JP2007160529A - インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2007160529A
JP2007160529A JP2005356096A JP2005356096A JP2007160529A JP 2007160529 A JP2007160529 A JP 2007160529A JP 2005356096 A JP2005356096 A JP 2005356096A JP 2005356096 A JP2005356096 A JP 2005356096A JP 2007160529 A JP2007160529 A JP 2007160529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
pigment
viscosity
water
mpa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005356096A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotaka Iijima
裕隆 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2005356096A priority Critical patent/JP2007160529A/ja
Publication of JP2007160529A publication Critical patent/JP2007160529A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】インクを加熱した状態でヘッドから射出するインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタにおいて、記録時の色変動が少ないインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】常温で液体であるインクセットを加熱して5mPa秒以上10mPa秒未満の粘度でピエゾ方式のヘッドから射出するインクジェット記録方法であり、該インクセットの各インクが少なくとも水と水溶性有機溶剤の混合溶剤中に顔料を分散したインクであり、且つ射出時のインク設定温度±5℃の間の粘度差Δηの各インク間の違いを1mPa秒以内とするインクセットであることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタに関し、特にインクを加熱した状態でピエゾヘッドから射出することを特徴とするインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタに関するものである。
インクジェット方式による画像の印刷方法は、インクの微小液滴をインクジェット記録ヘッドより飛翔させ、対象となる記録媒体に付着させて印刷を行う方法である。インクジェット方式は、その機構が比較的簡便で、安価であり、かつ高精細で高品位な画像を形成できることが利点である。
インクジェット方式で使用されるインクにはその主として含有する液媒体の種類により水性インク、油性インク、溶剤インクなどがある。また前記のインクは常温で液体であるが、常温で固体であるワックスタイプのインクを溶融させて液体状態にして吐出記録を行うホットメルトインクといったインクもある。また、紫外線により硬化する成分を含有するUVインクも市場に出てきている。
このように、各種インクが存在することはインクジェットが多様な印刷用途に使用されることの証であり、またその用途は現在も拡大しつつある。このような中、インクの機能化に伴い粘度の高いインクを射出するプリンタシステムが求められている。
このように粘度の高いインクを射出する方法として、特許文献1ではヘッドを加熱制御してインクの粘度を低下させて出射させる方法が開示されている。
さらに、特許文献2〜4では、インクを加熱して射出するインクジェット記録方法およびインクジェットインクが記載されている。
インクを加熱する方法としてはヘッド内にヒーターを組み込んで、またヘッドの内部または外部に温度センサを組み込んでフィードバック温度制御を行う方法が一般的であるが、インクチャネルの駆動時の発熱により、細かな温度制御は実際には難しく、±5℃程度の範囲に振れてしまうことになる。
一方、インクの粘度は温度に鋭敏に影響し、また射出する液滴の量や射出速度に影響する。したがって、インクの温度が変化すると、インクの粘度変化を通じてインクの吐出量が変化し、記録濃度が変わることになる。
カラープリンタ等複数のインクを使用するプリンタにおいては、インク間のインク吐出量が変化すると印字物の色相の変化となって現れ、同一色相の濃度変化よりも人間の目に与える影響は大きい。
インクを加熱して射出するインクジェット記録方法およびインクジェットプリンタではこのように温度変化によるインク粘度の変化、特にインク間の粘度変化の違いに配慮する必要があるが、前記特許文献に記載のインクジェット記録方式およびインクジェットプリンタにおいてはこのことについて言及されていない。
特開2003−136756号公報 特開2003−211663号公報 特開2004−339489号公報 特開2004−351643号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的はインクを加熱した状態でヘッドから射出するインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタにおいて、記録時の色変動が少ないインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタを提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.常温で液体であるインクセットを加熱して5mPa秒以上10mPa秒未満の粘度でピエゾ方式のヘッドから射出するインクジェット記録方法であり、該インクセットの各インクが少なくとも水と水溶性有機溶剤の混合溶剤中に顔料を分散したインクであり、且つ射出時のインク設定温度±5℃の間の粘度差Δηの各インク間の違いを1mPa秒以内とするインクセットであることを特徴とするインクジェット記録方法。
2.常温で液体であるインクセットを加熱して5mPa秒以上10mPa秒未満の粘度でピエゾ方式のヘッドから射出して印刷するインクジェットプリンタであり、該インクセットの各インクが少なくとも水と水溶性有機溶剤の混合溶剤中に顔料を分散したインクであり、且つ射出時のインク設定温度±5℃の間の粘度差Δηの各インク間の違いを1mPa秒以内とするインクセットであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
本発明により、インクを加熱した状態でヘッドから射出するインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタにおいて、記録時の色変動が少ないインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタを提供することにある。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、インクを加熱した状態でヘッドから射出することを特徴とするインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタに関するものである。
本発明において、インクの加熱温度は30℃以上100℃未満であり、好ましくは40℃以上90℃以下である。
さらに、インクを加熱する場所としては、インクヘッド内で加熱する場合、インク供給路の途中から加熱する場合、インクカートリッジから全体を加熱する場合のいずれの場合においても本発明の効果を得ることができるが、インクヘッド内で加熱する方法が加熱する範囲が少なく加えるエネルギー量が少なく済むことから好ましい。
また、加熱の手段について、如何なる方法でインクを加熱しても、本発明の効果が得られるが、ヒーターを用いて加熱する方法が好ましい。また、ただ熱するだけでなく温度センサにより測定した温度をフィードバックし温度制御を行うことが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法およびインクジェットプリンタで使用されるヘッドはピエゾ方式のヘッドである。インクを加熱して射出させる方式において、サーマル方式よりもピエゾ方式の方が高温時の吐出安定性の点で優れている。しかしながら、ピエゾ方式はサーマル方式に較べて、インク粘度が飛翔する液適量や飛翔速度に与える影響が甚だしく大きく、安定した記録を行うためにインク粘度の制御が非常に重要になる。インク粘度の制御を行うためには、インクの加熱温度を精密に制御する方法が考えられるが、射出のためのピエゾ駆動そのものが熱源となるために、駆動しているチャンネルと駆動していないチャンネルの間での温度差が生じてしまう点、射出の駆動が数kHzから数十kHzと高速であるために温度制御が事実上追いつかないといった問題があった。しかし設定温度±5℃の範囲内の温度制御であれば現在の技術で比較的容易に実施することが可能である。
そこで、本発明のインクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタにおいては、使用するインクセットの間の設定温度±5℃の温度範囲における粘度特性を、ある範囲に収めることにより、特に難しい温度制御を行わずとも色変動のない安定した印刷を可能としたものである。
本発明のインクジェット記録方法およびインクジェットプリンタに使用するインクセットは射出時のインク設定温度±5℃の間の粘度差Δηの各インク間の違いを1mPa秒以内としたものである。粘度差Δηとは図1に図示される。このΔηはインク毎に決まる値であるが、インクセット間でのΔηの差が1mPa秒以内とするものである。
射出時のインク粘度が5mPa秒以上10mPa秒未満であるのに対してΔηが1mPa秒を超えると肉眼で容易に識別可能な程度の色変動を生じる。
インク粘度の温度依存性の調整方法の具体例として、以下の方法を挙げることができる。
液体粘度の温度依存性は次の近似式で表すことができる。
η=A・exp(B/T)
η:粘度(mPa秒)
T:絶対温度(K)
A、B:定数
上式の定数Bが温度定数である。
定数AとBは物質に固有の値であり、混合物の場合にはその中間の値となる。水性のインクジェットインクで使用される水溶性有機溶剤については、粘度の温度依存性についての文献データは殆ど無いが、例えば以下の方法で計測し、その結果から定数A、Bを決定することが可能である。
1°のコーンプレートを取り付けたレオメータ、MCR−300(パーフィジカ社製)を用い、温度を変化させながら、シェアレート0.001(1/sec)の時の粘度(mPa秒)を計測する。
得られたデータについて横軸に絶対温度の逆数、縦軸に粘度を取りプロットし、先の近似式とフィッティングさせてAとBの値を求めることができる。
幾つかの溶剤についての計測結果を表1にまとめた。
溶剤によって、粘度の大きさが異なるのでAの値が異なるのはもちろんであるが、温度係数Bの値も異なる。また表から分かるとおり、溶媒間でAとBに相関性は無く、溶媒の選択によりAとBを独立に調整することが可能である。
インクセットにおいてインク粘度の温度依存性を揃える方法として、溶剤組成を同一にすることが考えられるが、色により、濃淡インクによりインク中の顔料の含有量は異なることが普通である。また、顔料の種類によっても温度依存性が変わり、単純に溶剤組成を同一にするだけではインクセット間で粘度の温度依存性を揃えることができない。
顔料が多いインクは温度係数の値が減少する傾向にある。この場合には温度係数の高い溶剤の含有量を増やすことで温度係数を調整することが可能である。
本発明のインクジェット記録方法およびインクジェットプリンで使用するインクの粘度は25℃で10mPa秒以上50mPa秒未満である。50mPa秒以上のインクではインク温度を90℃にしても出射性が十分に安定な領域まで粘度が下がらない。
また、出射時の加熱された状態での粘度は5mPa秒以上10mPa秒未満である。10mPa秒以上で出射した場合にはサテライトの発生が多く、印刷した場合にドットの周りに細かなチリが発生し、精細性に欠ける印刷物となり望ましくない。
本発明のインクは、少なくとも、水、水溶性有機溶剤、顔料を含有する水性顔料インクであれば如何なるインクでも構わない。
以下、本発明のインク組成について詳細に説明する。
本発明のインクにおいて使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。この顔料は、インク中で分散された状態で存在させ、この分散の方式としては、自己分散、界面活性剤を用いた分散、ポリマー分散、マイクロカプセル分散の何れでも良いが、ポリマー分散、マイクロカプセル分散が定着性の点から特に好ましい。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明の製造方法により製造されるインクジェットインクに含有する顔料の分散状態の平均粒子径は、50nm以上200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が50nm未満あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来るが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度が良く多用される。
本発明のインクで用いられる顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。中でもサンドミルによる分散により製造されるインクの粒度分布がシャープであり好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質はビーズ破片やイオン成分のコンタミネーションの点から、ジルコニアまたはジルコンが好ましい。さらに、このビーズ径としては0.3mm〜3mmが好ましい。
本発明のインクでは、上記分散において高分子分散剤を用いることが好ましい。
本発明でいう高分子分散剤とは、分子量が5000以上200000以下の高分子成分を有する。高分子分散剤の種類としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
酸性の高分子分散剤の場合、中和塩基で中和して添加することが好ましい。ここで中和塩基は特に限定されないが、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等の有機塩基であることが好ましい。
また、本発明において、高分子分散剤の添加量としては、顔料に対し10〜100質量%であることが好ましい。
本発明のインクに使用される溶媒として好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、多価アルコールアルキルエーテル類、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
さらに、本発明のインクでは、水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が16.5以上24.6未満であり、さらに該SP値が16.5以上24.6未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上である溶剤組成にすることが好ましい。この溶剤組成により普通紙に記録した場合のカールの発生を防ぐことが可能である。
本発明でいう溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1974)に記載の方法で計算することができる。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。
以下、SP値が16.5以上24.6未満に該当する水溶性有機溶剤の例をSP値と共に示す。いうまでもなく本発明はこれに限定されるものではない。
エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値:24.5)
エチレングリコールモノエチルエーテル(23.5)
エチレングリコールモノブチルエーテル(22.1)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(22.3)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(16.8)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(22.1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(21.7)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(23.0)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(24.2)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(21.8)
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明の記録方法で使用するインクは脱気されていることが好ましい。
インクの脱気は如何なる方法を以ってしても良いが、中空糸脱気モジュールを使用した脱気方法が、脱気の効率および吐出信頼性の点から好ましい。さらに外部還流型の中空糸脱気モジュールを使用した脱気方法が顔料インクを脱気するときの圧力損失が小さく、脱気と前後した高い差圧による分散安定性の劣化が起こらないことから特に好ましい。このような外部還流型の中空糸脱気モジュールとしては市販のものが利用可能であり、例えば、大日本インキ化学工業(株)SEPAREL EF−002A−P、SEPARELEF−004Pが挙げられる。
中空糸の材質としては各種樹脂が用いられるが、特にポリ−4メチルペンテン1樹脂あるいはポリテトラフルオロエチレン樹脂は大量のインクを処理に対して脱気性能が衰えにくいことインク中に含有する界面活性剤や分散剤が中空糸外面に付着しにくくインクの成分が変化し難いことから好ましい。
本発明において脱気度は溶存酸素濃度により測定する。溶存酸素濃度を測定する方法としては、例えば、オストワルド法(実験化学講座1基本操作[I]、241頁、1975年、丸善参照)や、マススペクトル法で測定する方法や、ガルバニ電池型やポーラログラフ型などの簡便な酸素濃度計や比色分析法を用いて測定することができる。また、溶存酸素濃度は市販の溶存酸素濃度計(東亜電波工業(株)製DO−30A型)を用いても、簡便に測定することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
〔分散液の調製〕
下記の分散液処方のとおり顔料と水系溶媒、高分子分散剤とを秤量し、イオン交換水を加えて全体を100部にした後に、ディゾルバーで予備混合した後、1.5mmのジルコニアビーズ340gを充填したビーズミル(アシザワファインテック製Mini Cer)で分散処理して各分散液を調製した。
〈イエロー分散液〉
イエロー顔料:Paliotol Yellow D−0960(BASF社製)
20部
フローレンTG−760W(共栄社ケミカル社製) (固形分として) 6部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
〈マゼンタ分散液〉
マゼンタ顔料:Fastgen Super Magenta RG (大日本インキ社製) 20部
ジョンクリル50:高分子分散剤ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製)
(固形分として)18部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 15部
〈シアン分散液〉
シアン顔料:Heliogen Blau D−7086(BASF社製) 15部
BYK191(ビックケミー社製) (固形分として)6部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
〔インクの調製〕
その後、下記のインク処方に従い各素材を秤量、混合し、#1000メッシュの金属メッシュフィルターでろ過してインク1〜8を得た。
〈インク1〉
イエロー分散液 30部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 65部
イオン交換水 5部
〈インク2〉
マゼンタ分散液 25部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 60部
プロピレングリコール 5部
イオン交換水 10部
〈インク3〉
シアン分散液 20部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 40部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 25部
イオン交換水 15部
〈インク4〉
シアン分散液 20部
トリプロピレングリコール 20部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 40部
イオン交換水 20部
〈インク5〉
イエロー分散液 30部
トリプロピレングリコール 50部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 10部
イオン交換水 10部
〈インク6〉
マゼンタ分散液 25部
トリプロピレングリコール 45部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 15部
イオン交換水 15部
〈インク7〉
シアン分散液 20部
トリプロピレングリコール 45部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 15部
イオン交換水 20部
〈インク8〉
シアン分散液 20部
テトラエチレングリコール 40部
炭酸プロピレン 30部
イオン交換水 10部
〔脱気処理〕
インク1〜8に対して、外部循環型中空糸脱気モジュール:大日本インキ化学工業(株)SEPAREL EF−002Aを用いて溶存酸素濃度0.5ppm未満(25℃)になるまで脱気処理を行った。
〔サンプルの印刷〕
特開2003−136756号公報に記載のヒーター尽きヘッドと同様の構造を有する、ノズル数256のピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いたプリンタに表2に記載の組み合わせでインクを詰めた。次に、図2のようにA4サイズのフォト光沢紙(エプソン社製)のほぼ全面に対してイエロー、マゼンタ、シアンの各インクを各々面積率60%となるベタ画像を連続10枚印刷した。
〔印刷サンプルの評価〕
得られた印刷サンプルについて1枚目と10枚目のべた画像について評価した。また、印刷部分のLab値を測定して比較した。ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb20.5
◎:1枚目と10枚目の間のΔEが3未満である
○:1枚目と10枚目の間のΔEが5未満である
△:1枚目と10枚目の間のΔEが10未満である
×:1枚目と10枚目の間のΔEが10以上である
××:1枚目の中で最初と最後の部分でのΔEが5以上である
〔カール評価〕
フォト光沢紙への印刷と同じ条件でA4サイズの普通紙(コニカミノルタビジネステクノロジーズ製;NR−A80)のほぼ全面に対してイエロー、マゼンタ、シアンの各インクを各々面積率60%となるベタ画像を印刷した。
次いで、印刷した普通紙を23℃55%RHの環境で印刷面を上に平らな場所に1日間放置した後に紙の様子を観察した。
◎:ほとんど平坦で、四隅で最も浮いている箇所でも、浮き上がり高さが5mm未満である
○:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが5mm以上、10mm未満である
△:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが10mm以上、20mm未満である
×:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが20mm以上、50mm未満である
××:四隅で最も浮いている箇所の浮き上がり高さが50mm以上、または円筒状に丸まってしまい、測定不可である
得られた結果を表3に示した。
表3から分かるように、設定温度±5℃の粘度変動幅(Δη)がインクセットの中で最大1以上差があるインクセット1およびインクセット4は甚だしい色変動がプリント間あるいは1枚のプリント内で発生するのに対して、Δηが1未満であるインクセット2およびインクセット3においては、ΔEでも3未満であり、色変動は人間の目では分からない範囲に収まっていることが分かる。
また、インクセット2については普通紙のカールも発生しないことがわかる。
射出時のインク設定温度±5℃の間の粘度差Δηを示す模式図である。 実施例の印刷部分の図である。

Claims (2)

  1. 常温で液体であるインクセットを加熱して5mPa秒以上10mPa秒未満の粘度でピエゾ方式のヘッドから射出するインクジェット記録方法であり、該インクセットの各インクが少なくとも水と水溶性有機溶剤の混合溶剤中に顔料を分散したインクであり、且つ射出時のインク設定温度±5℃の間の粘度差Δηの各インク間の違いを1mPa秒以内とするインクセットであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 常温で液体であるインクセットを加熱して5mPa秒以上10mPa秒未満の粘度でピエゾ方式のヘッドから射出して印刷するインクジェットプリンタであり、該インクセットの各インクが少なくとも水と水溶性有機溶剤の混合溶剤中に顔料を分散したインクであり、且つ射出時のインク設定温度±5℃の間の粘度差Δηの各インク間の違いを1mPa秒以内とするインクセットであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
JP2005356096A 2005-12-09 2005-12-09 インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタ Pending JP2007160529A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005356096A JP2007160529A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005356096A JP2007160529A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007160529A true JP2007160529A (ja) 2007-06-28

Family

ID=38243988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005356096A Pending JP2007160529A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007160529A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017025322A (ja) * 2016-08-10 2017-02-02 セイコーエプソン株式会社 インクジェット捺染用インクセット、インクジェット捺染方法
JPWO2015182667A1 (ja) * 2014-05-30 2017-04-20 日産化学工業株式会社 薄膜の平坦化方法、平坦化薄膜の形成方法及び薄膜形成用ワニス

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338861A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Sharp Corp インクジェット記録用水性インク

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338861A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Sharp Corp インクジェット記録用水性インク

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015182667A1 (ja) * 2014-05-30 2017-04-20 日産化学工業株式会社 薄膜の平坦化方法、平坦化薄膜の形成方法及び薄膜形成用ワニス
JP2019140419A (ja) * 2014-05-30 2019-08-22 日産化学株式会社 薄膜の平坦化方法、平坦化薄膜の形成方法及び薄膜形成用ワニス
JP2017025322A (ja) * 2016-08-10 2017-02-02 セイコーエプソン株式会社 インクジェット捺染用インクセット、インクジェット捺染方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5444591B2 (ja) 水系加熱定着型インク及び加熱定着型インクジェット記録方法
JP5359114B2 (ja) 水性インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP5724165B2 (ja) インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP5282293B2 (ja) 非吸水性記録媒体用インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP5359111B2 (ja) 水性インクジェットインク
US11549028B2 (en) Inkjet recording method
JP2007145928A (ja) インクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェットプリンタ、及びそれを用いたインクジェット記録方法
JP2007091906A (ja) インクジェットインク
CN111479884A (zh) 水性油墨
JP2007160839A (ja) インクジェット記録方法
JP2007091905A (ja) インクジェットインク
JP2008247941A (ja) インクジェット用インク
JP6819995B2 (ja) 水性インク
JP5407206B2 (ja) 水性インクジェットインク、インクジェット記録方法
JP2007169370A (ja) インクセット
US10465083B2 (en) Inkjet printing method and water-based ink
JP2007160529A (ja) インクジェット記録方法、及びインクジェットプリンタ
JP2007145889A (ja) インクジェット用インクおよびインクジェット記録方法
JP2007153975A (ja) インクジェット画像形成方法
JP2007177007A (ja) インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2007181974A (ja) インクジェット画像記録装置及びインクジェット画像形成方法
JP2007137995A (ja) インクジェット用インク組成物
JP2012001611A (ja) インクジェット用水系インク及びインクジェット記録方法
JP2012241015A (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法と記録装置
JP2007246866A (ja) インクジェットインク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110906