JP2017022933A - フィードバック制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の検出系統を切り替えて用いられるとともに、切り替え時における検出値の顕著な変化を防止または緩和できるフィードバック制御装置を提供すること。【解決手段】モータ制御装置1は、モータ2を制御する制御部(演算制御部3および電流制御部4)と、モータ2の電流Imを検出して制御部に戻す検出部(電流ループ5)と、を有する。電流ループ5は、第1検出系統10および第2検出系統20と、各系統の出力信号を合算する電流演算部30と、を有する。各検出系統10,20はそれぞれ、モータ2の電流Imを検出するセンサ11,21と、各センサの検出電流値I1,I2に重み係数R1,R2を乗じて電流演算部30に出力する重み調整部12,22と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、フィードバック制御装置に関し、各種機械装置のモータをフィードバック制御する制御装置に関する。
従来、各種機械装置の駆動源として電動モータが利用されている。なかでも、測定機や工作機械などでは、十分な駆動力を確保しつつ高精度な動作が要求される。
このような要求に対して、モータを制御する制御装置として、位置ループ、速度ループ、電流ループ(トルクループ)という3重の制御ループを備えたフィードバック制御装置が用いられている(特許文献1参照)
このうち、電流ループにおいては、フィードバック用の電流センサに性能的な制約を受けることがある。
例えば、微小電流を高精度に検出するセンサでは、微小電流から大電流にわたる幅広い検出範囲を確保することが難しい。逆に、大電流用のセンサでは、高精度な電流検出が難しい。
このような制約を解消するために、電流ループの電流検出系統を複数化するものが提案されている(特許文献2参照)。
特許文献2においては、大電流まで幅広く測定可能なセンサを用い、その出力を二系統に分け、一方の系統に増幅器を設ける。そして、大電流については、増幅器のない系統を通してセンサ出力をそのまま用いるとともに、微小電流については、増幅器でセンサ出力を増幅し、高精度を得るようにしている。
特開2013−21804号公報 特開2014−183609号公報
前述した特許文献2のような複数の電流検出系統を切り替えて用いる場合、各系統の信号出力差が生じる可能性がある。
そして、各系統の信号出力差が生じた場合、複数の電流検出系統の切り替えによりフィードバックされる電流値が急激に変化するため、過大な電流が生じたり、電流ループが不安定化したりする、という問題が生じる。
従って、電流検出系統の切り替えに伴う出力差は最小限に抑えることが望ましい。
このような問題に対して、特許文献2では、各系統のセンサを等しいか共通とすることが望ましいとしている(特許文献2の段落0007)。
しかし、特性の等しいセンサを選定したとしても、経年変化による相違が生じることがある。また、センサを共通化したとしても、増幅器の設定によって出力差を生じる可能性がある。
さらには、大電流用のセンサと微少電流用のセンサを使い分けたい場合がある。
このような異なるセンサに対しては、各々の出力差を解消するために、各々の出力に調整用のアンプを設けることも考えられる。
しかし、このような対処を行っても、各々の調整用アンプの経年変化の可能性もあり、検出系統の切り替え時における検出値の顕著な変化を防止または緩和できる構成が求められていた。
このような問題は、電流ループのフィードバックに限らず、速度ループや位置ループにおけるフィードバックについても問題となる。なかでも、電流ループにおいては、過大な電流の発生が回路や配線において重大な問題になっている
本発明の目的は、複数の検出系統を切り替えて用いられるとともに、切り替え時における検出値の顕著な変化を防止または緩和できるフィードバック制御装置を提供することにある。
本発明のフィードバック制御装置は、モータを制御する制御部と、前記モータの動作状態を検出して前記制御部に戻す検出部と、を有するフィードバック制御装置であって、前記検出部は、複数の検出系統と、前記検出系統の出力信号を合算する演算部と、を有し、前記検出系統はそれぞれ、前記モータの動作状態を検出するセンサと、前記センサの出力信号に重み係数を乗じて前記演算部に出力する調整部と、を有することを特徴とする。
このような本発明では、複数の検出系統により、各々のセンサの特性の使い分けが可能となる。
例えば、電流ループにおいて、いずれかの電流センサを検出精度が高いが検出範囲が狭いものとし、他の電流センサを検出範囲が広いが検出精度が低いものとしておき、微小電流については高精度なセンサを有する検出系統を適用し、大電流については検出範囲が広いセンサを有する検出系統を適用して、電流値に応じたフィードバック制御を行うことができる。
この際、複数の検出系統の信号出力は、各々の調整部において重み係数を乗じて絞られたうえ、演算部で合算される。つまり、各々の重み係数を操作することにより、複数の検出系統の信号出力を所定比率でミキシングすることができる。
具体的には、2つの検出系統の重み係数を、各々が0〜1の間であって合計が1となるように、例えば0.3+0.7=1となるように設定することで、比率3:7でミキシングすることができる。そして、一方の系統を0〜1に漸増させ、他方の系統を1〜0へと漸減させることで、検出部としての出力信号を、一方の検出系統の出力信号から、他の検出系統の出力信号へと、滑らかに移行するように切り替えることができる。
これにより、複数の検出系統を有する検出部であっても、一時に切り替えるのではなく、漸次移行させることができ、検出値の顕著な変化を防止または緩和することができる。
本発明のフィードバック制御装置において、前記調整部はそれぞれ、前記センサのうちいずれかの出力信号を共通の基準信号とし、予め設定された下限値から上限値まで前記基準信号が変化した際に前記重み係数が漸増または漸減するように前記重み係数を設定することが望ましい。
このような本発明では、複数の検出系統の各々において、いずれかの系統のセンサの出力信号を共通の基準信号とするため、各々の重み係数の相関(例えば合計が1になるように設定すること)を確実かつ容易にできる。
また、共通の基準信号について下限値および上限値を設定することで、各系統の切り替え挙動を自由に設定することができる。例えば、狭い範囲として比較的急に切り替えたり、広い範囲として複数系統が並行する状態を長くとったり、などの設定を行うことができる。
本発明のフィードバック制御装置において、前記検出系統として第1検出系統および第2検出系統を有し、前記第1検出系統は第1センサを有し、前記第1センサは他の前記検出系統の前記センサよりも検出精度が高く、前記第2検出系統は第2センサを有し、前記第2センサは他の前記検出系統の前記センサよりも検出範囲が広く、前記第1検出系統の前記調整部および前記第2検出系統の前記調整部は、ともに前記第2センサの出力信号を基準信号として前記重み係数を設定することが望ましい。
このような本発明では、モータの動作状態の変動が小さく、動作状態を高分解能に検出することが必要な場合には、第1検出系統で高精度な検出を行うとともに、モータの動作状態の変動が大きく、高い分解能を必要としない場合には、第2検出系統で広範囲な検出に対応することができる。
さらに、基準信号として、検出範囲が広い第2センサの出力信号を用いるので、モータの動作状態の全範囲をカバーすることができ、各系統の切り替えを確実に行うことができる。
本発明のフィードバック制御装置において、前記検出部は電流検出部であり、前記第1センサは検出精度が比較的高い電流センサであり、前記第2センサは検出範囲が比較的広い電流センサであることが望ましい。
このような本発明では、前述した複数の検出系統の漸次的な切り替え動作を、電流フィードバック制御に適用することができる。電流ループにおいては、過大な電流の発生が回路や配線において重大な問題になるが、本発明により、このような過大な電流を防止することができる。
本発明によれば、複数の検出系統を切り替えて用いられるとともに、切り替え時における検出値の顕著な変化を防止または緩和することができる。
本発明の第1実施形態の制御回路を示すブロック図。 前記第1実施形態における第1の重み係数R1を示すグラフ。 前記第1実施形態における第2の重み係数R2を示すグラフ。 第1および第2の検出電流値I1,I2を示すグラフ。 スイッチ動作を行った際の検出電流値Ifを示すグラフ。 重み調整動作を行った際の検出電流値Ifを示すグラフ。 本発明の第2実施形態の制御回路を示すブロック図。 本発明の第3実施形態における重み係数R1,R2を示すグラフ。 本発明の第4実施形態における重み係数R1,R2,R3を示すグラフ。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態であるモータ制御装置1の制御回路が示されている。
モータ制御装置1は、例えば三次元測定機の各軸移動機構に設置されるモータ2を制御するものであり、外部の動作指令装置から入力される指令信号CSに基づいてフィードバック制御を行うものである。
このために、モータ制御装置1は、モータ2を制御する制御部(演算制御部3および電流制御部4)を有するとともに、電流ループ5の外側に速度ループ6および位置ループ7を有する3重のフィードバック制御系で構成される。
演算制御部3は、指令信号CSに基づいて、電流指令値Icを出力する。
電流制御部4は、電流指令値Icに基づいて、モータ2に駆動電流Irを供給する。
モータ2が駆動電流Irにより駆動されると、モータ2の現在の電流Imが電流ループ5により検出され、検出電流値Ifとして演算制御部3へフィードバックされる。
モータ2により移動機構が動作すると、移動機構における現在の速度Vmが速度ループ6により検出され、検出速度Vfとして演算制御部3へフィードバックされる。
また、移動機構における現在の位置Pmが位置ループ7により検出され、検出位置Pfとして演算制御部3へフィードバックされる。
電流ループ5は、本発明に基づく複数の検出系統を有するものとされ、第1検出系統10および第2検出系統20を有するとともに、各系統10,20の出力信号を合算する電流演算部30を有する。
そして、各検出系統10,20はそれぞれ、モータ2の電流Imを検出するセンサ11,21と、各センサからの検出電流値I1,I2に重み係数R1,R2を乗じて電流演算部30に出力する重み調整部12,22と、を有する。
すなわち、第1検出系統10においては、第1センサ11が、モータ2の電流Imを検出し、検出電流値I1を出力する。そして、第1重み調整部12が、検出電流値I1に重み係数R1を乗じ、得られる信号I1・R1が電流演算部30に出力される。
同様に、第2検出系統20においては、第2センサ21が、モータ2の電流Imを検出し、検出電流値I2を出力する。そして、第2重み調整部22が、検出電流値I2に重み係数R2を乗じ、得られる信号I2・R2が電流演算部30に出力される。
電流演算部30は、第1検出系統10からの出力信号I1・R1と第2検出系統20からの信号I2・R2とを合算し、検出電流値If=I1・R1+I2・R2を演算制御部3に返す。
本実施形態において、第1検出系統10の第1センサ11には、電流の検出範囲が狭いが検出精度が高い高精度電流センサが用いられている。
また、第2検出系統20の第2センサ21には、電流の検出範囲が広いが検出精度が低い広範囲電流センサが用いられている。
そして、これらの第1検出系統10および第2検出系統20の漸次的な切り替えを行うために、第1重み調整部12および第2重み調整部22には、図2および図3に示す特性の重み係数R1,R2が設定されている。
ここで、第1重み調整部12および第2重み調整部22においては、広範囲電流センサである第2センサ21の検出電流値I2が共通の基準信号とされ、さらに各系統10,20を切り替える動作範囲を規定するために、基準信号に対する下限値Icsおよび上限値Iceが予め設定されている。
図2において、第1重み調整部12の重み係数R1は、検出電流値I2が下限値Ics未満のとき、重み係数R1=1で一定、検出電流値I2が下限値Ics以上で上限値Ice未満の範囲では、重み係数R1=1−(I2−Ics)/(Ice−Ics)で表される単純減少、検出電流値I2が上限値Ice以上のとき、重み係数R1=0で一定、となる。
図3において、第2重み調整部22の重み係数R2は、検出電流値I2が下限値Ics未満のとき、重み係数R2=0で一定、検出電流値I2が下限値Ics以上で上限値Ice未満の範囲では、重み係数R2=(I2−Ics)/(Ice−Ics)で表される単純増加、検出電流値I2が上限値Ice以上のとき、重み係数R2=1で一定、となる。
このような重み係数R1,R2においては、各々の和(R1+R2)が常に1となる。
すなわち、検出電流値I2が下限値Ics未満のとき、重み係数の和(R1+R2)=1で一定、検出電流値I2が下限値Ics以上で上限値Ice未満の範囲では、重み係数R1が単純増加しかつ重み係数R2が単純減少し、重み係数の和(R1+R2)=1で一定、検出電流値I2が上限値Ice以上のとき、重み係数の和(R1+R2)=1で一定となる。
従って、このような重み係数R1,R2を用いることで、各センサ11,21からの出力信号を、各々の比率が漸次的に変化するようにミキシングすることができる。
すなわち、電流演算部30においては、検出電流値I2が下限値Ics未満のとき、重み係数R1=1かつ重み係数R2=0なので、検出電流値If=I1・R1+I2・R2=I1となる。
また、検出電流値I2が下限値Ics以上で上限値Ice未満の範囲では、重み係数R1が単純増加しかつ重み係数R2が単純減少するので、検出電流値Ifは検出電流値I1,I2が重み係数R1,R2に応じた比率でミキシングされたものとなる。
さらに、検出電流値I2が上限値Ice未満のとき、重み係数R1=0かつ重み係数R2=1なので、検出電流値If=I1・R1+I2・R2=I2となる。
本実施形態における第1検出系統10および第2検出系統20の漸次的な切り替え、すなわち検出電流値Ifにおける検出電流値I1,I2の切り替えは、以下のように行われる。
図4に示すように、モータ2の電流Imが同じでも、第1センサ11の検出電流値I1および第2センサ21の検出電流値I2は同じにならない。
第1センサ11は、電流の検出精度が高いが検出範囲が狭い高精度電流センサであり、モータ2の電流Imが微小な領域で利用される。このため、モータ2の電流Imが大きくなると、第1センサ11の検出範囲を超えてしまい、検出電流値I1は飽和電流値Isで飽和した状態となる。
一方、第2センサ21には、電流の検出精度は低いが検出範囲が広い広範囲電流センサであり、検出電流値I2に飽和などが生じることはなく、モータ2の電流Imの全変動範囲において利用できる。
さらに、第1センサ11の有効検出範囲(飽和しない領域)において、電流Imが同じであっても、各センサ11,21の検出電流値I1,I2には偏差が生じている。
このような第1センサ11および第2センサ21は、モータ2の電流Imの大小に応じて切り替えて利用される。つまり、モータ2の電流Imが小さい領域では高精度の第1センサ11を用い、モータ2の電流Imが大きい領域では広範囲な第2センサ21を用いるように、各々の出力である検出電流値I1,I2が切り替えられ、検出電流値Ifとして演算制御部3へフィードバックされる。
図5に示すように、前述した第1センサ11および第2センサ21の出力偏差に基づいて、電流Im=Imoの時点での検出電流値I1=I1oは、検出電流値I2=I2oと差がある。
このため、電流Im=Imoの時点で、検出電流値I1,I2を一時に切り替えると、検出電流値Ifには切り立った段差状の変動が生じる。
このような検出電流値Ifにおける段差状の変動が、演算制御部3へフィードバックされると、演算制御部3は段差状の変動に応じた電流指令値Icを電流制御部4に送ってしまう。その結果、モータ2に急激な動作が生じたり、過大な電流が流れたりする等の問題が生じる。
しかし、本実施形態では、重み係数R1,R2を用いた漸次的な切り替えを行うことで、検出電流値Ifの急激な変動が防止される。
図6において、基準信号である検出電流値I2が下限値Icsであるとき、検出電流値I2=I2s(=Ics)であり、検出電流値I1=I1s(I1s<I2s)であり、モータ2の電流Im=Imsである。
また、基準信号である検出電流値I2が上限値Iceであるとき、検出電流値I2=I2e(=Ice)であり、検出電流値I1=I1e(I1e<I2e)であり、モータ2の電流Im=Imeである。
基準信号である検出電流値I2が下限値Icsよりも小さい領域(電流Im<Imsの領域)では、重み係数R1=1かつ重み係数R2=0なので、検出電流値If=I1つまり第1センサ11の出力信号のみが選択されている
検出電流値I2が下限値Icsよりも大きく、かつ上限値よりも小さい領域(電流ImがImsとImeとの間の領域)では、重み係数R1,R2に応じて検出電流値I1,I2がミキシングされ、検出電流値Ifは第1センサ11の検出電流値I1から第2センサ21の検出電流値I2へと漸次的に切り替えられてゆく。
検出電流値I2が上限値Iceよりも大きい領域(電流Im>Imsの領域)では、重み係数R1=0かつ重み係数R2=1なので、検出電流値If=I2つまり第2センサ12の出力信号のみが選択されている。
このように、本実施形態では、第1センサ11の検出電流値I1と第2センサ21の検出電流値I2との間の切り替えが緩やかに行われ、検出電流値Ifの急激な変動を防止することができる。
さらに、第1および第2の検出系統10,20の各々において、第2センサ21の出力信号を共通の基準信号としたため、重み係数R1,R2の相関(例えば合計が1になるように設定すること)を確実かつ容易できる。
さらに、基準信号として、検出範囲が広い第2センサの出力信号を用いるので、モータ2の動作状態の全範囲をカバーすることができ、第1および第2の検出系統10,20の切り替えを確実に行うことができる
また、共通の基準信号について下限値Icsおよび上限値Iceを設定することで、第1および第2の検出系統10,20の切り替え挙動を自由に設定することができる。例えば、狭い範囲として比較的急に切り替えたり、広い範囲として複数系統が並行する状態を長くとったり、などの設定を行うことができる。
〔第2実施形態〕
図7には、本発明の第2実施形態が示されている。
本実施形態のモータ制御装置1Aは、前述した第1実施形態であるモータ制御装置1と基本構成が同じである。従って、共通の構成については重複する説明を省略し、以下には相違する構成について説明する。
前述した第1実施形態では、図1に示した通り、第1および第2の検出系統10,20に第1重み調整部12および第2重み調整部22を設け、各々において基準信号である検出電流値I2を参照し、重み係数R1,R2を調整し、これにより検出電流値If=I1・R1+I2・R2を演算制御部3に返していた。
これに対し、本実施形態では、図7に示すように、第1および第2の検出系統10,20に第1重み調整部12Aおよび第2重み調整部22Aを設けるが、各々は単なる増幅器とされている。
第1重み調整部12Aおよび第2重み調整部22Aには、重み設定部40が接続されている。
重み設定部40は、基準信号である検出電流値I2を参照し、第1実施形態と同様な下限値Icsおよび上限値Iceに基づいて重み係数R1,R2を調整し、重み係数R1,R2を第1重み調整部12Aおよび第2重み調整部22Aに出力する。
これらの重み係数R1,R2に基づいて、第1重み調整部12Aおよび第2重み調整部22Aが、第1センサ11の検出電流値I1および第2センサ21の検出電流値I2のバランスを調整する。
その結果、電流演算部30においては、第1実施形態と同様に検出電流値If=I1・R1+I2・R2を演算し、演算制御部3に返すことができる。
従って、このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
図8には、本発明の第3実施形態が示されている。
本実施形態は、前述した第1実施形態であるモータ制御装置1と基本構成が同じであるが、重み係数R1,R2の設定が異なる。従って、以下には相違する構成である重み係数R1,R2について説明する。
前述した第1実施形態では、重み係数R1,R2を、下限値Icsおよび上限値Iceを境界とする折れ線状の特性とした。
これに対し、本実施形態では、重み係数R2Bを双曲線正接関数で規定する。具体的にはR2B=tanh(I2−Ih)+0.5、ただしIh=(Ics+Ice)/2とする。一方、重み係数R1B=1−R2B(R2Bを上下反転した軌跡)で規定する。
このような本実施形態では、重み係数R1B,R2Bが、第1実施形態の重み係数R1,R2の折れ線形状と概略同様で、かつ折れ曲がりが滑らかな曲線とされた形状となる。
従って、演算制御部3に返す検出電流値If=I1・R1+I2・R2における変動を一層緩やかにできる。
また、双曲線関数により、第1重み調整部12および第2重み調整部22における設定を簡素にすることができる。
〔第4実施形態〕
図9には、本発明の第4実施形態が示されている。
本実施形態は、前述した第1実施形態であるモータ制御装置1と基本構成が同じであるが、第1実施形態では第1および第2の検出系統10,20の2系統を設置したのに対し、本実施形態では第1、第2、第3の検出系統の3系統を用いる。
なお、3系統の検出系統としては、図1のモータ制御装置1において、検出系統10,20と同様な構成を1系統追加するのみであるので、図示は省略する。
演算制御部3に返す検出電流値If=I1・R1+I2・R2+I3・R3となる。
図9には、これら3系統の検出系統を漸次切り替えるための重み係数R1,R2,R3が示されている。
重み係数R1は、基準信号である検出電流値I2が第1の下限値Ics1より小さい領域で、R1=1で一定である。検出電流値I2が第1の下限値Ics1以上になると漸減し、第1の上限値Ice1以上になるとR1=0で一定である。
重み係数R2は、基準信号である検出電流値I2が第1の下限値Ics1より小さい領域で、R2=0で一定である。検出電流値I2が第1の下限値Ics1以上になると漸増し、第1の上限値Ice1以上になるとR2=1で一定である。さらに、重み係数R2は、検出電流値I2が第2の下限値Ics2以上になると漸減し、第2の上限値Ice2以上になるとR2=0で一定である。
重み係数R3は、基準信号である検出電流値I2が第2の下限値Ics2より小さい領域で、R3=0で一定である。検出電流値I2が第2の下限値Ics2以上になると漸増し、第2の上限値Ice2以上になるとR3=1で一定である。
このような本実施形態では、重み係数R1,R2,R3により、3系統の検出系統を順次切り替えて用いることができるとともに、各々の切り替え領域では切り替わる各系統の信号を漸増、漸減させることができ、演算制御部3に返す検出電流値Ifにおける変動を一層緩やかにできる。
〔他の実施形態〕
本発明は前述した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態では、各系統のセンサを、それぞれ検出範囲および検出精度が異なるものとしたが、他の検出特性が異なるもの、あるいは検出原理が異なるもの等を用いた複数の検出系統とし、これらを切り替えるのに本発明を適用してもよい。
また、前記各実施形態では、電流ループ5に本発明を適用したが、速度ループ6あるいは位置ループ7に適用してもよい。
さらに、本発明は、三次元測定機などの測定用機械に限らず、工作機械などに適用してもよい。
本発明は、フィードバック制御装置に関し、各種機械装置のモータをフィードバック制御する制御装置に利用できる。
1,1A…モータ制御装置、10…第1検出系統、11…第1センサ、12,12A…第1重み調整部、2…モータ、20…第2検出系統、21…第2センサ、22,22A…第2重み調整部、3…演算制御部、30…電流演算部、4…電流制御部、40…重み設定部、5…電流ループ、6…速度ループ、7…位置ループ、CS…指令信号、I1,I2,I1o,I2o…検出電流値、Ic…電流指令値、Ice,Ice1,Ice2…上限値、Ics,Ics1,Ics2…下限値、If…検出電流値、Im,Ime,Imo,Ims…モータ電流、Ir…駆動電流、Is…飽和電流値、Pf…検出位置、Pm…位置、R1,R1B,R2,R2B,R3…重み係数、Vf…検出速度、Vm…速度。

Claims (4)

  1. モータを制御する制御部と、前記モータの動作状態を検出して前記制御部に戻す検出部と、を有するフィードバック制御装置であって、
    前記検出部は、複数の検出系統と、前記検出系統の出力信号を合算する演算部と、を有し、
    前記検出系統はそれぞれ、前記モータの動作状態を検出するセンサと、前記センサの出力信号に重み係数を乗じて前記演算部に出力する調整部と、を有することを特徴とするフィードバック制御装置。
  2. 請求項1に記載したフィードバック制御装置において、
    前記調整部はそれぞれ、前記センサのうちいずれかの出力信号を共通の基準信号とし、予め設定された下限値から上限値まで前記基準信号が変化した際に前記重み係数が漸増または漸減するように前記重み係数を設定することを特徴とするフィードバック制御装置。
  3. 請求項2に記載したフィードバック制御装置において、
    前記検出系統として第1検出系統および第2検出系統を有し、
    前記第1検出系統は第1センサを有し、前記第1センサは他の前記検出系統の前記センサよりも検出精度が高く、
    前記第2検出系統は第2センサを有し、前記第2センサは他の前記検出系統の前記センサよりも検出範囲が広く、
    前記第1検出系統の前記調整部および前記第2検出系統の前記調整部は、ともに前記第2センサの出力信号を基準信号として前記重み係数を設定することを特徴とするフィードバック制御装置。
  4. 請求項3に記載したフィードバック制御装置において、
    前記検出部は電流検出部であり、前記第1センサは検出精度が比較的高い電流センサであり、前記第2センサは検出範囲が比較的広い電流センサである、ことを特徴とするフィードバック制御装置。
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