以下に、本発明に係る電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[参考形態1]
本発明に係る電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスの参考形態の1つを図1から図9に基づいて説明する。
図1から図3の符号1は、本参考形態の電気配線ブロック接合体を示す。また、図1の符号JBと符号WHは、各々、その電気配線ブロック接合体1を備えた本参考形態の電気接続箱と、この電気接続箱JBを備えた本参考形態のワイヤハーネスと、を示す。
電気配線ブロック接合体1とは、電子部品EPを収容する複数の電気配線ブロック(後述する第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20)が接合されたものである(図1から図3)。また、電気接続箱JBとは、筐体JBaに複数の電気配線ブロックが電子部品EPと共に収容されたものである(図1)。その筐体JBaには、少なくとも1つの電気配線ブロック接合体1が収容される。よって、この電気接続箱JBは、電気配線ブロック接合体1とは別の電気配線ブロック接合体や電気配線ブロックが筐体JBaに収容される場合もある。電気配線ブロック接合体1は、その筐体JBaに周知のロック機構(図示略)等を介して保持される。ワイヤハーネスWHとは、その電気接続箱JBの電子部品EPに対して電気的に接続された電線(電力供給線や信号線等)Weを筐体JBaの内方から外方に引き出したものである(図1)。尚、図中の筐体JBaは、フレームの外壁のみを示した概念図であり、このフレームの2つの開口を各々のカバーで塞いでいる。
電気接続箱JBは、電線Weと共にワイヤハーネスWHとして、例えば、車両(図示略)のエンジンコンパートメント等に設置される。この電気接続箱JBにおいては、車両に搭載された接続対象物(図示略)が電子部品EPに対して電線Weを介して電気的に接続されている。例えば、この電気接続箱JBにおいては、電子部品EPに対して少なくとも2本の電線Weを電気的に接続し、この電子部品EPを介して少なくとも2つの接続対象物の間を電気的に繋ぐ。電子部品EPとは、例えば、リレー、ヒューズ等の回路保護部品、コネクタ、端子金具などのことを指している。本参考形態では、回路基板、電子制御ユニット(いわゆるECU)等の電子機器についても、筐体JBaに収容される電子部品EPの一形態として考える。また、接続対象物とは、二次電池などの電源、電気機器(アクチュエータ等)などの負荷、センサなどのことを指している。
以下に、電気配線ブロック接合体1について具体的に説明する。
電気配線ブロック接合体1は、先に示したように、複数の電気配線ブロックが接合されたものである。電気配線ブロックとは、電子部品EPの他にバスバも収容し、その電子部品EPとバスバを内方で電気的に接続させるものである。本参考形態の電気配線ブロック接合体1においては、相互間での接合対象となる2つの電気配線ブロックの間でそれぞれのバスバを結合させることによって、その2つの電気配線ブロックを接合させる。この電気配線ブロック接合体1は、それぞれのバスバの電気接続部を結合させる電気接続構造体を備えている。
ここでは、2つの電気配線ブロック(第1電気配線ブロック10、第2電気配線ブロック20)を備えた電気配線ブロック接合体1について例示する(図1から図3)。第1電気配線ブロック10(図1から図5)と第2電気配線ブロック20(図1から図3、図6及び図7)は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
第1電気配線ブロック10は、電子部品EPとして回路保護部品EP1を収容すると共に、バスバ30を収容する(図3及び図4)。この第1電気配線ブロック10には、回路保護部品EP1を収容及び保持する第1収容室11(図4)と、バスバ30を収容及び保持する第2収容室12(図5)と、が形成されている。この第1電気配線ブロック10においては、6つの回路保護部品EP1を収容し、それぞれの回路保護部品EP1を1つのバスバ30を介して電気的に接続する。よって、この例示では、第1収容室11が格子状に6つ並べて配置されており、それぞれの第1収容室11に開口部11a(図4)を介して回路保護部品EP1が1つずつ収容される。また、それぞれの第1収容室11には、開口部12a(図5)を介して第2収容室12に収容したバスバ30の端子接続部31が各々挿入されている。従って、回路保護部品EP1は、第1収容室11に収容した際に、バスバ30に対して端子接続部31を介して物理的且つ電気的に接続される。
ここで、バスバ30は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ30は、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである(図3、図4、図8及び図9)。このバスバ30は、回路保護部品EP1毎の6つの端子接続部31を有している。この例示の端子接続部31は、所謂雄タブ型に形成されており、回路保護部品EP1の一方の雌型の端子接続部(図示略)に挿入され且つ嵌合される。このバスバ30は、同一平面上で略等間隔に並べられた3つの端子接続部31の組み合わせを2組有しており、それぞれの組み合わせを対向配置している。このバスバ30は、一方の組み合わせの3つの端子接続部31を同一平面上で連結させる矩形の第1連結部32と、他方の組み合わせの3つの端子接続部31を同一平面上で連結させる矩形の第2連結部33と、を有する。このバスバ30においては、それぞれの端子接続部31を第1連結部32と第2連結部33から同一方向に向けて突出させ且つ延在させており、その延在方向が回路保護部品EP1の端子接続部との挿抜方向になる。更に、このバスバ30は、第1連結部32と第2連結部33を端子接続部31とは逆側で連結させる矩形の第3連結部34を有する。このバスバ30においては、6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34とで主体部分が形成されている。
この第1電気配線ブロック10においては、回路保護部品EP1の他方の雌型の端子接続部(図示略)に電線Weの端部が電気的に接続される。その電線Weは、端部に取り付けた例えば雄タブ型の端子金具を介して回路保護部品EP1に物理的且つ電気的に接続されている。この電線Weは、回路保護部品EP1毎に設けられている。
第2電気配線ブロック20は、電子部品EPとしてリレーEP2を収容すると共に、バスバ40を収容する(図3及び図6)。この第2電気配線ブロック20には、リレーEP2を収容及び保持する第1収容室21(図6)と、バスバ40を収容及び保持する第2収容室22(図7)と、が形成されている。この第2電気配線ブロック20においては、10個のリレーEP2を収容し、それぞれのリレーEP2を1つのバスバ40を介して電気的に接続する。よって、この例示では、第1収容室21が格子状に10個並べて配置されており、それぞれの第1収容室21に開口部21a(図6)を介してリレーEP2が1つずつ収容される。また、それぞれの第1収容室21には、開口部22a(図7)を介して第2収容室22に収容したバスバ40の端子接続部41が各々挿入されている。従って、リレーEP2は、第1収容室21に収容した際に、バスバ40に対して端子接続部41を介して物理的且つ電気的に接続される。
ここで、バスバ40は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ40は、第1電気配線ブロック10のバスバ30と同じように、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである(図3、図6、図8及び図9)。このバスバ40は、リレーEP2毎の10個の端子接続部41を有している。この例示の端子接続部41は、所謂音叉端子型に形成されており、リレーEP2の一方の雄タブ型の端子接続部EP2aが挿入されることで、このリレーEP2の端子接続部EP2aを挟み込む。このバスバ40は、同一平面上で略等間隔に並べられた5つの端子接続部41の組み合わせを2組有しており、それぞれの組み合わせを対向配置している。このバスバ40は、一方の組み合わせの5つの端子接続部41を同一平面上で連結させる矩形の第1連結部42と、他方の組み合わせの5つの端子接続部41を同一平面上で連結させる矩形の第2連結部43と、を有する。このバスバ40においては、それぞれの端子接続部41を第1連結部42と第2連結部43から同一方向に向けて突出させ且つ延在させており、その延在方向がリレーEP2の端子接続部EP2aとの挿抜方向になる。更に、このバスバ40は、第1連結部42と第2連結部43を端子接続部41とは逆側で連結させる矩形の第3連結部44を有する。このバスバ40においては、10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44とで主体部分が形成されている。
この第2電気配線ブロック20においては、リレーEP2の他方の雄タブ型の端子接続部EP2bに電線Weの端部が電気的に接続される。その電線Weは、端部に取り付けた例えば音叉端子型の端子金具を介してリレーEP2に物理的且つ電気的に接続されている。この電線Weは、リレーEP2毎に設けられている。
ここで示した第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20は、先に示したように、それぞれのバスバ30,40を結合させることによって、互いに接合された電気配線ブロック接合体1を形成する。この電気配線ブロック接合体1においては、第1収容室11の開口部11a(回路保護部品EP1の挿入口)と第1収容室21の開口部21a(リレーEP2の挿入口)とが同じ向きに口を開け、かつ、第2収容室12の開口部12a(バスバ30の挿入口)と第2収容室22の開口部22a(バスバ40の挿入口)とが同じ向きに口を開けるように、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合する。この電気配線ブロック接合体1は、それぞれのバスバ30,40の電気接続部35,45を結合させる電気接続構造体50を備えている(図3、図4、図8及び図9)。
バスバ30においては、主体部分(6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34)から突出させた状態で電気接続部35を設ける。このバスバ30においては、第1連結部32の端部(一辺)から電気接続部35を突出させる。ここでは、第1連結部32において、3つの端子接続部31の配列方向における一方の端部に電気接続部35を設けている。この例示の電気接続部35は、その第1連結部32と同一平面上で矩形の板状に形成されている(図4及び図8)。また、バスバ40においては、主体部分(10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44)から突出させた状態で電気接続部45を設ける。このバスバ40においては、第1連結部42の端部(一辺)から電気接続部45を突出させる。ここでは、第1連結部42において、5つの端子接続部41の配列方向における一方の端部に電気接続部45を設けている。この例示の電気接続部45は、その第1連結部42と同一平面上で矩形の板状に形成されている(図6及び図8)。
電気接続構造体50は、それぞれの電気接続部35,45の対向配置された平面同士を互いに重ね合わせた状態で、それぞれのバスバ30,40を結合させる。この電気接続構造体50は、互いに重ね合わせるそれぞれの電気接続部35,45の内の少なくとも一方を挿入する挿入空間51と、この挿入空間51で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部35,45の相互間での押し付けを可能にする少なくとも1つの押圧部52と、を備える(図3、図4、図8及び図9)。その押圧部52は、挿入空間51を成す壁面の一部を有するものである。また、この押圧部52は、挿入空間51で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部35,45の相互間での押し付けを可能にすることによって、それぞれのバスバ30,40を互いの電気接続部35,45が重ね合わされた状態のまま結合させるものである。
具体的に、本参考形態の電気接続構造体50は、バスバ30を用いて構成する。この電気接続構造体50は、挿入空間51への挿入対象となるバスバ40の電気接続部45に重ね合わせる電気接続部35と、この電気接続部35に対して間隔を空けて対向配置された1つの押圧部52と、電気接続部35及び押圧部52を連結させる連結部53(図3、図4、図8及び図9)と、電気接続部35及び押圧部52及び連結部53の間に形成された挿入空間51と、を備える。
押圧部52は、矩形の板状に形成する。この押圧部52は、一方の平面を電気接続部35の一方の平面に向かい合わせにして対向配置する。連結部53は、電気接続部35と押圧部52のそれぞれの端子接続部31側の端部(一辺)を繋ぐ部位である。よって、電気接続部35と押圧部52においては、それぞれの端子接続部31側とは逆側の端部(一辺)が自由端になる。この例示の連結部53は、電気接続部35に対する押圧部52の折り曲げ加工によって、断面弧状の折り曲げ点として形成されている。
電気接続構造体50においては、その電気接続部35と押圧部52と連結部53とで囲まれた空間が挿入空間51になり、この挿入空間51にバスバ40の電気接続部45が挿入される。この電気接続構造体50では、電気接続部35と押圧部52のそれぞれの自由端の間が電気接続部45の挿入口となる。電気接続部45は、その挿入口に最初に到達する端部(一辺)をテーパ状に形成しておくことによって、挿入空間51への挿入作業性を向上させている。
ここで、この電気接続構造体50においては、連結部53を支点にして電気接続部35や押圧部52を撓ませることができ、電気接続部35と押圧部52の対向配置された平面同士の間隔を変えることができる。そして、この電気接続構造体50においては、その撓みを弾性域内で発生させることによって、電気接続部35と押圧部52との間にバネ力を発生させることができる。例えば、電気接続部35と押圧部52の対向配置された平面同士の間隔は、挿入空間51への電気接続部45の挿入に伴い発生した電気接続部35や押圧部52の撓みが弾性域内で留まるように、電気接続部45の板厚よりも狭くする。これにより、電気接続部35と押圧部52は、挿入空間51に電気接続部45が挿入されることによって、各々の平面同士の間隔を押し広げるように電気接続部45から力が作用し、その力の反力としての押圧力を電気接続部45のそれぞれの平面に作用させることができる。つまり、この電気接続構造体50は、挿入空間51に挿入された電気接続部45を電気接続部35と押圧部52とで挟持することができるので、それぞれの電気接続部35,45が重ね合わされた状態のままでそれぞれのバスバ30,40を結合させることができる。
この電気配線ブロック接合体1においては、その電気接続構造体50が収容される第3収容室を第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の内の少なくとも一方に設けている。ここでは、第1電気配線ブロック10に第3収容室13を設け(図1から図5)、第2収容室12にバスバ30が収容された際に、電気接続構造体50(電気接続部35、押圧部52、連結部53、挿入空間51)が第3収容室13に収容される。第3収容室13は、第2収容室12の開口部12aと同じ向きに口を開けた開口部13aを有する(図5)。電気接続構造体50は、その開口部13aから挿入される。一方、第2電気配線ブロック20においては、第2収容室22にバスバ40が収容された際に、電気接続部45を外方に向けて突出させている。
第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20は、例えば、それぞれが予めバスバ30,40を収容しており、突出状態の電気接続部45を第3収容室13の開口部13aから挿入しながら電気接続構造体50の挿入空間51に挿入していく。第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20は、このようにしてそれぞれのバスバ30,40を結合させることによって、互いを接合させる。ここで、第3収容室13には、電気接続部45の挿入を阻害せぬように切欠き13bを設けている(図5)。
以上示したように、本参考形態の電気配線ブロック接合体1は、バスバ40の電気接続部45をバスバ30の電気接続構造体50の挿入空間51に挿入するだけで、それぞれのバスバ30,40を物理的且つ電気的に接続させることができ、かつ、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20を接合させることができる。つまり、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれのバスバ30,40の結合、延いては第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の接合のために、接続作業に手間のかかる従来のような別部品としての接続部材(螺子止め部材、端子、コネクタ、電線等)を必要としない簡便な構造を採っている。よって、本参考形態の電気配線ブロック接合体1は、接合対象の第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の間の電気的な接続作業が簡便なものとなっている。従って、この電気配線ブロック接合体1は、原価の低減を図ることができる。また、この電気配線ブロック接合体1は、電気接続構造体50で結合された結合構造部分の小型化が可能なので、体格の小型化を図ることができる。更に、本参考形態の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体1を備えているので、この電気配線ブロック接合体1が奏する効果を同様に得ることができる。
ところで、本参考形態の電気接続構造体50は、構成要素たる電気接続部35を第1連結部32と同一平面上に配置しているので、その電気接続部35に対向配置される押圧部52の平面も第1連結部32の平面に沿うものとなっている。但し、この電気接続構造体50は、電気接続部35を第1連結部32に対して交差(例えば直交)させて配置し、かつ、この電気接続部35に対して押圧部52を対向配置したものであってもよい。この場合には、その電気接続部35と押圧部52の対向配置された平面の間の挿入空間51の位置に合わせて、バスバ40の電気接続部45を形成する。そのバスバ40における電気接続部45の配置は、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の相対的な配置如何で決まる。例えば、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の相対的な配置が先の例示と同じ場合には、電気接続部45を第1連結部42に対して交差(例えば直交)させて配置する。この場合でも、それぞれの電気接続部35,45は、対向配置された平面同士が重ね合わされる。本参考形態の電気配線ブロック接合体1、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、このように電気接続構造体50を構成したとしても、先の例示と同様の効果を得ることができる。
[参考形態2]
図10から図12の符号2は、本変形例の電気配線ブロック接合体を示す。ここで図示しないが、この電気配線ブロック接合体2は、前述した参考形態1と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。また、参考形態1と同一のものについては、本変形例の図中で符号と共に示していたとしても、説明を省略していることがある。
電気配線ブロック接合体2は、前述した参考形態1と同じように、複数の電気配線ブロックが接合されたものである。この電気配線ブロック接合体2においては、本変形例でも、前述した参考形態1と同じように、相互間での接合対象となる2つの電気配線ブロックの間でそれぞれのバスバを結合させることによって、その2つの電気配線ブロックを接合させる。そして、この電気配線ブロック接合体2は、それぞれのバスバの電気接続部を結合させる電気接続構造体を備えている。
ここでは、2つの電気配線ブロック(第1電気配線ブロック110、第2電気配線ブロック120)を備えた電気配線ブロック接合体2について例示する(図10から図12)。第1電気配線ブロック110(図10から図14)と第2電気配線ブロック120(図10から図12、図15及び図16)は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
第1電気配線ブロック110は、参考形態1の第1電気配線ブロック10と同様のものであり、回路保護部品EP1とバスバ130を収容する(図12及び図13)。この第1電気配線ブロック110には、回路保護部品EP1を収容及び保持する第1収容室111(図13)と、バスバ130を収容及び保持する第2収容室112(図14)と、が形成されている。回路保護部品EP1は、開口部111a(図13)を介して第1収容室111に収容される。バスバ130は、開口部112a(図14)を介して第2収容室112に収容される。この第1電気配線ブロック110においては、第1電気配線ブロック10と同様の数量と配置で第1収容室111と第2収容室112とが形成されている。
バスバ130は、参考形態1のバスバ30と同様の形状に形成されたものであり、6つの端子接続部131と第1連結部132と第2連結部133と第3連結部134と電気接続部135とを有する(図12及び図13)。但し、本変形例のバスバ130は、参考形態1のバスバ30とは異なり、押圧部52と連結部53を設けていない。
第2電気配線ブロック120は、参考形態1の第2電気配線ブロック20と同様のものであり、リレーEP2とバスバ140を収容する(図12及び図15)。この第2電気配線ブロック120には、リレーEP2を収容及び保持する第1収容室121(図15)と、バスバ140を収容及び保持する第2収容室122(図16)と、が形成されている。リレーEP2は、開口部121a(図15)を介して第1収容室121に収容される。バスバ140は、開口部122a(図16)を介して第2収容室122に収容される。この第2電気配線ブロック120においては、第2電気配線ブロック20と同様の数量と配置で第1収容室121と第2収容室122とが形成されている。
バスバ140は、参考形態1のバスバ40と同様の形状に形成されたものであり、10個の端子接続部141と第1連結部142と第2連結部143と第3連結部144と電気接続部145とを有する(図12及び図15)。
この電気配線ブロック接合体2においては、第1収容室111の開口部111a(回路保護部品EP1の挿入口)と第1収容室121の開口部121a(リレーEP2の挿入口)とが同じ向きに口を開け、かつ、第2収容室112の開口部112a(バスバ130の挿入口)と第2収容室122の開口部122a(バスバ140の挿入口)とが同じ向きに口を開けるように、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合する。この電気配線ブロック接合体2は、それぞれのバスバ130,140の電気接続部135,145を結合させる電気接続構造体150を備えている(図12、図13、図17及び図18)。
その電気接続構造体150は、参考形態1の電気接続構造体50と同じように、それぞれの電気接続部135,145の対向配置された平面同士を互いに重ね合わせた状態で、それぞれのバスバ130,140を結合させる。この電気接続構造体150は、参考形態1の電気接続構造体50と同じように、互いに重ね合わせるそれぞれの電気接続部135,145の内の少なくとも一方を挿入する挿入空間151と、この挿入空間151で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部135,145の相互間での押し付けを可能にする少なくとも1つの押圧部152と、を備える(図13、図17及び図18)。その押圧部152は、挿入空間151を成す壁面の一部を有するものである。また、この押圧部152は、挿入空間151で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部135,145の相互間での押し付けを可能にすることによって、それぞれのバスバ130,140を互いの電気接続部135,145が重ね合わされた状態のまま結合させるものである。
具体的に、本変形例の電気接続構造体150は、バスバ130,140とは別の部材である接続部材150Pを備えている(図12、図13、図17及び図18)。この例示の接続部材150Pは、金属等の導電性材料で成形する。
この接続部材150Pは、押圧部152として、互いに間隔を空けて対向配置された2つの押圧部152A,152Bを有する(図13、図17及び図18)。また、この接続部材150Pは、その2つの押圧部152A,152Bを連結させる連結部153を有する(図13、図17及び図18)。この接続部材150Pは、その2つの押圧部152A,152Bと連結部153の間に形成された挿入空間151を有する。
それぞれの押圧部152A,152Bは、各々同等の矩形の板状に形成し、それぞれの平面同士を向かい合わせにして対向配置する。連結部153は、それぞれの押圧部152A,152Bの対向配置された端部(一辺)同士を繋ぐ部位である。この例示の接続部材150Pは、矩形の金属板を中央で折り曲げ加工したが如き形状のものであり、その折り曲げ点に連結部153が配置されている。それぞれの押圧部152A,152Bは、その連結部153の両端から同一方向に向けて延在させている。それぞれの押圧部152A,152Bにおいては、その延在方向における端部(一辺)が自由端になる。
電気接続構造体150においては、その2つの押圧部152A,152Bと連結部153とで囲まれた空間が挿入空間151になり、この挿入空間151にバスバ130,140のそれぞれの電気接続部135,145が挿入される。その挿入空間151には、それぞれの電気接続部135,145が互いに対向配置された平面同士を重ね合わせた状態で挿入する。この電気接続構造体150では、それぞれの押圧部152A,152Bの自由端の間が電気接続部135,145の挿入口となる。
ここで、この接続部材150Pにおいては、連結部153を支点にしてそれぞれの押圧部152A,152Bを撓ませることができ、それぞれの押圧部152A,152Bの対向配置された平面同士の間隔を変えることができる。そして、この接続部材150Pにおいては、その撓みを弾性域内で発生させることによって、それぞれの押圧部152A,152Bの間にバネ力を発生させることができる。例えば、それぞれの押圧部152A,152Bの対向配置された平面同士の間隔は、挿入空間151への電気接続部135,145の挿入に伴い発生した押圧部152A,152Bの撓みが弾性域内で留まるように、重ね合わせた電気接続部135,145の板厚の合計値よりも狭くする。これにより、それぞれの押圧部152A,152Bは、挿入空間151に電気接続部135,145が挿入されることによって、各々の平面同士の間隔を押し広げるように電気接続部135,145から力が作用し、その力の反力としての押圧力を電気接続部135,145のそれぞれの平面に作用させることができる。つまり、この電気接続構造体150は、挿入空間151に挿入されたそれぞれの電気接続部135,145を2つの押圧部152A,152Bで挟持することができるので、それぞれの電気接続部135,145が重ね合わされた状態のままでそれぞれのバスバ130,140を結合させることができる。
ここでは、2つの押圧部152A,152Bの対向配置されたそれぞれの平面に、向かい合う他方の平面側に向けて膨出させた膨出部152A1,152B1を設けている(図13、図17及び図18)。この例示では、一方の押圧部152Aに2つの膨出部152A1を形成し、他方の押圧部152Bに2つの膨出部152B1を形成している。一対の膨出部152A1と膨出部152B1は、互いに対向配置されており、挿入空間151に挿入されたそれぞれの電気接続部135,145に対する押圧点となる。よって、ここでは、挿入空間151への電気接続部135,145の挿入に伴い発生した押圧部152A,152Bの撓みが弾性域内で留まるように、重ね合わせた電気接続部135,145の板厚の合計値よりも一対の膨出部152A1,152B1の間隔を狭くする。
この電気配線ブロック接合体2においては、その接続部材150Pが収容される第3収容室を第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の内の少なくとも一方に設けている。ここでは、第1電気配線ブロック110に第3収容室113を設ける(図10から図14)。その第3収容室113には、第2収容室112にバスバ130が収容された際に、電気接続部135が挿入される。第3収容室113は、第2収容室112の開口部112aと同じ向きに口を開けた開口部113aを有する(図14)。電気接続部135は、その開口部113aから挿入される。また、第3収容室113は、第1収容室111の開口部111aと同じ向きに口を開けた開口部113bを有する(図10から図13)。接続部材150Pは、その開口部113bから挿入される。一方、第2電気配線ブロック120においては、第2収容室122にバスバ140が収容された際に、電気接続部145を外方に向けて突出させている。
第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120は、例えば、それぞれが予めバスバ130,140を収容しており、突出状態の電気接続部145を第3収容室113の開口部113aから挿入していく。その電気接続部145は、第3収容室113への収容が完了した際に、電気接続部135に重ね合わされる。ここで、第3収容室113には、電気接続部145の挿入を阻害せぬように切欠き113cを設けている(図14)。接続部材150Pは、それぞれの電気接続部135,145が重ね合わされている状態で、開口部113bから挿入する。この接続部材150Pは、重ね合わされた電気接続部135,145を挿入空間151に挿入させながら第3収容室113に収容していき、その収容が完了した際に、2つの押圧部152A,152Bでそれぞれの電気接続部135,145を挟み込む。第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120は、このようにしてそれぞれのバスバ130,140を結合させることによって、互いを接合させる。
以上示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、互いに重ね合わされた電気接続部135,145を接続部材150Pで挟み込むだけで、それぞれのバスバ130,140を物理的且つ電気的に接続させることができ、かつ、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120を接合させることができる。つまり、この電気配線ブロック接合体2は、それぞれのバスバ130,140の結合、延いては第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の接合のために、接続作業に手間のかかる従来のような接続部材(螺子止め部材、端子、コネクタ、電線等)を必要としない簡便な構造を採っている。よって、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、接合対象の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の間の電気的な接続作業が簡便なものとなっている。従って、この電気配線ブロック接合体2は、原価の低減を図ることができる。また、この電気配線ブロック接合体2は、接続部材150Pで結合された結合構造部分の小型化が可能なので、体格の小型化を図ることができる。更に、本変形例の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体2を備えているので、この電気配線ブロック接合体2が奏する効果を同様に得ることができる。
ところで、本変形例のバスバ130は、電気接続部135を第1連結部132と同一平面上に配置している。同様に、本変形例のバスバ140は、電気接続部145を第1連結部142と同一平面上に配置している。但し、バスバ130は、電気接続部135を第1連結部132に対して交差(例えば直交)させて配置したものであってもよい。この場合には、その電気接続部135の位置に合わせて、バスバ140の電気接続部145を形成する。そのバスバ140における電気接続部145の配置は、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の相対的な配置如何で決まる。例えば、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の相対的な配置が先の例示と同じ場合には、電気接続部145を第1連結部142に対して交差(例えば直交)させて配置する。この場合でも、それぞれの電気接続部135,145は、対向配置された平面同士が重ね合わされる。接続部材150Pは、その重ね合わされた電気接続部135,145を挟み込むように、それぞれのバスバ130,140を結合させる。本変形例の電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、このようにそれぞれの電気接続部135,145を配置したとしても、先の例示と同様の効果を得ることができる。
[実施形態]
本変形例は、前述した参考形態2の電気配線ブロック接合体2において、バスバ130,140と電気接続構造体150(接続部材150P)とを各々下記のバスバ230,240と電気接続構造体250(接続部材250P)とに置き換えたものであり、その電気接続構造体250の関係する部位のみを変更している(図19から図21)。従って、以下においては、電気接続構造体250の関係している部位のみを抜粋して説明する。尚、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、前述した参考形態2と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。
バスバ230は、参考形態2のバスバ130と同様の形状に形成された6つの端子接続部131と第1から第3の連結部132-134とを有しており(図示略)、この端子接続部側231A(図19から図22)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ230は、電気接続部235と、この電気接続部235と端子接続部側231Aとを連結させる主連結部236を有する(図19から図22)。
その電気接続部235と端子接続部側231Aは、接合後の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の配列方向(以下、「ブロック配列方向」という。)に沿うように並べられている(図19から図22)。電気接続部235は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部235は、4つの辺部の内の2つがブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。一方、端子接続部側231Aにおける電気接続部235側の端部231A1は、電気接続部235と同一平面上で矩形の板状に形成されている。この端部231A1は、4つの辺部の内の2つがブロック配列方向に対する直交方向に延在している。バスバ230においては、その電気接続部235の1つの辺部と端子接続部側231Aの端部231A1の1つの辺部とが間隔を空けて対向配置されており、そのそれぞれの辺部を繋ぐように主連結部236を介在させている。
バスバ240は、参考形態2のバスバ140と同様の形状に形成された10個の端子接続部141と第1から第3の連結部142-144とを有しており(図示略)、この端子接続部側241A(図19から図22)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ240は、電気接続部245と、この電気接続部245と端子接続部側241Aとを連結させる主連結部246を有する(図19から図22)。
その電気接続部245と端子接続部側241Aは、ブロック配列方向に沿うように並べられている(図19から図22)。電気接続部245は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部245は、4つの辺部の内の2つがブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。一方、端子接続部側241Aにおける電気接続部245側の端部241A1は、電気接続部245と同一平面上で矩形の板状に形成されている。この端部241A1は、4つの辺部の内の2つがブロック配列方向に対する直交方向に延在している。バスバ240においては、その電気接続部245の1つの辺部と端子接続部側241Aの端部241A1の1つの辺部とが間隔を空けて対向配置されており、そのそれぞれの辺部を繋ぐように主連結部246を介在させている。
バスバ230,240は、それぞれの電気接続部235,245の対向配置された平面同士を互いに重ね合わせて結合させる(図19から図21)。電気接続構造体250は、その結合を担うものである。この電気接続構造体250は、参考形態2の電気接続構造体150と同じように、それぞれの電気接続部235,245を互いに重ね合わせて挿入する挿入空間251と、この挿入空間251で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部235,245の相互間での押し付けを可能にする2つの押圧部252と、を備える(図21)。
具体的に、本変形例の電気接続構造体250は、バスバ230,240とは別の部材である接続部材250Pを備えている(図19から図21)。この例示の接続部材250Pは、金属等の導電性材料で成形する。
この接続部材250Pは、押圧部252として、互いに間隔を空けて対向配置された2つの押圧部252A,252Bを有する(図19から図21)。また、この接続部材250Pは、その2つの押圧部252A,252Bを連結させる連結部253を有する(図19から図21)。この接続部材250Pは、その2つの押圧部252A,252Bと連結部253の間に形成された挿入空間251を有する。
それぞれの押圧部252A,252Bは、各々同等の矩形の板状に形成し、それぞれの平面同士を向かい合わせにして対向配置する。連結部253は、それぞれの押圧部252A,252Bの対向配置された端部(一辺)同士を繋ぐ部位である。この例示の接続部材250Pは、矩形の金属板を中央で折り曲げ加工したが如き形状の主体を有しており、その折り曲げ点に連結部253が配置されている。
但し、それぞれの押圧部252A,252Bは、それぞれの電気接続部235,245が挿入空間251に挿入される前の状態で、連結部253側の端部(つまり、固定端)の間隔よりも自由端252A1,252B1の間隔が狭くなるように形成する(図21)。その固定端の間隔は、それぞれの電気接続部235,245の板厚の合計値以上の広さとする。一方、自由端252A1,252B1の間隔は、それぞれの電気接続部235,245の板厚の合計値よりも狭めておく。
この接続部材250Pは、可撓性を有しており、連結部253側を支点にしてそれぞれの押圧部252A,252Bを撓ませることができる。よって、この接続部材250Pにおいては、それぞれの押圧部252A,252Bの自由端252A1,252B1の間隔が拡げられながら、それぞれの電気接続部235,245が挿入空間251に挿入されていく。従って、この接続部材250Pにおいては、それぞれの押圧部252A,252Bの自由端252A1,252B1側がそれぞれの電気接続部235,245との接触部となり、そのそれぞれの接触部によってそれぞれの電気接続部235,245を重ね合わせた状態で挟持することになる。
この接続部材250Pにおいては、挿入に際してそれぞれの押圧部252A,252Bの自由端252A1,252B1でそれぞれの電気接続部235,245を傷付けぬように、それぞれの押圧部252A,252Bの自由端252A1,252B1を挿入空間251とは逆側の外方に向けて折り曲げている(図21)。
この接続部材250Pは、それぞれの電気接続部235,245を結合させた状態でそれぞれのバスバ230,240を第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120に収容するのであれば、それぞれの電気接続部235,245と共に第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。これに対して、この接続部材250Pは、それぞれのバスバ230,240が収容されている第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合し、その後でそれぞれの電気接続部235,245を挿入空間251に挿入するのであれば、第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113bから挿入しつつ、それぞれの電気接続部235,245を挟持させる。
ところで、この接続部材250Pは、それぞれの電気接続部235,245に対する挟持状態を保つことができるように、それぞれの電気接続部235,245の挿入空間251に対する挿抜を阻害しない範囲内で、それぞれの電気接続部235,245に対する挟持力を設定することが望ましい。ここで、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120は、それぞれに筐体JBaとの間のロック機構を備えている。よって、電気接続箱JBにおいては、公差の範囲内での部品ばらつきや組付けばらつきが生じていても、それぞれのロック機構が動作するように、接合後の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120との間での相対移動を許容することが望ましい。しかしながら、先の挟持力に接続部材250Pを設定した場合には、接合後の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120との間で相対移動し難くなり、電気配線ブロック接合体2の筐体JBaへの組付作業性を低下させてしまう可能性がある。
また、電気配線ブロック接合体2においては、第1電気配線ブロック110とバスバ230との間、及び、第2電気配線ブロック120とバスバ240との間でも、公差の範囲内での部品ばらつきや組付けばらつきが生じる。よって、電気配線ブロック接合体2においては、それぞれのバスバ230,240が収容されている第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合した際に、それぞれの電気接続部235,245の平面同士が重なり合わず、それぞれの電気接続部235,245を接続部材250Pで挟み込む際の作業性を低下させてしまう可能性がある。
本変形例の電気配線ブロック接合体2は、これらの不都合を生じさせぬように構成する。具体的に、この電気配線ブロック接合体2においては、2つのバスバ230,240の内の少なくとも一方の主連結部236(246)に、電気接続部235(245)と端子接続部側231A(241A)との間の相対的な位置を可変させる相対位置可変部237(247)を設ける(図19から図22)。この例示では、それぞれのバスバ230,240の主連結部236,246に相対位置可変部237,247を設けている。また、この例示では、主連結部236,246そのものを相対位置可変部237,247として形成している。
バスバ230の相対位置可変部237は、それぞれに可撓性を持たせた第1可撓片部237aと第2可撓片部237bと可撓連結部237cとを有するバネ構造体である(図22)。第1可撓片部237aは、電気接続部235における端子接続部側231Aの辺部からそれぞれの電気接続部235,245の結合面に対する交差方向に突出させる。第2可撓片部237bは、端子接続部側231Aの端部231A1における電気接続部235側の辺部からそれぞれの電気接続部235,245の結合面に対する交差方向に突出させる。可撓連結部237cは、その第1可撓片部237aと第2可撓片部237bとを連結させる部位である。
電気接続部235における端子接続部側231Aの辺部は、ブロック配列方向と接続部材250Pによるそれぞれの電気接続部235,245の挟持方向(それぞれの電気接続部235,245の結合面に対する直交方向)とに対する直交方向に延在している。この例示の第1可撓片部237aは、その辺部の延在方向に沿って延在させ、かつ、それぞれの電気接続部235,245の結合面に対する直交方向に突出させる。また、端子接続部側231Aの端部231A1における電気接続部235側の辺部は、電気接続部235における端子接続部側231Aの辺部と同じ方向に延在している。この例示の第2可撓片部237bは、その辺部の延在方向に沿って延在させ、かつ、それぞれの電気接続部235,245の結合面に対する直交方向に突出させる。この例示の第1可撓片部237aと第2可撓片部237bは、互いに同じ方向に突出させている。可撓連結部237cは、第1可撓片部237a及び第2可撓片部237bと同じ向きに延在させており、第1可撓片部237aの突出方向側の端部と第2可撓片部237bの突出方向側の端部とを連結させる。この例示の可撓連結部237cは、その延在方向に対する直交断面が弧状になるように形成している。
この相対位置可変部237は、電気接続部235と端子接続部側231Aとの間をブロック配列方向に伸縮させることができる。更に、この相対位置可変部237は、自らを支点にして電気接続部235と端子接続部側231Aとの間を屈曲させることができる。
バスバ240の相対位置可変部247は、バスバ230の相対位置可変部237と同じように形成する。よって、この相対位置可変部247は、相対位置可変部237の第1可撓片部237a、第2可撓片部237b及び可撓連結部237cと同様の第1可撓片部247a、第2可撓片部247b及び可撓連結部247cを有している(図22)。従って、この相対位置可変部247は、電気接続部245と端子接続部側241Aとの間をブロック配列方向に伸縮させることができる。更に、この相対位置可変部247は、自らを支点にして電気接続部245と端子接続部側241Aとの間を屈曲させることができる。
図23は、部品ばらつきや組付けばらつきがない設計基準値(所謂ノミナル値)でのそれぞれの電気接続部235,245の結合状態を示している。本図では、接続部材250Pで挟み込まれる前の状態を上図に示し、接続部材250Pで挟み込まれた後の状態を下図に示している。
例えば、それぞれの電気接続部235,245は、第1電気配線ブロック110とバスバ230との間や第2電気配線ブロック120とバスバ240との間での部品ばらつき等によって、ノミナル値(2点鎖線)に対してブロック配列方向に位置ずれしてしまう可能性がある(図24の上図)。このような場合でも、この電気配線ブロック接合体2においては、それぞれの相対位置可変部237,247が電気接続部235と端子接続部側231Aとの間及び電気接続部245と端子接続部側241Aとの間をブロック配列方向に伸縮させることができるので、それぞれの電気接続部235,245の平面(結合面)同士をノミナル値に近い状態で重ね合わせることができる(図24の下図)。従って、この電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、それぞれのバスバ230,240に過負荷を与えることなく、それぞれの電気接続部235,245を接続部材250Pで挟み込むことができ、かつ、その挟み込みを行う際の作業性の低下を抑えることができる。尚、図中の例示では、便宜上、一方の相対位置可変部247のみを伸縮させている。
また、例えば、それぞれの電気接続部235,245は、第1電気配線ブロック110とバスバ230との間や第2電気配線ブロック120とバスバ240との間での部品ばらつき等によって、ノミナル値(2点鎖線)と比べて結合面に対する直交方向に位置ずれしてしまう可能性がある(図25の上図)。このような場合でも、この電気配線ブロック接合体2においては、それぞれの相対位置可変部237,247が支点になって、電気接続部235と端子接続部側231Aとの間及び電気接続部245と端子接続部側241Aとの間を屈曲させることができるので、それぞれの電気接続部235,245の平面(結合面)同士をノミナル値に近い状態で重ね合わせることができる。従って、この電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、参考形態2と同様の効果を得つつ、それぞれのバスバ230,240に過負荷を与えることなく、それぞれの電気接続部235,245を接続部材250Pで挟み込むことができ、かつ、その挟み込みを行う際の作業性の低下を抑えることができる(図25の下図)。尚、図中の例示では、便宜上、一方の相対位置可変部247のみを伸縮させている。
ここで、先に示したように、接続部材250Pにおいては、それぞれの押圧部252A,252Bの自由端252A1,252B1を挿入空間251とは逆側の外方に向けて折り曲げている。故に、そのそれぞれの自由端252A1,252B1は、結合面に対する直交方向に位置ずれしているそれぞれの電気接続部235,245の拾いとしても作用する。よって、接続部材250Pは、それぞれの電気接続部235,245をそれぞれの自由端252A1,252B1で拾いながら、それぞれの電気接続部235,245の平面同士を近づけていくことができる。そして、この接続部材250Pは、それぞれの電気接続部235,245を挿入空間251に挿入しながら、それぞれの電気接続部235,245の平面同士を重ね合わせていくことができる。
[変形例1]
本変形例は、前述した参考形態2の電気配線ブロック接合体2において、バスバ130,140と電気接続構造体150(接続部材150P)とを各々下記のバスバ330,340と電気接続構造体350(接続部材350P)とに置き換えたものであり、その電気接続構造体350の関係する部位のみを変更している(図26から図28)。従って、以下においては、電気接続構造体350の関係している部位のみを抜粋して説明する。尚、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、前述した参考形態2と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。
バスバ330は、参考形態2のバスバ130と同様の形状に形成された6つの端子接続部131と第1から第3の連結部132-134とを有しており(図示略)、この端子接続部側331A(図26から図28)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ330は、その端子接続部側331Aに繋がれた電気接続部335を有する(図26から図28)。
その電気接続部335と端子接続部側331Aは、接合後の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の配列方向(ブロック配列方向)に沿うように並べられている(図26から図28)。電気接続部335は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部335は、自由端側の辺部がブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。
バスバ340は、参考形態2のバスバ140と同様の形状に形成された10個の端子接続部141と第1から第3の連結部142-144とを有しており(図示略)、この端子接続部側341A(図26から図28)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ340は、その端子接続部側341Aに繋がれた電気接続部345を有する(図26から図28)。
その電気接続部345と端子接続部側341Aは、ブロック配列方向に沿うように並べられている。電気接続部345は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部345は、自由端側の辺部がブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。
バスバ330,340は、それぞれの電気接続部335,345の対向配置された平面同士を互いに重ね合わせて結合させる。電気接続構造体350は、その結合を担うものである。この電気接続構造体350は、参考形態2の電気接続構造体150と同じように、それぞれの電気接続部335,345を互いに重ね合わせて挿入する挿入空間351と、この挿入空間351で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部335,345の相互間での押し付けを可能にする2つの押圧部352と、を備える(図28)。
具体的に、本変形例の電気接続構造体350は、バスバ330,340とは別の部材である接続部材350Pを備えている(図26から図28)。この例示の接続部材350Pは、金属等の導電性材料で成形する。
この接続部材350Pは、前述した実施形態の接続部材250Pの2つの押圧部252A,252B及び連結部253と同等の2つの押圧部352A,352B及び連結部353を有する(図26から図28)。従って、この接続部材350Pにおいては、それぞれの押圧部352A,352Bの自由端352A1,352B1側がそれぞれの電気接続部335,345との接触部となり、そのそれぞれの接触部によってそれぞれの電気接続部335,345を重ね合わせた状態で挟持する。それぞれの自由端352A1,352B1は、実施形態の接続部材250Pと同じように、挿入空間351とは逆側の外方に向けて折り曲げている。
この接続部材350Pは、実施形態の接続部材250Pと同じように、それぞれの電気接続部335,345に対する挟持力を設定することが望ましい。しかしながら、この接続部材350Pは、それぞれの電気接続部335,345の挿入空間351に対する挿抜を阻害しない範囲内でその挟持力を設定する必要があるので、外力(走行中の車体側からの入力、走行中の加減速に伴う入力等)が加わったときの策を講じておくことが望ましい。そこで、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、それぞれの電気接続部335,345と接続部材350Pとの間に、その接続部材350Pによる2つの電気接続部335,345の挟持状態を保つ保持機構360を設ける(図26及び図28)。
その保持機構360は、2つの電気接続部335,345の内の少なくとも一方に設けた第1係止部361と、接続部材350Pの2つの押圧部352A,352Bの内の少なくとも一方に設け、接続部材350Pによる2つの電気接続部335,345の挟持状態のときにその挟持状態を保ち得るように第1係止部361との間で係止可能な状態となる第2係止部362と、を備えている(図28)。この保持機構360は、第1係止部361と第2係止部362の内の一方を突起部として形成し、その内の他方を突起部が挿入される被挿入部として形成する。
この例示では、電気接続部345に被挿入部としての第1係止部361を設けると共に、押圧部352Bに突起部としての第2係止部362を設ける。第1係止部361は、電気接続部345に矩形の貫通孔状の被挿入部として形成する(図28)。第2係止部362は、押圧部352Bにおける固定端と自由端352B1の間(例えば、押圧部352Bの略中央)にプレス成形で片持ちの片体状に形成する。この第2係止部362は、固定端側を支点にして挿入空間351側に折り曲げることで、その挿入空間351に突出させる(図26、図28及び図29)。
この保持機構360においては、挿入空間351にそれぞれの電気接続部335,345を挿入していくことで、突起部としての第2係止部362が被挿入部としての第1係止部361に挿入される(図30)。よって、この保持機構360は、接続部材350Pのそれぞれの電気接続部335,345からの脱離を抑えることができる。従って、本変形例の電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、参考形態2と同様の効果を得つつ、接続部材350Pによる2つの電気接続部335,345の挟持状態を保ち続けることができるので、それぞれのバスバ330,340間の電気的な接続状態を保ち続けることができる。
[変形例2]
本変形例は、前述した参考形態2の電気配線ブロック接合体2において、バスバ130,140と電気接続構造体150(接続部材150P)とを各々下記のバスバ430,440と電気接続構造体450(接続部材450P)とに置き換えたものであり、その電気接続構造体450の関係する部位のみを変更している(図31から図33)。従って、以下においては、電気接続構造体450の関係している部位のみを抜粋して説明する。尚、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、前述した参考形態2と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。
バスバ430は、参考形態2のバスバ130と同様の形状に形成された6つの端子接続部131と第1から第3の連結部132-134とを有しており(図示略)、この端子接続部側431A(図31から図33)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ430は、その端子接続部側431Aに繋がれた電気接続部435を有する(図31から図33)。
その電気接続部435と端子接続部側431Aは、接合後の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の配列方向(ブロック配列方向)に沿うように並べられている(図31から図33)。電気接続部435は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部435は、自由端側の辺部がブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。
バスバ440は、参考形態2のバスバ140と同様の形状に形成された10個の端子接続部141と第1から第3の連結部142-144とを有しており(図示略)、この端子接続部側441A(図31から図33)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ440は、その端子接続部側441Aに繋がれた電気接続部445を有する(図31から図33)。
その電気接続部445と端子接続部側441Aは、ブロック配列方向に沿うように並べられている。電気接続部445は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部445は、自由端側の辺部がブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。
バスバ430,440は、それぞれの電気接続部435,445の対向配置された平面同士を互いに重ね合わせて結合させる。電気接続構造体450は、その結合を担うものである。この電気接続構造体450は、参考形態2の電気接続構造体150と同じように、それぞれの電気接続部435,445を互いに重ね合わせて挿入する挿入空間451と、この挿入空間451で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部435,445の相互間での押し付けを可能にする2つの押圧部452と、を備える(図33)。
具体的に、本変形例の電気接続構造体450は、バスバ430,440とは別の部材である接続部材450Pを備えている(図31から図33)。この例示の接続部材450Pは、金属等の導電性材料で成形する。
この接続部材450Pは、押圧部452として、互いに間隔を空けて対向配置された2つの押圧部452A,452Bを有する(図31から図33)。また、この接続部材450Pは、その2つの押圧部452A,452Bを連結させる連結部453を有する(図31から図33)。この接続部材450Pは、その2つの押圧部452A,452Bと連結部453の間に形成された挿入空間451を有する。
それぞれの押圧部452A,452Bは、各々同等の矩形の板状に形成し、それぞれの平面同士を向かい合わせにして対向配置する。連結部453は、それぞれの押圧部452A,452Bの対向配置された端部(一辺)同士を繋ぐ部位である。この例示の接続部材450Pは、矩形の金属板を中央で折り曲げ加工したが如き形状の主体を有しており、その折り曲げ点に連結部453が配置されている。
但し、それぞれの押圧部452A,452Bは、それぞれの電気接続部435,445が挿入空間451に挿入される前の状態で、連結部453側の端部(つまり、固定端)の間隔よりも自由端452A1,452B1の間隔が狭くなるように形成する(図33)。その固定端の間隔は、それぞれの電気接続部435,445の板厚の合計値以上の広さとする。一方、自由端452A1,452B1の間隔は、それぞれの電気接続部435,445の板厚の合計値よりも狭めておく。この例示の接続部材450Pにおいては、それぞれの電気接続部435,445の挿入状態で押圧部452Aと電気接続部435の平面同士が重ね合わされるように、その押圧部452Aを形成する。この例示の接続部材450Pにおいては、その一方の押圧部452Aを基準にして、他方の押圧部452Bが固定端側を支点にして挿入空間451側(つまり、押圧部452A側)に折り曲げられている。これにより、この例示の接続部材450Pにおいては、それぞれの自由端452A1,452B1の間隔をそれぞれの電気接続部435,445の板厚の合計値よりも狭めている。
本変形例の電気配線ブロック接合体2は、前述した変形例1と同じように、それぞれの電気接続部435,445と接続部材450Pとの間に、その接続部材450Pによる2つの電気接続部435,445の挟持状態を保つ保持機構460を設けている(図31及び図33)。その保持機構460は、2つの電気接続部435,445に各々設けた第1係止部461と、接続部材450Pの2つの押圧部452A,452Bの内の一方に設け、接続部材450Pによる2つの電気接続部435,445の挟持状態のときにその挟持状態を保ち得るように第1係止部461との間で係止可能な状態となる第2係止部462と、を備えている(図31及び図33)。この保持機構460は、第2係止部462を突起部として形成し、第1係止部461を突起部が挿入される貫通孔状の被挿入部として形成する。この例示では、押圧部452Aに第2係止部462を設けている。
それぞれの電気接続部435,445には、各々、ブロック配列方向に間隔を空けて並べて配置した2つの第1係止部461が形成されている(図31、図33及び図34)。それぞれの電気接続部435,445においては、互いに重ね合わされた状態のときに、一方の第1係止部461同士が対向配置されて1つの貫通孔を成し、他方の第1係止部461同士が対向配置されて1つの貫通孔を成している。尚、この例示の電気接続部435では、自由端側に配置した第1係止部461を当該自由端の辺部まで繋げた切欠き状の貫通孔として形成している。また、この例示の電気接続部445では、自由端側に配置した第1係止部461を当該自由端の辺部まで繋げた切欠き状の貫通孔として形成している。
第2係止部462は、押圧部452Aの自由端452A1側の2箇所に設ける(図31及び図33)。それぞれの第2係止部462は、押圧部452Aの自由端452A1側の辺部から挿入空間451側に突出させた片体状のものとして形成する。この例示の第2係止部462は、それぞれの電気接続部435,445の結合面に対する直交方向に突出させている。この接続部材450Pにおいては、その2つの第2係止部462を設けるべく、一方の押圧部452Aの自由端452A1側を他方の押圧部452Bの自由端452B1よりも突出させている(図35)。この第2係止部462は、第1係止部461同士が対向配置されて重ねられた1つの貫通孔に挿入させるべく、その1つの貫通孔の孔深さに相当する長さを有している。
接続部材450Pにおいては、挿入に際して押圧部452Bの自由端452B1で電気接続部445を傷付けぬように、その自由端452B1を挿入空間451とは逆側の外方に向けて折り曲げている。よって、この接続部材450Pにおいては、その自由端452B1の折り曲げ部分と2つの第2係止部462との間に、それぞれの電気接続部435,445の挿入口454が形成される(図33及び図35)。
図36には、この接続部材450Pの挿入空間451へのそれぞれの電気接続部435,445の挿入動作を示している。この接続部材450Pにおいては、重ね合わせたそれぞれの電気接続部435,445を挿入口454に挿入する。しかる後、この接続部材450Pは、それぞれの電気接続部435,445が挿入空間451に案内されるように、自由端452B1側を回動支点にして回動させる。この接続部材450Pは、その回動動作に伴い、それぞれの押圧部452A,452Bの自由端452A1,452B1の間隔を拡げながら、それぞれの電気接続部435,445を挿入空間451に挿入していく。この接続部材450Pにおいては、それぞれの電気接続部435,445の挿入が完了に近づくと、回動動作に連動して、それぞれの第2係止部462がそれぞれの電気接続部435,445の第1係止部461に挿入される。この接続部材450Pにおいては、それぞれの第2係止部462の挿入完了と共に、それぞれの電気接続部435,445の挿入が完了する。
以上示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、参考形態2と同様の効果を得つつ、接続部材450Pによる2つの電気接続部435,445の挟持状態を保ち続けることができるので、それぞれのバスバ430,440間の電気的な接続状態を保ち続けることができる。更に、この電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、接続部材450Pの回動動作に伴う梃子の原理を利用して、それぞれの押圧部452A,452Bの自由端452A1,452B1の間隔を拡げていくことができる。従って、この電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、接続部材450Pとそれぞれの電気接続部435,445とを組み付ける際の力を軽減させることができるので、その組付作業性を向上させることができる。
[変形例3]
図37から図39の符号3は、本変形例の電気配線ブロック接合体を示す。ここで図示しないが、この電気配線ブロック接合体3は、前述した参考形態2と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。
電気配線ブロック接合体3は、前述した参考形態2と同じように、複数の電気配線ブロックが接合されたものである。この電気配線ブロック接合体2においては、本変形例でも、前述した参考形態2と同じように、相互間での接合対象となる2つの電気配線ブロックの間でそれぞれのバスバを結合させることによって、その2つの電気配線ブロックを接合させる。そして、この電気配線ブロック接合体3は、それぞれのバスバの電気接続部を結合させる電気接続構造体を備えている。
ここでは、2つの電気配線ブロック(第1電気配線ブロック510、第2電気配線ブロック520)を備えた電気配線ブロック接合体3について例示する(図37から図39)。第1電気配線ブロック510(図37から図41)と第2電気配線ブロック520(図37から図39、図42及び図43)は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
第1電気配線ブロック510は、参考形態2の第1電気配線ブロック110と同様のものであり、回路保護部品EP1とバスバ530を収容する(図39及び図40)。この第1電気配線ブロック510には、回路保護部品EP1を収容及び保持する第1収容室511(図40)と、バスバ530を収容及び保持する第2収容室512(図41)と、が形成されている。回路保護部品EP1は、開口部511a(図40)を介して第1収容室511に収容される。バスバ530は、開口部512a(図41)を介して第2収容室512に収容される。この第1電気配線ブロック510においては、第1電気配線ブロック110と同様の数量と配置で第1収容室511と第2収容室512とが形成されている。
バスバ530は、参考形態2のバスバ130と同様の形状に形成された6つの端子接続部531と第1から第3の連結部532-534とを有しており(図39及び図40)、この端子接続部側531Aに電子部品EP(回路保護部品EP1)が電気的に接続される。更に、このバスバ530は、その端子接続部側531Aに繋がれた電気接続部535を有する(図39、図40、図44及び図45)。
その電気接続部535と端子接続部側531Aは、接合後の第1電気配線ブロック510と第2電気配線ブロック520の配列方向(ブロック配列方向)に沿うように並べられている(図39)。電気接続部535は、端子接続部側531Aの板状の端部531A1からL字状に折り曲げて突出させた板状に形成する(図40、図44及び図45)。この例示では、端子接続部側531Aの端部531A1における辺部をブロック配列方向に対する直交方向に延在させ、その辺部から電気接続部535をL字状に折り曲げている。このバスバ530においては、その電気接続部535がブロック配列方向に対して直交方向に延在している。この例示の電気接続部535は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部535は、突出方向側(自由端側)の辺部がブロック配列方向と突出方向とに対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック510の後述する第3収容室513に開口部513aから挿入される。
本変形例のバスバ530は、端子接続部側531Aの端部531A1における電気接続部535との境界部分536に貫通孔536aを形成している(図44及び図45)。この例示では、端子接続部側531Aの端部531A1における辺部に沿って延在させた矩形状の貫通孔536aを形成している。その境界部分536には、端部531A1の辺部に沿う方向で、貫通孔536aを間に挟む第1及び第2の壁体(以下、「第1及び第2の境界壁体」という。)536b,536cが残存している(図44)。第3収容室513においては、後述するが如く電気接続部535が収容された際に、第1境界壁体536bが開口部513b側に配置され、第2境界壁体536cが開口部513a側に配置される。
第2電気配線ブロック520は、参考形態2の第2電気配線ブロック120と同様のものであり、リレーEP2とバスバ540を収容する(図39及び図42)。この第2電気配線ブロック520には、リレーEP2を収容及び保持する第1収容室521(図42)と、バスバ540を収容及び保持する第2収容室522(図43)と、が形成されている。リレーEP2は、開口部521a(図42)を介して第1収容室521に収容される。バスバ540は、開口部522a(図43)を介して第2収容室522に収容される。この第2電気配線ブロック520においては、第2電気配線ブロック120と同様の数量と配置で第1収容室521と第2収容室522とが形成されている。
バスバ540は、参考形態2のバスバ140と同様の形状に形成された10個の端子接続部541と第1から第3の連結部542-544とを有しており(図39及び図42)、この端子接続部側541Aに電子部品EP(リレーEP2)が電気的に接続される。更に、このバスバ540は、その端子接続部側541Aに繋がれた電気接続部545を有する(図39及び図42)。
その電気接続部545と端子接続部側541Aは、ブロック配列方向に沿うように並べられている(図39)。電気接続部545は、端子接続部側541Aの板状の端部541A1からL字状に折り曲げて突出させた板状に形成する(図42)。この例示では、端子接続部側541Aの端部541A1における辺部をブロック配列方向に対する直交方向に延在させ、その辺部から電気接続部545をL字状に折り曲げている。このバスバ540においては、その電気接続部545がブロック配列方向に対して直交方向に延在している。この例示の電気接続部545は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部545は、突出方向側(自由端側)の辺部がブロック配列方向と突出方向とに対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック510の第3収容室513に開口部513aから挿入される。
本変形例のバスバ540は、端子接続部側541Aの端部541A1における電気接続部545との境界部分546に貫通孔546aを形成している(図44及び図45)。この例示では、端子接続部側541Aの端部541A1における辺部に沿って延在させた矩形状の貫通孔546aを形成している。その境界部分546には、端部541A1の辺部に沿う方向で、貫通孔546aを間に挟む第1及び第2の壁体(以下、「第1及び第2の境界壁体」という。)546b,546cが残存している(図45)。第3収容室513においては、後述するが如く電気接続部545が収容された際に、第1境界壁体546bが開口部513b側に配置され、第2境界壁体546cが開口部513a側に配置される。
この電気配線ブロック接合体3においては、第1収容室511の開口部511a(回路保護部品EP1の挿入口)と第1収容室521の開口部521a(リレーEP2の挿入口)とが同じ向きに口を開け、かつ、第2収容室512の開口部512a(バスバ530の挿入口)と第2収容室522の開口部522a(バスバ540の挿入口)とが同じ向きに口を開けるように、第1電気配線ブロック510と第2電気配線ブロック520とを接合する。
この電気配線ブロック接合体3においては、2つの電気接続部535,545と後述する接続部材550Pとが収容される第3収容室を第1電気配線ブロック510と第2電気配線ブロック520の内の少なくとも一方に設けている。ここでは、第1電気配線ブロック510に第3収容室513を設ける(図37から図41)。その第3収容室513には、第2収容室512にバスバ530が収容された際に、電気接続部535が挿入される。第3収容室513は、第2収容室512の開口部512aと同じ向きに口を開けた開口部513aを有する(図41)。電気接続部535は、その開口部513aから挿入される。ここで、第2電気配線ブロック520においては、第2収容室522にバスバ540が収容された際に、電気接続部545を外方に向けて突出させている。よって、その電気接続部545は、それぞれの電気接続部535,545を接続部材550Pによって結合させた状態で、それぞれのバスバ530,540を第1電気配線ブロック510と第2電気配線ブロック520に収容するのであれば、電気接続部535及び接続部材550Pと共に第3収容室513に開口部513aから挿入される。
一方、第3収容室513は、第1収容室511の開口部511aと同じ向きに口を開けた開口部513bを有する(図37から図40)。後述する接続部材550Pは、それぞれのバスバ530,540が収容されている第1電気配線ブロック510と第2電気配線ブロック520とを接合し、その後でそれぞれの電気接続部535,545を後述する挿入空間551に挿入するのであれば、第3収容室513に開口部513bから挿入しつつ、それぞれの電気接続部535,545を挟持させる。
更に、第3収容室513には、電気接続部545の挿入を阻害せぬように切欠き513cを設けている(図41)。
ここで、それぞれのバスバ530,540は、各々の端子接続部側531A,541Aの端部531A1,541A1同士が同一平面上に配置された状態で、各々の電気接続部535,545を重ね合わせる。よって、第1電気配線ブロック510の第3収容室513においては、それぞれの電気接続部535,545がそのような状態で収容されている。電気配線ブロック接合体3は、その重ね合わせた電気接続部535,545を結合させる電気接続構造体550を備えている(図39、図40、図44及び図45)。
その電気接続構造体550は、参考形態2の電気接続構造体150と同じように、それぞれの電気接続部535,545を互いに重ね合わせて挿入する挿入空間551と、この挿入空間551で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部535,545の相互間での押し付けを可能にする2つの押圧部552と、を備える(図40及び図44から図46)。
具体的に、本変形例の電気接続構造体550は、バスバ530,540とは別の部材である接続部材550Pを備えている(図39、図40及び図44から図46)。この例示の接続部材550Pは、金属等の導電性材料で成形する。
この接続部材550Pは、前述した実施形態の接続部材250Pの2つの押圧部252A,252B及び連結部253と同等の2つの押圧部552A,552B及び連結部553を有する(図40及び図44から図46)。従って、この接続部材550Pにおいては、それぞれの押圧部552A,552Bの自由端552A1,552B1側がそれぞれの電気接続部535,545との接触部となり、そのそれぞれの接触部によってそれぞれの電気接続部535,545を重ね合わせた状態で挟持する。それぞれの自由端552A1,552B1は、実施形態の接続部材250Pと同じように、挿入空間551とは逆側の外方に向けて折り曲げている。
本変形例の接続部材550Pは、更に、第1から第3の突起部554-556を有する(図46)。
第1突起部554は、一方の押圧部552Aから突出させる。この第1突起部554は、2つの電気接続部535,545の挿入空間551への挿入完了状態で一方のバスバ530の貫通孔536aに挿入させるものである。よって、この第1突起部554は、一方の押圧部552Aにおけるバスバ530の境界部分536側の辺部から境界部分536の貫通孔536aに向けて突出させる。ここで、この第1突起部554は、一方の押圧部552Aと同一平面上で突出させている。故に、貫通孔536aは、境界部分536にて、この第1突起部554の挿入を可能にする位置に配置する。
第2突起部555は、他方の押圧部552Bから突出させる。この第2突起部555は、2つの電気接続部535,545の挿入空間551への挿入完了状態で他方のバスバ540の貫通孔546aに挿入させるものである。よって、この第2突起部555は、他方の押圧部552Bにおけるバスバ540の境界部分546側の辺部から境界部分546の貫通孔546aに向けて突出させる。ここで、この第2突起部555は、他方の押圧部552Bと同一平面上で突出させている。故に、貫通孔546aは、境界部分546にて、この第2突起部555の挿入を可能にする位置に配置する。
第3突起部556は、第1及び第2の突起部554,555と同じ向きに連結部553から突出させる。この第3突起部556は、挿入完了状態(2つの電気接続部535,545の挿入空間551への挿入完了状態)での第1突起部554との間で一方のバスバ530の境界部分536における第1境界壁体536bを挟み込み、かつ、その挿入完了状態での第2突起部555との間で他方のバスバ540の境界部分546における第1境界壁体546bを挟み込むように形成する。
本変形例の接続部材550Pは、そのような第1から第3の突起部554-556を有しているので、それぞれの電気接続部535,545を挿入空間551に挿入しながら、第1から第3の突起部554-556の内の第3突起部556のみをそれぞれの第1境界壁体536b,546bに引っ掛けることができる(図47及び図48)。例えば、この接続部材550Pにおいては、それぞれの電気接続部535,545の隅部を第1から第3の突起部554-556側の開口から挿入空間551に挿入し始める。接続部材550Pは、第3突起部556をそれぞれの第1境界壁体536b,546bに引っ掛けた後、この第3突起部556を回動支点にして2つの電気接続部535,545に対して回動させながら、第1及び第2の突起部554,555を各々の貫通孔536a,546aに挿入する(図47及び図48)。接続部材550Pにおいては、その第1及び第2の突起部554,555の挿入完了と共に、2つの電気接続部535,545の挿入空間551への挿入が完了する。よって、この電気接続構造体550は、接続部材550Pとそれぞれの電気接続部535,545とを組み付ける際の力を軽減させることができる。
ここで、第1突起部554は、挿入完了状態(2つの電気接続部535,545の挿入空間551への挿入完了状態)で接続部材550Pを2つの電気接続部535,545の突出方向へと動かした際に一方のバスバ530の第1境界壁体536bに係止される係止突起554aを有していてもよい(図44及び図46)。その係止突起554aは、第1境界壁体536bと共に、接続部材550Pによる2つの電気接続部535,545の挟持状態を保つ保持機構として作用する。この係止突起554aは、第3突起部556をそれぞれの第1境界壁体536b,546bに引っ掛け、かつ、この第3突起部556を回動支点にして2つの電気接続部535,545に対して回動させた際に、貫通孔536aに対する挿抜が行えるように形成する。これにより、接続部材550Pにおいては、第1突起部554の貫通孔536aに対する挿抜が阻害されない。
これと同様に、第2突起部555は、その挿入完了状態で接続部材550Pを2つの電気接続部535,545の突出方向へと動かした際に他方のバスバ540の第1境界壁体546bに係止される係止突起555aを有していてもよい(図45及び図46)。その係止突起555aは、第1境界壁体546bと共に、接続部材550Pによる2つの電気接続部535,545の挟持状態を保つ保持機構として作用する。この係止突起555aは、第3突起部556をそれぞれの第1境界壁体536b,546bに引っ掛け、かつ、この第3突起部556を回動支点にして2つの電気接続部535,545に対して回動させた際に、貫通孔546aに対する挿抜が行えるように形成する。これにより、接続部材550Pにおいては、第2突起部555の貫通孔546aに対する挿抜が阻害されない。
以上示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体3、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、参考形態2と同様の効果を得つつ、接続部材550Pとそれぞれの電気接続部535,545とを組み付ける際の力を軽減させることができ、その組付作業性を向上させることができる。また、この電気配線ブロック接合体3、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、接続部材550Pによる2つの電気接続部535,545の挟持状態を保ち続けることができるので、それぞれのバスバ530,540間の電気的な接続状態を保ち続けることができる。更に、この電気配線ブロック接合体3は、それぞれのバスバ530,540を端子接続部側531A,541Aと電気接続部535,545との間でL字状に折り曲げているので、ブロック配列方向での体格の小型化を図ることができる。かかる小型化については、電気接続箱JBやワイヤハーネスWHとして構成された際にも有用なものとして作用する。
[変形例4]
本変形例は、前述した実施形態の電気配線ブロック接合体2において、バスバ230,240を各々下記のバスバ630,640に置き換えたものである(図49から図52)。そのバスバ630,640は、電気接続構造体250(接続部材250P)の関係する部位のみを変更している。従って、以下においては、電気接続構造体250の関係している部位のみを抜粋して説明する。尚、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、前述した実施形態と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。
バスバ630は、実施形態のバスバ230と同様の形状に形成された6つの端子接続部131と第1から第3の連結部132-134とを有しており(図示略)、この端子接続部側631A(図49から図51)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ630は、その端子接続部側631Aに繋がれた電気接続部635を有する(図49及び図51)。
その電気接続部635と端子接続部側631Aは、接合後の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の配列方向(ブロック配列方向)に沿うように並べられている(図49及び図51)。電気接続部635は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部635は、自由端側の辺部がブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。
バスバ640は、実施形態のバスバ240と同様の形状に形成された10個の端子接続部141と第1から第3の連結部142-144とを有しており(図示略)、この端子接続部側641A(図49から図51)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ640は、その端子接続部側641Aに繋がれた電気接続部645を有する(図50及び図51)。
その電気接続部645と端子接続部側641Aは、ブロック配列方向に沿うように並べられている(図50及び図51)。電気接続部645は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部645は、自由端側の辺部がブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。
バスバ630,640は、それぞれの電気接続部635,645の対向配置された平面(結合面635a,645a)同士を互いに重ね合わせて結合させる(図52)。それぞれの電気接続部635,645は、実施形態と同じ電気接続構造体250の接続部材250Pで外側の平面(以下、「外方平面」という。)635b,645b側から挟持される(図52)。尚、外方平面635b,645bとは、矩形の板状の電気接続部635,645における結合面635a,645aとは逆側の平面のことである。
ここで、その接続部材250Pの挿入空間251は、2つの電気接続部635,645の挿入完了状態のときに、その2つの電気接続部635,645との間の隙間からなる余剰空間部251aを有している(図52)。電気配線ブロック接合体2においては、その余剰空間部251aに結露等で生じた水が溜まってしまうことを好ましいこととしない。そこで、この電気配線ブロック接合体2には、余剰空間部251aの水を外に排出する排水構造660を設ける(図49から図52)。その排水構造660は、2つの電気接続部635,645の内の少なくとも一方に設ける。
本変形例では、それぞれの電気接続部635,645に、余剰空間部251aに連通し、かつ、挿入空間251の外に繋がる空間部635c,645cを形成し、その空間部635c,645cを排水構造660として利用する(図49から図52)。空間部635c,645cは、外方平面635b,645bに形成した溝であり、それぞれの電気接続部635,645の第3収容室113への挿入方向に沿って、その方向の両端面を繋ぐように延在させている。この例示の空間部635c,645cは、余剰空間部251a側の端部の溝幅を余剰空間部251a側の端面に近づくにつれて徐々に拡げることで、余剰空間部251aの水を浸入させ易くしている。
以上示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、実施形態と同様の効果を得つつ、余剰空間部251aの水を排出させることができる。よって、この電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、それぞれのバスバ630,640間の電気的な接続状態を保つことができるので、耐久性の向上を可能にする。
[変形例5]
本変形例は、前述した実施形態の電気配線ブロック接合体2において、バスバ230,240と電気接続構造体250(接続部材250P)とを各々下記のバスバ730,740と電気接続構造体750(接続部材750P)とに置き換えたものであり、その電気接続構造体750の関係する部位のみを変更している(図53から図56)。従って、以下においては、電気接続構造体750の関係している部位のみを抜粋して説明する。尚、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、前述した実施形態と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。
バスバ730は、実施形態のバスバ230と同様の形状に形成された6つの端子接続部131と第1から第3の連結部132-134とを有しており(図示略)、この端子接続部側731A(図53から図56)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ730は、その端子接続部側731Aに繋がれた電気接続部735を有する(図53から図56)。
その電気接続部735と端子接続部側731Aは、接合後の第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の配列方向(ブロック配列方向)に沿うように並べられている(図53から図56)。電気接続部735は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部735は、自由端側の辺部がブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。
バスバ740は、実施形態のバスバ240と同様の形状に形成された10個の端子接続部141と第1から第3の連結部142-144とを有しており(図示略)、この端子接続部側741A(図53から図56)に電子部品EPが電気的に接続される。更に、このバスバ740は、その端子接続部側741Aに繋がれた電気接続部745を有する(図53から図56)。
その電気接続部745と端子接続部側741Aは、ブロック配列方向に沿うように並べられている(図53から図56)。電気接続部745は、矩形の板状に形成されている。この電気接続部745は、自由端側の辺部がブロック配列方向に対する直交方向に延在しており、その延在方向に沿って第1電気配線ブロック110の第3収容室113に開口部113aから挿入される。
バスバ730,740は、それぞれの電気接続部735,745の対向配置された平面(結合面735a,745a)同士を互いに重ね合わせて結合させる(図56及び図57)。ここで、それぞれの電気接続部735,745には、その結合を阻害せぬよう結合面735a,745a側から外側の平面(外方平面)735b,745b側に突出させ、かつ、それぞれの電気接続部735,745の第3収容室113への挿入方向に沿って延在させるべく、山型に折り曲げた屈曲部735c,745cを少なくとも1つずつ有している(図53から図56)。それぞれの屈曲部735c,745cにおいては、結合面735a,745a側に、その挿入方向に沿って延在する空間部735d,745dが形成される(図55から図57)。それぞれの屈曲部735c,745cは、それぞれの電気接続部735,745の重ね合わせ方向で対向配置させる。この例示では、それぞれの電気接続部735,745に屈曲部735c,745cを2つずつ設けている。
電気接続構造体750は、それぞれの屈曲部735c,745cを残存させたまま、それぞれの電気接続部735,745を結合させる。この電気接続構造体750は、実施形態の電気接続構造体250と同じように、それぞれの電気接続部735,745を互いに重ね合わせて挿入する挿入空間751と、この挿入空間751で互いに重ね合わされたそれぞれの電気接続部735,745の相互間での押し付けを可能にする2つの押圧部752と、を備える(図55)。
具体的に、本変形例の電気接続構造体750は、バスバ730,740とは別の部材である接続部材750Pを備えている(図53から図57)。この例示の接続部材750Pは、金属等の導電性材料で成形する。
この接続部材750Pは、押圧部752として、互いに間隔を空けて対向配置された2つの押圧部752A,752Bを有する(図53から図57)。また、この接続部材750Pは、その2つの押圧部752A,752Bを連結させる連結部753を有する(図53から図57)。この接続部材750Pは、その2つの押圧部752A,752Bと連結部753の間に形成された挿入空間751を有する。
それぞれの押圧部752A,752Bは、各々同等の矩形の板状に形成し、それぞれの平面同士を向かい合わせにして対向配置する。連結部753は、それぞれの押圧部752A,752Bの対向配置された端部(一辺)同士を繋ぐ部位であり、矩形の板状に形成している。
但し、それぞれの押圧部752A,752Bは、それぞれの電気接続部735,745が挿入空間751に挿入される前の状態で、連結部753側の端部(つまり、固定端)の間隔よりも自由端752A1,752B1の間隔が狭くなるように形成する(図55)。その固定端の間隔は、対向配置された屈曲部735c,745cの山の頂点の間隔以上の広さとする。一方、自由端752A1,752B1の間隔は、対向配置された屈曲部735c,745cの山の頂点の間隔よりも狭めておく。
この接続部材750Pは、可撓性を有しており、連結部753側の端部を支点にしてそれぞれの押圧部752A,752Bを撓ませることができる。よって、この接続部材750Pにおいては、それぞれの押圧部752A,752Bの自由端752A1,752B1の間隔が拡げられながら、それぞれの電気接続部735,745が挿入空間751に挿入されていく。従って、この接続部材750Pにおいては、それぞれの押圧部752A,752Bの自由端752A1,752B1側がそれぞれの電気接続部235,245の屈曲部735c,745cとの接触部となり、そのそれぞれの接触部によってそれぞれの電気接続部735,745を重ね合わせた状態で挟持することになる。
この接続部材750Pにおいては、挿入に際してそれぞれの押圧部752A,752Bの自由端752A1,752B1でそれぞれの屈曲部735c,745cを傷付けぬように、それぞれの押圧部752A,752Bの自由端752A1,752B1を挿入空間751とは逆側の外方に向けて折り曲げている(図55)。
この接続部材750Pにおいても、挿入空間751は、前述した変形例4の接続部材250Pと同じように、2つの電気接続部735,745の挿入完了状態のときに、その2つの電気接続部735,745との間の隙間からなる余剰空間部751aを有している(図57)。よって、本変形例の電気配線ブロック接合体2には、その余剰空間部751aの水を外に排出する排水構造760を設ける(図53から図57)。その排水構造760は、2つの電気接続部735,745の内の少なくとも一方に設ける。尚、図56は、電気接続構造体750の排水構造760を排水口側から見た平面図である。
本変形例のそれぞれの電気接続部735,745は、先に示したように空間部735d,745dを有している。そして、対向配置された空間部735d,745dの間には、それぞれの電気接続部735,745の第3収容室113への挿入方向に沿って延在する1つの空間であり、余剰空間部751aに連通し、かつ、挿入空間751の外に繋がるものが形成される。よって、本変形例では、その空間部735d,745dから成る1つの空間を排水構造760として利用する。この例示では、その空間部735d,745dによる排水構造760が2箇所に設けられている。
更に、本変形例の電気接続部735においては、2つの屈曲部735cの間にも空間部735eが形成される(図53、図55及び図56)。また、本変形例の電気接続部745においては、2つの屈曲部745cの間にも空間部745eが形成される(図54から図56)。それぞれの空間部735e,745eは、余剰空間部751aに連通し、かつ、挿入空間751の外に繋がっている。よって、本変形例では、そのそれぞれの空間部735e,745eについても排水構造760として利用する。
以上示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、実施形態と同様の効果を得つつ、余剰空間部751aの水を排出させることができる。よって、この電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、それぞれのバスバ730,740間の電気的な接続状態を保つことができるので、耐久性の向上を可能にする。
更に、本変形例の電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHにおいては、それぞれの電気接続部735,745に屈曲部735c,745cを設けることで、電気接続部735,745と端子接続部側731A,731Bとの間をブロック配列方向に伸縮させたり、屈曲部735c,745cを支点にして電気接続部735,745と端子接続部側731A,731Bとの間を屈曲させたりすることができる。つまり、それぞれの電気接続部735,745には、それぞれの屈曲部735c,745cを実施形態の相対位置可変部237,247と同様のバネ構造体としての相対位置可変部として利用することができる。従って、この電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、それぞれのバスバ730,740に過負荷を与えることなく、それぞれの電気接続部735,745を接続部材750Pで挟み込むことができ、かつ、その挟み込みを行う際の作業性の低下を抑えることができる。
また更に、本変形例の電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHにおいては、それぞれの屈曲部735c,745cを接続部材750Pで挟持する。よって、それぞれの屈曲部735c,745cは、接続部材750Pからの挟持力に抗する反力をバネ力として接続部材750Pに作用させることができる。従って、この電気配線ブロック接合体2、電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHにおいては、例えば、実施形態等と比較して、接続部材750Pと電気接続部735,745との間の接触面積が減るが、その間の接触荷重を増加させることができる。
[参考例]
電気接続構造体は、次のように構成してもよい。図58及び図59の符号950は、ここでの電気接続構造体を示している。この電気接続構造体950は、一方のバスバ930の電気接続部935と他方のバスバ940の電気接続部945のそれぞれの平面同士を重ね合わせた状態で、それぞれのバスバ930,940を結合させるものである。この電気接続構造体950は、それぞれの電気接続部935,945で構成する。
バスバ930は、図示しないが、電気接続部935以外の部分が例えば参考形態1のバスバ30と同じように形成されており、6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34とを有している。
電気接続部935は、矩形の平板部935aと、この平板部935aの対向配置された2つの端部(辺部)から同じ向きに各々突出させた矩形の第1及び第2の片部935b,935cと、を有する。その第1及び第2の片部935b,935cには、各々、矩形の貫通孔935b1,935c1を形成している。それぞれの貫通孔935b1,935c1は、対向配置されている。
バスバ940は、図示しないが、電気接続部945以外の部分が例えば参考形態1のバスバ40と同じように形成されており、10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44とを有している。
電気接続部945は、矩形の平板部945aと、この平板部945aの端部(一辺)の中央から突出させた同一平面の板状の第1突出部945bと、その端部(一辺)の両端から各々突出させた同一平面の板状の第2及び第3の突出部945c,945dと、を有する。この電気接続部945は、その平板部945aと第1突出部945bと第2突出部945cと第3突出部945dをバスバ930の電気接続部935の平板部935aに接触させる。
ここで、第1突出部945bは、突出方向側の先端を電気接続部935の平板部935aに向けて折り曲げている。また、この第1突出部945bは、平板部945a側の根元を支点にした撓み(自らの平面に対する交差方向への撓み)が可能である。よって、電気接続部945は、平板部945aと第2突出部945cと第3突出部945dのそれぞれの平面を電気接続部935の平板部935aの平面に重ね合わせると共に、第1突出部945bの先端を平板部935aの平面に接触させることで接圧を確保している。
第2突出部945cは、電気接続部935の平板部935aに重ね合わされているときに、この電気接続部935の第1片部935bに端部が対向配置される。その第2突出部945cの端部には、第1片部935bの貫通孔935b1に挿通される爪部945c1が形成されている。また、第3突出部945dは、電気接続部935の平板部935aに重ね合わされているときに、この電気接続部935の第2片部935cに端部が対向配置される。その第3突出部945dの端部には、第2片部935cの貫通孔935c1に挿通される爪部945d1が形成されている。ここでは、電気接続部945が電気接続部935の平板部935aに重ね合わされているときに、爪部945c1が貫通孔935b1で係止され、かつ、爪部945d1が貫通孔935c1で係止される。それぞれの電気接続部935,945は、その係止状態のときに、それぞれのバスバ930,940を結合させる。
ここでは、このように電気接続構造体950を構成しているが、この電気接続構造体950を用いたとしても、それぞれのバスバ930,940の結合に、接続作業に手間のかかる従来のような接続部材(螺子止め部材、端子、コネクタ、電線等)を必要としない。従って、この電気接続構造体950が適用された電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスは、先の例示と同様の効果を得ることができる。