JP2017025322A - インクジェット捺染用インクセット、インクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染用インクセット、インクジェット捺染方法 Download PDF

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Abstract

【課題】白色インク及び非白色インクを被記録媒体上に重ねて印刷するインクジェット捺染を行う際、当該非白色インクの画像におけるヒビ割れを防止可能なインクジェット捺染用インクセットを提供する。【解決手段】白色のインクジェット用顔料インクと、非白色顔料、定着樹脂、及びアニオン性高分子を含有する非白色のインクジェット用顔料インクと、を備えたインクジェット捺染用インクセットである。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット捺染用インクセット及びインクジェット捺染方法に関する。
従来、紙などの被記録媒体に、画像データ信号に基づき画像を形成する記録方法として、種々の方式が利用されてきた。このうち、インクジェット方式は、安価な装置で、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、インクジェット方式は騒音が小さいため、記録方法として優れている。
近年、インクジェット方式の記録方法を利用して、被記録媒体の一種である布帛上にインクを吐出することにより、光沢度が高くて耐水性及び耐擦性に優れた画像を、布帛の表面に形成するための試みがなされている。
例えば、特許文献1は、酸化チタン(アルミナシリカ処理、平均一次粒子径0.25μm、吸油量21ml/100g)及び所定の高分子分散剤溶液1(固形分25%)からなるインクジェット捺染用白色インクベース33.3質量部、アニオン性アクリル系自己架橋性樹脂エマルジョン(Tg−38℃、固形分46質量%)33.3質量部、グリセリン20質量部、ノニオン性界面活性剤であるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物1質量部、ポリアルキルシロキサンエマルジョンワックス(固形分65%)0.15質量部、並びに水12.25質量部からなるインクジェット捺染用白色インク1と、青色顔料(PB15:3)及び所定の高分子分散剤溶液2(固形分25%)からなるインクジェット捺染用水性青色インクベース17.5質量部、アニオン性アクリル系自己架橋性樹脂エマルジョン(Tg−38℃、固形分46質量%)35質量部、グリセリン20質量部、ノニオン性界面活性剤であるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物1質量部、ポリアルキルシロキサンエマルジョンワックス(固形分65%)0.15質量部、及び水26.35質量部からなるインクジェット捺染用水性青色インク1と、を黒色布帛上にこの順にベタ印字し重ね合わせ印刷する、インクジェット捺染方法を開示している(当該文献1の明細書段落0079〜0082,0086,0091,0127,0140の表4の実施例20)。
特開2011−105915号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたインクジェット捺染用の白色インク及び水性青色インクを布帛上に重ね合わせ印刷して得られる印捺物は、当該水性青色インクの画像にヒビ割れが見られるという問題が生じる。
そこで、本発明は、白色インク及び非白色インクを被記録媒体上に重ねて印刷するインクジェット捺染を行う際、当該非白色インクの画像におけるヒビ割れを防止可能なインクジェット捺染用インクセットの提供を目的の一つとする。
また、本発明は、上記インクジェット捺染用インクセットを用いたインクジェット捺染方法の提供も目的の一つとする。
本願発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討したところ、白色のインクジェット用顔料インクと、非白色顔料、定着樹脂、及びアニオン性高分子を含有する非白色のインクジェット用顔料インクと、を備えたインクジェット捺染用インクセットを用いることにより、ヒビ割れの発生を防止し得ることを見出した。
本願発明者らがさらに検討を重ねた結果、白色のインクジェット用顔料インク及び非白色のインクジェット用顔料インクを備えたインクジェット捺染用インクセットをインクジェット捺染に用いる際、上記非白色のインクジェット用顔料インクが非白色顔料、定着樹脂、及びアニオン性高分子を含有することにより、上記非白色インクの画像におけるヒビ割れを防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
白色のインクジェット用顔料インクと、非白色顔料、定着樹脂、及びアニオン性高分子を含有する非白色のインクジェット用顔料インクと、を備えた、インクジェット捺染用インクセット。
[2]
前記アニオン性高分子の含有量は、前記非白色のインクジェット用顔料インクの総質量に対して、固形分換算で0.3〜2.1質量%である、[1]に記載のインクジェット捺染用インクセット。
[3]
前記アニオン性高分子は、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物及びアニオン性ポリカルボン酸系高分子のうち少なくともいずれかである、[1]又は[2]に記載のインクジェット捺染用インクセット。
[4]
前記白色のインクジェット用顔料インク及び前記非白色のインクジェット用顔料インクのうち少なくともいずれかが、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のうち少なくともいずれかを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のインクジェット捺染用インクセット。
[5]
前記ウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂についての、破断点伸度が200%〜500%であり、弾性率が20MPa〜400MPaであり、かつ、ガラス転移温度が−10℃以下である、[4]に記載のインクジェット捺染用インクセット。
[6]
前記非白色のインクジェット用顔料インクに含まれる顔料は、樹脂分散型顔料又は自己分散型顔料である、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット捺染用インクセット。
[7]
前記白色のインクジェット用顔料インクに含まれる顔料は、樹脂分散型顔料又は自己分散型顔料である、[1]〜[6]のいずれかに記載のインクジェット捺染用インクセット。
[8]
[1]〜[7]のいずれかに記載のインクジェット捺染用インクセットを用いたインクジェット捺染方法であって、布帛の少なくとも一部に、多価金属塩を含有する前処理剤を塗布する前処理工程と、前記前処理剤が塗布された前記布帛の領域に、前記白色のインクジェット用顔料インクを付着させ、その後前記白色のインクジェット用顔料インクが付着した前記布帛の領域に、前記非白色のインクジェット用顔料インクを付着させるインク付着工程と、該インク付着工程後の布帛を加熱する加熱工程と、を含む、インクジェット捺染方法。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において、「非白色」とは白色以外の有色を意味する。「記録物」とは、被記録媒体上にインクが記録されて画像が形成されたものをいう。「印捺物」とは、上記の記録物に含まれるものであり、被記録媒体の一種である布帛上にインクが記録されて画像が形成されたものをいう。したがって、以下では、「被記録媒体」というときは特に言及のない限り「布帛」を包含しており、「記録物」というときは特に言及のない限り「印捺物」を包含している。
本明細書において、「発色性」とは、被記録媒体上で非白色インクが光沢を呈する性質をいう。「耐擦性」とは、画像を擦ったときに、当該画像が被記録媒体から剥がれにくかったり傷がつきにくかったりする性質をいう。「洗濯堅牢性」とは、洗濯による記録物の変退色の程度が小さい性質をいう。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルのうち少なくともいずれかを意味する。
[インクジェット捺染用インクセット]
本発明の一実施形態は、インクジェット捺染用インクセット(以下、単に「インクセット」ともいう。)に係る。当該インクセットは、白色のインクジェット用顔料インク(以下、単に「白色インク」ともいう。)と、非白色顔料、定着樹脂、及びアニオン性高分子を含有する非白色のインクジェット用顔料インク(以下、単に「非白色インク」ともいう。)と、を備えたものである。白色インクの下地の上に非白色インクの画像を形成する場合、非白色インクが顔料及び定着樹脂に加えてアニオン性高分子を含有することにより、白色インク及びその上に重ね塗られる非白色インクのヒビ割れを防止することができる。これにより、白色インク上の非白色インクの発色性を優れたものとすることができ、さらには着色した被記録媒体上であっても高品質な非白色インクの画像を形成することができる。
上記非白色インクの種類としては、以下に限定されないが、例えば、カラーインク、ブラックインク、及び灰色インクが挙げられる。このうち、カラーインクとしては、以下に限定されないが、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、ライトイエローインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクが挙げられる。
上記インクセットを構成する非白色インクは、上記の各種インクを、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記インクセットを構成する白色インク及び非白色インクは、互いに独立して、それぞれ1種単独のインク組成としてもよく、2種以上のインク組成の組み合わせとしてもよい。
非白色インクとしては、インクジェット捺染にとって好適であるため、水系インクが好ましい。
以下、上記インクセットを構成する白色インク及び非白色インク(以下、纏めて「インク」ともいう。)について詳細に説明する。
〔アニオン性高分子〕
本実施形態の非白色インクは、アニオン性高分子を含む。当該アニオン性高分子は、アニオン性基を有するものである。アニオン性高分子の重量平均分子量は、分散安定性に優れ、かつ、上述のヒビ割れを効果的に抑制するため、1,500〜50,000が好ましく、2,000〜30,000がより好ましい。
ここで、重量平均分子量(Mw)は従来公知の方法により測定可能であるが、本明細書におけるMwは、特に言及のない限り、日立製作所社(Hitachi, Ltd.)製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量として測定した値を採用することができる。
上記アニオン性基としては、マイナスの電荷を有するものであれば特に制限はなく、例えば、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、及びカルボン酸基が挙げられる。これらの中でも、インク中で安定した分散状態を形成しやすいため、スルホン酸基及びカルボン酸基のうち少なくともいずれかであることが好ましい。また、これらのアニオン性基は塩を構成していてもよい。当該塩は、有機カチオンとの塩であってもよく、無機カチオンとの塩であってもよい。
上記アニオン性高分子としては、特に限定されるものではないが、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物及びアニオン性ポリカルボン酸系高分子のうち少なくともいずれかが好ましい。この場合、インク中で安定した分散状態を形成しやすく、上述のヒビ割れを効果的に抑制することができる。
本実施形態におけるインクのうち少なくとも非白色インクは、アニオン性高分子を含有し、上記の好ましい範囲のpHを有するものである。これにより、上記特許文献1が開示するノニオン性化合物を含有する場合と比較して、白色インク及び非白色インクを被記録媒体上に重ねて印刷するインクジェット捺染を行う際、当該非白色インクの画像におけるヒビ割れを顕著に防止することができる。
(1.芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物)
芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物は、分子中に芳香環を有するスルホン化物をホルマリン縮合して得られる化合物又はその塩である。芳香族スルホン酸の具体例としては、以下に限定されないが、クレオソート油スルホン酸、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、β−ナフトールスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、及びブチルナフタレンスルホン酸などのアルキルナフタレンスルホン酸、並びにリグニンスルホン酸が挙げられる。これらの中でも、上述のヒビ割れを効果的に抑制することができるため、β−ナフタレンスルホン酸が好ましい。
また、上記芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のうちβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物は、その分散剤としての機能を損なわない範囲内で、その他の構成単位を含有していてもよい。その他の構成単位としては、以下に限定されないが、例えば、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルアルコールナフタレンスルホン酸、アルキル無水マレイン酸、及びポリカルボン酸等の共重合可能な単量体から形成される構成単位が挙げられる。
前記芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物として、市販品を用いてもよく、デモールN、デモールRN、デモールNL、デモールRNL、デモールT、デモールT−45(以上、β−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)、デモールMS、デモールSN−B(以上、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)、デモールSSL、デモールSC−30(以上、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)(以上、花王社(Kao Corporation)製商品名)等が挙げられる。
(2.アニオン性ポリカルボン酸系高分子)
アニオン性ポリカルボン酸系高分子は、高分子を構成する単量体のうち、不飽和カルボン酸を主体とする重合体であり、ホモポリマーであってもよく、不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体とのコポリマーであってもよく、さらに当該ホモポリマーや当該コポリマーの塩(アルカリ金属で中和された塩)であってもよい。ここで、「主体」とは、アニオン性ポリカルボン酸系高分子におけるカルボン酸単量体の重合モル比が50モル%以上であることを意味する。
上記の不飽和カルボン酸としては、以下に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸が挙げられる。これらの中でも、上述のヒビ割れを効果的に抑制することができるため、好ましくはアクリル酸及びマレイン酸であり、より好ましくはアクリル酸である。なお、不飽和カルボン酸がアクリル酸である場合、アニオン性ポリアクリル酸系高分子となる。
不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体としては、以下に限定されないが、例えば、上述の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸とアンモニア又は有機アミンとの不飽和カルボン酸アミド、不飽和スルホン酸、及び、疎水性の単量体が挙げられる。これらの中でも、アニオン性ポリアクリル酸系高分子の分散性を制御しやすいため、不飽和カルボン酸アミドが好ましく、その中でもアクリル酸アミドがより好ましい。上記アニオン性ポリカルボン酸系高分子がアクリル酸−アクリル酸アミド共重合体である場合、酸価は20〜100であるのが好ましく、アミン価は10〜30であるのが好ましい。
アニオン性ポリカルボン酸系高分子の重量平均分子量は、1,500〜30,000の範囲であればよく、インク中での分散性に優れることから2,000〜20,000の範囲であることが好ましい。
アニオン性ポリカルボン酸系高分子の市販品としては、例えば、ポイズ520,521,530,535,540、デモールP、デモールEP、デモールST(以上、花王社(Kao Corporation)製商品名)、アロンA−6330、アロンA−6410(以上、東亞合成社製)等が挙げられる。アニオン性ポリアクリル酸系高分子の市販品としては、例えば、「アロンT−50」、「アロンT−540」(以上、東亞合成社製)、EFKA4540(ポリアクリレート系、pH8〜9)、EFKA4550(ポリアクリレート系、アミン価24〜30mgKOH/g)、及びEFKA4560(ポリアクリレート系、アミン価22〜28mgKOH/g)(以上、ウイルバー・エリス社製商品名)、BYK−190及びBYK−191(以上、BYK―Chemie Gmbh製商品名)が挙げられる。
上述の市販品の中でも、本実施形態における少なくとも非白色インクに含まれるアニオン性高分子は、BYK−191であることが好ましい。そこで、当該BYK−191についてさらに説明する。BYK−191は、アミン基及びカルボン酸基を有する両性のアセテートコポリマーであってポリアクリル酸系樹脂である(ポリエチレンオキシド基は有しないと推測される。)。酸価はASTM D974より、30mgKOH/gである。アミン価はASTM D2073−92より、20mgKOH/gである。
上記アニオン性高分子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アニオン性高分子の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対して、0.1〜5.0質量%の範囲であるとよい。特に、非白色インクに含まれるアニオン性高分子の含有量は、非白色インクの総質量(100質量%)に対して、0.1〜3.0質量%であることが好ましく、0.3〜2.1質量%であることがより好ましい。非白色インクに含まれるアニオン性高分子の含有量が上記範囲内であると、白色インク及び非白色インクを被記録媒体上に重ねて印刷するインクジェット捺染を行う際、当該非白色インクの画像におけるヒビ割れを一層効果的に防止でき、さらにインクの吐出安定性を優れたものとすることができる。
〔顔料〕
インクが含有する顔料としては、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用可能である。
まず、白色インクに含まれる白色顔料としては、以下に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、及び酸化ジルコニウム等の白色無機顔料が挙げられる。当該白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子などの白色有機顔料を使用することもできる。
白色顔料のカラーインデックス(C.I.)としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.Pigment White 1(塩基性炭酸鉛)、4(酸化亜鉛)、5(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)、6(酸化チタン)、6:1(他の金属酸化物を含有する酸化チタン)、7(硫化亜鉛)、18(炭酸カルシウム)、19(クレー)、20(雲母チタン)、21(硫酸バリウム)、22(天然硫酸バリウム)、23(グロスホワイト)、24(アルミナホワイト)、25(石膏)、26(酸化マグネシウム・酸化ケイ素)、27(シリカ)、28(無水ケイ酸カルシウム)が挙げられる。
これらの中でも、発色性、隠蔽性、及び視認性(明度)に優れ、かつ、良好な分散粒径が得られるため、酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンの中でも、白色顔料として一般的なルチル型の酸化チタンが好ましい。このルチル型の酸化チタンは、自ら製造したものであってもよく、市販されているものであってもよい。ルチル型の酸化チタン(粉末状)を自ら製造する場合の工業的製造方法として、従来公知の硫酸法及び塩素法が挙げられる。
ルチル型の酸化チタンの市販品としては、例えば、Tipaque(登録商標) CR−60−2、CR−67、R−980、R−780、R−850、R−980、R−630、R−670、PF−736等のルチル型(以上、石原産業社(ISHIHARA SANGYO KAISHA、 LTD.)製商品名)が挙げられる。
酸化チタンの50%平均粒子径(以下、「D50」ともいう。)は、50〜500nmが好ましく、150〜350nmがより好ましい。D50が上記の範囲内にあると、インクの耐擦性に優れ、また、記録された画像の視認性を優れたものとすることも可能であるので、高画質の画像を形成することができる。
ここで、本明細書における「酸化チタンの50%平均粒子径」は、インクを調製する前における酸化チタンのD50でなく、インク中に存在する酸化チタンのD50を意味する。また、本明細書における「50%平均粒子径」とは、動的光散乱法による球換算50%平均粒子径を意味し、以下のようにして得られる値である。
分散媒中の粒子に光を照射し、この分散媒の前方・側方・後方に配置された検出器によって、発生する回折散乱光を測定する。得られた測定値を利用して、本来は不定形である粒子を、球形であると仮定し、当該粒子の体積と等しい球に換算された粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その際の累積値が50%となる点を、「動的光散乱法による球換算50%平均粒子径(D50)」とする。
白色顔料として酸化チタンを使用する場合は、光触媒作用を抑制するために、アルミナシリカで表面処理されたものが好ましい。その際の表面処理量(アルミナシリカの量)は、表面処理された白色顔料の総質量(100質量%)に対して、5〜20質量%程度であるとよい。
次に、非白色インクに含まれる非白色顔料、即ち白色顔料以外の顔料としては、以下に限定されないが、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、及びニトロソ系などの有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等)、コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、及びニッケル等の金属類、金属酸化物及び硫化物、並びにファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、さらには黄土、群青、及び紺青等の無機顔料を用いることができる。
更に詳しくは、ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとしては、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製商品名)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(Cabot JAPAN K.K.)製商品名)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4等(以上、デグッサ(Degussa)社製商品名)が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、及びC.I.ピグメント ヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、及びC.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7、10、及びC.I.ピグメント ブラウン 3、5、25、26、及びC.I.ピグメント オレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63が挙げられる。
上記の白色顔料及び非白色顔料はそれぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料の含有量は、使用する顔料種により異なるものの良好な発色性を確保することなどから、インクの総質量(100質量%)に対して、1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。中でも、酸化チタンの含有量は、沈降し難いとともに、(特に黒地の被記録媒体上での)隠蔽性及び色再現性に優れるため、インクの総質量(100質量%)に対して、3〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、非白色インクに白色顔料が含まれてもよく、白色インクに非白色顔料が含まれてもよい。
〔顔料分散体〕
上記の顔料は、インク中で、分散された状態として、即ち顔料分散体として存在するとよい。顔料分散体のD50は、50nm以上1μm以下が好ましい。当該D50が50nm以上であると、記録物の発色性を良好に維持できる。また、当該D50が1μm以下であると、定着性を良好に維持できる。白色顔料の分散体のD50は、100〜600nmがより好ましく、200〜500nmがさらに好ましい。当該D50が100nm以上であると、隠蔽性及び発色性を良好に維持できる。当該D50が1μm以下であると、定着性を良好に維持でき、かつ、インクジェットヘッドからの吐出安定性も良好に維持できる。非白色顔料の分散体のD50は、70〜230nmがより好ましく、80〜130nmがさらに好ましい。
白色インク及び非白色インクは、互いに独立して、顔料分散体の中でも自己分散型顔料又は樹脂分散型顔料を含有することが好ましい。なお、本実施形態における顔料の分散形態は、特に制限されない。
(自己分散型顔料)
上記の自己分散型顔料は、分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解することが可能な顔料である。ここで「分散剤なしに水性媒体中に分散あるいは溶解」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても、その表面の親水基により、水性媒体中に安定に存在している状態を言う。そのため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんど無く、吐出安定性に優れるインクが調製しやすい。また、分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるため、顔料をより多く含有することが可能となり印字濃度を十分に高めることが可能になる等、取り扱いが容易である。
上記の親水基は、−OM、−COOM、−CO−、−SO3M、−SO2M、−SO2NH2、−RSO2M、−PO3HM、−PO32、−SO2NHCOR、−NH3、及び−NR3からなる群から選択される一以上の親水基であることが好ましい。
なお、これらの親水基を表す式中のMは、互いに独立して、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表す。また、これらの親水基を表す式中のRは、互いに独立して、炭素原子数1〜12のアルキル基又は置換基を有していてもよいナフチル基を表す。
自己分散型顔料の中でも、自己分散カーボンブラックが好ましい。この自己分散カーボンブラックを用いることで、印捺物の発色性が優れたものとなる。分散剤を用いることなく水に分散可能とする方法としては、以下に限定されないが、カーボンブラックの表面をオゾンや次亜塩素酸ナトリウム等で酸化する方法が挙げられる。当該自己分散カーボンブラック分散体のD50は、50〜300nmが好ましく、50〜150nmがより好ましく、70〜130nmがさらに好ましく、80〜120nmがさらにより好ましい。当該D50が50nm以上であると、発色性を良好に維持できる。また、D50が300nm以下であると、印捺物の発色性がより優れたものとなる。さらに、D50が150nm以下であると、定着性を良好に維持できる。
自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。当該物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また、当該化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
(樹脂分散型顔料)
上記の樹脂分散型顔料は、樹脂分散によって分散可能とした顔料である。樹脂分散型顔料に用いられる樹脂(ポリマー)は、特に限定されない。例えば、顔料の分散に用いられる分散ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、55℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。当該Tgが55℃以下であると、定着性を良好なものとすることができる。当該ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(スチレン換算)が10,000以上200,000以下であるものを用いることが好ましい。これにより、インクの保存安定性が一層良好となる。
なお、ガラス転移温度(Tg)の測定方法は特に制限されない。本明細書におけるガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に基づき、DSC曲線等の熱分析手法により測定した値を採用することができる。
上記ポリマーとして、その構成成分のうち70質量%以上が(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸の共重合によるポリマーであると、定着性及び光沢性に一層優れる。炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一方が70質量%以上のモノマー成分から重合されたものであることが好ましい。その具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート及びベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、その他の添加成分としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、及びエポキシ(メタ)アクリレートを用いることもできる。
(ポリマーに被覆された顔料)
また、定着性、光沢性、及び色再現性に一層優れるため、上記樹脂分散型顔料の中でもポリマーに被覆された顔料(マイクロカプセル化顔料)が好適に用いられる。
当該ポリマーに被覆された顔料は、転相乳化法により得られるものである。つまり、上記のポリマーをメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、及びジブチルエーテル等の有機溶媒に溶解させる。得られた溶液に顔料を添加し、次いで中和剤及び水を添加して混練・分散処理を行うことにより水中油滴型の分散体を調整する。そして、得られた分散体から有機溶媒を除去することによって、水分散体としてポリマーに被覆された顔料を得ることができる。混練・分散処理は、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、及び高速攪拌型分散機などを用いることができる。
中和剤としては、エチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びアンモニア等が好ましく、得られる水分散体のpHが6〜10であることが好ましい。
顔料を被覆するポリマーとしては、GPCによる重量平均分子量が10、000〜150、000程度のものが、顔料を安定的に分散させる点で好ましい。
ポリマーに被覆された顔料の中でも、ポリマーに被覆されたカラー顔料が好ましい。このカラー顔料を用いることで、印捺物の発色性が優れたものとなる。
〔分散剤〕
上記分散剤(顔料分散剤)は、インクに含まれる顔料を水性媒体中で粒子状に分散させるものである。当該分散剤として、親水基及び疎水基を有する高分子分散剤が挙げられる。当該高分子分散剤とは、重量平均分子量が約1,500以上の範囲にあるポリマーやオリゴマーであって、液体中での粉体の分散性及び安定性が良好なものを指す。
上記高分子分散剤には、有機アミン塩や無機塩などの塩で親水基を中和して水溶化・エマルジョン化を行うことが水又は水溶性溶媒といった水性媒体中に均一に存在させ分散剤として機能させる上で必要なものと、元々親水基が導入されており既に水溶性又はエマルジョンの状態のものと、がある。これらのうちどちらを使用しても構わない。
分散液(顔料分散液)におけるpHは、分散安定性に優れるため、中性又は弱〜中程度のアルカリ性であるのが好ましく、弱〜中程度のアルカリ性であるのがより好ましい。pHが酸性領域であると析出などの問題が生じ、pHが強アルカリ領域であると加水分解などの問題が生じるからである。具体的にpHは、6.5〜10が好ましく、7〜10がより好ましく、7.5〜9.5がさらに好ましい。
分散剤としては、顔料分散液の調製に用いられる公知の分散剤を使用することができ、例えば、ノニオン性又はアニオン性の高分子分散剤を好ましく使用することができる。
ノニオン性の高分子分散剤としては、以下に限定されないが、例えば、ポリアクリルアミド、ポロプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体が挙げられる。
アニオン性の高分子分散剤としては、疎水性モノマーを主体とした共重合体を好ましく用いることができ、以下に限定されないが、例えば、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、及びビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、並びにこれらの無機塩又は有機塩が挙げられる。
また、上述のアニオン性高分子も、分散剤として使用することが可能である。そのため、分散剤としてアニオン性高分子を単独で含むインク(特に非白色インク)としてもよく、分散剤としてアニオン性高分子と疎水性モノマーを主体とした共重合体とを共に含むインクとしてもよい。
上記高分子分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましく、5〜150質量部がより好ましく、10〜130質量部がさらに好ましい。
〔界面活性剤〕
本実施形態におけるインクは、界面活性剤として、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、及びポリシロキサン系界面活性剤のうち少なくともいずれかを含有することが好ましい。これにより、印字などの画像の乾燥性が良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
これらの中でも、滲みが低減し、かつ、印刷品質が向上するため、上記インクは、アセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤のうち少なくともいずれかを用いることがより好ましい。
上記のアセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤としては、以下に限定されないが、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール及び2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物、並びに2、4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2、4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。これらは、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO., Ltd.)製商品名)等の市販品として入手可能である。
また、ポリシロキサン系界面活性剤としては、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社(BYK Japan KK)製商品名)などが挙げられる。
上記界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記界面活性剤は、インクの総質量(100質量%)に対し、0.1〜3質量%であるとよい。
〔定着樹脂〕
本実施形態における非白色インクは、定着樹脂を含有する。非白色インクが定着樹脂を含有することにより、非白色インク層と下地の白色インク層との間の結着性(密着性)が優れたものとなる。その結果、非白色インクの発色性が優れたものとなる。
本実施形態のインクセットにおいて、白色インク及び非白色インクのうち少なくともいずれかが、定着樹脂として、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のうち少なくともいずれかを含むことが好ましい。白色インクがこれらの定着樹脂を含む場合、白色インク(下地)の被記録媒体に対する定着性が優れたものとなり、結果として記録物における耐擦性が優れたものとなる。また、非白色インクがこれらの定着樹脂を含む場合、非白色インク層(重ね塗り層)の白色インク層(下地)に対する定着性が優れたものとなり、結果として記録物における耐擦性が優れたものとなる。
特に、非白色インクが定着樹脂としてウレタン樹脂を含有することがより好ましい。この場合、上記した有利な効果に加え、非白色インク層のヒビ割れを効果的に防止することができる。
このように、インク、特に非白色インクが、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のうち少なくともいずれかを含有することにより、画像のヒビ割れ防止に一層優れ、かつ、定着性及び耐擦性にも優れたものとなる。
少なくとも非白色インクに含まれる定着樹脂、特に上記のウレタン樹脂及びアクリル樹脂の物性について、以下説明する。まず、一般的にインクジェット記録が行われる温度範囲(15〜35℃)において、当該定着樹脂は造膜性を有することが好ましいため、そのTgは、−10℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましい。定着樹脂のガラス転移温度が上記範囲内である場合、記録物における顔料の定着性が一層優れたものとなる結果、耐擦性が優れたものとなる。なお、Tgの下限については特に限定されないが、−50℃以上であるとよい。
また、上記定着樹脂の酸価は、10〜100mgKOH/gであることが好ましく、15〜50mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が100mgKOH/g以下であると、記録物(特に印捺物)の洗濯堅牢性を良好に維持することができる。また、酸価が10mgKOH/g以上であると、インクの保存安定性を良好に維持することができ、被記録媒体上での発色性及び定着性を優れたものに維持することができる。
なお、酸価の測定方法は特に制限されない。本明細書における酸価は、京都電子工業社(Kyoto Electronics Manufacturing Co.、Ltd.)製のAT610を用いて測定を行い、以下の式に数値をあてはめて算出した値を採用することができる。
酸価(mg/g)=(EP1−BL1)×FA1×C1×K1/SIZE
(上記式中、EP1は滴定量(mL)、BL1はブランク値(0.0mL)、FA1は滴定液のファクター(1.00)、C1は濃度換算値(5.611mg/mL)(0.1mo1/L KOH 1mLの水酸化カリウム相当量)、K1は係数(1)、SIZEは試料採取量(g)をそれぞれ表す。)
また、上記定着樹脂は、布帛のような伸縮しやすい被記録媒体に対して、インク層の破断やひび割れを防ぎ、優れた洗濯堅牢性及び耐擦性を確保するため、破断点伸度が200〜500%、弾性率が20〜400MPaであることが好ましい。
ここで、破断点伸度及び弾性率の測定方法は特に制限されない。本明細書における破断点伸度は、約60μmの厚さのフィルムを作成し、引張試験ゲージ長20mm及び引っ張り速度100mm/分の条件下で測定して得られた値を採用することができる。また、本明細書における弾性率は、約60μmの厚さのフィルムを作成し、平行部幅10mm及び長さ40mmの引張試験ダンベルに成形し、JIS K7161:1994に準拠して引張試験を行って求められる引っ張り弾性率を採用することができる。
なお、上記JIS K7161:1994について具体的に説明すると、対応国際規格がISO 527−1:1993であり、標題がプラスチック−引張特性の試験方法であり、かつ、規格の概要は、定められた条件下でのプラスチック及びプラスチック複合材の引張特性を測定するための一般原則について規定したものである。
定着樹脂のD50は、好ましくは30〜300nmであり、より好ましくは80〜300nmである。D50が上記範囲内であると、白色インク中で定着樹脂粒子を均一に分散させることができる。また、優れた耐擦性を確保するため、D50の下限値は100nmであることがさらに好ましい。
上記で説明した定着樹脂の物性を満足するウレタン樹脂として、以下に限定されないが、例えば、スーパーフレックス 460、470、610、700(以上、第一工業製薬社(Dai-ichi Kogyo Seiyaku Co.、 Ltd.)製商品名)、NeoRez R−9660、R−9637、R−940(以上、楠本化成社(Kusumoto Chemicals、Ltd.)製商品名)、アデカボンタイター HUX−380、290K(以上、アデカ(Adeka)社製商品名)、タケラック(登録商標) W−605、W−635、WS−6021(以上、三井化学社(Mitsui Chemicals、 Inc.)商品名)、ポリエーテル(大成ファインケミカル社(TAISEI FINECHEMICAL CO、.LTD)商品名、Tg=20℃)が挙げられる。
また、上記で説明した定着樹脂の物性を満足するアクリル樹脂として、以下に限定されないが、例えば、日本合成化学社(Nippon Synthetic Chemical Industry Co.、 Ltd.)製のモビニール952Aが挙げられる。
上記定着樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記定着樹脂の含有量は、耐擦性及び洗濯堅牢性が優れたものとなるため、インクの総質量(100質量%)に対し、1〜30質量%が好ましく、3〜18質量%がより好ましい。
〔浸透剤〕
本実施形態におけるインクは、当該インクに含まれる水性溶媒が被記録媒体に浸透することを一層促進するため、浸透剤をさらに含有するとよい。上記水性溶媒が被記録媒体に素早く浸透することによって、画像の滲みが少ない記録物を得ることができる。
このような浸透剤としては、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル類)及び1、2−アルキルジオールが好ましく挙げられる。当該グリコールエーテル類としては、以下に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。また、上記1、2−アルキルジオールとしては、以下に限定されないが、例えば、1、2−ペンタンジオール及び1、2−ヘキサンジオールが挙げられる。これらの他に、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、1、7−ヘプタンジオール、及び1、8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類も挙げることができる。
上記浸透剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記浸透剤の含有量は、インクの総質量(100質量%)に対し、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。含有量が0.1質量%以上であると、インクの被記録媒体への浸透度を増大させることができる。一方、含有量が20質量%以下であると、インクを用いて印刷した画像に滲みが発生することを防止でき、またインクの粘度があまり高くならないようにすることができる。
〔保湿剤〕
保湿剤(湿潤剤)としては、一般にインクに用いられるものであれば特に制限されることなく使用できる。沸点が、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上の高沸点湿潤剤を用いる。沸点が上記範囲内である場合、インクに保水性と湿潤性を付与することができる。
高沸点の保湿剤の具体例として、特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1、4−ジオール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、数平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールが挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。インクに高沸点の保湿剤を添加することにより、開放状態、即ち、室温で顔料インクが空気に触れている状態で放置しても、流動性と再分散性とを長時間維持できるインクを得ることができる。さらに、このようなインクは、インクジェット記録装置を用いての記録中又は記録中断後の再起動時に、インクジェットノズルの目詰まりが生じにくくなるため、インクジェットノズルからの優れた吐出安定性を有するインクが得られる。上記保湿剤の含有量は特に限定されない。
〔水〕
本実施形態におけるインクに含まれる水は、インクの粘度を好適な範囲に調整するため、インクの総質量(100質量%)に対し、20〜80質量%程度含まれているとよい。
〔その他の成分〕
本実施形態におけるインクは、その保存安定性及びインクジェットヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又は、インクの劣化を防止するため、溶解助剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート等の、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
なお、本実施形態のインクセットは、上記の白色インク及び非白色インクと組成の異なる、従来公知のインクをさらに含んでもよい。
このように、本実施形態によれば、白色インク及び非白色インクを被記録媒体上に重ねて印刷するインクジェット捺染を行う際、当該非白色インクの画像におけるヒビ割れを防止できる、インクジェット捺染用インクセットを提供することができる。
さらに言えば、被記録媒体の一種である布帛に白色インク及び非白色インクを重ねて印刷する際に生じ得る画像のヒビ割れを、非白色インクにアニオン性高分子を含有させることによって、効果的に防止することができる。
[インクジェット捺染方法]
本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染方法は、上記実施形態のインクジェット捺染用インクセットを用いて、インクジェット記録方式により被記録媒体の一種である布帛に記録を行う(画像を形成する)ことを含むものである。
より具体的に言えば、上記のインクジェット捺染方法は、前処理工程と、布帛の所定領域に、上述の白色インク及び非白色インクを順次付着させるインク付着工程と、当該インク付着工程後の布帛を加熱する加熱工程と、を少なくとも含むことが好ましい。
上記インクジェット捺染方法に用いられる布帛としては、以下に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、及びレーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。これらの中でも、高温下での定着に耐えられるため、綿が好ましい。
上記のインクジェット記録方式では、上記インクセットを構成する各インクを、インクジェット記録装置に装填して使用する。当該インクジェット記録装置としては、特に限定されないが、例えばドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置が挙げられる。このドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置には、記録ヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方法を採用した装置、及び記録ヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法を採用した装置などがあり、いずれの記録方法を採用したものでもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
〔前処理工程〕
上記前処理工程は、上記インクセットを構成する各インクを布帛の所定領域に付着させる前に、布帛の少なくとも一部に多価金属塩を含有する前処理剤を塗布するものである。より具体的に言えば、当該前処理工程は、布帛の少なくとも一部に上記前処理剤を付着させた後、当該布帛を乾燥するというものである。
上記凝集剤はインク中の顔料を凝集させると共に、水分散性樹脂(樹脂エマルジョン)を析出させて、布帛上にインクの膜を形成させることができる。このように、前処理剤を用いて布帛の少なくとも一部を前処理しておくことが好ましい。当該凝集剤に含まれる多価金属塩としては、以下に限定されないが、凝集効果が一層大きくなるため、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、及びアルミニウム塩が好ましく挙げられる。
上記前処理の具体例として、以下に限定されないが、前処理剤中に布帛を浸積する手段、及び前処理剤を布帛に塗布又は噴霧する手段が挙げられる。
上記前処理剤としては、以下に限定されないが、例えば、水溶性高分子などの糊剤を0.01〜20質量%含有させたものを用いることができる。当該糊剤としては、以下に限定されないが、例えば、トウモロコシ及び小麦などのデンプン物質、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビヤゴム、ローカストビーンガム、トラントガム、グアーガム、及びタマリンド種子などの多糖類、ゼラチン及びカゼイン等のタンパク質、タンニン及びリグニン等の天然水溶性高分子、並びにポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、アクリル酸系化合物、及び無水マレイン酸系化合物などの合成の水溶性高分子が挙げられる。
なお、上記前処理剤には、必要に応じて、酢酸、プロピロン酸、及び乳酸などの有機酸、尿素及びチオ尿素などの保湿剤、pH調整剤、還元防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、並びに消泡剤などの各種添加剤を含有させてもよい。
布帛の少なくとも一部に前処理剤を付着させた後の乾燥は、好ましくは110〜200℃、より好ましくは120〜180℃で、2分間以内の加熱処理を行うとよい。加熱温度が110℃以上であると、印捺物における良好な定着性を確保できる。また、加熱温度が200℃以下であると、布帛、顔料、及び高分子などの劣化を効果的に防止することができる。
〔インク付着工程〕
上記インク付着工程では、まず、上記のように前処理剤が塗布された布帛の領域に向けて、上記インクセットを構成する白色インクを吐出し付着させ、下地の画像を形成する。その後、当該下地の画像に向けて、上記インクセットを構成する上述の非白色インクを吐出し付着させて重ね塗りすることにより、非白色の画像を形成する。
ここで、上記の白色インクが吐出される布帛の領域は、顔料が多価金属塩により凝集して定着性に優れたものとするため、前処理剤が塗布された布帛の領域に対応することが好ましいが、これらの領域が完全に対応する必要はない。また、上記の非白色インクが吐出される布帛の領域は、白色の露出を防ぐため、上記下地の画像に対応すること、即ち上記白色インクが付着した布帛の領域に対応することが好ましいが、これらの領域が完全に対応する必要はない。
なお、白色インク及び非白色インクの吐出条件は、吐出されるインクの物性によって適宜決定すればよいが、上述のとおり、本実施形態におけるインク、特に重ね塗り用の非白色インクは吐出安定性に優れている。
また、上記のインク付着工程において、下地の形成後であって重ね塗りを行う前に、下地を乾燥するのが好ましい。この乾燥を行うことにより、下地の白色インク層が後に重ね塗りする非白色インク層と混ざり合って白色が露出することを防止できる。乾燥の条件は、白色インクが乾燥しさえすればよく、特に限定されない。
〔加熱工程〕
上記加熱工程では、白色インクが布帛の所定領域に付着し、その後非白色インクが当該白色インクの上に付着してなる布帛を加熱処理する。当該加熱処理により、非白色インクに含まれ得る樹脂(上記ウレタン樹脂など)を下地に融着し、かつ、水分を蒸発させることができる。その結果、形成された画像の耐擦性を優れたものとすることができる。
上記加熱処理としては、以下に限定されないが、例えば、ヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法が挙げられる。また、加熱の熱源としては、以下に限定されないが、例えば赤外線(ランプ)が挙げられる。また、加熱処理時の温度は、非白色インクに含まれ得る樹脂を融着し、かつ、水分を蒸発させることができればよく、150〜200℃程度であるとよい。
上記加熱工程後は、印捺物を水洗し、乾燥してもよい。このとき、必要に応じてソーピング処理、即ち未固着の顔料を熱石鹸液などで洗い落とす処理を行ってもよい。
このようにして、布帛上に、下地としての白色インク及び重ね塗りした非白色インクの画像が形成された、印捺物を得ることができる。布帛、例えばTシャツに白色インク及びカラーインク(非白色インク)を重ねて印刷する際に生じ得る画像のヒビ割れを、非白色インクにアニオン性高分子を含有させることによって防止できることを、本願発明者らが見出したのである。カラーインクに特定のアニオン性高分子を含有させることにより、ヒートプレス等による定着後の白色インク及びカラーインクを重ねて印刷したときのヒビ割れが生じにくくなり、印捺物の品質が格段に向上することを知見した。さらに当該印捺物は、凹凸や汚れ等の発生を防ぐことができるため発色性に優れ、かつ、白色インク層及び非白色インク層の定着性(密着性)が良好なため耐擦性にも優れる。
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[前処理剤の調製]
まず、画像形成の前に布帛を前処理するための前処理剤を、以下のようにして調製した。なお、各成分の量は固形分量で表している。
15質量%の硝酸カルシウム
・四水和物と、0.1質量%の界面活性剤(BYK社製のBYK−348)と、モビニール966A(日本合成化学社(Nippon Synthetic Chemical Industry Co.、 Ltd.)製商品名)10質量%と、イオン交換水(残部)とを、総質量が100質量%になるよう混合して、前処理剤を調製した。
[インクの調製]
〔使用材料〕
下記の実施例1〜5及び比較例1〜3において使用した主な材料は、以下の通りである。
(1.顔料分散液)
白色顔料分散液を以下のようにして調製した。酸化チタン「R62N」(堺化学工業社製)250g、顔料分散剤として「デモールEP」(花王社製)10g(有効成分として2.5g)を用い、これらをイオン交換水740gと混合し、ビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、DYNO−MILL KDL A型)を用いて、0.5mmφのジルコニアビーズを充填率80%、滞留時間2分で分散し、白色顔料分散液(顔料分25%、以下では単に「W」とも言う。)を得た。
また、シアン顔料分散液を以下のようにして調製した。ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料、クラリアント社製)を用いた。攪拌機、温度計、還流管、及び滴下ロートを備えた反応容器を窒素置換した後、シクロヘキシルアクリレート20質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、ブチルアクリレート15質量部、ラウリルアクリレート10質量部、アクリル酸2質量部、t―ドデシルメルカプタン0.3質量部を混合した。この混合液を70℃で加熱し、別に用意したベンジルアクリレート150質量部、アクリル酸15質量部、ブチルアクリレート50質量部、t−ドデシルメルカプタン1質量部、メチルエチルケトン20質量部、及びアゾビスイソバレロニトリル1質量部を滴下ロートに入れて、4時間かけて反応容器に滴下しながら分散ポリマーを重合反応させた。次に、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40質量%濃度の分散ポリマー溶液を作製した。
ここで、本明細書における重量平均分子量(Mw)の測定方法は上述のとおりである。また、数平均分子量の測定方法は特に制限されない。本明細書における数平均分子量(Mn)は、重量平均分子量(Mw)と同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の数平均分子量として測定された値で示すことができる。
上記分散ポリマー溶液40質量部と、ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料、クラリアント社製)30質量部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100質量部、及びメチルエチルケトン30質量部と、を混合し、ホモジナイザーで30分攪拌した。その後、イオン交換水を300質量部添加して、さらに1時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部とを留去し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整してから0.3μmのメンブレンフィルターでろ過した。このようにして、固形分(分散ポリマーとシアン顔料)が20質量%であるシアン顔料分散液(以下、単に「C」とも言う。)を調製した。当該Cに含まれる分散ポリマーの分子量の分散度(Mw/Mn)は3.0であった。
(2.定着樹脂)
・タケラックWS−6021(三井化学社(Mitsui Chemicals、 Inc.)製商品名、アニオン性のウレタン樹脂エマルジョン、引張り強度50MPa、伸び率750%、固形分30%)
(3.界面活性剤)
・BYK−348(BYK社製商品名、ポリシロキサン系界面活性剤)
・BYK−191(BYK社製商品名、アニオン性、顔料に親和性のある共重合物、酸価30、アミン価20、固形分98%)
・デモールNL(花王社製商品名、アニオン性、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、固形分41%)
・BYK−193(BYK社製商品名、ノニオン性、顔料に親和性のある共重合物、固形分40%)
・オルフィンE1010(日信化学社製商品名、ノニオン性、アセチレンジオール系界面活性剤)
(4.保湿剤)
・グリセリン(阪本薬品工業社(Sakamoto Yakuhin Kogyo Co.、 Ltd.)製)
・トリエチレングリコール(関東化学社製商品名)(5.グリコールエーテル)
・ハイソルブDB(東邦化学工業社(TOHO Chemical Industry Co.、 Ltd.)製商品名)
〔白色インクの調製及びシアンインクの調製、並びにインクジェット捺染用インクセットの作製〕
表1に示す組成(単位は質量%)となるように、顔料分散液、定着樹脂、界面活性剤、グリコールエーテル、保湿剤、及びイオン交換水を混合攪拌した。この攪拌液を、孔径5μmのフィルターでろ過し、真空ポンプを用いて脱気処理して、各実施例及び各比較例で用いる、白色インク(W1)及び非白色インクである各シアンインク(C1〜C8)を得た。
そして、各シアンインク(C1〜C8)と白色インク(W1)とをそれぞれ組み合わせて、各インクジェット捺染用インクセットを作製した。
Figure 2017025322
[印捺物の製造]
〔前処理工程〕
布帛として綿100%のTシャツを用い、これに上記で調製した前処理剤を塗布した。
塗布後、160℃で1分間の加熱処理(乾燥)を行った。
〔付着工程〕
次に、インクジェット記録装置(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製のEPSON MJ−3000C)を用いて、上記で作製したインクセットを布帛に付着させた。具体的には、上記で調製した白色インクを布帛上に印刷し、白色インクの下地を形成した。引き続き、上記で調製した各シアンインク(各非白色インク)を当該下地上に重ね塗り印刷して、上塗り層を形成した。
〔熱処理工程〕
上塗り層形成後の布帛に対し、160℃で1分間の加熱処理を行い、布帛上に画像が形成された印捺物を得た。
[印捺物の評価]
上記で得られた各印捺物の評価を、次のように行った。なお、表2中、「シアンインクNo.」は、用いたインクセットを構成するシアンインクの記号を記載したものであり、各実施例及び各比較例で用いたインクセットを構成する白色インクはいずれもW1である。
〔ヒビ割れ試験〕
印捺物の表面状態を目視で調べることにより、ひび割れを評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を表2に示す。
◎:ひび割れが認められない。
○:ひび割れによる下地層の露出がわずかに認められるが、印捺物の光沢劣化は認められない。
×:ひび割れによる下地層の露出がはっきりと認められ、印捺物の光沢劣化が認められた。
Figure 2017025322
以上より、白色インクと、非白色顔料、定着樹脂、及びアニオン性高分子を含有する非白色インクと、を備えたインクジェット捺染用インクセット(各実施例)は、そうでないインクセット(各比較例)に比して、これらのインクを被記録媒体(布帛)上に重ねて印刷するインクジェット捺染を行う際、当該非白色インクの画像におけるヒビ割れを効果的に防止できることが分かった。
また、非白色インク中のアニオン性高分子の含有量が、非白色インクの総質量(100質量%)に対して、固形分換算で0.3〜2.1質量%である場合、ヒビ割れを効果的に防止可能であるとともに、インクの吐出安定性も一層優れたものとなることが分かった。

Claims (8)

  1. 白色のインクジェット用顔料インクと、
    非白色顔料、定着樹脂、及びアニオン性高分子を含有する非白色のインクジェット用顔料インクと、を備えた、インクジェット捺染用インクセット。
  2. 前記アニオン性高分子の含有量は、前記非白色のインクジェット用顔料インクの総質量に対して、固形分換算で0.3〜2.1質量%である、請求項1に記載のインクジェット捺染用インクセット。
  3. 前記アニオン性高分子は、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物及びアニオン性ポリカルボン酸系高分子のうち少なくともいずれかである、請求項1又は2に記載のインクジェット捺染用インクセット。
  4. 前記白色のインクジェット用顔料インク及び前記非白色のインクジェット用顔料インクのうち少なくともいずれかが、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のうち少なくともいずれかを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インクセット。
  5. 前記ウレタン樹脂及び前記アクリル樹脂についての、破断点伸度が200%〜500%であり、弾性率が20MPa〜400MPaであり、かつ、ガラス転移温度が−10℃以下である、請求項4に記載のインクジェット捺染用インクセット。
  6. 前記非白色のインクジェット用顔料インクに含まれる顔料は、樹脂分散型顔料又は自己分散型顔料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インクセット。
  7. 前記白色のインクジェット用顔料インクに含まれる顔料は、樹脂分散型顔料又は自己分散型顔料である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インクセット。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インクセットを用いたインクジェット捺染方法であって、
    布帛の少なくとも一部に、多価金属塩を含有する前処理剤を塗布する前処理工程と、
    前記前処理剤が塗布された前記布帛の領域に、前記白色のインクジェット用顔料インクを付着させ、その後前記白色のインクジェット用顔料インクが付着した前記布帛の領域に、前記非白色のインクジェット用顔料インクを付着させるインク付着工程と、
    該インク付着工程後の布帛を加熱する加熱工程と、を含む、インクジェット捺染方法。
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