JP2003021566A - シリコンダイアフラム型真空圧力センサ装置およびその装置を用いた圧力測定方法 - Google Patents

シリコンダイアフラム型真空圧力センサ装置およびその装置を用いた圧力測定方法

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JP2003021566A
JP2003021566A JP2001208882A JP2001208882A JP2003021566A JP 2003021566 A JP2003021566 A JP 2003021566A JP 2001208882 A JP2001208882 A JP 2001208882A JP 2001208882 A JP2001208882 A JP 2001208882A JP 2003021566 A JP2003021566 A JP 2003021566A
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Keisoku Onuma
恵則 大沼
Tsutomu Takahashi
勉 高橋
Takehiro Kasahara
健大 笠原
Morio Kobayashi
盛男 小林
Toshimi Matsuoka
敏美 松岡
Akihisa Tanaka
昭久 田中
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Nabtesco Corp
Diavac Ltd
Original Assignee
Diavac Ltd
Teijin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】0.01Paから13.3KPaまでの圧力領
域を連続して測定可能なシリコンダイアフラム型真空圧
力センサ装置を提供すること。 【解決手段】0.01Paから133Paまでの圧力領
域を測定する第1のシリコンダイアフラム型真空圧力セ
ンサと、1.33Paから13.3KPaまでの圧力領
域を測定する第2のシリコンダイアフラム型真空圧力セ
ンサと、第1のシリコンダイアフラム型真空圧力センサ
からの第1出力信号値およびを第2のシリコンダイアフ
ラム型真空圧力センサからの第2出力信号値が入力さ
れ、その両方の出力信号値から共通信号値を形成する計
算手段と、第1出力信号値、第2出力信号値、共通信号
値のうちいずれか一つを選択する手段と、を備えたダイ
アフラム型真空圧力センサ装置とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空装置内の絶対圧力
を測定する真空圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】真空装置内の0.01Pa(パスカル)
〜13.3KPa(キロパスカル)の圧力範囲を連続し
て測定する場合、従来は測定範囲の異なる個々の真空圧
力センサと共通の評価装置を用いていた。この場合、少
なくとも2つの別々に構成された真空圧力センサからの
測定信号を共通の評価装置において処理する。一方の真
空圧力センサの信号において、このセンサに割り当てら
れている圧力範囲の限界圧力値に達すると、第2のセン
サに切り替わる。圧力範囲に応じて一方または他方のセ
ンサの信号が評価装置において表示される。
【0003】例えばピラニ真空計と冷陰極真空計、また
はピラニ真空計と電離真空計を組合せた真空計が製品化
されている。ピラニ真空計は0.1Pa〜13.3KP
aの圧力範囲を測定し、冷陰極真空計、電離真空計は1
×10−4Pa〜1.3Paの圧力範囲を測定する。両
者の真空計において測定可能な圧力範囲、すなわち0.
1Pa〜1.3Paにおいて切り替えが行われる。
【0004】また測定領域が異なる金属隔膜型真空計を
2つ以上組合せて0.1Pa〜13.3KPaの圧領域
を連続して測定する方法もある。例えば0.01Pa〜
133Paの圧力範囲を測定する第1の金属隔膜型真空
計と1.33Pa〜13.3KPaの圧力範囲を測定す
る第2の金属隔膜型真空計を組み合わせ、両者の真空計
において測定可能な圧力範囲の任意の一点で切り替えが
行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のもの
は以下のような問題点がある。ピラニ真空計と冷陰極真
空計、または電離真空計を組合せた場合、一方の真空計
から他方の真空計への切り替えに伴い、両者の真空計の
出力信号値が異なるため飛び越しが無視できないという
欠点がある。上記欠点に対しては特開平7−20912
2号公報にみられるように、各真空計による各測定範囲
が重なり合う領域で重み付け技術を適用し、各真空計の
特性曲線を連続的に移行させる方式が考案されている。
【0006】しかしながらピラニ真空計、冷陰極真空
計、電離真空計は測定する気体の種類により熱伝導率が
異なるため感度が変化し、気体の種類によって圧力値が
異なるという欠点がある。そのため特開平7−2091
22号公報のように各真空計の特性曲線を連続的に移行
させた場合でも10〜100%の誤差が生じてしまうと
いう欠点がある。
【0007】金属隔膜型真空計ではピラニ真空計、冷陰
極真空計、電離真空計のように測定する気体の種類によ
り圧力値が異なることはないが、一方の真空計から他方
の真空計への切り替えに伴い、両者の真空計の出力信号
が異なるため飛び越しが無視できないという欠点があ
る。
【0008】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたもので、シリコンダイアフラム型真空圧力センサ装
置内に異なる測定圧力領域の2個のシリコンダイアフラ
ム型真空圧力センサを備えて、切り替え範囲で生じる飛
び越しを無くすことにより、0.01Paから13.3
KPaの圧力領域を連続測定可能なシリコンダイアフラ
ム型真空圧力センサを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
0.01Paから133Paまでの圧力領域を測定する
第1のシリコンダイアフラム型真空圧力センサと、1.
33Paから13.3KPaまでの圧力領域を測定する
第2のシリコンダイアフラム型真空圧力センサ装置と、
第1のシリコンダイアフラム型真空圧力センサからの第
1出力信号値および第2のシリコンダイアフラム型真空
圧力センサからの第2出力信号値が入力され、その両方
の出力信号値から共通出力値を形成する計算手段と、前
記第1出力信号値、前記第2出力信号値、前記共通出力
値のうちいずれか一つを選択する選択手段と、を備えた
ことを特徴とし、気体の種類に依存しない正確な圧力測
定が0.01Paから13.3KPaまでの広範囲にお
いて可能となる。また金属隔膜型真空計に比べて、複数
の真空圧力センサを組合せたときに小型になる。
【0010】請求項2記載の発明は、シリコンダイアフ
ラム型真空圧力センサ装置を用いて圧力を測定する方法
であって、測定圧力範囲を約1.33Paから約133
Paまでとし、その圧力範囲において、前記第1出力信
号値をU、前記第2出力信号値をU、1.33Pa
以上133Pa以下の圧力領域に存在する2つの任意の
値をc、c(c<c)として、下記の式(1)
で表される共通出力値Uを形成し、そのU、U
のうちいずれか一つを選択し出力することを特徴と
し、飛び越しのない連続した正確な圧力測定が可能とな
る。 ・・・・・・(1)
【0011】
【発明の実施の態様】シリコンダイアフラム型真空圧力
センサを採用した理由を説明する。図1に1個のシリコ
ンダイアフラム型真空圧力センサ1の断面図を示す。シ
リコンダイアフラム型真空圧力センサ1は、圧力導入ポ
ート2を有する基板3と、基板3上に接合され薄肉のダ
イアフラム部4を有するシリコン基板5と、シリコン基
板5上に接合されたパイレックスガラスからなるケース
6と、シリコン基板5とケース6との間に設けられ密閉
された空間7と、空間7内でケース6に接合された固定
電極8と、空間7内でダイアフラム部4に接合された可
動電極9と、固定電極8に接続された電線10から構成
されている。基板3とシリコン基板5との間には空間1
1が設けられている。電線10からは静電容量の変動値
が電圧に変換され出力信号値として取り出される。
【0012】圧力導入ポート2から入った測定媒体(真
空圧力)によりダイアフラム部4が変位し、可動電極9
と固定電極8の間に生じる静電容量値を測定し、電圧値
に変換する。このように圧力をダイアフラムの変位とし
て検出するため、気体の種類に依存しない正確な圧力測
定が可能である。また金属隔膜型真空計に比べて、複数
の真空圧力センサを組合せたときに小型になる長所があ
る。
【0013】0.01Pa(パスカル)から133Pa
(パスカル)の領域を測定する第1のシリコンダイアフ
ラム型真空圧力センサと1.33Pa(パスパル)から
13.3KPa(キロパスカル)の領域を測定する第2
のシリコンダイアフラム型真空圧力センサを組合わせて
用いた理由を説明する。シリコンダイアフラム型真空計
は圧力の変化をダイアフラムの変位として検出するた
め、検出用電子回路の制限により測定範囲は約4桁と制
限されてしまう。そこで0.01Paから13.3KP
aを測定するために0.01Paから133Paまでの
4桁を測定範囲とする第1のシリコンダイアフラム型真
空圧力センサと、1.33Paから13.3KPaの4
桁を測定範囲とする第2のシリコンダイアフラム型真空
圧力センサを組合わせて採用した。
【0014】第1と第2のシリコンダイアフラム型真空
圧力センサを組合せる領域を約1.33Paから約13
3Paと限定した理由を説明する。表1に第1、第2の
シリコンダイアフラム型真空圧力センサにおける、各圧
力近傍で生じる測定誤差を示す。組合せる領域の下限は
第2のシリコンダイアフラム型真空圧力センサの測定限
界である約1.33Paにより一意的に決まる。上限に
関しては約13.3Pa近傍でも組合せが可能である
が、第2のシリコンダイアフラム型真空圧力センサの測
定誤差が10%と大きくなり正確な圧力測定が不可能に
なる。約13.3Paより1桁大きい約133Pa近傍
では第2のシリコンダイアフラム型真空圧力センサの測
定誤差が1%となり、正確な圧力測定が可能になる。そ
のため約133Paに上限を設定した。
【0015】式(1)により、共通信号Uが形成され
る理由を説明する。図2に圧力と出力信号U、U
の関係を示す。(UーU)、(U−c)、
(b−c)および(c−c)において、式(2)
に示す比が成り立ち、式(3)のように変形できる。 ・・・・・・(2) ・・・・・・(3) 第1のセンサ出力と第2のセンサ出力はほぼ平行である
ので、式(4)が成り立つ。 ・・・・・・(4) さらに式(3)に式(4)を代入して変形すると式
(5)となる。 ・・・・・・(5) 従って共通信号Uは式(5)により形成できる。この
式(5)は式(1)と一致している。
【0016】
【発明の実施例】図3は本発明にかかるシリコンダイア
フラム型真空圧力センサ装置12の構成図である。0.
01Pa(パスカル)から133Pa(パスカル)の圧
力領域を測定する第1のシリコンダイアフラム型真空圧
力センサ13、1.33Pa(パスカル)から13.3
KPa(キロパスカル)の圧力領域を測定する第2のシ
リコンダイアフラム型真空圧力センサ14、共通出力値
Ucを計算するCPU(コンピュータ中央演算処理装置)
を有する計算ユニット(計算手段)15、および第1の
センサからの出力値U、第2のセンサからの出力値U
、共通出力値Uのいずれか一つを選択し出力する選
択出力ユニット(選択手段)16から構成されている。
計算ユニット15には第1のセンサからの出力値U
第2のセンサからの出力値Uとが入力され、内部でそ
のU値とU値とに基づいて1.33Paから133
Paの領域に存在する出力信号値cから出力信号値c
の切り替え範囲で共通出力値Uを計算する。
【0017】図4は第1のセンサの圧力Pとセンサ出力
電圧Uの関係であり、圧力Pが0.01Paから13
3Paまで変化すると、センサ出力電圧Uは1V(ボ
ルト)から5Vまで変化する。図5は第2のセンサの圧
力Pとセンサ出力電圧Uの関係であり、圧力Pが1.
33Paから13.3KPaまで変化すると、センサ出
力電圧Uは3Vから7Vまで変化する。図4、図5に
おける圧力Pとセンサ出力U(i=A、B、C)の関
係は表2により下記の式(6)で表される。 ・・・・・・(6) 選択ユニット14において、第1のセンサの出力U
第2のセンサの出力U 、共通出力Uを選択する判断
は、第1のセンサ出力Uを使用し、以下のように選択
し出力する。 のときは第1のセンサ出力Uを選択し出力する。 のときは共通出力Uを選択し出力する。 のときは第2のセンサ出力Uを選択し出力する。
【0018】このときの真空圧力センサ全体の出力Uを
図6に示す。第1のセンサの出力U が1ボルトから ボルトであるときは、真空圧力センサの出力UはU
なり、第1のセンサの出力Uボルトから ボルトであるときは、真空圧力センサの出力Uは第1の
センサの出力Uと第2のセンサの出力Uから形成さ
れる共通出力Uとなり、第1のセンサの出力U ボルトから7ボルトであるときは、真空圧力センサの出
力Uは第2のセンサの出力Uとなる。
【0019】実際にシリコンダイアフラム型真空圧力セ
ンサを組込み、cボルト、cボルトとした場合の出力例を図7に示す。図7に示すよ
うに0.01Paから13.3KPaの圧力範囲におい
て、飛び越しのない連続した測定が可能である。
【0020】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、0.01Pa
から13.3KPaまでの広範囲において気体の種類に
依存しない正確な圧力測定が可能となる小型のシリコン
ダイアフラム型真空圧力センサ装置を提供できる。ま
た、請求項2の発明によれば、約1.33Paから約1
33Paまでの測定圧力範囲において、飛び越しのない
連続した正確な圧力測定が可能となる。
【表1】シリコンダイアフラム型真空圧力センサの測定
誤差を示す表である。
【表2】図4、図5における圧力Pとセンサ出力U
(i=A、B、C)の関係を示す表である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる1個のシリコンダイアフラム型
真空圧力センサの断面図である。
【図2】圧力と出力信号U、U、Uの関係図
【図3】本発明にかかるシリコンダイアフラム型真空圧
力センサ装置の構成図である。
【図4】第1のシリコンダイアフラム型真空圧力センサ
の圧力と出力電圧信号の関係図である。
【図5】第2のシリコンダイアフラム型真空圧力センサ
の圧力と出力電圧信号の関係図である。
【図6】本発明にかかるシリコンダイアフラム型真空圧
力センサ装置で、0.01Paから13.3KPaまで
の圧力領域の測定特性図である。
【図7】実際にシリコンダイア布ラム型真空圧力センサ
を組込んだ場合の出力例を示した図
【符号の説明】
1 1個のシリコンダイアフラム型真空圧力センサ 4 シリコンダイアフラム部 5 シリコン基板 6 ケース 12 シリコンダイアフラム型真空圧力センサ装置 13 第1のシリコンダイアフラム型真空圧力センサ 14 第2のシリコンダイアフラム型真空圧力センサ 15 計算ユニット(計算手段) 16 選択出力ユニット(選択手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠原 健大 神奈川県横浜市港北区新羽町1189番地 帝 人製機株式会社横浜開発センター内 (72)発明者 小林 盛男 神奈川県横浜市港北区新羽町1189番地 帝 人製機株式会社横浜開発センター内 (72)発明者 松岡 敏美 千葉県八千代市大和田新田495番地 大亜 真空株式会社内 (72)発明者 田中 昭久 千葉県八千代市大和田新田495番地 大亜 真空株式会社内 Fターム(参考) 2F055 AA40 BB08 CC02 DD05 EE25 FF07 FF11 GG36

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.01Paから133Paまでの圧力
    領域を測定する第1のシリコンダイアフラム型真空圧力
    センサと、1.33Paから13.3KPaまでの圧力
    領域を測定する第2のシリコンダイアフラム型真空圧力
    センサと、第1のシリコンダイアフラム型真空圧力セン
    サからの第1出力信号値および第2のシリコンダイアフ
    ラム型真空圧力センサからの第2出力信号値が入力さ
    れ、その両方の出力信号値から共通出力値を形成する計
    算手段と、前記第1出力信号値、前記第2出力信号値、
    前記共通出力値のうちいずれか一つを選択する選択手段
    と、を備えたことを特徴とするシリコンダイアフラム型
    真空圧力センサ装置。
  2. 【請求項2】 前記シリコンダイアフラム型真空圧力セ
    ンサ装置を用いて圧力を測定する方法であって、測定圧
    力範囲を約1.33Paから約133Paまでとし、そ
    の圧力範囲において、前記第1出力信号値をU、前記
    第2出力信号値をU、約1.33Pa以上約133P
    a以下の圧力領域に存在する2つの任意の値をc、c
    (c<c)として、 で表される共通出力値Uを形成し、そのU、U
    のうちいずれか一つを選択し出力することを特徴と
    する請求項1記載のシリコンダイアフラム型真空圧力セ
    ンサ装置を用いて圧力を測定する方法。
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