JP2017159567A - 液体吐出装置および吐出ヘッドの洗浄方法 - Google Patents

液体吐出装置および吐出ヘッドの洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイピング部材に付着した液体や異物を効果的に除去することで、ワイピング部材のノズル形成面に対する除去性能を向上させることができる液体吐出装置、および吐出ヘッドの洗浄方法を提供する。
【解決手段】液体吐出装置(プリンター1)は、吐出ヘッド(印刷ヘッド6)と、ワイピング部材(ワイパー711)と、洗浄液供給管73と、制御部100と、を備えている。制御部100は、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させるように印刷ヘッド6及びワイパー711の少なくとも一方の移動を制御するとともに洗浄液供給管73からの洗浄液の吐出を制御する。また、制御部100は、被供給面64に吐出された洗浄液がワイパー711に流れるように、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させた後に、被供給面64に洗浄液を吐出させる。
【選択図】図5C

Description

本発明は、液体吐出装置および吐出ヘッドの洗浄方法に関する。
従来、インク等の液体を吐出ヘッドのノズルから吐出するインクジェットプリンター等の液体吐出装置が知られている。このような装置では、ノズルから吐出された液体が吐出ヘッドのノズル形成面に付着することがある。ノズル形成面への液体の付着が進行すると、ノズルからの液体の吐出が適切に行われず、画質の劣化等を招くおそれがある。そこで、吐出ヘッドのノズル形成面に付着した液体を除去する技術が種々提案されている。
特許文献1の液体吐出装置では、被供給面に洗浄液が供給され、ワイピング部材の払拭面を被供給面に当接させてからノズル形成面のワイピングを行うことが開示されている。このとき、払拭面を被供給面に当接させることにより、被供給面に供給された洗浄液が払拭面に移動し、払拭面が洗浄液を保持した状態でノズル形成面のワイピングが行われることで、ノズル形成面を効果的に洗浄することができるとしている。また、ワイピングにより、液体や異物が付着したワイピング部材に対して、適宜のタイミングで、洗浄液による洗浄を行うワイパー洗浄モードも備えている。
特開2014−168912号公報
特許文献1に記載の液体吐出装置では、ワイパー洗浄モードにより、液体や異物が付着したワイピング部材を洗浄しているが、ワイピングとは切り離されたタイミングで行われる動作となっている。また、ワイパー洗浄モードは、ワイピング部材の片側面に洗浄液を主に吹きかける構成となっていた。
複数回の往復動作によるワイピングを行う場合、都度、被供給面には洗浄液が供給されるが、ワイピング部材には液体や異物が付着しやすくなる。そのため、例えば、ワイピングが終了した後、ワイパー洗浄モードによりワイピング部材の洗浄を行っても、付着した液体や異物が十分には洗い流されていない可能性があり、ワイピング時におけるワイピング部材の積極的な洗浄が必要となっている。
従って、ワイピング部材に付着した液体や異物を効果的に除去することで、ワイピング部材のノズル形成面に対する除去性能を向上させることができる液体吐出装置、および吐出ヘッドの洗浄方法が要望されていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る液体吐出装置は、液体を吐出するノズルが形成されたノズル形成面を有する吐出ヘッドと、ノズル形成面に第1払拭面を当接させ、ノズル形成面に対して相対移動することでワイピングを行うワイピング部材と、吐出ヘッドのノズル形成面とは異なる被供給面に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させるように吐出ヘッド及びワイピング部材の少なくとも一方の移動を制御するとともに洗浄液供給部からの洗浄液の吐出を制御する制御部と、を備え、制御部は、被供給面に吐出された洗浄液がワイピング部材に流れるように、吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させることを特徴とする。
本適用例に係る液体吐出装置によれば、ワイピング部材の払拭面がノズル形成面に当接した状態でノズル形成面に対して相対移動することでワイピングが行われる。この際、払拭面が被供給面に当接することで、洗浄液供給部から被供給面に供給された洗浄液を払拭面が保持した状態でワイピングが行われ、ノズル形成面を洗浄する。また、制御部は、吐出ヘッド及びワイピング部材の少なくとも一方の移動を制御して、吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させる。また、制御部は、洗浄液供給部からの洗浄液の吐出を制御する。本発明では、制御部により、被供給面に吐出された洗浄液がワイピング部材に流れるように、吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させることにより、被供給面に吐出された洗浄液により、ワイピング部材に付着している液体や異物を効果的に除去する(洗い流す)ことができ、ワイピング部材のノズル形成面に対する除去性能を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に記載の液体吐出装置において、制御部は、ワイピング部材の第1払拭面の先端部と、ノズル形成面とが当接し、且つ、被供給面に吐出された洗浄液がワイピング部材の第1払拭面とは反対側の面である第2払拭面に流れる位置に吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させて第2払拭面を洗浄することが好ましい。
本適用例の液体吐出装置によれば、制御部は、ワイピング部材の第1払拭面の先端部と、ノズル形成面とを当接させる。そして、被供給面に吐出された洗浄液がワイピング部材の第1払拭面とは反対側の第2払拭面に流れる位置に吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させて第2払拭面を洗浄する。これにより、第2払拭面に付着している液体や異物を効果的に除去することができ、ワイピング部材のノズル形成面に対する除去性能を向上させることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の液体吐出装置において、第2払拭面を洗浄した後に、制御部は、ワイピング部材の第1払拭面と、被供給面とが相対し、且つ、被供給面に吐出された洗浄液が第1払拭面に流れる位置に吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させて第1払拭面を洗浄することが好ましい。
本適用例の液体吐出装置によれば、第2払拭面を洗浄した後に、制御部は、ワイピング部材の第1払拭面と、被供給面とが相対し、且つ、被供給面に吐出された洗浄液が第1払拭面に流れる位置に吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させる。その後、制御部は、被供給面に洗浄液を吐出させて第1払拭面を洗浄する。これにより、第2払拭面を洗浄した後に、第1払拭面に付着している液体や異物を効果的に除去することがでる。従って、ワイピング部材の第1払拭面および第2払拭面の両面を洗浄することができ、ワイピング部材のノズル形成面に対する除去性能を向上させることができる。
[適用例4]上記適用例に記載の液体吐出装置において、制御部は、ワイピング部材の第1払拭面と、被供給面とが相対し、且つ、被供給面に吐出された洗浄液が第1払拭面に流れる位置に吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させて第1払拭面を洗浄することが好ましい。
本適用例の液体吐出装置によれば、制御部は、ワイピング部材の第1払拭面と、被供給面とが相対し、且つ、被供給面に吐出された洗浄液が第1払拭面に流れる位置に吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させる。その後、制御部は、被供給面に洗浄液を吐出させて第1払拭面を洗浄する。これにより、第1払拭面に付着している液体や異物を効果的に除去することができ、ワイピング部材のノズル形成面に対する除去性能を向上させることができる。
[適用例5]上記適用例に記載の液体吐出装置において、第1払拭面を洗浄した後に、制御部は、ワイピング部材の第1払拭面の先端部と、ノズル形成面とが当接し、且つ、被供給面に吐出された洗浄液がワイピング部材の第1払拭面とは反対側の面である第2払拭面に流れる位置に吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させて第2払拭面を洗浄することが好ましい。
本適用例の液体吐出装置によれば、第1払拭面を洗浄した後に、制御部は、ワイピング部材の第1払拭面の先端部と、ノズル形成面とを当接させる。そして、被供給面に吐出された洗浄液がワイピング部材の第1払拭面とは反対側の第2払拭面に流れる位置に吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させて第2払拭面を洗浄する。これにより、第1払拭面を洗浄した後に、第2払拭面に付着している液体や異物を効果的に除去することができる。従って、ワイピング部材の第1払拭面および第2払拭面の両面を洗浄することができ、ワイピング部材のノズル形成面に対する除去性能を向上させることができる。
[適用例6]上記適用例に記載の液体吐出装置において、制御部は、第1払拭面を洗浄液が供給された被供給面の下端部に当接させてから、ノズル形成面に当接させた状態でノズル形成面に対して相対移動させることが好ましい。
本適用例の液体吐出装置によれば、被供給面に洗浄液が供給されると、洗浄液は被供給面に沿って下方向に流れ、被供給面の下端部に洗浄液が溜まりやすくなる。このような被供給面の下端部に第1払拭面を当接させることで、払拭面で多くの洗浄液を保持することが可能となり、洗浄液を効率的に利用してノズル形成面を洗浄することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の液体吐出装置において、被供給面は吐出ヘッドの側面であることが好ましい。
本適用例の液体吐出装置によれば、吐出ヘッドの側面に被供給面としての機能を持たせることで、被供給面を備えた部材を別途設ける必要がなくなり、部品点数の削減を図ることができる。
[適用例8]上記適用例に記載の液体吐出装置において、液体は、光が照射されると硬化する光硬化性インクであり、光を照射する光照射器と、光照射器から照射される光を遮光可能な遮光部と、を備え、制御部は、光照射器が作動している間、光照射器からの光を遮光部により遮光可能な位置にワイピング部材を維持させることが好ましい。
本適用例の液体吐出装置によれば、液体として光硬化性インクが使用されている場合、ワイピング部材に付着しているインクは光によって硬化して硬化異物に変質し、インクの除去が困難となる。そこで、光照射器の作動中には、制御部が、ワイピング部材を光照射器からの光を遮光部により遮光可能な位置に維持させることで、ワイピング部材に付着しているインクを硬化させることを抑制し、ワイピング部材を良好な状態に維持させることができる。
[適用例9]上記適用例に記載の液体吐出装置において、ノズルを封止可能なキャッピング部材と、ワイピング部材及びキャッピング部材を一体移動可能に支持する支持部材と、を備えていることが好ましい。
本適用例の液体吐出装置によれば、キャッピング部材を設けることで、吐出ヘッドのノズルに対してキャッピングを実行することが可能となる。更に、ワイピング部材およびキャッピング部材を一体移動可能に支持する支持部材を設けることで、キャッピング部材をワイピング部材とともに移動させることができる。従って、例えば、ワイピング部材を遮光部により遮光可能な位置に移動させる際に、キャッピング部材も同時に移動させて、遮光可能な位置に配置することが可能となる。
[適用例10]本適用例に記載の吐出ヘッドの洗浄方法において、液体を吐出するノズルが形成されたノズル形成面を有する吐出ヘッドを備え、ノズル形成面に第1払拭面を当接させ、ノズル形成面に対して相対移動することでワイピングを行うワイピング工程と、吐出ヘッドのノズル形成面とは異なる被供給面に洗浄液を供給する洗浄液供給工程と、吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させるように吐出ヘッド及びワイピング部材の少なくとも一方の移動を制御するとともに洗浄液の吐出を制御する制御工程と、を備え、制御工程は、被供給面に吐出された洗浄液がワイピング部材に流れるように、吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させることを特徴とする。
本適用例に係る吐出ヘッドの洗浄方法によれば、ノズル形成面を有する吐出ヘッドを備え、ワイピング工程で、ノズル形成面に第1払拭面を当接させ、ノズル形成面に対して相対移動することでワイピングを行う。また、洗浄液供給工程で、吐出ヘッドのノズル形成面とは異なる被供給面に洗浄液を供給する。また、制御工程では、吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させるように吐出ヘッド及びワイピング部材の少なくとも一方の移動を制御し、また、洗浄液の吐出を制御する。そして、制御工程では、被供給面に吐出された洗浄液がワイピング部材に流れるように、吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させた後に、被供給面に洗浄液を吐出させる。これらの工程により、被供給面に吐出された洗浄液で、ワイピング部材に付着している液体や異物を効果的に除去する(洗い流す)ことができ、ワイピング部材のノズル形成面に対する除去性能を向上させる吐出ヘッドの洗浄方法を提供することが可能となる。
第1実施形態に係るプリンターの構成を模式的に示す正面図。 メンテナンス系の構成の一例を示す模式図。 メンテナンス系に係る電気的構成の一例を示すブロック図。 メンテナンスの流れを示すフローチャート。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドが水平面に対して傾斜している状態を示す図。 第2実施形態に係るメンテナンス系の構成の一例を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。 印刷ヘッドおよびメンテナンスユニットの状態を示す模式図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、説明の便宜上、各部材の尺度を実際とは異ならせて図示している。
〔第1実施形態〕
図1は、本施形態に係るプリンター1の構成を模式的に示す正面図である。なお、以下の図面では必要に応じて、プリンター1の各部の配置関係を明確にするために、プリンター1の左右方向X、前後方向Yおよび鉛直方向Zに対応した三次元の座標系を採用している。
図1に示すように、液体吐出装置としてのプリンター1は、繰出部2、プロセス部3、および巻取部4が左右方向に配列されている。繰出部2および巻取部4はそれぞれ繰出軸20および巻取軸40を有している。そして、繰出部2および巻取部4にシートS(ウェブ)の両端がロール状に巻き付けられ、それらの間に張架されている。そして、張架された搬送経路Pcに沿ってシートSが繰出軸20からプロセス部3に搬送されて印刷ユニット6Uによる画像記録処理を受けた後、巻取軸40へと搬送される。このシートSの種類は、紙系とフィルム系とに大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)等がある。なお、以下の説明では、シートSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その反対側の面を裏面と称する。
繰出部2は、シートSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたシートSを巻き掛ける従動ローラー21とを有する。繰出軸20は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き付けて支持する。そして、繰出軸20が図1の時計回りに回転することで、繰出軸20に巻き付けられたシートSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。
プロセス部3では、繰出部2から繰り出されたシートSをプラテンドラム30で支持しつつ、印刷ユニット6Uを用いてシートSに画像を記録する。つまり、印刷ユニット6Uは、プラテンドラム30の表面に沿って並ぶ複数の印刷ヘッド6a〜6eを有しており、印刷ヘッド6a〜6eがプラテンドラム30の表面に支持されたシートSへインクを吐出することで、シートSに画像が記録される。このプロセス部3では、プラテンドラム30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSが、プラテンドラム30に支持されて画像の印刷を受ける。
前駆動ローラー31は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部2から繰り出されたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、前駆動ローラー31は図1の時計回りに回転することで、繰出部2から繰り出されたシートSを、従動ローラー33を経由してプラテンドラム30へ搬送する。なお、前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。このニップローラー31nは、前駆動ローラー31側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、前駆動ローラー31との間でシートSを挟み込む。これによって、前駆動ローラー31とシートSの間の摩擦力が確保され、前駆動ローラー31によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。
プラテンドラム30は、図示省略する支持機構により回転自在に支持された円筒形状のドラムであり、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSを裏面側から巻き掛ける。プラテンドラム30は、シートSとの間の摩擦力を受けてシートSの搬送方向Dsに従動回転しつつ、シートSを裏面側から支持するものである。また、プロセス部3では、プラテンドラム30への巻き掛け部の両側でシートSを折り返す従動ローラー33、34が設けられている。これらのうち従動ローラー33は、前駆動ローラー31とプラテンドラム30との間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。一方、従動ローラー34は、プラテンドラム30と後駆動ローラー32との間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。このように、プラテンドラム30に対して搬送方向Dsの上流側・下流側それぞれでシートSを折り返すことで、プラテンドラム30へのシートSの巻き掛け部を長く確保することができる。
後駆動ローラー32は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、プラテンドラム30から従動ローラー34を経由して搬送されてきたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、後駆動ローラー32は図1の時計回りに回転することで、シートSを巻取部4へと搬送する。なお、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。このニップローラー32nは、後駆動ローラー32側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、後駆動ローラー32との間にシートSを挟み込む。これによって、後駆動ローラー32とシートSとの間の摩擦力が確保され、後駆動ローラー32によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。
このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSは、プラテンドラム30の外周面に支持される。そして、プロセス部3では、プラテンドラム30に支持されるシートSの表面に対してカラー画像を記録するために、互いに異なる色に対応した複数の印刷ヘッド6a〜6dが設けられている。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタ、およびブラックに対応する4個の印刷ヘッド6a〜6dが、この色順で搬送方向Dsに沿って並ぶ。
印刷ヘッド6a〜6dは、互いに同一の構成を具備しており、プラテンドラム30に支持されたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向する。そして、プラテンドラム30の表面に向いて開口するノズルから対応する色のインクをインクジェット方式で吐出する。これにより、搬送方向Dsに沿って搬送されるシートSに対してインクが吐出されて、シートSの表面にカラー画像が形成される。
インク(記録液)としては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、インクを硬化させてシートSに定着させるために、UVランプ37a、37bが設けられている。なお、インク硬化は、仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行される。印刷ヘッド6a〜6dの各間には、仮硬化用のUVランプ37aが配置されている。つまり、UVランプ37aは弱い紫外線を照射することで、インクの形状が崩れない程度にインクを硬化(仮硬化)させるものであり、インクを完全に硬化させるものではない。一方、印刷ヘッド6a〜6dに対して搬送方向Dsの下流側には、本硬化用のUVランプ37bが設けられている。つまり、UVランプ37bは、UVランプ37aより強い紫外線を照射することで、インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。こうして仮硬化・本硬化を実行することで、印刷ヘッド6a〜6dにより形成されたカラー画像をシートSの表面に定着させることができる。
さらに、UVランプ37bに対して搬送方向Dsの下流側では、印刷ヘッド6eがプラテンドラム30の表面に対向して配置されている。この印刷ヘッド6eは、印刷ヘッド6a〜6dと同様の構成を具備しつつ、透明のUVインクをインクジェット方式でシートSの表面に吐出するものである。つまり、印刷ヘッド6eは、プラテンドラム30に支持されたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しつつ、透明インクをインクジェット方式で吐出する。これによって、4色分の印刷ヘッド6a〜6dによって形成されたカラー画像に対して、透明インクが更に吐出される。
また、印刷ヘッド6eに対して搬送方向Dsの下流側には、UVランプ38が設けられている。UVランプ38は強い紫外線を照射することで、印刷ヘッド6eが吐出した透明インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。これによって、透明インクをシートSの表面に定着させることができる。
このように、プロセス部3では、プラテンドラム30に支持されるシートSに対して、インクの吐出および硬化が適宜実行されて、透明インクでコーティングされたカラー画像が形成される。そして、このカラー画像の形成されたシートSが、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。
巻取部4は、シートSの端を巻き付けた巻取軸40と、巻取軸40へと搬送されるシートSを巻き掛ける従動ローラー41とを有する。巻取軸40は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き付けて支持する。そして、巻取軸40が図1の時計回りに回転することで、従動ローラー41を経由してシートSが巻取軸40に巻き付けられる。
図2は、メンテナンス系の構成の一例を示す模式図である。プリンター1には、印刷ヘッド6a〜6eに対するメンテナンスを実行するメンテナンス系が設けられている。印刷ヘッド6a〜6eはそれぞれ同一の構成を具備しているため、以下では、印刷ヘッド6a〜6eを区別せずに、印刷ヘッド6a〜6eのいずれか1つの印刷ヘッドを印刷ヘッド6と表し、この印刷ヘッド6に対して行われるメンテナンスについて説明を行う。なお、以下では説明の便宜上、図2に示すようにノズル形成面60を略水平とした場合について説明する。実際には、ノズル形成面60は、プラテンドラム30の径に合せた傾きで設置されるため、水平面に対してそれぞれ傾斜して設置されている。
メンテナンス系に設けられたメンテナンスユニット7は、各印刷ヘッド6に対して1つずつ配設されており、印刷ヘッド6に対してワイピング等のメンテナンスを実行する。メンテナンスユニット7は、Y方向においてプラテンドラム30に隣り合わせて設けられている。一方、印刷ヘッド6は、ヘッド駆動機構69により、プラテンドラム30の上方向の印刷位置と、メンテナンスユニット7の上方向のメンテナンス位置との間をY方向に移動自在となっている。さらに、印刷ヘッド6は、メンテナンス位置において、メンテナンスユニット7に近づく洗浄位置や、メンテナンスユニット7から離間する退避位置や、ワイパー711を洗浄する際のコンタクト位置等を取ることができるように、ヘッド駆動機構69によりノズル形成面60と直交する出退方向Dhに移動自在となっている。そして、メンテナンス時には、メンテナンスのプロセスに応じて印刷ヘッド6は出退方向Dhに適宜移動する。
印刷ヘッド6は、ノズル形成面60に開口するノズル61と、インクを一時的に貯留するリザーバー62と、ノズル61とリザーバー62とを連通するキャビティー63とを有し、リザーバー62からキャビティー63を介してノズル61へインクが供給される。そして、制御部100(図3)からの動作指示に応じてキャビティー63がインクに圧力を加えることで、ノズル61からインクが吐出される。また、印刷ヘッド6に対してインク循環機構80が設けられており、このインク循環機構80により、インクを貯留するタンク(図示省略)と印刷ヘッド6のリザーバー62との間で循環するインクの速度や圧力等が調整される。
メンテナンスユニット7は、ワイパー711と、ワイパー711を支持する支持部材713を有する移動体71と、移動体71をノズル形成面60に対して平行に移動させるワイパー駆動機構72と、洗浄液を吐出口73aから吐出する洗浄液供給管73と、筐体74とを備えて構成される。これらの各部材は、Y方向の長さが印刷ヘッド6と同程度以上となっており、ノズル形成面60全域に対してメンテナンスを行うことができる。そして、ワイパー711が、払拭面711a、711bをノズル形成面60に当接させ、先端部を湾曲させた状態でワイピング方向Dwに移動することでワイピングが行われる。なお、ワイパー711(ワイピング部材に相当)の払拭面711aが第1払拭面に相当し、払拭面711aとは反対側の面となる払拭面711bが第2払拭面に相当する。
洗浄液供給管73は、印刷ヘッド6側に向けて開口している吐出口73aをY方向に複数有している。そして、印刷ヘッド6がメンテナンスユニット7に近づく洗浄位置にあるときと、ワイパー711を洗浄する際のコンタクト位置にあるときに、印刷ヘッド6の洗浄液供給管73側の側面である被供給面64に対して洗浄液を吐出可能となっている。ここで、洗浄液としては洗浄作用に適した液体を適宜用いることができるが、本実施形態のようにUVインクを用いる場合は、硬化したUVインクを溶解可能な溶剤を用いるのが好ましい。このような溶剤としては、例えばEDGAC(Ethyl Di Glycol Acetate)や透明のUVインク等が挙げられる。また、これらの溶剤に界面活性剤や重合抑止剤を添加したものを洗浄液として用いてもよい。なお、洗浄液供給管73による洗浄液の供給の切り換えは、洗浄液供給切換部79によって行われる。
筐体74は、主に、ワイピング方向Dwに略平行な底面部74aと、底面部74aのワイピング方向Dwにおける一端から立設された側壁部74bと、側壁部74bの上端からワイピング方向Dwに沿って底面部74aと同じ側に延びる庇部74cとを有して構成される。底面部74aは、ワイピング方向Dwにおいて、移動体71が移動可能な範囲より若干広い範囲にわたって設けられており、メンテナンス時に発生するインクや洗浄液等を含む廃液を受ける。底面部74aで受けた廃液は、底面部74aに形成された排出口74dを介してメンテナンスユニット7から排出される。庇部74cは、ワイピング方向Dwの寸法が移動体71よりも大きくなっている。そして、印刷動作時には、移動体71は庇部74cの下方向の待機位置にあって、庇部74cによって覆われている状態を維持する。こうすることで、庇部74cがUVランプ37a、37b、38から照射される光(紫外線)を遮光して、ワイパー711に付着しているUVインクが硬化することを抑制する。
図3は、メンテナンス系に係る電気的構成の一例を示すブロック図である。上述したように構成されたメンテナンス系は、プリンター1に設けられた制御部100によってその動作が制御される。そして、制御部100は、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させるように印刷ヘッド6及びワイパー711の移動を制御する。例えば、制御部100は、ヘッド駆動機構69を制御することで、印刷ヘッド6を、出退方向Dhに移動させ、退避位置、コンタクト位置、洗浄位置等の各位置に適宜配置させる。また、制御部100は、ワイパー駆動機構72を制御することで、移動体71を駆動し、ワイパー711をノズル形成面60に並行(ワイピング方向Dw)に移動させる。このように、制御部100は、メンテナンスのプロセスに応じて、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させる制御を行う。また、制御部100が洗浄液供給切換部79を制御することで、洗浄液供給管73の吐出口73aから洗浄液が吐出される状態とされない状態とに切り換えられる。また、制御部100がインク循環機構80を制御することで、印刷ヘッド6に供給されるインクの循環速度や圧力等が調整される。
図4は、メンテナンスの流れを示すフローチャートであり、図5A〜図5Rは、印刷ヘッド6およびメンテナンスユニット7の状態を示す模式図である。図4、図5A〜図5Rを参照して、メンテナンスユニット7を用いた印刷ヘッド6に対するメンテナンスの流れについて説明する。
本実施形態のメンテナンスユニット7によるメンテナンスでは、予備動作としてコンタクト位置で洗浄液を印刷ヘッド6の側面である被供給面64に吐出し、ワイパー711を洗浄する。その後、洗浄位置で、更に、被供給面64に洗浄液を吐出させるとともにワイパー711を洗浄する。その後、ワイピング方向Dwに複数回往復動作させてノズル形成面60のワイピングを行う。その際、一往復毎に、印刷ヘッド6をコンタクト位置で洗浄液を被供給面64に吐出し、洗浄位置で、更に、被供給面64に洗浄液を吐出させることでワイパー711を洗浄する。また、往復動作が指定回数となった場合には、更に加圧クリーニングが行われることで、メンテナンスが終了する。
以下の説明では、ワイパー711の往復動作における被供給面64側の端位置で、ワイピングのための洗浄液を被供給面64に供給する際の、被供給面64と離間したワイパー711の位置を起点P1として示す。また、被供給面64の反対側の端位置で、ワイパー711の往路の終点(復路の開始点)の位置を終点P2として示す。また、ワイパー711の往復動作における被供給面64側の端位置で、ワイパー711を洗浄する位置を洗浄点P3として示す。
ここでは、図5Aに示すように、印刷ヘッド6がメンテナンスユニット7から離間する退避位置にあり、ワイパー711(移動体71)が庇部74cの下方向の待機位置にある状態でメンテナンスが開始されるものとする。メンテナンスが開始されると、まず、予備動作に移行する(ステップS1)。併せて、ワイパー711の往復動作の回数Nが「0」に設定される。なお、本実施形態では、往復回数(指定回数)として5(5回)が設定されているものとする。
次に、制御部100からの動作指示に応じて、ワイパー駆動機構72がワイパー711を洗浄点P3に移動させ、その後、ヘッド駆動機構69が印刷ヘッド6をメンテナンスユニット7に近接するコンタクト位置に移動させる。言い換えると、制御部100は、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させることで、印刷ヘッド6をコンタクト位置に移動させ、ワイパー711を洗浄点P3に移動させる。その結果、図5Bに示すように、ワイパー711の払拭面711a,711bの先端部と、ノズル形成面60とが当接した状態となる。なお、この移動により、後述するように、被供給面64に吐出された洗浄液が払拭面711bに流れる状態となる。
続いて、制御部100が洗浄液供給切換部79に洗浄液を吐出させる動作指示を発することで、洗浄液供給管73の吐出口73aから印刷ヘッド6の被供給面64に向けて洗浄液が吐出される。吐出口73aから吐出された洗浄液は被供給面64に着弾する。図5Cに示すように、被供給面64に洗浄液CLが吐出されると、被供給面64に着弾(付着)した洗浄液CLが被供給面64に沿って下方向(重力方向)に流れ、ノズル形成面60(被供給面64の下端部近傍)に当接するワイパー711の先端部に伝わり、ワイパー711を下方向(重力方向)に流れることにより、ワイパー711に付着した異物等を効果的に除去することができる。これにより、ワイパー711の、第2払拭面となる払拭面711b(洗浄液供給管73が洗浄液を吐出する側となる)を洗い流すことができる。
なお、異物とは、本実施形態では、UVインクの吐出によるミストが、漏れた紫外線(光)により硬化し、ノズル形成面60に付着したものや、浮遊する塵埃がノズル形成面60に付着したものを含んでいる。また、ワイピングを行った場合、異物がワイパー711に付着する。
次に、洗浄液の吐出を停止し、続いて、図5Dに示すように、制御部100からの動作指示に応じて、ヘッド駆動機構69が印刷ヘッド6を一旦退避位置まで移動させ、ワイパー駆動機構72がワイパー711を被供給面64と離間する位置となる起点P1に移動させる。
以上で、予備動作(ステップS1)が完了し、続いて往路の異物除去(ステップS2)に移行する。
往路の異物除去(ステップS2)では、最初に、制御部100からの動作指示に応じて、ヘッド駆動機構69が印刷ヘッド6をメンテナンスユニット7に近接する洗浄位置に移動させる。その結果、図5Eに示すように、ワイパー711の先端部が印刷ヘッド6の被供給面64と対向(相対)した状態(出退方向Dhにおいてワイパー711と被供給面64とが一部重複した状態)となる。換言すると、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させることで、払拭面711aと、被供給面64とを相対させ、印刷ヘッド6を洗浄位置に移動させる。なお、この移動により、後述するように、被供給面64に吐出された洗浄液が、被供給面64と払拭面711aとに流れる状態となる。その後、制御部100が洗浄液供給切換部79に洗浄液を吐出させる動作指示を発することで、吐出口73aから被供給面64に向けて洗浄液が吐出される。吐出口73aから吐出された洗浄液は、被供給面64に着弾する。
図5Eに示すように、被供給面64に洗浄液CLが吐出されると、被供給面64に付着した洗浄液CLが被供給面64に沿って下方向に流れ、被供給面64とノズル形成面60との間の角部66から下方向に洗浄液CLが垂れる状態となる。これにより、角部66や角部66周辺に溜まっていた異物等が洗い流される。また、吐出口73aから十分な洗浄液CLが供給されることにより、相対するワイパー711にも洗浄液CLが伝わって下方向に流れる。相対するワイパー711にも洗浄液CLが伝わって下方向に流れることにより、ワイパー711に付着した異物等を効果的に除去することができる。これにより、ワイパー711の、第1払拭面となる払拭面711a(被供給面64に相対する側)を洗い流すことができる。なお、洗浄が完了した後、洗浄液の吐出を停止することにより、最終的に角部66にワイピングを行うための洗浄液CLが溜まる。以上により、ワイパー711は、両面側(払拭面711a,払拭面711b)が洗浄された状態となる。
ここで、最終的に洗浄液CLが角部66に溜まることが、吐出ヘッドの洗浄方法における被供給面64に洗浄液CLを供給する洗浄液供給工程に相当する。
なお、被供給面64とワイパー711との相対する間隔は、吐出された洗浄液CLが被供給面64に溜まることで、ワイパー711にも洗浄液CLが伝わり流れるように、毛細管力も加味した位置関係に設定されている。
洗浄液の吐出を停止した後、ワイパー711を起点P1から終点P2へと移動させてワイピングを行う。この過程で、図5Fに示すように、ワイパー711の払拭面711aが角部66に当接して、角部66に溜まっていた洗浄液CLがワイパー711に保持される。そして、ワイパー711で保持された洗浄液をノズル形成面60に塗り広げつつ異物を除去(溶解など)しながらワイピングが行われる。
図5Gは、ワイパー711を終点P2まで移動させた状態を示す。ワイパー711の往路動作の終点P2は印刷ヘッド6の下方向に位置する。このように、終点P2の位置を印刷ヘッド6の下方向に設定しているのは以下の理由による。ワイパー711を被供給面64の反対側の側面65よりも更に左方向まで移動させると、次にワイパー711が起点P1に向けて移動するときに、ワイパー711の払拭面711bが側面65に当接する。側面65には洗浄液が吐出されないため、硬化したUVインク等の異物が残存しており、ワイパー711が側面65に当接するとこれらの異物がワイパー711に付着するおそれがある。そこで、終点P2の位置を印刷ヘッド6の下方向とすることで、払拭面711bと側面65との当接を回避し、良好なワイピングの実現を図っている。
続いて、印刷ヘッド6を退避位置まで移動させる。このように、印刷ヘッド6が退避位置まで移動することで、図5Hに示すように、終点P2に位置するワイパー711の右方向に湾曲している状態が解消される。
以上で、往路の異物除去(ステップS2)が完了し、続いて復路の異物除去(ステップS3)に移行する。
復路の異物除去(ステップS3)では、最初に、印刷ヘッド6を再び洗浄位置に戻す。なお、印刷ヘッド6を洗浄位置に戻す際に、図5Iに示すように、ノズル形成面60によりワイパー711を左方向に湾曲させれば、ワイパー711の終点P2から洗浄点P3への移動が円滑に行われる。なお、例えば、図5Hの状態でワイパー711がわずかに右方向に傾斜するようにワイパー711を取り付けておけば、印刷ヘッド6を洗浄位置に戻した際にワイパー711を確実に左方向に湾曲させることができる。
次に、ワイパー711が左方向に湾曲した状態で、図5Jに示すように、ワイパー711を終点P2から洗浄点P3へと移動させてワイピングを行う。続いて、図5Kに示すように、印刷ヘッド6をコンタクト位置まで移動する。なお、この状態では、ワイパー711の左方向に湾曲している状態が解消され、ワイパー711の先端部が、ノズル形成面60に当接する状態となる。換言すると、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させることで、印刷ヘッド6をコンタクト位置に移動させ、ワイパー711を洗浄点P3に移動させる。なお、この移動により、後述するように、被供給面64に吐出された洗浄液が払拭面711bに流れる状態となる。
ここで、往路の異物除去(ステップS2)での図5Fに示す工程から、復路の異物除去(ステップS3)での図5Kに示す工程までが、吐出ヘッドの洗浄方法における、ノズル形成面60に払拭面711a,711bを当接させ、ノズル形成面60に対して相対移動することでワイピングを行うワイピング工程に相当する。なお、図5Kに示す状態は、図5Bに示す状態と同様となる。
続いて、図5Lに示すように、制御部100が洗浄液供給切換部79に洗浄液を吐出させる動作指示を発することで、洗浄液供給管73の吐出口73aから印刷ヘッド6の被供給面64に向けて洗浄液が吐出される。被供給面64に洗浄液CLが吐出されると、被供給面64に沿って洗浄液が下方向(重力方向)に流れ、ノズル形成面60に当接するワイパー711の先端部に伝わり、ワイパー711を下方向(重力方向)に流れることにより、復路でワイパー711に付着した洗浄液や異物等を効果的に除去することができる。これにより、ワイパー711の、第2払拭面となる払拭面711bを洗い流すことができる。なお、図5Lに示す状態は、図5Cに示す状態と同様となる。
次に、洗浄液の吐出を停止し、続いて、図5Mに示すように、印刷ヘッド6を退避位置まで移動させ、ワイパー711を被供給面64と離間する位置となる起点P1に移動させる。こうして、ワイパー711が起点P1に戻ると、ワイパー711の往復動作が1回終了したことになる。
以上で、復路の異物除去(ステップS3)が完了する。そして、制御部100は、ワイパー711の往復動作の回数Nをインクリメントしてから、ステップS4に移行し、指定回数終了したか否かを判断する。本実施形態では、上述したように、指定回数としての5回の往復動作が行われたか否かを判断する。なお、5回未満(ステップS4:NO)であれば、図5Mの状態からステップS2に戻って、図5Eの状態から往復動作を繰り返す。また、5回に達して(ステップS4:YES)いれば、図5Mの状態からステップS5に移行して、メンテナンスの仕上げの動作となる加圧クリーニングを実行する。そして、加圧クリーニングが完了した場合、印刷ヘッド6を退避位置に移動させるとともに、ワイパー711を待機位置に移動させて、図5Aの状態に戻す。
なお、ステップS2に戻って往復動作を繰り返す場合、都度、図5Eに示すワイパー711(払拭面711a)の洗浄、併せて、被供給面64へのワイピング用の洗浄液CLの供給と、図5Lに示すワイパー711(払拭面711b)の洗浄とを行う。これにより、予備動作(ステップS1)の図5Cに示すワイパー711(払拭面711b)の洗浄を含めて、ワイピング(往復の異物除去)によりワイパー711の両面側(払拭面711a,711b)に付着している洗浄液や異物を効果的に洗浄することができる。従って、ワイパー711のノズル形成面60に対する洗浄液や異物の除去性能を向上させることができる。
次に、加圧クリーニングについて説明する。加圧クリーニングでは、まず、図5Nに示すように、制御部100からの動作指示に応じて、図5Mの状態から、印刷ヘッド6を退避位置に移動させた状態で、ワイパー711を終点P2まで移動させる(図5Hの状態と同様)。
次に、図5Oに示すように、印刷ヘッド6を洗浄位置に戻す。なお、印刷ヘッド6を洗浄位置に戻す際に、ノズル形成面60によりワイパー711を左方向に湾曲させる(図5Iの状態と同様)。続いて、制御部100からの動作指示に応じて、インク循環機構80(図2)がインクを加圧する。その結果、図5Pに示すように、加圧されたインクIKがノズル61から吐出される。このとき、ノズル61から吐出されるインクIKに伴って、ノズル61内の洗浄液や気泡等が排出される。その後、インクの加圧を停止する。
続いて、図5Qに示すように、ワイパー711が左方向に湾曲した状態で、ワイパー711を終点P2から起点P1へと移動させてワイピングを行う。これにより、ノズル61から吐出されてノズル形成面60に付着したインク等が拭き取られる。そして、図5Rに示すように、ワイパー711が起点P1に移動する。その後、印刷ヘッド6を退避位置に移動させ、併せてワイパー711を庇部74cの下方向の待機位置に移動させることにより、図5Aに示す状態に戻す。その後、全てのノズル61からインクを吐出させるフラッシングが実行され、適切なメニスカスが形成された状態でインクがノズル61に充填される。以上で、加圧クリーニングが終了し、一連のメンテナンス(印刷ヘッド6の洗浄)が完了する。
なお、上述したメンテナンスのプロセスにおいて、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させるように印刷ヘッド6及びワイパー711の少なくとも一方の移動を制御し、また、洗浄液の吐出を制御することが制御工程に対応する。また、この制御工程では、上述したように、被供給面64に吐出された洗浄液がワイパー711に流れるように、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させた後に、被供給面64に洗浄液を吐出させている。
図6は、印刷ヘッド6が水平面に対して傾斜している状態を示す図である。詳細には、印刷ヘッド6が洗浄位置にあり、ワイパー711が起点P1に位置している状態(図5Eに相当)を示している。上述したように、図5A〜図5Rでは、メンテナンスの動作を理解しやすくするために、便宜上、ノズル形成面60を略水平とした場合について説明した。しかし、ノズル形成面60は、プラテンドラム30の径に合せた傾きで設置されるため、例えば図6に示すように、水平面に対してそれぞれ傾斜して設置されている。なお、メンテナンスユニット7もワイピング方向Dwがノズル形成面60に沿うように(平行に)設置されるため、ノズル形成面60の傾斜に合せて水平面に対して傾斜して設置される。
その場合、ノズル形成面60と接続している2つの側面64,65のうち、ノズル形成面60との間に形成される角部が下方向を向いている側面を被供給面としている。すなわち、ノズル形成面60と2つの側面64,65との間に形成される角部が下方向を向いている角部66に接続する側面64を被供給面としている。
これにより、例えば、側面64とは反対側となる側面65に洗浄液を供給した場合、洗浄液は側面65に沿って下方向に流れ、角部67に至った後、更にノズル形成面60に沿って下方向に流れることになる。これによれば、角部67や角部67周辺に溜まっていた異物も併せてノズル形成面60に流れることになる。従って、角部67に対して下方向となる角部66に接続する側面64に洗浄液を供給することで、角部66や角部66周辺に溜まっていた異物をノズル形成面60に流すことなく、角部66から重力方向に洗い流すことができ、その後、ワイピングのための洗浄液を角部66に貯めることができる。
また、ワイピングを行う場合、往復の異物除去(図4のステップS2,S3)においても、復路の異物除去を行う際、ワイパー711を、傾斜するノズル形成面60の上方向から下方向にワイピングさせている。また、加圧クリーニング(図4のステップS5)においても、最終的なワイピングとして、ワイパー711を、傾斜するノズル形成面60の上方向から下方向にワイピングさせている。これにより、ワイピング後に残ったインクや異物などが再びノズル形成面60に戻らないようにしている。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のプリンター1によれば、ワイパー711の払拭面711aがノズル形成面60に当接した状態でノズル形成面60に対して相対移動することでワイピングが行われる。この際、払拭面711aが被供給面64に当接することで、洗浄液供給管73から被供給面64に供給された洗浄液を払拭面711aが保持した状態でワイピングが行われ、ノズル形成面60を洗浄する。また、制御部100は、印刷ヘッド6及びワイパー711の少なくとも一方の移動を制御して、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させる。また、制御部100は、洗浄液供給管73からの洗浄液の吐出を制御する。本発明では、制御部100により、被供給面64に吐出された洗浄液がワイパー711に流れるように、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させた後に、被供給面64に洗浄液を吐出させることにより、被供給面64に吐出された洗浄液により、ワイパー711に付着している液体や異物を効果的に除去する(洗い流す)ことができ、ワイパー711のノズル形成面60に対する除去性能を向上させることができる。
本実施形態のプリンター1によれば、制御部100は、ワイパー711の第1払拭面(払拭面711a)の先端部と、ノズル形成面60とを当接させる。そして、被供給面64に吐出された洗浄液がワイパー711の第1払拭面(払拭面711a)とは反対側の第2払拭面(払拭面711b)に流れる位置に印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させた後に、被供給面64に洗浄液を吐出させて第2払拭面(払拭面711b)を洗浄する(図5C)。これにより、第2払拭面に付着している液体や異物を効果的に除去することができ、ワイパー711のノズル形成面60に対する除去性能を向上させることができる。
また、払拭面711bを洗浄(図5C)した後に、制御部100は、ワイパー711の払拭面711aと、被供給面64とが相対し、且つ、被供給面64に吐出された洗浄液が払拭面711aに流れる位置に印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させる(図5E)。その後、制御部100は、被供給面64に洗浄液を吐出させて払拭面711aを洗浄する(図5E)。これにより、払拭面711bを洗浄した後に、払拭面711aに付着している液体や異物を効果的に除去することがでる。従って、ワイパー711の払拭面711aおよび払拭面711bの両面を洗浄することができ、ワイパー711のノズル形成面60に対する除去性能を向上させることができる。
本実施形態のプリンター1によれば、制御部100は、ワイパー711の払拭面711aと、被供給面64とが相対し、且つ、被供給面64に吐出された洗浄液が払拭面711aに流れる位置に印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させる(図5E)。その後、制御部100は、被供給面64に洗浄液を吐出させて払拭面711aを洗浄する。これにより、払拭面711aに付着している液体や異物を効果的に除去することができ、払拭面711aのノズル形成面60に対する除去性能を向上させることができる。
また、払拭面711aを洗浄(図5E)した後に、制御部100は、ワイパー711の払拭面711aの先端部と、ノズル形成面60とを当接させる。そして、被供給面64に吐出された洗浄液がワイパー711の払拭面711aとは反対側の払拭面711bに流れる位置に印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させた(図5K)後に、被供給面64に洗浄液を吐出させて払拭面711bを洗浄する(図5L)。これにより、払拭面711aを洗浄した後に、払拭面711bに付着している液体や異物を効果的に除去することができる。従って、ワイパー711の払拭面711aおよび払拭面711bの両面を洗浄することができ、ワイパー711のノズル形成面60に対する除去性能を向上させることができる。
本実施形態のプリンター1によれば、被供給面64に洗浄液が供給されると、洗浄液は被供給面64に沿って下方向に流れ、被供給面64の下端部(角部66)に洗浄液が溜まりやすくなる。このような被供給面64の下端部に払拭面711aを当接させることで、払拭面711aで多くの洗浄液を保持することが可能となり、洗浄液を効率的に利用してノズル形成面60を洗浄することができる。
本実施形態のプリンター1によれば、印刷ヘッド6の側面に被供給面64としての機能を持たせることで、被供給面64を備えた部材を別途設ける必要がなくなり、部品点数の削減を図ることができる。
本実施形態のプリンター1によれば、液体として光硬化性インクが使用されている場合、ワイパー711に付着しているインクは光によって硬化して硬化異物に変質し、インクの除去が困難となる。そこで、UVランプ37a,37b,38の作動中には、制御部100が、ワイパー711をUVランプ37a,37b,38からの光を庇部74cにより遮光可能な位置(待機位置)に維持させることで、ワイパー711に付着しているインクを硬化させることを抑制し、ワイパー711を良好な状態に維持させることができる。
本実施形態のプリンター1によれば、洗浄液供給管73が印刷ヘッド6の一側面(側面64)側に設置される場合でも、ワイパー711の両側面となる払拭面711a,711bを効果的に洗浄することができる。
本実施形態のプリンター1によれば、ワイパー711を移動可能に支持する支持部材713を設けることで、ワイパー711を移動させることができる。従って、ワイパー711を遮光可能な位置となる庇部74cの下部に移動させることが可能となる。
本実施形態の吐出ヘッドの洗浄方法によれば、ノズル形成面60を有する印刷ヘッド6を備え、ワイピング工程で、ノズル形成面60に払拭面711aを当接させ、ノズル形成面60に対して相対移動することでワイピングを行う。また、洗浄液供給工程で、印刷ヘッド6のノズル形成面60とは異なる被供給面64に洗浄液を供給する。また、制御工程では、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させるように印刷ヘッド6及びワイパー711の少なくとも一方の移動を制御し、また、洗浄液の吐出を制御する。そして、制御工程では、被供給面64に吐出された洗浄液がワイパー711に流れるように、印刷ヘッド6とワイパー711との相対位置を変位させた後に、被供給面64に洗浄液を吐出させる。これらの工程により、被供給面64に吐出された洗浄液で、ワイパー711に付着している液体や異物を効果的に除去する(洗い流す)ことができ、ワイパー711のノズル形成面60に対する除去性能を向上させる吐出ヘッドの洗浄方法を提供することができる。
なお、本実施形態では、プリンター1が本発明の液体吐出装置に相当し、インクが本発明の液体に相当し、印刷ヘッド6が本発明の吐出ヘッドに相当する。また、ワイパー711が本発明のワイピング部材に相当し、払拭面711aが本発明の第1払拭面に相当し、払拭面711bが本発明の第2払拭面に相当する。また、洗浄液供給管73が本発明の洗浄液供給部に相当し、UVランプ37a,37b,38が本発明の光照射器に相当し、庇部74cが本発明の遮光部に相当する。
〔第2実施形態〕
図7は、本実施形態に係るメンテナンス系の構成の一例を示す模式図である。図8A、図8Bは、印刷ヘッド6およびメンテナンスユニット7Aの状態を示す模式図である。図7、図8A、図8Bを参照して、本実施形態のメンテナンス系の構成とメンテナンスユニット7Aの状態を説明する。なお、第1実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、説明の便宜上、ノズル形成面60を略水平とした場合について説明する。しかし、ノズル形成面60は、プラテンドラム30の径に合せた傾きで設置されるため、水平面に対してそれぞれ傾斜して設置されることは、第1実施形態と同様である。
本実施形態のメンテナンスユニット7Aは、第1実施形態と比較して、加圧クリーニング時にノズル61をキャッピングするキャップ712を備えていることが異なる。キャップ712は、支持部材713にワイパー711と併せて設置されている。この構成により、キャップ712は、ワイパー711と一体移動可能となっている。
なお、図7は、印刷ヘッド6がメンテナンスユニット7Aから離間する退避位置にあり、ワイパー711およびキャップ712が庇部74cの下方向の待機位置にある状態を示している。この状態は、第1実施形態での図5Aに対応している。なお、この状態から、第1実施形態で説明したと同様にメンテナンス(ステップS1からステップS4まで)が行われる。
加圧クリーニングにおいて、制御部100が動作指示を発した場合、まず、インク循環機構80(図2)がインクの循環速度を印刷動作時の通常速度よりも速い加圧速度まで加速させる。続いて、図8Aに示すように、メンテナンスユニット7Aの移動体71を印刷ヘッド6の下方向に移動させてから、印刷ヘッド6を洗浄位置よりも更に下方向のキャッピング位置まで移動させることで、ノズル形成面60をキャップ712に押し付けて全てのノズル61をキャッピングする。なお、ワイパー711は、通常は不図示の付勢部材により支持部材713から上方向に突出した状態を維持しているが、印刷ヘッド6をキャッピング位置まで移動させる際には印刷ヘッド6が付勢部材に抗してワイパー711を下方向に移動させる。よって、ワイパー711がキャッピングの妨げとなることはない。
キャッピングが完了すると、インク循環機構80によりインクが加圧される。インクの加圧が十分に行われると、印刷ヘッド6を退避位置まで移動させることでキャッピングを解除する。キャッピングを解除することで、図8Bに示すように、加圧されたインクIKがノズル61から吐出される。このとき、ノズル61から吐出されるインクIKに伴って、ノズル61内の洗浄液や気泡等がノズル61から排出される。このように、キャッピングを解除してノズル61からインクが吐出されると、インクの加圧を停止する。
加圧クリーニングでは、更にノズル形成面60に対するワイピングが実行される。ここでのワイピングは種々の態様を採用することができるが、例えば、洗浄液を供給せずに、第1実施形態と同様に、ワイパー711を終点P2から起点P1へと1回だけ移動させればよい。これによって、ノズル61から吐出されてノズル形成面60に付着したインクが拭き取られる。続いて、インクの循環速度を通常速度まで減速させてから、全てのノズル61からインクを吐出するフラッシングが実行され、適切なメニスカスが形成された状態でインクがノズル61に充填される。以上で加圧クリーニングが終了する。終了後は、図7に示す状態に戻る。なお、キャップ712が本発明のキャッピング部材に相当する。
上述した実施形態によれば、第1実施形態での効果を同様に奏することができる他、以下の効果が得られる。
本実施形態のプリンター1によれば、キャップ712を設けることで、印刷ヘッド6のノズル61に対してキャッピングを実行することが可能となる。更に、ワイパー711およびキャップ712を一体移動可能に支持する支持部材713を設けることで、キャップ712をワイパー711とともに移動させることができる。従って、ワイパー711を庇部74cにより遮光可能な位置に移動させる際に、キャップ712も同時に移動させて、遮光可能な位置に配置することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
上記実施形態では、ワイピングの際の指定回数を5回としているが、指定回数は、印刷時間等の印刷履歴により適宜設定されることでよい。
上記実施形態では、印刷ヘッド6の側面64を被供給面とし、側面64に向けて洗浄液を吐出して供給する構成とした。しかしながら、印刷ヘッド6とは別の部材に対して洗浄液を供給する構成としてもよい。
上記実施形態では、ワイパー711をワイピング方向Dwに移動させることでワイピングを行う構成としたが、印刷ヘッド6をワイピング方向Dwに移動させることでノズル形成面60のワイピングを行ってもよい。また、ワイパー711および印刷ヘッド6をともにワイピング方向Dwに移動させてワイピングを行うことも可能である。
上記実施形態のプリンター1の具体的構成についても適宜変更可能であり、印刷ヘッド6やメンテナンスユニット7,7Aの配置や個数を適宜変更したり、プラテンドラム30の形状等を適宜変更したりしてもよい。
上記実施形態では、ノズル61から吐出するインクとしてUVインクを用いている。しかしながら、インクの種類は、UVインクには限られない。更には、インク以外の液体を吐出する液体吐出装置に対して本発明を適用することも可能である。
1…プリンター(液体吐出装置)、6…印刷ヘッド(吐出ヘッド)、37a,37b,38…UVランプ(光照射器)、60…ノズル形成面、61…ノズル、64…側面(被供給面)、66…角部、7,7A…メンテナンスユニット、711…ワイパー(ワイピング部材)、711a…払拭面(第1払拭面)、711b…払拭面(第2払拭面)、712…キャップ(キャッピング部材)、713…支持部材、73…洗浄液供給管(洗浄液供給部)、74c…庇部(遮光部)、100…制御部、CL…吐出された洗浄液、IK…吐出されたインク。

Claims (10)

  1. 液体を吐出するノズルが形成されたノズル形成面を有する吐出ヘッドと、
    前記ノズル形成面に第1払拭面を当接させ、前記ノズル形成面に対して相対移動することでワイピングを行うワイピング部材と、
    前記吐出ヘッドの前記ノズル形成面とは異なる被供給面に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
    前記吐出ヘッドと前記ワイピング部材との相対位置を変位させるように前記吐出ヘッド及び前記ワイピング部材の少なくとも一方の移動を制御するとともに前記洗浄液供給部からの前記洗浄液の吐出を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記被供給面に吐出された前記洗浄液が前記ワイピング部材に流れるように、前記吐出ヘッドと前記ワイピング部材との相対位置を変位させた後に、前記被供給面に前記洗浄液を吐出させることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記ワイピング部材の前記第1払拭面の先端部と、前記ノズル形成面とが当接し、且つ、前記被供給面に吐出された前記洗浄液が前記ワイピング部材の前記第1払拭面とは反対側の面である第2払拭面に流れる位置に前記吐出ヘッドと前記ワイピング部材との相対位置を変位させた後に、前記被供給面に前記洗浄液を吐出させて前記第2払拭面を洗浄することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記第2払拭面を洗浄した後に、前記制御部は、前記ワイピング部材の前記第1払拭面と、前記被供給面とが相対し、且つ、前記被供給面に吐出された前記洗浄液が前記第1払拭面に流れる位置に前記吐出ヘッドと前記ワイピング部材との相対位置を変位させた後に、前記被供給面に前記洗浄液を吐出させて前記第1払拭面を洗浄することを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記ワイピング部材の前記第1払拭面と、前記被供給面とが相対し、且つ、前記被供給面に吐出された前記洗浄液が前記第1払拭面に流れる位置に前記吐出ヘッドと前記ワイピング部材との相対位置を変位させた後に、前記被供給面に前記洗浄液を吐出させて前記第1払拭面を洗浄することを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記第1払拭面を洗浄した後に、前記制御部は、前記ワイピング部材の前記第1払拭面の先端部と、前記ノズル形成面とが当接し、且つ、前記被供給面に吐出された前記洗浄液が前記ワイピング部材の前記第1払拭面とは反対側の面である第2払拭面に流れる位置に前記吐出ヘッドと前記ワイピング部材との相対位置を変位させた後に、前記被供給面に前記洗浄液を吐出させて前記第2払拭面を洗浄することを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記制御部は、前記第1払拭面を前記洗浄液が供給された前記被供給面の下端部に当接させてから、前記ノズル形成面に当接させた状態で前記ノズル形成面に対して相対移動させることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記被供給面は前記吐出ヘッドの側面であることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記液体は、光が照射されると硬化する光硬化性インクであり、
    前記光を照射する光照射器と、前記光照射器から照射される前記光を遮光可能な遮光部と、を備え、
    前記制御部は、前記光照射器が作動している間、前記光照射器からの前記光を前記遮光部により遮光可能な位置に前記ワイピング部材を維持させることを特徴とする液体吐出装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    前記ノズルを封止可能なキャッピング部材と、前記ワイピング部材及び前記キャッピング部材を一体移動可能に支持する支持部材と、を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  10. 液体を吐出するノズルが形成されたノズル形成面を有する吐出ヘッドを備え、
    前記ノズル形成面に第1払拭面を当接させ、前記ノズル形成面に対して相対移動することでワイピングを行うワイピング工程と、
    前記吐出ヘッドの前記ノズル形成面とは異なる被供給面に洗浄液を供給する洗浄液供給工程と、
    前記吐出ヘッドとワイピング部材との相対位置を変位させるように前記吐出ヘッド及び前記ワイピング部材の少なくとも一方の移動を制御するとともに前記洗浄液の吐出を制御する制御工程と、を備え、
    前記制御工程は、前記被供給面に吐出された前記洗浄液が前記ワイピング部材に流れるように、前記吐出ヘッドと前記ワイピング部材との相対位置を変位させた後に、前記被供給面に前記洗浄液を吐出させることを特徴とする吐出ヘッドの洗浄方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110712428A (zh) * 2018-07-11 2020-01-21 京瓷办公信息系统株式会社 喷墨记录装置

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