JP2017024927A - Iii族窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents

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裕次郎 石原
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裕輝 後藤
拓哉 中川
Takuya Nakagawa
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Abstract

【課題】III族窒化物半導体の露出面を選択的にエッチングする新たな技術を提供する。【解決手段】単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面又は無極性面が露出した第1の領域の中に、単結晶III族窒化物半導体のその他の面又は多結晶III族窒化物半導体が露出した第2の領域が混在した露出面を有するIII族窒化物半導体層を備えたIII族窒化物半導体基板を準備する準備工程S10と、露出面に対して、エッチング温度:500℃以上1200℃以下、エッチングガス:HCl、NH3、Cl2、H2の中のいずれか1つ以上、の条件でエッチングを行い、第2の領域を選択的に凹ませるエッチング工程S20と、を有するIII族窒化物半導体基板の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体基板の製造方法に関する。
関連する技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、半極性面や無極性面を主面とするIII族窒化物半導体基板上に、III族窒化物半導体をエピタキシャル成長させることが開示されている。また、特許文献1には、マスクを用いて、主面を選択的にエッチングすることが開示されている。
特開2006−36561号公報
マスクを用いた選択エッチングは、マスク形成工程を要する。また、マスク除去工程を要する場合がある。このように、マスクを用いた選択エッチングの場合、工程数が増え、作業負担が大きくなるという問題がある。本発明は、III族窒化物半導体の露出面を選択的にエッチングする新たな技術を提供することを課題とする。
本発明によれば、
単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面又は無極性面が露出した第1の領域の中に、単結晶III族窒化物半導体のその他の面又は多結晶III族窒化物半導体が露出した第2の領域が混在した露出面を有するIII族窒化物半導体層を備えたIII族窒化物半導体基板を準備する準備工程と、
前記露出面に対して、
エッチング温度:500℃以上1200℃以下、
エッチングガス:HCl、NH、Cl、Hの中のいずれか1つ以上、
の条件でエッチングを行い、前記第2の領域を選択的に凹ませるエッチング工程と、
を有するIII族窒化物半導体基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、III族窒化物半導体の露出面を選択的にエッチングする新たな技術が実現される。
本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 準備工程で準備するIII族窒化物半導体基板の平面模式図の一例である。 準備工程で準備するIII族窒化物半導体基板の平面模式図の一例である。 準備工程で準備するIII族窒化物半導体基板の側面模式図の一例である。 準備工程で準備するIII族窒化物半導体基板の側面模式図の一例である。 準備工程で準備するIII族窒化物半導体基板の製造方法の一例を説明するための図である。 準備工程で準備するIII族窒化物半導体基板の製造方法の一例を説明するための図である。 エッチング工程後のIII族窒化物半導体基板の側面模式図の一例である。 エッチング工程後のIII族窒化物半導体基板の側面模式図の一例である。 本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。 HVPE装置の模式図である。
以下、本発明のIII族窒化物半導体基板の製造方法の実施形態について図面を用いて説明する。なお、図はあくまで発明の構成を説明するための概略図であり、各部材の大きさ、形状、数、異なる部材の大きさの比率などは図示するものに限定されない。
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の概要について説明する。本発明者らは、所定の条件でエッチングした場合、「第1のグループ:単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面、及び、無極性面」と、「第2のグループ:単結晶III族窒化物半導体のその他の面、及び、多結晶III族窒化物半導体」との間に、所定レベル以上のエッチングレートの差が得られることを新たに見出した。具体的には、第2のグループの方が、第1のグループよりもエッチングレートが大きくなる。本実施形態では、このような特徴を利用して、III族窒化物半導体の露出面を選択的にエッチングする。
すなわち、第1のグループのいずれか1つ以上と、第2のグループのいずれか1つ以上とが混在するIII族窒化物半導体の露出面全体に対して、マスクで選択的に覆うことなく、上記所定の条件でエッチングを行う。これにより、第2のグループが露出する領域を選択的にエッチングする。
以下、本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法について詳細に説明する。本実施形態では、「単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面又は無極性面が露出した第1の領域の中に、単結晶III族窒化物半導体のその他の面又は多結晶III族窒化物半導体が露出した第2の領域が混在し、当該第2の領域が選択的に凹んでいる露出面を有するIII族窒化物半導体層を備えたIII族窒化物半導体基板」を製造する。
図1は、本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図示するように、本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法は、準備工程S10と、エッチング工程S20とを有する。
準備工程S10では、単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面又は無極性面が露出した第1の領域の中に、単結晶III族窒化物半導体のその他の面又は多結晶III族窒化物半導体が露出した第2の領域が混在した露出面を有するIII族窒化物半導体層を備えたIII族窒化物半導体基板を準備する。
「第1の領域の中に第2の領域が混在した」とは、露出面において第1の領域が主として存在し、その中に第2の領域が散在することを意味する。例えば、露出面における第1の領域の占有率は、50%以上であってもよいし、70%以上、80%以上、90%以上であってもよい。
第1の領域には、単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面又は無極性面が露出する。露出面において、単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面及び無極性面が混在してもよいし、いずれか一方のみが存在してもよい。また、+c極性半極性面及び無極性面は、各々、以下で説明する通り複数種類の面を含むが、露出面において、それら複数種類の面が混在していてもよいし、いずれか1種類の面のみが存在してもよい。
無極性面は、極性面(+c面及び−c面)と直交する面であり、いわゆるm面及びa面が該当する。
+c極性半極性面は、極性面及び無極性面と異なる面であって、+c面から角度θ(0<θ<90°)傾けた面である。なお、−c極性半極性面は、極性面及び無極性面と異なる面であって、−c面から角度θ(0<θ<90°)傾けた面である。
第2の領域には、単結晶III族窒化物半導体のその他の面又は多結晶III族窒化物半導体が露出する。露出面において、単結晶III族窒化物半導体のその他の面及び多結晶III族窒化物半導体が混在してもよいし、いずれか一方のみが存在してもよい。また、単結晶III族窒化物半導体のその他の面及び多結晶III族窒化物半導体は、各々、以下で説明する通り複数種類の面を含むが、露出面において、それら複数種類の面が混在していてもよいし、いずれか1種類の面のみが存在してもよい。
単結晶III族窒化物半導体のその他の面は、極性面(+c面及び−c面)及び−c極性半極性面である。
多結晶III族窒化物半導体は、例えば、c軸配向した多結晶III族窒化物半導体であってもよい。そして、第2の領域において、多結晶III族窒化物半導体の極性面(+c面及び−c面)が混在していてもよい。
ここで、図2に、準備工程S10で準備したIII族窒化物半導体基板1の一例を示す。図2は、III族窒化物半導体基板1の平面模式図である。図示するように、III族窒化物半導体基板1の露出面において、第1の領域11の中に第2の領域21が混在している。例えば、+c極性半極性面又は無極性面を成長面としてIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長した場合、意図せず、+c極性半極性面又は無極性面からなる第1の領域11の中に、欠陥として、第2の領域21が混在し得る。
図3に、準備工程S10で準備したIII族窒化物半導体基板1の他の一例を示す。図3は、III族窒化物半導体基板1の平面模式図である。図4は、図3のIII族窒化物半導体基板1を図中下から上方向に観察した側面模式図の一例である。図5は、図3のIII族窒化物半導体基板1を図中下から上方向に観察した側面模式図の他の一例である。
当該例では、互いの間に隙間を挟んで配置された複数のIII族窒化物半導体の結晶片10と、当該隙間に介在し、複数の結晶片10を保持するバインダー20と、を有するIII族窒化物半導体基板1を準備している。
結晶片10は、単結晶のIII族窒化物半導体で構成され、+c極性半極性面又は無極性面からなる主面を有する。そして、当該主面が第1の領域11において露出している。バインダー20は、多結晶III族窒化物半導体で構成され、第2の領域21において露出している。なお、バインダー20は、単結晶のIII族窒化物半導体で構成されてもよい。そして、極性面(+c面及び−c面)又は−c極性半極性面が第1の領域11において露出していてもよい。
図3乃至図5を用いて説明した例のIII族窒化物半導体基板1は、例えば、以下の(処理1)乃至(処理3)により形成できる。
(処理1)単結晶のIII族窒化物半導体の破片や基板から、+c極性半極性面又は無極性面からなる主面を有する結晶片10を切り出す。
切り出す手段は特段制限されず、バンドソー、内周刃、外周刃などを用いて結晶片10を切り出してもよいし、劈開面で劈開することで結晶片10を切出してもよい。また、切り出した結晶片10に対して研磨等の加工を施すことで、結晶片10の形状及び大きさの調整、所定の面の面だしを行ってもよい。結晶片10の形状及び大きさは、特段制限されない。
(処理2)図6に示すように、+c極性半極性面又は無極性面からなる主面が保持部材50の載置面51と接するように、保持部材50の上に複数の結晶片10を載置する。なお、複数の結晶片10間には所定の隙間が設けられる。結晶片10の並べ方は、特段制限されず、図示するものに限定されない。
(処理3)図7に示すように、保持部材50に保持された複数の結晶片10の上に、バインダー20を形成する。バインダー20の製造方法は、従来技術を適用できる。例えば、気相エピタキシャル成長法(例えば、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法)、ナトリウムフラックス液相成長法、アモノサーマル成長法、スパッタ法、分子線エピタキシャル成長法、焼結法などを採用できる。
以上により、図3及び図4に示すようなIII族窒化物半導体基板1が得られる。その後、図4に示す状態のIII族窒化物半導体基板1に対し、研磨等によりバインダー20の一部を除去する処理を行うことで、図5に示すようなIII族窒化物半導体基板1が得られる。
図1に戻り、エッチング工程S20では、第1の領域11の中に第2の領域21が混在する露出面に対して、以下の条件でエッチングを行う。なお、マスクで選択的に覆うことなく、露出面全体に対してエッチングを行う。
エッチング温度:500℃以上1200℃以下
エッチングガス:HCl、NH、Cl、Hの中のいずれか1つ以上
当該条件でエッチングを行うと、以下の実施例で示すように、第2の領域21のエッチングレートが、第1の領域11のエッチングレートよりも所定レベル以上大きくなる。
なお、エッチングガスとしてHCl及びNHを用いてもよい。そして、HCl分圧は1.0Pa以上1.0×10Pa以下、NH分圧は1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下を満たしてもよい。当該条件をさらに満たす場合、以下の実施例で示すように、第2の領域21のエッチングレートと第1の領域11のエッチングレートの差が大きくなる。当然、第2の領域21のエッチングレートが、第1の領域11のエッチングレートよりも大きい。
さらに、エッチング温度は、700℃以上1200℃以下、好ましくは800℃以上1200℃以下、さらに好ましくは900℃以上1200℃以下を満たしてもよい。エッチング温度の下限が当該条件をさらに満たす場合、以下の実施例で示すように、第2の領域21のエッチングレートと第1の領域11のエッチングレートの差が大きくなる。当然、第2の領域21のエッチングレートが、第1の領域11のエッチングレートよりも大きい。なお、エッチング温度が大きくなるほど、エッチングレートの差は大きくなる。また、エッチング温度の上限が当該条件(1200℃)をさらに満たす場合、III族窒化物半導体基板1の表面荒れを軽減できる。
また、第2の領域21には、Siドープした単結晶III族窒化物半導体の+c面が露出していてもよい。当該条件をさらに満たす場合、以下の実施例で示すように、第2の領域21のエッチングレートがさらに大きくなる(ノンドープの場合に比べて)。結果、第2の領域21のエッチングレートと第1の領域11のエッチングレートの差が大きくなる。当然、第2の領域21のエッチングレートが、第1の領域11のエッチングレートよりも大きい。
また、第2の領域21に単結晶III族窒化物半導体の(000−1)面が露出している場合、エッチング工程S20のエッチング温度は、800℃以上1200℃以下を満たすのが好ましい。この理由は、以下の実施例で説明する。
ここで、図8及び図9に、図4及び図5のIII族窒化物半導体基板1に対してエッチング工程S20を行った後の状態を示す。図示するように、エッチング工程S20を行うと、エッチングレートが相対的に高い第2の領域21が選択的に凹む。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の領域11に第2の領域21が混在したIII族窒化物半導体基板1の露出面において、マスクを用いることなく、第2の領域21を選択的にエッチングすることができる。本実施形態の場合、マスクを用いて選択的にエッチングを行う場合に比べて工数が少なくなるので、作業負担が軽減できる。また、マスク形成時やマスク除去時の処理により、III族窒化物半導体基板1がダメージを受ける不都合を軽減できる。
<第2の実施形態>
本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法は、第1の実施形態で製造した「単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面又は無極性面が露出した第1の領域11の中に、単結晶III族窒化物半導体のその他の面又は多結晶III族窒化物半導体が露出した第2の領域21が混在し、当該第2の領域21が選択的に凹んでいる露出面を有するIII族窒化物半導体層を備えたIII族窒化物半導体基板1」の当該露出面の上に、III族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる点で、第1の実施形態と異なる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図10は、本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図示するように、本実施形態のIII族窒化物半導体基板の製造方法は、準備工程S10と、エッチング工程S20と、成長工程S30とを有する。準備工程S10及びエッチング工程S20の構成は、第1の実施形態と同様である。
なお、エッチング工程S20では、隣接する第1の領域11と第2の領域21との間の段差D(図8及び図9参照)が、1μm以上となるように、エッチングを行ってもよい。エッチング時間、エッチング温度、エッチングガス、エッチングガスの分圧比等のエッチング条件の中の少なくとも1つを調整することで、このようなエッチングを実現できる。
成長工程S30はエッチング工程S20の後に行われる。成長工程では、エッチング工程S20の後のIII族窒化物半導体基板1の露出面上に、III族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる。当該露出面においては、第1の領域11が存在し、第1の領域11の中に第2の領域21が混在している。そして、エッチング工程S20により、第2の領域21が選択的に凹んでいる。
成長工程S30では、例えば図8及び図9に示すようなIII族窒化物半導体基板1の露出面(図中、上側の面)上に、III族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長の具体的な手段は特段制限されず、MOVPE法、HVPE法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、LPE(Liquid Phase Epitaxy)法等を利用できる。成長させるIII族窒化物半導体は、例えばGaNであるが、これに限定されない。成長条件は一般的なものとすることができる。
ここで、図11を用いて、ハイドライド気相成長(HVPE)装置100でGaNをエピタキシャル成長させる一例を説明する。
図示するHVPE装置100は、反応管121と、反応管121内に設けられている基板ホルダ123とを備える。基板ホルダ123には基板141(エッチング工程S20の後のIII族窒化物半導体基板1)が保持される。また、HVPE装置100は、III族原料ガスを反応管121内に供給するIII族原料ガス供給部139と、窒素原料ガスを反応管121内に供給する窒素原料ガス供給部137とを備える。さらに、HVPE装置100は、ガス排出管135と、ヒータ129、130とを備える。
基板ホルダ123は、反応管121の下流側に回転軸132により回転自在に設けられている。ガス排出管135は、反応管121のうち基板ホルダ123の下流側に設けられている。
III族原料ガス供給部139は、ガス供給管126とソースボート128とIII族(Ga)原料127と反応管121のうち遮蔽板136の下の層とを含む。
窒素原料ガス供給部137は、ガス供給管124と反応管121のうち遮蔽板136の上の層とを含む。
III族原料ガス供給部139は、III族原子のハロゲン化物(たとえば、GaCl)を生成し、これを基板ホルダ123に保持された基板141の表面に供給する。
ガス供給管126の供給口は、III族原料ガス供給部139内の上流側に配置されている。このため、供給されたハロゲン化水素ガス(たとえば、HClガス)は、III族原料ガス供給部139内でソースボート128中のIII族原料127と接触するようになっている。
これにより、ガス供給管126から供給されるハロゲン含有ガスは、ソースボート128中のIII族原料127の表面または揮発したIII族分子と接触し、III族分子をハロゲン化してIII族のハロゲン化物を含むIII族原料ガスを生成する。なお、このIII族原料ガス供給部139の周囲にはヒータ129が配置され、III族原料ガス供給部139内は、たとえば800〜900℃程度の温度に維持される。
反応管121の上流側は、遮蔽板136により2つの層に区画されている。図中の遮蔽板136の上側に位置する窒素原料ガス供給部137中を、ガス供給管124から供給されたアンモニアが通過し、熱により分解が促進される。なお、この窒素原料ガス供給部137の周囲にはヒータ129が配置され、窒素原料ガス供給部137内は、たとえば800〜900℃程度の温度に維持される。
図中の右側に位置する成長領域122には、基板ホルダ123に保持された基板141が配置され、この成長領域122内でGaN等のIII族窒化物半導体の成長が行われる。この成長領域122の周囲にはヒータ130が配置され、成長領域122内は、たとえば1000℃〜1050℃程度の温度に維持される。
なお、成長工程S30でエピタキシャル成長させたIII族窒化物半導体の層の上に、電子デバイスや光デバイス等のデバイスが形成されてもよい。その他、成長工程S30でエピタキシャル成長させたIII族窒化物半導体の層をスライスなどして切り出し、自立基板としてもよい。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
第1の領域11の中に第2の領域21が混在するIII族窒化物半導体基板1の露出面上に、エッチング工程S20を行うことなく、III族窒化物半導体をエピタキシャル成長させた場合、エピタキシャル成長させたIII族窒化物半導体の露出面においても、「第1の領域11の中に第2の領域21が混在した状態」となり得る。
第1の実施形態で説明した通り、第2の領域21は、欠陥として意図せず現れた領域であったり、また、複数の結晶片を保持させるバインダーの存在のためやむをえず存在する領域であったりする。このような第2の領域21が露出面に存在しないことを望む場合がある。
本実施形態のように、エッチング工程S20を行い第2の領域21を選択的に凹ませた後に、III族窒化物半導体をエピタキシャル成長させることで、エピタキシャル成長させたIII族窒化物半導体の露出面において、第2の領域21が現れにくくなる。
エッチング工程S20の後には、図8及び図9に示すように、第1の領域11が凸部となり、第2の領域21が凹部となる。第1の領域11及び第2の領域21が混在する露出面上にIII族窒化物半導体を成長させた場合、第1の領域11及び第2の領域21の両方から成長し得るが、上記凹凸の関係にある場合、第1の領域11から成長したIII族窒化物半導体が、第2の領域21から成長したIII族窒化物半導体の上に覆い被さりやすくなる。第1の領域11から成長したIII族窒化物半導体が、第2の領域21から成長したIII族窒化物半導体の上に覆い被さると、第2の領域21から成長したIII族窒化物半導体は露出しない状態となる。結果、第2の領域21からのIII族窒化物半導体の成長は止まり、以降、第1の領域11からのIII族窒化物半導体の成長のみが進む。このようなメカニズムにより、エピタキシャル成長させたIII族窒化物半導体の露出面において、第2の領域21が現れにくくなる。
なお、本実施形態のエッチング工程20Sでは、隣接する第1の領域11と第2の領域21との段差が1μm以上とすることができる。段差を1μm以上とすることで、上述した覆い被さる状態が得られやすくなる。
<<実施例>>
<評価1>
単結晶GaNの(0001)面、(1−101)面及び(1−100)面に対し、エッチングを行い、エッチングレートを測定した。エッチングの条件は、エッチング温度を除き共通する。共通する条件の詳細は以下の通りである。エッチング温度は、750℃、850℃、950℃の3つのパターンで行った。
エッチングガス:HCl及びNH
HCl分圧:2.6×10Pa
NH分圧:4.0×10Pa
キャリアガス:H
表1に、測定結果を示す。結果より、当該エッチング条件の場合、(0001)面の方がが、(1−101)面及び(1−100)面よりもエッチングレートが大きいことが分かる。また、エッチング温度が高い程エッチングレートの差が大きくなることが分かる。
Figure 2017024927
<評価2>
単結晶GaNのアンドープ(0001)面、及び、Siドープ(0001)面に対し、以下の条件でエッチングを行い、エッチングレートを測定した。なお、Siのドープ量は、1×1018cm−3である。
エッチング温度:800℃
エッチングガス:HCl及びNH
HCl分圧:2.6×10Pa
NH分圧:4.0×10Pa
キャリアガス:H
表2に、測定結果を示す。結果より、当該エッチング条件の場合、Siドープ(0001)面の方が、アンドープ(0001)面よりもエッチングレートが大きいことが分かる。
Figure 2017024927
<評価3>
多結晶GaNのc面(+c面及び−c面が混在)、単結晶GaNの(0001)面、(000−1)面、{11−23}面及び{1−101}面に対し、以下の条件でエッチングを行い、エッチングレートを測定した。
エッチング温度:800℃
エッチングガス:HCl及びNH
HCl分圧:2.6×10Pa
NH分圧:4.0×10Pa
キャリアガス:H
表3に、測定結果を示す。結果より、当該エッチング条件の場合、多結晶GaNのc面(+c面及び−c面が混在)、単結晶GaNの(0001)面及び(000−1)面の方が、単結晶GaNの{11−23}面及び{1−101}面よりもエッチングレートが大きいことが分かる。
Figure 2017024927
<評価4>
単結晶GaNの(0001)面、(1−101)面、(1−100)面、(1−10−1)面、(000−1)面に対し、以下の条件でエッチングを行い、エッチングレートを測定した。
エッチング温度:750℃
エッチングガス:HCl及びNH
HCl分圧:2.6×10Pa
NH分圧:3.8×10Pa
キャリアガス:H
表4に、測定結果を示す。結果より、当該エッチング条件の場合、−c極性半極性面である(1−101)面、及び、(0001)面の方が、(1−101)面、(1−100)面及び(000−1)面よりもエッチングレートが大きいことが分かる。
Figure 2017024927
また、表3及び表4の結果より、エッチング温度が800℃以上の場合、単結晶GaNの(000−1)面のエッチングレートは、単結晶GaNの+c極性半極性面及び無極性面よりも大きいが、エッチング温度が800℃未満になると、この関係が逆転することが分かる。当該事実に基づけは、第2の領域21に単結晶GaNの(000−1)面が露出している場合、第2の領域21を選択的にエッチングするには、エッチング温度を800℃以上にするのが好ましいことが分かる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面又は無極性面が露出した第1の領域の中に、単結晶III族窒化物半導体のその他の面又は多結晶III族窒化物半導体が露出した第2の領域が混在した露出面を有するIII族窒化物半導体層を備えたIII族窒化物半導体基板を準備する準備工程と、
前記露出面に対して、
エッチング温度:500℃以上1200℃以下、
エッチングガス:HCl、NH、Cl、Hの中のいずれか1つ以上、
の条件でエッチングを行い、前記第2の領域を選択的に凹ませるエッチング工程と、
を有するIII族窒化物半導体基板の製造方法。
2. 1に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
前記エッチング工程の後、前記露出面上にIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる成長工程をさらに有するIII族窒化物半導体基板の製造方法。
3. 1又は2に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
前記エッチング工程では、エッチングガスとしてHCl及びNHを用い、HCl分圧は1.0Pa以上1.0×10Pa以下、NH分圧は1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下を満たすIII族窒化物半導体基板の製造方法。
4. 1から3のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
前記エッチング工程の前記エッチング温度は、700℃以上1200℃以下を満たすIII族窒化物半導体基板の製造方法。
5. 1から4のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
前記第2の領域には、Siドープした単結晶III族窒化物半導体の+c面が露出しているIII族窒化物半導体基板の製造方法。
6. 1から4のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
前記第2の領域には、単結晶III族窒化物半導体の(000−1)面が露出しており、
前記エッチング工程の前記エッチング温度は、800℃以上1200℃以下を満たすIII族窒化物半導体基板の製造方法。
7. 1から6のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
前記準備工程では、互いの間に隙間を挟んで配置された複数のIII族窒化物半導体の結晶片と、前記隙間に介在し、複数の前記結晶片を保持するバインダーと、を有する前記III族窒化物半導体層を準備し、
前記結晶片は、+c極性半極性面又は無極性面からなる主面を有し、前記主面が前記第1の領域において露出しており、
前記バインダーは、多結晶III族窒化物半導体で構成され、前記第2の領域において露出しているIII族窒化物半導体基板の製造方法。
8. 1から7のいずれかに記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
前記エッチング工程の後、隣接する前記第1の領域と前記第2の領域との間の段差は、1μm以上であるIII族窒化物半導体基板の製造方法。
1 III族窒化物半導体基板
10 結晶片
20 バインダー
11 第1の領域
21 第2の領域
50 保持部材
51 載置面
100 HVPE装置
121 反応管
122 成長領域
123 基板ホルダ
124 ガス供給管
125 配管
126 ガス供給管
127 III族原料
128 ソースボート
129 ヒータ
130 ヒータ
132 回転軸
135 ガス排出管
136 遮蔽板
137 窒素原料ガス供給部
139 III族原料ガス供給部
141 基板

Claims (8)

  1. 単結晶III族窒化物半導体の+c極性半極性面又は無極性面が露出した第1の領域の中に、単結晶III族窒化物半導体のその他の面又は多結晶III族窒化物半導体が露出した第2の領域が混在した露出面を有するIII族窒化物半導体層を備えたIII族窒化物半導体基板を準備する準備工程と、
    前記露出面に対して、
    エッチング温度:500℃以上1200℃以下、
    エッチングガス:HCl、NH、Cl、Hの中のいずれか1つ以上、
    の条件でエッチングを行い、前記第2の領域を選択的に凹ませるエッチング工程と、
    を有するIII族窒化物半導体基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
    前記エッチング工程の後、前記露出面上にIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させる成長工程をさらに有するIII族窒化物半導体基板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
    前記エッチング工程では、エッチングガスとしてHCl及びNHを用い、HCl分圧は1.0Pa以上1.0×10Pa以下、NH分圧は1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下を満たすIII族窒化物半導体基板の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
    前記エッチング工程の前記エッチング温度は、700℃以上1200℃以下を満たすIII族窒化物半導体基板の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
    前記第2の領域には、Siドープした単結晶III族窒化物半導体の+c面が露出しているIII族窒化物半導体基板の製造方法。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
    前記第2の領域には、単結晶III族窒化物半導体の(000−1)面が露出しており、
    前記エッチング工程の前記エッチング温度は、800℃以上1200℃以下を満たすIII族窒化物半導体基板の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
    前記準備工程では、互いの間に隙間を挟んで配置された複数のIII族窒化物半導体の結晶片と、前記隙間に介在し、複数の前記結晶片を保持するバインダーと、を有する前記III族窒化物半導体層を準備し、
    前記結晶片は、+c極性半極性面又は無極性面からなる主面を有し、前記主面が前記第1の領域において露出しており、
    前記バインダーは、多結晶III族窒化物半導体で構成され、前記第2の領域において露出しているIII族窒化物半導体基板の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のIII族窒化物半導体基板の製造方法において、
    前記エッチング工程の後、隣接する前記第1の領域と前記第2の領域との間の段差は、1μm以上であるIII族窒化物半導体基板の製造方法。
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