以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る電子部品ユニット用基板を集合させた基板集合体の概略構成を表す斜視図である。図2、図4、図6は、実施形態に係る電子部品ユニット用基板の概略構成を表す斜視図である。図3、図7は、実施形態に係る電子部品ユニット用基板の概略構成を表す模式的な断面図である。図5は、実施形態に係る電子部品ユニット用基板の概略構成を表す模式的な側面図である。
図1、図2、図3に示す本実施形態に係る電子部品ユニット用基板30は、用途に応じて屈曲の有無を選択可能な構成とすることで汎用性の向上を図ったものであり、種々の電子部品ユニット1(図8等参照)、電子部品ユニット201(図14等参照)に適用可能なものである。
なお、図1の例では、電子部品ユニット用基板30は、複数、ここでは8つがキャリア301、302、303によって、屈曲されていない板状の状態で連結され一体化されることで基板集合体300を構成する。基板集合体300は、全体として長方形板状をなし、各電子部品ユニット用基板30とキャリア301、302、303との連結部分が切断され、各電子部品ユニット用基板30が小片に切り分けられて使用される。
具体的には、電子部品ユニット用基板30は、種々の電子部品2(図9等参照)が実装され、これらを電気的に接続する電子回路を構成するものであり、いわゆるプリント回路基板(Printed Circuit Board)である。電子部品ユニット用基板30は、例えば、図3等に示すように、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂やセラミック等の絶縁性の材料からなる絶縁層30aに銅等の導電性の材料によって配線パターン(プリントパターン)30bが印刷されている。電子部品ユニット用基板30は、図3に示すように、配線パターン30bが印刷された絶縁層30aを複数枚積層させ多層化されたもの(すなわち、多層基板)であってもよい。
本実施形態の電子部品ユニット用基板30は、後述する種々の電子部品2(図9等参照)が実装される複数の実装部としての複数のリジッド部31、及び、複数のリジッド部31を接続する切削対象部35を有し、複数のリジッド部31と切削対象部35とが一体化されたものである。
本実施形態の複数のリジッド部31は、1つの電子部品ユニット用基板30につき2つを含んで構成される。各リジッド部31は、電子部品2のリード線や後述の端子4(図9参照)等が配線パターン30bにハンダ付け等によって電気的に接続される。リジッド部31は、例えば、所定の箇所に端子4等が挿入されるスルーホール33b等が形成される。各リジッド部31は、ともに長方形板状に形成され、ほぼ同等の形状、大きさに形成される。
一方、切削対象部35は、複数のリジッド部31のうち隣接するリジッド部31の間に設けられ、これらを相互に接続する。本実施形態の電子部品ユニット用基板30は、隣接するリジッド部31同士が互いの一方の長辺が対向する位置関係で長辺と直交する方向に間隔をあけて並んで位置すると共に、長辺と直交する方向に対して隣接するリジッド部31の間に切削対象部35が介在する。つまり、切削対象部35は、一方のリジッド部31の一方の長辺と他方のリジッド部31の一方の長辺とを、長辺と直交する方向に沿って接続する。切削対象部35は、複数のリジッド部31が並ぶ方向(図1に示すL1方向)と交差する交差方向(図1に示すL2方向)に沿って直線状に形成される。本実施形態の切削対象部35は、当該交差方向の長さが、複数のリジッド部31の交差方向に沿った長さより短く形成される。この切削対象部35は、電子部品ユニット用基板30がいずれの態様で使用された場合であっても電子部品2(図9等参照)や端子4(図9参照)等が実装されない部分として形成される。
そして、本実施形態の切削対象部35は、図4、図5、図6、図7に示すように、厚み方向に対して一部が切削され除去されることでリジッド部31より可撓性があり複数のリジッド部31を電気的に接続する屈曲部としてのフレキシブル部32を形成可能である。
より詳細には、切削対象部35は、図4、図5に示すように、各リジッド部31との接続境界に沿って切削され切削溝(切削痕)36が形成される。切削溝36は、切削対象部35の各長辺に沿って合計2つが形成される。各切削溝36は、切削対象部35の厚み方向には貫通していない。そして、切削対象部35は、図6、図7に示すように、厚み方向に対して一部が除去される。この場合、切削対象部35は、少なくとも1層分の配線パターン30bを残して他の部分が除去されてフレキシブル部32が形成される。つまり、電子部品ユニット用基板30は、図4、図5、図6、図7に示すように、切削対象部35の絶縁層30aの一部を厚み方向に切削して除去し厚みを薄くすることによってリジッド部31より可撓性を有するフレキシブル部32が形成される。
切削対象部35の一部を厚み方向に切削し除去することで形成されるフレキシブル部32は、複数のリジッド部31のうち隣接するリジッド部31の間に設けられ、これらを相互に電気的に接続する。フレキシブル部32は、銅等の導電性の材料によって構成される配線パターン30bを介して複数のリジッド部31を電気的に接続する。そして、フレキシブル部32は、上述したように可撓性を有しており、長辺方向に沿った屈曲軸周りに一方のリジッド部31と他方のリジッド部31とが折り重ねられる方向に屈曲可能である。
上記のように構成される電子部品ユニット用基板30は、切削対象部35の所定の部分の切削、除去の有無に応じて、板状使用状態と、屈曲使用状態とのいずれか一方の状態で使用可能である。板状使用状態とは、図2、図3に示すように、切削対象部35が切削されておらず板状をなす状態である。一方、屈曲使用状態とは、図6、図7に示すように、切削対象部35の厚み方向に対して一部が切削され除去されフレキシブル部32が屈曲する状態である。以下の説明では、便宜的に、板状使用状態の電子部品ユニット用基板30を「切削前基板203」といい、屈曲使用状態の電子部品ユニット用基板30を「切削後基板3」という場合がある。切削前基板203は、いわゆるリジッドプリント回路基板(Rigid Printed Circuit Board)を構成し、切削後基板3は、いわゆるリジッドフレキシブルプリント回路基板(Rigid Flexible Printed Circuit Board)を構成する。以下、図8、図9、図10、図11、図12、図13を参照して切削後基板3を搭載することで低背化搭載を図った電子部品ユニット1を説明し、図14を参照して切削前基板203を搭載することで、薄型搭載を図った電子部品ユニット201を説明する。
図8は、実施形態に係る切削後基板が適用された電子部品ユニットの概略構成を表す斜視図である。図9、図10、図11は、実施形態に係る切削後基板が適用された電子部品ユニットの概略構成を表す分解斜視図である。図12は、実施形態に係る切削後基板が適用された電子部品ユニットのカバーを外した状態を表す分解斜視図である。図13は、図8に示すA−A断面図(短辺方向に沿った断面図)である。なお、わかり易くするために、図8、図9、図10は、電線を二点鎖線で図示し、図11、図12、図13は、電線の図示を省略している。また、後述する電源入力用コネクタ、電源出力用コネクタ、制御信号用コネクタは、簡略化のため、端子挿入孔等の一部の要素の図示を省略している。
図8、図9、図10、図11、図12、図13に示す本実施形態に係る電子部品ユニット1は、自動車等の車両に搭載される電気接続箱100(図8参照)に対して脱着可能に組み付けられる電子部品モジュールを構成するものである。ここで、電気接続箱100は、自動車等の車両に搭載され、ワイヤハーネスWHに組み込まれ、電線等の接続処理用部品を構成するコネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット等の電装品を集約して内部に収容するものである。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の電線Wを一度に各装置に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、複数の電線Wと、当該電線Wと電気的に接続される電子部品ユニット1を含む電気接続箱100とを備える。電線Wは、例えば、複数の導電性の金属素線を撚り合わせた導体部(芯線)と、当該導体部の外側を覆う絶縁性の被覆部とを含んで構成される。ワイヤハーネスWHは、複数の電線Wを束ねて集約すると共に、束ねられた電線Wの端部に接続部としてのコネクタ6等を介して電気接続箱100が電気的に接続される。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、固定具等を含んで構成されてもよい。電気接続箱100は、例えば、車両のエンジンコンパートメント(エンジンルーム)や車両室内に設置され、バッテリ等の電源と、車両内に搭載される各種電子機器との間に接続され、電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する。電気接続箱100は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。電気接続箱100の内部に組み込まれる本実施形態の電子部品ユニット1は、車両に搭載されるバッテリ等の電源と、車両に搭載される各種の電子機器との間に接続され、当該各種の電子機器に対して電源分配するいわゆるパワーインテグレーションを構成する。
以下、電子部品ユニット1の各構成について具体的に説明する。なお、以下の説明で用いる各方向は、特に断りの無い限り、ワイヤハーネスWHが車両に搭載された状態での方向として説明する。またここでは、以下の説明を分かり易くするために、便宜的に互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「高さ方向」といい、第2方向を「短辺方向」といい、第3方向を「長辺方向」という。第1方向としての高さ方向と第2方向としての短辺方向と第3方向としての長辺方向とは、相互に直交する。
本実施形態の電子部品ユニット1は、電子部品2と、切削後基板3と、端子4と、筐体5とを備える。
電子部品2は、切削後基板3に実装されるものであり、ここでは、種々の機能を発揮する素子である。電子部品2は、例えば、コンデンサ、リレー、抵抗、トランジスタ、IPS(Intelligent Power Switch)、マイコンを含む電子制御ユニット等である。ここでは、電子部品2は、例えば、電力消費に伴い発熱する発熱部品21と、発熱部品21より熱に対する耐久性が低い熱脆弱部品22とを含んで構成される。発熱部品21は、典型的には、熱脆弱部品22より発熱しやすく熱脆弱部品22より熱に対する耐久性が高い電子部品2であり、例えば、電源分配にかかわるリレー、トランジスタ、IPS等の電源分配系の電子部品2である。熱脆弱部品22は、典型的には、発熱部品21より発熱しにくく発熱部品21より熱に対する耐久性が低い電子部品2であり、例えば、制御にかかわるマイコン等の制御系の電子部品2である。なお、以下の説明では、発熱部品21、熱脆弱部品22を特に区別して説明する必要がない場合には、単に電子部品2という。
切削後基板3は、電子部品2が実装される複数の実装部としての複数のリジッド部31、及び、リジッド部31より可撓性があり複数のリジッド部31を電気的に接続する屈曲部としてのフレキシブル部32を有し、複数のリジッド部31とフレキシブル部32とが一体化されたものである。本実施形態の切削後基板3は、上述したように、屈曲使用状態の電子部品ユニット用基板30によって構成される。各リジッド部31は、フレキシブル部32より屈曲しにくい程度に高い剛性を有している。一方、フレキシブル部32は、リジッド部31より屈曲しやすい程度に高い可撓性を有している。
より詳細には、本実施形態の複数のリジッド部31は、2つのうちの一方が第1実装部としての電源系リジッド部33を構成し、他方が第2実装部としての制御系リジッド部34を構成する。つまり、本実施形態の複数のリジッド部31は、第1実装部としての電源系リジッド部33と、第2実装部としての制御系リジッド部34の2つを含んで構成される。ここでは、電源系リジッド部33、制御系リジッド部34は、ともに表裏両側の主面が電子部品2を実装するための実装面33a、34aを構成するがこれに限らない。そして、電源系リジッド部33は、各実装面33aに、主としてリレー、トランジスタ、IPS等の電源分配系の電子部品2である発熱部品21が実装される。一方、制御系リジッド部34は、各実装面34aに、主としてマイコン等の制御系の電子部品2である熱脆弱部品22が実装される。発熱部品21、熱脆弱部品22は、それぞれ各実装面33a、34aに対してハンダ付け等によって固定され、各実装面33a、34aの配線パターン30bと電気的に接続される。なお、以下の説明では、電源系リジッド部33、制御系リジッド部34を特に区別して説明する必要がない場合には、単にリジッド部31という。
そして、本実施形態のフレキシブル部32は、複数のリジッド部31として、電源系リジッド部33と制御系リジッド部34とを電気的に接続する。本実施形態の切削後基板3は、電源系リジッド部33と制御系リジッド部34とが互いの一方の長辺が対向する位置関係で長辺と直交する方向に間隔をあけて並んで位置すると共に、長辺と直交する方向に対する電源系リジッド部33と制御系リジッド部34との間にフレキシブル部32が介在する。つまり、フレキシブル部32は、電源系リジッド部33の一方の長辺と制御系リジッド部34の一方の長辺とを、長辺と直交する方向に沿って接続する。フレキシブル部32は、長辺方向に沿って延在し、ここでは、電源系リジッド部33、制御系リジッド部34の長辺よりもやや短く形成される。そして、フレキシブル部32は、上述したように可撓性を有しており、長辺方向に沿った屈曲軸周りに電源系リジッド部33と制御系リジッド部34とが折り重ねられる方向に屈曲可能である。切削後基板3は、後述するように、フレキシブル部32が屈曲する状態、より詳細には、電源系リジッド部33と制御系リジッド部34とがほぼ垂直となるようにフレキシブル部32が折り曲げられた状態で筐体5内に収容される。
端子4は、複数のリジッド部31の1つから直線状に立設され電線Wとの接続部であるコネクタ6と切削後基板3とを電気的に接続するものである。端子4は、複数設けられる。各端子4は、導電性の金属材料によって構成される。各端子4は、外形寸法が異なったり、端部が二又や三又に分かれたりするものが含まれるが、基本的には直線棒状に形成される。ここでは、複数の端子4は、後述するコネクタ6として電源入力用コネクタ61と電気的に接続される端子41と、コネクタ6として電源出力用コネクタ62と電気的に接続される端子42と、コネクタ6として制御信号用コネクタ63と電気的に接続される端子43とを含んで構成される。端子41は、端部が三又に分かれたものが1つ設けられる。端子42は、端部が二又に分かれたものが長辺方向に並んで2つ設けられる。端子43は、端部が分かれていないものが長辺方向、及び、短辺方向に並んで19個設けられる。なお、以下の説明では、端子41、42、43を特に区別して説明する必要がない場合には、単に端子4という。
本実施形態の各端子4は、複数のリジッド部31のうち、電源系リジッド部33だけに立設される。各端子4は、電源系リジッド部33の一方の実装面33aに対してほぼ垂直に直線状に立設される。つまり、各端子4は、切削後基板3が後述する筐体5に収容された状態で短辺方向、及び、長辺方向に直交する高さ方向に沿って実装面33aから突出し延在する。各端子4は、それぞれ実装面33aにおいて配線パターン30bが形成された部分に設けられたスルーホール33b(図9、図10、図11等参照)に、実装面33aの一方側から端部が挿入され、当該実装面33aに対してハンダ付け等によって固定され、実装面33aの配線パターン30bと電気的に接続される。また、各端子4は、切削後基板3が後述する筐体5に収容された状態で他方の端部が後述するコネクタ嵌合部51h、51i、51j内に露出し、当該コネクタ嵌合部51h、51i、51jに嵌合されるコネクタ6と電気的に接続される。
筐体5は、電子部品ユニット用基板30を屈曲使用状態で収容するものである。つまり、筐体5は、切削後基板3を収容する。ここでは、筐体5は、フレキシブル部32が端子4側に屈曲した状態で切削後基板3を収容する。本実施形態の筐体5は、切削後基板3、端子4や電線Wとの接続部を構成するコネクタ6が組み付けられる本体部としてのコネクタブロック51と、コネクタブロック51に組み付けられた切削後基板3、端子4等を覆う蓋部材としてのカバー52とを有する。コネクタブロック51、カバー52は、ともに絶縁性の合成樹脂によって形成される。筐体5は、コネクタブロック51とカバー52とによって区画された内部に切削後基板3が組み付けられ、当該切削後基板3を収容する。
コネクタブロック51は、底部51aと、側壁部51b、51cと、支柱部51d、51e、51f、51gと、接続部嵌合部としてのコネクタ嵌合部51h、51i、51jと、ブラケット部51k、51lとを有し、これらが一体で形成される。
底部51aは、短辺方向に沿った辺が短辺、長辺方向に沿った辺が長辺となる長方形板状に形成される底体である。底部51aは、電源系リジッド部33よりやや大きい長方形板状に形成される。底部51aは、肉抜き孔等が形成されている。
側壁部51b、51cは、底部51aの短辺から高さ方向に沿って垂直に立設される壁体である。側壁部51b、51cは、長方形板状に形成され、底部51aの短辺の短辺方向の一方の端部から他方の端部まで延在する。側壁部51bと側壁部51cとは、長辺方向に沿って対向する。
支柱部51d、51e、51f、51gは、底部51aの4隅からそれぞれ1つずつ高さ方向に沿って垂直に立設される柱状体である。支柱部51d、51e、51f、51gは、それぞれ相互に形状が若干異なっているが、高さ方向に沿って突出するように形成される。ここでは、支柱部51dと支柱部51eとは、それぞれ側壁部51bの短辺方向の両端部から高さ方向に沿って突出するように形成される。支柱部51dと支柱部51eとは、短辺方向に沿って対向する。支柱部51fと支柱部51gとは、それぞれ側壁部51cの短辺方向の両端部から高さ方向に沿って突出するように形成される。支柱部51fと支柱部51gとは、短辺方向に沿って対向する。また、支柱部51dと支柱部51fとは、底部51aの同じ側の長辺に形成されており、長辺方向に沿って対向する。支柱部51eと支柱部51gとは、底部51aの支柱部51d、51fとは反対側の長辺に形成されており、長辺方向に沿って対向する。
コネクタ嵌合部51h、51i、51jは、電線Wとの接続部であるコネクタ6が嵌合する部分である。ここでは、コネクタ6は、電線Wを介して電源を入力するための電源入力用コネクタ61と、電線Wを介して電源を出力するための電源出力用コネクタ62と、電線Wを介して制御信号を授受するための制御信号用コネクタ63とを含んで構成される。コネクタ嵌合部51hは、電源入力用コネクタ61が嵌合するものであり、コネクタ嵌合部51iは、電源出力用コネクタ62が嵌合するものであり、コネクタ嵌合部51jは、制御信号用コネクタ63が嵌合するものである。ここでは、電源入力用コネクタ61、電源出力用コネクタ62、制御信号用コネクタ63は、例えば、いわゆる垂直コネクタを用いる。
コネクタ嵌合部51h、51i、51jは、筐体5内に切削後基板3が収容された状態で複数のリジッド部31のうち端子4が立設される電源系リジッド部33と高さ方向に沿って対向する位置に形成される。より詳細には、コネクタ嵌合部51hは、筐体5内に切削後基板3が収容された状態で電源系リジッド部33において端子41が立設される領域と高さ方向に沿って対向する位置に形成される。コネクタ嵌合部51iは、筐体5内に切削後基板3が収容された状態で電源系リジッド部33において端子42が立設される領域と高さ方向に沿って対向する位置に形成される。コネクタ嵌合部51jは、筐体5内に切削後基板3が収容された状態で電源系リジッド部33において端子43が立設される領域と高さ方向に沿って対向する位置に形成される。ここでは、コネクタ嵌合部51h、51i、51jは、底部51aに形成される突出部壁状部51mに形成される。突出部壁状部51mは、底部51aから高さ方向に沿って側壁部51b、51c、支柱部51d、51e、51f、51gの突出側と同じ側に突出する壁体である。突出部壁状部51mは、略直方体中空状に形成され、底部51aの支柱部51e、51g側の長辺の縁部に、長辺方向に沿って延在する。コネクタ嵌合部51h、51i、51jは、この突出部壁状部51mの突出側とは反対側の中空状の部分に凹部として形成される。コネクタ嵌合部51hは、電源入力用コネクタ61が嵌合可能な形状、大きさの凹部として形成される。コネクタ嵌合部51iは、電源出力用コネクタ62が嵌合可能な形状、大きさの凹部として形成される。コネクタ嵌合部51jは、制御信号用コネクタ63が嵌合可能な形状、大きさの凹部として形成される。また、突出部壁状部51mは、高さ方向の先端面、すなわち、筐体5内に切削後基板3が収容された状態で電源系リジッド部33と高さ方向に沿って対向する面に端子挿入孔(キャビティともいう。)51ma(図13参照)が形成されている。上述の各端子4は、筐体5内に切削後基板3が収容された状態で、一方の端部が当該端子挿入孔51maを貫通してコネクタ嵌合部51h、51i、51j内に露出する。ここでは、端子41は、突出部壁状部51mの端子挿入孔51maを介してコネクタ嵌合部51h内に露出する。端子42は、突出部壁状部51mの端子挿入孔51maを介してコネクタ嵌合部51i内に露出する。端子43は、突出部壁状部51mの端子挿入孔51maを介してコネクタ嵌合部51j内に露出する。電源入力用コネクタ61は、コネクタ嵌合部51hに嵌合することでコネクタ嵌合部51h内に露出した端子41と電気的に接続される。電源出力用コネクタ62は、コネクタ嵌合部51iに嵌合することでコネクタ嵌合部51i内に露出した端子42と電気的に接続される。制御信号用コネクタ63は、コネクタ嵌合部51jに嵌合することでコネクタ嵌合部51j内に露出した端子43と電気的に接続される。なお、以下の説明では、電源入力用コネクタ61、電源出力用コネクタ62、制御信号用コネクタ63を特に区別して説明する必要がない場合には、単にコネクタ6という。
ブラケット部51k、51lは、筐体5を車両の車体等に固定するためのものである。ブラケット部51k、51lは、底部51aの支柱部51e、51g側の長辺、すなわち、突出部壁状部51mが設けられる側の長辺から外側に向けて板状に突出し先端部が円弧状に形成されると共に締結孔51n、51oが形成される。ここでは、ブラケット部51kは、支柱部51e側の端に形成され、ブラケット部51lは、支柱部51g側の端に形成される。締結孔51n、51oは、高さ方向に貫通している。筐体5は、当該締結孔51n、51oにボルト等の締結部材が挿入され車体側の固定部に締結されることで、当該ブラケット部51k、51lが車体側の固定部に固定される。
上記のように構成されるコネクタブロック51は、突出部壁状部51mの先端面に形成された端子挿入孔51ma(図13参照)に各端子4の一端部が挿入、保持されコネクタ嵌合部51h、51i、51j内に露出した状態で、各端子4の他端部が電源系リジッド部33のスルーホール33b(図9、図10、図11等参照)に挿入されハンダ付けされる。この状態で、切削後基板3は、電源系リジッド部33が突出部壁状部51mと高さ方向に沿って対向し当該電源系リジッド部33の長辺が長辺方向に沿い短辺が短辺方向に沿うと共に、フレキシブル部32が支柱部51d、51f側の長辺に沿うような位置関係で電源系リジッド部33がコネクタブロック51に組み付けられる。この場合、切削後基板3は、電源系リジッド部33のフレキシブル部32側とは反対側の一方の角部に形成された位置決め孔51pに支柱部51eの先端に形成された位置決め突起部51qが挿入されることで位置決めされる。そして、切削後基板3は、電源系リジッド部33のフレキシブル部32側の両角部に形成されたネジ孔51r、51sにネジ71、72が挿入され、当該ネジ71、72が支柱部51d、51fの先端に形成された締結孔51t、51uに締結されることで支柱部51d、51e、51f、51g上に固定される。そして、切削後基板3は、フレキシブル部32が端子4側に屈曲され、すなわち、電源系リジッド部33に対して制御系リジッド部34が支柱部51d、51f側に折り曲げられる。切削後基板3は、電源系リジッド部33と制御系リジッド部34とがほぼ垂直となるようにフレキシブル部32が折り曲げられ、制御系リジッド部34の長辺が長辺方向に沿い短辺が高さ方向に沿うような位置関係で制御系リジッド部34がコネクタブロック51に組み付けられる。つまり、切削後基板3は、フレキシブル部32が屈曲することで、短辺方向に沿った断面視(図13参照)にて全体として略L字型に構成される。この場合、切削後基板3は、制御系リジッド部34のフレキシブル部32側とは反対側の両角部に形成されたネジ孔51v、51wにネジ73、74が挿入され、当該ネジ73、74が支柱部51d、51fの基端部(言い換えれば、側壁部51b、51cの側面側の基端部)に形成された締結孔51x、51yに締結されることで支柱部51d、51fの側方に固定される。このようにして、切削後基板3は、電源系リジッド部33と制御系リジッド部34とがほぼ垂直となるようにフレキシブル部32が折り曲げられた状態でコネクタブロック51に組み付けられる。この状態で、切削後基板3は、電源系リジッド部33が高さ方向と直交する方向に沿い、制御系リジッド部34が短辺方向と直交する方向に沿うと共に、電源系リジッド部33が突出部壁状部51mと高さ方向に沿って対向し、制御系リジッド部34が支柱部51d、51fの短辺方向の外側側方に位置する位置関係となる。
カバー52は、コネクタブロック51に組み付けられた切削後基板3等をコネクタブロック51とは反対側から覆うものである。カバー52は、略ロの字型に形成された壁体としての矩形枠状部52aと、当該矩形枠状部52aの一方の開口を閉塞する天井部52bとを含んで構成される。天井部52bは、短辺方向に沿った辺が短辺、長辺方向に沿った辺が長辺となる長方形板状に形成される天井体である。天井部52bは、底部51aよりやや大きい長方形板状に形成される。矩形枠状部52aは、天井部52bの縁部に立設されるようにして形成される。矩形枠状部52aは、天井部52bの長辺方向に沿った一対の長辺側壁面52c、52dと、天井部52bの短辺方向に沿った一対の短辺側壁面52e、52fとを含んで形成される。カバー52は、当該矩形枠状部52a、及び、天井部52bによって一端が開口し他端が閉塞した矩形筒状に形成される。カバー52は、コネクタブロック51に組み付けられた切削後基板3等をコネクタブロック51とは反対側から覆うような位置関係で、コネクタブロック51に対して装着される。カバー52は、コネクタブロック51に装着された状態で、矩形枠状部52aを構成する長辺側壁面52c、52d、短辺側壁面52e、52fがコネクタブロック51の側壁部51b、51cや支柱部51d、51e、51f、51g、制御系リジッド部34の外側に位置する。カバー52は、コネクタブロック51に装着された状態で、種々の係止機構を介してコネクタブロック51に係止される。ここでは、カバー52は、カバー52側の短辺側壁面52e、52fに設けられた係止凹部52gと、コネクタブロック51側の側壁部51b、51cに設けられた爪部51zが係合することで、コネクタブロック51に係止され、当該コネクタブロック51に着脱可能に組み付けられる。
つまり、筐体5は、上記のように構成されることでフレキシブル部32が端子4側に屈曲した状態で切削後基板3を収容する。より詳細には、筐体5は、複数のリジッド部31がそれぞれ筐体5の内部空間部を形成する異なる壁面に沿って配置された状態で、コネクタブロック51とカバー52とによって区画される内部空間部側に切削後基板3を収容する(図13等参照)。ここでは、筐体5は、複数のリジッド部31のうち電源系リジッド部33がカバー52の天井部52bに沿って配置され、複数のリジッド部31のうち制御系リジッド部34がカバー52の長辺側壁面52cに沿って配置された状態で切削後基板3を内部空間部側に収容する。切削後基板3は、筐体5内に収容された状態で、電源系リジッド部33が高さ方向に沿って天井部52bと対向し、制御系リジッド部34が短辺方向に沿って長辺側壁面52cと対向する。
そして、本実施形態の各端子4は、複数のリジッド部31の1つ、ここでは電源系リジッド部33において外側に寄って位置して設けられることで、上記のように構成される筐体5内の空間の有効利用や省スペース化を図り、ユニットを小型化することができるレイアウトとしている。
具体的には、各端子4は、電源系リジッド部33においてフレキシブル部32とは反対側に寄って位置する(図9、図12、図13等参照)。すなわち、各端子4の一端部が挿入されるスルーホール33bは、電源系リジッド部33においてフレキシブル部32とは反対側に寄って位置する。ここで、電源系リジッド部33においてフレキシブル部32とは反対側に寄って位置するという場合、複数の端子4の大部分がフレキシブル部32とは反対側に位置している場合を含む。ここでは、複数の端子4、スルーホール33bは、典型的には、大部分が電源系リジッド部33の中央位置C(ここでは、短辺方向の中央位置(図12、図13等参照))よりフレキシブル部32とは反対側の端、すなわち、フレキシブル部32、制御系リジッド部34とは反対側の外端に寄って位置する。
そして、各端子4は、電源系リジッド部33においてフレキシブル部32とは反対側に寄って位置することで、筐体5内において切削後基板3との間に電子部品2を収容する収容空間部53を形成する(図9、図13等参照)。収容空間部53は、コネクタブロック51とカバー52とによって区画される筐体5の内部空間部において、短辺方向(電源系リジッド部33とフレキシブル部32とが並ぶ方向)に対して各端子4よりフレキシブル部32側で、筐体5の壁面、ここでは、天井部52b、長辺側壁面52c、短辺側壁面52e、52f等によって形成される。言い換えれば、この収容空間部53は、コネクタブロック51とカバー52とによって区画される筐体5の内部空間部において、コネクタ嵌合部51h、51i、51jを形成する壁体である突出部壁状部51mと天井部52b、長辺側壁面52c、短辺側壁面52e、52f等との間に区画される。ここでは、収容空間部53は、短辺方向に沿った断面視(図13参照)にて略L字型断面の空間部として形成される。リジッド部31に実装される電子部品2、ここでは、電源系リジッド部33に実装される発熱部品21、制御系リジッド部34に実装される熱脆弱部品22は、この収容空間部53内に収容される。
また、本実施形態の電子部品ユニット1は、コネクタ6とコネクタ嵌合部51h、51i、51jとの嵌合を解除する解除部としてのロック解除部61a、62a、63aが収容空間部53側に位置する(図9、図13等参照)。ここでは、ロック解除部61aは、電源入力用コネクタ61に設けられるアーム状の部材であり、電源入力用コネクタ61がコネクタ嵌合部51hに嵌合した状態で収容空間部53側に位置すると共に先端部がコネクタ嵌合部51hから露出する。ロック解除部61aは、指等でつままれることで撓み、電源入力用コネクタ61とコネクタ嵌合部51hとの嵌合状態を解除し、当該電源入力用コネクタ61をコネクタ嵌合部51hから抜き取り可能とする。ロック解除部62aは、電源出力用コネクタ62に設けられるアーム状の部材であり、電源出力用コネクタ62がコネクタ嵌合部51iに嵌合した状態で収容空間部53側に位置すると共に先端部がコネクタ嵌合部51iから露出する。ロック解除部62aは、指等でつままれることで撓み、電源出力用コネクタ62とコネクタ嵌合部51iとの嵌合状態を解除し、当該電源出力用コネクタ62をコネクタ嵌合部51iから抜き取り可能とする。ロック解除部63aは、制御信号用コネクタ63に設けられるアーム状の部材であり、制御信号用コネクタ63がコネクタ嵌合部51jに嵌合した状態で収容空間部53側に位置すると共に先端部がコネクタ嵌合部51jから露出する。ロック解除部63aは、指等でつままれることで撓み、制御信号用コネクタ63とコネクタ嵌合部51jとの嵌合状態を解除し、当該制御信号用コネクタ63をコネクタ嵌合部51jから抜き取り可能とする。言い換えれば、ロック解除部61a、62a、63aは、筐体5内に切削後基板3が収容された状態で、制御系リジッド部34側を向いて位置する。ここでは、ロック解除部61a、62a、63aは、制御系リジッド部34に実装され収容空間部53に位置する電子部品2である熱脆弱部品22と短辺方向に沿って対面する。
そして、上記のように構成される電子部品ユニット1、及び、この電子部品ユニット1が適用されたワイヤハーネスWHは、複数のリジッド部31がフレキシブル部32を介して接続されると共に当該フレキシブル部32が屈曲した状態で電子部品ユニット用基板30によって構成される切削後基板3を筐体5に収容することができるのでユニット全体を低背化することができる。そして、電子部品ユニット1、ワイヤハーネスWHは、電線Wとのコネクタ6と切削後基板3とを接続する端子4が複数のリジッド部31の1つから直線状に立設されると共に当該端子4がリジッド部31においてフレキシブル部32とは反対側に寄せられて位置することで、筐体5内の端子4と切削後基板3との間の空間を、リジッド部31に実装された電子部品2を収容するための収容空間部53として有効に利用することができるので、筐体5内の電子部品2を高密度化し省スペース化することができる。この結果、電子部品ユニット1、ワイヤハーネスWHは、小型化することができる。
また、電子部品ユニット1、ワイヤハーネスWHは、各端子4が複数のリジッド部31の1つから直線状に立設されることから、例えば、端子4がL字型に屈曲するような場合と比較して、可能な限り端子4を共用化することができ、必要とする端子4の形状種類の数を抑制することができる。また、電子部品ユニット1、ワイヤハーネスWHは、各端子4をリジッド部31に対して垂直にすることができるので、例えば、端子4がL字型に屈曲するような場合と比較して、全長を短くすることができ、コスト抑制や軽量化を図ることができる。これにより、電子部品ユニット1、ワイヤハーネスWHは、例えば、製造コストを抑制することができる。
図14は、実施形態に係る切削前基板が適用された電子部品ユニットの概略構成を表す分解斜視図である。ここでは、電子部品ユニット201について、電子部品ユニット1との相違点を中心に概略的に説明する。
図14に示す本実施形態に係る電子部品ユニット201も、電子部品ユニット1と同様に電気接続箱100(図8参照)に対して脱着可能に組み付けられる電子部品モジュールを構成するものである。
本実施形態の電子部品ユニット201は、電子部品202と、切削前基板203と、端子204と、筐体205とを備える。
電子部品202は、切削前基板203に実装されるものであり、ここでは、電子部品2と同様に、発熱部品221と、熱脆弱部品222とを含んで構成される。以下の説明では、発熱部品221、熱脆弱部品222を特に区別して説明する必要がない場合には、単に電子部品202という。
切削前基板203は、電子部品202が実装される複数の実装部としての複数のリジッド部31、及び、リジッド部31より可撓性があり複数のリジッド部31を電気的に接続する切削対象部35を有し、複数のリジッド部31と切削対象部35とが一体化されたものである。本実施形態の切削前基板203は、上述したように、板状使用状態の電子部品ユニット用基板30によって構成される。複数のリジッド部31は、上記と同様に、2つのうちの一方が第1実装部としての電源系リジッド部33を構成し、他方が第2実装部としての制御系リジッド部34を構成する。電源系リジッド部33は、各実装面33aに、発熱部品221が実装される。制御系リジッド部34は、各実装面34aに、熱脆弱部品222が実装される。切削対象部35は、各リジッド部31と同様に、フレキシブル部32より屈曲しにくい程度に高い剛性を有している。これにより、切削前基板203は、屈曲せずに、全体として長方形板状の形状が維持される。
端子204は、複数のリジッド部31の1つから略L字型状に立設され、ワイヤハーネスWHの電線Wとの接続部であるコネクタ206(ここでは2つ)と切削前基板203とを電気的に接続するものである。本実施形態の各端子204は、複数のリジッド部31のうち、電源系リジッド部33だけに接続される。各端子204は、切削前基板203が後述する筐体205に収容された状態で他方の端部が後述するコネクタ嵌合部251h、251i内に露出し、当該コネクタ嵌合部251h、251iに嵌合されるコネクタ206と電気的に接続される。
筐体205は、電子部品ユニット用基板30を板状使用状態で収容するものである。つまり、筐体205は、切削前基板203を収容する。ここでは、筐体205は、屈曲せずに全体として長方形板状の形状が維持されている切削前基板203を収容する。本実施形態の筐体205は、切削前基板203、端子204や電線Wとの接続部を構成するコネクタ206が組み付けられる本体部としてのコネクタブロック251と、コネクタブロック251に組み付けられた切削前基板203、端子204等を覆う蓋部材としてのカバー252とを有する。筐体205は、コネクタブロック251とカバー252とによって区画された内部に切削前基板203が組み付けられ、当該切削前基板203を収容する。上述のコネクタ嵌合部251h、251iは、コネクタブロック251に形成される。
そして、上記のように構成される電子部品ユニット201、及び、この電子部品ユニット201が適用されたワイヤハーネスWHは、電子部品ユニット用基板30によって構成される切削前基板203を屈曲せずに全体として長方形板状の形状が維持された状態で筐体205内に設けることができるので、例えば、ユニット全体を薄型化することができる。
以上で説明した電子部品ユニット用基板30によれば、電子部品2が実装される複数のリジッド部31と、複数のリジッド部31を接続すると共に厚み方向に対して一部が切削され除去されることでリジッド部31より可撓性があり複数のリジッド部31を電気的に接続するフレキシブル部32を形成可能である切削対象部35とを備える。
したがって、電子部品ユニット用基板30は、複数のリジッド部31を接続する切削対象部35が切削されておらず板状をなす板状使用状態と、切削対象部35の厚み方向に対して一部が切削されて複数のリジッド部31を電気的に接続するフレキシブル部32が形成され当該フレキシブル部32が屈曲する屈曲使用状態とのいずれか一方の状態で使用可能であり、切削の有無によって板状使用状態と屈曲使用状態とを選択することができる。この結果、電子部品ユニット用基板30は、汎用性を向上することができる。これにより、電子部品ユニット用基板30は、例えば、電子部品ユニット1や電子部品ユニット201等のような種々の電子部品ユニットにおいて当該電子部品ユニット用基板30を共用化し適用することができるので、製造コストを抑制することができる。
さらに、以上で説明した電子部品ユニット用基板30によれば、切削対象部35は、複数のリジッド部31が並ぶ方向と交差する交差方向に沿って直線状に形成され、当該交差方向に沿った長さが、複数のリジッド部31の交差方向に沿った長さより短い。したがって、電子部品ユニット用基板30は、切削対象部35の一部を切削して除去しフレキシブル部32を形成する場合に、切削、除去する部分の全長を相対的に短くすることができるので、この切削、除去作業の作業負荷を抑制することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る電子部品ユニット用基板、及び、電子部品ユニットは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、電子部品ユニット用基板30は、8つがキャリア301、302、303によって、板状の状態で連結され一体化されることで基板集合体300を構成するものとして説明したがこれに限らない。
以上の説明では、電子部品ユニット用基板30が適用される電子部品ユニット1、201は、いわゆるパワーインテグレーションであるものとして説明したがこれに限らない。
以上の説明では、複数のリジッド部31は、第1実装部としての電源系リジッド部33と、第2実装部としての制御系リジッド部34の2つを含んで構成されるものとして説明したがこれ限らず、3つ以上を含んで構成されてもよい。また、以上の説明では、切削後基板3、切削前基板203は、電力が入出力される端子4や発熱しやすい発熱部品21を電源系リジッド部33に設ける一方、熱に対する耐久性が低い熱脆弱部品22を制御系リジッド部34に設けることで、主な発熱源が設けられる領域と熱に弱い部品が設けられる領域とを切削後基板3上で分割して区分け(ゾーニング)するものとして説明したがこれに限らない。
また、以上の説明では、切削後基板3は、電源系リジッド部33と制御系リジッド部34とがほぼ垂直となるようにフレキシブル部32が屈曲することで、短辺方向に沿った断面視(図13参照)にて全体として略L字型に構成されるものとして説明したがこれに限らない。切削後基板3は、少なくともフレキシブル部32が端子4側に屈曲した状態で筐体5に収容されていればよく、電源系リジッド部33と制御系リジッド部34とがなす角度が鈍角でもよいし鋭角でもよい。
また、以上の説明では、コネクタ6とコネクタ嵌合部51h、51i、51jとの嵌合を解除するロック解除部61a、62a、63aが収容空間部53側に位置するものとして説明したがこれに限らず、例えば、筐体5の外側に面していてもよい。