JP2017024899A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】正常動作時のFCOTの遅延を回避しつつ、検知手段が正常に機能しない場合には積載手段が給送位置で停止されない等の異常動作を防止可能なシート給送装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】ADFに備えたCPUは、以下の制御を実行可能である。即ちCPUは、ピックアップローラ102がピックアップモータにより上昇させられる際に原稿面検知センサ201が最上位置を検知しない時には、このセンサの異常と判断して原稿積載トレイ101の上昇処理を中止させる。一方、上記ローラ102が上記モータにより上昇される際に上記センサ201が最上位置を検知した時には、トレイ昇降アーム204により上記トレイ101を介して上記センサ201に最上位置を検知させるように上記トレイ101を上昇させる。その結果、上記センサ201が最上位置を検知しなければ上記アーム204の異常と判断して、上記トレイ101の上昇処理を中止させる。【選択図】図3
Description
本発明は、シートを給送するシート給送装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
複写機やファクシミリ等の画像形成装置では、原稿等のシートから原稿画像を光学的に読み取る画像読取装置を備えたものがある。このような画像読取装置には、原稿積載トレイから原稿を1枚ずつ画像読取部へと搬送する自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder:ADF)を備えたものがある。
シート給送装置としてのADFは、原稿積載トレイと、原稿積載トレイを昇降させるリフタ機構とを有し、リフタ機構によって下降位置に移動させた原稿積載トレイを原稿セット後に上昇させる構成を備えている。このADFは、原稿セット後の原稿積載トレイを上昇させる際、上昇した原稿積載トレイが所定の高さに達したことを検知する原稿面検知センサを備えている。しかし、この構成の場合、原稿面検知センサが故障すると、原稿積載トレイが所定位置で停止されず機械的限界以上に上昇させられることで異音を発生するなどの問題が発生するおそれがある。
ここで、画像を形成されるシートが積載された給送トレイを装置本体に装填してセットすると、セットの検知に連動して、給送トレイ上方に退避していたピックアップローラ(呼び出しコロ)が下降する構成を備えたシート給送装置が提案されている。このシート給送装置では更に、モータの駆動が開始されると給送トレイの底板が上昇して、その最上位のシートによりピックアップローラが押し上げられる(特許文献1参照)。
このシート給送装置では、前述した原稿面検知センサに相当する上限検知センサがオンとなり、モータが停止して底板の上昇が停止され、ピックアップローラが給送トレイ上のシートに当接して給送可能な状態となる。さらに、最上面のシートをピックアップローラで送り出すと共に、給送トレイの装填及び引き出しに連動してピックアップローラを昇降させる。
上記特許文献1において、例えば上限検知センサでピックアップローラの上限位置(給送トレイ上のシートの上限位置)を検知するために装置を動作させる必要がある場合を考える。例えば原稿(シート)が積載される原稿積載トレイと、このトレイの上昇動作で上限位置に押し上げられるピックアップローラとを備えるシート給送装置では、ピックアップローラが上昇位置にある時に上限検知センサは常にオン(原稿有状態)と検知される。実際に上限位置を検知するためには、ピックアップローラを一旦下降位置に移動させる必要がある。このため、原稿積載トレイを上昇させる前にピックアップローラの下降動作が実行され、原稿積載トレイの上昇開始が数百msec程度遅くなり、1枚目の原稿(シート)出力時間(First Copy Output Time:FCOT)に影響してしまう。
一方、このような遅延を避けるため、予めピックアップローラを下降位置にセットしておく構成も考えられる。しかしその場合、原稿積載トレイの上昇動作は直ちに実行可能となるが、もし上限検知センサ(検知手段)が物理的に引っ掛かる等の原因でオン状態にならなくなった時には、次のようになる。つまり、原稿積載トレイ(積載手段)が所定の位置で停止されず機械的限界以上に上昇されることで、異音を発生する等の問題が発生することがある。
そこで本発明は、正常動作時のFCOTの遅延を回避しつつ、検知手段が正常に機能しない場合にあっては積載手段が給送位置で停止されずに異音が発生する等の異常動作を防止可能なシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート給送装置において、シートが積載されて昇降可能な積載手段と、前記積載手段上のシートに接して給送可能な給送手段と、前記給送手段の最上位置と前記最上位置から下降した下降位置とを検知可能な検知手段と、前記積載手段を昇降させる積載昇降手段と、前記給送手段を昇降させる給送昇降手段と、前記給送手段が前記給送昇降手段により上昇させられる際に前記検知手段が前記最上位置を検知しない時には、前記検知手段の異常と判断して前記積載手段の上昇処理を中止させ、前記検知手段が前記最上位置を検知した時には、前記積載昇降手段により前記積載手段を介して前記検知手段に前記最上位置を検知させるように前記積載手段を上昇させて、前記検知手段が前記最上位置を検知しなければ前記積載昇降手段の異常と判断して前記積載手段の上昇処理を中止させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によると、積載手段を積載昇降手段で上昇させる際に検知手段が最上位置を検知する正常時には通常の処理に移行することが可能で、積載昇降手段で上昇させる際に最上位置を検知しない異常時にのみ、次の検知を行うことが可能になる。即ち、積載昇降手段で上昇させる際に最上位置を検知しない異常時にのみ、給送昇降手段で強制的に給送手段を動作させて検知状態を確認し、異常と判断した場合には積載手段の上昇処理を中止させることが可能になる。これにより、正常動作時におけるFCOTの遅延を回避しつつ、検知手段が正常に機能しない場合においても積載手段が給送位置で停止されずに異音が発生する等の異常動作を防止可能にできる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態に係るADF(シート給送装置)を備えた画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置は、複写機や複合機等から構成することが可能である。
以下、本発明の実施形態に係るADF(シート給送装置)を備えた画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置は、複写機や複合機等から構成することが可能である。
[画像形成装置]
まず、本実施形態に係る画像形成装置60の概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置60を模式的に示す断面図である。なお、以下では、ユーザが画像形成装置60に対して各種入力及び設定を行う不図示の操作部に臨む位置を画像形成装置60の「手前側」といい、背面側を「奥側」という。つまり、図1は、手前側から見た画像形成装置60の内部構成を示したものである。
まず、本実施形態に係る画像形成装置60の概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置60を模式的に示す断面図である。なお、以下では、ユーザが画像形成装置60に対して各種入力及び設定を行う不図示の操作部に臨む位置を画像形成装置60の「手前側」といい、背面側を「奥側」という。つまり、図1は、手前側から見た画像形成装置60の内部構成を示したものである。
図1に示すように、画像形成装置60は、積載手段としての原稿積載トレイ101に積載された原稿(シート状原稿)Gの画像を読み取り可能な画像読取装置200と、画像読取装置200で読み取られた画像をシートSに形成可能な装置本体10とを備える。画像形成装置60は、これら画像読取装置200及び装置本体10等を制御する、制御手段としてのCPU401を備える。
そして、画像読取装置200は、原稿(シート)Gの画像を読み取るリーダ部150と、リーダ部150に原稿Gを自動給送可能な自動原稿搬送装置(以下、ADFという)100とを備えている。リーダ部150には、原稿Gの表面(第1面)の流し読み時もしくは固定読み時に用いられる第1スキャナユニット159が配置されている。シート給送装置としてのADF100には、原稿Gの裏面(第2面)の流し読み時に用いられる第2スキャナユニット113が配置されている。
装置本体10は、記録媒体であるシートSに画像を形成する画像形成部20と、画像形成部20にシートSを給送するシート給送部30とを有している。さらに装置本体10は、画像が形成されたシートSを装置本体10外方(機外)に排出する排出ローラ対46と、排出されたシートSが積載されるシート排出トレイ45とを有している。
画像形成部20は、トナー像が形成される感光ドラム22と、感光ドラム22にレーザ光を照射するレーザスキャナユニット21と、トナー像をシートSに転写する転写部24と、トナー像を定着させる定着部25とを有している。シート搬送路における転写部24の上流には、レジストレーションローラ対11が配置されている。
シート給送部30は、シートSが積載されるシート積載板31aを有する給紙カセット31と、給紙カセット31内のシート積載板31aに積載されたシートSを給送するピックアップローラ32とを有している。また、シート給送部30は、ピックアップローラ32により給送されたシートSを搬送するフィードローラ33を有している。さらに、シート給送部30は、フィードローラ33に圧接してフィードローラ33との間に分離ニップ部Nを形成し、ピックアップローラ32により給送されたシートSを分離ニップ部Nで1枚ずつに分離可能なリタードローラ34を有している。
なお、符号27はシート給送ユニットを示し、符号29はシート給送ユニット27により分離されたシートSを搬送する引き抜きローラを示す。また、上記画像形成部20は、ADF(シート給送装置)100により送り出された原稿(シート)Gの画像情報に基づいてシートSに画像を形成する画像形成手段を構成する。
次に、画像形成装置60の画像形成動作について説明する。なお、ここでは、ADF100により自動給送され、リーダ部150で読み取られた原稿Gの画像情報に基づき、シートSに画像を形成する画像形成動作について説明する。
すなわち、ADF100により給送され、リーダ部150で読み取られた原稿Gの画像情報が入力されると、入力された画像情報に基づいて、レーザスキャナユニット21から感光ドラム22にレーザ光が照射される。このとき、感光ドラム22は、帯電部材26を介して予め帯電されており、レーザ光が照射されることで静電潜像が形成される。そして、この静電潜像が現像器23によって現像され、感光ドラム22上にトナー像として形成される。
感光ドラム22へのトナー像の形成動作に並行して、シート給送部30の給紙カセット31に収納されたシートSがピックアップローラ32により給送される。ピックアップローラ32により給送されたシートSは、フィードローラ33とリタードローラ34間の分離ニップ部Nで挟持されて1枚ずつに分離されて搬送される。
そして、1枚ずつに分離されたシートSは、レジストレーションローラ対11で感光ドラム22上のトナー像と同期がとられ、転写部24に送られる。転写部24に送られたシートSは、転写部24で感光ドラム22上のトナー像が転写される。
トナー像が転写されたシートSは定着部25で加熱及び加圧され、トナー像が溶融されてシートSに定着される。トナー像が定着されたシートSは、排出ローラ対46によりシート排出トレイ45に排出され、順次、積載されていく。なお、シートSの両面に画像を形成する場合には、シートSの第1面に画像が定着された後、反転搬送路12を介してシートSをレジストレーションローラ対11に向けて再搬送し、上述した動作を繰り返し行う。
[画像読取装置]
次に、図2〜図5を参照して、本実施形態に係る画像読取装置200の詳細な構成について説明する。なお、図2は、本実施形態に係る画像読取装置200の構成を示す断面図である。図3(a)はピックアップローラ102が給送位置(下降位置)にある状態を示し、図3(b)はピックアップローラ102が退避位置(最上位置)にある状態を示す。また、図4(a)は原稿積載トレイ101の積載可能状態を示す模式図、図4(b)はトレイユニットUの回動状態を示す模式図である。図5(a)〜(d)は、原稿積載トレイ101の昇降動作を順次に模式的に示す断面図である。
次に、図2〜図5を参照して、本実施形態に係る画像読取装置200の詳細な構成について説明する。なお、図2は、本実施形態に係る画像読取装置200の構成を示す断面図である。図3(a)はピックアップローラ102が給送位置(下降位置)にある状態を示し、図3(b)はピックアップローラ102が退避位置(最上位置)にある状態を示す。また、図4(a)は原稿積載トレイ101の積載可能状態を示す模式図、図4(b)はトレイユニットUの回動状態を示す模式図である。図5(a)〜(d)は、原稿積載トレイ101の昇降動作を順次に模式的に示す断面図である。
図2及び図3(a),(b)に示すように、ADF100にはトレイユニットUが配置され、このトレイユニットUには、複数枚の原稿Gから構成される原稿束(G)が積載される原稿積載トレイ101が昇降可能に支持されて配置されている。またADF100には、原稿束(G)上で回転してその最上位の原稿Gと接触可能に且つ上下動可能に支持されたピックアップローラ102が配置されている。このピックアップローラ102は、原稿積載トレイ上(積載手段上)の原稿Gに接して給送可能な給送手段を構成する。
ピックアップローラ102の原稿給送方向の下流には、搬送ローラ103aと分離ローラ103bとから構成され、ピックアップローラ102で給送された原稿Gを1枚ずつに分離する分離搬送ローラ対103が配置されている。分離搬送ローラ対103の更に下流には、分離搬送ローラ対103で分離された原稿Gを搬送する搬送ローラ対104,114が配置されている。搬送ローラ対114の下流には、搬送ローラ対114により搬送される原稿Gの先端が突き当てられるレジストレーションローラ対105が配置されている。レジストレーションローラ対105は、原稿Gの先端が突き当てられるときに停止しているので、原稿はループ形成され、搬送時における先端の斜行が補正される。
搬送ローラ103aの回転軸103cには、ピックアップアーム(給送ホルダ)210の一端部が回動可能に支持されている。このピックアップアーム210の他端部には、ピックアップローラ102の回転軸102aが回動可能に支持されている。ピックアップアーム210は、搬送ローラ103aの回転軸103cを支点として図3(a),(b)の時計回り方向と反時計回り方向とに回動可能に構成される。ピックアップローラ102は、回転軸103cを支点として回動するピックアップアーム210により回動可能に支持され、原稿積載トレイ101に積載された原稿Gに当接して回転することで原稿Gを繰り出す。ピックアップアーム210は、その中央上部に、鈎状に突出するフラグ部210aが形成されている。
ピックアップローラ102は、給送昇降手段としてのピックアップモータ454(図7参照)の駆動力を受けて、図3の反時計回り方向に回転した際には、図3(b)に示す退避位置(最上位置)に移動する。そしてピックアップローラ102は、時計回り方向に回転した際には、図3(a)に示す給送位置(下降位置)に移動すると共に、原稿積載トレイ101上の原稿Gに当接して原稿Gを繰り出すことが可能に構成されている。
なお、この構成に代えて、以下のように構成することも可能である。即ち、ピックアップローラ102に、搬送ローラ103aの回転を回転軸103cからベルトやギア列を用いた伝動装置(不図示)を介して伝達し、回転軸103cの回転に応じて、図3(a)の給送位置と図3(b)の退避位置とに移動可能に構成するのである。この場合、ピックアップローラ102は、図5(b)のように原稿積載トレイ101に積載された原稿Gを、搬送ローラ103aの回転に連動して繰り出す。
ピックアップローラ102で繰り出された原稿Gは、分離搬送ローラ対103により下流に搬送されるが、2枚以上が繰り出された場合、2枚目以降の原稿Gは、搬送ローラ103aと分離ローラ103bとによる分離作用で原稿積載トレイ101側に戻される。なお、退避位置(最上位置)は、原稿積載トレイ101に積載された原稿Gによって押し上げられたピックアップローラ102が原稿面検知センサ(検知手段)201により検知される位置である。また、給送位置(下降位置)は、退避位置から下降して原稿面検知センサ201による検知状態から外れる位置である。
また、レジストレーションローラ対105の下流には、送り出しローラ対106、第1リードローラ107、中間搬送ローラ対108、及び第2リードローラ109が原稿搬送方向に沿って順に配置されている。第2リードローラ109の下流には、原稿Gを原稿排出トレイ112上へ排出する排出ローラ対111が配置されている。また、原稿排出トレイ112と原稿積載トレイ101とは上下方向に並んで配置され、原稿排出トレイ112が原稿積載トレイ101の下方に位置している。原稿積載トレイ101は、上部面101a及び上部内面101bを有している。
リーダ部150は、搬送されてくる原稿Gの表面(第1面)の画像を読み取るように構成され、原稿Gの画像情報を光学的に読み取り、光電変換して画像データとして入力する構成を備えている。リーダ部150における第1リードローラ107に対向する位置には、ADF100により搬送される原稿Gが上面を通過する第1流し読みガラス151が配置されている。リーダ部150には、第1流し読みガラス151から連続するように白基準板部材160と原稿台ガラス(プラテンガラス)152とが配置されている。
リーダ部150の内部に配置された第1スキャナユニット159は、不図示の支持機構により移動可能に支持されている。第1スキャナユニット159には、光源としてのランプ153と、原稿Gからの反射光を折り返す第1ミラー154とが配置されている。また、リーダ部150の内部には、第1スキャナユニット159の第1ミラー154で反射した反射光を折り返す第2、第3ミラー155,156と、第3ミラー156で反射した反射光を集光するレンズ157とが配置されている。さらに、レンズ157で集光された光を受光するCCD(Charge Coupled Device)センサ158が配置されている。
第1流し読みガラス151と原稿台ガラス152間に配置された白基準板部材160は、その面を第1スキャナユニット159により読み取られることで、シェーディング補正による白レベルの基準データを作成するためのものである。画像読取装置200では、この基準データに基づいて、画像信号の変動等が検出される。
ここで、図3(a),(b)は、原稿積載トレイ101の周辺の構成並びに原稿積載トレイ101を昇降させる駆動を伝達する駆動伝達機構が示されている。図3(a),(b)に示すように、ADF100の装置本体100aにおけるフラグ部210aに対向する位置には、原稿面検知センサ201が配置されている。原稿面検知センサ201は、以下のようにして最上位の原稿の位置に応じた信号を出力する。
即ち、原稿面検知センサ201は、ピックアップアーム210の中央上部に設けられたフラグ部210aを検出するとオン信号を発生し、検出しなければオフ信号を発生する。図3(a)のようにピックアップローラ102が原稿と当接可能な給送位置(下降位置)にある状態において、積載された原稿のうちの最上位の原稿の位置が所定位置よりも低い場合には、原稿面検知センサ201はオフ信号を発生する。ここで、積載された原稿のうちの最上位の原稿の位置が所定位置よりも高い場合(積載過多の場合)には、原稿によって押し上げられたフラグ部210aが原稿面検知センサ201により検出されるため、原稿面検知センサ201はオン信号を発生する。
一方、図3(b)のようにピックアップローラ102が原稿と当接可能な位置になく、上方に回動した退避位置(最上位置)にある場合、原稿面検知センサ201はオン信号を発生し続けるため、原稿検知は困難である。なお、原稿面検知センサ201は、原稿面検知センサ201の退避位置(最上位置:図5(b),(d)参照)と、この退避位置から下降した給送位置(下降位置:図5(a),(c)参照)とを検知可能な検知手段を構成する。
ADF100の装置本体100aにおける原稿積載トレイ101の回動基部には、原稿有無検知センサ205が配置されている。原稿有無検知センサ205は、原稿積載トレイ101上に原稿が置かれている場合にはオン信号を発生し、原稿積載トレイ101上に原稿が置かれていない場合にはオフ信号を発生する。
図4(a)に示すようにトレイユニットUは、原稿積載トレイ101の内部に、先端部が原稿積載トレイ101の上部内面101bに当接可能なトレイ昇降アーム(積載昇降手段)204を有している。このトレイ昇降アーム204は、トレイユニットUのフレーム(不図示)に、回動軸203を介して回動可能に取り付けられている。原稿積載トレイ101は、上部面101aが先端部101dを支点として下部面101cに対して回動することで、上部面101aの高さが変更されるように構成される。
また、原稿積載トレイ101内部におけるトレイ昇降アーム204の先端に対向する位置には、下限検知センサ202が位置決め固定されている。下限検知センサ202は、原稿積載トレイ101の上部内面101bと接して原稿積載トレイ101(の上部面101a)を昇降させるトレイ昇降アーム204の回動位置を検知することで、原稿積載トレイ101の下限位置を検知する(図3(b)参照)。なお、トレイ昇降アーム204は、原稿積載トレイ101を昇降させる積載昇降手段を構成する。
トレイ昇降アーム204の回動軸203は、トレイ駆動ユニット302(図4参照)の駆動により回転させられる。後端部が回動軸203で支持されるトレイ昇降アーム204は、回動軸203に駆動が伝達されて回動させられることで先端部が上方に移動する。これにより、原稿積載トレイ101を上部内面101bを押し上げることで、原稿積載トレイ101を、図5(a)〜(d)のように先端部101d(図3参照)を支点として回動させ、昇降作動させる。
トレイ昇降アーム204は、下限検知センサ202を通過するように構成されたフラグ部204aを先端部に有している。これにより、原稿積載トレイ101の上部面101aが、最も下降した位置から所定の高さ位置に達するまでは下限検知センサ202がオン信号を発生する。そして、原稿積載トレイ101の上部面101aが所定の高さ位置よりも上方になると、下限検知センサ202がオフ信号を発生する。なお、本実施形態では、トレイ昇降アーム204の位置を検知することで原稿積載トレイ101が下限位置にあるか否かを検知しているが、下部面101cの位置を検知することで原稿積載トレイ101が下限位置にあるか否かを検知することも可能である。
本実施形態において、原稿面検知センサ201、下限検知センサ202は、フォトインタラプタから構成することができる。その場合、これら検知センサ201,202は、不図示の発光・受光部の間に、フラグ部210a、フラグ部204aが進入及び退避することに応じて、ピックアップローラ102の高さ位置、トレイ昇降アーム204の回動位置を検知する。即ち、フラグ部210a、フラグ部204aがフォトインタラプタの発光・受光部間の光路を遮るときに受光部の出力信号がロー(Low)レベルとなり、光路を遮らないときはハイ(High)レベルとなる。従って、上記検知センサ201,202は、受光部の出力信号が変化する位置を基準位置とすることで、ピックアップローラ102の高さ位置、トレイ昇降アーム204の回動位置を検知することができる。
図4(a),(b)に示すように、原稿積載トレイ101を昇降させる駆動伝達系は、原稿積載トレイ101の回動基部に、リフタとしてのトレイ駆動ユニット302を備えている。トレイ駆動ユニット302は、リフタモータ461と、リフタモータ461の回転軸(不図示)に取り付けられた駆動ギア(不図示)と、この駆動ギアに噛合する伝達ギア302bと、この伝達ギア302bに噛合する出力ギア302aとを有している。この出力ギア302aは、トレイユニットUにおけるトレイ昇降アーム204の回動軸203に同軸状に取り付けられた入力ギア301に噛合する。なお、本実施形態におけるリフタモータ461はステッピングモータから構成されるが、ステッピングモータ以外のモータを用いることも可能である。
以上のトレイ駆動ユニット302では、図4(a)の状態でCPU401(図7参照)がリフタモータ461を駆動させると、その回転がリフタモータ461の回転軸(不図示)から伝達ギア302b及び出力ギア302aを介して入力ギア301に伝達される。これにより、原稿積載トレイ101を図5(a)の状態から図5(b)の状態に上昇させる駆動力が発生する。
図4(a),(b)に示すように、トレイユニットUは、ADF100の装置本体100aに一端部が回動可能に取り付けられたトレイ開閉アーム206を有している。トレイユニットUは、トレイ開閉アーム206の回動軸206aを支点として、装置本体100aに対し回動可能に支持されている。従って、トレイ駆動ユニット302を、図4(a)に示す作動位置の状態から図4(b)に示す開放位置に移行させることが可能になる。図4(b)における開放位置では、トレイユニットU側の入力ギア301と、トレイ駆動ユニット302側の出力ギア302aとの噛み合いが解除され、トレイユニットUにおいてトレイ昇降アーム204は最も下方に回動した位置まで移動可能である。
ここで、トレイユニットUの開閉によって入力ギア301とトレイ駆動ユニット302の出力ギア302aとの噛み合わせが一旦外れた後は、トレイ駆動ユニット302の駆動が開始されても、即時に原稿積載トレイ101の上昇は開始されない。これは、トレイ昇降アーム204が時計回り方向に回動し始めた場合でも、距離(図4(a)の矢印D2で示す距離)や、回転距離(図4(a)の矢印D1で示す距離)があるからである。上記距離D2は、トレイ昇降アーム204が時計回り方向に回動し始めた際にトレイ昇降アーム204の先端が原稿積載トレイ101の上部内面101bに当接するまでの距離である。上記距離D1は、入力ギア301と出力ギア302aとのバックラッシ解消までの回転距離である。
矢印D1,D2で示す距離は装置本体100aの状態により毎回異なるため、トレイ駆動ユニット302の駆動が開始してから原稿積載トレイ101の上昇が開始されるまでに必要なリフタモータ461の回転量も毎回異なる。直前にトレイユニットUが開閉されたか、トレイ駆動ユニット302による原稿積載トレイ101の上下動がなされたか否かで、トレイ昇降アーム204の回動位置やバックラッシの量が異なるからである。
[制御系]
次に、本実施形態に係る画像読取装置200の制御系について図7を参照して説明する。なお、図7は、本実施形態に係る画像読取装置200の制御系を示す制御ブロック図である。
次に、本実施形態に係る画像読取装置200の制御系について図7を参照して説明する。なお、図7は、本実施形態に係る画像読取装置200の制御系を示す制御ブロック図である。
図7に示すように、本制御系は、画像読取装置200におけるADF100及びリーダ部150の制御を行うCPU(制御手段)401を有している。CPU401は、入力ポート、出力ポートを制御する。即ち、CPU401は、ROM403に格納された制御プログラムに従って出力ポートの出力を制御し、モータ及び各負荷を駆動して原稿搬送を実行する。同時に原稿画像データの先端を示し、画像読取タイミングの先端基準となる画先信号を生成して、原稿搬送と画像入力のタイミングを同期させて画像読取を実行する。
CPU401には、バスラインBLを介して、作業領域用のRAM(Random Access Memory)402と、プログラム格納のためのROM(Read Only Memory)403とが接続されている。RAM402には、上記制御で使用される入力データや作業用データが格納されており、ROM403には、リーダ部150及びADF100の制御用プログラムが格納されている。さらにCPU401には、バスラインBLを介して、ADF100及びリーダ部150が接続されている。
ADF100は、トレイ昇降制御部404、原稿搬送部405及び第2スキャナユニット113を有している。これらトレイ昇降制御部404、原稿搬送部405及び第2スキャナユニット113は、バスラインBLを介してCPU401に接続されている。
トレイ昇降制御部404におけるCPU401からの出力ポートには、トレイ駆動ユニット302を駆動するリフタモータ461が接続されている。トレイ昇降制御部404のCPU401への入力ポートには、下限検知センサ202と、原稿面検知センサ201と、原稿有無検知センサ205と、原稿積載トレイ101の起立状態(図4(b)の状態)を検出するトレイ開閉センサ462とが接続されている。
また、原稿搬送部405におけるCPU401からの出力ポートには、ピックアップモータ454と、搬送用のローラを駆動する搬送系モータ451と、クラッチ453と、ソレノイド452とが接続されている。ピックアップモータ454は、ピックアップローラ102の回転及びこのローラ102の上下動(昇降動作)のための駆動力を発生させる。なお、ピックアップモータ454は、ピックアップローラ(給送手段)102を昇降させる給送昇降手段を構成する。また、原稿搬送部405におけるCPU401への入力ポートには、ピックアップローラ102の位置を検知するピックアップセンサ456と、原稿の搬送タイミングを生成するための各種の搬送系センサ455とが接続されている。
また、第2スキャナユニット113は、CPU401の制御に基づいてADF100の第2スキャナユニット(裏面読取部)113における画像読み取りの制御を行う。第2スキャナユニット113におけるCPU401からの出力ポートには、ランプ471と、ガラス駆動用モータ473とが接続されている。また、第2スキャナユニット113におけるCPU401への入力ポートには、CMOSセンサ472が接続されている。
一方、リーダ部150は、第1スキャナユニット159及び画像処理部408を有している。これら第1スキャナユニット159及び画像処理部408は、バスラインBLを介してCPU401に接続されている。
第1スキャナユニット159は、CPU401の制御に基づいてリーダ部150における画像読み取りの制御を行う。第1スキャナユニット159におけるCPU401からの出力ポートには、光源としてのランプ153と、光学系モータ463とが接続されている。また、第1スキャナユニット159におけるCPU401への入力ポートには、CCDセンサ158が接続されている。
画像処理部408は、信号制御部481、画像メモリ482及び出力制御部483を有し、第1スキャナユニット159及び第2スキャナユニット113で読み取られた画像信号を入力して信号制御部481で各処理を行う。画像処理部408は、必要に応じて画像信号を画像メモリ482に一時格納し、出力制御部483で出力タイミングを生成して出力する。画像メモリ482に格納されたデータは、コントローラ部から要求された出力タイミングに同期して出力制御部483で読み出され、順次、不図示のコントローラ部へ転送される。
なお本実施形態では、画像読取素子として、第1スキャナユニット159にCCDセンサ158を用い、第2スキャナユニット113にCMOSセンサ472を用いているが、画像読取素子はこれに限らず、画像読み取りセンサであれば他の手段を用いても良い。
[作用]
次に、本実施形態に係る画像読取装置200による原稿画像の読み取り等の作動について説明する。
次に、本実施形態に係る画像読取装置200による原稿画像の読み取り等の作動について説明する。
まず、図1及び図2に沿って説明する。即ち、原稿積載トレイ101に積載された原稿Gがピックアップローラ102により繰り出されると、この原稿Gは、分離搬送ローラ対103で1枚ずつに分離されて給送される。そして、レジストレーションローラ対105により搬送された後、送り出しローラ対106と第1リードローラ107とにより第1流し読みガラス151上に送られる。そして、第1流し読みガラス151に面した表面(第1面)の画像がリーダ部150の第1スキャナユニット159により読み取られる。さらに、この原稿Gは、中間搬送ローラ対108を通過し、第2リードローラ109と第2流し読みガラス115との間の隙間を移動させられ、排出ローラ対111を介して原稿排出トレイ112上へ排出される。ここで、第1流し読みガラス151から排出ローラ対111までの搬送経路に配置された第2スキャナユニット113により、第2流し読みガラス115に面した原稿の裏面(第2面)の画像が読み取られる。
ここで、上記原稿積載トレイ101への原稿のセットは、以下のようになる。即ち、初期状態では、原稿積載トレイ101は下限位置にあり、ユーザが原稿束(G)をセットする操作を妨げないように、通常はピックアップローラ102が上方の退避位置に位置している(図5(d))。このピックアップローラ102は、一周期の連続動作で、上方の退避位置(最上位置)→給送位置(下降位置)→上方の退避位置(最上位置)と移動可能である。
CPU401は、図5(d)の状態の原稿積載トレイ101に原稿束(G)が積載され(図5(a))、ADF100に原稿Gの給送開始が指示されると、以下のように制御する。つまり、CPU401は、ピックアップローラ102を給送位置(下降位置)に下降させるようにトレイ昇降アーム204を下方に回動させて原稿面の高さに連動動作するようにし、原稿面検知センサ201で原稿面高さを検知できる状態にする。このとき、ピックアップローラ102は初期状態で退避位置(最上位置)にいる前提で、初期位置確認用の一周期連続動作を実行せず、給送位置(下降位置)への下降動作のみを実行する。一周期連続動作には一例で約400msecの時間がかかるため、これを省略することで、1枚目の原稿出力時間(FCOT)の所要時間を抑えることが可能になる。
次に、CPU401は、トレイ駆動ユニット302を駆動して原稿束(G)を積載した原稿積載トレイ101を上昇させる。そして、可動範囲最下部の待機位置から、原稿面検知センサ201により原稿束(G)の最上位の原稿Gが検知される高さまで、トレイ昇降アーム204を回動させてリフトアップする。この初期上昇動作の間、リフタモータ461の回転駆動により、まず図4(a)の矢印D1に相当する距離だけ回転すると、トレイ駆動ユニット302と入力ギア301とが噛み合って回動軸203が回転開始される。
さらに、最下限まで下降していたトレイ昇降アーム204が原稿積載トレイ101の上部内面101bに接する距離(図4(a)の矢印D2に相当する距離)まで、トレイ駆動ユニット302を駆動する。これにより、実際に原稿積載トレイ101の上部面101aがトレイ昇降アーム204に連動して上昇する。そして、所定の高さまで上昇すると、ADF100は1枚ずつ原稿Gを給送し、給送された原稿Gの画像を順次読み取る原稿読取動作の実行を開始する(図5(b))。原稿読取動作の実行中、何枚か原稿Gが給送されて積載された最上位の原稿面が下降すると、原稿面検知センサ201がオフ信号を出力する。原稿面検知センサ201がオフ信号を出力すると、原稿積載トレイ101は再上昇動作を行い、最上位の原稿面が常に給送可能な高さに達するようにする(図5(c))。原稿読取動作中、ピックアップローラ102は、給送開始のタイミングでは最上位の原稿Gと接する給送位置(下降位置)まで下方へ移動して回転し、上位の原稿Gを分離搬送ローラ対103に繰り出した後、重送防止のため上方の退避位置へ移動する。即ち、ピックアップローラ102は、原稿Gを1枚給送する毎に、上下動を繰り返す。
前述した通り、原稿面検知センサ201で原稿を検知可能とされるのは、ピックアップローラ102が原稿Gと接する給送位置(下降位置)まで下降して最上位の原稿Gと接している間だけである。ピックアップローラ102が上方の退避位置(最上位置)への移動のために原稿Gと接していないときには、原稿面検知センサ201からの出力信号としてはオン信号、即ち原稿面が検知されたときの信号と同じものとなる。従って、ピックアップローラ102が退避位置にある状態(図5(d))では、原稿積載トレイ101は、原稿面検知センサ201の状態を監視しながら上昇させることができない。よって、CPU401は、上記ローラ102が下降した状態で原稿面が下降していることを検出した後、原稿面検知センサ201をモニタせず、リフタモータ461を所定量(ステッピングモータの場合は所定数パルス)だけ回転させるように制御する。この動作により、原稿積載トレイ101上の原稿Gが所定高さだけ上昇して停止する。
原稿積載トレイ上の原稿が無くなる等で原稿読取動作を終了すると、CPU401は、原稿積載トレイ101を下降させる。これにより、下限検知センサ202がオンしてから所定高さ分下がった待機位置で停止させ、トレイ駆動ユニット302のリフタモータ461の電源をオフする。同時にピックアップローラ102を上昇させて、退避位置(最上位置)で停止させて初期状態に戻る。
前述した通り、原稿積載トレイ101が給送位置(下降位置:下限位置)から実際に上昇を開始するまでには、トレイ駆動ユニット302のリフタモータ461の回転が、距離D1+距離D2の分だけ余分に必要になる(図4(a))。ここで、距離D1は、入力ギア301がトレイ駆動ユニット302の出力ギア302aと噛み合うまでの距離であり、距離D2は、トレイ昇降アーム204が原稿積載トレイ101の上部内面101bに当接するまでの距離(図4(a))である。なお、トレイ駆動ユニット302のリフタモータ461が回転してから実際に原稿積載トレイ101が上昇し始めるまでに必要なリフタモータ461の回転量は、動作開始前のユーザ操作などの条件によって毎回異なる。
ここで例えば、不図示のコネクタ抜けやフラグが外れた等の原因で、原稿面検知センサ201の出力がオンにならない状態に陥った場合を考える。例えば図5(b)において原稿面検知センサ201は最上位の原稿面を検知しないため、原稿積載トレイ101が搬送可能な原稿面高さを超えて上昇してしまい、異音がしたり搬送不良を起こしたりすることになる。そこで、一旦、図5(b)の高さまで達したと思われる想定ステップ数(既定の回転量S0)だけトレイ駆動ユニット302のリフタモータ461を回転させる。想定ステップ数(既定の回転量S0)の詳細については、後述する。
既定の回転量に相当する分だけ上昇しても、原稿面検知センサ201がまだオン信号を出力していない場合、以下の手順でピックアップローラ102の一周期連続動作を実行する。そしてCPU401は、その間の原稿面検知センサ201の変化を検知することで、原稿面検知センサ201の故障の有無を判定する。即ち、原稿積載トレイ101は、上昇動作を一旦停止し、想定ステップ数(既定の回転量S0)より小さい所定のステップ数(回転数S2)だけ下降側に移動する。この時、ピックアップローラ102は、下限位置あるいはその近辺にある。そこでCPU401は、ピックアップモータ454を所定量回転させ、ピックアップローラ102を給送位置(下降位置)→上方の退避位置(最上位置)→給送位置(下降位置)に連続して移動させると共に、原稿面検知センサ201の出力変化をモニタする。原稿面検知センサ201の状態が正常であれば、ピックアップローラ102が最下限位置まで下降した状態では、原稿面検知センサ201の出力は、原稿面の有無に連動してオン・オフする。
また、ピックアップローラ102が退避位置(最上位置)に上昇した状態(図5(d))では、原稿面検知センサ201の出力は、オン信号の出力状態で固定(オン固定)となる。よって、ピックアップローラ102が上方退避位置にあるにも拘わらず原稿面検知センサ201の出力がオフであった場合、CPU401は、原稿面検知センサ201で原稿面を検知することはできないと判断する。そして、原稿積載トレイ101の上昇動作を中止することで、搬送不良や異音を防止する。
ここで、前述した想定ステップ数(既定の回転量S0)の決定方法について、図6(a),(b)を参照して説明する。なお、図6は原稿積載トレイ101の各種移動距離を説明するための模式断面図であり、図6(a)は、原稿積載トレイ101が下限に位置して上昇動作を開始しようとしている時の状態を示す断面図である。図6(b)は、トレイ駆動ユニット302のトレイ昇降アーム204を回動させ、下限検知センサ202が初めてオフになる状態まで原稿積載トレイ101を上昇させた時の状態を示す断面図である。
図6(a)において、この時の原稿積載トレイ101の上部面101aと、原稿面検知センサ201が初めてオフになる原稿面高さとの間の距離をD3とする。また、図6(b)に示す状態での原稿積載トレイ101の上部面101aと、装置内で原稿Gが移動可能な最上面との間の距離をD4とする。この際、図6(b)に示すように、装置はD4>D3となるように構成されている。
また、図6(b)に示すように、原稿積載トレイ101の下限位置から下限検知センサ202がオフするまでの原稿積載トレイ101上昇距離をD5とする。このとき、原稿積載トレイ101の上昇動作が一旦停止するまでの想定ステップ数(既定の回転量S0)に相当する移動高さL0を、L0=D5+D3 のように規定する。
ここで、前述したように、上昇動作には遊び量(図4(a)の距離D1,D2)があり、移動高さL0分のステップ数だけリフタモータ461を駆動した時の実際の高さにはバラツキがある。しかし、実際には原稿束(G)を積載した状態で上昇を行うため、移動高さL0分の高さ移動の間には原稿束(G)の最上面が原稿面検知センサ201で検知されると想定する。
以下、画像読取装置200での原稿積載トレイ101の上昇処理について、図8のフローチャートに沿って説明する。即ち、トレイ上昇処理のラベルで始まる処理が開始されると、CPU401は、原稿有無検知センサ205を監視して、原稿積載トレイ101に原稿Gがセットされたか否かを判断する(S600)。その結果、原稿積載トレイ101上に原稿Gが有ると判断した場合には、原稿積載トレイ101の上昇動作を開始するためにステップS601に進む。そしてCPU401は、ステップS601で、原稿面検知センサ201を使用可能にするためにピックアップローラ102を給送位置(下降位置)に移動させてステップS602に進む。ステップS602では、原稿積載トレイ101が下限に位置する状態での原稿面検知センサ201の状態をチェックするために、原稿面検知センサ201はオン状態か否かを判断する。
ここで、原稿面検知センサ201が既にオン状態となっている場合、CPU401は、原稿Gが原稿積載トレイ101に一杯に詰め込まれた満載状態と判断し、原稿積載トレイ101の上昇処理を実行せずに、トレイ満載のため処理を終了させる(S613)。このように本実施形態では、ピックアップローラ102が給送位置に移行すべき初期状態において原稿面検知センサ201が退避位置を検知している際には原稿積載トレイ上の原稿が満載状態であると判断することができる。そして、CPU401は、操作部170に警告をメッセージとして発して、処理を終了させることができる。
一方、ステップS602で、原稿面検知センサ201がオフになっていると判断した場合(S602:NO)、CPU401は、原稿積載トレイ101の上昇開始にあたり、上昇済回数のパラメータを「0」にセットして初期化する(S603)。この上昇済回数のパラメータは、上昇動作開始から、原稿面検知センサ201がオンにならないまま想定ステップ数(既定の回転量S0)だけ上昇した回数をカウントするものである。詳細については後述する。
そして、CPU401は、トレイ昇降アーム204を回動させて原稿積載トレイ101の上昇動作(リフトアップ)を開始させる(S604)。引き続き、CPU401は、原稿積載トレイ101を上昇させながら原稿面検知センサ201がオンするか否かを判断し、原稿面検知センサ201の変化を監視する(S605)。その結果、原稿面検知センサ201がオン出力に変化した場合(S605:YES)にはステップS607に進み、原稿面検知センサ201がオン出力に変化しない場合(S605:NO)にはステップS606に進む。
上記ステップS607は、リフタモータ461駆動時の想定ステップ数(既定の回転量S0)に到達する前に原稿面検知センサ201がオンに変化した状態である。従って、原稿面の上限を検知したと判断し、そこから搬送位置までの高さL1に相当するステップ数S1だけ原稿積載トレイ101を更に上昇させて、その上昇動作を正常に終了させ、トレイ上昇処理を終了させる(S614)。
一方、上記ステップS606で、CPU401は、トレイ駆動ユニット302のリフタモータ461が、原稿積載トレイ101が前述の所定高さL0に到達したと予想される想定ステップ数(S0)だけ回転したか否かを検出する。ここで、原稿面検知センサ201がオンしないまま想定ステップ数(既定の回転量S0)分の回転を完了した場合には、ステップS608に進む。一方、まだ想定ステップ数(S0)分の回転に到達していない場合には、引き続きステップS605,S606の監視を続行する。
上記ステップS608では、想定ステップ数(S0)に達した原稿積載トレイ101の上昇済回数が0回を超えたか否かを判断する。これは、原稿面検知センサ201がオンに変化する前に想定ステップ数(S0)に到達した状態である。ここで、ステップS608では、上昇済回数が0の場合、まだ上昇済時の動作チェックを一度も行っていないので、ステップS609で、上昇済回数をカウントアップして「1」にする。そして、ステップS610で、ピックアップローラ102の一周期動作の邪魔にならないように、原稿積載トレイ101を前述の想定ステップ数(S0)に対応した既定の上昇量L0よりも小さい所定の下降量L2だけ下降させて、ステップS611に進む。
ステップS611において、CPU401は、前述したピックアップローラ102の一周期連続動作を実行する。そしてCPU401は、原稿面検知センサ201の動作をモニタしてステップS612へ進み、ステップS611の一連の動作によって原稿面検知センサ201の出力に変化があったか否かをチェックする。その結果、原稿面検知センサ201の出力がオフ状態のまま変化しなかった場合には(S612:NO)、原稿面検知センサ201の故障が疑われる。そのため、ステップS615で、原稿面検知センサ201の異常として処理を終了させ、原稿積載トレイ101の上昇を中止させる。
一方、ステップS612で、ステップS611における一連の動作で原稿面検知センサ201の出力がオンに変化したタイミングがあった場合(S612:YES)、CPU401は、原稿面検知センサ201自体には異常がなく正常に使用できると判断する。そして、CPU401は、再びステップS604に進み、原稿積載トレイ101のリフトアップ動作を再度開始させる。
また、上記ステップS608で、CPU401は、想定ステップ数(S0)に達した原稿積載トレイ101の上昇済回数が0回を超えたか否かを判断した結果、前回の発生時に以下の動作チェックを実行する。そして、原稿面検知センサ201の信号が変化したにも拘わらず、再度の原稿積載トレイ101の上昇動作では、原稿面検知センサ201が変化しなかったことを示す。これは、原稿面検知センサ201の異常ではなく、何らかの駆動系の要因で原稿積載トレイ101自体が上昇できない状態である。そのため、ステップS616にて、CPU401は、トレイ昇降アーム204を含む駆動系の異常として処理を終了させ、原稿積載トレイ101の上昇を中止させる。
なお、本実施形態では、原稿積載トレイ101が一旦停止するまでの想定ステップ数(既定の回転量S0)に相当する移動高さ(初期上昇量)L0は、図6で説明したように、上昇量の設計値に基づいて演算で決定したが、これに限られるものではない。即ち、前述した通り、上昇量には装置の遊び量である距離D1,D2等によりバラツキがあるため、例えば、工場での組み立て工程において装置ごとの上昇量を複数回測定し、結果に基づいて最適な上昇量を各個体別にデータとして保持しておくことも可能である。また、経時変化によって距離D1,D2に変化が生じることも考えられる。よって、支持した上昇量L0と実際に検知された上昇量との差分を毎回比較し、L0の値を更新して最新の状況に合わせることも可能である。
ここで、図6(a)において、ユーザが極めて大量の原稿Gを原稿積載トレイ101上に積載して原稿束(G)の高さがD3より高かった場合の動作について考える。その場合、原稿面検知センサ201が検知できていれば図8のステップS602において満載と検知されて処理が終了するため、原稿積載トレイ101の上昇動作は実行されない。しかしながら、原稿面検知センサ201の接続不良や引っ掛かり等が起こった状態ではステップS602の満載検知は実行できない。その場合は、以下のような構成とすることも考えられる。例えばリフタモータ461をDCモータから構成し、その駆動電流をモニタすることで、駆動電流の変化により、原稿積載トレイ101上に積載された原稿束(G)の重さを推定することが可能となる。そして、推定された重さから原稿束(G)の推定高さHを決定し、H>D3の場合に満載の可能性ありと判定するように、チェック制御を切り替えることが可能である。
H<D3の場合には満載の可能性無しとして、下限検知センサ202がオフするまでの理論値D5だけ上昇した時点でチェックを実行する。その結果、原稿面検知センサ201がオフのままで変化がなければ、CPU401は、ピックアップローラ102を一回転させる前述した動作を実行する。そして、CPU401は、下限検知センサ202がオフするまでの理論値D5+D3だけ上昇させた時点でチェックを実行し、原稿面検知センサ201がオフのまま変化がなければ、ピックアップローラ102を一回転させる前述した動作を実行する。以上の構成例では、原稿積載トレイ101に積載した原稿の高さHを検知する手段としてDCモータの駆動電流を使用した。しかし、検知手段はこれに限られるものではなく、例えば原稿積載トレイ101の上昇経路上に光学センサを設置する等、他の手段を用いて実現することも可能である。
以上のように、上記センサ201の検知結果が上記ローラ102の位置に依存するADF100にて、原稿積載トレイ101の上昇時に、既定の駆動距離分の上昇動作を実行した後に上記センサ201が上限に達したことを検知しなかった際は既述の制御を行う。即ち、CPU401は、ピックアップローラ102を駆動させて原稿面検知センサ201の動作チェックを実行し、原稿面検知センサ201の動作が確認された場合には、再度原稿積載トレイ101の上昇動作を行う。
つまり、ピックアップローラ102がピックアップモータ454で強制的に上昇させられる際に原稿面検知センサ201が退避位置を検知しない時には、原稿面検知センサ201の異常と判断して原稿積載トレイ101の上昇処理を中止させる。そして、原稿面検知センサ201が退避位置を検知した時には、トレイ昇降アーム204により原稿積載トレイ101を介して原稿面検知センサ201に退避位置を検知させるように原稿積載トレイ101を上昇させる。その結果、原稿面検知センサ201が退避位置を検知しなければ、CPU401は、トレイ昇降アーム204を含む駆動系の異常と判断して、原稿積載トレイ101の上昇処理を中止させる。
これにより、原稿積載トレイ101をトレイ昇降アーム204で上昇させる際に原稿面検知センサ201が退避位置を検知する正常時には、通常の処理に移行することが可能である。そして、トレイ昇降アーム204で上昇させる際に退避位置を検知しない異常時にのみ、次の検知を行うことが可能になる。即ち、トレイ昇降アーム204で上昇させる際に退避位置を検知しない異常時にのみ、ピックアップモータ454でピックアップローラ102を強制的に動作させて検知状態を確認する。その結果、異常と判断した場合には原稿積載トレイ101の上昇処理を中止させることが可能になる。これにより、原稿積載トレイ101を可能な限り迅速に上昇させることができる。そして、正常動作時におけるFCOTの遅延を回避しつつ、原稿面検知センサ201が正常に機能しない場合においても原稿積載トレイ101が給送位置で停止されずに異音が発生する等の異常動作を防止可能にすることができる。
なお、本実施形態では、電子写真方式の画像形成装置60を用いて説明したが、これに代えて、例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に用いることも可能である。
20…画像形成部(画像形成手段)/60…画像形成装置/100…ADF(シート給送装置)/101…原稿積載トレイ(積載手段)/102…ピックアップローラ(給送手段)/170…操作部/201…原稿面検知センサ(検知手段)/204…トレイ昇降アーム(積載昇降手段)/401…CPU(制御手段)/454…ピックアップモータ(給送昇降手段)/G…原稿(シート)/S…シート
Claims (4)
- シートが積載されて昇降可能な積載手段と、
前記積載手段上のシートに接して給送可能な給送手段と、
前記給送手段の最上位置と前記最上位置から下降した下降位置とを検知可能な検知手段と、
前記積載手段を昇降させる積載昇降手段と、
前記給送手段を昇降させる給送昇降手段と、
前記給送手段が前記給送昇降手段により上昇させられる際に前記検知手段が前記最上位置を検知しない時には、前記検知手段の異常と判断して前記積載手段の上昇処理を中止させ、前記検知手段が前記最上位置を検知した時には、前記積載昇降手段により前記積載手段を介して前記検知手段に前記最上位置を検知させるように前記積載手段を上昇させて、前記検知手段が前記最上位置を検知しなければ前記積載昇降手段の異常と判断して前記積載手段の上昇処理を中止させる制御手段と、
を備えたことを特徴とするシート給送装置。 - 前記最上位置は、前記積載手段に積載されたシートによって押し上げられた前記給送手段が前記検知手段により検知される位置であり、
前記下降位置は、前記最上位置から下降して前記検知手段による検知状態から外れる位置である、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。 - 前記制御手段は、前記給送手段が前記下降位置に移行すべき初期状態において前記検知手段が前記最上位置を検知している場合には前記積載手段上のシートが満載状態であると判断し、警告を発して処理を終了させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート給送装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置と、
前記シート給送装置により送り出されたシートの画像情報に基づいてシートに画像を形成する画像形成手段と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015148294A JP2017024899A (ja) | 2015-07-28 | 2015-07-28 | シート給送装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015148294A JP2017024899A (ja) | 2015-07-28 | 2015-07-28 | シート給送装置及び画像形成装置 |
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JP2017024899A true JP2017024899A (ja) | 2017-02-02 |
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ID=57950116
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017024899A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018135171A (ja) * | 2017-02-21 | 2018-08-30 | キヤノン株式会社 | シート給送装置及び画像形成装置 |
JP2018188231A (ja) * | 2017-04-28 | 2018-11-29 | キヤノン株式会社 | シート搬送装置、画像読取装置、および画像形成装置 |
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JP2020138852A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | ブラザー工業株式会社 | 画像読取装置 |
JP7508762B2 (ja) | 2019-02-28 | 2024-07-02 | ブラザー工業株式会社 | 画像読取装置 |
-
2015
- 2015-07-28 JP JP2015148294A patent/JP2017024899A/ja active Pending
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