JP2017026001A - 円すいころ軸受および円すいころ軸受の組立方法 - Google Patents

円すいころ軸受および円すいころ軸受の組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保持器の強度を確保した上で保持器の底拡げ及び加締め工程を廃止することができて、保持器精度の向上を図り、また、ころのスキューの回避が可能な円すいころ軸受および円すいころ軸受の製造方法を提供する。【解決手段】ポケットの小径側環状部側に幅広部を形成する。ポケットに円すいころを組み込む。円すいころの最小内接円径が、内輪の小つばの外径寸法よりも大きくなるまで、円すいころの小径側を外径側へ揺動させる。その状態で、円すいころを内輪の小つばを介して、内輪の軌道面に組み込む。【選択図】図1

Description

本発明は、円すいころ軸受および円すいころ軸受の組立方法に関する。
円すいころ軸受は、一般には、図9に示すように、外周面に円すい状の軌道面1を有する内輪2と、内周面に円すい状の軌道面3を有する外輪4と、内輪2の軌道面1と外輪4の軌道面3との間に転動自在に介在した複数の円すいころ5と、複数の円すいころ5を軸受周方向に所定の間隔を隔てて保持する保持器6とを主要な構成要素としている。また、内輪2は、軌道面1の小径側に小つば8を形成すると共に大径側に大つば7を形成している。すなわち、大つば7によってスラスト荷重を受け、小つば8によって円すいころの脱落を防止するようにしている。
保持器6は、小径リング部9と大径リング部10との間に複数本の柱部11を有し、柱部11の相互間に円すいころ5を保持するポケット13を形成したものである。そして、このポケット13に円すいころ5が配置される。
ここで、図9に示すように、従来から知られている円すいころ軸受においては、内輪2に対して小つば8が一体に設けられているため、保持器6で保持された円すいころ5を内輪2の外側に組付ける円すいころ軸受の組立時、円すいころ5が小つば8に干渉し、そのままでは組付けることができない。
そこで、従来では、保持器6の小径端側を拡径する、所謂、底拡げを行ってから、内輪2の外側に保持器6で保持された円すいころ5の組付けを行い、その円すいころ5が小つば8を通過する円すいころ5の組付け後、治具を用いて保持器6の底拡げされた部分を縮径させる加締を行って元の状態に戻すようにしている。
すなわち、円すいころ軸受は、内輪2と円すいころ5と保持器6とが組付けられて内輪アッセンブリを構成するため、保持器6を「底拡げ」という柱小径側内径を径方向外方へ拡径する塑性加工を施し、この状態で、保持器6で保持された円すいころ5を内輪2に組付けていた。保持器6を「底拡げ」した状態では、円すいころ5がばらけるおそれがある。このため、保持器6の柱の拡径を元に戻す塑性加工(加締)を行うことになる。
しかし、前記のような円すいころ軸受の組立においては、保持器6の底拡げや加締を行えば、縮径の際に保持器6の形状が崩れて寸法精度や強度が低下する。そして、その精度低下により、軸受回転時に円すいころにスキューが生じて、保持器6に大きな負荷がかかり、保持器6が破損する可能性があった。また、保持器6の加締不足や加締忘れによって、円すいころ5が脱落する可能性があった。すなわち、保持器塑性変形を伴う加工により保持器の安定的な精度確保が困難になるとともに、加締工程が必要となりコスト高を招いていた。
そこで、従来には、加締め加工せずに組み立てることができ、組立後にはころの姿勢制御を良好に行える円すいころ軸受が提案されている(特許文献1)。すなわち、この特許文献1に記載の円すいころ軸受は、図10(a)(b)に示すように、保持器6のポケット13の大径側の端面13a、及び小径側の端面13bにそれぞれ逃げ13a1、13b1を設けるとともに、保持器6の柱部に小径側ににげが設けられている。また、ポケット13の大径側の端面の逃げ13a1は外径側に設けられ、ポケット13の小径側の端面の逃げ13b1は内径側に設けられている。
このため、円すいころ5を組み込む際には、図10(b)に示すように、円すいころ5の大端面5aをポケット13の大径側の端面の逃げ13a1に当接させるとともに、円すいころ5の小端面5bをポケット13の小径側の端面の逃げ13b1に当接させる。これによって、円すいころ5の小端面5b側が外径側へ揺動した状態となる。この状態では、円すいころ5の最小内接円径D2が内輪2の小つば8の外径寸法D1よりも大きくなって、内輪2の小つば8を介した円すいころ5の組み込みが可能となって、図10(a)に示すように、円すいころ5の内輪2の軌道面1に嵌合させることができる。
また、従来には、部品点数を削減して組み付け性を改良するとともに軸受の分解点検作業を容易に行うことができるプレス保持器付き円すいころ軸受が提案されている(特許文献2)。この特許文献2に記載の円すいころ軸受は、図11に示すように、ポケット13の斜辺13c、13dが、円すいころ5の斜面の角度に対してその傾斜角度が緩やかになっている。このため、円すいころ5の小径側が軸受径方向の自由度を有し、円すいころ5の小径側が小つば8の径方向外方へ移動して小つばを乗り越えることを可能としている。
さらには、従来には、図12に示すように、保持器6のポケット13において、小径側に、円すいころ5の斜面の傾斜とは逆方向に傾斜するテーパ部15,15を設けているものもある(特許文献3)。この図12に示すものであっても、円すいころ5を組み込む際には、図13に示すように、円すいころ5の小径側を軸受径方向外方へ揺動させる。これによって、円すいころ5の最小内接円径D2を内輪2の小つば8の外径寸法D1よりも大きくして、円すいころ5の小つばの乗り越えを可能とするものである。
特開2003−184893号公報 特開2003−139133号公報 独国実用新案第20005228号明細書
図10(a)(b)に示す特許文献1に記載のものでは、柱部にげ及び逃げ13a1,13b1を比較的大きなものとする必要がある。このため、プレス加工での逃げ13a1,13b1等の成形が困難であり、研削工程では加工コスト高となる。
図11に示す特許文献2では、保持器6のポケット13の側辺13c、13dの傾斜が緩やかなものであるため、小径側が幅広となり、運転中において、正規の位置に案内させにくく、スキューが大きくなるおそれがある。また、図12に示す特許文献3では、大きなころ内接円径をとることが困難である。すなわち、大きなころ内接円径をとるためには、内輪2の軸線Oと保持器6の軸線O1との平行な鉛直軸線Oに対するころ軸心O4の傾斜角度αを小さくして、テーパ部15,15を大きな傾斜角度で傾斜させる必要がある。すなわち、テーパ部15と、このテーパ部15を形成しないときのポケット側面16とが成す角度α1を大きく取る必要があった。このような場合、保持器6の柱部11の小径側の幅寸法が小さくなり、強度的に安定しない。また、このような場合、ころ本数を減少させることによって、十分な柱幅を持たせることができる。しかしながら、ころ本数を減少させれば、負荷容量を低下させることになって、軸受の寿命が短命化することになる。
そこで、保持器の強度を確保した上で保持器の底拡げ及び加締め工程を廃止することができて、保持器精度の向上を図り、また、ころのスキューの回避が可能な円すいころ軸受および円すいころ軸受の製造方法を提供する。
外径面に軌道面を有する内輪と、内径面に軌道面を有する外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周方向等間隔に配設されるポケットに前記円すいころを保持する保持器とを備え、内輪の軌道面の大径端側に大つばが形成されるとともに、軌道面の小径端側に小つばが形成され、前記保持器は、大径側環状部と、小径側環状部と、大径側環状部と小径側環状部とを連結する柱部とを有し、大径側環状部と小径側環状部と柱部とで、円すいころが嵌入する前記ポケットが形成された円すいころ軸受であって、前記小径側環状部側の柱部の相対面部に扁平矩形状の切欠部を設けて、ポケットの小径側環状部側に、円すいころの小径側の外径側への揺動を許容する幅広部を形成したものである。
ポケットの小径側環状部側に、円すいころの小径側の外径側への揺動を許容する幅広部が形成されているので、円すいころをその小径側を外径側へ揺動させることによって、内輪の小つばを介してころを内輪の軌道面に組み込むことができる。この際、円すいころを小径側の外径側へ揺動させた状態で、円すいころの最小内接円径が、内輪の小つばの外径寸法よりも大きくするのが好ましい。
幅広部の長さを、ポケット長さの25%以上65%以下に設定するのが好ましい。このように設定することによって、幅広部の長さが長く成り過ぎず、ころのスキューを防止できる。
ポケットの大径側の側面と、幅広部の側面とが平行な直線上に配置されるのが好ましい。このように設定することによって、円すいころを小径側の外径側へ揺動させる際において、無駄なスペースを作るのを有効に防止できる。
ポケットの大径側の側面と幅広部の側面とが滑らかに繋がっているのが好ましい。このように設定することによって、円すいころへのエッジ当たりを無くすことができる。
前記保持器は、鉄板製または樹脂製のいずれかであってもよい。すなわち、保持器の底拡げや加締を行う必要がなくなるので、保持器に対して外力を加えて変形させる必要がなく、保持器として鉄板製や樹脂製であっても対応できる。
本発明の円すいころ軸受の組立方法は、外径面に軌道面を有する内輪と、内径面に軌道面を有する外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周方向等間隔に配設されるポケットに前記円すいころを保持する保持器とを備え、内輪の軌道面の大径端側に大つばが形成されるとともに、軌道面の小径端側に小つばが形成され、前記保持器は、大径側環状部と、小径側環状部と、大径側環状部と小径側環状部とを連結する柱部とを有し、大径側環状部と小径側環状部と柱部とで、円すいころが嵌入する前記ポケットが形成された円すいころ軸受の組立方法であって、ポケットの小径側環状部側に幅広部を形成し、ポケットに円すいころを組み込んだ後、円すいころの最小内接円径が、内輪の小つばの外径寸法よりも大きくなるまで、円すいころの小径側を外径側へ揺動させて、その状態で、円すいころを内輪の小つばを介して、内輪の軌道面に組み込むものである。
本発明の円すいころ軸受の組立方法よれば、ポケットに円すいころを組み込んだ後、円すいころの最小内接円径が、内輪の小つばの外径寸法よりも大きくなるまで、円すいころの小径側を外径側へ揺動させることによって、円すいころの最小内接円径を、内輪の小つばの外径寸法よりも大きくできる。この状態で、円すいころを内輪の小つばを介して、内輪の軌道面に組み込むことができる。
本発明では、円すいころの最小内接円径を、内輪の小つばの外径寸法よりも大きくできき、円すいころを内輪の小つばを介して、内輪の軌道面に組み込むことができるので、保持器の底拡げ及び加締め工程を行うことなく円すいころを組み付けることができる。このため、保持器に対して、塑性変形による精度劣化を回避でき、保持器の安定的な精度確保が可能となり、製造効率の向上による低コスト化を図って、高品質の製品(円すいころ軸受)を提供できる。しかも、ポケット全長にわたって幅広部が設けられないので、円すいころのスキューを防止できる。
しかも、扁平矩形状の切欠部を設けて幅広部を形成するものであるので、円すいころを小径側の外径側へ揺動させる際において、無駄なスペースを作るのを防止でき、柱部の柱幅の強度を、ころ本数を減少させることなく確保できる。
本発明の円すいころ軸受の組立方法を示す断面図である。 本発明の円すいころ軸受の断面図である。 前記図2の円すいころ軸受の保持器の要部拡大断面図である。 前記図3のA−A線断面図である。 前記図3のB−B線断面図である。 円すいころと保持器との関係を示す断面図である。 円すいころと保持器との関係を示す簡略平面図である。 保持器におけるポケットの大径側の側面と幅広部の側面との繋部を示し、(a)はその繋部がアール状である拡大図であり、(b)はその繋部がテーパ形状である拡大図である。 従来の円すいころ軸受の断面図である。 他の円すいころ軸受を示し、(a)は円すいころの組み込み状態の断面図であり、(b)は円すいころの組み込み途中の断面図である。 他の円すいころ軸受の保持器の要部簡略展開図である。 別の円すいころ軸受の保持器の要部簡略展開図である。 図12に示す保持器を用いた円すいころの組み込み方法を示す断面図
以下本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。円すいころ軸受は、図2に示すように、外径面21に軌道面22を有する内輪23と、内径面24に軌道面25を有する外輪26と、内輪23と外輪26との間に転動自在に配された複数の円すいころ27と、円すいころ27を円周所定間隔に保持する保持器28とを備える。前記保持器28は、大径側環状部31と、小径側環状部30と、大径側環状部31と小径側環状部30とを連結する柱部32とを有し、大径側環状部31と小径側環状部30と柱部32とで、円すいころ27が嵌入するポケット33が形成される。
なお、この実施形態では、保持器28としては打抜き鉄板保持器である。この場合、保持器28の材質としては、冷間又は熱間圧延鋼板、オーステナイト系ステンレス鋼板等を用いることができる。さらには、機械構造用炭素鋼や高力黄銅鋳物が使用されるもみ抜き保持器であってもよい。
内輪23は、軌道面22の小径側に小つば35を形成すると共に大径側に大つば36を形成している。また、小つば35と軌道面22との間のコーナ部、及び大つば36と軌道面22との間のコーナ部には、それぞれぬすみ部37,38が設けられている。
小つば35の内面35aにて円すいころ27の小端面27aを受けることによって、円すいころ27の抜けを防止し、大つば36の内面36aにて円すいころ27の大端面27bを受けることによって、この円すいころ27にかかるアキシャル荷重を受けることができる。このため、小つば35の内面35aは、ころ組み込み状態の小端面27aの傾斜角度と同一角度でもって傾斜する傾斜面とされ、大つば36の内面36aは、ころ組み込み状態の大端面27bの傾斜角度と同一角度でもって傾斜する傾斜面とされている。
保持器28のポケット33には、図3〜図7に示すように、ポケット33の小径側環状部側に幅広部40を形成している。この場合、小径側環状部側の柱部32,32の相対面部に扁平矩形状の切欠部41,41を設けることによって、この幅広部40を形成している。この場合、ポケット33の大径側の側面42,42と、幅広部40の側面41a,41aとが平行な直線上に配置される。すなわち、側面42、41aの傾斜は、円すいころの傾斜に対応している。
また、ポケット33の大径側の側面42(切欠部41を省いた側面)には、内径側に向って拡径するテーパ部43が設けられている。この場合、幅広部40の長さを、ポケット長さの25%以上65%以下に設定するのが好ましい。すなわち、幅広部40の長さをL1とし、側面42の長さをLとしたときに、0.25L≦L1≦0.65Lとする。また、幅広部40の側面41aと、この幅広部40を形成しないときのポケット33の側面42a(図7の仮想線で示す)との間の寸法Wとしては、例えば、0.3mm程度とされる。
この場合、図8に示すように、ポケット33の大径側の側面42と幅広部40の側面41aとが滑らかに繋がっている。図8(a)ではこの繋部45をR部とし、図8(b)では、この繋部45をテーパとしている。図8(a)の繋部45のR部の曲率半径としては、R0.5ミリメートル程度とされ、図8(b)の繋部45のテーパの傾斜角度θとしては、30度程度とされる。
次に、前記したように構成された円すいころ軸受の組立方法を説明する。この場合、図1に示すように、内輪23をその小径側が下方を向くように配置する。そして、この内輪23よりも下方に、小径側が下方を向くように保持器28を配置した状態とする。この際、保持器28の各ポケット33にそれぞれ円すいころ27の小端面27a側を嵌入状とする。
すなわち、円すいころ27の小端面27aが下方を向くように起立させた状態とする。この際、円すいころ27の軸線O4を、内輪23の中心軸線O及び保持器28の中心軸線O1と平行な鉛直軸線O3に対して、微小角度βだけ外径側へ傾斜させた状態とする。これは、円すいころ27の小端面27a側がポケット33の幅広部40に侵入することによって、可能となる。すなわち、幅広部40は、円すいころ27の小径側の外径側への揺動を許容する。
この状態(円すいころ27の軸線O4を、内輪23の中心軸線O及び保持器28の中心軸線O1と平行な鉛直軸線O3に対して、微小角度βだけ外径側へ傾斜させた状態)では、円すいころ27の最小内接円径が、内輪23の小つば35の外径寸法よりも大きくなる。すなわち、円すいころ27の最小内接円径をSDRとし、内輪23の小つば35の外径寸法をSDIとしたときに、SDR>SDIとする。このため、前記微小角度βとしては、SDR>SDIとなればよい角度であって、幅広部40の幅寸法及び長さ寸法に応じて任意に設定できる。
この図1に示す状態から、内輪23と、ころ27が嵌入状をなった保持器28とを相対的に接近させれば、円すいころ27が小つば35を介して内輪23の軌道面22に嵌合させることができる。すなわち、内輪23を停止した状態として、円すいころ27側を上昇させていけば、円すいころ27の大端面27b側が小つば35を介して軌道面22に侵入し、さらに、円すいころ27を上昇させていけば、軌道面22にガイドされつつ円すいころ27は順次大端面27b側が外径方向に倒れていき、図6の仮想線で示すように、大端面27bの外径側のコーナ部がポケットに嵌入されて、最終的に、円すいころ27が内輪23の軌道面22に嵌合する状態となる。
本発明では、円すいころ27の最小内接円径を、内輪23の小つば35の外径寸法よりも大きくでき、円すいころ27を内輪23の小つば35を介して、内輪23の軌道面22に組み込むことができるので、保持器28の底拡げ及び加締め工程を行うことなく円すいころを組み付けることができる。このため、保持器28に対して、塑性変形による精度劣化を回避でき、保持器28の安定的な精度確保が可能となり、製造効率の向上による低コスト化を図って、高品質の製品(円すいころ軸受)を提供できる。しかも、ポケット全長にわたって幅広部40が設けられないので、円すいころ27のスキューを防止できる。
また、幅広部40の長さを、ポケット長さの25%以上65%以下に設定するのが好ましい。このように設定することによって、円すいころ27のスキューを安定して防止できる。すなわち、軸受の運転中にころがスキューし過ぎないようにしなければならない。スキューの要因はころとポケットのすきまと柱部の幅広部以外長さが関係することになる。このため、0.25L≦L1≦0.65Lに設定することによって、スキューを有効に防止できる。
ポケット33の大径側の側面42と、幅広部40の側面41aとが平行な直線上に配置されるのが好ましい。このように設定することによって、円すいころ27を小径側の外径側へ揺動させる際において、無駄なスペースを作るのを有効に防止できる。
ポケット33の大径側の側面42と幅広部40の側面41aとが滑らかに繋がっているのが好ましい。このように設定することによって、円すいころ27へのエッジ当たりを無くすことができる。
本円すいころ軸受において、ころ付の保持器28を内輪に一旦組み込んで、いわゆる内輪アッシを組立てれば、全ての円すいころ27が図1に示すように、起立状態にならないかぎり分離状態に戻すことができない。すなわち、全ての円すいころ27を組立前の姿勢に戻すことで、保持器等を破壊することなく分解することができる。
ところで、前記実施形態では、保持器28として打抜き鉄板保持器であったが、樹脂保持器であってもよい。保持器が樹脂製であっても、組み込む際に、弾性変形させる必要がなく、しかも、円すいころ27が小つばに擦れながら組立るのを回避でき、円すいころ27の疵付を防止できる。このため、滑らかな転動を長期にわたって維持することができる。樹脂保持器としては、例えば、ガラス繊維で強化したポリアミド樹脂等を用いることができる。すなわち、本発明における保持器としては、従来から使用されている金属材料や樹脂材料を用いた構成とできる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、保持器28のポケット33の数は、保持される円すいころ27の数に応じて種々変更できる。また、柱部32の長さや肉厚寸法等も、円すいころ27を保持することが可能な限り種々変更できる。ころ27を内輪23の軌道面22に嵌合させる場合、前記実施形態では、内輪23側を静止させていたが、逆にころ27側を静止させて内輪23側を移動させても、両者を移動させてもよい。本発明の円すいころ軸受として、ディファレンシャルやトランスミッション等の動力伝達系で使用することができ、さらには、これ以外の用途、例えば工作機械の主軸等の支持に用いることもできる。
21 外径面
22 軌道面
23 内輪
24 内径面
25 軌道面
26 外輪
27 保持器
30 小径側環状部
31 大径側環状部
32 柱部
33 ポケット
40 幅広部
41 切欠部
41a、42、42a 側面

Claims (7)

  1. 外径面に軌道面を有する内輪と、内径面に軌道面を有する外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周方向等間隔に配設されるポケットに前記円すいころを保持する保持器とを備え、内輪の軌道面の大径端側に大つばが形成されるとともに、軌道面の小径端側に小つばが形成され、前記保持器は、大径側環状部と、小径側環状部と、大径側環状部と小径側環状部とを連結する柱部とを有し、大径側環状部と小径側環状部と柱部とで、円すいころが嵌入する前記ポケットが形成された円すいころ軸受であって、
    前記小径側環状部側の柱部の相対面部に扁平矩形状の切欠部を設けて、ポケットの小径側環状部側に、円すいころの小径側の外径側への揺動を許容する幅広部を形成したことを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 円すいころを小径側の外径側へ揺動させた状態で、円すいころの最小内接円径が、内輪の小つばの外径寸法よりも大きくなることを特徴とする請求項1に記載の円すいころ軸受。
  3. 幅広部の長さを、ポケット長さの25%以上65%以下に設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の円すいころ軸受。
  4. ポケットの大径側の側面と、幅広部の側面とが平行な直線上に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  5. ポケットの大径側の側面と幅広部の側面とが滑らかに繋がっていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  6. 前記保持器は、鉄板製または樹脂製のいずれかであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の円すいころ軸受。
  7. 外径面に軌道面を有する内輪と、内径面に軌道面を有する外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周方向等間隔に配設されるポケットに前記円すいころを保持する保持器とを備え、内輪の軌道面の大径端側に大つばが形成されるとともに、軌道面の小径端側に小つばが形成され、前記保持器は、大径側環状部と、小径側環状部と、大径側環状部と小径側環状部とを連結する柱部とを有し、大径側環状部と小径側環状部と柱部とで、円すいころが嵌入する前記ポケットが形成された円すいころ軸受の組立方法であって、
    前記ポケットの小径側環状部側に幅広部を形成し、前記ポケットに円すいころを組み込んだ後、円すいころの最小内接円径が、内輪の小つばの外径寸法よりも大きくなるまで、円すいころの小径側を外径側へ揺動させて、その状態で、円すいころを内輪の小つばを介して、内輪の軌道面に組み込むことを特徴とする円すいころ軸受の組立方法。
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