以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る電気接続箱の概略構成を表す斜視図である。図2は、実施形態1に係る電気接続箱の概略構成を表す分解斜視図である。図3は、図1中のA矢視図である。図4は、図1中のB矢視図である。図5は、実施形態1に係る電気接続箱の嵌合構造を含む部分断面図である。図6、図7、図8は、実施形態1に係る電気接続箱における組み合わせを説明する平面図である。なお、図1は、わかり易くするために電線、コネクタを二点鎖線で図示している。
図1、図2、図3、図4、図5に示す電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、ワイヤハーネスWHに組み込まれ、電線等の接続処理用部品を構成するコネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット等の電装品を集約して内部に収容するものである。電気接続箱1は、例えば、車両のエンジンルーム、車体の下方部分、車室内等に設置され、バッテリ等の電源と、車両内に搭載される各種電子機器との間に接続されている。電気接続箱1は、電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する。なお、電気接続箱1は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。なお、以下では、特に断りのない限り、電気接続箱1の各部が組み付けられ車両に搭載された状態での方向として説明する。
ここで、ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の電線Wを一度に各装置に接続するようにしたものである。ワイヤハーネスWHは、複数の電線Wと、当該電線Wと電気的に接続される電気接続箱1とを備える。電線Wは、例えば、複数の導電性の金属素線を撚り合わせた導体部(芯線)と、当該導体部の外側を覆う絶縁性の被覆部とを含んで構成される。ワイヤハーネスWHは、複数の電線Wを束ねて集約し束ねられた電線Wの端部に接続部としてのコネクタ等を介して電気接続箱1が電気的に接続される。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、固定具等を含んで構成されてもよい。
電気接続箱1は、複数の電子部品2と、回路配索部材3と、収容部材としてのロアカバー4と、少なくとも一部に電子部品2を搭載する搭載部52が設けられた複数の蓋部材としての複数のアッパカバー5と、入力コネクタ部6とを備える。ロアカバー4と複数のアッパカバー5とは、所定の積層方向に沿って積層される。
本実施形態の電気接続箱1は、例えば、適用される車種等にかかわらず、電子部品2、ロアカバー4等を可能な限り標準化、共用化すると共にロアカバー4に組み付けられる複数のアッパカバー5の係止構造7も共通化する一方、ロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5、入力コネクタ部6等にバリエーションを持たせたものである。そして、電気接続箱1は、適用される車種等に応じて要求される回路構成、ボリューム等に基づいて、ロアカバー4に組み付ける複数のアッパカバー5、入力コネクタ部6を適宜選定して組み合わせて構成されることで、部材の標準化、共用化による汎用性の向上と、部材の選択多様性による最適化とをバランスよく両立することができるものである。
以下、電気接続箱1の各構成について具体的に説明する。なお、以下の説明では、積層方向において複数のアッパカバー5が設けられる側を上側、ロアカバー4が設けられる側を下側という場合がある。また、積層方向と直交する2つの方向のうち一方を「短辺方向」、他方を「長辺方向」という場合がある。第1方向としての積層方向と第2方向としての短辺方向と第3方向としての長辺方向とは、相互に直交する。
電子部品2は、種々の導電性の部材を介して電線Wに電気的に接続されるものである。電子部品2は、複数設けられる。電子部品2は、例えば、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット、これらをユニット化した電子部品ユニット等である。また、電子部品2は、コネクタ、ヒューズ、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット、電子部品ユニット等を後述の回路配索部材3に電気的に接続し支持する端子類も広く含む概念である。本実施形態の複数の電子部品2は、種々のヒューズ21、種々のコネクタ22等に加えて、ヒューズ21と電気的に接続されこれを支持するヒューズ端子23、コネクタ22と電気的に接続されこれを支持するコネクタ端子24等を含んで構成される。ここでは、電子部品2は、電気接続箱1における構成要素として最小単位となる要素、例えば、ヒューズ端子23、コネクタ端子24を、適用される車種等にかかわらず標準化、共用化することが好ましい。一方、電子部品2は、ヒューズ21、コネクタ22を、適用される車種等に応じてバリエーションを持たせて用意してもよいし、これらヒューズ21、コネクタ22も、可能な限り適用される車種等にかかわらず標準化、共用化してもよい。
回路配索部材3は、複数の電子部品2が電気的に接続されるものである。回路配索部材3は、適用される車種等に応じて要求される回路を構成する。回路配索部材3は、例えば、絶縁性の樹脂材料からなる絶縁基板の表面(実装面)に、銅等の導電性の材料によって配線パターン(プリントパターン)が印刷されたいわゆるプリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB)、導電性の金属材料からなるバスバ、当該バスバを絶縁性の樹脂材料で被覆したバスバプレート等を用いることができる。本実施形態の回路配索部材3は、略矩形板状に形成されたプリント回路基板によって構成され、ここでは、実装面にリレー31やリレー抵抗32等が実装されている(図2等参照)。
ロアカバー4は、内部に回路配索部材3を収容する筐体を構成する主たる部分である。ロアカバー4は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。ロアカバー4は、皿状(トレイ状)の部材である。ロアカバー4は、底部4aと、側壁部4b、4c、4d、4eとを含み、これらが一体で形成される。底部4aは、短辺方向に沿った辺が短辺、長辺方向に沿った辺が長辺となる長方形板状に形成される。側壁部4b、4c、4d、4eは、それぞれ長方形板状に形成され、底部4aから積層方向上側に向けて立設される。側壁部4b、4cは、ともに底部4aの各長辺から立設されており、長辺方向に沿って底部4aの一方の端から他方の端まで延在している。側壁部4bと側壁部4cとは、短辺方向に沿って互いに対向している。側壁部4d、4eは、ともに底部4aの各短辺から立設されており、短辺方向に沿って底部4aの一方の端から他方の端まで延在している。側壁部4dと側壁部4eとは、長辺方向に沿って互いに対向している。ここでは、側壁部4eは、開口として後述の入力コネクタ部嵌合部43が形成されている(図2等参照)。ロアカバー4は、側壁部4d、4eが側壁部4bと側壁部4cとの間に位置し側壁部4b、4c、4d、4eの隣接する各端部がそれぞれ相互に接続されており、底部4aを囲うように形成される。ロアカバー4は、底部4a、側壁部4b、4c、4d、4eが組み合わさって全体として、2面に開口を有する中空状の略直方体箱状に形成される。
そして、ロアカバー4は、収容空間部41、開口部42、入力コネクタ部嵌合部43、及び、複数の収容側係合部としてのロア側係合部44を有する。
ロアカバー4は、中空状の内部、すなわち、底部4a、側壁部4b、4c、4d、4eによって区画された内部空間部が収容空間部41として形成される。つまり、収容空間部41は、底部4a、側壁部4b、4c、4d、4eによって略直方体状の空間部として形成され、回路配索部材3を収容する。ロアカバー4は、収容空間部41に面して載置リブ41aが形成される。載置リブ41aは、側壁部4b、4c、4dにおいて収容空間部41側の面に複数形成される。各載置リブ41aは、柱状、あるいは、壁状の凸部として形成され積層方向に沿って延在する。回路配索部材3は、リレー31やリレー抵抗32等が実装される実装面が積層方向下側を向き、当該実装面の端部が各載置リブ41aの積層方向上側の端面に載置されるような位置関係で収容空間部41に収容される(図2等参照)。
開口部42は、収容空間部41とロアカバー4の外部(底部4a、側壁部4b、4c、4d、4eを隔てて収容空間部41とは反対側の空間側)とを連通する部分である。ここでは、開口部42は、側壁部4bの積層方向上側端部と、側壁部4cの積層方向上側端部と、側壁部4dの積層方向上側端部とによって区画され積層方向上側に向けて開口する。開口部42は、略矩形状の開口として形成される。開口部42は、積層方向に沿って底部4aと対向する。
入力コネクタ部嵌合部43は、入力コネクタ部6が嵌合する部分である。ここでは、入力コネクタ部嵌合部43は、側壁部4eに開口として形成される。入力コネクタ部嵌合部43は、側壁部4eの積層方向上側の端部と、側壁部4bの長辺方向一方側の端部と、側壁部4cの長辺方向一方側の端部とによって区画され、ロアカバー4の長辺方向一方側に向けて開口する。入力コネクタ部嵌合部43は、略矩形状の開口として形成される。入力コネクタ部嵌合部43は、長辺方向に沿って側壁部4dと対向する。
複数のロア側係合部44は、ロアカバー4とアッパカバー5とを係止するための係止構造7の一部を構成するものである。本実施形態の各ロア側係合部44は、ロアカバー4の外側の表面から突出した係合爪部として形成される。各ロア側係合部44は、ロアカバー4を構成する壁部の外側の面、ここでは、側壁部4b、4cの収容空間部41とは反対側の面に形成される。ロア側係合部44は、側壁部4b、4cにそれぞれ4つずつ形成されている。各ロア側係合部44は、側壁部4b、4cの積層方向上側の端部、言い換えれば、側壁部4b、4cの開口部42側の端部に長辺方向に沿って間をあけて並んで形成される。各ロア側係合部44は、側壁部4b、4cにおける積層方向の位置がほぼ同等の位置となるように形成される。各ロア側係合部44は、後述するアッパ側係合部51に嵌合可能な凸状に形成されアッパ側係合部51に係合可能である。
さらに、本実施形態のロアカバー4は、例えば、適用される車種等に応じた拡張性を向上するために、第1係合部45、及び、第2係合部46を有する。第1係合部45と第2係合部46とは、ロアカバー4が複数設けられる際に当該複数のロアカバー4を連結する連結構造8を構成する。第1係合部45は、少なくともロアカバー4の外面のうちの1つに形成され、第2係合部46は、少なくともロアカバー4の外面のうちの第1係合部45が形成された外面以外の1つに第1係合部45と係合可能な形状に形成される。
本実施形態の第1係合部45は、積層方向に沿った突出片として形成される。第1係合部45は、側壁部4b、4dの積層方向上側の端部、言い換えれば、側壁部4b、4dの開口部42側の端部を基端部として、先端部が積層方向下側に向けて突出した板状に形成される。第1係合部45は、側壁部4bの外面に2つ、側壁部4dの外面に1つが設けられる。側壁部4bに設けられる第1係合部45は、長辺方向一方側のロア側係合部44とこれと隣接するロア側係合部44との間に1つ、長辺方向他方側のロア側係合部44とこれと隣接するロア側係合部44との間に1つが設けられる。側壁部4dに設けられる第1係合部45は、当該側壁部4dの短辺方向中央部に形成される。一方、第2係合部46は、積層方向に沿って第1係合部45が嵌合可能な凹部状の突出片受け部として形成される。第2係合部46は、側壁部4cの外面に2つが設けられる。側壁部4cに設けられる第2係合部46は、長辺方向一方側のロア側係合部44とこれと隣接するロア側係合部44との間に1つ、長辺方向他方側のロア側係合部44とこれと隣接するロア側係合部44との間に1つが設けられる。
第1係合部45と第2係合部46とは、上述したように、相互に係合可能な形状に形成され、ここでは、第2係合部46が第1係合部45を受ける形状となっている。そして、連結構造8は、ロアカバー4に突出片として形成される第1係合部45が、異なるロアカバー4に突出片受け部として形成される第2係合部46に嵌合することで、2つのロアカバー4を連結することができる。
上記のように構成されるロアカバー4は、例えば、適用される車種等にかかわらず各構成が標準化、共用化される。
複数のアッパカバー5は、ロアカバー4の積層方向上側に積層され相互に組み付けられ、ロアカバー4と共に回路配索部材3を収容する筐体を構成するものである。複数のアッパカバー5とロアカバー4とは、組み合わさって全体として略直方体箱状の筐体を構成する。複数のアッパカバー5は、それぞれ蓋側係合部としてのアッパ側係合部51を有し開口部42を塞ぐ位置に相互に隣接して設けられ各アッパ側係合部51がロア側係合部44と係合することでロアカバー4に係止されると共に、複数のアッパカバー5のうちの少なくとも1つは、電子部品2を搭載する搭載部52を有する。
複数のアッパカバー5は、部材の選択多様性を確保するため、例えば、適用される車種等に応じてバリエーションを持たせて複数種類が用意され、その中から当該電気接続箱1が適用される車種等に応じて適宜選択され適用される。さらに言えば、複数のアッパカバー5は、搭載される電子部品2の種類、数に応じて、アッパカバー5自体の大きさを異ならせたり搭載部52の形状を異ならせたりすることで、バリエーションを持たせて複数種類が用意される。
ここでは、複数のアッパカバー5は、搭載部52として主にヒューズ21が搭載されるヒューズ搭載部52Aを有するヒューズ側アッパカバー5Aと、搭載部52として主にコネクタ22が搭載されるコネクタ搭載部52Bを有するコネクタ側アッパカバー5Bとの2つを含んで構成される。この場合、ロアカバー4は、これら2つのアッパカバー5、すなわち、ヒューズ側アッパカバー5Aとコネクタ側アッパカバー5Bとによって開口部42が塞がれる。
なお、選択されうる複数のアッパカバー5としては、典型的には、各アッパカバー5にアッパ側係合部51が設けられ、少なくとも1つが搭載部52を有していればよく、例えば、搭載部52を有さないものがあってもよい。選択されうる複数のアッパカバー5としては、搭載部52に搭載する電子部品2の数、種類(ヒューズ21、コネクタ22等の他、リレー、コンデンサ、分岐部、電子制御ユニット、電子部品ユニット等)を異ならせたものがあってもよく、搭載する電子部品2の種類が混在しているものがあってもよい。またここでは、複数のアッパカバー5は、ヒューズ側アッパカバー5Aとコネクタ側アッパカバー5Bとの2つであるものとして説明したが、それぞれにアッパ側係合部51が設けられそれぞれロアカバー4に係止できるのであれば3つ以上を含んで構成されてもよい。つまり、選択されうる複数のアッパカバー5としては、ヒューズ側アッパカバー5A、コネクタ側アッパカバー5Bよりも大きさが小さいものがあってもよいし、大きいものがあってもよい。
具体的には、ヒューズ側アッパカバー5Aは、アッパ側係合部51を有し開口部42を塞ぐ位置に設けられアッパ側係合部51がロア側係合部44と係合することでロアカバー4に係止されると共に、ヒューズ21が搭載されるヒューズ搭載部52Aを有する。ヒューズ側アッパカバー5Aは、絶縁性の合成樹脂によって形成される。ヒューズ側アッパカバー5Aは、蓋状の部材である。ヒューズ側アッパカバー5Aは、天井部5aと、側壁部5b、5c、5d、5eとを含み、これらが一体で形成され、全体として略直方体箱状に形成される。天井部5aは、外形が略矩形状の板状に形成されると共にヒューズ搭載部52Aが形成される。ヒューズ搭載部52Aは、天井部5aに積層方向下側に向けて窪んだ矩形凹部状に形成される。つまり、天井部5aは、積層方向上側の外面が略ロの字型(矩形枠型)に形成される。側壁部5b、5c、5d、5eは、それぞれ長方形板状に形成され、天井部5aから積層方向下側に向けて立設される。側壁部5b、5cは、ともに天井部5aの長辺方向に沿った各辺から立設されており、長辺方向に沿って天井部5aの一方の端から他方の端まで延在している。側壁部5bと側壁部5cとは、短辺方向に沿って互いに対向している。側壁部5d、5eは、ともに天井部5aの短辺方向に沿った各辺から立設されており、短辺方向に沿って天井部5aの一方の端から他方の端まで延在している。側壁部5dと側壁部5eとは、長辺方向に沿って互いに対向している。ここでは、側壁部5eは、開口として後述の入力コネクタ部嵌合部53が形成されている(図2等参照)。ヒューズ側アッパカバー5Aは、側壁部5d、5eが側壁部5bと側壁部5cとの間に位置し側壁部5b、5c、5d、5eの隣接する各端部がそれぞれ相互に接続されており、天井部5aの4方をロの字型に囲うように形成される。
そして、ヒューズ側アッパカバー5Aは、上述したように、複数のアッパ側係合部51、ヒューズ搭載部52A、入力コネクタ部嵌合部53を有する。
アッパ側係合部51は、ロア側係合部44と係合することでロアカバー4とアッパカバー5、ここでは、ヒューズ側アッパカバー5Aとを係止するための係止構造7の一部を構成するものである。アッパ側係合部51は、ロアカバー4に形成された複数のロア側係合部44のいずれか1つと係合可能である。ヒューズ側アッパカバー5Aの各アッパ側係合部51は、当該ヒューズ側アッパカバー5Aの外側の表面に積層方向に沿って形成されるアーム部51aに凹部状に設けられた係合凹部として形成される。ヒューズ側アッパカバー5Aの各アーム部51aは、ヒューズ側アッパカバー5Aを構成する壁部の外側の面、ここでは、側壁部5b、5cの収容空間部41とは反対側の面に形成される。ヒューズ側アッパカバー5Aの各アーム部51aは、側壁部5bと側壁部5cとにそれぞれ2つずつ設けられ、積層方向上側を基端部として、先端部が積層方向下側に向けて突出するようにして積層方向に沿って延在して形成される。そして、ヒューズ側アッパカバー5Aの各アッパ側係合部51は、各アーム部51aの該先端部にロア側係合部(係合爪部)44が係合可能な係合凹部として形成される。ここで、このヒューズ側アッパカバー5Aは、ロアカバー4の開口部42において入力コネクタ部嵌合部43側に位置して開口部42を塞ぎ、ロアカバー4に係止されるアッパカバー5として形成される。そして、ヒューズ側アッパカバー5Aの側壁部5bに設けられた各アッパ側係合部51は、ヒューズ側アッパカバー5Aが開口部42において入力コネクタ部嵌合部43側に位置して開口部42を塞ぐ位置(以下、「ヒューズ側開口部閉塞位置」という場合がある)に配置された状態で、ロアカバー4の側壁部4bにおいて、入力コネクタ部嵌合部43側に設けられた2つのロア側係合部44と係合可能な位置に形成される。同様に、ヒューズ側アッパカバー5Aの側壁部5cに設けられた各アッパ側係合部51は、ヒューズ側アッパカバー5Aがヒューズ側開口部閉塞位置に配置された状態で、ロアカバー4の側壁部4cにおいて、入力コネクタ部嵌合部43側に設けられた2つのロア側係合部44と係合可能な位置に形成される。
ヒューズ搭載部52Aは、電子部品2として多数のヒューズ21が搭載される部分である。ヒューズ搭載部52Aは、上述したように、ヒューズ側アッパカバー5Aの天井部5aに積層方向下側に向けて窪んだ矩形凹部状に形成される。ここでは、ヒューズ搭載部52Aは、ヒューズブロック52aを介して多数のヒューズ21が搭載される。ヒューズブロック52aは、絶縁性の合成樹脂によって形成されヒューズ搭載部52Aに着脱可能に組み付けられる。ヒューズブロック52aは、矩形凹部状に形成されたヒューズ搭載部52A内に嵌合可能な大きさ、形状の略直方体状に形成される。ヒューズブロック52aは、多数のキャビティが形成されており、当該キャビティにヒューズ21とヒューズ端子23とが保持される。ヒューズブロック52aは、それぞれのキャビティに対して積層方向上側からヒューズ21が挿入、嵌合されると共に積層方向下側からヒューズ端子23が挿入、嵌合されることで、ヒューズ21とヒューズ端子23とが電気的に接続される。ここでは、ヒューズ側アッパカバー5Aは、ヒューズ搭載部52Aの積層方向下側の面を形成する搭載部底部5fに、ヒューズ端子23を貫通させる多数の端子貫通孔が形成されている。ヒューズ端子23は、導電性の金属により棒状に形成され、当該端子貫通孔を介してヒューズ搭載部52Aの搭載部底部5fを貫通する。なお、ヒューズ搭載部52Aは、側壁部5b、5cの内側の面によって短辺方向の両面が形成され、側壁部5dの内側の面によって長辺方向の一方の面(入力コネクタ部嵌合部53とは反対側の面)が形成される。そしてさらに、ヒューズ搭載部52Aは、側壁部5b、5c、5dとは異なる区画壁5g(図2参照)によって長辺方向の他方の面(入力コネクタ部嵌合部53側の面)が形成される。また、ヒューズブロック52aは、ヒューズ搭載部52Aに嵌合した状態で、種々の係止機構を介してヒューズ側アッパカバー5Aに係止される。ここでは、ヒューズブロック52aは、ヒューズブロック52a側に設けられた爪部52bと、ヒューズ側アッパカバー5A側に設けられた凹部5hとが係合することで、ヒューズ側アッパカバー5Aに係止され、当該ヒューズ側アッパカバー5Aに着脱可能に組み付けられる。このようにして、多数のヒューズ21は、ヒューズブロック52aを介してヒューズ搭載部52Aに搭載される。ヒューズ端子23は、積層方向上側端部にヒューズ21が電気的に接続される一方、積層方向下側端部がはんだ等を介して回路配索部材3の回路を構成する配線に電気的に接続される。
入力コネクタ部嵌合部53は、入力コネクタ部嵌合部43と同様に入力コネクタ部6が嵌合する部分である。ここでは、入力コネクタ部嵌合部53は、側壁部5eに開口として形成される。入力コネクタ部嵌合部53は、側壁部5eの積層方向下側の端部と、側壁部5bの長辺方向一方側の端部と、側壁部5cの長辺方向一方側の端部とによって区画され、ヒューズ側アッパカバー5Aの長辺方向一方側に向けて開口する。入力コネクタ部嵌合部53は、略矩形状の開口として形成される。入力コネクタ部嵌合部53は、ヒューズ側アッパカバー5Aがヒューズ側開口部閉塞位置に設けられた状態で、積層方向に入力コネクタ部嵌合部43と連続し全体で略矩形状の開口として形成される。
次に、コネクタ側アッパカバー5Bは、アッパ側係合部51を有し開口部42を塞ぐ位置に設けられアッパ側係合部51がロア側係合部44と係合することでロアカバー4に係止されると共に、コネクタ22が搭載されるコネクタ搭載部52Bを有する。コネクタ側アッパカバー5Bは、絶縁性の合成樹脂によって形成される。コネクタ側アッパカバー5Bは、蓋状の部材である。コネクタ側アッパカバー5Bは、天井部5iと、側壁部5j、5k、5lとを含み、これらが一体で形成され、全体として略直方体箱状に形成される。天井部5iは、外形が略矩形状の板状に形成されると共にコネクタ搭載部52Bが形成される。コネクタ搭載部52Bは、天井部5iに設けられた複数のコネクタハウジング部52cを含んで構成される。側壁部5j、5k、5lは、それぞれ長方形板状に形成され、天井部5iから積層方向下側に向けて立設される。側壁部5j、5kは、ともに天井部5iの長辺方向に沿った各辺から立設されており、長辺方向に沿って天井部5iの一方の端から他方の端まで延在している。側壁部5jと側壁部5kとは、短辺方向に沿って互いに対向している。側壁部5lは、天井部5iの短辺方向に沿った一方の辺、ここでは、ヒューズ側アッパカバー5Aと隣接する側とは反対側の辺から立設されており、短辺方向に沿って天井部5iの一方の端から他方の端まで延在している。コネクタ側アッパカバー5Bは、側壁部5lが側壁部5jと側壁部5kとの間に位置し側壁部5j、5k、5lの隣接する各端部がそれぞれ相互に接続されており、天井部5iの三方をコの字型に囲うように形成される。コネクタ側アッパカバー5Bは、長辺方向の一方側、ここでは、ヒューズ側アッパカバー5Aと隣接する側に開口する。
そして、コネクタ側アッパカバー5Bは、上述したように、複数のアッパ側係合部51、コネクタ搭載部52Bを有する。
アッパ側係合部51は、ロア側係合部44と係合することでロアカバー4とアッパカバー5、ここでは、コネクタ側アッパカバー5Bとを係止するための係止構造7の一部を構成するものである。コネクタ側アッパカバー5Bの各アッパ側係合部51は、ヒューズ側アッパカバー5Aの各アッパ側係合部51と同じ形状に形成される。コネクタ側アッパカバー5Bの各アーム部51aは、コネクタ側アッパカバー5Bを構成する壁部の外側の面、ここでは、側壁部5j、5kの収容空間部41とは反対側の面に形成される。コネクタ側アッパカバー5Bの各アーム部51aは、側壁部5jと側壁部5kとにそれぞれ2つずつ設けられる。そして、コネクタ側アッパカバー5Bの各アッパ側係合部51は、各アーム部51aの該先端部にロア側係合部(係合爪部)44が係合可能な係合凹部として形成される。ここで、このコネクタ側アッパカバー5Bは、ロアカバー4の開口部42において入力コネクタ部嵌合部43とは反対側にヒューズ側アッパカバー5Aと隣接して位置して開口部42を塞ぎ、ロアカバー4に係止されるアッパカバー5として形成される。そして、コネクタ側アッパカバー5Bの側壁部5jに設けられた各アッパ側係合部51は、コネクタ側アッパカバー5Bが開口部42において入力コネクタ部嵌合部43とは反対側にヒューズ側アッパカバー5Aと隣接して位置して開口部42を塞ぐ位置(以下、「コネクタ側開口部閉塞位置」という場合がある)に配置された状態で、ロアカバー4の側壁部4bにおいて、入力コネクタ部嵌合部43とは反対側に設けられた2つのロア側係合部44と係合可能な位置に形成される。同様に、コネクタ側アッパカバー5Bの側壁部5kに設けられた各アッパ側係合部51は、コネクタ側アッパカバー5Bがコネクタ側開口部閉塞位置に配置された状態で、ロアカバー4の側壁部4cにおいて、入力コネクタ部嵌合部43とは反対側に設けられた2つのロア側係合部44と係合可能な位置に形成される。
コネクタ搭載部52Bは、電子部品2として多数のコネクタ22が搭載される部分である。コネクタ搭載部52Bは、上述したように、天井部5iに設けられた複数のコネクタハウジング部52cを含んで構成される。コネクタハウジング部52cは、天井部5iから積層方向上下に突出した筒状に形成される。コネクタハウジング部52cは、筒状の内部にコネクタ22が嵌合可能な大きさ、形状に形成される。コネクタハウジング部52cは、適用されるコネクタ22の形状、大きさに応じて種々の形状、大きさのものが設けられる。各コネクタ22は、各コネクタハウジング部52cに着脱可能に組み付けられる。コネクタハウジング部52cは、内部に設けられた隔壁に多数の端子貫通孔が形成されており、当該端子貫通孔にコネクタ端子24が保持される。コネクタ端子24は、導電性の金属により棒状に形成され、コネクタ22と電気的に接続されるものであり、当該端子貫通孔を介してコネクタハウジング部52c内部の隔壁を貫通する。各コネクタ22は、各コネクタハウジング部52cに嵌合されることでコネクタ端子24と電気的に接続される。このようにして、多数のコネクタ22は、コネクタハウジング部52cを介してコネクタ搭載部52Bに搭載される。コネクタ端子24は、積層方向上側端部にコネクタ22が電気的に接続される一方、積層方向下側端部がはんだ等を介して回路配索部材3の回路を構成する配線に電気的に接続される。
本実施形態の複数のアッパカバー5、ここでは、ヒューズ側アッパカバー5Aとコネクタ側アッパカバー5Bとは、開口部42を塞ぐ位置に相互に隣接して設けられた状態で相互に嵌合する嵌合構造9(図2、図5参照)を有する。嵌合構造9は、ヒューズ側アッパカバー5Aに設けられる嵌合レール52dと、コネクタ側アッパカバー5Bに設けられる嵌合レール52eとを含んで構成される。嵌合レール52d、52eは、積層方向に沿って形成されるレール状部である。
嵌合レール52dは、側壁部5dの外側の面に設けられる。嵌合レール52dは、側壁部5dの短辺方向の両端部に一対で設けられる。各嵌合レール52dは、側壁部5dの外側の面から長辺方向一方側(コネクタ側アッパカバー5Bが位置する側)に突出すると共に先端部が短辺方向に沿ってほぼ垂直に屈曲している。つまり、各嵌合レール52dは、積層方向と直交する面に沿った断面形状が略L字型に形成される。一方の嵌合レール52dと他方の嵌合レール52dとは、短辺方向に対して間隔をあけ、かつ、積層方向に沿って略平行に形成されると共に、先端部が互いに逆向きに屈曲している。ここでは、各嵌合レール52dは、ともに先端部が短辺方向に沿って互いに接近する方向に屈曲している。
嵌合レール52eは、コネクタ側アッパカバー5Bの長辺方向の一方側の開口、言い換えれば、ヒューズ側アッパカバー5Aがヒューズ側開口部閉塞位置に位置しコネクタ側アッパカバー5Bがコネクタ側開口部閉塞位置に位置した状態で、ヒューズ側アッパカバー5Aと隣接する側の開口の短辺方向の両脇に設けられる。嵌合レール52eは、ヒューズ側アッパカバー5Aがヒューズ側開口部閉塞位置に位置しコネクタ側アッパカバー5Bがコネクタ側開口部閉塞位置に位置した状態で、長辺方向に対して各嵌合レール52dと対向する位置に一対で設けられる。ここでは、各嵌合レール52eは、それぞれ、コネクタ側アッパカバー5Bの長辺方向の一方側の開口側に位置するコネクタハウジング部52cの側面に形成されている。各嵌合レール52eは、コネクタハウジング部52cの外側の面から長辺方向他方側(ヒューズ側アッパカバー5Aが位置する側)に突出すると共に先端部が短辺方向に沿ってほぼ垂直に屈曲している。つまり、各嵌合レール52eは、積層方向と直交する面に沿った断面形状が略L字型に形成される。一方の各嵌合レール52eと他方の各嵌合レール52eとは、短辺方向に対して間隔をあけ、かつ、積層方向に沿って略平行に形成されると共に、先端部が互いに逆向きに屈曲している。ここでは、各嵌合レール52eは、ともに先端部が短辺方向に沿って互いに離間する方向に屈曲している。
嵌合構造9は、ヒューズ側アッパカバー5Aがヒューズ側開口部閉塞位置に位置しコネクタ側アッパカバー5Bがコネクタ側開口部閉塞位置に位置した状態で、各嵌合レール52dがそれぞれ嵌合レール52eの短辺方向外側に位置し、各嵌合レール52dの先端部と各嵌合レール52eの先端部と相互に噛み沿う位置に形成される。つまり、嵌合構造9は、嵌合レール52dと嵌合レール52eとを積層方向に沿って相互に噛み合わせるようにして互いに組み付けることで、短辺方向に対して2つの嵌合レール52dによって2つの嵌合レール52eを挟み込み、長辺方向に対向する嵌合レール52dの屈曲した先端部と嵌合レール52eの屈曲した先端部とが相互に噛み合って嵌合し係合する。これにより、嵌合構造9は、嵌合レール52dと嵌合レール52eとが嵌合することで、開口部42にて相互に隣接するヒューズ側アッパカバー5Aとコネクタ側アッパカバー5Bとの相対的な位置関係を適正な関係に位置合わせし固定することができる。
入力コネクタ部6は、電源入力用コネクタ61が嵌合するものである。ここで、電源入力用コネクタ61は、電子部品2に電力を供給するコネクタであり、電線Wと電気的に接続されている。入力コネクタ部6は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。入力コネクタ部6は、複数のアッパカバー5のうちの1つ、ここでは、ヒューズ側アッパカバー5Aとロアカバー4との間に挟持されて保持される。入力コネクタ部6は、複数のアッパカバー5と同様に、部材の選択多様性を確保するため、例えば、適用される車種等に応じてバリエーションを持たせて複数種類が用意され、その中から当該電気接続箱1が適用される車種等に応じて選択され適用される。さらに言えば、入力コネクタ部6は、嵌合される電源入力用コネクタ61の種類に応じて、後述するコネクタハウジング部62の形状、数等を異ならせたりすることで、バリエーションを持たせて複数種類が用意される。
ここでは、入力コネクタ部6は、2つのコネクタハウジング部62を有する。各コネクタハウジング部62は、長辺方向に沿った筒状に形成される。各コネクタハウジング部62は、筒状の内部に電源入力用コネクタ61が嵌合可能な大きさ、形状に形成される。各コネクタハウジング部62は、適用される電源入力用コネクタ61の形状、大きさに応じて種々の形状、大きさのものが設けられる。ここでは、入力コネクタ部6は、2つのコネクタハウジング部62が一体で形成される。各電源入力用コネクタ61は、各コネクタハウジング部62に着脱可能に組み付けられる。各コネクタハウジング部62は、内部に設けられた隔壁に多数の端子貫通孔が形成されており、当該端子貫通孔に電源入力端子63が保持される。電源入力端子63は、導電性の金属によりL字型に形成され、電源入力用コネクタ61と電気的に接続されるものであり、一端側が当該端子貫通孔を介してコネクタハウジング部62内部の隔壁を貫通する。各電源入力用コネクタ61は、各コネクタハウジング部62に嵌合されることで電源入力端子63と電気的に接続される。
そして、入力コネクタ部6は、入力コネクタ部嵌合部43と入力コネクタ部嵌合部53とで形成された略矩形状の開口に嵌合すると共に縁部に設けられる保持端部64がロアカバー4とヒューズ側アッパカバー5Aとによって挟持されることで位置決めされ保持される。入力コネクタ部6は、入力コネクタ部嵌合部43、53に嵌合し保持された状態で、筒状に形成される各コネクタハウジング部62の軸方向が長辺方向に沿い、当該各コネクタハウジング部62の開口が長辺方向一方側を向く。このようにして、入力コネクタ部6は、ヒューズ側アッパカバー5Aとロアカバー4との間に挟持されて保持される。電源入力端子63は、長辺方向に沿った一方の端部側に電源入力用コネクタ61が電気的に接続される一方、積層方向に沿った他方の端部側がはんだ等を介して回路配索部材3の回路を構成する配線に電気的に接続される。
上記のように構成される電気接続箱1は、回路配索部材3の一方側の面にリレー31、リレー抵抗32等が実装されると共に他方側の面にヒューズ端子23、コネクタ端子24、電源入力端子63等が実装される。電気接続箱1は、回路配索部材3のリレー31、リレー抵抗32側の実装面が積層方向下側、ヒューズ端子23、コネクタ端子24、電源入力端子63側の実装面が積層方向上側に位置する位置関係で、当該回路配索部材3がロアカバー4の各載置リブ41a上に載置され収容空間部41内に収容される。また、電気接続箱1は、ロアカバー4の入力コネクタ部嵌合部43に入力コネクタ部6が設置される。このとき、入力コネクタ部6は、各コネクタハウジング部62の隔壁に形成された端子貫通孔に電源入力端子63の一方の端部を挿入させながら設置される。
そして、電気接続箱1は、ヒューズ側アッパカバー5A、コネクタ側アッパカバー5Bが開口部42を塞ぐ位置に相互に隣接して設けられ各アッパ側係合部51がロア側係合部44と係合することでロアカバー4に係止される。ここでは、電気接続箱1は、コネクタ側アッパカバー5Bの各コネクタハウジング部52cの隔壁に形成された端子貫通孔に回路配索部材3上のコネクタ端子24を挿入させながら、まず先に、コネクタ側アッパカバー5Bがコネクタ側開口部閉塞位置に設けられ、各アッパ側係合部51と各ロア側係合部44とが係合されロアカバー4に係止される。その後、電気接続箱1は、ヒューズ側アッパカバー5Aのヒューズ搭載部52Aの底部に形成された端子貫通孔に回路配索部材3上のヒューズ端子23を挿入させながら、ヒューズ側アッパカバー5Aがヒューズ側開口部閉塞位置に設けられ、各アッパ側係合部51と各ロア側係合部44とが係合されロアカバー4に係止される。このとき、電気接続箱1は、積層方向に沿って嵌合レール52dが嵌合レール52eに挿入されると共に、ヒューズ側アッパカバー5Aの入力コネクタ部嵌合部53に入力コネクタ部6を嵌合させるようにして、ヒューズ側アッパカバー5Aがロアカバー4に組み付けられる。これにより、電気接続箱1は、嵌合構造9によってヒューズ側アッパカバー5Aとコネクタ側アッパカバー5Bとが嵌合されヒューズ側アッパカバー5Aとコネクタ側アッパカバー5Bとの相対的な位置関係が固定されると共に、ヒューズ側アッパカバー5Aとロアカバー4との間に入力コネクタ部6の保持端部64が挟持されて保持される。電気接続箱1は、ヒューズ側アッパカバー5Aがヒューズ側開口部閉塞位置に設けられ、コネクタ側アッパカバー5Bがコネクタ側開口部閉塞位置に設けられた状態で、ヒューズ側アッパカバー5Aとコネクタ側アッパカバー5Bとで開口部42の全体が塞がれる。
そして、電気接続箱1は、ヒューズブロック52aの各キャビティに多数のヒューズ21が組み付けられてユニット化された当該ヒューズブロック52a、及び、当該ヒューズ21がヒューズ側アッパカバー5Aのヒューズ搭載部52Aに搭載され、各ヒューズ21と各ヒューズ端子23とが電気的に接続される。また、電気接続箱1は、コネクタ側アッパカバー5Bのコネクタ搭載部52Bの各コネクタハウジング部52cにコネクタ22が嵌合されることで、コネクタ22とコネクタ端子24とが電気的に接続される。さらに、電気接続箱1は、入力コネクタ部6の各コネクタハウジング部62に電源入力用コネクタ61が嵌合されることで、電源入力用コネクタ61と電源入力端子63とが電気的に接続される。このように構成される電気接続箱1は、電線W、電源入力用コネクタ61、電源入力端子63、回路配索部材3、ヒューズ端子23、コネクタ端子24等を介してヒューズ21、コネクタ22等の電子部品2に電力が供給される。
そして、本実施形態の電気接続箱1は、図6、図7、図8に示すように、複数のロアカバー4を備えていてもよく、連結構造8を構成する第1係合部45と第2係合部46とが係合されることによって当該複数のロアカバー4が相互に連結され、適用される車種等に応じた拡張性を向上することができる。連結構造8は、ロアカバー4に突出片として形成される第1係合部45が、異なるロアカバー4に突出片受け部として形成される第2係合部46に嵌合し係合することで、2つのロアカバー4を連結することができる。
図6に例示する電気接続箱1Aは、複数のロアカバー4として、2つのロアカバー4A、4Bを備える。そして、電気接続箱1Aは、ロアカバー4Aに対して、複数のアッパカバー5としてヒューズ側アッパカバー5AA、コネクタ側アッパカバー5BAが組み付けられ、入力コネクタ部6として入力コネクタ部6Aが組み付けられ、内部に回路配索部材3として回路配索部材3Aが収容される。一方、電気接続箱1Aは、ロアカバー4Bに対して、複数のアッパカバー5としてヒューズ側アッパカバー5AB、コネクタ側アッパカバー5BBが組み付けられ、入力コネクタ部6として入力コネクタ部6Bが組み付けられ、内部に回路配索部材3として回路配索部材3Bが収容される。そして、この電気接続箱1Aは、ロアカバー4Aの長辺方向に沿った面に設けられた2つの第1係合部45とロアカバー4Bの長辺方向に沿った面に設けられた2つの第2係合部46とが係合することでロアカバー4Aとロアカバー4Bとが連結され一体化され、これにより、全体が略直方体状に形成される。この場合、回路配索部材3Aと回路配索部材3Bとは、例えば、連結電線10で電気的に接続されてもよいし、搭載部52、ジャンパ線等を介して電気的に接続されてもよい。
ロアカバー4Aとロアカバー4Bとは、適用される車種等にかかわらず標準化、共用化される。一方、回路配索部材3Aと回路配索部材3Bとは、適用される車種等に応じて構成される回路が異なるが、基本構成は上述の回路配索部材3とほぼ同様である。また、ヒューズ側アッパカバー5AA、5AB、コネクタ側アッパカバー5BA、5BBは、適用される車種等に応じて搭載部52としてのヒューズ搭載部52A、コネクタ搭載部52Bの形状、搭載される電子部品2の種類、数、ヒューズ側アッパカバー5AA、5AB、コネクタ側アッパカバー5BA、5BB自体の大きさが異なっているが、基本構成は上述のヒューズ側アッパカバー5A、コネクタ側アッパカバー5Bとほぼ同様である。また、入力コネクタ部6Aと入力コネクタ部6Bとは、適用される車種等に応じてコネクタハウジング部62の形状、数等が異なっているが、基本構成は上述の入力コネクタ部6とほぼ同様である。
図7に例示する電気接続箱1Bは、複数のロアカバー4として、3つのロアカバー4C、4D、4Eを備える。そして、電気接続箱1Bは、ロアカバー4Cに対して、複数のアッパカバー5としてヒューズ側アッパカバー5AC、コネクタ側アッパカバー5BCが組み付けられ、入力コネクタ部6として入力コネクタ部6Cが組み付けられ、内部に回路配索部材3として回路配索部材3Cが収容される。また、電気接続箱1Bは、ロアカバー4Dに対して、複数のアッパカバー5としてヒューズ側アッパカバー5AD、コネクタ側アッパカバー5BDが組み付けられ、入力コネクタ部6として入力コネクタ部6Dが組み付けられ、内部に回路配索部材3として回路配索部材3Dが収容される。さらに、電気接続箱1Bは、ロアカバー4Eに対して、複数のアッパカバー5としてヒューズ側アッパカバー5AE、コネクタ側アッパカバー5BEが組み付けられ、入力コネクタ部6として入力コネクタ部6Eが組み付けられ、内部に回路配索部材3として回路配索部材3Eが収容される。そして、この電気接続箱1Bは、ロアカバー4Cの長辺方向に沿った面に設けられた2つの第1係合部45とロアカバー4Dの長辺方向に沿った面に設けられた2つの第2係合部46とが係合することでロアカバー4Cとロアカバー4Dとが連結され一体化される。さらに、電気接続箱1Bは、ロアカバー4Dの長辺方向に沿った面に設けられた2つの第1係合部45とロアカバー4Eの長辺方向に沿った面に設けられた2つの第2係合部46とが係合することでロアカバー4Dとロアカバー4Eとが連結され一体化される。これにより、電気接続箱1Bは、ロアカバー4Cとロアカバー4Dとロアカバー4Eとが連結され一体化され全体が略直方体状に形成される。この場合、回路配索部材3Cと回路配索部材3Dと回路配索部材3Eとは、例えば、連結電線で電気的に接続されてもよいし、搭載部52、ジャンパ線等を介して電気的に接続されてもよい。
ロアカバー4Cとロアカバー4Dとロアカバー4Eとは、適用される車種等にかかわらず標準化、共用化される。一方、回路配索部材3Cと回路配索部材3Dと回路配索部材3Eとは、適用される車種等に応じて構成される回路が異なるが、基本構成は上述の回路配索部材3とほぼ同様である。また、ヒューズ側アッパカバー5AC、5AD、5AE、コネクタ側アッパカバー5BC、5BD、5BEは、適用される車種等に応じて搭載部52としてのヒューズ搭載部52A、コネクタ搭載部52Bの形状、搭載される電子部品2の種類、数、ヒューズ側アッパカバー5AC、5AD、5AE、コネクタ側アッパカバー5BC、5BD、5BE自体の大きさが異なっているが、基本構成は上述のヒューズ側アッパカバー5A、コネクタ側アッパカバー5Bとほぼ同様である。また、入力コネクタ部6Cと入力コネクタ部6Dと入力コネクタ部6Eとは、適用される車種等に応じてコネクタハウジング部62の形状、数等が異なっているが、基本構成は上述の入力コネクタ部6とほぼ同様である。
図8に例示する電気接続箱1Cは、複数のロアカバー4として、2つのロアカバー4F、4Gを備える。そして、電気接続箱1Cは、ロアカバー4Fに対して、複数のアッパカバー5としてヒューズ側アッパカバー5AF、コネクタ側アッパカバー5BFが組み付けられ、入力コネクタ部6として入力コネクタ部6Fが組み付けられ、内部に回路配索部材3として回路配索部材3Fが収容される。一方、電気接続箱1Cは、ロアカバー4Gに対して、複数のアッパカバー5としてヒューズ側アッパカバー5AG、コネクタ側アッパカバー5BGが組み付けられ、入力コネクタ部6として入力コネクタ部6Gが組み付けられ、内部に回路配索部材3として回路配索部材3Gが収容される。そして、この電気接続箱1Cは、ロアカバー4Fの短辺方向に沿った面に設けられた1つの第1係合部45とロアカバー4Gの長辺方向に沿った面に設けられた1つの第2係合部46(ここでは、入力コネクタ部6Gとは反対側の第2係合部46)とが係合することでロアカバー4Fとロアカバー4Gとが連結され一体化され、これにより、全体が略L字形状に形成される。この場合、回路配索部材3Fと回路配索部材3Gとは、例えば、連結電線で電気的に接続されてもよいし、搭載部52、ジャンパ線等を介して電気的に接続されてもよい。
ロアカバー4Fとロアカバー4Gとは、適用される車種等にかかわらず標準化、共用化される。一方、回路配索部材3Fと回路配索部材3Gとは、適用される車種等に応じて構成される回路が異なるが、基本構成は上述の回路配索部材3とほぼ同様である。また、ヒューズ側アッパカバー5AF、5AG、コネクタ側アッパカバー5BF、5BGは、適用される車種等に応じて搭載部52としてのヒューズ搭載部52A、コネクタ搭載部52Bの形状、搭載される電子部品2の種類、数、ヒューズ側アッパカバー5AF、5AG、コネクタ側アッパカバー5BF、5BG自体の大きさが異なっているが、基本構成は上述のヒューズ側アッパカバー5A、コネクタ側アッパカバー5Bとほぼ同様である。また、入力コネクタ部6Fと入力コネクタ部6Gとは、適用される車種等に応じてコネクタハウジング部62の形状、数等が異なっているが、基本構成は上述の入力コネクタ部6とほぼ同様である。
以上で説明した電気接続箱1によれば、複数の電子部品2と、複数の電子部品2が接続される回路配索部材3と、中空状の内部に形成され回路配索部材3を収容する収容空間部41、収容空間部41と外部とを連通する開口部42、及び、複数のロア側係合部44を有するロアカバー4と、それぞれ複数のロア側係合部44のいずれか1つと係合可能であるアッパ側係合部51を有し開口部42を塞ぐ位置に相互に隣接して設けられ各アッパ側係合部51がロア側係合部44と係合することでロアカバー4に係止される複数のアッパカバー5とを備え、複数のアッパカバー5のうちの少なくとも1つは、電子部品2を搭載する搭載部52を有する。以上で説明したワイヤハーネスWHによれば、電線Wと、上記電気接続箱1とを備える。
したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、少なくとも1つに電子部品2を搭載する搭載部52が設けられた複数のアッパカバー5がロアカバー4の開口部42を塞ぐ位置に相互に隣接して設けられ、共通の形状で構成される各アッパ側係合部51がロア側係合部44と係合することでロアカバー4に係止される。この結果、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、ロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5として、ロア側係合部44と係合可能であるアッパ側係合部51を有していれば、多様な形状、組み合わせのアッパカバー5を許容することができるので、汎用性を向上することができる。
電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、例えば、適用される車種等にかかわらず、電子部品2、ロアカバー4等を可能な限り標準化、共用化すると共にロアカバー4に組み付けられる複数のアッパカバー5の係止構造7を共通化する一方、ロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5、入力コネクタ部6等にバリエーションを持たせることができる。そして、電気接続箱1は、適用される車種等に応じて要求される回路構成、ボリューム等に基づいて、ロアカバー4に組み付ける複数のアッパカバー5、入力コネクタ部6を適宜選定して組み合わせて構成されることで、部材の標準化、共用化による汎用性の向上と、部材の選択多様性による最適化とをバランスよく両立することができる。これにより、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、ロアカバー4等を標準化、共用化すると共に必要に応じて構成部品を組み合わせることで、適用可能な車種の範囲を拡大させつつ、部材の無駄を抑制し、大型化を抑制した上で最適化しやすくすることができ、例えば、製造コストを抑制することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1、ワイヤハーネスWHによれば、ロアカバー4は、少なくとも外面のうちの1つに形成される第1係合部45、及び、少なくとも外面のうちの第1係合部45が形成された外面以外の1つに第1係合部45と係合可能な形状に形成される第2係合部46を有する。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、異なるロアカバー4同士を第1係合部45と第2係合部46とを介して連結することができることから、様々な車種等に対応するための拡張性を向上することができるので、汎用性の向上と最適化とをさらにバランスよく両立することができる。一例として、電気接続箱1A、1B、1Cは、複数のロアカバー4(ロアカバー4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G)を備え、複数のロアカバー4は、第1係合部45と第2係合部46とが係合されることで連結される。
さらに、以上で説明した電気接続箱1、ワイヤハーネスWHによれば、複数のアッパカバー5のうちの1つとロアカバー4との間に挟持されて保持され、電子部品2に電力を供給する電源入力用コネクタ61が嵌合する入力コネクタ部6を備える。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、電子部品2に電力を供給するための電源入力用コネクタ61が嵌合する入力コネクタ部6をロアカバー4に組み付けることができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1、ワイヤハーネスWHによれば、複数のアッパカバー5は、開口部42を塞ぐ位置に相互に隣接して設けられた状態で相互に嵌合する嵌合構造9を有する。したがって、電気接続箱1、ワイヤハーネスWHは、嵌合構造9によって、開口部42にて相互に隣接する複数のアッパカバー5(ヒューズ側アッパカバー5A、コネクタ側アッパカバー5B)の相対的な位置関係を適正な関係に位置合わせし固定することができ、確実に一体化することができる。
[実施形態2]
図9は、実施形態2に係る電気接続箱の概略構成を表す平面図である。図10は、実施形態2に係る電気接続箱の電気接続機構の概略構成を表す分解斜視図である。図11は、図10中のC部分矢視図である。図12は、図11中のD−D部分断面図である。実施形態2に係る電気接続箱、ワイヤハーネスは、電気接続機構を備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する(以下同様。)。
図9に示す電気接続箱1Dは、連結電線10(図6参照)にかえて電気接続機構210を備える点で上述の電気接続箱1A(図6参照)とは異なる。電気接続箱1Dは、その他の構成については、電気接続箱1Aとほぼ同様の構成である。
電気接続機構210は、隣接する複数のロアカバー4A、4B内に収容された各回路配索部材3A、3Bを相互に電気的に接続するものである。本実施形態の電気接続機構210は、入力コネクタ部6A、6Bを介して各回路配索部材3A、3Bを相互に電気的に接続する。
具体的には、電気接続機構210は、図10に示すように、回路配索部材3Aと回路配索部材3Bとを電気的に接続する接続バスバ211と、当該接続バスバ211を収容するハウジング212とを有する。
接続バスバ211は、導電性の金属材料からなる。接続バスバ211は、複数の端子部213、及び、接続部214を有し、これらが一体で形成される。複数の端子部213は、隣接する複数のロアカバー4A、4B内に収容された各回路配索部材3A、3Bとそれぞれ電気的に接続される。より詳細には、各端子部213は、回路配索部材3A、3Bから突出する端子としての電源入力端子63(図2等参照)と電気的に接続される。ここでは、各電源入力端子63は、いわゆる雄型の端子であり、入力コネクタ部6A、6Bの各コネクタハウジング部62内に露出する。各端子部213は、当該雄型の電源入力端子63が挿入される箱状の雌型の端子を構成する。接続バスバ211は、複数の端子部213として、ロアカバー4A内の回路配索部材3Aから突出する電源入力端子63と接続される端子部213A、及び、ロアカバー4B内の回路配索部材3Bから突出する電源入力端子63と接続される端子部213Bの合計2つを有する。接続部214は、複数の端子部213を相互に電気的に接続する。接続部214は、板状に形成され、端子部213Aの板状端部(電源入力端子63が挿入される側とは反対側の端部)213aと、端子部213Bの板状端部213aとを接続する。接続バスバ211は、端子部213Aの板状端部213aと端子部213Bの板状端部213aとが並行して位置すると共に、端子部213Aの板状端部213aと端子部213Bの板状端部213aとの間に接続部214が位置することで、全体として略コの字型に形成される。
さらに、本実施形態の接続部214は、複数の端子部213の位置関係を可変とする位置関係可変部215を有する。位置関係可変部215は、弾性変形によって撓みを許容するバネ部材216を含んで構成される。バネ部材216は、端子部213Aの板状端部213aと端子部213Bの板状端部213aとの間に位置しこれらを電気的に接続する板状の部分であり、接続部214を構成する。バネ部材216は、中央部に波状に折り返されたクランク部216aが形成されている。位置関係可変部215は、バネ部材216が弾性変形によって撓みを許容することで、端子部213Aと端子部213Bとの位置関係位を可変とする。
ハウジング212は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。ハウジング212は、複数の端子部213、及び、接続部214を保持し、複数のロアカバー4A、4Bにそれぞれ設けられる嵌合部、ここでは、入力コネクタ部6A、6Bにまたがって嵌合する。本実施形態のハウジング212は、第1ハウジング212Aと第2ハウジング212Bとに分割されて2部品で構成され、これらが組み合わせられることで構成されている。
第1ハウジング212Aは、主として端子部213Aを収容し保持する本体部212Aaと、第2ハウジング212Bが嵌合され当該第2ハウジング212Bと連結される嵌合連結部212Abとを含んで構成される。本体部212Aaは、略矩形筒状に形成され、一方の開口から内部空間部に端子部213Aが挿入されこれを保持する。本体部212Aaは、入力コネクタ部6Aのコネクタハウジング部62の1つに嵌合可能な大きさ、形状に形成される。嵌合連結部212Abは、本体部212Aaにおいて端子部213Aが挿入される開口側の端部から略矩形箱状に突出して形成され、内部空間部が本体部212Aaにおいて端子部213Aを収容する内部空間部と連通する。嵌合連結部212Abは、第2ハウジング212Bが連結される側、及び、本体部212Aaにおいて端子部213Aが挿入される開口側が開口している。
第2ハウジング212Bは、主として端子部213Bを収容し保持する本体部212Baと、第1ハウジング212Aが嵌合され当該第1ハウジング212Aと連結される嵌合連結部212Bbとを含んで構成される。本体部212Baは、略矩形筒状に形成され、一方の開口から内部空間部に端子部213Bが挿入されこれを保持する。本体部212Baは、入力コネクタ部6Bのコネクタハウジング部62の1つに嵌合可能な大きさ、形状に形成される。嵌合連結部212Bbは、本体部212Baにおいて端子部213Bが挿入される開口側の端部から略矩形箱状に突出して形成され、内部空間部が本体部212Baにおいて端子部213Bを収容する内部空間部と連通する。嵌合連結部212Bbは、第1ハウジング212Aが連結される側、及び、本体部212Baにおいて端子部213Bが挿入される開口側が開口している。
そして、図11、図12に示すように、第1ハウジング212Aは、嵌合連結部212Abの内面に一対の係止突起部212Acを有する。一対の係止突起部212Acは、嵌合連結部212Abにおいて、本体部212Aaと嵌合連結部212Abとの並び方向と直交する方向に対向する壁面にそれぞれ1つずつ設けられ、当該壁面の内面から内部空間部側に向けて突出して形成される。一方、第2ハウジング212Bは、嵌合連結部212Bbの外面に一対の係止突起部212Bcを有する。一対の係止突起部212Bcは、嵌合連結部212Bbにおいて、本体部212Baと嵌合連結部212Bbとの並び方向と直交する方向に対向する壁面にそれぞれ1つずつ設けられ、当該壁面の外面から内部空間部とは反対側、すなわち、外部空間側に向けて突出して形成される。
ハウジング212は、第2ハウジング212Bの嵌合連結部212Bbが第1ハウジング212Aの嵌合連結部212Ab内に嵌合すると共に各係止突起部212Bcが各係止突起部212Acを乗り越えて、嵌合連結部212Abの内部空間側、嵌合連結部212Bbの外部空間側で各係止突起部212Acと係合することで、嵌合連結部212Abと嵌合連結部212Bbとが嵌合し連結される。ハウジング212は、嵌合連結部212Abと嵌合連結部212Bbとが連結され、第1ハウジング212Aと第2ハウジング212Bとが一体化された状態で、本体部212Aaと本体部212Baとが並行して位置すると共に、本体部212Aaと本体部212Baとの間に嵌合連結部212Ab、212Bbが位置することで、全体として略コの字型に形成される(図9等も参照)。ハウジング212は、第1ハウジング212Aと第2ハウジング212Bとが一体化された状態で、本体部212Aaと本体部212Baと嵌合連結部212Bbとの内部空間部が連通すると共に、当該連通された内部空間部内に接続バスバ211が挿入され、これを収容、保持する。ハウジング212は、第1ハウジング212Aの本体部212Aa内に端子部213Aが位置し、第2ハウジング212Bの本体部212Ba内に端子部213Bが位置し、嵌合連結部212Bb内に接続部214が位置する。
上記のように構成される電気接続箱1Dは、第1ハウジング212Aの本体部212Aaが入力コネクタ部6Aのコネクタハウジング部62の1つに嵌合することで、電気接続機構210を構成する接続バスバ211の端子部213Aと電源入力端子63とが電気的に接続され、端子部213Aと回路配索部材3Aとが電気的に接続される。また、電気接続箱1Dは、第2ハウジング212Bの本体部212Baが入力コネクタ部6Bのコネクタハウジング部62の1つに嵌合することで、電気接続機構210を構成する接続バスバ211の端子部213Bと電源入力端子63とが電気的に接続され、端子部213Bと回路配索部材3Bとが電気的に接続される。これにより、電気接続箱1Dは、接続バスバ211の端子部213A、213B、接続部214を介して回路配索部材3Aと回路配索部材3Bとが電気的に接続される。
このとき、電気接続箱1Dは、位置関係可変部215を構成するバネ部材216が弾性変形によって撓みを許容することで、端子部213Aと端子部213Bとの位置関係位を可変とし、種々の寸法上のズレ量を吸収することができる。ここで、「寸法上のズレ量」とは、例えば、隣接する複数のロアカバー4A、4B、連結構造8、入力コネクタ部6A、6Bの各電源入力端子63等の位置公差、寸法公差、製造誤差、バラツキ等を含む。また、電気接続箱1Dは、第1ハウジング212Aと第2ハウジング212Bとの関係において、係止突起部212Acと係止突起部212Bcとの間や嵌合連結部212Abの内面と嵌合連結部212Bbの外面との間等に所定のクリアランスを設定することでも、寸法上のズレ量を吸収することができる。
以上で説明した電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、ロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5として、ロア側係合部44と係合可能であるアッパ側係合部51を有していれば、多様な形状、組み合わせのアッパカバー5を許容することができるので、汎用性を向上することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHによれば、隣接する複数のロアカバー4内に収容された各回路配索部材3とそれぞれ電気的に接続される複数の端子部213、及び、複数の端子部213を相互に電気的に接続する接続部214を有する電気接続機構210を備える。したがって、電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、電気接続機構210を構成する複数の端子部213、接続部214を介して複数のロアカバー4内に収容された各回路配索部材3が相互に電気的に接続される。これにより、電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、例えば、入力コネクタ部6のいずれか1つに電源入力用コネクタ61が接続され、少なくとも1つの回路配索部材3に電源を供給すれば、電気接続機構210を介して、各回路配索部材3に電源を供給することができる。この結果、電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、例えば、当該電気接続箱1Dに接続される電線Wや電源入力用コネクタ61の数を抑制することができるので、構成部品点数の削減、省スペース化、軽量化、組立作業工数の抑制、製造コスト抑制等を図ることができる。
また、電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、例えば、上述した連結電線10(図6等参照)を用いて接続するような場合と比較して、各回路配索部材3の接続位置、ここでは、各入力コネクタ部6の電源入力端子63の間隔が狭くても、連結電線10を屈曲させるために冗長に取り回す必要がないことから、この点でも省スペース化を図ることができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHによれば、接続部214は、複数の端子部213の位置関係を可変とする位置関係可変部215を有する。したがって、電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、位置関係可変部215によって端子部213Aと端子部213Bとの位置関係位を可変とすることができるので、隣接する複数のロアカバー4、連結構造8、入力コネクタ部6の各電源入力端子63等の位置公差、寸法公差、製造誤差、バラツキ等を吸収することができ、また、接続部214に応力集中することを抑制することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHによれば、位置関係可変部215は、弾性変形によって撓みを許容するバネ部材216を含んで構成される。したがって、電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、位置関係可変部215を構成するバネ部材216が弾性変形によって撓みを許容することで、端子部213Aと端子部213Bとの位置関係位を可変とすることができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHによれば、電気接続機構210は、複数の端子部213、及び、接続部214を保持し、複数のロアカバー4にそれぞれ設けられる入力コネクタ部6にまたがって嵌合するハウジング212を有する。したがって、電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、複数の端子部213、及び、接続部214をハウジング212によって複数のロアカバー4の入力コネクタ部6にまたがって組み付けることができるので、組み付け性を向上することができる。なお、電気接続箱1D、ワイヤハーネスWHは、複数の端子部213、接続部214、及び、ハウジング212を含んで構成される電気接続機構210を既存のコネクタを流用して構成してもよい。
[実施形態3]
図13は、実施形態3に係る電気接続箱の電気接続機構の概略構成を表す平面図である。図14は、実施形態3に係る電気接続箱の接続バスバの概略構成を表す斜視図である。実施形態3に係る電気接続箱、ワイヤハーネスは、電気接続機構の構成が実施形態2とは異なる。なお、電気接続箱の各構成については、適宜図9を参照する。
本実施形態に係る電気接続箱1E(図9参照)は、電気接続機構210(図10参照)にかえて図13、図14に示す電気接続機構310を備える点で上述の電気接続箱1D(図9参照)とは異なる。電気接続箱1Eは、その他の構成については、電気接続箱1Dとほぼ同様の構成である。
電気接続機構310は、隣接する複数のロアカバー4A、4B内に収容された各回路配索部材3A、3Bを相互に電気的に接続するものである。電気接続機構310は、図13、図14に示すように、回路配索部材3Aと回路配索部材3Bとを電気的に接続する接続バスバ311と、当該接続バスバ311を収容するハウジング312とを有する。
接続バスバ311は、導電性の金属材料からなる。接続バスバ311は、複数の端子部213、及び、接続部314を有する。端子部213は、上述の接続バスバ211(図10参照)の端子部213とほぼ同様の構成である。接続部314は、複数の端子部213を相互に電気的に接続する。接続部314は、板状に形成され、端子部213Aの板状端部213aと、端子部213Bの板状端部213aとを接続する。ここでは、接続バスバ311は、各端子部213と接続部314とが別体に形成され、各端子部213の板状端部213aと接続部314とが溶接等で接合される。接続バスバ311は、端子部213Aの板状端部213aと端子部213Bの板状端部213aとが並行して位置すると共に、端子部213Aの板状端部213aと端子部213Bの板状端部213aとの間に接続部314が位置することで、全体として略コの字型に形成される。
さらに、本実施形態の接続部314は、複数の端子部213の位置関係を可変とする位置関係可変部315を有する。位置関係可変部315は、電線を編み込んで形成される編組部材316を含んで構成される。編組部材316は、端子部213Aの板状端部213aと端子部213Bの板状端部213aとの間に位置しこれらを電気的に接続する網板状の部分であり、接続部314を構成する。位置関係可変部315は、編組部材316が屈曲することで、端子部213Aと端子部213Bとの位置関係位を可変とする。
ハウジング312は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。ハウジング312は、複数の端子部213、及び、接続部314を保持し、複数のロアカバー4A、4Bにそれぞれ設けられる嵌合部、ここでは、入力コネクタ部6A、6Bにまたがって嵌合する。
本実施形態のハウジング312は、主として端子部213Aを収容し保持する本体部317と、主として端子部213Bを収容し保持する本体部318と、本体部317と本体部318とを接続し主として接続部314を収容し保持する接続部319とを有し、これらが一体で成形される。
本体部317は、略矩形筒状に形成され、内部空間部に端子部213Aが収容されこれを保持する。本体部317は、入力コネクタ部6Aのコネクタハウジング部62の1つに嵌合可能な大きさ、形状に形成される。本体部318は、略矩形筒状に形成され、内部空間部に端子部213Bが収容されこれを保持する。本体部318は、入力コネクタ部6Bのコネクタハウジング部62の1つに嵌合可能な大きさ、形状に形成される。接続部319は、本体部317の一端部(端子部213Aを収容した状態で板状端部213aが位置する側の端部)と、本体部318の一端部(端子部213Bを収容した状態で板状端部213aが位置する側の端部)とを結合する。ハウジング312は、本体部317、318と接続部319とによって、全体として略コの字型に形成される。本体部317と本体部318と接続部319とは、内部空間部が連通している。また、接続部319は、中央部に可撓性を向上させた蛇腹状部320を有している。
ハウジング312は、本体部317、318が相対的に高い剛性を有する合成樹脂によって構成され、接続部319が比較的に高い可撓性を有するゴム等の合成樹脂によって構成され、例えば、これらが2色成形によって成形される。また、電気接続機構310は、例えば、金型内に配置された接続バスバ311の周りに絶縁性の樹脂を注入して接続バスバ311とハウジング312とを一体化するインサート成形によって形成される。ハウジング312は、本体部317内に端子部213Aが位置し本体部318内に端子部213Bが位置し、接続部319内に接続部314が位置する。
上記のように構成される電気接続箱1Eは、本体部317が入力コネクタ部6Aのコネクタハウジング部62の1つに嵌合することで、電気接続機構310を構成する接続バスバ311の端子部213Aと電源入力端子63とが電気的に接続され、端子部213Aと回路配索部材3Aとが電気的に接続される。また、電気接続箱1Eは、本体部318が入力コネクタ部6Bのコネクタハウジング部62の1つに嵌合することで、電気接続機構310を構成する接続バスバ311の端子部213Bと電源入力端子63とが電気的に接続され、端子部213Bと回路配索部材3Bとが電気的に接続される。これにより、電気接続箱1Eは、接続バスバ311の端子部213A、213B、接続部314を介して回路配索部材3Aと回路配索部材3Bとが電気的に接続される。
このとき、電気接続箱1Eは、位置関係可変部315を構成する編組部材316が変形することで、端子部213Aと端子部213Bとの位置関係位を可変とし、種々の寸法上のズレ量を吸収することができる。またこのとき、電気接続箱1Eは、ハウジング312の接続部319が蛇腹状部320を中心として編組部材316の変形に追従して変形することで、編組部材316の変形を阻害することが抑制されるので、適正に種々の寸法上のズレ量を吸収することができる。
以上で説明した電気接続箱1E、ワイヤハーネスWHは、ロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5として、ロア側係合部44と係合可能であるアッパ側係合部51を有していれば、多様な形状、組み合わせのアッパカバー5を許容することができるので、汎用性を向上することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1E、ワイヤハーネスWHは、少なくとも1つの回路配索部材3に電源を供給すれば、電気接続機構310を介して、各回路配索部材3に電源を供給することができるので、構成部品点数の削減、省スペース化、軽量化、組立作業工数の抑制、製造コスト抑制等を図ることができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1E、ワイヤハーネスWHは、位置関係可変部315によって端子部213Aと端子部213Bとの位置関係位を可変とすることができるので、隣接する複数のロアカバー4、連結構造8、入力コネクタ部6の各電源入力端子63等の位置公差、寸法公差、製造誤差、バラツキ等を吸収することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1E、ワイヤハーネスWHによれば、位置関係可変部315は、電線を編み込んで形成される編組部材316を含んで構成される。したがって、電気接続箱1E、ワイヤハーネスWHは、位置関係可変部315を構成する編組部材316が変形することによって端子部213Aと端子部213Bとの位置関係位を可変とすることができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1E、ワイヤハーネスWHは、複数の端子部213、及び、接続部314をハウジング312によって複数のロアカバー4の入力コネクタ部6にまたがって組み付けることができるので、組み付け性を向上することができる。
[実施形態4]
図15は、実施形態4に係る電気接続箱の概略構成を表す分解斜視図である。図16は、実施形態4に係る電気接続箱の概略構成を表す平面図である。図17は、実施形態4に係る電気接続箱の電気接続機構の概略構成を表す模式的な斜視図である。図18は、図16中のE−E部分断面図である。図19は、図18中のF−F部分断面図である。実施形態4に係る電気接続箱、ワイヤハーネスは、電気接続機構の構成が実施形態2、3とは異なる。なお、図17は、わかり易くするためにハウジングを二点鎖線で図示している。
図15、図16に示す電気接続箱1Fは、電気接続機構410を備える点で上述の電気接続箱1B(図7参照)とは異なる。電気接続箱1Fは、その他の構成については、電気接続箱1Bとほぼ同様の構成である。
電気接続機構410は、隣接する複数のロアカバー4C、4D、4E内に収容された各回路配索部材3C、3D、3Eを相互に電気的に接続するものである。本実施形態の電気接続機構410は、入力コネクタ部6C、6D、6Eを介して各回路配索部材3C、3D、3Eを相互に電気的に接続する。
具体的には、電気接続機構410は、図17、図18、図19に示すように、回路配索部材3Cと回路配索部材3Dと回路配索部材3Eとを電気的に接続する複数の接続バスバ411と、当該複数の接続バスバ411を収容するハウジング412とを有する。ここで、本実施形態の電気接続箱1Fは、2系統の電力供給系を介して電力が供給される。複数の接続バスバ411は、例えば、第1電源であるバッテリからの電力を電気接続箱1Fに供給する第1電力供給系の一部を構成する第1接続バスバ411Aと、第2電源であるオルタネータからの電力を電気接続箱1Fに供給する第2電力供給系の一部を構成する第2接続バスバ411Bとを含んで構成される。ハウジング412は、これら2つの第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bを収容する。
第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bは、導電性の金属材料からなる。第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bは、それぞれ複数の端子部413、及び、接続部414を有し、これらが一体で形成される。複数の端子部413は、隣接する複数のロアカバー4C、4D、4E内に収容された各回路配索部材3C、3D、3Eとそれぞれ電気的に接続される。より詳細には、各端子部413は、回路配索部材3C、3D、3Eから突出する端子としての電源入力端子63(図2等参照)と電気的に接続される。ここでは、各電源入力端子63は、いわゆる雄型の端子であり、入力コネクタ部6C、6D、6Eの各コネクタハウジング部62内に露出する。各端子部413は、当該雄型の電源入力端子63が挿入される箱状の雌型の端子を構成する。第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bは、それぞれ複数の端子部413として、ロアカバー4C内の回路配索部材3Cから突出する電源入力端子63と接続される端子部413C、ロアカバー4D内の回路配索部材3Dから突出する電源入力端子63と接続される端子部413D、及び、ロアカバー4E内の回路配索部材3Eから突出する電源入力端子63と接続される端子部413Eの合計3つを有する。各接続部414は、それぞれ複数の端子部413を相互に電気的に接続する。各接続部414は、板棒状に形成され、それぞれ端子部413Cの板状端部(電源入力端子63が挿入される側とは反対側の端部)413aと、端子部413Dの板状端部(電源入力端子63が挿入される側とは反対側の端部)413aと、端子部413Eの板状端部(電源入力端子63が挿入される側とは反対側の端部)413aとを接続する。ここでは、各接続部414は、各板状端部413aとの間に屈曲部413bを介して各端子部413と接続されている。これにより、各端子部413は、各接続部414に対して直交する方向でかつ同じ側に突出する。また、各端子部413C、413D、413Eは、各接続部414の延在方向に沿って間隔をあけて並んで位置する。
そして、第1接続バスバ411Aは、バッテリからの電力が入力される入力端子部415Aを有する。入力端子部415Aは、接続部414の一端に当該接続部414と一体で形成され、当該接続部414を介して複数の端子部413C、413D、413Eと一体で形成される。言い換えれば、複数の端子部413C、413D、413Eは、入力端子部415Aから接続部414を介して分岐される。入力端子部415Aは、いわゆる雄型の端子であり、上述したような電源入力用コネクタ61と電気的に接続される。同様に、第2接続バスバ411Bは、オルタネータからの電力が入力される入力端子部415Bを有する。入力端子部415Bは、接続部414の一端に当該接続部414と一体で形成され、当該接続部414を介して複数の端子部413C、413D、413Eと一体で形成される。言い換えれば、複数の端子部413C、413D、413Eは、入力端子部415Bから接続部414を介して分岐される。入力端子部415Bは、いわゆる雄型の端子であり、上述したような電源入力用コネクタ61と電気的に接続される。
ハウジング412は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。ハウジング412は、複数の端子部413、及び、接続部414を保持し、複数のロアカバー4C、4D、4Eにそれぞれ設けられる嵌合部、ここでは、入力コネクタ部6C、6D、6Eにまたがって嵌合する。ここでは、ハウジング412は、上記で説明した2つの第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bを収容し保持する。ハウジング412は、各屈曲部413bが互いに向き合い、各接続部414の延在方向に沿って各端子部413C、413D、413Eが交互に並んで位置し、かつ、入力端子部415Aと入力端子部415Bとが同じ側に位置するような位置関係で、第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bを内部に収容し保持する。ハウジング412は、2部品に分割され、第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bを挟み込むようにして第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bを収容し保持する構成であってもよいし、インサート成形によって第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bと一体化され、第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bを収容し保持する構成であってもよい。
ハウジング412は、第1接続バスバ411A、第2接続バスバ411Bの各端子部413Cを収容する部分416C(図19参照)が入力コネクタ部6Cのコネクタハウジング部62の1つに嵌合可能な大きさ、形状に形成され、各端子部413Dを収容する部分416D(図19参照)が入力コネクタ部6Dのコネクタハウジング部62の1つに嵌合可能な大きさ、形状に形成され、各端子部413Eを収容する部分416E(図19参照)が入力コネクタ部6Eのコネクタハウジング部62の1つに嵌合可能な大きさ、形状に形成される。また、ハウジング412は、電源入力用コネクタ61が嵌合するコネクタハウジング部417A、417Bを有する。コネクタハウジング部417A、417Bは、筒状に形成され、相互に隣接して位置する。コネクタハウジング部417Aは、筒状の内部にバッテリからの電源入力用コネクタ61が嵌合可能な大きさ、形状に形成される。コネクタハウジング部417Bは、筒状の内部にオルタネータからの電源入力用コネクタ61が嵌合可能な大きさ、形状に形成される。そして、入力端子部415Aは、コネクタハウジング部417A内に露出し、入力端子部415Bは、コネクタハウジング部417B内に露出する。
また、本実施形態の電気接続箱1Fは、当該電気接続箱1Fを車両の車体等に固定するための固定ブラケット418を備える。ハウジング412は、外面に、当該固定ブラケット418を着脱可能に組み付けるためのブラケット係合部419が形成される。ハウジング412は、3つのブラケット係合部419を有する。ここでは、各ブラケット係合部419は、上述した第1係合部45と同様の突出片として形成される。固定ブラケット418は、ブラケット係合部420と、締結孔421とを含んで構成される。ブラケット係合部420は、上述した第2係合部46と同様に、ブラケット係合部419が嵌合可能な凹部状の突出片受け部として形成される。ブラケット係合部419とブラケット係合部420とは、相互に係合可能な形状に形成され、ここでは、ブラケット係合部420がブラケット係合部419を受ける形状となっている。締結孔421は、固定ブラケット418の本体部を貫通している。固定ブラケット418は、ブラケット係合部419とブラケット係合部420とが係合されることによってハウジング412と連結される。ここでは、固定ブラケット418は、3つのブラケット係合部419のうちの2つにそれぞれ1つずつ、合計2つが設けられる。
上記のように構成される電気接続箱1Fは、各端子部413Cを収容する部分416Cが入力コネクタ部6Cのコネクタハウジング部62の1つに嵌合することで、電気接続機構410を構成する接続バスバ411の端子部413Cと電源入力端子63とが電気的に接続され、端子部413Cと回路配索部材3Cとが電気的に接続される。また、電気接続箱1Fは、各端子部413Dを収容する部分416Dが入力コネクタ部6Dのコネクタハウジング部62の1つに嵌合することで、電気接続機構410を構成する接続バスバ411の端子部413Dと電源入力端子63とが電気的に接続され、端子部413Dと回路配索部材3Dとが電気的に接続される。また、電気接続箱1Fは、各端子部413Eを収容する部分416Eが入力コネクタ部6Eのコネクタハウジング部62の1つに嵌合することで、電気接続機構410を構成する接続バスバ411の端子部413Eと電源入力端子63とが電気的に接続され、端子部413Eと回路配索部材3Eとが電気的に接続される。これにより、電気接続箱1Fは、接続バスバ411の各端子部413C、413D、413E、接続部414を介して回路配索部材3Cと回路配索部材3Dと回路配索部材3Eとが電気的に接続される。
そして、電気接続箱1Fは、電気接続機構410を構成するハウジング412のコネクタハウジング部417Aにバッテリからの電源入力用コネクタ61が嵌合されることで、電源入力用コネクタ61と入力端子部415Aとが電気的に接続され、コネクタハウジング部417Bにオルタネータからの電源入力用コネクタ61が嵌合されることで、電源入力用コネクタ61と入力端子部415Bとが電気的に接続される。これにより、電気接続箱1Fは、電線W、電源入力用コネクタ61、入力端子部415A、電源入力端子63を介して回路配索部材3C、3D、3Eにバッテリからの電力が供給され、電線W、電源入力用コネクタ61、入力端子部415B、電源入力端子63を介して回路配索部材3C、3D、3Eにオルタネータからの電力が供給される。
また、電気接続箱1Fは、固定ブラケット418がブラケット係合部419、420を介して強度部材として形成されるハウジング412と連結され、当該固定ブラケット418の締結孔421にボルト等の締結部材が挿入され車体側の固定部に締結されることで、当該固定ブラケット418と共に車体側の固定部に固定される。これにより、電気接続箱1Fは、車体側の固定部等への取り付け自由度を向上することができる。なお、この固定ブラケット418は、ハウジング412と一体で形成されてもよい。
以上で説明した電気接続箱1F、ワイヤハーネスWHは、ロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5として、ロア側係合部44と係合可能であるアッパ側係合部51を有していれば、多様な形状、組み合わせのアッパカバー5を許容することができるので、汎用性を向上することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1F、ワイヤハーネスWHによれば、隣接する複数のロアカバー4内に収容された各回路配索部材3とそれぞれ電気的に接続される複数の端子部413、及び、複数の端子部413を相互に電気的に接続する接続部414を有する電気接続機構410を備える。そして、電気接続機構410は、電力が入力される入力端子部415A、415Bを有し、複数の端子部413は、入力端子部415A、415Bから接続部414を介して分岐される。したがって、電気接続箱1F、ワイヤハーネスWHは、入力端子部415A、415Bに電源入力用コネクタ61が接続されることで、電気接続機構410を介して、各回路配索部材3に電源を分配供給することができる。この結果、電気接続箱1F、ワイヤハーネスWHは、例えば、当該電気接続箱1Fに接続される電線Wや電源入力用コネクタ61の数を抑制することができるので、構成部品点数の削減、省スペース化、軽量化、組立作業工数の抑制、製造コスト抑制等を図ることができる。特に、電気接続箱1F、ワイヤハーネスWHは、上記で説明したように、電気接続箱1Fに対して電力を供給する電力供給系が複数系統あるような場合には、電線Wや電源入力用コネクタ61の数を抑制することの効果を顕著に奏することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1F、ワイヤハーネスWHは、複数の端子部413、及び、接続部414をハウジング412によって複数のロアカバー4の入力コネクタ部6にまたがって組み付けることができるので、組み付け性を向上することができる。
[実施形態5]
図20は、実施形態5に係る電気接続箱の概略構成を表す分解斜視図である。図21は、実施形態5に係る電気接続箱の概略構成を表す斜視図である。実施形態5に係る電気接続箱、ワイヤハーネスは、電気接続機構の構成が実施形態2、3、4とは異なる。
図20、図21に示す電気接続箱1Gは、電気接続機構410(図15等参照)にかえて電気接続機構510を備える点で上述の電気接続箱1F(図15等参照)とは異なる。電気接続箱1Gは、ヒューズ側アッパカバー5AC、5AD、5AE、コネクタ側アッパカバー5BC、5BD、5BE等は、電気接続箱1F(図15等参照)のものと若干形状が異なる部分あるが、基本構成はほぼ同様である。
電気接続機構510は、隣接する複数のロアカバー4C、4D、4E内に収容された各回路配索部材3C、3D、3Eを相互に電気的に接続するものである。本実施形態の電気接続機構510は、入力コネクタ部6C、6D、6Eを介して各回路配索部材3C、3D、3Eを相互に電気的に接続する。
具体的には、電気接続機構510は、回路配索部材3Cと回路配索部材3Dと回路配索部材3Eとを電気的に接続する接続バスバ511と、当該接続バスバ511の所定の部位を被覆する絶縁被覆512とを有する。
接続バスバ511は、導電性の金属材料からなる。接続バスバ511は、それぞれ複数の端子部513、及び、接続部514を有し、これらが一体で形成される。複数の端子部513は、隣接する複数のロアカバー4C、4D、4E内に収容された各回路配索部材3C、3D、3Eとそれぞれ電気的に接続される。より詳細には、各端子部513は、回路配索部材3C、3D、3Eから突出する端子としての電源入力端子63(図2等参照)と電気的に接続される。ここでは、各電源入力端子63は、いわゆる雄型の端子であり、入力コネクタ部6C、6D、6Eの各コネクタハウジング部62内に露出する。各端子部513は、先端部が二股に分岐し、当該二股状の部分に当該雄型の電源入力端子63が挿入されるいわゆる音叉端子として形成される。接続バスバ511は、複数の端子部513として、ロアカバー4C内の回路配索部材3Cから突出する電源入力端子63と接続される端子部513C、ロアカバー4D内の回路配索部材3Dから突出する電源入力端子63と接続される端子部513D、及び、ロアカバー4E内の回路配索部材3Eから突出する電源入力端子63と接続される端子部513Eの合計3つを有する。接続部514は、複数の端子部513を相互に電気的に接続する。接続部514は、板棒状に形成され、それぞれ突出部515を介して端子部513Cと端子部513Dと端子部513Eとを接続する。各突出部515は、接続部514に対して直交する方向でかつ同じ側に突出する。各端子部513は、二股状の部分とは反対側の基端部が各突出部515と接続されると共に、接続部514の延在方向に沿った方向でかつ同じ側に突出する。また、各端子部513C、513D、513Eは、各接続部514の延在方向に沿って間隔をあけて並んで位置する。絶縁被覆512は、絶縁性の合成樹脂によって形成される。ここでは、絶縁被覆512は、接続バスバ511のうち接続部514、及び、各突出部515を覆うように種々の工法によって設けられる。
また、本実施形態の入力コネクタ部6C、6D、6Eは、それぞれコネクタハウジング部62の側面にスリット565が形成されている。スリット565は、端子部513が挿入される貫通孔であり、コネクタハウジング部62内に露出している電源入力端子63の基端部近傍に臨む位置に形成されている。
上記のように構成される電気接続箱1Gは、端子部513Cが入力コネクタ部6Cのコネクタハウジング部62に形成されたスリット565から挿入され、端子部513Dが入力コネクタ部6Dのコネクタハウジング部62に形成されたスリット565から挿入され、端子部513Eが入力コネクタ部6Eのコネクタハウジング部62に形成されたスリット565から挿入されるような位置関係で、電気接続機構510を構成する接続バスバ511が入力コネクタ部6C、6D、6Eにまたがって組み付けられる。そして、電気接続箱1Gは、端子部513Cが入力コネクタ部6Cのコネクタハウジング部62内に突出し電源入力端子63と電気的に接続され、端子部513Dが入力コネクタ部6Dのコネクタハウジング部62内に突出し電源入力端子63と電気的に接続され、端子部513Eが入力コネクタ部6Eのコネクタハウジング部62内に突出し電源入力端子63と電気的に接続される。これにより、電気接続箱1Gは、接続バスバ511の各端子部513C、513D、513E、突出部515、接続部514を介して回路配索部材3Cと回路配索部材3Dと回路配索部材3Eとが電気的に接続される。
以上で説明した電気接続箱1G、ワイヤハーネスWHは、ロアカバー4に組み付けられるアッパカバー5として、ロア側係合部44と係合可能であるアッパ側係合部51を有していれば、多様な形状、組み合わせのアッパカバー5を許容することができるので、汎用性を向上することができる。
さらに、以上で説明した電気接続箱1G、ワイヤハーネスWHは、少なくとも1つの回路配索部材3に電源を供給すれば、電気接続機構510を介して、各回路配索部材3に電源を供給することができるので、構成部品点数の削減、省スペース化、軽量化、組立作業工数の抑制、製造コスト抑制等を図ることができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る電気接続箱、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、複数の電子部品2は、種々のヒューズ21、種々のコネクタ22等に加えて、ヒューズ端子23、コネクタ端子24等を含んで構成されるものとして説明したがこれに限らない。以上の説明では、各ロア側係合部44は、係合爪部であり、アッパ側係合部51は、係合凹部であるものとして説明したがこの逆の関係であってもよいし、そもそも異なる形式であってもよい。以上の説明では、第1係合部45は、側壁部4bの外面に2つ、側壁部4dの外面に1つが設けられ、第2係合部46は、側壁部4cの外面に2つが設けられるものとして説明したがこれに限らない。係止構造7、連結構造8、嵌合構造9の構成は、以上で説明した構成に限らない。
以上の説明では、電気接続機構210、310、410、510は、入力コネクタ部6を介して各回路配索部材3を相互に電気的に接続するものとして説明したがこれに限らない。また、電気接続機構210、310、410、510は、さらに多数の回路配索部材3を相互に電気的に接続するものであってもよい。また、以上の説明では、電源入力端子63は、いわゆる雄型の端子であり、各端子部213、413、513は、当該雄型の電源入力端子63が挿入される箱状の雌型の端子であるものとして説明したが、雄雌の関係がこの逆であってもよい。また、以上で説明した接続バスバ211、311等は、全体として略コの字型に形成されるものとして説明したがこれに限らない。