JP2007091906A - インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

【課題】 普通紙に印刷した際の反射濃度、カール特性及びコックリング耐性に優れ、かつインクの保存安定性が向上したインクジェットインクを提供する。
【解決手段】 少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が9.0以上、12.0未満であり、該SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であり、かつ炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンを全インク質量の10質量%以上、30質量%以下含有することを特徴とするインクジェットインク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性のインクジェットインクに関し、更に詳しくは、保存安定性に優れ、特に、普通紙を用いた印字において優れた品質のプリントが得られる水性のインクジェットインクに関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインクジェットインク及びインクジェットインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは、用いることのできる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まりつつある。
特に安価であり、また入手が容易である普通紙、例えば、PPC用紙、印刷用非塗工紙などに対し、高画質な印刷を高速で行うことが望まれているが、普通紙印刷に水性インクを使用した場合には、印刷後のカール、コックリングが大きな課題となっている。一方、油性インクを使用した場合には、カール、コックリングについては大きな問題はないが、水性インクよりも記録媒体への浸透力が大きく、文字画質、にじみ、低い反射濃度等の課題があった。これまで、普通紙印刷の課題を解決するため、記録液組成をはじめとして種々の検討が行われてきたが、カール、コックリング、画像濃度、文字品位の全てを満足するインクジェットインクが得られていないのが現状である。
水性インクを用いた普通紙印刷において、カール、コックリングを防止する方法としては、インク中に特定のジオール類を添加する技術が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法でもインク打ち込み量の多い画像を形成する場合には、カールおよびコックリングが発生するという問題を抱えている。また、インク中にカゼイン類を添加することによりカール、コックリングを防止する技術が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では顔料を含むインクにカゼイン類を添加すると、分散安定性を劣化させるという問題を抱えている。
一方、油性インクとして、50%留出点が280℃以下の溶剤(非極性溶剤)を10%以上含有し、同300℃以上の溶剤(極性溶剤、エステル系溶剤)を20%以上含有することにより、記録後のインク浸透を改良する技術が公開されている(特許文献3参照。)。しかしながら、この方法でも、得られるインクジェット画像の反射濃度が必ずしも十分なレベルとは言い難い。
このように、普通紙を用いたインクジェット記録方式において、反射濃度、裏抜けなどの画質に関わる課題とカール、コックリング等の課題とを両立することはできていないのが現状である。
特開平6−157955号公報 特開平5−208547号公報 特開2004−2666号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、普通紙に印刷した際の反射濃度、カール特性及びコックリング耐性に優れ、かつインクの保存安定性が向上したインクジェットインクを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(1)少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が9.0以上、12.0未満であり、該SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であり、かつ炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンを全インク質量の10質量%以上、30質量%以下含有することを特徴とするインクジェットインク。
(2)前記SP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤は、20℃における蒸気圧が66Pa未満であることを特徴とする前記(1)項に記載のインクジェットインク。
(3)高分子分散剤を含有することを特徴とする前記(1)または(2)項に記載のインクジェットインク。
本発明にり、普通紙に印刷した際の反射濃度、カール特性及びコックリング耐性に優れ、かつインクの保存安定性が向上したインクジェットインクを提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が9.0以上、12.0未満であり、該SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であり、かつ炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンを全インク質量の10質量%以上、30質量%以下含有することを特徴とするインクジェットインク(以下、単にインクともいう)により、普通紙に印刷した際の反射濃度、カール特性及びコックリング耐性に優れ、かつインクの保存安定性が向上したインクジェットインクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、一般の水性インクのようにインク中の水含有比率が高いインクを用いて普通紙上に記録した場合、紙への浸透はそれ程大きくはなく、ほどほどの文字画質とあまり高くない裏抜けが得られる一方で、カールは非常に大きい。
これは、インク中の水が普通紙を構成しているセルロースに配位するために浸透は小さくなり、またカールについては水の蒸発乾燥により収縮方向の力が働くが、水性インクの場合では、水がセルロースに配位することによりセルロース間の結合を離すために、乾燥収縮を抑える力が不十分となり、結果としてカールが生じると考えられている。
これに対して、水を含有しない、例えば、油性インクを用いて普通紙へ記録した場合には、普通紙へのインクの浸透が大きく、表面画像濃度の低下やインクの裏抜けが大きくなる。これは、油性溶剤とセルロースとの相互作用が小さいため、油性溶剤はセルロース間の空隙を容易に拡散してしまうために浸透が大きくなり、画像濃度が低下し、裏抜けが大きくなると考えられる。一方で、油性インクでは、セルロースへの配位は小さくセルロース間の結合を切らないため記録前の紙の構造が保たれており、カールしにくくなっていると考えられる。
本発明の水性のインクジェットインクは、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満とし、水溶性有機溶剤のうち、最大含有量の有機溶剤を、SP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤とし、このSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤の添加量を、全インク質量の30質量%以上とすることが、本発明の第一の特徴である。
本発明者らは、以下の考えにより本発明に至った。
先ず、セルロースとの相互作用性が極めて大きく、カールを引き起こす主原因である水の含有率を少なく、その代わりに水溶性有機溶剤の含有率を高くすることにより、カールを抑えることができた。しかしながら、この方法だけでは完全にカールを抑えることはできない。ここで、水溶性有機溶剤のうち、最も多く含有する有機溶剤として、SP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤とし、更にこのSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤の添加量を、全インク質量の30質量%以上とすることにより、含有する有機溶剤の全てあるいは大部分を水と互いに相溶する中では疎水性の高い溶剤とすることにより、溶媒とセルロース間の相互作用も小さくし、先の水の比率を低減する効果と相俟り、飛躍的にカールを抑えることができることを見出した。
更に、インク溶媒の全量を水溶性溶剤にするのではなく、少なくとも水を含有することによりセルロースと相互作用する性質を有するため、高画像濃度であり、裏抜けが少なくなったと推定している。
本発明で規定する構成による画像濃度、裏抜けとカール抑制の両立効果は、従来知られた水性インクと従来知られた油性インクのトレンドからは完全に逸脱したものであり、単に性能が平均化されたものとは明確に異なる効果である。
本発明では、更に、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンを、全インク質量の10質量%以上、30質量%以下含有するこが第二の特徴である。
本発明のインクは、上述のように水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する有機溶剤が、SP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤であり、このSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤の添加量を、全インク質量の30質量%以上とすることにより、カールと画像濃度、裏抜けの性能を高い次元で両立できることを示したが、一方で分散媒である溶媒系が、疎水的になり、その結果、インク中の顔料粒子を安定に分散することが難しくなる。
この原因の一つとして、分散安定化に対し有効に作用する静電反発力が小さくなっているのではないかと考えた。つまり、水の誘電率は78.5と高く、インクジェットインクでよく使用されるグリセリンの誘電率は42.5、ジエチレングリコールは31.7である。従来の水性のインクジェットインクの溶剤の含有率は、概ねインク全質量に対して10質量%から多くても40質量%であるが、例えば、グリセリンが30質量%で水が70質量%とした時の混合溶媒の誘電率は67.7、ジエチレングリコールが30質量%で水が70質量%とした時の混合溶媒の誘電率は64.5である。これに対し、本発明に係るSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤の誘電率は20前後と低い。また、本発明のインクは、比較的水の含有率が低いことも特徴であり、例えば、誘電率20の水溶性有機溶剤が60質量%で水が40質量%とした時の混合溶媒の誘電率は43.4とかなり低くなる。誘電率が低くなるとイオンの解離が少なくなり、結果的に静電反発力が小さくなる。これが顔料の分散安定性に影響を及ぼしていると考えた。
上記仮説に従い、インク中に誘電率が50以上の化合物を添加することを考案し、本発明に至った。例えば、誘電率が64.4の炭酸プロピレンを20質量%、誘電率が20の水溶性有機溶剤を40質量%、水を40質量%とした混合溶媒の誘電率は52.3と水の含有量が同量で、炭酸プロピレンを添加しなかった場合の43.4から10程度も大きくなる。実際にインクを調製しても、炭酸プロピレンなど高誘電率の化合物を添加することで、顔料の分散安定性が著しく改良されることを確認した。
誘電率が高い物質であればイオン性液体といわれる造塩化合物も候補に挙がるが、普通紙印刷時のカール性能やインク保存性などに欠点があった。
一方、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンは、誘電率が高い化合物の中では、特異的に普通紙に印字した際のカールへの影響がほとんどない化合物である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のインクにおける溶剤組成としては、少なくとも水および水溶性有機溶剤を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であり、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する有機溶剤が、SP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤であり、このSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤を、全インク質量の30質量%以上含有する。
全インク質量中の水の含有量が、50質量%未満であれば、カールやコックリングの発生を抑制される。また、10質量%以上であれば、良好な顔料の分散安定性を得ることができる。全インク質量中の水の含有量としては、更には20質量%以上、40質量%未満であることが好ましい。
本発明のインクでは、少なくともSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤を全インク質量の30質量%以上含有する。この添加量が30質量%以上であれば、普通紙記録時のカール、コックリングの発生を飛躍的に抑制することができ、好ましくはSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤を全インク質量の50質量%以上、80質量%以下含有することが好ましい。
本発明のインクでは、主となる有機溶剤のSP値は9.0以上、12未満であるが、9.0以上であれば、水との相溶性が良好となり、水との分離を起こさなくなり、顔料粒子の高い分散安定性を維持することができる。また、SP値が12未満であれば、有機溶剤に起因するカールに対する抑制効果を得ることができる。本発明においては、該有機溶剤のSP値の範囲としては、9.0以上、11未満であることが更に好ましい。
本発明でいう溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、Polymer HandBook(Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valuesに記載があり、その値を用いた。単位は(cal/cm)1/2であり、25℃における値を指す。なお、データの記載がないものについては、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができる。
さらに、本発明においては、本発明に係る水溶性有機溶剤のうち、最も多く含有する有機溶剤のSP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤は、20℃における蒸気圧が66Pa未満であることが好ましく、更に好ましくは1.0pa以上、66Pa未満である。蒸気圧が66Pa未満でれば、ノズル先端で乾き難く、キャップをしない状態で放置しても、吐出可能な時間(オープンタイム)が長くなる、このために安定に吐出させるためのヘッドのメンテナンスを簡便にすることが可能である。メンテナンスが簡便という性質は、とりわけ、ラインヘッドに充填してプリントする際に有効である。
以下、本発明に係るSP値が9.0以上、12未満である水溶性有機溶剤の具体例をSP値、20℃における蒸気圧値と共に示す。いうまでもなく本発明はこれに限定されるものではない。
1)エチレングリコールモノメチルエーテル:SP値=11.6、蒸気圧=825Pa
2)エチレングリコールモノブチルエーテル:SP値=9.8、蒸気圧=79.8Pa
3)エチレングリコールモノイソプロピルエーテル:SP値=9.2、蒸気圧=306Pa
4)ジエチレングリコールモノメチルエーテル:SP値=11.6、蒸気圧=13.3Pa
5)ジエチレングリコールモノブチルエーテル:SP値=9.5、蒸気圧=1.33Pa
6)ジエチレングリコールジメチルエーテル:SP値=9.4、蒸気圧=399Pa
7)トリエチレングリコールモノメチルエーテル:SP値=10.5、蒸気圧<1.33Pa
8)トリエチレングリコールモノブチルエーテル:SP値=9.6、蒸気圧<1.33Pa
9)プロピレングリコールモノメチルエーテル:SP値=10.4、蒸気圧=891
10)プロピレングリコールモノフェニルエーテル:SP値=9.4、蒸気圧=226Pa
11)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:SP値=9.6、蒸気圧=7.98Pa
12)トリプロピレングリコールモノメチルエーテル:SP値=9.1、蒸気圧=2.66Pa
本発明のインクでは、SP値が9.0以上12未満の水溶性有機溶剤に加えて、従来公知の各種水溶性有機溶剤を併用することができる。
この併用する溶媒として好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
次いで、本発明に係る炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンについて説明する。
本発明のインクにおいては、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンを、インク全質量に対して10質量%以上、30質量%以下含有する。炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンの添加量を10質量%以上とすることにより、顔料粒子の高い分散安定性を得ることができ、また、30質量%以下であれば、カールへの影響を排除することができる。
本発明のインクでは、着色剤として顔料を用いることを特徴とする。
この顔料の含有量は、インク全質量に対して0.1質量%以上、12質量%未満であることが好ましい。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。この顔料は、インク中で分散された状態で存在させ、この分散の方式としては、自己分散、界面活性剤を用いた分散、ポリマー分散、マイクロカプセル分散の何れでも良いが、ポリマー分散、マイクロカプセル分散が定着性の点から特に好ましい。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明のインクジェットインクに含有する顔料の分散状態の平均粒子径は、50nm以上、200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が50nm未満あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来るが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度が良く多用される。
本発明で用いられる顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。中でもサンドミルによる分散により製造されるインクの粒度分布がシャープであり好ましい。また、サンドミル分散に使用するビーズの材質はビーズ破片やイオン成分のコンタミネーションの点から、ジルコニアまたはジルコンが好ましい。さらに、このビーズ径としては0.3mm〜3mmが好ましい。
本発明のインクでは、上記分散において高分子分散剤を用いることが好ましい。
本発明でいう高分子分散剤とは、分子量が5000以上、200000以下の高分子成分を有する。高分子分散剤の種類としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
酸性の高分子分散剤の場合、中和塩基で中和して添加することが好ましい。ここで中和塩基は特に限定されないが、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等の有機塩基であることが好ましい。
また、本発明において、高分子分散剤の添加量としては、顔料に対し10〜100質量%であることが好ましい。
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
上記構成からなる本発明のインクは、インクの表面張力としては、25℃で25〜40mN/mであることが好ましく、より好ましくは25〜35mN/mであり、更に好ましくは30〜35mN/mである。また、インクの粘度としては、25℃で1〜40mPa・sであることが好ましく、より好ましくは5〜40mPa・sであり、更に好ましくは5〜20mPa・sである。
本発明のインクジェット記録方法で適用できる記録用紙としては、例えば、普通紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、インクジェット専用紙等が広く用いることができるが、その中でも吸収性支持体である上質紙、アート紙、コート紙を用いたインクジェット画像方法あることが、本発明の目的効果を発揮させることができ好ましい。
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、『最新紙加工便覧』紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、『印刷工学便覧』日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
本発明のインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《インクの調製》
〔インク1の調製〕
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPGMEと称す) 50部
炭酸エチレン(ECと称す) 18部
分散剤:ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製) 固形分として0.6部
以上の各添加剤をペイント缶で混合した後、イオン交換水を加えて、97部に仕上げた。次いで、径1.5mmのジルコニアビーズをペイント缶の50体積%となるように添加し、ペイントコンディショナーに掛けて5分間振って、各添加剤を混合した。
次いで、シアン顔料として、C.I.ピグメントブルー15:3を3部添加し、軽く攪拌した後、1時間静置した。
こうして準備したペイント缶を、ペイントコンディショナーで2時間振蓋した後、取り出した。
取り出したインク液を、#3000メッシュのステンレスフィルターで濾過してインク1を得た。
〔インク2〜インク17の調製〕
上記インク1の調製において、水の含有量、溶媒の種類と含有量、添加剤の種類、分散剤の種類を表1に記載の様に変更した以外は同様にして、インク2〜インク17を調製した。
なお、表1に略称で記載した各添加剤の詳細は、以下の通りである。
〈溶剤〉
TPGME:トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
DPGME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
DEGME:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
TEGBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
TEGME:トリエチレングリコールモノメチルエーテル
DEGEE:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
EGBE:エチレングリコールモノブチルエーテル
TEGEE:トリエチレングリコールモノエチルエーテル
DPGPE:ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル
DEG:ジエチレングリコール
PG:プロピレングリコール
〈添加剤〉
EC:炭酸エチレン
PC:炭酸プロピレン
〈分散剤〉
ジョンクリル501:高分子分散剤ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製)
ジョンクリルHPD−96:高分子分散剤ジョンクリルHPD−96(ジョンソンポリマー社製)
BYK190:シリコーン系分散剤BYK190(ビックケミ−ジャパン社製)
efka4570:高分子分散剤efka4570(EFKA社製)
レベノールWX:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル(花王社製)
Figure 2007091906
《インク保存性及び出射安定性の評価》
〔インク保存性の評価〕
上記調製したインク1〜インク17の一部を、25℃に温度調整し、インク粘度を振動式粘度計(ビスコメイトVM−1L:CBCマテリアルズ社製)で、分散直後のインク粘度1を測定した。
次いで、インク1〜インク17の一部をガラス製サンプル缶に採取し、密栓した状態で60℃の環境下で2週間放置した後、同様に25℃に温度調整し、前記と同様の方法で保存後のインク粘度2を測定し、同時にインク液の状態を目視観察した。
上記測定した保存前後でのインク粘度の変動率{100−(インク粘度2/インク粘度1)×100}と、保存後の目視観察結果より、下記の基準に従ってインク保存性の評価を行った。
◎:インク粘度の変動率が±5%未満で、かつインク液の変化はなし
○:インク粘度の変動が±5%以上、±10%未満で、かつインク液の変化はなし
△:インク粘度の変動が±10%以上、±20%未満で、かつインク液の変化はなし
×:インク粘度の変動率が±20%以上であるが、インク液の変化はなし
××:インク粘度の変動率が±20%以上で、インク液の分離やゲル状化が観察される
〔出射安定性の評価〕
(オープンタイム適性の評価)
ノズル口径22μm、ノズル数512であるピエゾ方式のインクジェットヘッドにインク1〜インク17を充填した。インク1〜インク17はそれぞれ粘度が異なるが、吐出時の駆動電圧を適宜調整し、いずれのインクも液滴量が7plとなるようにした。この状態で全ノズルから1分間連続に吐出を行った後、全ノズルの吐出を一斉に停止し、決められた時間が経過した後に、再び全ノズルから連続出射を行うという条件で運転を行った。尚、この時の環境は23℃、50%RHの一定条件で行った。
そして、停止後、全ノズル欠が無く、安定に出射できる最長の停止時間をオープンタイムとして、下記の基準に従ってオープンタイム適性を評価した。
◎:オープンタイムが24時間以上である
○:オープンタイムが1時間以上、24時間未満である
△:オープンタイムが1分以上、60分未満である
×:オープンタイムが10秒以上、60秒以下である
××:オープンタイムが10秒未満以下である
《インクジェット画像記録及び画像評価》
〔画像記録〕
(画像記録方法A)
ノズル密度180dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)のピエゾヘッドを千鳥に配置した、有効印刷幅200mm、ノズル密度360dpiのラインヘッドブロックにインク1〜インク17を充填し、A4サイズの大昭和製紙社製のしらおい紙(坪量:64g/m2)の一方の面に、インク付着量が12ml/m2となるように、画像サイズ200mm×280mmのシアンベタ画像を印刷した。印刷物を、23℃、50%RHの温湿度環境下で印刷面を上に平らに置き、1日乾燥させて画像1A〜画像17Aを作成した。
(画像記録方法B)
ノズル口径が22μmであり、インク室内にインク加熱が可能なヒーターと温度モニター用の熱電対を有したピエゾ方式のインクジェットヘッドに、インク1〜インク17を充填した。インクの温度と粘度の関係を予め測定しておき、インクの粘度が7mPa・秒になるようにヒーターにより加熱を行った。そして、一定の駆動電圧でヘッドを駆動した。吐出される液滴量を100000発吐出させた液滴の質量と比重より、7pl±0.5plになるように、ヒーターの出力を調整した。駆動電圧を一定にしてヒーターの調節により一定粘度とすることで、評価中の液滴量だけでなく液滴速度を合わせることにより、液滴速度差による着弾精度の問題を除外し、インクの画質影響だけを評価した。尚、実際に調整した記録時のインク温度は、35℃〜50℃の範囲であった。
上記方法に従って、画像プリントAと同様の用紙に対し、解像度720×720dpiで、インク1〜インク17を使用して5ポイント及び7ポイントの明朝体「あ、い、う、え、お」の文字を印字して、温度23℃、相対湿度55%の部屋に1日以上放置・乾燥させ、文字画像1B〜17Bを作成した。
(画像濃度の評価)
画像記録方法Aで作成した画像1A〜画像17Aについて、印刷面(表面)および印刷面と反対面(裏面)について、反射濃度計(ステータスA条件)でシアン濃度を測定し、下記の基準に従って、表面濃度及び裏面濃度の判定を行った。
〈表面濃度の判定〉
◎:表面濃度が1.3以上
○:表面濃度が1.2以上、1.3未満
△:表面濃度が1.0以上、1.2未満
×:表面濃度が0.8以上、1.0未満
××:表面濃度が0.8未満
〈裏面濃度の判定〉
◎:裏面濃度が0.15未満
○:裏面濃度が0.15以上、0.20未満
△:裏面濃度が0.20以上、0.30未満
×:裏面濃度が0.30以上、0.50未満
××:裏面濃度が0.50以上
(文字品質の評価)
画像記録方法Bで作成した文字画像1B〜17Bについて、5ポイント及び7ポイントの明朝体でひらがな「あ、い、う、え、お」の文字を目視観察し、下記の評価基準に従って文字品質の評価を行った。
◎:5ポイントの文字が、細部まで明瞭に記録されている
○:5ポイントの文字でも、判読できる
△:5ポイントの文字の一部で潰れが見られるが、7ポイントの文字は判読できる
×:7ポイントの文字の一部で潰れが見られる
××:7ポイントの文字で明らかな潰れが見られ、判読が困難である
(カールの評価)
画像記録方法Aで作成したシアンベタ画像である画像1A〜17Aについて、23℃、55%RHの環境下で2週間放置した後、試料の4隅の平均浮き上がり高さ(mm)の測定と、コックリング状態を目視観察し、下記の基準に従ってカールの評価を行った。
◎:平均浮き上がり高さが1mm未満で、かつコックリング(皺)の発生も認められない
○:平均浮き上がり高さが1mm以上、2mm未満で、かつコックリング(皺)の発生も認められない
△:平均浮き上がり高さが2mm以上、5mm未満で、僅かなコックリング(皺)の発生が認められる
×:平均浮き上がり高さが5mm以上、20mm未満で、明らかなコックリング(皺)の発生が認められる
×:平均浮き上がり高さが20mm以上である
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2007091906
表2に記載の結果より明らかな様に、本発明で規定する構成からなるインクは、比較例に対し、インク保存性、オープンタイム適性(間欠出射適性)に優れ、かつ形成した画像の高表面濃度、低裏面濃度(裏抜け耐性)で、かつ文字品質及びカール適性に優れていることが分かる。

Claims (3)

  1. 少なくとも水、水溶性有機溶剤および顔料を含有し、水の含有量が全インク質量の10質量%以上、50質量%未満であるインクジェットインクにおいて、該水溶性有機溶剤のうち最も多く含有する水溶性有機溶剤のSP値が9.0以上、12.0未満であり、該SP値が9.0以上、12.0未満の水溶性有機溶剤の含有量が、全インク質量の30質量%以上であり、かつ炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンを全インク質量の10質量%以上、30質量%以下含有することを特徴とするインクジェットインク。
  2. 前記SP値が9.0以上、12未満の水溶性有機溶剤は、20℃における蒸気圧が66Pa未満であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 高分子分散剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットインク。
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