JP5722740B2 - テープタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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<請求項1記載の発明>
背側の両側部に設けられたファスニングテープが腹側外面に係止されることで装着されるように構成された、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、内側テープと、この内側テープの外側に位置する外側テープとを有しており、
前記内側テープは、前記背側の両側部に固定された内側テープ取付部と、この内側テープ取付部から突出する内側テープ本体部とを有しており、
前記外側テープは、前記内側テープ取付部と一部又は全部が重なる外側テープ取付部と、この外側テープ取付部から突出するとともに内側テープ本体部と食み出すことなく重なる外側テープ本体部とを有しており、
前記内側テープ本体部と前記外側テープ本体部との重なり部分のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部は、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着されていない非接着部分とされるとともに、これら非接着部分の間に、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着された接着部分を有しており、
前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、幅方向の引張強さが10〜150N/50mmかつ剛軟度が20〜150mmの不織布でそれぞれ形成されている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
本発明では、ファスニングテープを内側テープ及び外側テープの二重構造とするとともに、内側テープ及び外側テープの個々の素材として柔軟な素材を用いたことにより、ファスニングテープ全体が柔軟なものでありながら、内側テープ及び外側テープの両方を摘まんで引っ張ったときに、内側テープ及び外側テープの両者に力が分散し、ファスニングテープ全体としての強度の低下を抑制することができ、千切れを効果的に防止することができる。
また、内側テープ及び外側テープは見栄えを良くするため及び摘む等の取り扱いを容易にするためには食み出すことなく重ねて貼り合わせることが望ましい。しかし、その貼り合わせに接着剤を用いると接着部分において素材の柔軟性は損なわれてしまう。よって、全体を接着剤により貼り合わせるのではなく、上述のように、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部(ファスニングテープの肌触りに対する影響が大きい)は非接着部分とし、柔軟性を損ねないようにするのは一つの好ましい形態である。
前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、それぞれ繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2のスパンボンド不織布、SMS不織布、ポイントボンド不織布、又はスパンレース不織布である、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
内側テープ及び外側テープの素材は特に限定されないが、このような不織布であると好ましい。
前記外側テープ本体部の内面における前記内側テープ本体部と重なる部分に、腹側外面に対して係止されるフック材が設けられるとともに、前記内側テープ本体部における前記フック材と重なる部分に露出孔が形成されており、
前記フック材のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部が前記内側テープ本体部により被覆された被覆部分とされるとともに、これら被覆部分の間が前記露出孔から露出する露出部分とされている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
ファスニングテープは、背側の両側部に固定されたテープ取付部、このテープ取付部から突出するテープ本体部、及びこのテープ本体部に設けられたメカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(オス材)を有し、フック材がテープ本体部の上下縁(ウエスト側及び股間側の端)まで存在しているものが一般的である。
しかしながら、この従来一般的なものでは、フック材を有する部分ではファスニングテープの縁部まで非常に硬く、ファスニングテープの縁に肌が触れるとフック材の角や縁が当たってチクチクしたり、肌を傷付けたりするおそれがあった。
この問題点に対し、本発明の内側テープ及び外側テープの二重構造を利用し、上述のように外側テープにフック材を設け、その縁部(角部含む)を内側テープで被覆するように構成すると、フック材の角や縁の当たりを防止することができる。しかも、本発明の場合、被覆部分を構成する内側テープ本体部は柔軟な素材であるため、フック材を露出させるための露出口の縁も柔軟となり、フック材と内側テープ本体部との一体感も高いものとなる。
<構造の例>
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図中の点模様部分はホットメルト接着剤の塗布部分を示している。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、トップシート30の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する立体ギャザー60、60を設けるのは好ましい。
この立体ギャザー60は、実質的に幅方向に連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向に沿って伸長状態で固定された糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材からなる立体ギャザー弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、立体ギャザー弾性伸縮部材63は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。この固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、前後方向に沿って糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材からなる平面ギャザー弾性伸縮部材64がそれぞれ設けられている。
脚周りにおいては、立体ギャザー60の固着始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力により立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向内側の部分における前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1.0〜16.0dtex、好ましくは1.0〜10.0dtex、さらに好ましくは1.0〜5.0dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
図1、図2及び図7に示されるように、ファスニングテープ13,14は、内側テープ13と、この内側テープ13の外側に位置する外側テープ14とからなる二重構造とされている。内側テープ13は、背側のサイドフラップ部SFに固定された内側テープ取付部13Cと、この内側テープ取付部13Cから突出する内側テープ本体部13Bとを有している。また、外側テープ14は、内側テープ取付部13Cと一部又は全部が重なる外側テープ取付部14Cと、この外側テープ取付部14Cから突出するとともに内側テープ本体部13Bと一部又は全部が重なる外側テープ本体部14Bとを有している。
腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。 また、腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
背側エンドフラップBEの前後方向長さは、前述の理由によりファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
図示形態では、両ファスニングテープ13,14間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ13,14の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ13,14の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸長した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸長率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62と外装シート12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装シート12との間に設けても良いし、外装シート12の外面に設けても良く、またトップシート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、背側伸縮シート70はトップシート30の上に設けても良く、この場合、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62の上に設けても良い。また、外装シート12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装シート12のシート基材間に設けても良い。
図9及び図10に示すように、上述の背側伸縮シート70は省略することもできる。
図13は、図7に示される構造の使い捨ておむつの製造方法例を示しており、図中の黒塗り矢印はホットメルト接着剤の塗布を示している。この製造方法の製造ラインは、吸収要素製造パート100、表側製造パート110、裏側製造パート130、及び組立・仕上げパート140から構成されている。以下、各パートについて順に説明する。
用語「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分と背側部分を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に幅方向と直交する方向を意味する。
また、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。
さらに、用語「引張強さ」とは、JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」のJIS法(A法)に準じて測定される切断時の強さを意味する。ただし、試験片の幅は50mm、つかみ間隔は150mm、引張速度は300mm/minとする。
また、「引裂強さ」は、JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」のA1法(シングルタング法)に準じて測定される値を意味する。ただし、試験片の幅×長さは60mm×70mm、切れ目の長さは30mm、引張速度は100mm/minとする。
さらに、用語「剛軟度」とは、JIS−L−1096(45度カンチレバー法)に準じて測定される剛軟度を意味する。
Claims (3)
- 背側の両側部に設けられたファスニングテープが腹側外面に係止されることで装着されるように構成された、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、内側テープと、この内側テープの外側に位置する外側テープとを有しており、
前記内側テープは、前記背側の両側部に固定された内側テープ取付部と、この内側テープ取付部から突出する内側テープ本体部とを有しており、
前記外側テープは、前記内側テープ取付部と一部又は全部が重なる外側テープ取付部と、この外側テープ取付部から突出するとともに内側テープ本体部と食み出すことなく重なる外側テープ本体部とを有しており、
前記内側テープ本体部と前記外側テープ本体部との重なり部分のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部は、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着されていない非接着部分とされるとともに、これら非接着部分の間に、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着された接着部分を有しており、
前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、幅方向の引張強さが10〜150N/50mmかつ剛軟度が20〜150mmの不織布でそれぞれ形成されている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、それぞれ繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2のスパンボンド不織布、SMS不織布、ポイントボンド不織布、又はスパンレース不織布である、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
- 前記外側テープ本体部の内面における前記内側テープ本体部と重なる部分に、腹側外面に対して係止されるフック材が設けられるとともに、前記内側テープ本体部における前記フック材と重なる部分に露出孔が形成されており、
前記フック材のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部が前記内側テープ本体部により被覆された被覆部分とされるとともに、これら被覆部分の間が前記露出孔から露出する露出部分とされている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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