JP2008164062A - 円錐ころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受内部の潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減するとともに、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間での焼付きの発生を防止することである。
【解決手段】保持器5の台形状ポケット5aの小環状部5bに切欠き7を設けることにより、保持器5の内径側から内輪側へ流入する潤滑油を、円錐ころ4の小径側を収納するポケット5aの狭幅側で切欠き7から外輪側へ速やかに逃がして、内輪の軌道面に沿って大鍔面に到り、軸受内部に滞留する潤滑油の量を減らし、潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減するとともに、円錐ころ4の大端面4aの曲率半径Rと、円錐ころ4の円錐角の頂点から内輪の大鍔面までの距離RBASEとの比R/RBASEを0.75〜0.87の範囲に設定することにより、内輪の大鍔面と円錐ころ4の大端面4aとの間に十分な油膜が形成されるようにして、これらの間での焼付きの発生を防止できるようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、潤滑油が外部から流入する部位の用途に好適な円錐ころ軸受に関する。
円錐ころ軸受は、内径面に軌道面を有する外輪と、外径面に軌道面を有し、その大径側に大鍔面、小径側に小鍔面が設けられた内輪と、これらの内輪と外輪の軌道面間に配列された複数の円錐ころと、これらの円錐ころをポケットに収納して保持する保持器とからなり、保持器には、円錐ころの小端面側で連なる小環状部と、円錐ころの大端面側で連なる大環状部と、これらの環状部を連結する複数の柱部とからなり、ポケットが、円錐ころの小径側を収納する部分が狭幅側、大径側を収納する部分が広幅側となる台形状に形成されたものが用いられている。
自走車両のデファレンシャルやトランスミッション等の動力伝達軸を支持する円錐ころ軸受は、下部が油浴に漬かった状態で使用され、その回転に伴って油浴の油が潤滑油として軸受内部に流入する。このような用途に使用される円錐ころ軸受では、潤滑油が円錐ころの小径側から軸受内部に流入し、保持器よりも外径側から流入する潤滑油は外輪の軌道面に沿って円錐ころの大径側へ通過し、保持器よりも内径側から流入する潤滑油は内輪の軌道面に沿って円錐ころの大径側へ通過する。
このように潤滑油が外部から流入する部位に使用される円錐ころ軸受には、保持器のポケットに切欠きを設けて、保持器の外径側と内径側とに分かれて流入する潤滑油がこの切欠きを通過するようにし、軸受内部での潤滑油の流通を向上させるようにしたものがある(特許文献1、2参照)。特許文献1に記載されたものでは、保持器の台形状ポケットの斜辺を形成する柱部の中央部に切欠きを設け、潤滑油に混入する異物が軸受内部に滞留しないようにしている。また、特許文献2に記載されたものでは、保持器の台形状ポケットの各底辺を形成する小環状部と大環状部に切欠きを設け、保持器の外径側から流入する潤滑油が内輪側へ流れやすくなるようにしている。
特開平9−32858号公報(第3図) 特開平11−201149号公報(第2図)
上述したように潤滑油が保持器の外径側と内径側とに分かれて軸受内部へ流入する円錐ころ軸受では、保持器の内径側から内輪側へ流入する潤滑油の割合が多くなると、トルク損失が大きくなることが分かった。この理由は、以下のように考えられる。
すなわち、保持器の外径側から外輪側へ流入する潤滑油は、外輪の内径面には障害物がないので、その軌道面に沿って円錐ころの大径側へスムーズに通過して軸受内部から流出するが、保持器の内径側から内輪側へ流入する潤滑油は、内輪の外径面には大鍔面があるので、その軌道面に沿って円錐ころの大径側へ通過したときに大鍔面で堰き止められ、軸受内部に滞留しやすくなる。このため、保持器の内径側から内輪側へ流入する潤滑油の割合が多くなると、軸受内部に滞留する潤滑油の量が多くなり、この滞留する潤滑油が軸受回転に対する流動抵抗となってトルク損失が増大するものと考えられる。
このようなメカニズムによるトルク損失の増大を防止するために、本発明者の一人は、保持器の台形状ポケットの少なくとも狭幅側の柱部または小環状部に切欠きを設け、保持器の内径側から内輪側へ流入する潤滑油を、円錐ころの小径側を収納するポケットの狭幅側で切欠きから外輪側へ速やかに逃がし、内輪の軌道面に沿って大鍔面まで到る潤滑油の量を少なくして、軸受内部に滞留する潤滑油の量を減らし、潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減することを提案している(特願2005−206692)。
特願2005−206692に提案した手段は、滞留する潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減することはできるが、内輪の大鍔面に供給される潤滑油の量が少なくなり、内輪の大鍔面に案内されて摺接する円錐ころの大端面との間に十分な油膜が形成されないので、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間で焼付きが発生しやすい問題がある。
そこで、本発明の課題は、軸受内部の潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減するとともに、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間での焼付きの発生を防止することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、内径面に軌道面を有する外輪と、外径面に軌道面を有し、その大径側に大鍔面、小径側に小鍔面が設けられた内輪と、これらの内輪と外輪の軌道面間に配列された複数の円錐ころと、これらの円錐ころをポケットに収納して保持する保持器とからなり、前記保持器が、前記円錐ころの小端面側で連なる小環状部と、円錐ころの大端面側で連なる大環状部と、これらの環状部を連結する複数の柱部とからなり、前記ポケットが、円錐ころの小径側を収納する部分が狭幅側、大径側を収納する部分が広幅側となる台形状に形成され、軸受使用時に円錐ころの大端面が前記内輪の大鍔面と接触して案内される円錐ころ軸受において、前記保持器の台形状ポケットの少なくとも狭幅側の柱部または小環状部に切欠きを設け、前記円錐ころの大端面の曲率半径をR、円錐ころの円錐角の頂点から前記内輪の大鍔面までの距離をRBASEとしたときに、これらの比R/RBASEを0.75〜0.87の範囲に設定した構成を採用した。
すなわち、保持器の台形状ポケットの少なくとも狭幅側の柱部または小環状部に切欠きを設けることにより、保持器の内径側から内輪側へ流入する潤滑油を、円錐ころの小径側を収納するポケットの狭幅側で切欠きから外輪側へ速やかに逃がして、内輪の軌道面に沿って大鍔面に到り、軸受内部に滞留する潤滑油の量を減らし、潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減するとともに、円錐ころの大端面の曲率半径Rと、円錐ころの円錐角の頂点から内輪の大鍔面までの距離RBASEとの比R/RBASEを0.75〜0.87の範囲に設定することにより、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間に十分な油膜が形成されるようにして、これらの間での焼付きの発生を防止できるようにした。
図9は、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面の間に形成される油膜厚さtを、Karnaの式を用いて計算した結果を示す。縦軸は、R/RBASE=0.76のときの油膜厚さtに対する比t/tで示すが、油膜厚さtはR/RBASE=0.76のとき最大となり、R/RBASEが0.9を越えると急激に減少する。また、図10は、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面の間の最大ヘルツ応力pを計算した結果を示す。縦軸は、図4と同様に、R/RBASE=0.76のときの最大ヘルツ応力pに対する比p/pで示す。最大ヘルツ応力pは、R/RBASEの増大に伴って単調に減少する。図9および図10に示した計算結果に基づいて、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間の最大ヘルツ応力pが高くならない範囲で、これらの間に十分な厚さの油膜が形成されるように、円錐ころの大端面の曲率半径Rと、円錐ころの円錐角の頂点から内輪の大鍔面までの距離RBASEとの比R/RBASEを0.75〜0.87の範囲に設定した。
前記保持器の小環状部に、前記内輪の小鍔面が設けられた小鍔の外径面に対向させた径方向内向きの鍔を設け、この対向させた小環状部の内向きの鍔の先端と前記内輪の小鍔の外径面との隙間を、内輪の小鍔の外径寸法の2.0%以下とすることにより、保持器の内径側から内輪側へ流入する潤滑油の量を少なくして、潤滑油の流動抵抗によるトルク損失をより低減することができる。
前記内輪の大鍔面を、前記円錐ころの大端面に接触する円錐面と、この円錐面の外径側に滑らかに連なり、円錐ころの大端面から離隔する方向に湾曲して、円錐ころの大端面との間に鋭角の楔空間を形成する逃げ面とで構成することにより、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との接触領域への潤滑油引き込み作用を高めて、より十分な油膜をこれらの接触領域に形成することができる。
前記内輪の大鍔面と前記円錐ころの大端面の少なくとも一方に、セラミック皮膜を形成することにより、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間での焼付きを、より確実に防止することができる。
前記円錐ころをセラミックスで形成することによっても、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間での焼付きを、より確実に防止することができる。
前記外輪、内輪および円錐ころの各表面に、炭素含有量0.80質量%以上で、ロックウェル硬さがHRC58以上の浸炭窒化層を形成し、この浸炭窒化層の残留オーステナイト量を25〜35体積%とすることにより、外輪、内輪および円錐ころの各部品の表面に適度な靭性を有する硬質の浸炭窒化層を安定して形成し、潤滑油に異物が混入した場合におけるこれらの部品の耐久寿命を著しく改善することができる。
前記残留オーステナイト量を25〜35体積%としたのは、浸炭窒化層に適度の靱性を付与し、異物の噛み込みによる過大な応力増加を緩和するためである。すなわち、残留オーステナイト量が25体積%未満では靱性が不足し、残留オーステナイト量が35体積%を越えると、硬度が低下し過ぎて塑性変形による表面粗さの劣化を招く。
本発明の円錐ころ軸受は、保持器の台形状ポケットの少なくとも狭幅側の柱部または小環状部に切欠きを設け、円錐ころの大端面の曲率半径Rと、円錐ころの円錐角の頂点から内輪の大鍔面までの距離RBASEとの比R/RBASEを0.75〜0.87の範囲に設定したので、保持器の内径側から内輪側へ流入する潤滑油を外輪側へ速やかに逃がして、軸受内部に滞留する潤滑油の量を減らし、潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減できるとともに、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間に十分な油膜が形成されるようにして、これらの間での焼付きの発生を防止することができる。
前記保持器の小環状部に、内輪の小鍔面が設けられた小鍔の外径面に対向させた径方向内向きの鍔を設け、この対向させた小環状部の内向きの鍔の先端と内輪の小鍔の外径面との隙間を、内輪の小鍔の外径寸法の2.0%以下とすることにより、保持器の内径側から内輪側へ流入する潤滑油の量を少なくして、潤滑油の流動抵抗によるトルク損失をより低減することができる。
前記内輪の大鍔面を、円錐ころの大端面に接触する円錐面と、この円錐面の外径側に滑らかに連なり、円錐ころの大端面から離隔する方向に湾曲して、円錐ころの大端面との間に鋭角の楔空間を形成する逃げ面とで構成することにより、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との接触領域への潤滑油引き込み作用を高めて、より十分な油膜をこれらの接触領域に形成することができる。
前記内輪の大鍔面と円錐ころの大端面の少なくとも一方に、セラミック皮膜を形成することにより、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間での焼付きを、より確実に防止することができる。
前記円錐ころをセラミックスで形成することによっても、内輪の大鍔面と円錐ころの大端面との間での焼付きを、より確実に防止することができる。
前記外輪、内輪および円錐ころの各表面に、炭素含有量0.80質量%以上で、ロックウェル硬さがHRC58以上の浸炭窒化層を形成し、この浸炭窒化層の残留オーステナイト量を25〜35体積%とすることにより、潤滑油に異物が混入した場合におけるこれらの部品の耐久寿命を著しく改善することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図6は、第1の実施形態を示す。この円錐ころ軸受1は、図1に示すように、内径面に軌道面2aを有する外輪2と、外径面に軌道面3aを有し、その大径側に大鍔面3b、小径側に小鍔面3cが設けられた内輪3と、外輪2と内輪3の軌道面2a、3a間に配列された複数の円錐ころ4と、これらの円錐ころ4をポケット5aに収納して保持する保持器5とからなり、円錐ころ4の大端面4aが内輪3の大鍔面3bと接触して案内されるようになっている。
前記外輪2、内輪3および各円錐ころ4は、いずれも浸炭軸受鋼SCr435で形成され、これらの表面には、炭素含有量0.80質量%以上で、ロックウェル硬さがHRC58以上、かつ残留オーステナイト量が25〜35体積%の浸炭窒化層が形成されている。
図2に示すように、前記円錐ころ4と、外輪2および内輪3の軌道面2a、3aの各円錐角頂点は、円錐ころ軸受1の中心線上の一点Oで一致するように設計されており、この実施形態では、円錐ころ4の大端面4aの曲率半径Rと、O点から内輪3の大鍔面3bまでの距離RBASEとの比R/RBASEが、0.75〜0.87の範囲に設定されている。
図3に示すように、前記内輪3の大鍔面3bは、円錐ころ4の大端面4aと接触する円錐面3baと、円錐面3baの外径側に滑らかに連なり、円錐ころ4の大端面4aから離隔する方向に湾曲する円弧断面の逃げ面3bbとで構成され、円錐ころ4の大端面4aとの間に鋭角の楔空間が形成されている。なお、逃げ面3bbの外径側には面取り3bcが設けられている。また、円錐ころ4の大端面4aには、セラミック皮膜6が形成されている。このセラミック皮膜6は、内輪3の大鍔面3b側に形成してもよい。
図4に示すように、前記保持器5は、円錐ころ4の小端面4b側で連なる小環状部5bと、円錐ころ4の大端面4a側で連なる大環状部5cと、小環状部5bと大環状部5cを連結する複数の柱部5dとからなり、円錐ころ4の小径側を収納する部分が狭幅側、大径側を収納する部分が広幅側となる台形状のポケット5aが形成されており、ポケット5aの狭幅側の台形の底辺を形成する小環状部5bに切欠き7が設けられている。また、後の図6に示すように、保持器5の小環状部5bには、内輪3の小鍔面3cが設けられた小鍔の外径面と対向する径方向内向きの鍔5baが設けられ、この対向する小環状部5bの鍔5baの先端と内輪3の小鍔の外径面との隙間δは、内輪3の小鍔の外径寸法の2.0%以下に設定されている。
図5は、上述した円錐ころ軸受1を使用した自動車のデファレンシャルを示す。このデファレンシャルは、プロペラシャフト(図示省略)に連結され、デファレンシャルケース21に挿通されたドライブピニオン22が、差動歯車ケース23に取り付けられたリングギヤ24と噛み合わされ、差動歯車ケース23の内部に取り付けられたピニオンギヤ25が、差動歯車ケース23に左右から挿通されるドライブシャフト(図示省略)に連結されるサイドギヤ26と噛み合わされて、エンジンの駆動力がプロペラシャフトから左右のドライブシャフトに伝達されるようになっている。このデファレンシャルでは、動力伝達軸であるドライブピニオン22と差動歯車ケース23が、それぞれ一対の円錐ころ軸受1で支持されている。デファレンシャルケース21には潤滑油が貯留されて、シール部材27a、27b、27cで密封されており、各円錐ころ軸受1は、下部がこの貯留された潤滑油の油浴に漬かった状態で回転する。
前記各円錐ころ軸受1が高速で回転してその下部が油浴に漬かると、図6に矢印で示すように、油浴の潤滑油が円錐ころ4の小径側から保持器5の外径側と内径側とに分かれて軸受内部へ流入し、保持器5の外径側から外輪2側へ流入した潤滑油は、外輪2の軌道面2aに沿って円錐ころ4の大径側へ通過して軸受内部から流出する。一方、保持器5の内径側から内輪3側へ流入する潤滑油は、保持器5の小環状部5bの鍔5baと内輪3の小鍔との隙間δが小さく設定されているので、保持器5の外径側から流入する潤滑油よりも遥かに少なく、かつ、この隙間δから流入する潤滑油の大半は、ポケット5aの狭幅側の小環状部5bに設けた切欠き7を通過して、保持器5の外径側へ移動する。したがって、そのまま内輪3の軌道面3aに沿って大鍔面3bまで到る潤滑油の量は非常に少なくなり、軸受内部に滞留する潤滑油の量を減らすことができる。
図7および図8は、第2の実施形態を示す。この円錐ころ軸受1は、基本的な構成は第1の実施形態のものと同じであり、前記円錐ころ4がセラミックスで形成されている点と、前記保持器5のポケット5aの切欠き7が狭幅側の柱部5dに設けられている点が異なる。その他の部分は第1の実施形態のものと同じである。
上述した各実施形態では、保持器のポケットの切欠きを、小環状部または狭幅側の柱部のいずれか一方に設けたが、このポケットの切欠きは小環状部と狭幅側の柱部の両方に設けてもよい。
第1の実施形態の円錐ころ軸受を示す縦断面図 図1の円錐ころ軸受の設計仕様を説明する断面図 図1の円錐ころ軸受の要部を拡大して示す断面図 図1の保持器の展開平面図 図1の円錐ころ軸受を使用したデファレンシャルを示す横断面図 図5の円錐ころ軸受の軸受内部への潤滑油の流れを示す断面図 第2の実施形態の円錐ころ軸受を示す縦断面図 図7の保持器の展開平面図 円錐ころ大端面の曲率半径と油膜厚さの関係を示すグラフ 円錐ころ大端面の曲率半径と最大ヘルツ応力の関係を示すグラフ
符号の説明
1 円錐ころ軸受
2 外輪
2a 軌道面
3 内輪
3a 軌道面
3b 大鍔面
3ba 円錐面
3bb 逃げ面
3bc 面取り
3c 小鍔面
4 円錐ころ
4a 大端面
4b 小端面
5 保持器
5a ポケット
5b 小環状部
5ba 鍔
5c 大環状部
5d 柱部
6 セラミック皮膜
7 切欠き
21 デファレンシャルケース
22 ドライブピニオン
23 差動歯車ケース
24 リングギヤ
25 ピニオンギヤ
26 サイドギヤ
27a、27b、27c シール部材

Claims (6)

  1. 内径面に軌道面を有する外輪と、外径面に軌道面を有し、その大径側に大鍔面、小径側に小鍔面が設けられた内輪と、これらの内輪と外輪の軌道面間に配列された複数の円錐ころと、これらの円錐ころをポケットに収納して保持する保持器とからなり、前記保持器が、前記円錐ころの小端面側で連なる小環状部と、円錐ころの大端面側で連なる大環状部と、これらの環状部を連結する複数の柱部とからなり、前記ポケットが、円錐ころの小径側を収納する部分が狭幅側、大径側を収納する部分が広幅側となる台形状に形成され、軸受使用時に円錐ころの大端面が前記内輪の大鍔面と接触して案内される円錐ころ軸受において、前記保持器の台形状ポケットの少なくとも狭幅側の柱部または小環状部に切欠きを設け、前記円錐ころの大端面の曲率半径をR、円錐ころの円錐角の頂点から前記内輪の大鍔面までの距離をRBASEとしたときに、これらの比R/RBASEを0.75〜0.87の範囲に設定したことを特徴とする円錐ころ軸受。
  2. 前記保持器の小環状部に、前記内輪の小鍔面が設けられた小鍔の外径面に対向させた径方向内向きの鍔を設け、この対向させた小環状部の内向きの鍔の先端と前記内輪の小鍔の外径面との隙間を、内輪の小鍔の外径寸法の2.0%以下とした請求項1に記載の円錐ころ軸受。
  3. 前記内輪の大鍔面を、前記円錐ころの大端面に接触する円錐面と、この円錐面の外径側に滑らかに連なり、円錐ころの大端面から離隔する方向に湾曲して、円錐ころの大端面との間に鋭角の楔空間を形成する逃げ面とで構成した請求項1または2に記載の円錐ころ軸受。
  4. 前記内輪の大鍔面と前記円錐ころの大端面の少なくとも一方に、セラミック皮膜を形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の円錐ころ軸受。
  5. 前記円錐ころをセラミックスで形成した請求項1乃至3のいずれかに記載の円錐ころ軸受。
  6. 前記外輪、内輪および円錐ころの各表面に、炭素含有量0.80質量%以上で、ロックウェル硬さがHRC58以上の浸炭窒化層を形成し、この浸炭窒化層の残留オーステナイト量を25〜35体積%とした請求項1乃至5のいずれかに記載の円錐ころ軸受。
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