JP2007208613A - 自動利得制御回路及びそれを用いた受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路規模の増大を抑えつつ複数段の可変利得増幅器の対数表示した合成利得が利得制御信号に対して線形的な応答にさせるとともにその利得可変範囲を拡大させる。
【解決手段】入力信号のレベル増加に応じて利得が減少する前段部及び当該入力信号のレベル増加に応じて利得が増加する後段部を具備することで利得制御信号のレベルに応じた線形的な単体利得特性をそれぞれ示し、初段に入力された入力信号のレベルを増幅させた出力信号が最終段より得られる複数段の可変利得増幅器と、前記出力信号を帰還させた帰還信号のレベルに応じて下に凸から上に凸へと変化するレベル特性を有した前記利得制御信号を、各段の前記可変利得増幅器が具備する前記前段部へと段階的に供給することによって、前記複数段の可変利得増幅器の対数表示した合成利得が前記利得制御信号に対して線形的な応答となるべく制御を行う利得制御回路と、を有することとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動利得制御回路及びそれを用いた受信装置に関する。
可変利得増幅器(以下、「VGA(Variable Gain Amplifier)」と称する。)と、VGAの利得を制御を行うVGA制御回路と、によって主に構成される自動利得制御回路(以下、「AGC(Automatic Gain Control)回路」と称する。)は、ラジオ受信装置やテレビ受信装置等といった電子機器において、アンテナ等で検出されてVGAで増幅させる受信信号のレベルを、VGAの利得を自動的に帰還制御を行うことによって調整する目的に利用されている。尚、VGAとしては、一般的に、対数表示した利得が利得制御信号に対して線形的な応答を持つ、換言すると、デシベル量の利得制御信号に対して線形的な利得特性が得られる制御応答(以下、「利得の対数線形性」と称する。)が要求されている。例えば、この利得の対数線形性を実現することによって、利得制御信号の一定量ごとの変化に対して各VGAの利得損失を一定とすることができる。また、この場合では、利得損失を極力抑えつつ、複数段直列接続したVGAの合成利得を可変制御できるようになる。
そこで、従来では、かかる利得の対数線形性の要求により、例えば、図22に示すアッテネータを採用したAGC回路が提案されている(例えば、以下に示す非特許文献1、2を参照)。
図22に示す従来のAGC回路は、1段目のPGA(Programmable Gain Amplifier)300の入力側にアッテネータを設けて入力電圧VINを予め減衰させてある。かかるアッテネータは、入力抵抗Rsと、シャント抵抗としてそれぞれ機能する10段並列接続したPMOSトランジスタQ1〜Q10と、PMOSトランジスタQ1〜Q10を順にオフさせる制御を行うクリッピングアンプC1〜C10と、によって構成される。尚、クリッピングアンプC1〜C10は、その反転入力に制御電圧VCの制御範囲内で等間隔に設定された基準電圧V1〜V10がそれぞれ印加され、その非反転入力に制御電圧VCがそれぞれ印加される。また、制御回路301は、PGA300の出力電圧VOUTに基づいて、PGA300のゲイン設定用ビットMGS(Maximum Gain Select)と、クリッピングアンプC1〜C10それぞれの非反転入力へと供給させる制御電圧VCを生成する。
制御電圧VCが、クリッピングアンプC1〜C10の入力範囲内でレベル上昇するにつれて、クリッピングアンプC1〜C10の出力A1〜A10は、“0V”(PMOSトランジスタQ1〜Q10はオン)から、“コモン電圧VCM−PMOSトランジスタQ1〜Q10の閾値電圧VT”(PMOSトランジスタQ1〜Q10はオフ)へとレベル上昇する。すなわち、制御電圧VCのレベル上昇に伴ってPMOSトランジスタQ1〜Q10がそれぞれオンからオフへと切り替わる際に、隣接した次のPMOSトランジスタQ1〜Q10がオンからオフへと切り替わる。尚、図23(a)は、図22に示すクリッピングアンプC1〜C10の制御電圧VC対出力電圧A1〜A10の特性を示した図であり、図23(b)は、図22に示すPMOSトランジスタQ1〜Q10の制御電圧VC対利得減衰量(dB)の特性を示した図である。尚、PMOSトランジスタQ1〜Q10の各利得減衰量を“−4.5(dB)”に設定している。
このように、低レベルの制御電圧VCの場合にはPMOSトランジスタQ1〜Q10が全てオンし、一方、高レベルの制御電圧VCの場合にはPMOSトランジスタQ1〜Q10が全てオフする。従って、PMOSトランジスタQ1〜Q10は、制御電圧VCのレベル上昇に伴って、入力抵抗Rsと10段並列接続のPMOSトランジスタQ1〜Q10によって形成された全シャント抵抗値を線形的に減少させるように振る舞う。尚、図23(c)は、図23(b)に示したPMOSトランジスタQ1〜Q10の各利得特性を合成したものであり、すなわち、図22に示すアッテネータ全体の制御電圧VC対利得減衰量(dB)の特性を示す図である。ここで、図23(c)の特性図に示されるように、制御電圧VCに対するアッテネータ全体の利得減衰量(dB)としては、全PMOSトランジスタQ1〜Q10が全てオンの場合の“−45(dB)”から、全PMOSトランジスタQ1〜Q10が全てオフの場合の“0(dB)”まで、制御電圧VCに対して略線形的に変化する利得の対数線形性が得られていることが分かる。
また、例えば、以下に示す特許文献1には、VGAを複数段直列接続するとともに、少なくとも初段のVGAの入力側に低雑音増幅器を設けることで、利得可変範囲の拡大を目的とした技術が開示されているが、かかる技術は、利得の対数線形性に関して、何ら示唆も開示もされていない。
特開2004−120306号公報 アナログデバイス社(ANALOG DEVICES)、"AD8367:500MHz、AGC検出器つきLinear-in-dB VGA(Dual,Variable-Gain Amplifier with Low-Noise Preamp)"、9頁、[online]、[2005年8月]、 [2006年2月1日検索]、インターネットURL: http://www.analog.com/UploadedFiles/Data_Sheets/477808511AD8367_a.pdf> テキサス・インスツルメンツ社(TEXAS INSTRUMENTS)、"VCA2616,VCA2611:ローノイズプリアンプと可変利得増幅器(Dual,Variable-Gain Amplifier with Low-Noise Preamp)"、14〜15頁、[online]、[2004年11月1日]、 [2006年2月1日検索]、インターネット<URL:http://focus.ti.com/lit/ds/symlink/vca2616.pdf>
ところで、図22に示したPMOSトランジスタQ1〜Q10それぞれでは、図23(b)に示すように、制御電圧VCに対して対数的な利得減衰量の変化を示す動作範囲が非常に狭い範囲となっている。このため、従来のAGC回路全体の利得可変範囲を広げたい場合には、図22に示した10段並列接続のPMOSトランジスタQ1〜Q10のように、シャント抵抗として機能させるトランジスタを数多く設けることが必要となる。また、複数のVGAを直列接続させて更なる利得可変範囲の拡大を図りたい場合には、かかるトランジスタ個数の増大化の問題が顕著となる。このように、利得の対数線形性を得たいがためにアッテネータを利用する従来のAGC回路の仕組みでは、利得可変範囲を広げようとすると、回路規模を増大化せざるを得ないという課題があった。
また、図22に示した従来のAGC回路のように、かかる利得の対数線形性を得たいがために、一旦アッテネータ(PMOSトランジスタQ1〜Q10)によって入力電圧を減衰させているので、アッテネータの出力を再び入力電圧の減衰分を補償すべく増幅させなければならない。このため、AGC回路全体の利得可変範囲を広げたい場合には、アッテネータによって入力電圧VINを一旦大きく減衰させた後に、アッテネータの出力をその分大きく増幅させることになる。このため、小振幅レベルの入力電圧VINに含まれるノイズが大きくなるので、図23(c)に示すように、制御電圧VCが減少するに従って、すなわち入力電圧VINの振幅レベルが減少するに従って、NF(Noise Figure)の悪化によってダイナミックレンジが実質的に制限される恐れがあった。
前述した課題を解決する主たる本発明は、可変利得増幅器において増幅させる信号のレベルを当該可変利得増幅器の利得を帰還制御する自動利得制御回路において、入力信号のレベル増加に応じて利得が減少する前段部及び当該入力信号のレベル増加に応じて利得が増加する後段部を具備することで利得制御信号のレベルに応じた線形的な単体利得特性をそれぞれ示し、初段に入力された入力信号のレベルを増幅させた出力信号が最終段より得られる複数段の可変利得増幅器と、前記出力信号を帰還させた帰還信号のレベルに応じて下に凸から上に凸へと変化するレベル特性を有した前記利得制御信号を、各段の前記可変利得増幅器が具備する前記前段部へと段階的に供給することによって、前記複数段の可変利得増幅器の対数表示した合成利得が前記利得制御信号に対して線形的な応答となるべく制御を行う利得制御回路と、を有することとする。
本発明によれば、回路規模の増加化を抑えつつ且つダイナミックレンジの拡張を図りつつ、複数段の可変利得増幅器の対数表示した合成利得が利得制御信号に対して線形的な応答にさせるとともにその利得可変範囲を拡大可能な自動利得制御回路及びそれを用いた受信装置を提供することができる。
<全体構成>
===受信装置の全体構成===
図1は、本発明の一実施形態に係る受信装置100の全体構成を示す図である。尚、図1に示す受信装置100は、所定の変調処理(AM変調、FM変調等)がなされた電波信号(ラジオ放送信号、テレビ放送信号、GPS衛星からのGPS信号等)を受信して所定の復調処理(AM復調、FM復調等)を実行した後、当該受信した電波信号が情報として有する音声情報や映像情報等を再生するための装置である。以下では、説明の具体性のために、受信装置100がデジタルラジオ受信装置である場合を前提として説明するが、勿論、デジタルラジオ受信装置に限定されるものではなく、AGC回路が搭載される全ての受信装置を本発明の対象とする。
アンテナ10は、放送局からのラジオ放送信号を受信するアンテナである。RFアンプ11は、アンテナ10において受信する様々なラジオ放送信号の中から、不図示の同調回路によって所望の受信周波数f1のラジオ放送信号を選択し、それをRF帯(無線周波数帯)のRF信号へと変換すべく高周波増幅する増幅器である。
局所発振器12、混合回路13、BPF14は、本発明に係る『中間周波回路』の一実施形態である。局所発振器12は、受信周波数f1とは異なる発振周波数f2の発振信号を生成する発振器である。混合回路13は、RFアンプ11からのRF信号と局所発振器12からの発振信号とを混合させて、周波数成分(f2−f1)及び周波数成分(f2+f1)の信号を生じさせる回路である。BPF14は、周波数成分(f2−f1)又は周波数成分(f2+f1)のいずれか一方の周波数成分を有した信号、すなわちIF信号(中間周波信号)を取り出すためのフィルタである。
VGA15a〜15c、AD変換器16、DSP17、VGA制御回路20によって形成される帰還制御系は、本発明に係る『自動利得制御回路(以下、AGC回路と称する。)』の一実施形態である。すなわち、前述の帰還制御系は、BPF14からのIF信号のレベルを、VGA15a〜15cの各利得を自動的に帰還制御を行うことによって調整するものである。
VGA15a〜15cは、本発明に係る『可変利得増幅器』の一実施形態である。VGA15a〜15cは、各単体利得が制御電流IC1〜IC3のレベルに応じて線形的な特性を有した増幅器(例えば、トランスコンダクタンスアンプ)を採用し、かかる特性を有した単体利得に従って、IF信号のレベルを所定レベルに増幅させた信号が最終段のVGA15cより得られる。VGA15a〜15cには、VGA制御回路20から、バイアス信号VB1〜VB3と制御電流IC1〜IC3(本発明に係る『利得制御信号』)とが供給される。
AD変換器16は、最終段のVGA15cから増幅出力されたアナログ量のIF(A)信号をデジタル量のIF(D)信号へとAD変換する回路である。DSP17は、AD変換器16からのデジタル量のIF(D)信号をもとに所定の復調処理や所定のアプリケーション処理を施す回路である。尚、DSP17が実行する所定の復調処理としては、例えば、AM変調されたラジオ放送信号の場合、BFO(Beat Frequency Oscillator)周波数を混合させてAM復調するためのデジタル処理のことである。また、DSP17が実行する所定のアプリケーション処理としては、例えば、音量調整処理、イフェクタ処理、イコライザ処理、Sメータ(シグナルメータ)21に表示させる受信電界強度の算出処理等、といったデジタル処理のことである。また、DSP17は、VGA制御回路20の各種時定数の調整も行う。D級アンプ18は、DSP17において所定の復調処理や所定のアプリケーション処理が施されたデジタル量のラジオ放送信号を増幅するデジタルアンプであり、その増幅後のラジオ放送信号がスピーカー19を介して出力される。
VGA制御回路20は、本発明に係る『利得制御回路』の一実施形態であり、VGA15a〜15cの各利得を制御を行う回路である。アンテナ10で受信するラジオ放送信号は、図2に示すように、放送局の周波数チャンネル毎に広範囲(数μV〜数V)の電界強度を有するものである。また、アンテナ10で受信するラジオ放送信号は、受信装置100が搭載された自動車の移動による受信電界強度の変化やマルチパスノイズ等に起因して、様々なノイズ成分を有する場合がある。このため、VGA制御回路20は、アンテナ10で受信したラジオ放送信号に応じてVGA15a〜15cの利得制御を行うことによって、様々な放送局のチャンネルに幅広く対応させてスピーカー19から出力される信号の振幅レベルを一定とさせる目的や、また、受信したラジオ放送信号に含まれるノイズ成分を除去する目的で設けられる。
VGA制御回路20は、DA変換器200、バイアス回路210(本発明に係る『バイアス回路』)、電流制御回路220(本発明に係る『利得制御信号生成回路』)を有する。
DA変換器200は、AD変換器16から出力されるデジタル量のIF(D)信号をDSP17より受信して、アナログ量の制御電圧DACIN(本発明に係る『帰還信号』)へ変換する回路である。すなわち、本実施形態のVGA制御回路20は、AD変換器16へ入力されるIF(A)信号の振幅レベルが適正な範囲内に収まるように、DA変換器200を介してVGA15a〜15cの各利得を制御を行うものといえる。尚、DA変換器200のビット階調が、VGA15a〜15cの利得可変範囲を制限することになる。
バイアス回路210は、VGA15a〜15cを動作可能とさせるためのバイアス信号VB1〜VB3や、電流制御回路220を動作可能とさせるためのバイアス信号VRを生成する回路である。
電流制御回路220は、DA変換器200からの制御電圧DACINに基づいて、VGA15a〜15cの利得を制御を行うための制御電流IC1〜IC3(本発明に係る『利得制御信号』)を生成する回路である。すなわち、電流制御回路220は、制御電圧DACINのレベルに応じて、指数関数的な形状の『下に凸(1次微分が正、2次微分が正となる傾き)』から対数関数的な形状の『上に凸(1次微分が正、2次微分が負となる傾き)』へと変化するレベル特性を有した制御電流IC1〜IC3を、各段のVGA15a〜15cへと段階的に順次供給していくことによって、3段のVGA15a〜15cの対数表示した合成利得が制御電流IC1〜IC3に対して線形的な応答を持つべく制御を行う。
この結果、AGC回路全体の回路規模を抑えつつ、VGA15a〜15cの対数表示した合成利得が制御電流IC1〜IC3に対して線形的な応答を持つとともにその利得可変範囲を拡大させることが可能となる。尚、かかる効果は、利得可変範囲を容易に拡大させることができるが故に、DA変換器200の少ないビット階調であっても所望の利得可変範囲を有したAGC回路を構成することができ、また、AD変換器16へと入力可能なIF信号の振幅レベルを容易に拡張させることもできる。すなわち、本発明に係るAGC回路は、広範囲の電界強度を有するラジオ放送信号を取り扱うDSP17で構成されたデジタルラジオ受信装置用途に好適である。
===VGA制御回路とVGAとの間の接続関係===
図3は、図1に示したAGC回路において、VGA制御回路20と3段のVGA15a〜15cとの間の接続関係を説明するための図である。図3に示すAGC回路では、インピーダンスマッチングのために、1段目のVGA15aから2段目のVGA15bの間にはバッファ40a等を、2段目のVGA15bと3段目のVGA15cとの間にはバッファ40b等を、1段目のVGA15aの入力側には入力バッファ30等を、3段目のVGA15cの出力側には出力バッファ50等を、それぞれ設けてある。尚、詳細は後述するが、入力バッファ30は、オペアンプを用いた反転増幅回路で構成しており、また、その負帰還経路上には帰還回路31が設けられる。
図3に示すように、3段のVGA15a〜15cは、入力された信号を対数変換する前段部160a〜160cとその対数変換させた信号を逆対数変換させて出力する後段部170a〜170cを具備した構成となっている。すなわち、3段のVGA15a〜15cは、いわゆるトランスコンダクタンスアンプを採用しており、制御電流IC1〜IC3の電流量の増加に応じて単体利得が線形的に増加する特性を持つことになる。なお、かかるVGA15a〜15cの単体利得の線形性を得るために、前段部160a〜160cは、入力電流の電流量が増加すると利得(コンダクタンスgm)が減少するという対数関数的な特性(対数変換)を有する一方で、後段部170a〜170cは、前段部160a〜160cとは真逆な利得特性であって、入力電流の電流量が増加すると利得(コンダクタンスgm)が増加するという指数関数的な特性(逆対数変換)を有する。
また、図3に示すように、電流制御回路220において生成された制御電流IC1〜IC3が、VGA15a〜15cの入力側の前段部160a〜160cへと供給され、バイアス回路210において生成されたバイアス信号VB1〜VB3が、VGA15a〜15cの出力側の後段部170a〜170cへと供給される。尚、電流制御回路220は、制御電流IC1〜IC3以外に制御電流IC4(本発明に係る『帰還量制御信号』)も生成しており、この制御電流IC4が帰還回路31へと供給されてその帰還量の制御に用いられる。
ここで、例えば、図3に示した接続関係とは正反対となる場合として、電流制御回路220において生成された制御電流IC1〜IC3が、VGA15a〜15cの出力側の後段部170a〜170cへと供給され、バイアス回路210において生成されたバイアス信号VB1〜VB3が、VGA15a〜15cの入力側の前段部160a〜160cへと供給される場合を考える。すなわち、VGA15a〜15cの入力側の前段部160a〜160cの利得が固定に設定され、VGA15a〜15cの出力側の後段部170a〜170cの利得が逆対数変換される場合である。
かかる場合において、VGA15a〜15cのダイナミックレンジを超えるような大振幅の入力信号INが入力されたとき、前段部160a〜160cの利得が固定されているがゆえに、入力信号INがクリップしやすくなる恐れがある。また、全体的な利得可変範囲の拡大を図るべく、VGA15a〜15cの合成利得を大きくしたい場合には、1段目のVGA15aの入力側の前段部160aの利得をあらかじめ大きく設定しておく必要があるので、入力信号INが更にクリップしやすくなる。一方、この大振幅の入力信号INのクリップの問題を解消すべく、VGA15a〜15cの入力側の前段部160a〜160cの各利得を小さく固定に設定するという安易な対策をしてしまうと、VGA15a〜15cでは入力側の前段部160a〜160cで利得を一旦絞った上で出力側の後段部170a〜170cで利得を再び大きくさせるということになるので、NFの悪化によってダイナミックレンジが制限されるという新たな問題が引き起こされる。
一方、本発明では、図3に示したVGA制御回路20とVGA15a〜15cの接続関係によって、VGA15a〜15cの入力側の前段部160a〜160cの利得を対数変換によって可変制御し、一方、VGA15a〜15cの出力側の後段部170a〜170cの利得を固定に設定するものである。すなわち、VGA15a〜15cの入力側の前段部160a〜160cにおいて、入力信号INに比例した制御電流IC1〜IC3の電流量の増加に伴って利得が下がるように作用するため、VGA15a〜15cのダイナミックレンジが実質的に拡大し、たとえ大振幅の入力信号INが入力された場合であってもクリップの防止が図られる。また、VGA15a〜15cにおいては、入力側の前段部160a〜160cの利得を固定に設定するのではなく、入力信号INに比例した制御電流IC1〜IC3によって入力信号INに応じた適切な可変利得制御がなされることになるので、その分、NFの改善が図られる。
<AGC回路の詳細>
===バイアス回路の詳細===
図4は、本発明の一実施形態に係るバイアス回路210の構成を示す図である。
差動トランジスタ対211は、互いに相補的に動作させるNMOSトランジスタM30、M31で構成され、NMOSトランジスタM30、M31のゲートが、かかる差動トランジスタ対211の差動入力となる。尚、NMOSトランジスタM30のゲートには、レギュレート電圧VREGを抵抗素子R30、R31による抵抗分圧器214によって分圧させた基準電圧VAが印加され、一方、NMOSトランジスタM31のゲートには、カレントミラー回路215のPMOSトランジスタM41と抵抗素子R33の接続点の電圧VBが印加される。
カレントミラー回路212は、所定のミラー比が各PMOSトランジスタM36、M37に設定され、また、PMOSトランジスタM36と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM37の双方のゲートを共通接続して構成され、差動トランジスタ対211の定電流負荷となる。
カレントミラー回路213は、所定のミラー比が各NMOSトランジスタM32〜M35に設定され、また、NMOSトランジスタM33〜M35と、ダイオード接続されたNMOSトランジスタM32それぞれのゲートを共通接続して構成される。尚、NMOSトランジスタM33に流れるミラー電流が、差動トランジスタ対211のテール電流ITとなる。このテール電流ITは、差動トランジスタ対211において、NMOSトランジスタM30に流れる電流IAとNMOSトランジスタM31に流れる電流IBとの合計電流となる。
カレントミラー回路215は、所定のミラー比が各PMOSトランジスタM40〜M45に設定され、また、PMOSトランジスタM41〜M45と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM40それぞれのゲートを共通接続して構成される。尚、PMOSトランジスタM30に流れる電流IAに応じて、PMOSトランジスタM38、NMOSトランジスタM39のオン電流が定まるが、特に、NMOSトランジスタM39のオン電流が、カレントミラー回路215におけるPMOSトランジスタM40に流れる基準電流を定めることになる。また、PMOSトランジスタM40に流れる基準電流が、PMOSトランジスタM41に流れる電流を設定し、ひいては電圧VBを設定することになる。よって、電圧VAと電圧VBは一定となり、その結果、カレントミラー回路215の各PMOSトランジスタM40〜M45に流れるミラー電流は一定となる。
バイアス電圧出力部216は、PMOSトランジスタM42からの電流IRが流れ、電流制御回路220のカレントミラー回路222に対して電流IRを複製するためのバイアス電圧VRを生成するダイオード接続されたNMOSトランジスタM46と、PMOSトランジスタM43からの電流IB1が流れて、VGA15aのカレントミラー回路153aに対して電流IB1を複製するためのバイアス電圧VB1を生成するダイオード接続されたNMOSトランジスタM47と、PMOSトランジスタM44からの電流IB2が流れて、VGA15bのカレントミラー回路153bに対して電流IB2を複製するためのバイアス電圧VB2を生成するダイオード接続されたNMOSトランジスタM48と、PMOSトランジスタM45からの電流IB3が流れて、VGA15cのカレントミラー回路153cに対して電流IB3を複製するためのバイアス電圧VB3を生成するダイオード接続されたNMOSトランジスタM49と、を有する。
===電流制御回路の詳細===
図5は、本発明の一実施形態に係る電流制御回路220の構成を示す図である。
抵抗分圧器221は、本発明に係る『基準信号生成回路』の一実施形態である。すなわち、抵抗分圧器221は、差動トランジスタ対223、225、227の各クロスポイントCP1〜CP3を設定するための基準電圧V1、V2、V3(本発明に係る『基準信号』)を抵抗分圧によってそれぞれ生成する。具体的には、抵抗分圧器221は、電源電圧VCCと接地電圧GNDと間に抵抗素子R1〜R4を直列接続し、抵抗素子R1、R2間の電位をクロスポイントCP1に対応する基準電圧V1、抵抗素子R2、R3間の電位をクロスポイントCP2に対応する基準電圧V2、抵抗素子R3、R4間の電位をクロスポイントCP3に対応する基準電圧V3を、それぞれ生成する。
尚、クロスポイントCP1〜CP3とは、差動トランジスタ対223、225、227それぞれを構成する二つのトランジスタにおいて、それらの入力電圧対出力電流特性上の交差点のことを指している。換言すると、この二つのトランジスタの入力電圧対出力電流の特性は、下に凸から変曲点を経て上に凸へと切り替わる双曲線正接関数によって一般的には表現されるので、クロスポイントCP1〜CP3は、この双曲線正接関数の変曲点に該当することになる。
カレントミラー回路222は、所定のミラー比が各NMOSトランジスタM7〜M12に設定され、また、NMOSトランジスタM7〜M12とバイアス回路210のダイオード接続されたNMOSトランジスタM46の双方のゲートを共通接続して構成される。尚、NMOSトランジスタM7、M9、M11に流れるミラー電流が、差動トランジスタ対223、225、227の各テール電流I0となる。この各テール電流I0は、差動トランジスタ対223、225、227それぞれの各合計電流となる。また、NMOSトランジスタM8、M10、M12に流れるミラー電流が、制御電流IC1〜IC3の下限電流量を定める下限電流ILとなる。このように、カレントミラー回路222は、電流制御回路220全体のバイアス回路として機能する。
差動トランジスタ対223は、互いに相補的にオン・オフさせるNMOSトランジスタM1(本発明に係る『差動トランジスタ対の他方のトランジスタ』)並びにNMOSトランジスタM2(本発明に係る『差動トランジスタ対の一方のトランジスタ』)によって構成され、NMOSトランジスタM1のゲート(本発明に係る『他方のトランジスタの制御電極』)とNMOSトランジスタM2のゲート(本発明に係る『一方のトランジスタの制御電極』)が、差動トランジスタ対223の差動入力となる。尚、NMOSトランジスタM1のゲートには抵抗分圧器221からの基準電圧V1が印加され、一方、NMOSトランジスタM2のゲートには、DA変換器200からの制御電圧DACINに応じたゲート電圧VGが印加される。よって、基準電圧V1は一定であるため、ゲート電圧VGがレベル上昇するにつれて、NMOSトランジスタM1に流れる電流I1は減少するとともにNMOSトランジスタM2に流れる電流I2は増加する。一方、ゲート電圧VGがレベル降下するにつれて、NMOSトランジスタM1に流れる電流I1は増加するとともにNMOSトランジスタM2に流れる電流I2は減少する。
カレントミラー回路224は、所定のミラー比が各PMOSトランジスタ(M13、M14)並びに(M19、M20)に設定され、PMOSトランジスタM13と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM14の双方のゲートを共通接続した上段カレントミラー部と、PMOSトランジスタM20と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM19の双方のゲートを共通接続した下段カレントミラー部を直列接続して構成される。すなわち、カレントミラー回路224は、差動トランジスタ対223のNMOSトランジスタM2に流れる電流I2とNMOSトランジスタM8に流れる下限電流ILの合計電流(I2+IL)が、PMOSトランジスタM13、M19に流れる。この結果、合計電流(I2+IL)を複製したミラー電流がPMOSトランジスタM14、M20へと流れてVGA15aの制御電流IC1として取り出される。
差動トランジスタ対225は、互いに相補的に動作させるNMOSトランジスタM3、M4で構成され、NMOSトランジスタM3、M4のゲートが、かかる差動トランジスタ対225の差動入力となる。尚、NMOSトランジスタM3のゲートには抵抗分圧器221からの基準電圧V2が印加され、一方、NMOSトランジスタM4のゲートには、DA変換器200からの制御電圧DACINに応じたゲート電圧VGが印加される。よって、基準電圧V2が一定であるため、ゲート電圧VGがレベル上昇するにつれて、NMOSトランジスタM3に流れる電流I3は減少するとともにNMOSトランジスタM4に流れる電流I4は増加する。一方、ゲート電圧VGがレベル降下するにつれて、NMOSトランジスタM3に流れる電流I3は増加するとともにNMOSトランジスタM4に流れる電流I4は減少する。
カレントミラー回路226は、所定のミラー比が各PMOSトランジスタ(M15、M16)並びに(M21、M22)に設定され、PMOSトランジスタM15と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM16の双方のゲートを共通接続した上段カレントミラー部と、PMOSトランジスタM22と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM21の双方のゲートを共通接続した下段カレントミラー部を直列接続して構成される。すなわち、カレントミラー回路226は、差動トランジスタ対225のNMOSトランジスタM4に流れる電流I4とNMOSトランジスタM10に流れる下限電流ILの合計電流(I4+IL)が、PMOSトランジスタM15、M21に流れる。この結果、合計電流(I4+IL)に応じたミラー電流がPMOSトランジスタM16、M22へと流れるとともに、VGA15bの制御電流IC2として取り出される。
差動トランジスタ対227は、互いに相補的に動作させるNMOSトランジスタM5、M6で構成され、NMOSトランジスタM5、M6のゲートが、かかる差動トランジスタ対227の差動入力となる。尚、NMOSトランジスタM5のゲートには抵抗分圧器221からの基準電圧V3が印加され、一方、NMOSトランジスタM6のゲートには、DA変換器200からの制御電圧DACINに応じたゲート電圧VGが印加される。よって、基準電圧V3が一定であるため、ゲート電圧VGがレベル上昇するにつれて、NMOSトランジスタM5に流れる電流I5は減少するとともにNMOSトランジスタM6に流れる電流I6は増加する。一方、ゲート電圧VGがレベル降下するにつれて、NMOSトランジスタM5に流れる電流I5は増加するとともにNMOSトランジスタM6に流れる電流I6は減少する。
カレントミラー回路228は、所定のミラー比が各PMOSトランジスタ(M17、M18)並びに(M23、M24)に設定され、PMOSトランジスタM17と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM18の双方のゲートを共通接続した上段カレントミラー部と、PMOSトランジスタM24と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM23の双方のゲートを共通接続した下段カレントミラー部を直列接続して構成される。すなわち、カレントミラー回路228は、差動トランジスタ対227のNMOSトランジスタM6に流れる電流I6とNMOSトランジスタM12に流れる下限電流ILの合計電流(I6+IL)が、PMOSトランジスタM17、M23に流れる。この結果、この合計電流(I6+IL)に応じたミラー電流がPMOSトランジスタM18、M24へと流れるとともに、VGA15cの制御電流IC3として取り出される。
レベルシフト回路229は、抵抗素子R5とプルアップ抵抗R6によって、DA変換器200からの制御電圧DACINをNMOSトランジスタM2、M4、M6の各ゲートに印加する前に、それらのゲート電圧VGの許容レベルへとレベルシフトする回路である。また、レベルシフト回路229は、基準電圧V1〜V3との兼ね合いで、クロスポイントCP1〜CP3の電圧レベルを設定する働きも持たせてある。
カレントミラー回路230は、所定のミラー比が各PMOSトランジスタ(M25、M26)並びに(M27、M28)に設定され、PMOSトランジスタM25と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM26の双方のゲートを共通接続した上段カレントミラー部と、PMOSトランジスタM28と、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM27の双方のゲートを共通接続した下段カレントミラー部を直列接続して構成される。すなわち、カレントミラー回路230は、差動トランジスタ対223のNMOSトランジスタM1に流れる電流I1とNMOSトランジスタM8に流れる下限電流ILの合計電流(I1+IL)が、PMOSトランジスタM26、M28に流れる。この結果、合計電流(I1+IL)を複製したミラー電流がPMOSトランジスタM25、M27へと流れて帰還回路31の制御電流IC4として取り出される。
以上が電流制御回路220の詳細な構成の説明である。尚、電流制御回路220が生成する制御電流IC1〜IC3の特性について、図6、図7に示した特性図をもとに説明する。
まず、図6(a)は、横軸を制御電圧DACINのレベル(V)、縦軸を制御電圧DACINに応じた制御電流IC1〜IC4の電流量(A)とした特性図である。また、図6(b)は、横軸を制御電圧DACINのレベル(V)に応じたNMOSトランジスタM2、M4、M6のゲート電圧VGのレベル(V)、縦軸をゲート電圧VGのレベル(V)に応じた制御電流IC1〜IC3の電流量(A)とした特性図である。
図6(a)、(b)に示すように、制御電流IC1〜IC3の電流量(A)を、制御電圧DACINやゲート電圧VGのレベル(V)の上昇に応じて、急峻な変化とはさせず、下に凸から上に凸へと緩やかに変化させる。尚、制御電流IC4は、同一の差動トランジスタ対223より得られる制御電流IC1とペアをなしており、制御電圧DACINやゲート電圧VGのレベル(V)の上昇に応じて、制御電流IC1の場合とは反対に、制御電流IC4の電流量(A)を上に凸から下に凸へと緩やかに変化させる。
すなわち、電流制御回路220は、例えば、前段のVGA15a及び後段のVGA15bへそれぞれ供給する制御電流IC1、IC2に関して、前段の制御電流IC1における上に凸のレベル特性と、後段の制御電流IC2における下に凸のレベル特性と、を合成(足し算)した際に、滑らかな線形性が得られるように制御電流IC1、IC2を生成することになる。また、電流制御回路220は、制御電流IC2、IC3の関係についても、制御電流IC1、IC2の関係と同様に形成させる。尚、こうした制御電流IC1〜IC4の特性は、差動トランジスタ対223、225、227のゲート寸法比(W/L)の設定によって、コンダクタンスgm(=出力電流変化/入力電圧変化)を小さく設定させることで得られる。
また、図6(b)に示すように、ゲート電圧VGのレベル上昇に従って、ゲート電圧VGが基準電圧V1、V2、V3を順に超えていく場合とする。この場合、まず、1段目のVGA15aの制御電流IC1の電流量が下に凸の特性から上に凸の特性へと緩やかに増加していく際、ゲート電圧VGのレベルが基準電圧V1のレベルに該当するクロスポイントCP1(変曲点)に到達したとき又はその近傍付近で、2段目のVGA15bの制御電流IC2の電流量の緩やかな増加、すなわち下の凸の特性を開始させる。同様に、2段目のVGA15bの制御電流IC2の電流量が、下に凸の特性から上に凸の特性へと緩やかに増加していく際、ゲート電圧VGのレベルが基準電圧V2のレベルに該当するクロスポイントCP2(変曲点)に到達したとき又はその近傍付近で、3段目のVGA15cの制御電流IC3の電流量の緩やかな増加、すなわち下の凸の特性を開始させる。
すなわち、電流制御回路220は、ゲート電圧VGのレベル上昇に伴って、前段の制御電流IC1、IC2のクロスポイントCP1、CP2(変曲点)近傍において、後段の制御電流IC2、IC3における下に凸の特性が開始すべく、制御電流IC1〜IC3を一斉にではなく段階的に生成させることとする。この結果、制御電流IC1〜IC3を合成させた場合に線形性が得られるようにすべく、制御電流IC1〜IC3の下に凸の特性の各開始タイミングに適切な間隔を空けることができる。尚、こうした制御電流IC1〜IC3の特性は、抵抗分圧器221の抵抗素子R1〜R4の各抵抗値と、レベルシフト回路229の抵抗素子R5、R6の各抵抗値を、適宜調整することで得られる。
図7(a)は、図6(b)の縦軸に示される制御電流IC1〜IC3の電流量(A)を対数表示(dB)したものを示してある。尚、この対数変換は、電流制御回路220の段階的な制御電流IC1〜IC3の生成動作と、VGA15a〜15cの縦続接続によって行われる。図7(b)は、図7(a)に示される制御電流IC1〜IC3の各電流量(dB)を足し算したものを縦軸へと示してある。すなわち、VGA15a〜15cとしては電流量(dB )に対して利得(dB)が比例する増幅器を採用するので、制御電流IC1〜IC3の電流量(dB)を足し算したものが、3段のVGA15a〜15cの各デシベル量の利得を掛け算した合成利得の変化へと、そのまま対応することになる。よって、図7(a)の制御電流IC1〜IC3の特性が得られれば、図7(b)より、3段のVGA15a〜15cの合成利得が、ゲート電圧VGのレベル(V)に応じて滑らかな対数線形性を持つことが導出できる。
===VGAの詳細===
図8は、本発明の一実施形態に係る1段目のVGA15aの構成を示す図である。VGA15aは、入力信号のレベル変化に対して線形的な出力信号のレベル変化を得られる、いわゆるトランスコンダクタンスアンプを採用しており、図3に示したように、入力側の前段部160aと、出力側の後段部170aと、によって主に構成される。
ここで、詳細は後述するが、前段部160aのダイオード負荷回路152aにおけるダイオード特性(N型トランジスタB71、B72のベース・エミッタ間特性)を利用することで、後段部170aの差動トランジスタ対154aの特性のうち非線形な箇所が線形的な特性となるように補正が行われる。この結果、VGA15aの単体利得は、制御電流IC1の電流量に比例することになり、ダイナミックレンジが拡大することになる。
図9は、本発明の一実施形態に係る2段目のVGA15b並びに3段目のVGA15cの構成を示す図である。VGA15b、15cの差動入力部の差動トランジスタ対151b、151cにおいて、前段のVGA15a、15bからの差動出力OUT1、OUT2が各NMOSトランジスタM90、M91のゲートへと入力される箇所以外は、図6に示した1段目のVGA15aの構成と同様であるので説明を省略する。
===後段部===
後段部170aは、差動トランジスタ対154a、カレントミラー回路155a、156a、157aによって主に構成される。
差動トランジスタ対154aは、差動トランジスタ対151aの電源電圧VCC側より出力させた信号に基づいて相補的にオン・オフ動作させるNPN型トランジスタB75、B76で構成され、NPN型トランジスタB75、B76のベースが、かかる差動トランジスタ対154aの差動入力となる。尚、NPN型トランジスタB75のベースには、NMOSトランジスタM70に流れる電流Ixが供給され、NPN型トランジスタB76のベースには、NMOSトランジスタM71に流れる電流Iyが供給される。よって、入力電圧INのレベル上昇によって、電流Iyに応じた電流Iuは減少するとともに電流Ixに応じた電流Ivは増加する特性を示すが、一方、入力電圧INのレベル降下によって、電流Iyに応じた電流Iuは増加するとともに電流Ixに応じた電流Ivは減少する特性を示す。
カレントミラー回路155aは、所定のミラー比が各PMOSトランジスタM79、M80に設定され、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM79と、PMOSトランジスタM80の双方のゲートを共通接続して構成される。尚、PMOSトランジスタM80のドレインがNPN型トランジスタB75のコレクタと接続されるため、カレントミラー回路155aは、NPN型トランジスタB75の定電流負荷となる。また、PMOSトランジスタM79に流れる電流は、次段のVGA15bへと入力させる出力電流OUT2として取り出される。尚、出力電流OUT2は、抵抗素子や容量素子等(不図示)によってノイズ除去されるとともに電流電圧変換された後、次段のVGA15bの差動入力のうち一方の入力IN2へと印加される。
カレントミラー回路156aは、所定のミラー比が各PMOSトランジスタM81、M82に設定され、ダイオード接続されたPMOSトランジスタM82と、PMOSトランジスタM81の双方のゲートを共通接続して構成される。尚、PMOSトランジスタM81のドレインがNPN型トランジスタB76のコレクタと接続されるため、カレントミラー回路156aは、NPN型トランジスタB76の定電流負荷となる。また、PMOSトランジスタM82に流れる電流は、次段のVGA15bへと入力させる出力電流OUT1として取り出される。尚、出力電流OUT1は、抵抗素子や容量素子等(不図示)によって、ノイズが除去されるとともに電流から電圧へと変換された後、次段のVGA15bの差動差動入力のうち他方の入力IN1へと印加される。
カレントミラー回路157aは、所定のミラー比が各NMOSトランジスタM75〜M78に設定され、バイアス回路210のダイオード接続されたNMOSトランジスタM47と、NMOSトランジスタM75〜M78の双方のゲートを共通接続して構成される。尚、NMOSトランジスタM75〜78の各ゲートにはバイアス電圧VB1が印加されており、NMOSトランジスタM46に流れる複製元の電流IRを所定のミラー比倍した電流が、NMOSトランジスタM75〜M78へと複製生成される。尚、NMOSトランジスタM76、M77は、差動トランジスタ対154aの接地GND側に設けられており、NMOSトランジスタM76、M77に流れる電流が、差動トランジスタ対154aの電流Iu、Ivの合成電流であるテール電流Izとなる。
以上が、後段部170aの詳細な構成の説明である。尚、後段部170aにおける差動トランジスタ対154aは、図12(a)に示される等価回路へと置き換えることができる。かかる等価回路は、NPN型トランジスタB75、B76のコレクタ電圧V2、NPN型トランジスタB76とベース電圧V1を固定とし、NPN型トランジスタB75のベース電圧V3を可変とさせる。また、NPN型トランジスタB75、B76のテール電流I0を可変とさせる。図12(b)は、かかる等価回路において、テール電流I0を10μA〜100μAへと変化させた場合のベース電圧V3対コレクタ電流I1の特性図である。
図12(b)中に示す第1〜第4象限全体を通して観察した場合、ベース電圧V3対コレクタ電流I1の特性は双曲線正接関数(tanh(x))で表現できることが分かる。また、図12(b)に示す第1象限のみで観察した場合、ベース電圧V3のレベル上昇に伴って、コレクタ電流I1は、対数関数的に増加していき、最終的には飽和していくといった特性を示すことが分かる。また、テール電流I0が増加するに従って、ベース電圧V3に対するコレクタ電流I1の傾きは急峻になる特性を示すことが分かる。
図13は、図12(b)において、任意のテール電流I0におけるベース電圧V3(入力電圧V)対コレクタ電流I1(出力電流I)の特性を抜粋したものである。図13に示すように、差動トランジスタ対154aは、入力電圧Vがレベル上昇するに伴って、入力電圧Vの微小振幅レベルに応答する出力電流Iの微小振幅レベルは増加することが分かる。
このように、後段部170aは、入力電圧Vのレベルが上昇すると、利得(コンダクタンスgm)もまた同様に増加するという特性を示すことになる。尚、本実施形態に係る後段部170aでは、一定のバイアス電圧VB1によって、差動トランジスタ対154aのテール電流Izを一定に設定させてある。すなわち、本実施形態に係る後段部170aは、バイアス電圧VB1との関係において、利得を固定に設定した状態にある。
===前段部===
前段部160aは、差動トランジスタ対151a(本発明に係る『第1の差動トランジスタ対』)、ダイオード負荷回路152a(本発明に係る『ダイオード負荷回路』)、カレントミラー回路153a、によって主に構成される。
差動トランジスタ対151aは、前段部160aに入力された信号に基づいて互いに相補的にオン・オフ動作させるNMOSトランジスタM70、M71で構成され、NMOSトランジスタM70、M71のゲートが、かかる差動トランジスタ対151aの差動入力となる。尚、NMOSトランジスタM70のゲートにはBPF14からの入力電圧IN(すなわち、IF信号)が印加され、一方、NMOSトランジスタM71のゲートには、レギュレータ電圧VREGがベースに印加されたNPN型トランジスタM73と抵抗素子R74の接続点の電圧VCが印加される。尚、NMOSトランジスタM70のゲートに印加される入力電圧INのレベルは、容量素子C70とプルアップ抵抗R73によってNMOSトランジスタM70のゲート電圧の許容レベルにまで調整される。
よって、差動トランジスタ対151aは、電圧VCが一定であるため、入力電圧INがレベル上昇するにつれて、NMOSトランジスタM70に流れる電流Ixは増加するとともにNMOSトランジスタM71に流れる電流Iyは減少する特性を示す。一方、入力電圧INがレベル降下するにつれて、NMOSトランジスタM70に流れる電流Ixは減少するとともにNMOSトランジスタM71に流れる電流Iyは減少する特性を示す。
従って、前段部160aのNPN型トランジスタB71、B72のベース・エミッタ特性と、後段部170aのNPN型トランジスタB75、B76のベース・エミッタ特性の双方の歪みが相殺されるため、前段部160aから後段部170aへの信号伝達の際の歪みが解消されて、VGA15aの入力側のダイナミックレンジの拡大や制御電流IC1に応じたVGA15aの単体利得の線形的な応答が得られることになる。
ダイオード負荷回路152aは、NPN型トランジスタB71、B72の各ベースにレギュレート電圧VREGが印加された結果、それらのベース・エミッタ間がダイオードとして機能し、差動トランジスタ対151aの電源電圧VCC側に設けられたダイオード負荷となる。すなわち、ダイオード負荷回路152aは、NPN型トランジスタB71、B72によるダイオード特性に基づいて、差動トランジスタ対151aの電源電圧VCC側より出力させた信号を対数変換させる。尚、NPN型トランジスタB73は、NMOSトランジスタM74のダイオード負荷となる。
カレントミラー回路153aは、所定のミラー比が各NMOSトランジスタM72、M73に設定され、また、差動トランジスタ対151aの接地GND側に設けるNMOSトランジスタM72、M73と、ダイオード接続されたNMOSトランジスタM74それぞれのゲートを共通接続して構成される。尚、NMOSトランジスタM74のゲートには、電流制御回路220において生成された制御電流IC1に応じた電圧が印加される。すなわち、NMOSトランジスタM72、M73では、制御電流IC1を所定のミラー比倍した電流が複製生成され、差動トランジスタ対151aのテール電流Izとなる。このテール電流Izは、差動トランジスタ対151aにおいて、一方のNMOSトランジスタM70に流れる電流Ixと、他方のNMOSトランジスタM71に流れる電流Iyの合計電流となる。このように、カレントミラー回路153aは、差動トランジスタ対151aとダイオード負荷回路152a等のバイアス回路として機能する。
以上が、前段部160aの詳細な構成の説明である。尚、前段部160aにおけるダイオード負荷回路152aは、図10(a)に示される等価回路へと置き換えることができる。かかる等価回路は、NPN型トランジスタB71、B72のコレクタ電圧V2とベース電圧V1を固定とし、さらに、エミッタ電流I1が流れるように設定した回路である。図10(b)は、かかる等価回路のエミッタ電流I1対エミッタ電圧VOUT1の特性図である。図10(b)に示すように、エミッタ電流I1の電流量が増加するに伴ってエミッタ電圧VOUT1がレベル降下する特性を示し、反対に、エミッタ電流I1の電流量が減少するに伴ってエミッタ電圧VOUT1がレベル上昇する特性を示すことが分かる。
一方、前段部160aにおける差動トランジスタ対151aは、図11に示すような入力電流I(ドレイン電流)対出力電圧V(ドレイン電圧)の特性を示すことになる。すなわち、図11に示す特性図は、図10(b)の縦軸(エミッタ電圧VOUT1)の極性をちょうど反転させた特性図となっている。図11に示すように、差動トランジスタ対151aは、入力電流Iの電流量が増加するに伴って、入力電流Iの微小振幅レベルに応答する出力電圧Vの微小振幅レベルは減少することが分かる。
このように、前段部160aは、差動トランジスタ対151aに流れる入力電流Iの電流量が増加すると利得(コンダクタンスgm)が減少するという特性を示すことになる。尚、本実施形態に係る前段部160aでは、かかる入力電流Iを、差動トランジスタ対151aのテール電流Iz、ひいては制御電流IC1と比例させており、制御電流IC1の電流量が増加すると利得が減少する特性を有する。従って、本実施形態に係る前段部160aは、入力信号INに比例した制御電流IC1のレベル上昇に伴って利得が下がるように作用するため、VGA15aのダイナミックレンジが実質的に拡大し、大振幅の入力信号INであってもそのクリップの防止が図られることになる。
===多段接続VGAの合成利得の対数線形性===
以下では、VGA制御回路20、特に電流制御回路220において生成される制御電流IC1〜IC3によって、3段のVGA15a〜15cの合成利得の対数線形性が得られることを説明する。
まず、電流制御回路220の差動トランジスタ対223、225、227は、図14に示すような等価回路に置き換えることができる。尚、図14(a)に示す等価回路は、差動トランジスタ対223のみについて示してある。ここで、差動増幅器の入力電圧Xと出力電流Yとの関係は、下に凸から変曲点を経て上に凸へと切り替わる双曲線正接関数(tanh)を用いて、“Y=tanh(X)”として表現される。よって、図14(a)に示す等価回路において、NMOSトランジスタM2のゲートに印加される制御電圧Vxのレベルに応じて、NMOSトランジスタM2に流れる電流I2は“tanh(α×Vx)”として表現でき、また、NMOSトランジスタM1に流れる電流I1は“−tanh(α×Vx)”として表現できる。但し、“α”は係数である。このように双曲線正接関数を用いて表現された図14(a)に示す等価回路の特性を図14(b)に示す。尚、図14(b)に示す特性図では、電流I1、I2の平衡した電流量を原点とし、このときの入力電圧Vxを原点とする。かかる原点が、双曲線正接関数の変曲点、すなわちクロスポイントCP1に該当することになる。
このように、電流制御回路220は、差動トランジスタ対223、225、227を構成する二つのトランジスタの入出力特性が双曲線正接関数で表現される性質を利用して、差動トランジスタ対223、225、227の一方のNMOSトランジスタM2、M4、M6の各出力から、本発明に係る制御電流IC1〜IC3を容易に得ることができる。尚、下に凸から変曲点を経て上に凸へと切り替わる入出力特性を有した回路素子(例えば、ダイオード素子)であれば、差動トランジスタ対223、225、227に特にこだわる必要はない。
図14(b)に示した電流I1、I2の原点付近での傾きの絶対値は“1”である。この電流I1、I2の傾きは、前述した係数αによって変化させることができる。この係数αを定める要因の一つとしては、NMOSトランジスタM1、M2のゲート寸法比(W/L)が挙げられる。図15は、NMOSトランジスタM2のゲート寸法比(W/L)を変えた場合の電流I2の特性変化を示す図である。図15に示すように、NMOSトランジスタM2のゲート幅Wを増加させていくに従って、電流I2の傾きは、滑らかな変化から急峻な変化へと切り替わっていく様子が分かる。また、NMOSトランジスタM2のゲート長Lを増加させていくに従って、電流I2の傾きは、急峻な変化から滑らかな変化へと切り替わっていく様子が分かる。
つぎに、電流制御回路220の差動トランジスタ対223、225、227のうち、隣接接続された二つの差動トランジスタの一例として、差動トランジスタ対223、225の等価回路を図16に示すことにする。
図16に示す等価回路では、テール電流I0を定める電流源230(本発明に係る『第1の電流源』)とは別に、電流I1、I2の下限電流量を定める電流源240(本発明に係る『第2の電流源』)を設けてある。尚、電流源230は、図5に示すNMOSトランジスタM7、M9、M11に該当し、電流源240は、図5に示すNMOSトランジスタM8、M10、M12に該当する。かかる電流源230及び電流源240によって、差動トランジスタ対223のクロスポイントCP1と、差動トランジスタ対225のクロスポイントCP2との各電流量が決定される。例えば、図16に示す等価回路の数値例では、テール電流I0の“20μA”の半分に下限電流ILの“5μA”を加えた“15μA”が、クロスポイントCP1、CP2の電流量として決定される。すなわち、電流I1のみにテール電流I0に相当する“20μA”が流れてしまい、電流I2の電流量が“0μA”となる状況であったとしても、制御電流IC1は“0μA”とはならず、電流源240の“5μA”が最低限補償される。よって、かかる状況下で、VGA15aの利得が“0dB”とはならず安定した制御が行えるようになる。
また、図16に示す等価回路の数値例では、NMOSトランジスタM1のゲートには基準電圧V1の“1V”が印加されており、この結果、クロスポイントCP1における電圧レベルは“1V”に決定される。同様に、NMOSトランジスタM3のゲートには基準電圧V2の“2V”が印加されており、この結果、クロスポイントCP2における電圧レベルは“2V”に決定される。
図17(a)は、図16に示した等価回路の数値例に基づいて、制御電圧に応じた差動トランジスタ対223の電流I1、I2並びに差動トランジスタ対225の電流I3、I4の各特性を、図14(b)に示したように双曲線正接関数を用いて示した図である。図17(a)に示すように、電流I2、I4は“tanh(α×Vx)”で表現され、一方、電流I1、I3は“−tanh(α×Vx)”で表現される。また、電流I1、I2のクロスポイントCP1では、制御電圧Vxのレベルが“1V”且つ電流I1、I2の電流量が“15μA”に決定されており、電流I3、I4のクロスポイントCP2では、制御電圧Vxのレベルが“2V”且つ電流I3、I4の電流量が“15μA”に決定されている。尚、図17(a)に示す電流I2、I4の傾きの場合は、制御電圧Vxのレベル上昇に伴って、1段目のVGA15aに供給される電流I2がクロスポイントCP1に到達した際、2段目のVGA15bに供給される電流I4が直ちに緩やかな増加を開始する特性(下に凸の特性)とはなっておらず、電流I2がクロスポイントCP1をしばらく経過した後、電流I4がゆるやかな増加を開始する特性(下に凸の特性)となっている場合とする。
図17(b)は、図17(a)に示される特性を有した電流I2、I4が制御電流IC1、IC2として1段目のVGA15aと2段目のVGA15bそれぞれへと供給された場合、1段目のVGA15aの利得特性と、2段目のVGA15bの利得特性と、VGA15a〜15bの合成利得の特性を示した図である。ここで、VGA15a、15bは、電流量に比例した利得特性を持っているので、VGA15a、15bの各利得特性は、図17(a)に示す電流I2、I4の特性と相似している。尚、VGA15aの利得特性とVGA15bの利得特性を足し算したものが、VGA15a〜15bの合成利得の特性となる。但し、図17(b)に示されるVGA15a〜15bの合成利得は、1段目利得と2段目利得のつなぎ目が非線形性を示しているので、理想的な対数線形性には程遠い特性が得られている。
そこで、図18(a)に示す電流I1〜I4の特性図では、図17(a)に示す電流I1〜I4の特性図と対比して、クロスポイントCP1、CP2における制御電圧Vxのレベル自体は“1V”、“2V”と変化させてはいないが、前述したように、NMOSトランジスタM1、M2のゲート寸法比(W/L)を調整することによって、電流I1〜I4の傾きを滑らかにさせた場合である。この結果、図17(a)に示す場合とは異なり、電流I2、I4の傾きの場合は、制御電圧Vxのレベル上昇に伴って、1段目のVGA15aに供給される電流I2がクロスポイントCP1に到達した付近で、2段目のVGA15bに供給される電流I4が直ぐに緩やかな増加を開始する特性になる。
図18(b)は、図18(a)に示される特性を有した電流I2、I4が制御電流IC1、IC2として1段目のVGA15aと2段目のVGA15bそれぞれへと供給された場合、1段目のVGA15aの対数表示した利得特性と、2段目のVGA15bの対数表示した利得特性と、VGA15a〜15bの対数表示した合成利得の特性と、をそれぞれ示した図である。図18(b)に示すように、VGA15a〜15bの対数表示した合成利得の特性は、図17(b)と対比して、1段目の利得特性と2段目の利得特性のつなぎ目の非線形性が解消されて、理想的な対数線形性が得られていることが分かる。
但し、電流I2、I4の傾きをあまりにも滑らかにしすぎた場合、図19に示すように、1段目利得と2段目利得のつなぎ目の線形性は得られるものの、VGA15a〜15bの合成利得の両端の鈍りが酷くなるので、使用可能な利得可変範囲が狭くなるという新たな欠点が生じる。このため、1段目のVGA15aに供給される電流I2がクロスポイントCP1に到達する近傍付近で、必ず、2段目のVGA15bに供給される電流I4の緩やかな増加(下に凸の特性)を開始させるようにする。具体的には、NMOSトランジスタM1、M2のゲート寸法比(W/L)の調整、すなわち、NMOSトランジスタM1、M2のゲート幅Wを増加若しくはゲート長Lを減少させていく調整によって、NMOSトランジスタM1、M2のコンダクタンスgmを小さく設定していき、電流I2、I4の最適な傾きが得られるゲート幅W並びにゲート長Lを決定する必要がある。
ところで、図1等に示した本実施形態では、本発明の目的である回路規模の増大化の抑制と合成利得の対数線形性の両方をバランス良く達成するのに最適な3段構成のVGA15a〜15cを採用している。しかし、例えば、2段構成のVGA15a、15bのみであっても、合成利得の対数線形性が得られるが、合成利得のつなぎ目が1段目と2段目の一箇所しかないため、つなぎ目が2カ所ある3段構成の場合と対比して、合成利得の両端の鈍りによって利得可変範囲が却って狭くなる恐れがある。また、例えば、4段構成以上の場合には、3段構成の場合と対比して、回路規模の増大化は免れない。よって、本発明では、3段構成のVGA15a〜15cを採用することが好ましい。
<入力バッファ>
図20(a)は、本発明の一実施形態に係る入力バッファ30並びにその帰還回路31の構成を示す図であり、図20(b)は、帰還回路31に係る特性を示す図である。
入力バッファ30は、初段のVGA15aの入力側に設けられた反転増幅回路であり、その非反転入力にはDC電源の基準電圧Vrが印加され、その反転入力には入力抵抗RAを介して入力信号IN(すなわち、IF信号)が入力される。また、入力バッファ30の出力と反転入力との間の負帰還経路上には帰還回路31が設けられる。
帰還回路31は、入力バッファ30の帰還量が、初段のVGA15aに入力させる入力信号INのレベルが増加するに従って減少するように制御がなされる。その制御主体は、電流制御回路220において、制御電流IC4を生成するカレントミラー回路230となる。
詳述すると、帰還回路31、入力バッファ30の負帰還経路上に設けられる帰還抵抗RB、RCの直列接続体と、帰還抵抗RB、RCの接続点より負帰還経路を分配させるNMOSトランジスタMAのドレインが接続される。また、NMOSトランジスタMA、MB(本発明に係る『帰還量制御トランジスタ』)のゲートが共通接続され、NMOSトランジスタMA、MBのソースは基準電圧VRが印加される。尚、NMOSトランジスタMBは、そのドレイン及びゲートを短絡(ダイオード接続)させており、そのドレインには制御電流IC4が供給される。尚、電流制御回路220のカレントミラー回路230において生成される制御電流IC4は、図20(b)に示すように、制御電圧DACINのレベル上昇に従って上に凸から下に凸へと電流量が減少していき、反対に、制御電圧DACINのレベル降下に従って下に凸から上に凸へと電流量が増加していく特性を有している。
ここで、制御電流IC4の電流量がゼロの場合、NMOSトランジスタMA、MBはオンしないので、帰還回路31の帰還量は、帰還抵抗RB、RCのみで定まることになる。一方、制御電圧IC4の電流量がゼロから徐々に増加していくと、NMOSトランジスタMA、MBがオフからオンする方向へと動作するため、NMOSトランジスタMA、MBのオン抵抗が減少していく。この結果、入力バッファ30の出力電圧が、帰還抵抗RCを介して帰還抵抗RBとNMOSトランジスタMAの両者に分圧されるので、反転入力へと帰還させる帰還量自体が減少していくことになる。ここで、入力バッファ30の非反転入力と反転入力との間にはイマジナリーショートが理論上成立しなければならず、また、非反転入力には一定の基準電圧Vrが印加されているため、前述した反転入力への帰還量の減少分を補償すべく入力バッファ30の利得が増加することになる。
すなわち、本発明では、複数段のVGA15a〜15cの可変利得制御において、前段のVGA15a〜15bの利得を下げる一方で後段のVGA15b〜15cの利得を上げるようにした場合、入力信号IN(IF信号)が各段のVGA15a〜15cを伝達していくに従ってその入力信号INに含まれるノイズが段階的に増幅していきNFが悪化することになる。また、小振幅の入力信号INが入力された場合には、このNF悪化の問題が顕著となって現れる。そこで、小振幅の入力信号INが入力された場合のNF改善のためには、前段のVGA15a〜15bの利得を高く設定すればよいことになるが、そうすると大振幅の入力信号INが入力された場合にはクリップしやすくなるという新たな問題が生じてしまう。
そこで、前述したように、初段のVGA15aの入力側に入力バッファ30を設けておき、電流制御回路220の制御電流IC4によって、小振幅の入力信号INの場合(制御電圧DACINのレベルが低い場合)には入力バッファ30の利得を上げるように制御を行い、一方、大振幅の入力信号の場合(制御電圧DACINのレベルが高い場合)には入力バッファ30の利得を下げるように制御を行うこととした。この結果、大振幅の入力信号INがクリップしやすくなることを防止できる。また、図21に示すように、小振幅の入力信号INが入力されたとき、VGA15a〜15cの入力側の前段部160a〜160cの利得を固定にする場合、前段部160a〜160cの利得を制御電流IC1〜IC3によって可変させる場合、更に入力バッファ30を設けて入力バッファ30の利得を制御電流IC4によって制御を行う場合、といった順にNFの改善が図られる。すなわち、入力バッファ30によって、入力信号INが小振幅であっても大振幅であっても正常に動作させるようにし、ダイナミックレンジの実質的な拡張を図ることができる。また、前述した入力バッファ30の帰還量の制御を行うための制御回路としては、帰還抵抗RB、RCとNMOSトランジスタMA、MBによる単純な帰還回路31を設けるとともに、電流制御回路220において制御電流IC1を生成する差動トランジスタ対223の回路の一部を活用したので、回路規模の増大化を抑えつつ入力バッファ30の帰還量の制御を実現可能とした。
以上、本発明の実施形態について説明したが、前述した実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
本発明の一実施形態に係る受信装置の全体構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアンテナで受信した信号が様々な振幅レベルを有することを示す図である。 本発明の一実施形態に係るVGA制御回路とVGAとの間の接続関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るバイアス回路の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電流制御回路の構成を示す図である。 図6(a)は本発明の一実施形態に係る電流制御回路の制御電圧(V)対制御電流(A)の特性を示した図であり、図6(b)は本発明の一実施形態に係る電流制御回路のゲート電圧(V)対制御電流(A)の特性を示した図である。 図7(a)は本発明の一実施形態に係る電流制御回路のゲート電圧(V)対制御電流(dB)の特性を示した図であり、図7(b)は本発明の一実施形態に係る電流制御回路のゲート電圧(V)対合成制御電流(dB)の特性を示した図である。 本発明の一実施形態に係る1段目のVGAの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る2段目のVGA並びに3段目のVGAの構成を示す図である。 図10(a)は本発明の一実施形態に係るVGAの前段部における定電流負荷回路の等価回路を示した図であり、図10(b)は、図10(a)に示した等価回路の特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係るVGAの前段部における差動トランジスタ対の入出力特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係るVGAの後段部における差動トランジスタ対のうち一方のトランジスタの特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係るVGAの後段部における差動トランジスタ対の入出力特性を示す図である。 図14(a)は本発明の一実施形態に係る電流制御回路の差動トランジスタ対の等価回路を示した図であり、図14(b)は図14(a)に示した等価回路の電流特性に関して双曲線正接関数を用いて表現した図である。 本発明の一実施形態に係る電流制御回路の1つの差動トランジスタ対のうち、ゲート寸法比に応じた一方のトランジスタの電流特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電流制御回路の2つの差動トランジスタ対の等価回路を示す図である。 図17(a)は図16に示した等価回路の電流特性を示した図であり、図17(b)は図17(a)に示した電流に応じた1段目、2段目のVGAの利得特性を示すとともに、この場合には合成利得の対数線形性が得られないことを示した図である。 図18(a)は図16に示した等価回路の電流特性を示した図であり、図18(b)は図18(a)に示した電流に応じた1段目、2段目のVGAの利得特性を示すとともに、この場合には合成利得の対数線形性が得られることを示した図である。 図16に示した等価回路の電流特性の傾きを滑らかにしすぎた場合の1段目、2段目のVGAの利得特性並びにそれらの合成利得の特性を示した図である。 図20(a)は、本発明の一実施形態に係る入力バッファ並びに帰還回路の構成を示す図であり、図20(b)は、帰還回路に係る特性を示す図である。 本発明に係るNF改善の効果を説明するための図である。 アッテネータを採用した従来のAGC回路の構成を示す図である。 図23(a)は図22に示したクリッピングアンプの特性を示す図であり、図23(b)は図22に示すPMOSトランジスタの利得特性を示す図であり、図23(c)はAGC回路全体の合成利得の特性を示す図である。
符号の説明
10 アンテナ 11 RFアンプ
12 局所発振器 13 混合回路
14 BPF 15a〜15c VGA
151a〜151c 差動トランジスタ対
152a〜152c ダイオード負荷回路
153a〜153c カレントミラー回路
154a〜154c 差動トランジスタ対
155a〜155c カレントミラー回路
156a〜156c カレントミラー回路
157a〜157c カレントミラー回路
16 AD変換器 160a〜160c 前段部
17 DSP 170a〜170c 後段部
18 D級アンプ 19 スピーカー
20 VGA制御回路 21 Sメーター
200 DA変換器 210 バイアス回路
211 差動トランジスタ対 212 カレントミラー回路
213 カレントミラー回路 215 カレントミラー回路
214 抵抗分圧器 216 バイアス電圧出力部
220 電流制御回路 221 抵抗分圧器
222 カレントミラー回路 223 差動トランジスタ対
224 カレントミラー回路 225 差動トランジスタ対
226 カレントミラー回路 227 差動トランジスタ対
228 カレントミラー回路 229 レベルシフト回路
30 入力バッファ 31 帰還回路
40 バッファ 50 出力バッファ

Claims (19)

  1. 可変利得増幅器において増幅させる信号のレベルを当該可変利得増幅器の利得を帰還制御する自動利得制御回路において、
    入力信号のレベル増加に応じて利得が減少する前段部及び当該入力信号のレベル増加に応じて利得が増加する後段部を具備することで利得制御信号のレベルに応じた線形的な単体利得特性をそれぞれ示し、初段に入力された入力信号のレベルを増幅させた出力信号が最終段より得られる複数段の可変利得増幅器と、
    前記出力信号を帰還させた帰還信号のレベルに応じて下に凸から上に凸へと変化するレベル特性を有した前記利得制御信号を、各段の前記可変利得増幅器が具備する前記前段部へと段階的に供給することによって、前記複数段の可変利得増幅器の対数表示した合成利得が前記利得制御信号に対して線形的な応答となるべく制御を行う利得制御回路と、
    を有することを特徴とする自動利得制御回路。
  2. 各段の前記前段部は、
    当該前段部への入力信号に基づいて相補的にオン・オフされる第1の差動トランジスタ対と、
    前記第1の差動トランジスタ対の接地側に設けられ前記第1の差動トランジスタ対の合成電流を複製生成する第1のカレントミラー回路と、
    前記第1の差動トランジスタ対の電源側に設けられたダイオード負荷回路と、を有し、
    各段の前記後段部は、
    前記第1の差動トランジスタ対の電源側より出力させた信号に基づいて相補的にオン・オフさせる第2の差動トランジスタ対と、
    前記第2の差動トランジスタ対の接地側に設けられ前記第2の差動トランジスタ対の合成電流を複製生成する第2のカレントミラー回路と、を有し、
    前記利得制御回路は、
    前記利得制御信号を前記第1のカレントミラー回路の複製元電流として生成する利得制御信号生成回路と、
    各段の前記可変利得増幅器のバイアス信号を前記第2のカレントミラー回路の複製元電流として生成するバイアス回路と、を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の自動利得制御回路。
  3. 初段の前記可変利得増幅器の入力側に設けられる反転増幅回路と、
    初段の前記可変利得増幅器に入力させる信号レベルが増加するに伴って前記反転増幅回路の帰還量を減少すべく制御を行う帰還制御回路と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動利得制御回路。
  4. 前記反転増幅回路は、
    非反転入力に印加される電圧源と、
    出力から反転入力までの間の負帰還経路上に設ける帰還抵抗と、
    当該負帰還経路を分配させる帰還量制御トランジスタと、を有しており、
    前記帰還制御回路は、
    初段の前記可変利得増幅器に入力される信号レベルが増加するに伴って前記帰還量制御トランジスタのオン抵抗を減少させる制御を行うこと、
    を特徴とする請求項3に記載の自動利得制御回路。
  5. 前記利得制御回路は、
    前記可変利得増幅器の段数に応じた複数の差動トランジスタ対を有し、
    前記差動トランジスタ対を構成する二つのトランジスタの入出力特性が、下に凸から変曲点を経て上に凸へと切り替わる双曲線正接関数によって表現される特性を利用して、
    前記帰還信号のレベル上昇に応じて下に凸から上に凸へとレベル特性が増加していく前記差動トランジスタ対の一方のトランジスタの出力に基づいて、前記利得制御信号を生成し、
    前記帰還制御回路は、
    前記帰還信号のレベル上昇に応じて上に凸から下に凸へとレベル特性が減少していく前記差動トランジスタ対の他方のトランジスタの出力に基づいて、前記帰還量制御トランジスタのオン抵抗を減少させる帰還量制御信号を生成すること、
    を特徴とする請求項4に記載の自動利得制御回路。
  6. 前記利得制御回路は、
    前段及び後段の前記可変電流増幅器の前記前段部へそれぞれ供給する前段及び後段の前記利得制御信号に関して、
    前段の前記利得制御信号における前記上に凸のレベル特性と、後段の前記利得制御信号における前記下に凸のレベル特性と、を合成した際に線形性が得られるようにすべく、前記前段及び後段の前記利得制御信号を生成すること、
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の自動利得制御回路。
  7. 前記利得制御回路は、
    前段の前記利得制御信号が前記下に凸から前記上に凸へとレベル特性が切り替わる変曲点の近傍において、後段の前記利得制御信号における前記下に凸のレベル特性が開始すべく、前記前段及び後段の前記利得制御信号を段階的に生成すること、
    を特徴とする請求項6に記載の自動利得制御回路。
  8. 前記利得制御回路は、
    前記可変利得増幅器の段数に応じた複数の差動トランジスタ対を有しており、
    前記差動トランジスタ対を構成する二つのトランジスタに関して、下に凸から変曲点を経て上に凸へと切り替わる双曲線正接関数で表現される当該二つのトランジスタの入出力特性を利用して、前記差動トランジスタ対の一方のトランジスタの出力から前記利得制御信号を生成すること、
    を特徴とする請求項6又は7に記載の自動利得制御回路。
  9. 前記利得制御回路は、
    各段の前記利得制御信号の前記変曲点に対応した基準信号をそれぞれ生成する基準信号生成回路を有しており、
    各段の前記差動トランジスタ対それぞれが有する一方のトランジスタの制御電極には前記帰還信号をそれぞれ供給し、
    各段の前記差動トランジスタ対それぞれが有する他方のトランジスタの制御電極には前記基準信号をそれぞれ供給し、
    各段の前記差動トランジスタ対それぞれが有する前記一方のトランジスタに流れる出力電流に基づいて前記利得制御信号を生成すること、
    を特徴とする請求項8に記載の自動利得制御回路。
  10. 前記利得制御回路は、
    前記帰還信号を前記他方のトランジスタの制御電極に供給する前に、前記基準信号並びに前記制御電極に応じたレベルへと前記帰還信号のレベルを調整するレベルシフト回路を設けたこと、
    を特徴とする請求項9に記載の自動利得制御回路。
  11. 前記利得制御回路は、
    各段の前記差動トランジスタ対の合成電流を生成する第1の電流源と、
    各段の前記利得制御信号の下限電流を生成する第2の電流源と、
    前記合成電流に応じて各段の前記差動トランジスタ対の一方のトランジスタに流れる出力電流と、前記下限電流と、を加算した電流を複製して各段の前記利得制御信号として取り出すカレントミラー回路と、
    を有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の自動利得制御回路。
  12. 前記利得制御回路は、
    各段の前記差動トランジスタ対を構成する各トランジスタのゲート寸法比を調整して、前記利得制御信号の傾きを滑らかにすることによって、前段の前記利得制御信号における前記上に凸のレベル特性と、後段の前記利得制御信号における前記下に凸のレベル特性と、を合成した際に線形性が得られるようにしたこと、
    を特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の自動利得制御回路。
  13. 前記利得制御回路は、各段の前記差動トランジスタ対を構成する各トランジスタのゲート長を減少させるに従って各段の前記利得制御信号の傾きが滑らかになる特性を利用して、前段の前記利得制御信号における前記上に凸のレベル特性と、後段の前記利得制御信号における前記下に凸のレベル特性と、を合成した際に線形性が得られるようにしたこと、
    を特徴とする請求項12に記載の自動利得制御回路。
  14. 前記利得制御回路は、各段の前記差動トランジスタ対を構成する各トランジスタのゲート幅を増加させるに従って各段の前記利得制御信号の傾きが滑らかになる特性を利用して、前段の前記利得制御信号における前記上に凸のレベル特性と、後段の前記利得制御信号における前記下に凸のレベル特性と、を合成した際に線形性が得られるようにしたこと、
    を特徴とする請求項12に記載の自動利得制御回路。
  15. 前記可変利得増幅器を3段構成としたこと、を特徴とする請求項6乃至14のいずれかに記載の自動利得制御回路。
  16. アンテナで受信して可変利得増幅器において増幅される所定変調がなされた受信信号に所定の復調処理を施すとともに、当該受信信号のレベルを当該可変利得増幅器の利得を帰還制御する受信装置において、
    入力された信号を対数変換する前段部及び当該対数変換させた信号を逆対数変換させて出力する後段部を具備することで利得制御信号のレベルに応じた線形的な単体利得特性をそれぞれ有し、初段に入力された前記受信信号のレベルを増幅させた信号が最終段より得られる複数段の可変利得増幅器と、
    最終段の前記可変利得増幅器より出力される信号を帰還させた帰還信号のレベルに応じて下に凸から上に凸へと変化するレベル特性を有した前記利得制御信号を、各段の前記可変利得増幅器が具備する前記前段部へと段階的に供給することによって、前記複数段の可変利得増幅器の対数表示した合成利得が前記利得制御信号に対して線形的な応答となるべく制御を行う利得制御回路と、
    を有することを特徴とする受信装置。
  17. 前記アンテナで受信する前記受信信号のうち、所望の周波数を有するものを抽出して中間周波数へと変換した中間周波信号を生成する中間周波回路を有し、
    前記複数段の可変利得増幅器は、前記中間周波回路からの中間周波信号を増幅させるものであること、を特徴とする請求項16に記載の受信装置。
  18. 最終段の前記可変利得増幅器から得られる出力信号をAD変換するAD変換器と、
    前記AD変換された出力信号に復調処理を施すデジタル信号処理回路と、を有し、
    前記利得制御回路は、
    前記復調処理が施された出力信号をDA変換したものを前記帰還信号として用いること、を特徴とする請求項17に記載の受信装置。
  19. 前記受信信号は、ラジオ放送信号であること、を特徴とする請求項18に記載の受信装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009239794A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多段可変利得増幅器
JP2013040824A (ja) * 2011-08-12 2013-02-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 共鳴計算プログラムおよび解析装置
JP2017022933A (ja) * 2015-07-14 2017-01-26 株式会社ミツトヨ フィードバック制御装置
KR101845229B1 (ko) 2018-02-13 2018-04-04 주식회사 우진엔텍 전자회로의 입력신호 제어용 곱셈 연산기 장치

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