、
前記端子金具の前記胴部は、先端を含む円筒状の先端胴部と、前記先端胴部より後端側に位置し、前記先端胴部の外径より大きな外径を有する円筒状の後端胴部と、を備え、
前記第3部の後端は、前記後端胴部の先端より後端側に位置することを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、例えば、端子金具が振動した場合に、胴部は、前記絶縁体の後端から比較的離れた第3部と接触しやすく、第2部とは接触し難い。この結果、端子金具から絶縁体に付加される衝撃を低減できるので、絶縁体の割れを抑制することができる。
[適用例2]適用例1に記載のスパークプラグであって、
前記絶縁体の前記第3部の径方向の厚さは、6.1mm以下であることを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、第3部の径方向の厚さが比較的薄い絶縁体の割れを効果的に抑制することができる。
[適用例3]適用例1または2に記載のスパークプラグであって、
前記第1の内径は、2.9mm以下であることを特徴とする、スパークプラグ。
上記構成によれば、端子金具の胴部の外径が比較的細いために振動しやすいにも拘わらずに、効果的に絶縁体10の割れを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグやスパークプラグ用の絶縁体、スパークプラグを搭載する内燃機関や、そのスパークプラグを用いた点火装置、該点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
本実施形態のスパークプラグ100の断面図。 図1における端子金具40の近傍の拡大図。 比較形態のスパークプラグ100bの端子金具40近傍の構成を示す図。 比較形態のスパークプラグ100cの端子金具40近傍の構成を示す図。 変形例のスパークプラグの絶縁体10dの断面図。 変形例のスパークプラグの端子金具40の近傍の構成を示す第1の図。 変形例のスパークプラグの端子金具40の近傍の構成を示す第2の図。
A.実施形態:
A−1.スパークプラグの構成:
以下、本明細書に開示される技術を実施形態に基づいて説明する。図1は本実施形態のスパークプラグ100の断面図である。図1の一点破線は、スパークプラグ100の軸線COを示している。軸線COを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、軸線COを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図1における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。図1における下側を、先端側と呼び、図1における上側を後端側と呼ぶ。スパークプラグ100は、絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、を備える。
絶縁体(絶縁碍子)10は、アルミナ等を焼成して形成されている。絶縁体10は、軸線COに沿って延び、絶縁体10を貫通する軸孔12を有する略円筒形状の部材である。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、段部15と、脚長部13とを備えている。後端側胴部18は、鍔部19より後端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19より先端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17より先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、スパークプラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。段部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成されている。
主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成され、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50は、軸線COに沿って貫通する挿入孔59が形成されている。主体金具50は、絶縁体10の外周に配置される。すなわち、主体金具50の挿入孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。絶縁体10の先端は、主体金具50の先端より先端側に突出している。絶縁体10の後端は、主体金具50の後端より後端側に突出している。
主体金具50は、スパークプラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、内燃機関に取り付けるための取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8(8mm(ミリメートル))、M10、M12、M14、M18のいずれかとされている。
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、スパークプラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面との間に形成される環状の領域には、環状のパッキン6,7が配置されている。当該領域における2つのパッキン6、7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。主体金具50の圧縮変形部58は、製造時において、絶縁体10の外周面に固定された加締部53が先端側に押圧されることにより、圧縮変形する。圧縮変形部58の圧縮変形によって、パッキン6、7およびタルク9を介し、絶縁体10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これによって、金属製の環状の板パッキン8を介して、主体金具50の取付ネジ部52の内周に形成された段部56(金具側段部)によって、絶縁体10の段部15(絶縁碍子側段部)が押圧される。この結果、内燃機関の燃焼室内のガスが、主体金具50と絶縁体10との隙間から外部に漏れることが、板パッキン8によって防止される。
中心電極20は、軸線COに沿って延びる棒状の中心電極本体21と、中心電極本体21の先端に接合された円柱状の中心電極チップ29と、を備えている。中心電極本体21は、絶縁体10の軸孔12の内部の先端側の部分に配置されている。中心電極本体21は、例えば、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金で形成されている。また、中心電極本体21は、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部24と、鍔部24よりも後端側の部分である頭部23と、鍔部24よりも先端側の部分である脚部25と、を備えている。鍔部24は、絶縁体10の軸孔12に形成された段部12Sに支持されている。脚部25の先端、すなわち、中心電極本体21の先端は、絶縁体10の先端より先端側に突出している。頭部23の後端、すなわち、中心電極本体21の後端は、絶縁体10の軸孔12内に位置している。中心電極チップ29は、例えば、高融点の貴金属材料で形成され、中心電極本体21の先端に接合されている。
接地電極30は、主体金具50の先端に接合された接地電極本体31と、円柱状の接地電極チップ39と、を備えている。接地電極本体31の後端は、主体金具50の先端面に接合されている。接地電極本体31は、耐腐食性の高い金属、例えば、ニッケル合金を用いて形成されている。接地電極チップ39は、高融点の貴金属材料で形成され、接地電極本体31の先端部分の中心電極20を向いた面に接合されている。
接地電極チップ39の後端面と、中心電極チップ29の先端面とは、火花放電が発生する間隙(ギャップとも呼ぶ)を形成している。ギャップの近傍をスパークプラグ100の発火部とも呼ぶ。
端子金具40は、軸線COに沿って延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成されている。端子金具40は、先端が中心電極20の後端より後端側に位置する胴部43と、胴部43より後端側に位置する頭部45と、を備えている。胴部43は、絶縁体10の軸孔12内に配置され、頭部45は、絶縁体10より後端側で外部に露出している。胴部43は、鍔部42(端子顎部)と、鍔部42より後端側に位置するキャップ装着部41と、を備えている。
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40の先端と中心電極20の後端との間には、火花発生時のノイズを低減するための抵抗体70が配置されている。軸孔12内において、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性のシール部材60によって埋められている。また、抵抗体70と端子金具40の胴部43との隙間は、導電性のシール部材80によって埋められている。したがって、胴部43の先端(すなわち、端子金具40の先端)は、軸孔12内において、導電性のシール部材80に接触している。
このスパークプラグ100は、自動車等の内燃機関に取り付けて使用される。具体的には、端子金具40と主体金具50との間に、例えば、約20kVの直流電圧が印加されることによって、中心電極20と接地電極30と間のギャップに火花放電が発生する。該火花放電のエネルギーによって、内燃機関において、燃料ガスへの着火が行われる。
A−2.端子金具40の近傍の構成
次に、端子金具40の近傍の構成について、さらに、詳しく説明する。図2は、図1における端子金具40の近傍の拡大図である。絶縁体10の軸孔12は、第1の孔12Aと、第1の孔12Aより後端側に位置する第2の孔12Eと、第1の孔12Aと第2の孔12Eとの間に位置する第3の孔12Cと、を含んでいる。そして、第1の孔12Aと第3の孔12Cとの間には、先端側から後端側に向かって拡径する拡径孔12Bが形成され、第3の孔12Cと第2の孔12Eとの間には、先端側から後端側に向かって拡径する拡径孔12Dが形成されている。換言すれば、軸孔12の観点から見ると、絶縁体10は、第1の孔12Aが形成された円筒状の第1部10Aと、第2の孔12Eが形成された円筒状の第2部10Bと、第3の孔12Cが形成された円筒状の第3部10Cと、を備えている。そして、第2部10Bの内径Rb(すなわち、第2の孔12Eの孔径Rb)は、第1部10Aの内径Ra(すなわち、第1の孔12Aの孔径Ra)より大きい(Ra<Rb)。また、第3部10Cの内径Rc(すなわち、第3の孔12Cの孔径Rc)は、第1部10Aの内径Raより大きく第2部10Bの内径Rbより小さい(Ra<Rc<Rb)。そして、第1部10Aと第3部10Cとの間には、拡径孔12Bが形成された段部が配置され、第3部10Cと第2部10Bとの間には、拡径孔12Dが形成された段部が配置されている。
端子金具40の胴部43は、胴部43の先端を含む円筒状の先端胴部43Aと、先端胴部43Aより後端側に位置する円筒状の後端胴部43Cと、先端胴部43Aと後端胴部43Cとの間に位置する段部43Bと、を備える。後端胴部43Cの外径Reは、先端胴部43Aの外径Rdより大きい。段部43Bの外周面は、先端側から後端側に向かって拡径している。
先端胴部43Aの先端(すなわち、胴部43の先端)は、第1部10Aの第1の孔12A内に配置されている。
第3部10Cの後端P1は、後端胴部43Cの先端P2より後端側に位置している。このために、絶縁体10の第2部10Bの内部と、第3部10Cのうち、後端側の部分の内部と、には、後端胴部43Cが位置する。
また、第1部10Aの後端P3は、後端胴部43Cの先端P2より先端側に位置している。このために、絶縁体10の第1部10Aの内部には、先端胴部43Aが位置している。
また、図2に示すように、胴部43の段部43Bの軸線方向の位置と、絶縁体10の拡径孔12Bの軸線方向の位置は、ほぼ同じである。このために、胴部43の外周面(拡径面)と、拡径孔12Bを形成する絶縁体10の内周面(拡径面)とは、対向している。
端子金具40の胴部43と、絶縁体10の第2部10Bとは、周方向の全周に亘って、非接触である。すなわち、胴部43の後端胴部43Cの外周面と、第2部10Bの内周面とは、離れている。また、端子金具40の胴部43と、絶縁体10の第3部10Cとは、図2に示すように、周方向の全周に亘って、非接触である。後端胴部43Cの外周面と第2部10Bの内周面との間の隙間ΔR1は、後端胴部43Cの外周面と第3部10Cの内周面との間の隙間ΔR2より大きい。
ここで、第3部10Cの径方向の厚さ(肉厚)をTとする。また、絶縁体10の後端側部分の外径、すなわち、第3部10Cおよび第2部10Bの外径をRfとする。第3部10Cの厚さTは、第3部10Cの外径Rfと、第3部10Cの内径Rcと、を用いて、T={(Rf−Rc)/2}と表すことができる。
ここで、絶縁体10の後端Peから第3部10Cの後端P1までの軸線方向の長さをLdとする。また、絶縁体10の後端Peから第1部10Aの後端P3までの軸線方向の長さをLbとする。絶縁体10の後端Pe(すなわち、胴部43の後端)から胴部43の先端Psまでの軸線方向の長さをLaとする。絶縁体10の後端Pe(すなわち、胴部43の後端)から後端胴部43Cの先端P2までの軸線方向の長さをLcとする。
B.第1評価試験:
スパークプラグのサンプルを用いて、衝撃に対する耐性を評価する耐衝撃性試験が実行された。第1評価試験では、表1に示すように、5種類のスパークプラグ100のサンプルA1〜A5を作成した。各サンプルに共通な寸法は、以下の通りである。
絶縁体10の後端Peから胴部43の先端Psまでの長さLa:41mm
絶縁体10の後端Peから第1部10Aの後端P3までの長さLb:19.2mm
絶縁体10の後端Peから後端胴部43Cの先端P2までの長さLc:7.0mm
第1部10Aの内径Ra:3mm
第2部10Bの内径Rb:3.9mm
第3部10Cの内径Rc:3.4mm
先端胴部43Aの外径Rd:2.85mm
後端胴部43Cの外径Re:3.2mm
第3部10Cの外径Rf:9.0mm
Figure 2017027929
5種類のサンプルA1〜A5では、絶縁体10の後端Peから第3部10Cの後端P1までの軸線方向の長さLdが、それぞれ異なり、0.5mm、0.9mm、1mm、3mm、5mmとされている。なお、サンプルA1〜A5において、絶縁体10は、アルミナを用いて形成され、端子金具40は、低炭素鋼を用いて形成された。
耐衝撃性試験は、JIS B8031:2006(内燃機関−スパークプラグ)の7.4に規定された条件で、各サンプルに衝撃を加えた。試験後のサンプルの絶縁体10を目視で確認して、絶縁体10の割れの発生の有無を調べた。試験では、1種類のサンプルについて、10個ずつサンプルの試験を行った。
そして、10個の全てで割れの発生が認めらなかったサンプルの評価を「A」とし、10個のうちの1個以上3個以下で割れの発生が認められたサンプルの評価を「B」とし、10個のうちの4個以上6個以下で割れの発生が認められたサンプルの評価を「C」とし、10個のうちの7個以上で割れの発生が認められたサンプルの評価を「D」とした。
長さLdが1mm未満であるサンプルA1、A2の評価は、「D」であり、長さLdが1mm以上であるサンプルA3〜A5の評価は、「B」であった。この理由は、以下のように考えられる。スパークプラグ100に衝撃が加えられると、絶縁体10の軸孔12内にて、端子金具40は、シール部材80によって絶縁体10内に固定された先端胴部43Aの先端Ps(図2参照)を支点として振動すると考えられる。スパークプラグ100の場合には、第3部10Cの後端P1が、振動時に、端子金具40の胴部43と接触する接触点となる。すなわち、振動時には、第3部10Cの後端P1と、胴部43と、が衝突して、端子金具40から絶縁体10に径方向に衝撃が加えられる。したがって、スパークプラグ100では、振動の支点Psから衝撃の作用点P1までの距離は、(La−Ld)となる。
図3は、比較形態のスパークプラグ100bの端子金具40近傍の構成を示す図である。図3のスパークプラグ100bの絶縁体10bのように、第3部10Cが設けられていない場合を考える。この絶縁体10bは、第3部10Cが設けられていないので、第1部10Aの後端側の拡径孔12Bの後端側において、図2の第2部10Bと第3部10Cとが配置されている位置に、内径Rbを有する第2部10Bbが位置している。この場合には、第2部10Bbの後端Pe(すなわち、絶縁体10の後端Pe)が、振動時に、端子金具40の胴部43と接触する接触点となる。したがって、スパークプラグ100bでは、振動の支点Psから衝撃の作用点Peまでの距離は、Laとなる。
以上の説明から解るように、実施形態のスパークプラグ100では、振動の支点Psから衝撃の作用点P1までの距離(La−Ld)が、比較形態のスパークプラグ100bの振動の支点Psから衝撃の作用点Peまでの距離Laより短くなるので、端子金具40によって絶縁体10に付加される衝撃(モーメント)を小さくすることができる。この結果、絶縁体10の耐衝撃性を向上することができる。
しかしながら、長さLdが過度に短い場合には、振動の支点Psから衝撃の作用点P1までの距離(La−Ld)を十分に短くすることができないので、耐衝撃性を十分に向上できない場合があると考えられる。第1評価試験の結果から、長さLdは、1mm以上であれば、振動の支点Psから衝撃の作用点P1までの距離(La−Ld)を短くすることによって、耐衝撃性を向上できることが解った。図2のスパークプラグ100において、第2部10Bの軸線方向の長さが、1mm以上となるように、第3部10Cを形成すれば、長さLdを1mm以上に設定できる。換言すれば、第2部10Bが、絶縁体10の後端から先端側に1mm以上離れた部分を含むように、第3部10Cを形成すれば、絶縁体10の耐衝撃性を向上することができることが解った。
C.第2評価試験:
さらに、耐衝撃性を向上できる構成を確かめるべく、第2評価試験を行った。第2評価試験では、表2に示すように、5種類のサンプルB1〜B5を作成した。各サンプルに共通な寸法は、以下の通りである。
絶縁体10の後端Peから胴部43の先端Psまでの長さLa:41mm
絶縁体10の後端Peから第1部10Aの後端P3までの長さLb:19.2mm
絶縁体10の後端Peから後端胴部43Cの先端P2までの長さLc:10mm
第1部10Aの内径Ra:3mm
第2部10Bの内径Rb:3.9mm
第3部10Cの内径Rc:3.4mm
先端胴部43Aの外径Rd:2.85mm
後端胴部43Cの外径Re:3.2mm、
第3部10Cの外径Rf:9.0mm
なお、絶縁体10や端子金具40などの各部材の材質は、上記第1評価試験と同じである。また、各サンプルに対する耐衝撃性試験の内容および評価基準は、上述した第1評価試験と同じである。
Figure 2017027929
5種類のサンプルB1〜B5では、絶縁体10の後端Peから第3部10Cの後端P1までの軸線方向の長さLdが、それぞれ異なり、5mm、9mm、10mm、11mm、15mmとされている。なお、絶縁体10の後端Peから後端胴部43Cの先端P2までの長さLcは、10mmに固定されている。この結果、2個のサンプルB1、B2では、(Lc−Ld)は、0より大きな値となり、図2のスパークプラグ100のように、絶縁体10の第3部10Cの後端P1は、後端胴部43Cの先端P2より後端側に位置している。
これに対して、サンプルB4、B5は、(Lc−Ld)は、0未満の値となる。この場合には、図2のスパークプラグ100とは異なり、絶縁体10の第3部10Cの後端P1は、後端胴部の先端P2より先端側に位置している。サンプルB3は、(Lc−Ld)=0である。この場合には、図2のスパークプラグ100とは異なり、絶縁体10の第3部10Cの後端P1は、後端胴部の先端P2と、同じである。
以上の説明から解るように、2個のサンプルB1、B2は、図2の実施形態のスパークプラグのサンプルであり、3個のサンプルB3〜B5は、図2とは異なる比較形態のスパークプラグのサンプルである。
(Lc−Ld)が0より大きな値となる2個のサンプルB1、B2の評価は、「B」であった。これに対して、(Lc−Ld)=0であるサンプルB3の評価は、「C」であり、
(Lc−Ld)が0未満である2個のサンプルB4、B5の評価は、「D」であった。この理由は、以下のように考えられる。(Lc−Ld)が0より大きい場合、すなわち、絶縁体10の第3部10Cの後端P1は、後端胴部43Cの先端P2より後端側に位置している場合には、第3部10Cの後端P1は、比較的大きな外径Reを有する後端胴部43Cと、径方向に対向する。この結果、振動時には、第3部10Cの後端P1が、端子金具40の胴部43と接触する接触点となることが、担保できる。この結果、絶縁体10の耐衝撃性を向上することが十分にできると考えられる。
これに対して、(Lc−Ld)が0以下である場合、すなわち、絶縁体10の第3部10Cの後端P1は、後端胴部43Cの先端P2より先端側に位置している場合には、第3部10Cの後端P1は、比較的小さな外径Rdを有する先端胴部43Aと、径方向に対向する。この結果、振動時には、第3部10Cの後端P1が、端子金具40の胴部43と接触する接触点となることが、担保できず、第2部10Bの後端Peが、胴部43と接触する接触点となってしまう可能性が高くなる。この結果、絶縁体10の耐衝撃性を向上することが十分にできないと考えられる。
図4は、比較形態のスパークプラグ100cの端子金具40近傍の構成を示す図である。図4の例では、後端胴部43Ccの軸線方向の長さが比較的短く、先端胴部43Acの軸線方向の長さが比較的長いために、絶縁体10の第3部10Cの後端P1は、後端胴部43Ccの先端P2より先端側に位置している。このような場合には、第3部10Cの後端P1は、比較的小さな外径Rdを有する先端胴部43Acと、径方向に対向するので、絶縁体10の第3部10Cの後端P1と、胴部43cと、の間隔ΔR2bは、図2のΔR2bより広くなってしまう。この結果、振動時に、第3部10Cの後端P1が、端子金具40の胴部43cと接触する接触点となることが、担保しがたくなることが解る。
これに対して、(Lc−Ld)が0である場合、すなわち、絶縁体10の第3部10Cの後端P1は、比較的大きな外径Reを有する後端胴部43Cと径方向に対向しているが、Reより小さな外径を有する段部43Bとも対向している。このために、(Lc−Ld)が0より大きい場合と比較すると、振動時には、第3部10Cの後端P1が、端子金具40の胴部43と接触する接触点となることが十分に担保できず、第2部10Bの後端Peが、胴部43と接触する接触点となってしまう可能性もある、と考えられる。この結果、絶縁体10の耐衝撃性を向上することが十分にできないと考えられる。
以上の説明から解るように、第2評価試験から、(Lc−Ld)が0より大きければ、すなわち、絶縁体10の第3部10Cの後端P1が、後端胴部43Cの先端P2より後端側に位置していれば、絶縁体10の耐衝撃性を向上することができることが解った。
このように、第1評価試験と第2評価試験の結果から、第2部10Bは、絶縁体10の後端から先端側に1mm以上離れた部分を含み、かつ、第3部10Cの後端P1が、後端胴部43Cの先端P2より後端側に位置していることが好ましいことが解った。こうすれば、端子金具40が振動した場合に、胴部43は、絶縁体10の後端から比較的離れた第3部10Cと接触しやすく、第2部10Bとは接触し難い。この結果、端子金具40から絶縁体10に付加される衝撃を低減できるので、絶縁体10の割れを抑制することができる。
D.第3評価試験:
さらに、耐衝撃性を向上できる構成を確かめるべく、第3評価試験を行った。第3評価試験では、表3に示すように、スパークプラグ100の8種類のサンプルC1〜C8を作成した。各サンプルに共通な寸法は、以下の通りである。
絶縁体10の後端Peから胴部43の先端Psまでの長さLa:41mm
絶縁体10の後端Peから第1部10Aの後端P3までの長さLb:19.2mm
絶縁体10の後端Peから後端胴部43Cの先端P2までの長さLc:10mm
絶縁体10の後端Peから第3部10Cの後端P1までの長さLd:5.0mm
第1部10Aの内径Ra:3mm
第2部10Bの内径Rb:4.1mm
第3部10Cの内径Rc:4.0mm
先端胴部43Aの外径Rd:2.85mm
後端胴部43Cの外径Re:3.8mm
なお、絶縁体10や端子金具40などの各部材の材質は、上記第1評価試験と同じである。また、各サンプルに対する耐衝撃性試験の内容および評価基準は、上述した第1評価試験と同じである。
Figure 2017027929
8種類のサンプルC1〜C8では、絶縁体10の第3部10Cを含む後端部分の外径Rf(図2)が互いに異なっており、20mm、18mm、17mm、16.4mm、16.2mm、14mm、9mm、7.5mmのいずれかとされている。これによって、8種類のサンプルC1〜C8の第3部10Cの肉厚T={(Rf−Rc)/2}(図2)は互いに異なっており、8mm、7mm、6.5mm、6.2mm、6.1mm、5mm、2.5mm、1.75mmとされている。
第3部10Cの肉厚Tが、8mmであるサンプルC1の評価は、「A」であり、第3部10Cの肉厚Tが、7mm以下のサンプルC2〜C8の評価は、「B」であった。ここで、第3部10Cの肉厚Tが、7mm以下のサンプルC2〜C8において、肉厚Tが小さくなっても、耐衝撃性の低下が認められないのは、絶縁体10に第3部10Cと第2部10Bとが設けられることによって、上述したように、第3部10Cの後端P1が、端子金具40の胴部43と接触する接触点となることが担保されているからであると考えられる。
これを確かめるために、さらに、表4に示すように、図3の比較形態のスパークプラグ100bの8種類のサンプルD1〜D8を作成して、同じように、耐衝撃性試験を行った。これらの8種類のサンプルD1〜D8は、図3に示すように、絶縁体10bにおいて、第3部が設けられていないので、第1部10Aの後端側の拡径孔12Bの後端側において、図2の第2部10Bと第3部10Cとが配置されている位置に、内径Rbを有する第2部10Bbが位置している。これらの8種類のサンプルD1〜D8は、第3部が設けられていない点を除く部分の寸法は、表3のサンプルC1〜C8の末尾の数字が同じサンプルと同じである。すなわち、8種類のサンプルD1〜D8では、絶縁体10bの第2部10Bbを含む後端部分の外径Rf(図3)が互いに異なっており、20mm、18mm、17mm、16.4mm、16.2mm、14mm、9mm、7.5mmとされている。これによって、8種類のサンプルD1〜D8の第2部10Bbの肉厚t={(Rf−Rb)/2}(図3)は互いに異なっており、7.95mm、6.95mm、6.45mm、6.15mm、6.05mm、4.95mm、2.45mm、1.7mmとされている。
Figure 2017027929
第2部10Bbの肉厚tが、7.95mmであるサンプルD1の評価は、「A」であり、第2部10Bbの肉厚tが、6.15mm以上6.95mm以下のサンプルD2〜D4の評価は、「B」であった。そして、第2部10Bbの肉厚tが、6.05mmであるサンプルD5の評価は、「C」であり、第2部10Bbの肉厚tが、4.95mm以下のサンプルD6〜D8の評価は、「D」であった。
このように、第2部10Bbの肉厚tが6.1mm以下のサンプルD5〜D8では、肉厚tが小さくことに伴って、耐衝撃性の低下が認められた。以上のことから、図2のスパークプラグ100では、絶縁体10に第3部10Cと第2部10Bとが設けられることによって、特に、絶縁体10の後端側部分の肉厚T(すなわち、第3部10Cの肉厚T)が、6.1mm以下である場合に、耐衝撃性の低下を抑制する効果が顕著であることが解った。
この理由は、以下のように考えられる。絶縁体10の後端側部分の肉厚が小さくなるに連れて、絶縁体10の径方向に加えられる衝撃に対する耐性が低下していき、端子金具40の振動に対する耐性が低下すると考えられる。この結果、絶縁体10の後端側部分の肉厚が小さくなるに連れて、端子金具40の振動による絶縁体10の割れが、主に発生する割れとなると考えられる。このときに、図2の実施形態のスパークプラグ100では、上述したように、第3部10Cの後端P1が、端子金具40の胴部43と接触する接触点となることが担保されているので、端子金具40の振動によって絶縁体10に加えられる衝撃を抑制できる。この結果、絶縁体10の後端側部分の肉厚が小さくなっても、具体的には、第3部10Cの肉厚Tが、6.1mm以下であっても、絶縁体10の割れを抑制できる、と考えられる。これに対して、図3の比較形態のスパークプラグ100bでは、上述したように、第2部10Bbの後端Pe(すなわち、絶縁体10の後端Pe)が、振動時に、端子金具40の胴部43と接触する接触点となってしまう。この結果、端子金具40の振動によって絶縁体10に加えられる衝撃を十分に抑制できない。この結果、絶縁体10の後端側部分の肉厚が小さくなると、具体的には、第2部10Bbの肉厚tが、6.1mm以下になると、絶縁体10の割れが発生しやすくなる、と考えられる。
以上の結果から、実施形態のスパークプラグ100では、絶縁体10の第3部10Cの肉厚T、すなわち、径方向の厚さTは、6.1mm以下である場合に、効果的であることが解った。すなわち、この場合に、第3部10Cの径方向の厚さTが比較的薄い絶縁体10の割れを効果的に抑制することができる。
D.第4評価試験:
さらに、耐衝撃性を向上できる構成を確かめるべく、第4評価試験を行った。第4評価試験では、表5に示すように、スパークプラグ100の9種類のサンプルE1〜E9を作成した。各サンプルに共通な寸法は、以下の通りである。
絶縁体10の後端Peから胴部43の先端Psまでの長さLa:41mm
絶縁体10の後端Peから第1部10Aの後端P3までの長さLb:19.2mm
絶縁体10の後端Peから後端胴部43Cの先端P2までの長さLc:10mm
絶縁体10の後端Peから第3部10Cの後端P1までの長さLd:5.0mm
第2部10Bの内径Rb:4.1mm
第3部10Cの内径Rc:4.0mm
後端胴部43Cの外径Re:3.8mm
なお、絶縁体10や端子金具40などの各部材の材質は、上記第1評価試験と同じである。また、各サンプルに対する耐衝撃性試験の内容および評価基準は、上述した第1評価試験と同じである。
Figure 2017027929
9種類のサンプルE1〜E9では、絶縁体10の第1部10Aの内径Ra(図2)が互いに異なっており、2.7mm、2.9mm、3mmのいずれかとされている。ここで、胴部43の先端胴部43Aの外径Rd(図2)は、先端胴部43Aが位置する第1部10Aの内径Raに応じて調整されている。具体的には、先端胴部43Aの外径Rdは、第1部10Aの内径Raより0.2mmだけ小さな値に設定されている(Rd=Raー0.2mm)。
また、サンプルE1〜E9では、絶縁体10の第3部10Cを含む後端部分の外径Rf(図2)が互いに異なっており、20mm、18mm、17mm、12mm、9mm、7.5mmのいずれかとされている。これによって、9種類のサンプルE1〜E9の第3部10Cの肉厚T={(Rf−Rc)/2}(図2)は互いに異なっており、8mm、7mm、6.5mm、4mm、2.5mm、1.75mmのいずれかとされている。
第3部10Cの肉厚Tが、8mmであり、かつ、第1部10Aの内径Raが3mmであるサンプルE1の評価は、「A」であり、その他のサンプルE2〜E9の評価は、「B」であった。ここで第1部10Aの内径Raが小さくなっても、耐衝撃性の低下が認められないのは、絶縁体10に第3部10Cと第2部10Bとが設けられることによって、上述したように、第3部10Cの後端P1が、端子金具40の胴部43と接触する接触点となることが担保されているからであると考えられる。
これを確かめるために、さらに、表6に示すように、図3の比較形態のスパークプラグ100bの9種類のサンプルF1〜F9を作成して、同じように、耐衝撃性試験を行った。これらの9種類のサンプルF1〜F9は、第3部が設けられていない点を除く部分の寸法は、表5のサンプルE1〜E9の末尾の数字が同じサンプルと同じである。すなわち、9種類のサンプルF1〜F9では、絶縁体10の第1部10Aの内径Ra(図3)は、2.7mm、2.9mm、3mmのいずれかとされている。そして、胴部43の先端胴部43Aの外径Rd(図3)は、Rd=(Ra−0.2mm)に設定されている。
また、サンプルF1〜F9では、絶縁体10の第3部10Cを含む後端部分の外径Rf(図3)が、20mm、18mm、17mm、12mm、9mm、7.5mmのいずれかとされている。これによって、9種類のサンプルF1〜F9の第2部10Bbの肉厚t={(Rf−Rb)/2}(図3)は、7.95mm、6.95mm、6.45mm、3.95mm、2.45mm、1.7mmのいずれかとされている。
Figure 2017027929
第1部10Aの内径Raが、3mmであるサンプルF1〜F3の評価は、「A」または「B」であった。すなわち、第2部10Bbの肉厚tが、7.95mmであるサンプルF1の評価は、「A」であり、第2部10Bbの肉厚tが、6.95mm、6.45mmのサンプルF2、F3の評価は、「B」であった。そして、第1部10Aの内径Raが、2.9mmであるサンプルF4〜F6の評価は、第2部10Bbの肉厚tに拘わらずに、「C」であった。そして、第1部10Aの内径Raが、2.7mmであるサンプルF7〜F9の評価は、第2部10Bbの肉厚tに拘わらずに、「D」であった。
このように、第1部10Aの内径Raが、2.9mm以下のサンプルF4〜F9では、第1部10Aの内径Raが小さくなることに伴って、耐衝撃性の低下が認められた。以上のことから、図2のスパークプラグ100では、絶縁体10に第3部10Cと第2部10Bとが設けられることによって、特に、絶縁体10の第1部10Aの内径Raが、2.9mm以下である場合に、耐衝撃性の低下を抑制する効果が顕著であることが解った。
この理由は、以下のように考えられる。第1部10Aの内径Raが小さくなるに連れて、第1部10Aの内部に位置する端子金具40の先端胴部43Aの外径Rdを小さくせざるを得なくなる。先端胴部43Aの外径Rdが小さくなると、先端胴部43Aの剛性が低下するので、振動の振幅が大きくなる。この結果、スパークプラグ100が衝撃を受けたときに、端子金具40の胴部43が、絶縁体10に径方向に接触する頻度が高くなる。この結果、絶縁体10が割れやすくなり耐衝撃性が低下すると考えられる。この結果、第1部10Aの内径Raが小さくなるに連れて、端子金具40の振動による絶縁体10の割れが、主に発生する割れとなると考えられる。このときに、図2の実施形態のスパークプラグ100では、上述したように、第3部10Cの後端P1が、端子金具40の胴部43と接触する接触点となることが担保されているので、端子金具40の振動によって絶縁体10に加えられる衝撃を抑制できる。この結果、第1部10Aの内径Raが小さくなっても、具体的には、第1部10Aの内径Raが、2.9mm以下であっても、絶縁体10の割れを抑制できる、と考えられる。これに対して、図3の比較形態のスパークプラグ100bでは、上述したように、第2部10Bbの後端Pe(すなわち、絶縁体10の後端Pe)が、振動時に、端子金具40の胴部43と接触する接触点となってしまう。この結果、端子金具40の振動によって絶縁体10に加えられる衝撃を十分に抑制できない。この結果、第1部10Aの内径Raが小さくなると、具体的には、第1部10Aの内径Raが、2.9mm以下になると、絶縁体10の割れが発生しやすくなる、と考えられる。
以上の結果から、実施形態のスパークプラグ100では、第1部10Aの内径Raが、2.9mm以下である場合に、効果的であることが解った。この場合には、端子金具40の先端胴部43Aの外径Rdが比較的細いために振動しやすいにも拘わらずに、効果的に絶縁体10の割れを抑制することができる。
E.変形例:
(1)図5は、変形例のスパークプラグの絶縁体10dの断面図である。図5では、端子金具40などの他の構成の図示は省略されている。図5に示すように、絶縁体10dは、第2部10Bより後端側に、座繰りCBが形成されている。このような座繰りCBは、絶縁体の製造上の理由などによって形成され得る。座繰りCBは、わずかに、第2部10Bより内径が大きくなっている部分である。座繰りCBの軸方向の長さは、0.3〜0.6mmである。座繰りCBの有無に拘わらずに、第2部10Bは、絶縁体の後端から先端側に1mm以上離れた部分を含んでいればよい。そして、当該第1部10Aと、第1部10Aと、の間に、第1部10Aの内径より大きく第2部10Bの内径より小さな内径を有する第3部10Cが位置していれば良い。こうすれば、第1評価試験の結果からわかるように、端子金具40から絶縁体に付加される衝撃を低減できるので、絶縁体の割れを抑制することができる。
(2)図6は、変形例のスパークプラグの端子金具40の近傍の構成を示す第1の図である。これらの変形例は、実施形態のスパークプラグ100と同一の部材、例えば、絶縁体10、端子金具40、シール部材80が用いられている。スパークプラグの製造時には、絶縁体10の軸孔12内に投入されたシール部材60、抵抗体70、シール部材80の原料粉末を、端子金具40の胴部43の先端で圧縮するように、端子金具40の胴部43が、軸孔12内に押し込まれる。このときに、端子金具40には、軸線方向に圧縮する力が働くために、端子金具40の変形が生じ得る。図6の例では、後端胴部43Cが湾曲して、後端胴部43Cの外周面が、絶縁体10の第2部10Bの内周面に接触している。
図7は、変形例のスパークプラグの端子金具40の近傍の構成を示す第2の図である。スパークプラグの製造時には、上述したように端子金具40の胴部43が軸孔12内に押し込まれる際に、製造誤差によって、絶縁体10の軸線CLに対して、端子金具40の軸線が傾斜する場合がある。図7の例では、端子金具40の傾斜によって、後端胴部43Cの外周面が、絶縁体10の第2部10Bの内周面に接触している。
このように、製造時の端子金具40の変形、および、傾斜の一方、あるいは、両方によって、端子金具40の後端胴部43Cの外周面が、周方向の一部において、絶縁体10の第2部10Bや第3部10Cの内周面と、接触する場合がある。すなわち、端子金具40の胴部43と、絶縁体10の内周面とは、一部で非接触であり、一部で接触していても良い。このような場合であっても、スパークプラグに衝撃が加えられたときに、端子金具40の胴部43が、絶縁体10の第2部10Bの後端のうち、通常時には非接触である部位(例えば、図6、図7の後端Pe)と接触することを抑制することができる。この結果、実施形態と同様に、絶縁体10の割れを効果的に抑制することができる。
一般的に言えば、端子金具40の胴部43と、絶縁体10の内周面とは、少なくとも一部で非接触であることが好ましい。例えば、端子金具40の後端胴部43Cと、絶縁体10の第2部10Bの内周面とは、周方向の全周のうち、少なくとも一部で非接触であることが好ましい。同様に、端子金具40の後端胴部43Cと、絶縁体10の第3部10Cの内周面とは、周方向の全周のうち、少なくとも一部で非接触であることが好ましい。
(3)絶縁体10の材料や、端子金具40の材料は、一例であり、上述の材料に限られない。例えば、絶縁体10は、アルミナ(Al)を主成分とするセラミックスを用いて形成されているが、これに代えて、他の化合物(例えば、AlN、ZrO、SiC、TiO、Yなど)を主成分とするセラミックスを用いて形成されてもよい。
(4)図2のスパークプラグ100の具体的構成は、一例であり、これに限られない。例えば、抵抗体70がないタイプのスパークプラグが採用されてもよい。また、中心電極や接地電極などの発火部の構成には、他のあらゆるタイプの構成、例えば、中心電極と接地電極とが径方向に対向するタイプの構成などが採用され得る。また、主体金具50の材質や形状などは、適宜に変更可能である。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
5...ガスケット、6...パッキン、8...板パッキン、9...タルク、10...絶縁体、12...軸孔、12A...第1の孔、12B...第2の孔、12C...縮径孔、13...脚長部、15...段部、17...先端側胴部、18...後端側胴部、19...鍔部、20...中心電極、21...中心電極本体、23...頭部、24...鍔部、25...脚部、29...中心電極チップ、30度以上摂氏80度以...摂氏、30...接地電極、31...接地電極本体、39...接地電極チップ、40...端子金具、41...キャップ装着部、42...鍔部、43...脚部、50...主体金具、51...工具係合部、52...取付ネジ部、53...加締部、54...座部、56...段部、58...圧縮変形部、59...挿入孔、60...導電性シール、70...抵抗体、100...スパークプラグ、200...絶縁体支持部材、210...固定孔、300...板状電極、310...電極孔、400...電極支持部材、500...棒状電極、510...大径部、520...小径部、530...縮外径部、550...絶縁部材、600...油槽、650...オイル、700...電源、1000...検査装置

Claims (3)

  1. 軸線に沿って延びる軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸線に沿って延び、後端が前記軸孔内に位置する中心電極と、
    前記軸孔内に配置され、先端が前記中心電極の後端より後端側に位置する胴部と、前記胴部より後端側に位置し、前記絶縁体より後端側で外部に露出する頭部と、を備える端子金具と、
    前記軸孔内において前記端子金具の先端に接触する導電性のシール材と、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記絶縁体は、
    前記端子金具の前記胴部の先端が配置され、第1の内径を有する円筒状の第1部と、
    前記絶縁体の後端から先端側に1mm以上離れた部分を含み、前記第1の内径より大きな第2の内径を有する円筒状の第2部と、
    前記第1部と前記第2部との間に位置し、前記第1の内径より大きく前記第2の内径より小さな第3の内径を有する円筒状の第3部と、を備え、
    前記端子金具の前記胴部は、先端を含む円筒状の先端胴部と、前記先端胴部より後端側に位置し、前記先端胴部の外径より大きな外径を有する円筒状の後端胴部と、を備え、
    前記第3部の後端は、前記後端胴部の先端より後端側に位置することを特徴とする、スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグであって、
    前記絶縁体の前記第3部の径方向の厚さは、6.1mm以下であることを特徴とする、スパークプラグ。
  3. 請求項1または2に記載のスパークプラグであって、
    前記第1の内径は、2.9mm以下であることを特徴とする、スパークプラグ。
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