JP2017023782A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体ギャザーの肌触りを柔軟化する。【解決手段】上記課題は、側部立体ギャザー60を形成するギャザー不織布62のうち少なくとも立ち上がり部68先端側の肌側構成部分に柔軟化エンボス加工が施され、凹凸90が形成されることにより解決される。【選択図】図11

Description

本発明は、柔軟な立体ギャザーを備えた吸収性物品及びその製造方法に関するものである。
現在では、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品の殆ど多くは、表面の幅方向両側から立ち上がる立体ギャザーを備えている。このような立体ギャザーを備えることにより、排泄物の横方向移動が立体ギャザーにより遮断され、いわゆる横漏れが防止される。また、使い捨ておむつでは、ウエストからの漏れを防止するために、表面のウエスト側に立体ギャザーを備えているものもある。
殆ど多くの立体ギャザーは、不織布(以下、ギャザー不織布という)を弾性伸縮部材(以下、ギャザー弾性伸縮部材という)により収縮させて立ち上がらせる基本構造を採用している(例えば特許文献1参照)。より詳細には、ギャザー不織布は、排泄物の遮断位置に沿って延在しており、物品の遮断位置の外側に取り付けられた付け根部と、この付け根部から突出する本体部と、この本体部における遮断位置延在方向の両端部が物品表面において倒伏状態で固定されて形成された倒伏部と、本体部における倒伏部間の部分が非固定とされて形成された立ち上がり部とを有している。そして、ギャザー不織布の本体部は折り返されて二層構造とされており、立ち上がり部の少なくとも先端部の層間にギャザー弾性伸縮部材が遮断位置延在方向に伸長状態で固定されている。
特開2010−154928号公報 特開2001−25485号公報 特開平9−253130号公報 特開2005−312695号公報
立体ギャザーは、肌に接触するだけでなく、擦れる部分であるため、その肌触りの柔軟性は極めて重要である。しかし、立体ギャザーの肌触りの硬さを問題視するものや、柔軟性を改善する提案は本発明者の知る限り無い。例えば、特許文献2記載のように立体ギャザーの肌当り部を面状とすることで当りを緩くすることは可能であるが、立体ギャザーの肌触りの硬さが改善されるものではない。
そこで、本発明の主たる課題は、立体ギャザーの肌触りを柔軟化することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
排泄物の遮断位置に沿って表面から立ち上がる立体ギャザーが延在された吸収性物品において、
前記立体ギャザーは、ギャザー不織布をギャザー弾性伸縮部材により収縮させて立ち上がらせるものであり、
前記ギャザー不織布のうち少なくとも立ち上がり部先端側の肌側構成部分に柔軟化エンボス加工が施されている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
立体ギャザーの肌触りを柔軟化する手法としては、ギャザー不織布の繊維目付を減らす、繊維を細くする等の種々の手法が考えられるが、単に繊維目付を減らすと液遮断性が低下し、単に繊維を細くすると強度が低下する等、立体ギャザーに要求される液遮断性や強度の確保が困難となる。
これに対して、ギャザー不織布に柔軟化エンボス加工を施した場合、立体ギャザーに要求される液遮断性や強度の低下を抑制しつつ、高度に柔軟化を図ることができる。 ここに、用語「柔軟化エンボス加工」とは、エンボスの凹凸形状を維持するための繊維融着が無く、かつ凹凸形成に伴い剛軟度(JIS L 1913:2010の「41.5°カンチレバー法」によるものを意味する)が低下するエンボス加工を意味する。よって、柔軟化エンボス加工は、エンボス加工時に加熱をすることを排除しないが、加熱をするとしても繊維の融点未満であることが必要であり、ヒートエンボスのように繊維の融着により凹凸形状を維持する(硬質化エンボス)ものは含まない。また、用語「エンボス加工」には穴あけ加工は含まれない。
不織布に柔軟化エンボス加工を施すと、繊維融着無しに凹凸が形成されるとともに、おそらく凹凸形成に伴う繊維の折れや、不織布自体の延伸及び収縮による繊維構造の変化が原因で、剛軟度が低下するとともに、凹凸形成による肌接触面積の減少及び圧縮復元性向上により、肌触りの柔軟性が著しく向上する。しかも、単に繊維目付を減らしたり、繊維を細くしたりするのと比べれば、立体ギャザーに要求される液遮断性や強度の低下は少ないものとなる。
<請求項2記載の発明>
前記柔軟化エンボス加工が、前記ギャザー不織布が波形に加工される両面エンボス加工である、請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
このように不織布が波形(波板等のように波状断面が連続する形)に加工される両面エンボス加工は、液遮断性の低下度合が小さく、剛軟度の低下度合が大きいため、特に好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記柔軟化エンボス加工により形成される波形の凹凸が、前記立体ギャザーの延在する方向に沿って延在されている、請求項2記載の吸収性物品。
(作用効果)
波形に形成された不織布は柔軟性にある程度方向性が生まれるため、ギャザー不織布の場合には波形の凹凸が立体ギャザーの延在方向に沿って延在されていると、立体ギャザーが身体形状に応じて追従変形し易くなり、素材自体の柔軟な肌触りとともに、装着時の肌への当りが柔軟となるとため好ましい。また、立体ギャザーを乗り越える方向の排泄物の移動が凹凸により阻止される効果ももたらされる。
<請求項4記載の発明>
前記柔軟化エンボス加工により形成される波形の凹凸は、前記立体ギャザーの先端側ほど波高が高く形成されている、請求項3記載の吸収性物品。
(作用効果)
このような形状とすることにより、肌に接触し易い部分ほど柔軟な肌触りが得られるとともに、立体ギャザーを乗り越える方向の排泄物の移動をより効果的に阻止できるようになる。
<請求項5記載の発明>
背側の両側部から突出し、腹側外面に係止されるファスニングテープを備えたテープタイプ使い捨ておむつであって、
前記ギャザー不織布は、前記ファスニングテープが接合された領域を有するとともに、このファスニングテープの接合領域には前記柔軟化不織布加工が施されていない、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
テープタイプ使い捨ておむつにおいては、ファスニングテープの表側の面がギャザー不織布に取り付けられている場合が多く、このような形態では、ギャザー不織布の強度がファスニングテープの取付強度に影響する。本発明で採用する柔軟化エンボス加工は、ギャザー不織布の強度が低下しないわけではないので、ギャザー不織布におけるファスニングテープの接合領域に柔軟化エンボス加工を施すと、ファスニングテープの取付強度が低下するおそれがある。よって、ギャザー不織布におけるファスニングテープの接合領域には柔軟化エンボス加工は施さずに、ファスニングテープの取付強度を低下させないことが好ましい。
<請求項6記載の発明>
物品裏面を構成する外装不織布を備えるとともに、物品周縁部に、前記外装不織布と前記ギャザー不織布とが接合された部分を有しており、
前記ギャザー不織布における前記外装不織布との接合領域には、柔軟化エンボス加工が施されており、
前記外装不織布における前記ギャザー不織布との接合領域以外の領域には、柔軟化エンボス加工が施されており、
前記外装不織布における前記ギャザー不織布との接合領域には、柔軟化エンボス加工が施されていない、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
テープタイプ使い捨ておむつやパッドタイプ使い捨ておむつ等の一部の吸収性物品では、物品裏面を構成する外装不織布を備えるとともに、物品両側部等の周縁部に外装不織布とギャザー不織布とが接合された部分を有しているものがある。このような構造では、製品外面の肌触りを柔軟化するために外装不織布に柔軟化エンボス加工を施すことができるが、ギャザー不織布にも柔軟化エンボス加工を施すと、物品周縁部の外装不織布とギャザー不織布との接合領域が柔軟になり過ぎ、肌触りは極めて柔軟なもののコシが弱くフィット性が低下するおそれがある。よって、上述のように、外装不織布におけるギャザー不織布との接合領域以外の領域には、柔軟化エンボス加工を施すものの、外装不織布におけるギャザー不織布との接合領域には、柔軟化エンボス加工を施さずに、物品表裏面の肌触りをともに向上させつつ、物品周縁部のコシの低下を抑制することが好ましい。
<請求項7記載の発明>
吸収性物品の製造ラインで、ロールから繰り出されるギャザー不織布に対してギャザー弾性伸縮部材を接着して立体ギャザーを形成し、この立体ギャザーを吸収性物品の表面から排泄物の遮断位置に沿って立ち上がるように取り付ける、吸収性物品の製造方法であって、
前記ギャザー不織布に対して、前記ギャザー弾性伸縮部材の接着工程より前に、少なくとも一方のロールが外周面に凹凸模様を有するエンボスロールとされた一対のロール間で挟むことにより柔軟化エンボス加工を施す、
ことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
(作用効果)
このような製造方法により、請求項1記載の発明の吸収性物品を製造することができる。前述のとおり、柔軟化エンボス加工はエンボスの凹凸形状を維持するための繊維融着が無いため、予め加工を施した不織布をロールに巻き取り製造ラインにセットする方法では、凹凸が減少したり、消えたりするおそれがあるが、上述のようにインラインでギャザー不織布に柔軟化エンボス加工を施すと、そのようなおそれは少ないものとなる。
<請求項8記載の発明>
前記柔軟化エンボス加工に際して前記エンボスロールの凹凸模様に撥水剤を供給し、エンボスロールの凹凸模様から前記ギャザー不織布に撥水剤を転写する、請求項7記載の吸収性物品の製造方法。
(作用効果)
柔軟化エンボス加工を用いた場合、不織布の液遮断性の低下は避けられない。よって、この液遮断性の低下を撥水剤により補うことが望ましい。この場合、上述のようにエンボスロールの凹凸模様を介して凹凸模様形成及び撥水剤転写を同時に行うことで、ギャザー不織布の防水性の向上が望まれる部位に選択的に撥水剤を塗布することができ、無駄なく液遮断性の向上を図ることができる。
以上のとおり、本発明によれば、立体ギャザーの肌触りが柔軟化する等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6線断面図である。 図1の7−7線断面図である。 図1の8−8線断面図である。 図1の9−9線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 エンボス加工の説明図である。 波形エンボス加工のエンボスロール概略図である。 波形エンボス加工前後の状態を示す比較写真である。 側部立体ギャザーの柔軟化エンボス加工範囲を示す要部断面図である。 側部立体ギャザーの柔軟化エンボス加工範囲を示す要部断面図である。 側部立体ギャザーの柔軟化エンボス加工領域を示す要部平面図である。 柔軟化エンボス加工領域を示す要部分解斜視図である。 テープタイプ使い捨ておむつの製造フローである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、図中の点模様部分は図14の縦縞状部分を除きホットメルト接着剤の塗布部分を示している。
このテープタイプ使い捨ておむつは、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収要素50が介在する部分である吸収性本体部10と、この吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分である腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFとを有するものである。
また、このテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体の側縁よりも側方に延出する一対のサイドフラップ部SF,SFを有しており、背側におけるサイドフラップ部SF,SFにはファスニングテープ13がそれぞれ設けられている。
より詳細には、吸収性本体部10ならびに各サイドフラップ部SF,SFの外面全体が外装不織布12により形成されている。特に、吸収性本体部10においては、外装不織布12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収要素50、中間シート40、およびトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30および液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する側部立体ギャザー60,60が設けられており、この側部立体ギャザー60,60を形成するギャザー不織布62,62が、トップシート30の両側部上から各サイドフラップ部SF,SFの内面までの範囲に固着されている。
以下、各部の素材および特徴部分について順に説明する。
(外装不織布)
外装不織布12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装不織布12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
外装不織布12の種類は特に限定されないが、撥水性のものが好適である。不織布の素材繊維は特に限定されず、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維、これらから二種以上が使用された混合繊維、バイコンポーネント(複合)繊維などを用いることができる。不織布の製法は特に限定されず、ウエブ形成方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等を採用することができ、繊維結合方法も、特に限定されず、ケミカルボンド法(浸漬法、スプレー法)、サーマルボンド法(エアスルー法、加熱カレンダー法、超音波法)、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流交絡法)等を採用することができる。
ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布、スパンボンド層からなる不織布(SS不織布、SSS不織布)や、スパンボンド層間にメルトブローン層を有する不織布(SMS不織布、SMMS不織布、SSMS不織布、SSMMS不織布)等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。これら長繊維不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜30g/m2、特に13〜18g/m2のものが望ましい。また、厚みは0.10〜0.50mm、特に0.15〜0.25mmであるのが好ましい。
外装不織布12に代えて不織布以外のシートを用いることもでき、また外装不織布12を省略することもできる。
外装不織布12には、その全体又は一部に、後述する側部立体ギャザー60と同様の柔軟化エンボス加工を施すことができる。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。不織布を用いる場合、その原料繊維が何であるかは特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、バイコンポーネント(複合)複合繊維などを用いることができる。不織布の製法は特に限定されず、ウエブ形成方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等を採用することができ、繊維結合方法も、特に限定されず、ケミカルボンド法(浸漬法、スプレー法)、サーマルボンド法(エアスルー法、加熱カレンダー法、超音波法)、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流交絡法)等を採用することができる。ただし、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材から適宜選択して用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(側部立体ギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、排泄物の遮断位置(図示形態の場合、吸収体の側縁又はその近傍)に沿って表面から立ち上がる側部立体ギャザー60が設けられている。
この側部立体ギャザー60は、ギャザー不織布62と、このギャザー不織布62に前後方向に沿って伸張状態で固定された細長状のギャザーギャザー弾性伸縮部材63とで構成されている。このギャザーギャザー弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができ、固定時の伸長率(自然長を100%としたときの値を意味する。)は200〜260%程度とすることができる。ギャザー弾性伸縮部材62は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザー不織布62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装不織布12の側部にホットメルト接着剤などにより固着された付け根部65とされている。
立体ギャザーにおける付け根部65より幅方向内側の本体部66は、製品前後方向両端部がトップシート30上に倒伏状態で固定された倒伏部67とされるとともに、その間の部分が非固定(自由)の立ち上がり部68とされている。また、この本体部66は、先端で折り返されてホットメルト接着剤により張り合わされて形成されており、その層間における立ち上がり部68に、ギャザー弾性伸縮部材63が前後方向に沿って延在されている。おむつの装着時には、おむつが横から見て略U字状になるとともに、ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、側部立体ギャザー60の立ち上がり部68が立ち上がって脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
立体ギャザー60の本体部の前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定して倒伏部を形成すると、立ち上がり部が図12(b)に示すようになる。
ギャザー不織布62の種類は特に限定されないが、通常の場合、液遮断性を確保するために撥水性のものが用いられる。不織布の素材繊維は特に限定されず、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維、これらから二種以上が使用された混合繊維、バイコンポーネント(複合)繊維などを用いることができる。不織布の製法は特に限定されず、ウエブ形成方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等を採用することができ、繊維結合方法も、特に限定されず、ケミカルボンド法(浸漬法、スプレー法)、サーマルボンド法(エアスルー法、加熱カレンダー法、超音波法)、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流交絡法)等を採用することができる。また、ギャザー不織布62を撥水性とするために、おむつの組み立ての際又は組み立てに先立って、ギャザー不織布62にシリコン系やパラフィン系等の撥水剤を塗布することができる。
ただし、肌触り及び液遮断性を両立できる点で、スパンボンド層間にメルトブローン層を有する不織布(SMS不織布、SMMS不織布、SSMS不織布、SSMMS不織布)が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。これら長繊維不織布を用いる場合、その繊維目付けは8〜30g/m2、特に13〜18g/m2のものが望ましい。また、厚みは0.10〜0.50mm、特に0.15〜0.25であるのが好ましい。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SF,SFには、ギャザー不織布62の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザー不織布62と液不透過性シート11との間に、糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64が前後方向に沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SF,SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性伸縮部材64はサイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に配置することもできる。脚周り弾性伸縮部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパのようなクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(ファスニングテープ)
図1、図2及び図5に示されるように、ファスニングテープ13は、おむつの側部に固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bをなすシート基材と、このシート基材におけるテープ本体部13Bの幅方向中間部に設けられた、腹側に対する係止部13Aとを有し、この係止部13Aより先端側が摘み部とされたものである。ファスニングテープ13のテープ取付部13Cは、サイドフラップ部における内側層をなすギャザー不織布62及び外側層をなす外装不織布12間に挟まれ、かつホットメルト接着剤により両シート62,12に接着されている。また、係止部13Aはシート基材に接着剤により剥離不能に接合されている。
乳幼児用おむつにおいては、テープ取付部13Cの寸法のうち、おむつの幅方向の長さX1は10〜50mm、特に20〜40mmであるのが好ましく、前後方向長さY1は、20〜100mm、特に40〜80mmであるのが好ましい。また、テープ本体部13Bの寸法のうち、おむつの幅方向の長さは30〜80mm、特に40〜60mmであるのが好ましく、前後方向の長さ(高さ)は20〜70mm、特に25〜50mmであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ13の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、前後方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ13の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。
係止部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)が好適である。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。もちろん、ファスニングテープ13の係止部として粘着材層を設けることもできる。
また、テープ取付部からテープ本体部までを形成するシート基材としては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができるが、繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2、厚み1mm以下のスパンボンド不織布、エアスルー不織布、又はスパンレース不織布が好ましい。
おむつの装着に際しては、背側のサイドフラップ部SFを腹側のサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープを腹側F外面の適所に係止する。ファスニングテープ13の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつにおいては、係止箇所は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
ファスニングテープ13は、背側のエンドフラップ部EFと吸収要素50の境界線上にファスニングテープ13のテープ取付部13Cが重なるように取り付けられていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13の取り付け部分間に働く張力により、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ13の取り付け部分が、おむつの背側端部(後端部)と離れすぎていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13のテープ取付部13C間に働く張力がおむつの背側端部にまで及ばないため、おむつの背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、背側のエンドフラップ部EFの前後方向長さは、ファスニングテープ13のテープ取付部13Cの前後方向長さと同じか又は短いことが好ましい。
(ターゲットシート)
腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。 また、腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装不織布12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装不織布12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装不織布12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(エンドフラップ部)
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部EFであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部EFである。
背側エンドフラップEFの前後方向長さは、前述の理由によりファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
(背側伸縮シート)
図示形態では、両ファスニングテープ13間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ13の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部EFと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性伸縮部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性伸縮部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装不織布12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザー不織布62と外装不織布12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けても良いし、外装不織布12の外面に設けても良く、またトップシート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、背側伸縮シート70はトップシート30の上に設けても良く、この場合、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザー不織布62の上に設けても良い。また、外装不織布12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装不織布12のシート基材間に設けても良い。
(立体ギャザーの柔軟化)
特徴的には、図10、図11、図12に示すように、側部立体ギャザー60のギャザー不織布62のうち少なくとも立ち上がり部68先端側の肌側構成部分に柔軟化エンボス加工が施され、凹凸90が形成されている。つまり、図中の凹凸90が形成されている領域が柔軟化エンボス加工領域である。側部立体ギャザー60の肌触りを柔軟化する手法としては、ギャザー不織布62の繊維目付を減らす、繊維を細くする等の種々の手法が考えられるが、単に繊維目付を減らすと液遮断性が低下し、単に繊維を細くすると強度が低下する等、側部立体ギャザー60に要求される液遮断性や強度の確保が困難となる。これに対して、ギャザー不織布62に柔軟化エンボス加工を施した場合、側部立体ギャザー60に要求される液遮断性や強度の低下を抑制しつつ、高度に柔軟化を図ることができる。
柔軟化エンボス加工は、エンボスの凹凸形状を維持するための繊維融着が無く、かつ凹凸形成に伴い剛軟度(JIS L 1913:2010の「41.5°カンチレバー法」によるものを意味する)が低下するエンボス加工を意味し、加工後の剛軟度が15〜40mm程度であると好ましく、特に20〜35mmであるとより好ましい。柔軟化エンボス加工は、エンボス加工時に加熱をすることもできるが、加熱をするとしても繊維の融点未満であることが必要である。具体的にオレフィン系繊維の不織布の場合、加熱温度は0〜100度とすることができる。
このような柔軟化エンボス加工を不織布に施すと、繊維融着無しに凹凸90が形成されるとともに、おそらく凹凸形成に伴う繊維の折れや、不織布自体の延伸及び収縮による繊維構造の変化が原因で、剛軟度が低下するとともに、凹凸形成による肌接触面積の減少及び圧縮復元性向上により、肌触りの柔軟性が著しく向上する。しかも、単に繊維目付を減らしたり、繊維を細くしたりするのと比べれば、側部立体ギャザー60に要求される液遮断性や強度の低下は少ないものとなる。
エンボス加工としては、例えば以下のような凹凸形成手法(穴あけ加工は含まれない。)を採用することができ、中でも柔軟化効果の高い点で両面エンボスが好ましい。
・片面エンボス
図8(a)に示すように、外周面に凹凸模様を有するエンボスロール81(彫刻ロール)と弾性ロール82(ゴムロールなど)との間に不織布80を挟み、不織布80に凹凸を形成する加工。
・両面エンボス
図8(b)に示すように、雄柄の凹凸模様を有する雄エンボスロール83aと、雄柄の凹凸模様と組み合わさる雌柄の凹凸模様を有する雌エンボスロール83bとの間に不織布80を挟み、不織布80に凹凸を形成する加工。両エンボスロール83a,83bをスチールロールとしたスチールマッチエンボスがこれに該当するが、一方のロールをスチール以外の素材で形成するものも含まれる。
・Tip to tip(ティップトゥテイップ)
図8(c)に示すように、同一の凹凸模様を有し、同位相で回転する一対のエンボスロール84a,84b間に不織布80を挟み、凸と凸とが合わさる部位のみ挟むことにより不織布80に凹凸を形成する加工であり、加工品の表裏の凹凸形状に差が出ない加工。
ギャザー不織布62(外装不織布12も同様)に形成される凹凸形状は特に限定されず、円形、多角形等のドット状凹部又は凸部が加工領域に所定の間隔を空けて多数形成される形態も採用することができるが、液遮断性の低下度合が小さい割には剛軟度の低下度合が大きい点で、図10、図11、図12に示すように、ギャザー不織布62が波形(波板等のように波状断面が連続する形)になり、そのうねりが表裏面に凹凸90として現れる形態が好ましい。このような波加工は、図9に示すように、全周にわたる筋状凸部85pが軸方向に所定の間隔で多数形成された雄エンボスロール85と、雄エンボスロール85の各凸筋85pが入り込む全周にわたる溝状凹部86dが軸方向に所定の間隔で多数形成された雌エンボスロール86とを用いた両面エンボス加工により形成することができる。
図10は、繊度2dtex、繊維目付17g/m2のSMS不織布80における、上述の波形両面エンボス加工前後の不織布80の状態を示しており、繊維融着無しに凹凸が形成されるとともに、凹凸形成に伴う繊維の折れが発生していることが分かる。また、図からは分かり難いが凹凸形成に伴い、不織布80自体の繊維構造の変化による嵩の増加も発生している。なお、加工前後の剛軟度(JIS L 1913:2010の「41.5°カンチレバー法」)、及びKES(Kawabata Evaluation SYSTEM)の圧縮レジリエンスRCの測定結果を表1に示した。
エンボスにより形成される凹凸の寸法は適宜定めれば良いが、ドット状凹凸の場合、凹部の底部又は凸部の頂部の面積は0.50〜3.00mm2程度であるのが好ましく、中心間隔は3.00〜5.00mm程度であるのが好ましい。また、波形凹凸90の場合、波高α(見かけの不織布の厚み。図10参照。)は0.25〜0.60mm、特に0.30〜0.45mm程度であるのが好ましく、間隔λ(波の波長に相当。図10参照。)は0.30〜2.00mm、特に0.40〜0.60mm程度であるのが好ましい。特に、波形の凹凸90は、図12(a)に示すように、側部立体ギャザー60の先端側ほど波高が高く形成されていると、肌に接触し易い部分ほど柔軟な肌触りが得られるとともに、側部立体ギャザー60を乗り越える方向に移動する排泄物の移動をより効果的に阻止できるようになるため好ましい。この形態からも分かるように、凹凸90の寸法は一律に同じでなくても良い。
また、波形に形成された不織布は柔軟性にある程度方向性が生まれるため、ギャザー不織布62の場合には波形凹凸90が側部立体ギャザー60の延在する方向(側部立体ギャザー60の場合は物品前後方向。図14参照。)に沿って延在されている(つまり幅方向断面が波形となる)と、側部立体ギャザー60が身体形状に応じて追従変形し易くなり、素材自体の柔軟な肌触りとともに、装着時の肌への当りが柔軟となるとため好ましい。もちろん、波形の凹凸が他の方向に沿って延在される形態でも良い。
柔軟化エンボス加工は、図11及び図12に詳細に示すように、ギャザー不織布62のうち少なくとも立ち上がり部68先端側の肌側構成部分62f(非肌側を符号62nにより示している)に施し、凹凸90を形成する限り、図11(a)に示すようにギャザー不織布の全体に加工を施し、凹凸90を形成する他、図11(b)に示すように他の領域には施さない形態とすることもできる。
また、図13に示される、側部立体ギャザー60の立ち上がり部68(図中右斜め上がり斜線部分)、倒伏部67(図中左斜め上がり斜線部分)、及び付け根部65(斜線交差部分)のうち、立ち上がり部68の全体のみを柔軟化エンボス加工領域としたり、立ち上がり部68及び倒伏部67の全体のみを柔軟化エンボス加工領域としたりすることができる。
特に、図示形態のように、ギャザー不織布62がファスニングテープ13と接合された領域を有するテープタイプ使い捨ておむつの場合は、ギャザー不織布62の強度がファスニングテープ13の取付強度に影響するため、図14に柔軟化エンボス加工による波形領域91を縦縞で示すように、ギャザー不織布62におけるファスニングテープ13の接合領域には柔軟化エンボス加工を施さずに、ファスニングテープ13の取付強度を低下させないのは好ましい。
また、図示形態のようにおむつ裏面を構成する外装不織布12を備えるとともに、おむつ周縁部(図示形態の場合は側部立体ギャザー60であるため両側部)に外装不織布12とギャザー不織布62とが接合された部分を有する構造では、前述のとおり、製品外面の肌触りを柔軟化するために外装不織布12にも柔軟化エンボス加工を施し、凹凸90を形成することができる。しかし、図11(a)に示すように、ギャザー不織布62にも柔軟化エンボス加工を施すと、おむつ両側部の外装不織布12とギャザー不織布62との接合領域12Sが柔軟になり過ぎ、肌触りは極めて柔軟なもののコシが弱くフィット性が低下するおそれがある。そこで、図12(a)及び図14に示すように、ギャザー不織布62における外装不織布12との接合領域12Sには、柔軟化エンボス加工を施し、外装不織布12におけるギャザー不織布62との接合領域12S以外の領域には、柔軟化エンボス加工を施し、かつ外装不織布12におけるギャザー不織布62との接合領域12Sには、柔軟化エンボス加工を施さないことにより、おむつ表裏面の肌触りをともに向上させつつ、おむつ周縁部のコシの低下を抑制することが好ましい。
他方、ギャザー不織布に柔軟化エンボス加工を施すと、液遮断性は低下せざるを得ない。そこで、図示形態のようにギャザー不織布の立ち上がり部分の全体を二層構造とする形態を採用しつつ、図11(a)に示すようにギャザー不織布62の肌側構成部分62f及び非肌側構成部分62nの両方に柔軟化エンボス加工を施して凹凸90を形成するのではなく、図11(b)、図12(a)(b)に示すようにギャザー不織布62の肌側構成部分62fにのみ柔軟化エンボス加工を施して凹凸90を形成し、非肌側構成部分62には柔軟化エンボス加工を施さないのも一つの好ましい形態である。これにより、ギャザー不織布62の肌側構成部分により肌触りの柔軟化効果を獲得しつつ、非肌側構成部分62nにより液遮断性の低下を抑制することができる。
<製造方法の例>
図15は、上述の使い捨ておむつの製造方法例を示しており、図中の黒塗り矢印はホットメルト接着剤の塗布を示している。この製造方法の製造ラインは、吸収要素製造パート100、表側製造パート110、裏側製造パート130、及び組立・仕上げパート140から構成されている。以下、各パートについて順に説明する。
吸収要素製造パート100では、図示しない原反ロールから帯状の包装シート58を繰り出して長手方向に沿って移送し、次にこの包装シート58上の幅方向中間部に吸収体56を流れ方向に間欠的に載せていく。図示形態は、ロールパルプ56Fをガーネットシリンダー101で解砕して高吸収性ポリマー粒子56Pと混合した後、積繊ドラム102で所定形状に積繊して得られる吸収体56を包装シート58上に供給するように構成している。包装シート58上に載置した吸収体56は包装シート58ともに一対のプレスロール103間で挟んで押し固めた後、包装シート58における吸収体56の幅方向(CD方向)両側に食み出す部分を包装シートセーラー104により吸収体56の上側に折り畳み、吸収体56を包装シート58で包み込み、包装シート圧着ローラ105で圧着する。この包装シート58で包み込まれた吸収体56は、次に吸収要素カッター装置106により吸収体56間の位置でライン流れ方向に間欠的に切断し、個別の吸収要素50(吸収体56を包装シート58で包装したもの)を形成し、この吸収要素50を組立・仕上げパート140に供給する。
一方、表側製造パート110では、吸収要素50よりも表側の要素が組み立てられ、組立・仕上げパート140に供給される。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状のシート基材を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、スリッター111により左右各一本のギャザー不織布62に分割した後、各ギャザー不織布62に対してギャザー弾性伸縮部材63を繰り出して伸長状態で貼り付けるとともに、立体ギャザーセーラー112によりギャザー弾性伸縮部材63を挟むようにギャザー不織布62を折り返して立体ギャザー60を形成し、これらをテープ貼付け装置に供給する。このパートで、ギャザー不織布62に対して、ギャザー弾性伸縮部材の接着工程より前に、少なくとも一方のロールが外周面に凹凸模様を有するエンボスロールとされた一対のロール119間で挟み、柔軟化エンボス加工(前述したため詳細な説明は省略する)を施すことにより、前述の柔軟な側部立体ギャザー60が形成される。柔軟化エンボス加工はエンボスの凹凸形状を維持するための繊維融着が無いため、予め加工を施した不織布をロールに巻き取り製造ラインにセットする方法では、凹凸が減少したり、消えたりするおそれがあるが、図示例のようにインラインでギャザー不織布62に柔軟化エンボス加工を施すと、そのようなおそれは少ないものとなる。
またこの際、図示のように、エンボスロールの凹凸模様に撥水剤119xを供給し、エンボスロールの凹凸模様からギャザー不織布62に撥水剤119xを転写することにより、ギャザー不織布62に撥水性を付与するのは一つの好ましい形態である。柔軟化エンボス加工を用いた場合、不織布の液遮断性の低下は避けられない。よって、この液遮断性の低下を撥水剤119xにより補うことが望ましい。この場合、上述のようにエンボスロールの凹凸模様を介して凹凸模様形成及び撥水剤転写を同時に行うことで、ギャザー不織布62の防水性の向上が望まれる部位に選択的に撥水剤119xを塗布することができ、無駄なく液遮断性の向上を図ることができる。なお、この撥水剤塗布は、撥水性不織布に対して柔軟化エンボス加工による液遮断性の低下を補うために補助的に行うことも、また非撥水性不織布に対して行うこともできる。
また、図示しない原反ロールから帯状のシート基材を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、その幅方向中央部に帯状のフック材を長手方向に沿って連続的に貼り付け、帯状のフック材の幅方向(CD方向)両端部をテープエンボスロール113により圧着して、テープ13基材13Tを形成した後、テープラウンドカッター114により波状の切断線でCD方向に二分割し、左右各一本のファスニングテープ13の連続帯(内側テープ13が縦方向に連なった状態のもの)を形成し、これらをテープ貼り付け装置115に供給する。
テープ貼付け装置115では、ファスニングテープ13連続帯をカッターユニット116により個別のファスニングテープ13に切断するとともに、そのファスニングテープ13を別途供給される立体ギャザーに貼り付け、次にテープ折りベルト117によりファスニングテープ13の内面を立体ギャザーの基部上に折り返し、その折り返し部分をフック材により立体ギャザーに貼り付けた後、必要に応じてピンエンボス加工118を行い、フック材とファスニングテープ13,14との接合を補強する。
次いで、ファスニングテープ13が取り付けられた立体ギャザーは、トップシート30及び中間シート40の積層体に貼り付けられる。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状の中間シート40を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、穿孔ロール121により多数の開口を形成する一方で、図示しない原反ロールから帯状のトップシート30を繰り出し、中間シート張り合わせロール122により、穿孔後の中間シート40をトップシート30に張り合わせてトップシート30及び中間シート40の積層体を形成した後、この積層体のトップシート30の表面に、ファスニングテープ13が取り付けられた立体ギャザー60を貼り付ける。図示形態では、更にこの後、立体ギャザー60の裏面に、平面ギャザー弾性伸縮部材64を繰り出して伸長状態で貼り付けてから、これらを表側の要素として組立・仕上げパート140に供給する構成となっている。
他方、裏側製造パート130では、吸収要素50よりも裏側の要素が組み立てられ、組立・仕上げパート140に供給される。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状の外装不織布12を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、この外装不織布12に対して、先ずターゲットシート12Tを貼り付け、次に液不透過性シート11を貼り付けた後、これらを裏側の要素として組立・仕上げパート140に供給する構成となっている。特に図示形態では、ターゲットシート12T連続帯をターゲットシートカッターユニット131により個別のターゲットシート12Tに切断するとともに、そのターゲットシート12Tをターゲットシート貼り付けロール132により外装不織布12の外面に貼り付けた後、帯状の液不透過性シート11を液不透過性シートカッターユニット133により個別の液不透過性シート11に切断するとともに、その液不透過性シート11を液不透過性シート貼り付けロール134により外装不織布12の内面に貼り付ける構成となっている。
さらに、この外装不織布系統とは別に、図示しない原反ロールから帯状のシート基材71を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、このシート基材71に対して背側弾性伸縮部材72を繰り出して伸長状態で貼り付けるとともに、背側伸縮シートセーラー135により背側弾性伸縮部材72を挟むようにシート基材72を折り返して背側伸縮シートを形成し、この背側伸縮シートにおける背側弾性伸縮部材72の一部を必要に応じて弾性伸縮部材カッター136により細かく切断して、収縮力が作用しないようにした後、背側伸縮シートカッター装置137によりライン流れ方向に間欠的に切断し、個別の背側伸縮シート70を形成し、この背側伸縮シート70をターナー138により90度回転させて組立・仕上げパート140に供給する。この背側伸縮シート製造パートを省略することにより、背側伸縮シート70の無いテープタイプ使い捨ておむつを製造することができる。
そして、組立・仕上げパート140では、組立ドラム141により、裏側製造パートから順次供給される裏側の要素の内面上に、同じく順次供給される背側伸縮シート70を貼り付け、その上に吸収要素製造パートから順次供給される吸収要素50を貼り付け。更にその上に上側製造パートから供給される表側の要素(トップシート、中間シート、立体ギャザー、ファスニングテープ、及び平面ギャザー弾性伸縮部材の半製品)を貼り付けた後、脚周りダイカッター142によりCD方向両側縁を流れ方向に間欠的に脚周りに沿う曲線状に切断し、次いでサイドフラップ部セーラー143によりCD方向両側部を内面側に折り畳んでから、製品カッター装置144によりライン流れ方向に間欠的に切断し、個別のおむつDPを形成する。図示しないが、個別化されたおむつDPは前後方向中央を折り目として表面同士が合わさるように二つ折りした後、所定数積層し、包装袋に入れて包装する。
<その他>
上記例では、側部立体ギャザー60への柔軟化エンボス加工の適用例を示したが、立体ギャザーである限り、他の部位に設けられるもの、例えば、特開2009−5999号公報、特開平07−184955号公報、特開2001−293032号公報に記載されるような、背側や腹側に、ウエストからの漏れを防止するために幅方向に沿って設けられ、排泄物の遮断位置(幅方向に沿って延在する)に沿って表面から立ち上がる立体ギャザーにも適用可能である。
本発明は、立体ギャザーを備えるものであれば、上記例のようなテープタイプ使い捨ておむつに限られず、パッドタイプやパンツタイプの使い捨ておむつはもちろん、生理用ナプキン等の他の吸収性物品にも利用可能なものである。
11…液不透過性シート、12…外装不織布、13…ファスニングテープ、13A…係止部、13B…テープ本体部、13C…テープ取付部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザー不織布、70…背側伸縮シート、12T…ターゲットシート、65…付け根部、66…本体部、67…倒伏部、68…立ち上がり部、90…凹凸。
本発明は、柔軟な立体ギャザーを備えた吸収性物品に関するものである。
現在では、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品の殆ど多くは、表面の幅方向両側から立ち上がる立体ギャザーを備えている。このような立体ギャザーを備えることにより、排泄物の横方向移動が立体ギャザーにより遮断され、いわゆる横漏れが防止される。また、使い捨ておむつでは、ウエストからの漏れを防止するために、表面のウエスト側に立体ギャザーを備えているものもある。
殆ど多くの立体ギャザーは、不織布(以下、ギャザー不織布という)を弾性伸縮部材(以下、ギャザー弾性伸縮部材という)により収縮させて立ち上がらせる基本構造を採用している(例えば特許文献1参照)。より詳細には、ギャザー不織布は、排泄物の遮断位置に沿って延在しており、物品の遮断位置の外側に取り付けられた付け根部と、この付け根部から突出する本体部と、この本体部における遮断位置延在方向の両端部が物品表面において倒伏状態で固定されて形成された倒伏部と、本体部における倒伏部間の部分が非固定とされて形成された立ち上がり部とを有している。そして、ギャザー不織布の本体部は折り返されて二層構造とされており、立ち上がり部の少なくとも先端部の層間にギャザー弾性伸縮部材が遮断位置延在方向に伸長状態で固定されている。
特開2010−154928号公報 特開2001−25485号公報 特開平9−253130号公報 特開2005−312695号公報
立体ギャザーは、肌に接触するだけでなく、擦れる部分であるため、その肌触りの柔軟性は極めて重要である。しかし、立体ギャザーの肌触りの硬さを問題視するものや、柔軟性を改善する提案は本発明者の知る限り無い。例えば、特許文献2記載のように立体ギャザーの肌当り部を面状とすることで当りを緩くすることは可能であるが、立体ギャザーの肌触りの硬さが改善されるものではない。
そこで、本発明の主たる課題は、立体ギャザーの肌触りを柔軟化することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
排泄物の遮断位置に沿って表面から立ち上がる立ち上がり部を有する立体ギャザーが延在された吸収性物品において、
前記立体ギャザーは、ギャザー不織布をギャザー弾性伸縮部材により収縮させて立ち上がらせるものであり、
前記ギャザー不織布の肌側構成部分のみに柔軟化エンボス加工が施されている、
ことを特徴とする吸収性物品。
<請求項2記載の発明>
前記ギャザー不織布のうち立ち上がり部先端側のみに前記柔軟化エンボス加工が施されている、請求項1記載の吸収性物品。
<請求項3記載の発明>
前記立体ギャザーの前記柔軟化エンボス加工と重なる部位のみに前記ギャザー弾性伸縮部材が設けられている、請求項2記載の吸収性物品。
<請求項4記載の発明>
前記ギャザーの立ち上がり部分の全体が前記ギャザー不織布二枚からなる二層構造となっている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
立体ギャザーの肌触りを柔軟化する手法としては、ギャザー不織布の繊維目付を減らす、繊維を細くする等の種々の手法が考えられるが、単に繊維目付を減らすと液遮断性が低下し、単に繊維を細くすると強度が低下する等、立体ギャザーに要求される液遮断性や強度の確保が困難となる。
これに対して、ギャザー不織布に柔軟化エンボス加工を施した場合、立体ギャザーに要求される液遮断性や強度の低下を抑制しつつ、高度に柔軟化を図ることができる。 ここに、用語「柔軟化エンボス加工」とは、エンボスの凹凸形状を維持するための繊維融着が無く、かつ凹凸形成に伴い剛軟度(JIS L 1913:2010の「41.5°カンチレバー法」によるものを意味する)が低下するエンボス加工を意味する。よって、柔軟化エンボス加工は、エンボス加工時に加熱をすることを排除しないが、加熱をするとしても繊維の融点未満であることが必要であり、ヒートエンボスのように繊維の融着により凹凸形状を維持する(硬質化エンボス)ものは含まない。また、用語「エンボス加工」には穴あけ加工は含まれない。
不織布に柔軟化エンボス加工を施すと、繊維融着無しに凹凸が形成されるとともに、おそらく凹凸形成に伴う繊維の折れや、不織布自体の延伸及び収縮による繊維構造の変化が原因で、剛軟度が低下するとともに、凹凸形成による肌接触面積の減少及び圧縮復元性向上により、肌触りの柔軟性が著しく向上する。しかも、単に繊維目付を減らしたり、繊維を細くしたりするのと比べれば、立体ギャザーに要求される液遮断性や強度の低下は少ないものとなる。
<請求項記載の発明>
前記柔軟化エンボス加工が、前記ギャザー不織布が波形に加工される両面エンボス加工である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
このように不織布が波形(波板等のように波状断面が連続する形)に加工される両面エンボス加工は、液遮断性の低下度合が小さく、剛軟度の低下度合が大きいため、特に好ましい。
<請求項記載の発明>
前記柔軟化エンボス加工により形成される波形の凹凸が、前記立体ギャザーの延在する方向に沿って延在されている、請求項記載の吸収性物品。
(作用効果)
波形に形成された不織布は柔軟性にある程度方向性が生まれるため、ギャザー不織布の場合には波形の凹凸が立体ギャザーの延在方向に沿って延在されていると、立体ギャザーが身体形状に応じて追従変形し易くなり、素材自体の柔軟な肌触りとともに、装着時の肌への当りが柔軟となるとため好ましい。また、立体ギャザーを乗り越える方向の排泄物の移動が凹凸により阻止される効果ももたらされる。
<請求項7記載の発明>
前記立体ギャザーは、前記ギャザー不織布が前記立体ギャザーの先端で折り返されてホットメルト接着剤を介して張り合わされるとともに、この貼り合わされたギャザー不織布の層間における前記立ち上がり部に前記ギャザー弾性伸縮部材が設けられたものであり、
前記ギャザー不織布のうち、前記立体ギャザーの先端より肌側の部分のみ前記柔軟化エンボス加工が施されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
以上のとおり、本発明によれば、立体ギャザーの肌触りが柔軟化する等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の6−6線断面図である。 図1の7−7線断面図である。 図1の8−8線断面図である。 図1の9−9線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 エンボス加工の説明図である。 波形エンボス加工のエンボスロール概略図である。 波形エンボス加工前後の状態を示す比較写真である。 側部立体ギャザーの柔軟化エンボス加工範囲を示す要部断面図である。 側部立体ギャザーの柔軟化エンボス加工範囲を示す要部断面図である。 側部立体ギャザーの柔軟化エンボス加工領域を示す要部平面図である。 柔軟化エンボス加工領域を示す要部分解斜視図である。 テープタイプ使い捨ておむつの製造フローである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、図中の点模様部分は図14の縦縞状部分を除きホットメルト接着剤の塗布部分を示している。
このテープタイプ使い捨ておむつは、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収要素50が介在する部分である吸収性本体部10と、この吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分である腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFとを有するものである。
また、このテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体の側縁よりも側方に延出する一対のサイドフラップ部SF,SFを有しており、背側におけるサイドフラップ部SF,SFにはファスニングテープ13がそれぞれ設けられている。
より詳細には、吸収性本体部10ならびに各サイドフラップ部SF,SFの外面全体が外装不織布12により形成されている。特に、吸収性本体部10においては、外装不織布12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収要素50、中間シート40、およびトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30および液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する側部立体ギャザー60,60が設けられており、この側部立体ギャザー60,60を形成するギャザー不織布62,62が、トップシート30の両側部上から各サイドフラップ部SF,SFの内面までの範囲に固着されている。
以下、各部の素材および特徴部分について順に説明する。
(外装不織布)
外装不織布12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装不織布12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
外装不織布12の種類は特に限定されないが、撥水性のものが好適である。不織布の素材繊維は特に限定されず、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維、これらから二種以上が使用された混合繊維、バイコンポーネント(複合)繊維などを用いることができる。不織布の製法は特に限定されず、ウエブ形成方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等を採用することができ、繊維結合方法も、特に限定されず、ケミカルボンド法(浸漬法、スプレー法)、サーマルボンド法(エアスルー法、加熱カレンダー法、超音波法)、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流交絡法)等を採用することができる。
ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布、スパンボンド層からなる不織布(SS不織布、SSS不織布)や、スパンボンド層間にメルトブローン層を有する不織布(SMS不織布、SMMS不織布、SSMS不織布、SSMMS不織布)等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。これら長繊維不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜30g/m2、特に13〜18g/m2のものが望ましい。また、厚みは0.10〜0.50mm、特に0.15〜0.25mmであるのが好ましい。
外装不織布12に代えて不織布以外のシートを用いることもでき、また外装不織布12を省略することもできる。
外装不織布12には、その全体又は一部に、後述する側部立体ギャザー60と同様の柔軟化エンボス加工を施すことができる。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。不織布を用いる場合、その原料繊維が何であるかは特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、バイコンポーネント(複合)複合繊維などを用いることができる。不織布の製法は特に限定されず、ウエブ形成方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等を採用することができ、繊維結合方法も、特に限定されず、ケミカルボンド法(浸漬法、スプレー法)、サーマルボンド法(エアスルー法、加熱カレンダー法、超音波法)、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流交絡法)等を採用することができる。ただし、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材から適宜選択して用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(側部立体ギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、排泄物の遮断位置(図示形態の場合、吸収体の側縁又はその近傍)に沿って表面から立ち上がる側部立体ギャザー60が設けられている。
この側部立体ギャザー60は、ギャザー不織布62と、このギャザー不織布62に前後方向に沿って伸張状態で固定された細長状のギャザーギャザー弾性伸縮部材63とで構成されている。このギャザーギャザー弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができ、固定時の伸長率(自然長を100%としたときの値を意味する。)は200〜260%程度とすることができる。ギャザー弾性伸縮部材62は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザー不織布62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装不織布12の側部にホットメルト接着剤などにより固着された付け根部65とされている。
立体ギャザーにおける付け根部65より幅方向内側の本体部66は、製品前後方向両端部がトップシート30上に倒伏状態で固定された倒伏部67とされるとともに、その間の部分が非固定(自由)の立ち上がり部68とされている。また、この本体部66は、先端で折り返されてホットメルト接着剤により張り合わされて形成されており、その層間における立ち上がり部68に、ギャザー弾性伸縮部材63が前後方向に沿って延在されている。おむつの装着時には、おむつが横から見て略U字状になるとともに、ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、側部立体ギャザー60の立ち上がり部68が立ち上がって脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
立体ギャザー60の本体部の前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定して倒伏部を形成すると、立ち上がり部が図12(b)に示すようになる。
ギャザー不織布62の種類は特に限定されないが、通常の場合、液遮断性を確保するために撥水性のものが用いられる。不織布の素材繊維は特に限定されず、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維、これらから二種以上が使用された混合繊維、バイコンポーネント(複合)繊維などを用いることができる。不織布の製法は特に限定されず、ウエブ形成方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等を採用することができ、繊維結合方法も、特に限定されず、ケミカルボンド法(浸漬法、スプレー法)、サーマルボンド法(エアスルー法、加熱カレンダー法、超音波法)、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流交絡法)等を採用することができる。また、ギャザー不織布62を撥水性とするために、おむつの組み立ての際又は組み立てに先立って、ギャザー不織布62にシリコン系やパラフィン系等の撥水剤を塗布することができる。
ただし、肌触り及び液遮断性を両立できる点で、スパンボンド層間にメルトブローン層を有する不織布(SMS不織布、SMMS不織布、SSMS不織布、SSMMS不織布)が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。これら長繊維不織布を用いる場合、その繊維目付けは8〜30g/m2、特に13〜18g/m2のものが望ましい。また、厚みは0.10〜0.50mm、特に0.15〜0.25であるのが好ましい。
(平面ギャザー)
各サイドフラップ部SF,SFには、ギャザー不織布62の固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザー不織布62と液不透過性シート11との間に、糸ゴム等からなる脚周り弾性伸縮部材64が前後方向に沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SF,SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性伸縮部材64はサイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に配置することもできる。脚周り弾性伸縮部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパのようなクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(ファスニングテープ)
図1、図2及び図5に示されるように、ファスニングテープ13は、おむつの側部に固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bをなすシート基材と、このシート基材におけるテープ本体部13Bの幅方向中間部に設けられた、腹側に対する係止部13Aとを有し、この係止部13Aより先端側が摘み部とされたものである。ファスニングテープ13のテープ取付部13Cは、サイドフラップ部における内側層をなすギャザー不織布62及び外側層をなす外装不織布12間に挟まれ、かつホットメルト接着剤により両シート62,12に接着されている。また、係止部13Aはシート基材に接着剤により剥離不能に接合されている。
乳幼児用おむつにおいては、テープ取付部13Cの寸法のうち、おむつの幅方向の長さX1は10〜50mm、特に20〜40mmであるのが好ましく、前後方向長さY1は、20〜100mm、特に40〜80mmであるのが好ましい。また、テープ本体部13Bの寸法のうち、おむつの幅方向の長さは30〜80mm、特に40〜60mmであるのが好ましく、前後方向の長さ(高さ)は20〜70mm、特に25〜50mmであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ13の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、前後方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ13の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。
係止部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)が好適である。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。もちろん、ファスニングテープ13の係止部として粘着材層を設けることもできる。
また、テープ取付部からテープ本体部までを形成するシート基材としては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができるが、繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2、厚み1mm以下のスパンボンド不織布、エアスルー不織布、又はスパンレース不織布が好ましい。
おむつの装着に際しては、背側のサイドフラップ部SFを腹側のサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープを腹側F外面の適所に係止する。ファスニングテープ13の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつにおいては、係止箇所は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
ファスニングテープ13は、背側のエンドフラップ部EFと吸収要素50の境界線上にファスニングテープ13のテープ取付部13Cが重なるように取り付けられていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13の取り付け部分間に働く張力により、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ13の取り付け部分が、おむつの背側端部(後端部)と離れすぎていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ13のテープ取付部13C間に働く張力がおむつの背側端部にまで及ばないため、おむつの背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、背側のエンドフラップ部EFの前後方向長さは、ファスニングテープ13のテープ取付部13Cの前後方向長さと同じか又は短いことが好ましい。
(ターゲットシート)
腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。 また、腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装不織布12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装不織布12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装不織布12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(エンドフラップ部)
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部EFであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部EFである。
背側エンドフラップEFの前後方向長さは、前述の理由によりファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
腹側エンドフラップ部EF及び背側エンドフラップ部EFの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
(背側伸縮シート)
図示形態では、両ファスニングテープ13間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ13の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部EFと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性伸縮部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性伸縮部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装不織布12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザー不織布62と外装不織布12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けても良いし、外装不織布12の外面に設けても良く、またトップシート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、背側伸縮シート70はトップシート30の上に設けても良く、この場合、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザー不織布62の上に設けても良い。また、外装不織布12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装不織布12のシート基材間に設けても良い。
(立体ギャザーの柔軟化)
特徴的には、図10、図11、図12に示すように、側部立体ギャザー60のギャザー不織布62のうち少なくとも立ち上がり部68先端側の肌側構成部分に柔軟化エンボス加工が施され、凹凸90が形成されている。つまり、図中の凹凸90が形成されている領域が柔軟化エンボス加工領域である。側部立体ギャザー60の肌触りを柔軟化する手法としては、ギャザー不織布62の繊維目付を減らす、繊維を細くする等の種々の手法が考えられるが、単に繊維目付を減らすと液遮断性が低下し、単に繊維を細くすると強度が低下する等、側部立体ギャザー60に要求される液遮断性や強度の確保が困難となる。これに対して、ギャザー不織布62に柔軟化エンボス加工を施した場合、側部立体ギャザー60に要求される液遮断性や強度の低下を抑制しつつ、高度に柔軟化を図ることができる。
柔軟化エンボス加工は、エンボスの凹凸形状を維持するための繊維融着が無く、かつ凹凸形成に伴い剛軟度(JIS L 1913:2010の「41.5°カンチレバー法」によるものを意味する)が低下するエンボス加工を意味し、加工後の剛軟度が15〜40mm程度であると好ましく、特に20〜35mmであるとより好ましい。柔軟化エンボス加工は、エンボス加工時に加熱をすることもできるが、加熱をするとしても繊維の融点未満であることが必要である。具体的にオレフィン系繊維の不織布の場合、加熱温度は0〜100度とすることができる。
このような柔軟化エンボス加工を不織布に施すと、繊維融着無しに凹凸90が形成されるとともに、おそらく凹凸形成に伴う繊維の折れや、不織布自体の延伸及び収縮による繊維構造の変化が原因で、剛軟度が低下するとともに、凹凸形成による肌接触面積の減少及び圧縮復元性向上により、肌触りの柔軟性が著しく向上する。しかも、単に繊維目付を減らしたり、繊維を細くしたりするのと比べれば、側部立体ギャザー60に要求される液遮断性や強度の低下は少ないものとなる。
エンボス加工としては、例えば以下のような凹凸形成手法(穴あけ加工は含まれない。)を採用することができ、中でも柔軟化効果の高い点で両面エンボスが好ましい。
・片面エンボス
図8(a)に示すように、外周面に凹凸模様を有するエンボスロール81(彫刻ロール)と弾性ロール82(ゴムロールなど)との間に不織布80を挟み、不織布80に凹凸を形成する加工。
・両面エンボス
図8(b)に示すように、雄柄の凹凸模様を有する雄エンボスロール83aと、雄柄の凹凸模様と組み合わさる雌柄の凹凸模様を有する雌エンボスロール83bとの間に不織布80を挟み、不織布80に凹凸を形成する加工。両エンボスロール83a,83bをスチールロールとしたスチールマッチエンボスがこれに該当するが、一方のロールをスチール以外の素材で形成するものも含まれる。
・Tip to tip(ティップトゥテイップ)
図8(c)に示すように、同一の凹凸模様を有し、同位相で回転する一対のエンボスロール84a,84b間に不織布80を挟み、凸と凸とが合わさる部位のみ挟むことにより不織布80に凹凸を形成する加工であり、加工品の表裏の凹凸形状に差が出ない加工。
ギャザー不織布62(外装不織布12も同様)に形成される凹凸形状は特に限定されず、円形、多角形等のドット状凹部又は凸部が加工領域に所定の間隔を空けて多数形成される形態も採用することができるが、液遮断性の低下度合が小さい割には剛軟度の低下度合が大きい点で、図10、図11、図12に示すように、ギャザー不織布62が波形(波板等のように波状断面が連続する形)になり、そのうねりが表裏面に凹凸90として現れる形態が好ましい。このような波加工は、図9に示すように、全周にわたる筋状凸部85pが軸方向に所定の間隔で多数形成された雄エンボスロール85と、雄エンボスロール85の各凸筋85pが入り込む全周にわたる溝状凹部86dが軸方向に所定の間隔で多数形成された雌エンボスロール86とを用いた両面エンボス加工により形成することができる。
図10は、繊度2dtex、繊維目付17g/m2のSMS不織布80における、上述の波形両面エンボス加工前後の不織布80の状態を示しており、繊維融着無しに凹凸が形成されるとともに、凹凸形成に伴う繊維の折れが発生していることが分かる。また、図からは分かり難いが凹凸形成に伴い、不織布80自体の繊維構造の変化による嵩の増加も発生している。なお、加工前後の剛軟度(JIS L 1913:2010の「41.5°カンチレバー法」)、及びKES(Kawabata Evaluation SYSTEM)の圧縮レジリエンスRCの測定結果を表1に示した。
エンボスにより形成される凹凸の寸法は適宜定めれば良いが、ドット状凹凸の場合、凹部の底部又は凸部の頂部の面積は0.50〜3.00mm2程度であるのが好ましく、中心間隔は3.00〜5.00mm程度であるのが好ましい。また、波形凹凸90の場合、波高α(見かけの不織布の厚み。図10参照。)は0.25〜0.60mm、特に0.30〜0.45mm程度であるのが好ましく、間隔λ(波の波長に相当。図10参照。)は0.30〜2.00mm、特に0.40〜0.60mm程度であるのが好ましい。特に、波形の凹凸90は、図12(a)に示すように、側部立体ギャザー60の先端側ほど波高が高く形成されていると、肌に接触し易い部分ほど柔軟な肌触りが得られるとともに、側部立体ギャザー60を乗り越える方向に移動する排泄物の移動をより効果的に阻止できるようになるため好ましい。この形態からも分かるように、凹凸90の寸法は一律に同じでなくても良い。
また、波形に形成された不織布は柔軟性にある程度方向性が生まれるため、ギャザー不織布62の場合には波形凹凸90が側部立体ギャザー60の延在する方向(側部立体ギャザー60の場合は物品前後方向。図14参照。)に沿って延在されている(つまり幅方向断面が波形となる)と、側部立体ギャザー60が身体形状に応じて追従変形し易くなり、素材自体の柔軟な肌触りとともに、装着時の肌への当りが柔軟となるとため好ましい。もちろん、波形の凹凸が他の方向に沿って延在される形態でも良い。
柔軟化エンボス加工は、図11及び図12に詳細に示すように、ギャザー不織布62のうち少なくとも立ち上がり部68先端側の肌側構成部分62f(非肌側を符号62nにより示している)に施し、凹凸90を形成する限り、図11(a)に示すようにギャザー不織布の全体に加工を施し、凹凸90を形成する他、図11(b)に示すように他の領域には施さない形態とすることもできる。
また、図13に示される、側部立体ギャザー60の立ち上がり部68(図中右斜め上がり斜線部分)、倒伏部67(図中左斜め上がり斜線部分)、及び付け根部65(斜線交差部分)のうち、立ち上がり部68の全体のみを柔軟化エンボス加工領域としたり、立ち上がり部68及び倒伏部67の全体のみを柔軟化エンボス加工領域としたりすることができる。
特に、図示形態のように、ギャザー不織布62がファスニングテープ13と接合された領域を有するテープタイプ使い捨ておむつの場合は、ギャザー不織布62の強度がファスニングテープ13の取付強度に影響するため、図14に柔軟化エンボス加工による波形領域91を縦縞で示すように、ギャザー不織布62におけるファスニングテープ13の接合領域には柔軟化エンボス加工を施さずに、ファスニングテープ13の取付強度を低下させないのは好ましい。
また、図示形態のようにおむつ裏面を構成する外装不織布12を備えるとともに、おむつ周縁部(図示形態の場合は側部立体ギャザー60であるため両側部)に外装不織布12とギャザー不織布62とが接合された部分を有する構造では、前述のとおり、製品外面の肌触りを柔軟化するために外装不織布12にも柔軟化エンボス加工を施し、凹凸90を形成することができる。しかし、図11(a)に示すように、ギャザー不織布62にも柔軟化エンボス加工を施すと、おむつ両側部の外装不織布12とギャザー不織布62との接合領域12Sが柔軟になり過ぎ、肌触りは極めて柔軟なもののコシが弱くフィット性が低下するおそれがある。そこで、図12(a)及び図14に示すように、ギャザー不織布62における外装不織布12との接合領域12Sには、柔軟化エンボス加工を施し、外装不織布12におけるギャザー不織布62との接合領域12S以外の領域には、柔軟化エンボス加工を施し、かつ外装不織布12におけるギャザー不織布62との接合領域12Sには、柔軟化エンボス加工を施さないことにより、おむつ表裏面の肌触りをともに向上させつつ、おむつ周縁部のコシの低下を抑制することが好ましい。
他方、ギャザー不織布に柔軟化エンボス加工を施すと、液遮断性は低下せざるを得ない。そこで、本発明では、図示形態のようにギャザー不織布の立ち上がり部分の全体を二層構造とする形態を採用しつつ、図11(a)に示すようにギャザー不織布62の肌側構成部分62f及び非肌側構成部分62nの両方に柔軟化エンボス加工を施して凹凸90を形成するのではなく、図11(b)、図12(a)(b)に示すようにギャザー不織布62の肌側構成部分62fにのみ柔軟化エンボス加工を施して凹凸90を形成し、非肌側構成部分62には柔軟化エンボス加工を施さないようにするものである。これにより、ギャザー不織布62の肌側構成部分により肌触りの柔軟化効果を獲得しつつ、非肌側構成部分62nにより液遮断性の低下を抑制することができる。
<製造方法の例>
図15は、上述の使い捨ておむつの製造方法例を示しており、図中の黒塗り矢印はホットメルト接着剤の塗布を示している。この製造方法の製造ラインは、吸収要素製造パート100、表側製造パート110、裏側製造パート130、及び組立・仕上げパート140から構成されている。以下、各パートについて順に説明する。
吸収要素製造パート100では、図示しない原反ロールから帯状の包装シート58を繰り出して長手方向に沿って移送し、次にこの包装シート58上の幅方向中間部に吸収体56を流れ方向に間欠的に載せていく。図示形態は、ロールパルプ56Fをガーネットシリンダー101で解砕して高吸収性ポリマー粒子56Pと混合した後、積繊ドラム102で所定形状に積繊して得られる吸収体56を包装シート58上に供給するように構成している。包装シート58上に載置した吸収体56は包装シート58ともに一対のプレスロール103間で挟んで押し固めた後、包装シート58における吸収体56の幅方向(CD方向)両側に食み出す部分を包装シートセーラー104により吸収体56の上側に折り畳み、吸収体56を包装シート58で包み込み、包装シート圧着ローラ105で圧着する。この包装シート58で包み込まれた吸収体56は、次に吸収要素カッター装置106により吸収体56間の位置でライン流れ方向に間欠的に切断し、個別の吸収要素50(吸収体56を包装シート58で包装したもの)を形成し、この吸収要素50を組立・仕上げパート140に供給する。
一方、表側製造パート110では、吸収要素50よりも表側の要素が組み立てられ、組立・仕上げパート140に供給される。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状のシート基材を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、スリッター111により左右各一本のギャザー不織布62に分割した後、各ギャザー不織布62に対してギャザー弾性伸縮部材63を繰り出して伸長状態で貼り付けるとともに、立体ギャザーセーラー112によりギャザー弾性伸縮部材63を挟むようにギャザー不織布62を折り返して立体ギャザー60を形成し、これらをテープ貼付け装置に供給する。このパートで、ギャザー不織布62に対して、ギャザー弾性伸縮部材の接着工程より前に、少なくとも一方のロールが外周面に凹凸模様を有するエンボスロールとされた一対のロール119間で挟み、柔軟化エンボス加工(前述したため詳細な説明は省略する)を施すことにより、前述の柔軟な側部立体ギャザー60が形成される。柔軟化エンボス加工はエンボスの凹凸形状を維持するための繊維融着が無いため、予め加工を施した不織布をロールに巻き取り製造ラインにセットする方法では、凹凸が減少したり、消えたりするおそれがあるが、図示例のようにインラインでギャザー不織布62に柔軟化エンボス加工を施すと、そのようなおそれは少ないものとなる。
またこの際、図示のように、エンボスロールの凹凸模様に撥水剤119xを供給し、エンボスロールの凹凸模様からギャザー不織布62に撥水剤119xを転写することにより、ギャザー不織布62に撥水性を付与するのは一つの好ましい形態である。柔軟化エンボス加工を用いた場合、不織布の液遮断性の低下は避けられない。よって、この液遮断性の低下を撥水剤119xにより補うことが望ましい。この場合、上述のようにエンボスロールの凹凸模様を介して凹凸模様形成及び撥水剤転写を同時に行うことで、ギャザー不織布62の防水性の向上が望まれる部位に選択的に撥水剤119xを塗布することができ、無駄なく液遮断性の向上を図ることができる。なお、この撥水剤塗布は、撥水性不織布に対して柔軟化エンボス加工による液遮断性の低下を補うために補助的に行うことも、また非撥水性不織布に対して行うこともできる。
また、図示しない原反ロールから帯状のシート基材を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、その幅方向中央部に帯状のフック材を長手方向に沿って連続的に貼り付け、帯状のフック材の幅方向(CD方向)両端部をテープエンボスロール113により圧着して、テープ13基材13Tを形成した後、テープラウンドカッター114により波状の切断線でCD方向に二分割し、左右各一本のファスニングテープ13の連続帯(内側テープ13が縦方向に連なった状態のもの)を形成し、これらをテープ貼り付け装置115に供給する。
テープ貼付け装置115では、ファスニングテープ13連続帯をカッターユニット116により個別のファスニングテープ13に切断するとともに、そのファスニングテープ13を別途供給される立体ギャザーに貼り付け、次にテープ折りベルト117によりファスニングテープ13の内面を立体ギャザーの基部上に折り返し、その折り返し部分をフック材により立体ギャザーに貼り付けた後、必要に応じてピンエンボス加工118を行い、フック材とファスニングテープ13,14との接合を補強する。
次いで、ファスニングテープ13が取り付けられた立体ギャザーは、トップシート30及び中間シート40の積層体に貼り付けられる。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状の中間シート40を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、穿孔ロール121により多数の開口を形成する一方で、図示しない原反ロールから帯状のトップシート30を繰り出し、中間シート張り合わせロール122により、穿孔後の中間シート40をトップシート30に張り合わせてトップシート30及び中間シート40の積層体を形成した後、この積層体のトップシート30の表面に、ファスニングテープ13が取り付けられた立体ギャザー60を貼り付ける。図示形態では、更にこの後、立体ギャザー60の裏面に、平面ギャザー弾性伸縮部材64を繰り出して伸長状態で貼り付けてから、これらを表側の要素として組立・仕上げパート140に供給する構成となっている。
他方、裏側製造パート130では、吸収要素50よりも裏側の要素が組み立てられ、組立・仕上げパート140に供給される。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状の外装不織布12を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、この外装不織布12に対して、先ずターゲットシート12Tを貼り付け、次に液不透過性シート11を貼り付けた後、これらを裏側の要素として組立・仕上げパート140に供給する構成となっている。特に図示形態では、ターゲットシート12T連続帯をターゲットシートカッターユニット131により個別のターゲットシート12Tに切断するとともに、そのターゲットシート12Tをターゲットシート貼り付けロール132により外装不織布12の外面に貼り付けた後、帯状の液不透過性シート11を液不透過性シートカッターユニット133により個別の液不透過性シート11に切断するとともに、その液不透過性シート11を液不透過性シート貼り付けロール134により外装不織布12の内面に貼り付ける構成となっている。
さらに、この外装不織布系統とは別に、図示しない原反ロールから帯状のシート基材71を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、このシート基材71に対して背側弾性伸縮部材72を繰り出して伸長状態で貼り付けるとともに、背側伸縮シートセーラー135により背側弾性伸縮部材72を挟むようにシート基材72を折り返して背側伸縮シートを形成し、この背側伸縮シートにおける背側弾性伸縮部材72の一部を必要に応じて弾性伸縮部材カッター136により細かく切断して、収縮力が作用しないようにした後、背側伸縮シートカッター装置137によりライン流れ方向に間欠的に切断し、個別の背側伸縮シート70を形成し、この背側伸縮シート70をターナー138により90度回転させて組立・仕上げパート140に供給する。この背側伸縮シート製造パートを省略することにより、背側伸縮シート70の無いテープタイプ使い捨ておむつを製造することができる。
そして、組立・仕上げパート140では、組立ドラム141により、裏側製造パートから順次供給される裏側の要素の内面上に、同じく順次供給される背側伸縮シート70を貼り付け、その上に吸収要素製造パートから順次供給される吸収要素50を貼り付け。更にその上に上側製造パートから供給される表側の要素(トップシート、中間シート、立体ギャザー、ファスニングテープ、及び平面ギャザー弾性伸縮部材の半製品)を貼り付けた後、脚周りダイカッター142によりCD方向両側縁を流れ方向に間欠的に脚周りに沿う曲線状に切断し、次いでサイドフラップ部セーラー143によりCD方向両側部を内面側に折り畳んでから、製品カッター装置144によりライン流れ方向に間欠的に切断し、個別のおむつDPを形成する。図示しないが、個別化されたおむつDPは前後方向中央を折り目として表面同士が合わさるように二つ折りした後、所定数積層し、包装袋に入れて包装する。
<その他>
上記例では、側部立体ギャザー60への柔軟化エンボス加工の適用例を示したが、立体ギャザーである限り、他の部位に設けられるもの、例えば、特開2009−5999号公報、特開平07−184955号公報、特開2001−293032号公報に記載されるような、背側や腹側に、ウエストからの漏れを防止するために幅方向に沿って設けられ、排泄物の遮断位置(幅方向に沿って延在する)に沿って表面から立ち上がる立体ギャザーにも適用可能である。
本発明は、立体ギャザーを備えるものであれば、上記例のようなテープタイプ使い捨ておむつに限られず、パッドタイプやパンツタイプの使い捨ておむつはもちろん、生理用ナプキン等の他の吸収性物品にも利用可能なものである。
11…液不透過性シート、12…外装不織布、13…ファスニングテープ、13A…係止部、13B…テープ本体部、13C…テープ取付部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザー不織布、70…背側伸縮シート、12T…ターゲットシート、65…付け根部、66…本体部、67…倒伏部、68…立ち上がり部、90…凹凸。

Claims (8)

  1. 排泄物の遮断位置に沿って表面から立ち上がる立体ギャザーが延在された吸収性物品において、
    前記立体ギャザーは、ギャザー不織布をギャザー弾性伸縮部材により収縮させて立ち上がらせるものであり、
    前記ギャザー不織布のうち少なくとも立ち上がり部先端側の肌側構成部分に柔軟化エンボス加工が施されている、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記柔軟化エンボス加工が、前記ギャザー不織布が波形に加工される両面エンボス加工である、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記柔軟化エンボス加工により形成される波形の凹凸が、前記立体ギャザーの延在する方向に沿って延在されている、請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記柔軟化エンボス加工により形成される波形の凹凸は、前記立体ギャザーの先端側ほど波高が高く形成されている、請求項3記載の吸収性物品。
  5. 背側の両側部から突出し、腹側外面に係止されるファスニングテープを備えたテープタイプ使い捨ておむつであって、
    前記ギャザー不織布は、前記ファスニングテープが接合された領域を有するとともに、このファスニングテープの接合領域には前記柔軟化不織布加工が施されていない、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 物品裏面を構成する外装不織布を備えるとともに、物品周縁部に、前記外装不織布と前記ギャザー不織布とが接合された部分を有しており、
    前記ギャザー不織布における前記外装不織布との接合領域には、柔軟化エンボス加工が施されており、
    前記外装不織布における前記ギャザー不織布との接合領域以外の領域には、柔軟化エンボス加工が施されており、
    前記外装不織布における前記ギャザー不織布との接合領域には、柔軟化エンボス加工が施されていない、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 吸収性物品の製造ラインで、ロールから繰り出されるギャザー不織布に対してギャザー弾性伸縮部材を接着して立体ギャザーを形成し、この立体ギャザーを吸収性物品の表面から排泄物の遮断位置に沿って立ち上がるように取り付ける、吸収性物品の製造方法であって、
    前記ギャザー不織布に対して、前記ギャザー弾性伸縮部材の接着工程より前に、少なくとも一方のロールが外周面に凹凸模様を有するエンボスロールとされた一対のロール間で挟むことにより柔軟化エンボス加工を施す、
    ことを特徴とする吸収性物品の製造方法。
  8. 前記柔軟化エンボス加工に際して前記エンボスロールの凹凸模様に撥水剤を供給し、エンボスロールの凹凸模様から前記ギャザー不織布に撥水剤を転写する、請求項7記載の吸収性物品の製造方法。
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