JP2017024228A - インクジェットプリントヘッドの洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

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【課題】印刷時に不吐出等の不具合を発生させたインクジェットプリントヘッドを、短時間で不具合を解消させ、印刷を再開させることが可能になる、小型で設置場所の自由度が高いインクジェットプリントヘッドの洗浄方法及び洗浄装置を提供する。【解決手段】洗浄すべきインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機に取り付けた状態で、不吐出や吐出不良要因となる異物を溶解すると共に洗い流すための洗浄液をインクジェットプリントヘッドの流路内に供給し、洗浄すべきインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機に取り付けた状態で、インクジェットプリントヘッドの洗浄を行う。【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェットプリントヘッドを洗浄するインクジェットプリントヘッドの洗浄方法及び洗浄装置に関する。
インクジェットプリントヘッドは、数十μmという微小なノズルから水性インクやUVインク等が吐出され、この吐出されたインクを紙やフィルムに着弾させて印刷を行う。この微小なノズルに不吐出や吐出不良要因となる異物が堆積してノズルからのインクの吐出不良を発生させ、印刷工程を遅らせる等の大きな原因となっていた。
このような、ノズルの詰まりを解消する第1の手段として、超音波洗浄装置により洗浄液に浸漬させたインクジェットプリントヘッドに超音波を与え、汚れを遊離させた後浮上させ、吸引する除去方法がある(特許文献1参照)。具体的にはこの洗浄方法を実施するインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、インクジェットプリントヘッドが浸漬される洗浄液を収容してその洗浄液に超音波振動を加えるヘッド浸漬容器と、インクジェットプリントヘッドを保持し、ヘッド浸漬容器内の洗浄液にインクジェットヘッドを出し入れ自在に浸漬する浸漬部と、インクジェットプリントヘッドのインク供給口に連通してヘッド浸漬容器内で超音波振動する洗浄液に浸漬部により浸漬されたインクジェットプリントヘッドのインク流路に洗浄液を流通させる流通部と、インクジェットプリントヘッドのインク供給口に連通してヘッド浸漬容器内で超音波振動する洗浄液から浸漬部により引き上げられたインクジェットプリントヘッドのインク流路に気体を送りそのインク流路を乾燥させる乾燥部を具備している。
また、第2の手段として、オーバーフロー部に洗浄液が流れるように構成された洗浄槽を備え、洗浄液にヘッドを浸漬させ、洗浄液の流れを作ることで異物を残存させずに洗浄する方法がある(特許文献2参照)。具体的にはこの洗浄方法を実施するインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、洗浄液を溜めると共にその洗浄液を供給するための第1配管によって切替バルブに連結する洗浄液容器と、インクジェットヘッドから吐出する廃液を受けると共に、その廃液を供給するための第4配管によってフィルターに連結する廃液容器と、第4配管から供給される廃液を濾過し洗浄液を再生すると共にその洗浄液を供給するための第5配管と連結するフィルターと、第1配管または第5配管の一方の配管から供給される洗浄液を排他的に選択すると共にその選択された洗浄液を供給するための第2配管によってポンプと連結する切替えバルブと、第2配管から供給される洗浄液を加圧すると共にその加圧された洗浄液を供給するための第3配管によってインクジェットヘッドに連結するようにしたポンプとを具備している。
さらに、第3の手段として、廃液を濾過し再生する循環系を備え、洗浄を行うことで洗浄液の必要量が少なくできる洗浄装置がある(特許文献3参照)。具体的にはこの洗浄装置は、機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、機能液滴吐出ヘッドのノズル面に密接する吸引キャップと、吸引キャップを介して、ヘッド内流路に洗浄液を通液して洗浄を行う吸引機構と、吸引流路に介設したサンプリング機構と、吸引手段を制御すると共に、通常洗浄モードとサンプリング洗浄モードとの間でモード切替え可能に構成された制御装置とを具備している。
特許第4503941号公報 特開2009−119371号公報 特開2004−066735号公報
液滴吐出によって印刷されるインクジェット印刷機には、後述するように極めて多数のインクジェットプリントヘッドが装着される。そして、インクジェットプリントヘッドの吐出不良が発生するたびに、新品のインクジェットプリントヘッドもしくはメンテナンス済みのインクジェットプリントヘッドと交換したとすると、高額なインクジェットプリントヘッドを予備として準備する必要がある。全てのインクジェットプリントヘッドが不良になることを予想すると、最低でも数十個からインクジェット印刷機を複数セット備えている場合は百個以上が必要となり、予備のインクジェットプリントヘッドを準備するには多大なコストがかかっていた。
一方、上述した特許文献及び該特許文献の中に記載されているノズル詰まり解消手段は、下記のような不都合があった。具体的には特許文献1に記載された内容では、インクジェットプリントヘッドを超音波振動する洗浄液に浸漬させると明記されているが、超音波が全体に伝わりにくい、もしくは伝わっているかの判断が付かないことがある。この場合、もしインクジェットプリントヘッドを再装着した際、吐出不良等の不具合が起きたとすると、最初から作業をし直さなくてはならない。
また、洗浄液から引き上げたインクジェットプリントヘッドに気体を送り、乾燥させる工程は手間がかかり、該ヘッドの復帰までに時間がかかる場合がある。さらに、同文献での明記書中の記載及び図面に示す構成を参照すると、ヘッドが洗浄液に全て浸漬している点が開示されているが、ヘッドには通常、インクを温めるためのヒーターや基板等もセットされていることが知られており、それを全て洗浄液に浸漬するのは洗浄後のインクジェットプリントヘッドの動作不良などの故障に繋がり、洗浄方法として現実的ではない。
また、特許文献2に記載された内容では、インクジェットプリントヘッドのノズル側周面を洗浄液に浸漬させ、ノズル側周面のみを洗浄することを課題としているが、インクジェットプリントヘッド内部全体を洗浄しなければ、ノズル詰まりが完全に解消するとは考えにくく、異物が残っている可能性が高い。また、ヘッドを再装着して印刷を開始しても、吐出不良やインク吐出方向が予め規定された方向からずれてしまう所謂ミスディレクション等の不具合が程なく生じる畏れがある。
さらに、特許文献3に記載された内容では、廃液を濾過し洗浄液を再生し洗浄するとあるが、インクジェット印刷で使用される所謂水性インクやUVインクは汚れが落ちにくいとされている。そのようなインク汚れを濾過するフィルター等、所謂消耗品は、頻繁に交換するおそれがあり、コストがかかることが懸念される。また、フィルター等の消耗品の交換時期なども定期的に行わなくてはならず、作業員の負担となることが考えられる。濾過装置を他社から購入する場合、初期費用及びその後のメンテナンス費用等も発生することが考えられる。
以上に加えて、上述した従来技術では多数のインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機からすべて取り外し、1個ずつ洗浄作業を行なわなければならない。その結果、印刷中に不具合が発生すると、インクジェットプリントヘッドの取外し及び取付け作業等、復帰までに時間がかかり、印刷工程の遅れや作業者の焦りなどから思いがけないミスが発生することも懸念され、作業者に負担がかかる。また、問題の発生していない別のインクジェットプリントヘッドを誤って取り外してしまうこともあり、その分余計な作業工数を要してしまう。
また、洗浄のためにインクジェット印刷機から一旦取り外したインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機に再び取り付ける際、ロボットや特別な治具を用いて規定通りの位置に再び取り付けないとインクジェットプリントヘッドに対応する印刷エリアにわずかなずれが生じて、品質上、良品とされるきれいな印刷面とすることができない。しかしながら、個々のインクジェットプリントヘッドの全てについて、上述のように正確な位置決めを行っていたのでは、印刷工程に遅れが生じてしまう。
特に、インクジェット印刷機を例えば日刊紙の印刷に利用する場合、毎日、朝刊と夕刊を印刷しなければならない関係上、印刷機の停止時間及び非稼働時間が限られている。この時間内に多数のインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機からすべて取り外し1つずつ洗浄し、再びインクジェット印刷機に取り付けていたのでは、取付け時の個々のインクジェットプリントヘッドの正規の取付け位置出し作業がおろそかになって、上述のような印刷時の不具合が生じてしまう。
一方、個々のインクジェットプリントヘッドについて正規の取付け位置出し作業を行なっていたのではメンテナンスに長時間要してしまい、日刊紙の予め決められた印刷時間帯にメンテナンスを終えることができず、新聞の配布遅延という問題から始まり、新聞を発行している新聞社のブランドの信用を低下させ、読者離れを招く虞がある。
本発明の目的は、印刷時に不吐出等の不具合を発生させたインクジェットプリントヘッドを、短時間で不具合を解消させ、印刷を再開させることが可能な、小型で設置場所の自由度が高いインクジェットプリントヘッドの洗浄方法及び洗浄装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために本発明の請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法は、1つ又は複数のインクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取り外すことなく洗浄可能なインクジェットプリントヘッドの洗浄方法であって、前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、不吐出や吐出不良要因となる異物を溶解すると共に洗い流すための洗浄液を前記インクジェットプリントヘッドの流路内に供給し、前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、前記インクジェットプリントヘッドの流路内のノズルから前記洗浄液を吐出させ、前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、前記洗浄後の洗浄液を廃液として前記インクジェットプリントヘッドから排出することを特徴としている。
また、本発明の請求項2に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、1つ又は複数のインクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取り外すことなく洗浄可能なインクジェットプリントヘッドの洗浄装置であって、前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、不吐出や吐出不良要因となる異物を溶解すると共に洗い流すための洗浄液を前記インクジェットプリントヘッドの流路内に供給すると共に、前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、前記インクジェットプリントヘッドの流路内のノズルから前記洗浄液を吐出させ、かつ前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、前記洗浄後の洗浄液を廃液として前記インクジェットプリントヘッドから排出する構造を備えたことを特徴としている。
また、本発明の請求項3に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、請求項2に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置において、前記インクジェット印刷機の所定位置に備わった洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを洗浄する位置とその他の位置との間を移動可能となったことを特徴としている。
また、本発明の請求項4に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、請求項3に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置において、洗浄前の洗浄液を貯めておく洗浄液タンクと洗浄後の洗浄液を貯めておく廃液タンクと共に載置可能な載置部を備えると共に、当該載置部が作業者負担軽減機構を備えたことを特徴としている。
また、本発明の請求項5に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法は、請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法において、前記インクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取外すことなく、洗浄可能なことに加えて、前記インクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取り外した状態でも洗浄可能なことを特徴としている。
また、本発明の請求項6に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、請求項2に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置において、前記インクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取外すことなく、洗浄可能なことに加えて、前記インクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取り外した状態でも洗浄可能なことを特徴としている。
また、本発明の請求項7に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法は、請求項1又は請求項5に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法において、前記洗浄液を前記インクジェットプリントヘッドの流路内に供給する前に洗浄に適した所定温度となるように温めることを特徴としている。
また、本発明の請求項8に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、請求項2乃至請求項5、請求項6の何れかに記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置において、前記洗浄液を前記インクジェットプリントヘッドの流路内に供給する前に洗浄に適した所定温度となるように温める加熱手段を有したことを特徴としている。
また、本発明の請求項9に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法は、請求項1、請求項5、請求項7の何れかに記載されたインクジェットプリントヘッドの洗浄方法において、前記洗浄後の洗浄液の洗浄したインクの着色の程度が所定の程度まで低下した場合に前記インクジェットプリントヘッドの洗浄を終了することを特徴としている。
また、本発明の請求項10に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、請求項2乃至請求項4、請求項6、請求項8の何れかに記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置において、前記洗浄後の洗浄液の洗浄したインクの着色の程度が所定の程度まで低下した場合に前記インクジェットプリントヘッドの洗浄を終了する洗浄終了判断装置を更に備えたことを特徴としている。
本発明によると、印刷時に不吐出等の不具合を発生させたインクジェットプリントヘッドを、短時間で不具合を解消させ、印刷を再開させることが可能な、小型で設置場所の自由度が高いインクジェットプリントヘッドの洗浄方法及び洗浄装置を提供する。
本発明に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の使用対象となるインクジェット印刷機の全体構成を示す図である。 図1に示したインクジェット印刷機の左側に配置された第1印刷部、即ち片面を印刷する印刷部を、一部二点鎖線で描いた状態でインクジェットプリントヘッドの配置が分かるようにした説明図である。 図2に示したインクジェット印刷機に多数備わるインクジェットプリントヘッドのノズルと反対側(インクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機に取り付けた状態での上側)から見た多数のインクジェットプリントヘッドの配置状態(取付状態)を概略的に示す平面図である。 図3に示したインクジェット印刷機に備わるインクジェットプリントヘッドのノズル面(ノズル配列の一例)の平面図である。 インクジェットプリントヘッドのノズルからインクが吐出する際の正常な状況と不具合状況を示す図であり、ノズル正常時のインク吐出状態を示す図(図5(a))、ノズル不具合時(所謂ミスディレクションと呼ばれる飛行曲がり(サテライトを含む))のインク吐出状態を示す図(図5(b)、(c))、ノズルが詰まってインク不吐出時となった状態を示す図(図5(d))である。 本発明に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の第1の実施形態を示す正面図である。 図6に示したインクジェットプリントヘッドの洗浄装置を示す側面図である。 図6及び図7に示したインクジェットプリントヘッドの洗浄装置上に備わり洗浄液ホースを所定の温度に加熱するスパイラルヒーターであって、第2の実施形態に備えることも可能なスパイラルヒーターを示す平面図である。 第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の第1の洗浄方法を説明するフローチャートである。 第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の第2の洗浄方法を説明するフローチャートである。 第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の第3の洗浄方法を説明するフローチャートである。 印字テストパターン結果(ブラック(BK))を示す図であり、洗浄前の(不具合時の)ベタもしくは格子刷りを示す図(図12の左側)、洗浄後の(不具合解消時の)ベタもしくは格子刷りを示す図(図12の右側)である。 本発明に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の第2の実施形態を示す側面図である。 図13に示したインクジェットプリントヘッドの楕円で囲まれた領域を部分的に拡大して示す正面図である。 第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置を利用した洗浄方法の一例を説明するフローチャートである。
本発明の第1及び第2の実施形態(以下、適宜「本実施形態」とする)に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置は、ロール状に巻かれた連続紙であって巻きほぐされた後に所定方向に走行した状態の連続紙に印刷するインクジェット印刷機に備わるインクジェットプリントヘッドの洗浄に利用される。なお、インクジェットプリントヘッドは、走行中の連続紙に対してインクジェット印刷機内の所定位置に多数固定配置されている。
本実施形態に係るインクジェット印刷機は、連続紙にカラー印刷することが可能となっており、印刷エリアは、連続紙の走行方向に並べて配置された連続紙にカラー印刷するための異なる色の複数のインクジェットプリントヘッドに対応した複数の印刷エリアからなる。また、使用されるインクは本発明記載の場合、水性インクであるが、水性インクの代わりにUVインクを本発明に使用しても良い。
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100の適用対象となるインクジェット印刷機10をその上流工程に設置される給紙装置20と、給紙に装着された巻取紙WRと、その下流工程に設置される折装置30、セクション装置40、及びチョッパー装置50と共に示す図である。
インクジェット印刷機10は、ロール状に巻かれた連続紙WRを巻きほぐして一定の速度(増速時及び減速時も含む)で走行させた連続紙に対して所定の位置にインクジェットプリントヘッド500(図2乃至図4参照)を固定配置し、連続走行する連続紙の片面もしくは両面に単色又はカラー印刷する装置である。また、折装置30は、インクジェット印刷機10から連続的に供給される連続紙を所定の長さに切断すると共に折り畳む装置である。また、セクション装置40は、折装置30によって切断され折られた印刷紙をその印刷物の種類ごとに集積する装置である。また、チョッパー装置50は、セクション装置40によって集積された印刷物を所定のサイズに折り畳む装置である。これらの装置によって、新聞、マガジン、チラシ、カタログ、マニュアル等様々な印刷物を印刷可能としている。
図2は、図1に示したインクジェット印刷機10の左側に配置された第1印刷部10A、即ち、片面を印刷する印刷部を、一部二点鎖線で描いた状態でインクジェットプリントヘッド500(510,520,530,540)の配置が分かるようにした説明図である。また、図3は、図2に示したインクジェット印刷機10Aに多数備わるインクジェットプリントヘッド500のノズルと反対側(インクジェットプリントヘッド500をインクジェット印刷機10Aに取り付けた状態での上側)から見た多数のインクジェットプリントヘッド500の配置状態(取付状態)を概略的に示す平面図である。
第1印刷部10Aは、図3に示すように、印刷色に応じて4つの印刷エリア510A,520A,530A,540Aに分かれており、左側からブラック(BK)印刷エリア510A、シアン(C)印刷エリア520A、マゼンダ(M)印刷エリア530A、イエロー(Y)印刷エリア540Aとして構成されている。そして、各印刷エリアにおいては、インクジェット印刷機10Aの印刷部において図示するようにA1〜A5、B1〜B5の取付け位置にインクジェットプリントヘッド500(510,520,530,540)が取り付けられている。また、図中下側はオペレーションサイドOSといい、作業者が各インクジェットプリントヘッド500まで手を入れることができるようになっている。つまり、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100に備わった洗浄液ホース150や廃液ホース190を作業者が手作業で上述した各インクジェットプリントヘッド500に取り外しができる側となっている。
一方、図中上側はドライブサイドDSという。なお、DSには印刷時にインクジェットプリントヘッド500に供給する各色のインクのインクタンク、バッファタンクや廃液タンクが配置されており、こちらからは作業者が各インクジェットプリントヘッド500に向かって手を入れることができないようになっている。なお、図中左右の両端においては一定の作業空間が確保され、作業者が手を入れることができるようになっている。
従って、図3においてブラック(BK)印刷エリア510Aにおいては、インクジェットプリントヘッドの取付け位置A2,B2に対して作業者の手が届きにくく、シアン(C)印刷エリア520A及びマゼンダ(M)印刷エリア530Aにおいてはインクジェットプリントヘッドの取付け位置A1〜A3及びB1〜B3に対して作業者の手が届きにくくなっている。また、イエロー(Y)印刷エリア540Aには、インクジェットプリントヘッドの取付け位置A1及びA3、B1及びB3に対して作業者の手が届きにくくなっている。
各インクジェットプリントヘッド500は、図4に示すように直径数十μmのノズル501が多数設けられている。なお、図4においては、ノズル孔の配列の一例を点線で示している。同図から分かるように、各ノズル501がインクジェット印刷機内を走行するウェブに対して正確な位置に対応するように配置されていないと、印刷品質に悪影響を及ぼす。
続いて、インクの吐出状態について正常な吐出状態と異常な吐出状態をそれぞれ説明する。図5(a)は、インクジェットプリントヘッド500のノズル501から正常に吐出した状態を示している。この場合インクジェットノズルヘッド500のメニスカス(インクが不容易に吹き出さないように負圧をかけ維持するために形成されるインク面)502を形成するノズル501からインクの液滴601が正しい方向(図中では垂直下方)に吐出しているのが分かる。
図5(b)は、ノズル乾燥による増粘異物593がインクジェットプリントヘッド500のノズル501の図中左側についた場合の吐出状況を示している。同図から明らかなように、このような増粘異物593がインクジェットプリントヘッド500のノズル501の図示する部分に付着すると、インクの液滴601が図5(a)に示すように正しい方向に吐出せず、図中左側下方に斜めに向かって吐出する所謂ミスディレクションと呼ばれる飛行曲がり(サテライト(ノズルから吐出されたインクの液滴の主滴から遅れて分離した極小の液滴)を含む)現象が生じてしまうことが分かる。
図5(c)は、ノズル乾燥による増粘異物593がインクジェットプリントヘッド500のノズル501の図中右側についた場合の吐出状況を示している。同図から明らかなように、このような増粘異物593がインクジェットプリントヘッド500のノズル501の図示する部分に付着すると、インクの液滴601が図5(a)に示すように正しい方向に吐出せず、図中右側下方に斜めに向かって吐出する所謂ミスディレクションと呼ばれる飛行曲がり現象が生じてしまうことが分かる。
図5(d)は、インクジェットプリントヘッド500内にインクに含まれる異物594やメニスカス502の部分にインクが乾燥して増粘異物593を形成すると共に、インクジェットプリントヘッド500のノズル501の部分に乾燥による増粘異物593が全体的に付着した状態を示している。この図からインクの液滴601はこれらの増粘異物593や異物594によってノズルから吐出することができなくなっているのが分かる。
以上の説明及び図3乃至図5から明らかなように、従来のようにインクジェット印刷機内全てのインクジェットプリントヘッド500を取り外してそれぞれインクジェット印刷機の外側で洗浄する作業を行う場合、インクジェットプリントヘッド500の取り外し作業と取り付け作業に多大な時間を要すると共に、上述した様な作業者の手が届きにくいインクジェットプリントヘッド500の取り外し作業及び取り付け作業に大変手間取ってしまうことが理解できる。
その上、洗浄後の多数のインクジェットプリントヘッド500をインクジェット印刷機内に取り付ける際に上述した様な作業者の手の届きにくい部分においては、インクジェットプリントヘッド500を正確に位置決めして取り付けることが難しいことが理解できる。
一方、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100は、インクジェットプリントヘッド500の洗浄工程中これらをインクジェット印刷機10Aから取外すことなく作業者が洗浄液ホース150と廃液ホース190を手作業で各インクジェットプリントヘッド500に接続するようになっているので、以上の様な不具合が生じることはない。このような従来技術に比べた本実施形態の優位点を図面に基づいて以下に具体的に説明する。
最初に第1の実施形態に係るインジェットプリントヘッドの洗浄装置100の構成について説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100を示す正面図である。また、図7は、図6に示したインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100の側面図である。また、洗浄液タンク910,920や、廃液タンク950をスライドして取り出す時に開ける開閉扉161をインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100の正面と背面に備えている。また、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置100の上部には、洗浄液ホース150と廃液ホース190を装置自体に接続するときに開ける蓋162を備えている。なお、図7の右側において横向きに立った洗浄作業者が描かれているが、この作業者と比較することでインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100が如何に小型であるかを理解できる。
本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100は、断面L型の金属製フレームを直方体状に組み付けて形成される架台110と、架台110の上面に取り付けられた各種装置載置部120と、架台110の下部に設けられたタンク載置部130と、架台110の下側に取り付けられ、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置100を移動可能とする4つキャスター140と、を有している。
タンク載置部130は厚板の鉄板でできており、架台110の下側フレーム101に水平状態を保つように固定されたベース板131と、ベース板131の側の上面にスライド可能に設置されたスライド板132を有している。そして、本実施形態の場合、装置制御ボックス810が取り付けられると共に、スライド板132には第1の洗浄液タンク910と第2の洗浄液タンク920、及び廃液タンク950が置かれるようになっている。スライド板132は、これを水平方向に引っ張ることにより上述した2つの洗浄液タンク910,920と廃液タンク950を架台110の外側に引き出すことができ、洗浄液タンク910,920に洗浄液を充填する際や廃液タンク950内の廃液を廃棄する際の作業者の負担軽減を図っている。
なお、スライド板132を上述の3つのタンクに対応させて三分割しても良い。これによって、洗浄液の補充や廃液の廃棄を行う場合に、対象となるタンクに対応するスライド板を引き出すだけで作業を行うことができるので、作業者の更なる負担軽減につながる。
各種装置設置部120は、矩形状の鉄板でできており架台110の上部に固定されている。各種装置載置部120の上面には、安全弁124と、安全弁124に接続された配管122と、配管122の途中に設けられた複数の電磁弁123と、ポンプ(図示せず)と、配管122の端部に備わった洗浄液ホース差込口125と、操作パネル126と、パトライト(登録商標)(図示せず)を有している。なお、このパトライト(登録商標)は必ずしも取り付ける必要は無い。
配管122は、洗浄液を供給するためのもので、各種装置設置部120に沿って延在しており、一方の端部がポンプに接続され、他方の端部は閉塞されている。ポンプ(図示せず)は、2つの洗浄液タンク910,920から洗浄液を吸い上げて配管122に洗浄液を流し込むためのものである。
そして、配管122の一方の端部には2つの洗浄液タンク910,920から洗浄液をそれぞれ吸い上げる2本の洗浄液ホース911,921の上端部が接続されている。また、配管122の他方の端部からは洗浄液タンク910,920から吸い上げられた洗浄液をインクジェット印刷機10Aに取り付けられた洗浄すべきインクジェットプリントヘッド500に供給する洗浄液ホース150の一端が接続されている。
複数の電磁弁123は、それぞれの設置箇所で配管内の洗浄液を流したり止めたりする開閉弁としての役目を果たしている。安全弁124は、インクジェットプリントヘッド500に洗浄液が供給されてインクジェットプリントヘッド自体が破損するのを防止するためのもので、配管内の洗浄液が一定の圧力に達するとインクジェットプリントヘッド500が破損しないように洗浄液を廃液タンク950に直接流し込むようになっている。
洗浄液ホース150は、テフロン(登録商標)樹脂などの耐食性及び耐久性に優れた材質でできており、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置100からインクジェット印刷機内の奥側に取り付けられたインクジェットプリントヘッド500に達する十分な長さを有している。
また、廃液ホース190もテフロン(登録商標)樹脂などの耐食性及び耐久性に優れた材質でできており、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置100からインクジェット印刷機内の奥側に取り付けられたインクジェットプリントヘッド500に達する十分な長さを有している。
具体的には、洗浄液ホース150のインクジェットプリントヘッド側端部は、図3に示す全てのインクジェットプリントヘッド500に接続可能とされ、装置側端部は、図6及び図7に示すインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100の配管122に洗浄液ホース差込口125を介して接続されるのに十分な長さを有する。なお、図3においては、点線で示す洗浄液ホース150及び廃液ホース190をシアン印刷エリア520Aの図中左下に取り付けられたインクジェットプリントヘッド520に接続した形態を一例として示している。
また、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置100は、洗浄液をインクジェットプリントヘッド500の流路内に供給する前に洗浄に適した所定の温度となるように温めるヒーターなどの加熱装置を有している。具体的には、洗浄液ホース150の、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置上に位置する部分においてスパイラルヒーター155が一定の長さに亘って巻かれている。そして、洗浄液が所定の温度でインクジェットプリントヘッド500に供給されるようにこのスパイラルヒーター155で洗浄液が所定温度まで加熱される。なお、図8は、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置上に備わり洗浄液ホース150を所定の温度に加熱するスパイラルヒーター155を示す平面図である。スパイラルヒーター155は、スパイラル形状で、ホース等に巻き付けることが可能なヒーターである。
操作パネル126は、指によるタッチスイッチ付きのディスプレイからなり、洗浄作業の開始や終了、洗浄液の加熱温度の設定、洗浄モードの切り替えなどをその内容を確認しながら作業者が手動操作できるようになっている。操作パネル126の近傍にはパトライト(登録商標)(図示せず)は、ブザーとライトの組み合わせからなり、ブザーとライトによりインクジェットプリントヘッド500の洗浄作業中、洗浄終了時及び異常発生時であることを周囲に知らせる。
そして、インクジェットプリントヘッド500の洗浄作業を実際に行うにあたって、インクの吐出不良となったインクジェットプリントヘッド500のインクカップリング(軸継手)に作業者がチューブを直接繋ぎ、汚れの頻度によって使い分けることができる洗浄液を、操作パネル126の操作及びこれに伴う電磁弁123の開閉によって洗浄液ホース150に所定の圧力で流し込み、洗浄液をインクジェットプリントヘッド500のノズル501から連続吐出させる。なお、吐出した廃液はインクジェットプリントヘッド500の下方に備わる受け皿(図示せず)を介してDS側に配置されている廃液タンクに流れていく。即ち、本実施形態では異物を溶解または洗い流す洗浄作業をインクジェット印刷機10Aにインクジェットプリントヘッド500を取り付けたまま実施することに特徴がある。
以下、第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの幾つかの洗浄方法(洗浄作業)をフローチャートに従って具体的に説明する。
まず、洗浄作業を行うに先立って不具合の内容について目視により確認する。以下に不具合の具体的な確認方法について説明する。ここで不具合とは、例えば、色合い、スジムラ、見当精度、モアレ等紙面不具合状況などを言い、不具合状況の吐出不良とエアが混入した場合の有無の目視による確認方法は以下の通りとなる。
不具合紙面が定期的に生じる場合は、ノズルに異物や増粘異物が生じていると判断できる。これは、特定のノズルが吐出不良となるためである。一方、不具合紙面が不定期で生じる場合は、ノズルからエアが吐出していると判断できる。これは、エアはどのタイミングで入るか分からない為である。このような理由によって、これらの不具合状況を目視で簡単に確認することができる。なおこれらの不具合状況については後に詳細に説明する。
最初にエアが混入した場合のインクジェットプリントヘッド洗浄方法(第1の洗浄方法)をフローチャートに基づいて説明する。図9は、第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置100の第1の洗浄方法を説明するフローチャートである。
このインクジェットプリントヘッドの洗浄方法を実施するにあたって前準備を行う。この前準備を以下に説明する。最初にインクジェットプリントヘッドのインクの流路口への印刷時に使用するホースを外す。次いで、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置の洗浄用ホースと洗浄後の廃液ホースをインクジェットプリントヘッドの流路口に接続する。
インクにエアが混入した場合の洗浄を開始する(ステップS100)。まず残留液を除去する(ステップS101)。具体的にはインクジェットプリントヘッドの洗浄装置のスタート動作により、インクジェットプリントヘッド内の残留液、即ちインクを排出する。そして洗浄液にて洗浄を行う(ステップS102)。そして洗浄準備段階とは逆のように洗浄用ホースと洗浄後廃液ホースをインクジェットプリントヘッドの流路口からはずし、この流路口に印刷時に使用するホースを接続したのちにインクを充填する(ステップ103)。そして所定のテストパターンに印刷する印刷テストを行う(ステップS104)。そして不具合が解消されたか否かの確認を行い(ステップS105)、不具合が解消された場合はエア混入時のインクジェットプリントヘッドの洗浄ルーチンを終了する(ステップS106)。
一方、不具合が解消されていない場合は、ホース入れ替えをした後ステップS102からステップS105まで繰り返し、上述した不具合が解消したと判断した場合はインクジェットプリントヘッドの洗浄ルーチンを終了する。(ステップS106)。
次いで、インクの不吐出が多い場合のインクジェットプリントヘッド洗浄(第2の洗浄方法)のフローチャートについて説明する。図10は、第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の第2の洗浄方法を説明するフローチャートである。なお、上述したフローチャートに記載した内容と重複する具体的内容については説明を省略する。
最初にこのインクジェットプリントヘッドの洗浄を実施するにあたって上述した前準備と同様の前準備を行う。そして不吐出が多い場合のインクジェットプリントヘッドの洗浄を開始する(ステップS200)。まず残留液を除去する(ステップS201)。そして洗浄液にて洗浄を行う(ステップS202)。そしてインクを充填する(ステップS203)。そして印刷テストを行う(ステップS204)。そして不具合が解消されたか確認を行い(ステップS205)、不具合が解消されたならばルーチンを終了する(ステップS220)。
一方、不具合が解消されていない場合はN=0と設定し(ステップS206)、強力洗浄液を充填する(ステップS207)。そして強力洗浄液をインクジェットプリントヘッド内に充填したまま半日〜2日ほどこれを保持する(ステップS208)。そして強力洗浄液にて洗浄を行う(ステップS209)。そして洗浄液による洗浄も行う(ステップS210)そしてインクを充填する(ステップS211)。そして印刷テストを行う(ステップS212)。そして不具合が解消されたか確認し(ステップS213)、不具合が解消された場合はステップS220に進んで洗浄ルーチンを終了する。
一方、この不具合が解消されてない場合はN=N+1とする(ステップS214)。そしてN≧5であるか否かを判断する(ステップS215)。このステップにおいてN≧5でないと判断した場合はステップS207に戻りステップS215までのルーチンをやり直す。このやり直しを5回繰り返しても不具合が解消されなかった場合、不具合が非解消と判断して(ステップS216)、不吐出が多い場合のインクジェットヘッド洗浄のルーチンを終了する(ステップS230)。
次いで、洗浄後に保管する際のインクジェットプリントヘッド洗浄(第3洗浄方法)のフローチャートについて説明する。図11は、第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の第3の洗浄方法を説明するフローチャートである。なお、上述したフローチャートに記載した内容と重複する具体的内容については説明を省略する。
最初にこのインクジェットプリントヘッドの洗浄を実施するにあたって上述した前準備と同様の前準備を行う。そして洗浄後の保管の際のインクジェットプリントヘッド洗浄を開始する(ステップS300)。まず残留液を除去する(ステップS301)。そして洗浄液にて洗浄を行う(ステップS302)。そしてインクを充填する(ステップS303)。そして印刷テストを行う(ステップS304)。そして不具合が解消されたか否かを判断し(ステップS305)、不具合が解消されたならメンテナンス液を充填し(ステップS306)、ルーチンを終了する(ステップS310)。一方、不具合が解消されてない場合はステップS302からステップS305のルーチンを繰り返す。
本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置を用いて実際にインクジェットプリントヘッドを洗浄した結果について実施例として以下に説明する。
従来のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法(以下、単に「従来の洗浄方法」とする)によると、印字不良が発生する度に、吐出不良となったインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機外に一旦取り外し、手作業で洗浄作業(回復作業)を行っていた。また、洗浄作業終了後にはインクジェットプリントヘッド構築作業やインク置換作業などがあり、従来の洗浄方法では印刷再開までにはおおよそ半日〜1日程度要していた。
そこで、上述した実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄方法(以下、単に「本発明の洗浄方法」とする)において印刷再開までの時間を大幅に短縮するため、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置の洗浄液ホースを吐出不良ヘッドに直接繋ぎ、「インクジェット印刷機上での洗浄」を行った。
本発明の洗浄方法による「インクジェット印刷機上での洗浄」を行ったところ、印刷再開までに要する時間は5分〜15分程度にまで大幅に短縮された。これにより、作業者への負担は大幅に低減された。また、これまでテスト印刷面において5ピン以上欠けが発生した吐出不良のインクジェットプリントヘッドを回復させることが可能となった。このように、本発明の洗浄方法よると、印刷不良と判定された吐出不良のインクジェットプリントヘッドを短期間で回復させることが可能なことを確認できた。
従来の洗浄方法に比べて本発明の洗浄方法によりその洗浄時間を大幅に短縮できた理由について説明する。上述したようにインクジェット印刷機にはインクジェットプリントヘッドが多数備わっている。そして、インクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機に取り付けた状態においては、各インクジェットプリントヘッドからインク供給用ホースとインク排出用ホースがそれぞれ接続されている。その結果、インクジェット印刷機内の多数のインクジェットプリントヘッドが固定された印刷領域においては、このインクジェットプリントヘッドの個数の2倍の数のホースを用いている。
従来の洗浄方法によると、このような多数のホースの間に手を入れて1つずつインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機から取り外し、このインクジェットプリントヘッドを多数のホースの間を介してインクジェット印刷機の印刷部のオペレーションサイドや両側方から取り出さなければならない。
上述したように、図3においてブラック印刷エリア510Aにおいては、インクジェットプリントヘッドの取付け位置A2,B2に対して作業者の手が届きにくく、シアン印刷エリア520A及びマゼンダ印刷エリア530Aにおいてはインクジェットプリントヘッドの取付け位置A1〜A3及びB1〜B3のインクジェットプリントヘッド500に手が届きにくくなっている。また、イエロー印刷エリア540Aには、インクジェットプリントヘッドの取付け位置A1及びA3、B1及びB3のインクジェットプリントヘッド500に手が届きにくくなっている。そのため、これらの取付け位置に取り付けられたインクジェットプリントヘッドを取り外してインクジェット印刷機の外部に取り出す際にその手前側に位置するホースに傷をつけてしまったり取り出すべきインクジェットプリントヘッドを印刷部のフレームにぶつけて一部を破損してしまう虞がある。
本実施形態に使用するインクジェットプリントヘッドは、1つあたりの値段が非常に高価なもので、かつ1台のインクジェット印刷機に最低40個程度のインクジェットプリントヘッドが備わっているので、これらを1つずつ上述した取付け位置よりもオペレーションサイドや印刷エリアの側方に位置する多数のホースの間をかいくぐって取り出す作業はそれ自体極めて煩雑で時間がかかることは明らかである。
その上、上述したように多数のインクジェットプリントヘッドを取り外してオペレーションサイドや印刷エリアの側方から取り出す際に他のホースに傷をつけてしまったりインクジェットプリントヘッド自体を破損してしまったりして更なる余計な修理を必要としたり高価なインクジェットプリントヘッドを新たに購入したりしなければならないという問題もある。
しかしながら、本発明の場合、インクジェット印刷機からインクジェットプリントヘッドを取り出すことなく多数のインクジェットプリントヘッドの洗浄作業を全て終えることができる。即ち、作業者が手作業で洗浄液用ホースと廃液用ホースをそれぞれ洗浄すべきインクジェットプリントヘッドのインクホースと排出用ホースに取り替えるだけなので、インクジェットプリントヘッドの洗浄作業時間を従来に比べて極めて短縮化することが理解できる。また、印刷エリア内に備わるインク供給・排出用ホースをインクジェットプリントヘッドで傷つけたりインクジェットプリントヘッドを印刷エリアにおけるフレームにぶつけて破損したりすることがないので、インク供給・排出用ホースの修理や交換という余計な作業は発生せず、かつ破損したインクジェットプリントヘッドをそれ自身非常に高価な新品のインクジェットプリントヘッドに交換することもなく、従来に比べてコスト低減に非常に貢献することができる。
図3は、印刷すべきウェブの片面のみを印刷するインクジェットプリントヘッドの配置のみを示しているが、実際には両面に印刷されるので、図3の側方右側に図3と同等の多数のインクジェットプリントヘッドが配置される。従って、図3に示したインクジェットプリントヘッドのOS(オペレーションサイド)側の延在距離の2倍の距離に亘ってインクジェットプリントヘッドがインクジェット印刷機に取り付けられていることになる。そして、図3に合わせて示したインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の大きさを考慮すると、このインクジェットプリントヘッド500の取付けエリアが如何に広いかが理解できる。
従来のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法によると、洗浄作業者がこのような極めて広い取付けエリアに亘って全てのインクジェットプリントヘッドを取り外して特定の場所に設置した洗浄装置で洗浄して、再び元のインクジェットプリントヘッドの取付け位置まで戻り、この洗浄後の極めて多数のインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機に取り付けていた。
しかしながら、本実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置によると、キャスターを介して、図3に示す片面印刷部又は同図に示さないもう一方の片面印刷部の所望の位置までインクジェットプリントヘッドの洗浄装置を移動させ、各インクジェットプリントヘッドにその場で洗浄液ホースと廃液ホースを接続して洗浄作業を行うことができるので、従来のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法よりも遥かに短い時間で洗浄作業を効率的に完了できることが分かる。
図12は、上述の実施例に基づいて本発明による洗浄方法を実施した場合の印字テストパターン結果(ブラック(BK))を示す図であり、洗浄前の(不具合時の)ベタもしくは格子刷りを示す図(図12の左側)と、洗浄後の(不具合解消時の)ベタもしくは格子刷りを示す図(図12の右側)である。なお、同図面は、洗浄前後の差異をより明確に示すためにブラック(BK)の場合を例示したが、他の色(シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y))についても同様のテスト結果が得られる。
テストパターンとしては、プリントヘッド洗浄装置による洗浄前のベタ刷り印刷及び洗浄後のベタ刷り印刷を行うと共に、洗浄前の格子刷り印刷及び洗浄後の格子刷り印刷を行なった。図12から分かるように、ベタ刷り印刷の場合、洗浄前は部分的に印刷面にスジムラが生じてしまっていたが、洗浄後は同一色できれいに均一に印刷されるようになった。
また、格子刷り印刷の場合、洗浄前はインクジェットプリントヘッドの不具合等により、部分的に詰まりやエアの含有によりかなりの箇所で印刷されるべき格子が印刷されない所謂欠けが生じていたが、洗浄後はこのような欠けが一切生じないようになった。
そして、本発明の洗浄方法によると、上述の洗浄作業自体を従来の洗浄方法に比べて極めて短時間で終わらせることができるため、例えばインクジェット印刷機を日刊新聞紙の印刷に用いた場合、日々の印刷のための印刷機稼働時間の間の停止時間を利用してインクジェットプリントヘッドの洗浄作業を迅速に終えることができることが分かった。
続いて、本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置について説明する。なお、第1の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付してその詳細な説明を省略する。図13は、本発明に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の第2の実施形態を示す側面図である。また、図14は、図13に示したインクジェットプリントヘッドの洗浄装置を部分的に拡大して示す正面図である。なお、図13の左側において横向きに立った洗浄作業者が描かれているが、この作業者と比較することでインクジェットプリントヘッドの洗浄装置200が如何に小型であるかを理解できる。併せて、図7に示した洗浄装置上でインクジェットプリントヘッドの洗浄を行なわない形態とのサイズの比較もできる。
第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置200は、断面L型の金属製フレームを直方体状に組み付けて形成される架台210と、架台210の上面に取り付けられた各種装置載置部220と、架台210の下部に設けられたタンク載置部230と、架台210の下側に取り付けられ、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置200を移動可能とする4つキャスター240と、を有している。
タンク載置部230は厚板でできており、架台210の下側フレーム(図示せず)に水平状態を保つように固定されている。
各種装置設置部220は、矩形状の鉄板でできており架台210の上部に固定されている。各種装置載置部220の上面には、ポンプ221と、ポンプ221に接続された配管222と、配管222の途中に設けられた複数の電磁弁223と、同じく配管222の途中に設けられた安全弁(図示せず)と、配管222の端部に備わった洗浄液ホース差込口225と、洗浄液ホース150と、廃液ホース190と、操作パネル226と、パトライト(登録商標)227を有することに加えて、第1の実施形態と異なり、インクジェットプリントヘッド洗浄固定部250を有していることに特徴がある。
配管222は、洗浄液を供給するためのもので、各種装置設置部220に沿って延在しており、一方の端部がポンプ221に接続され、他方の端部は閉塞されている。ポンプ221は、2つの洗浄液タンク910,920から洗浄液を吸い上げて配管222に洗浄液を流し込むためのものである。
そして、配管の一方の端部には2つの洗浄液タンク910,920から洗浄液をそれぞれ吸い上げる2本のホース911,921の上端部が接続されている。また、配管222の他端部からは洗浄液タンク910,920から吸い上げられた洗浄液をインクジェット印刷機10Aに取り付けられた洗浄すべきインクジェットプリントヘッド500に供給する洗浄液ホース150の一端が接続されている。
複数の電磁弁223は、それぞれの設置箇所で配管内の洗浄液を流したり止めたりする開閉弁としての役目を果たしている。安全弁は、インクジェットプリントヘッド500に洗浄液が供給されてインクジェットプリントヘッド自体が破損するのを防止するためのもので、配管内の洗浄液が一定の圧力に達するとインクジェットプリントヘッド500が破損しないように洗浄液を複数の廃液ホース951を介して廃液タンク950に直接流し込むようになっている。
洗浄液ホース911,921は、テフロン(登録商標)樹脂などの耐食性及び耐久性に優れた材質でできている。また、廃液ホース951も、テフロン(登録商標)樹脂などの耐食性及び耐久性に優れた材質でできている。
操作パネル226は、指によるタッチスイッチ付きのディスプレイからなり、洗浄作業の開始や終了、洗浄液の加熱温度の設定、洗浄モードの切り替えなどをその内容を確認しながら作業者が手動操作できるようになっている。操作パネル226の近傍にはパトライト(登録商標)227が備わっている。パトライト(登録商標)227は、ブザーとライトの組み合わせからなり、ブザーとライトによりインクジェットプリントヘッド500の洗浄作業中、洗浄終了時及び異常発生時であることを周囲に知らせる。
インクジェットプリントヘッド洗浄固定部250は、支持フレーム251と、支持フレーム251の上部に固定されノズルから吐出される洗浄液を一時的に溜めると共に、この洗浄液を廃液として廃液タンク950に流す廃液受け部252が設けられている。廃液受け部252は、上面が開口した箱型形状を有し、この開口部にインクジェットプリントヘッド500を固定すると共にノズル501(図4参照)から吐出する洗浄液を廃液602として処理するヘッド固定部253を有している。
第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置200は、第1の実施形態に加えて、洗浄な困難なインクジェットプリントヘッド500を確実に洗浄すると共に、しばらく使用しないインクジェットプリントヘッド500を別の場所で保管する際に予め確実に洗浄することができ、予備品として再び正規にインクジェット印刷機に取り付けることができ、第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置200を使用することで不都合を回避することができる。
なお、インクジェットプリントヘッドの洗浄作業を実際に行うにあたって、インクの吐出不良となったインクジェットプリントヘッドのインクカップリング(継手)に作業者がチューブを直接繋ぎ、汚れの頻度によって使い分けることができる洗浄液を、操作パネル226の操作及びこれに伴う電磁弁223の開閉によって洗浄液ホース150に所定の圧力で流し込み、洗浄液をインクジェットプリントヘッド500のノズル501から連続吐出させる。即ち、異物を溶解または洗い流す洗浄をインクジェット印刷機10にインクジェットプリントヘッド500を取り付けたまま実施する。
以下に第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置200を用いてこの洗浄装置上にて洗浄する際のインクジェットプリントヘッド洗浄方法を実施するためのフローチャートについて説明する。図15は、第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置200を利用した洗浄方法の一例を説明するフローチャートである。
このインクジェットプリントヘッドの洗浄を実施するにあたって前準備を行う。この前準備について説明する。最初に不具合の程度がかなり深刻でインクジェット印刷機10Aに取り付けた状態でインクジェットプリントヘッドの洗浄装置200で洗浄することができないインクジェットプリントヘッド500のインクの流路口への印刷時に使用するホースを外してこのインクジェットプリントヘッド500をインクジェット印刷機10Aから取り外す。そして、この取り外したインクジェットプリントヘッド500をインクジェットプリントヘッドの洗浄装置200に取り付ける。次いで、インクジェットプリントヘッドの洗浄装置200の洗浄液ホース150と洗浄後の廃液ホース190をインクジェットプリントヘッドの洗浄装置上でインクジェットプリントヘッドの流路口に接続する。
そして洗浄装置上にて洗浄する際のインクジェットプリントヘッド洗浄を開始する(ステップS400)。まず残留液を除去する(ステップS401)。そして洗浄液にて洗浄を行う(ステップS402)。そして即時使用するかどうか判断し(ステップS403)、即時使用しない場合はメンテナンス液を充填して(ステップS404)、ルーチンを終了する(ステップS410)。一方、即時使用する場合はインクジェット印刷機にインクジェットプリントヘッドを取り付ける(ステップS405)。そしてインクを充填する(ステップS406)。そして印刷テストを行い(ステップS407)、ルーチンを終了する(ステップS420)。
第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置によると、インクジェットプリントヘッドの不具合の程度によってその洗浄方法を変えることができる。即ち、第1の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置と同様の方法により、図2及び図3に示す片面印刷部及び同図には示さないもう一方の片面印刷部のオペレーションサイド側に沿ってキャスターを介してこの洗浄装置を移動させながら各インクジェットプリントヘッドに洗浄液ホースと廃液ホースを接続して第1の実施形態に係る洗浄方法を実施しながら、不具合の程度がかなりひどいインクジェットプリントヘッドについてはそれをインクジェット印刷機から取り外してこの第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置上で不具合が解消するまで充分洗浄し、再びこのインクジェットプリントヘッドをインクジェット印刷機に取り付ける。このようにして多数のインクジェットプリントヘッドのそれぞれの洗浄作業にメリハリをつけることで、短時間で効率的かつ確実なインクジェットプリントヘッドの洗浄作業を終了することができる。
なお、本発明の第1及び第2の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置において、洗浄後の洗浄液の洗浄したインクの着色の程度が所定の程度まで低下した場合にインクジェットプリントヘッドの洗浄を終了する洗浄終了判断装置を更に備えているとより好ましい。より具体的には、一例として透明の廃液ホースを挟むように投光部と受光部を有した光学式汚れ検出装置を備え、廃液の色が一定の閾値を超えて薄まったと判明した場合、インクジェットプリントヘッドの洗浄完了とみなすことでこれを実現することができる。
また、洗浄前の洗浄液を貯めておく洗浄液タンクと洗浄後の洗浄液を貯めておく廃液タンクとを共に上下移動可能な作業者の負担軽減用の機構をタンク載置部に備えているとより好ましい。この場合、リンク機構やモータとリニア上下機構を組み合わせた構造を備えることでこれを実現することが可能となる。これによって、上述の実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置よりも洗浄液タンクや廃液タンクの扱いに関する作業者の負担を更に軽減できる。
以上説明したように本発明によれば、従来技術のようにインクジェットプリントヘッドを取外し、洗浄装置上での洗浄方法ではなく、インクジェットプリントヘッドが装着されたままの印刷機上での洗浄が可能になる。そのため、印刷時に吐出不良により、印字等の不具合が大量に起きた場合、ヘッド取外し作業及び洗浄作業並びにヘッド再装着作業があり、印刷再開時間が半日から1日掛かっていたものが、数分程度に短縮されることにより、短時間で不具合を解消できると共に、1回に1個から複数個のインクジェットプリントヘッドの洗浄作業が可能になる。また、小型で設置場所の自由度が高いインクジェットプリントヘッドの洗浄装置を用いることで、インクジェットプリントヘッドを洗浄する際の作業者への負担が大幅に低減される。
また、本発明に係るインクジェットプリントヘッドの洗浄装置を用いてインクジェットプリントヘッドの洗浄を行うことで、インクジェット印刷機上で洗浄作業を実施することができるため、多数のインクジェットプリントヘッドのインクジェット印刷機からの取外し作業及び取付け作業が不必要となる。その結果、作業者の洗浄に関わる工数を掛けずに全てのインクジェットプリントヘッドの洗浄を行うことができる。これによって、インクジェットプリントヘッドの洗浄に伴う作業者の負担軽減を十分に図ることができる。
なお、洗浄液タンク及び廃液タンクの設置場所はインクジェットプリントヘッドの下にあるのが通常であるが、これが上に設置したとしても、洗浄時に通常、印刷時は水頭差を細かく設定する必要があるが、洗浄時は水頭差も考える必要はない。
また、使用する溶剤を複数設置することが可能なため、汚れの度合いによって、洗浄液を選択することも可能であり、インクジェットプリントヘッドを長時間使用しない場合にインクジェットプリントヘッドに充填する必要があるメンテナンス液を洗浄後に充填することも可能なため、メンテナンス時も一連の流れで作業することができ、作業者への負担が大幅に低減される。
なお、以上説明した内容におけるインクジェットプリントヘッドの洗浄装置の形状及び寸法並びに材質については、あくまで一例を示したに過ぎず、本発明の作用を発揮する範囲内であれば適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、洗浄液ホースの適宜の位置に異物除去用フィルターを介在させても良い。
また、第1の実施形態において、第2の実施形態特有の機構である装置上での洗浄機構をオプションとして追加することも可能である。
10 インクジェット印刷機
10A 第1印刷部
100(200) インクジェットプリントヘッドの洗浄装置
122(222) 配管
123(223) 電磁弁
125(225) 洗浄液ホース差込口
130(230) タンク載置部
132 スライド板
140(240) キャスター
150 洗浄液ホース
155 スパイラルヒーター
190 廃液ホース
500(510,520,530,540) インクジェットプリントヘッド
501 ノズル
502 メニスカス
593 増粘異物
594 異物
601 液滴
602 廃液
910 第1の洗浄液タンク
911 第1の洗浄液ホース
920 第2の洗浄液タンク
921 第2の洗浄液ホース
950 廃液タンク
951 廃液ホース
A1〜A5,B1〜B5 インクジェットプリントヘッド

Claims (10)

  1. 1つ又は複数のインクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取り外すことなく洗浄可能なインクジェットプリントヘッドの洗浄方法であって、
    前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、不吐出や吐出不良要因となる異物を溶解すると共に洗い流すための洗浄液を前記インクジェットプリントヘッドの流路内に供給し、
    前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、前記インクジェットプリントヘッドの流路内のノズルから前記洗浄液を吐出させ、
    前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、前記洗浄後の洗浄液を廃液として前記インクジェットプリントヘッドから排出することを特徴とするインクジェットプリントヘッドの洗浄方法。
  2. 1つ又は複数のインクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取り外すことなく洗浄可能なインクジェットプリントヘッドの洗浄装置であって、
    前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、不吐出や吐出不良要因となる異物を溶解すると共に洗い流すための洗浄液を前記インクジェットプリントヘッドの流路内に供給すると共に、前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、前記インクジェットプリントヘッドの流路内のノズルから前記洗浄液を吐出させ、かつ前記洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを前記インクジェット印刷機に取り付けた状態で、前記洗浄後の洗浄液を廃液として前記インクジェットプリントヘッドから排出する構造を備えたことを特徴とするインクジェットプリントヘッドの洗浄装置。
  3. 前記インクジェット印刷機の所定位置に備わった洗浄すべきインクジェットプリントヘッドを洗浄する位置とその他の位置との間を移動可能となったことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置。
  4. 洗浄前の洗浄液を貯めておく洗浄液タンクと洗浄後の洗浄液を貯めておく廃液タンクと共に載置可能な載置部を備えると共に、当該載置部が作業者負担軽減機構を備えたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置。
  5. 前記インクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取外すことなく、洗浄可能なことに加えて、前記インクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取り外した状態でも洗浄可能なことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法。
  6. 前記インクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取外すことなく、洗浄可能なことに加えて、前記インクジェットプリントヘッドをこれが取り付けられるインクジェット印刷機から取り外した状態でも洗浄可能なことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置。
  7. 前記洗浄液を前記インクジェットプリントヘッドの流路内に供給する前に洗浄に適した所定温度となるように温めることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄方法。
  8. 前記洗浄液を前記インクジェットプリントヘッドの流路内に供給する前に洗浄に適した所定温度となるように温める加熱手段を有していることを特徴とする請求項2乃至請求項4、請求項6の何れかに記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置。
  9. 前記洗浄後の洗浄液の洗浄したインクの着色の程度が所定の程度まで低下した場合に前記インクジェットプリントヘッドの洗浄を終了することを特徴とする請求項1、請求項5、請求項7の何れかに記載されたインクジェットプリントヘッドの洗浄方法。
  10. 前記洗浄後の洗浄液の洗浄したインクの着色の程度が所定の程度まで低下した場合に前記インクジェットプリントヘッドの洗浄を終了する洗浄終了判断装置を更に備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項4、請求項6、請求項8の何れかに記載のインクジェットプリントヘッドの洗浄装置。
JP2015143511A 2015-07-18 2015-07-18 インクジェットプリントヘッドの洗浄方法及び洗浄装置 Pending JP2017024228A (ja)

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