JP2017019537A - 液体用紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】易剥離性のテープ状フィルムを用いず、ガスバリア性が損なわれることもなく、容易に解体でき、シール性も安定して壊れにくい液体用紙容器を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂層、紙基材、バリア層、シーラント層が、順次積層された積層体から構成され、紙基材に傷加工Aが施され、バリア層の基材フィルムに傷加工Bが施され、傷加工Aと傷加工Bとが前記積層体の略同一の位置に設けられており、
傷加工Bは、傷加工部(a)を点として、点線状に傷加工部が並び、点線状に傷加工部が並ぶ方向の傷加工部の長さを傷加工部長さ(L1)とし、点線状に傷加工部が並ぶ方向の隣接する2つの傷加工部間の長さを未加工部長さ(L2)とし、傷加工部比率を、傷加工部長さ×100/(傷加工部長さ+未加工部長さ)としたとき、未加工部長さは、5.0mm未満、かつ、傷加工部比率は、0より大きく95%未満であることを特徴とする液体用紙容器。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体用紙容器に関する。
食品や非食品の液体の内容物に使用される液体用紙容器は、果汁飲料、ジュース、お茶、コーヒー、乳飲料、スープ等の液体飲料、日本酒、焼酎等の酒類に広く用いられている。この液体用紙容器は、紙層の内面に熱可塑性樹脂によるシーラント層が設けられた積層材料からなり、紙層とシーラント層の間にアルミ箔やアルミ蒸着フィルム、あるいは、無機酸化物蒸着フィルムなどのバリア性のある層を設けたものなどがある(例えば、特許文献1参照)。
近年、環境保全の問題から使用後の空容器の分別収集や、廃棄物の減容化が行われるようになり、廃棄の際に空容器を解体することが行われている。また、切妻屋根形の屋根板に、口栓を設けた口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器があるが、口栓が強固に溶着しているため、廃棄するために、この口栓を分離するには、トップシール部を開口して、ハサミ等で口栓の周りを切って分離する以外には難しかった。
しかしながら、前述した従来の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器は、トップシール部の熱融着による封鎖が強固であるため、使用後の空容器を解体するときに、手でトップシール部を開口して容器を解体するのが難しいことがあった。
口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器のトップシール部は、折り曲がった積層体が突き当たった状態でシールするため隙間が生じ易いので、口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器の裏面のシーラント層には、溶融時の流動性の良いポリエチレン樹脂が用いられ、高い温度と強い押圧でシールして、隙間を埋めて完全密封するようにしてある。
このようなことから、シール強度が強くなっているためである。シール強度を弱くするために、シールする温度を下げたり、押圧を弱くしたりすると、密封が不完全になり、液漏れが生じてしまう危険性がある。
そのため、トップシール部を開口するのではなく、口栓の開口部からハサミで切り込んでいって、空容器を解体することも行われているが、ハサミで硬い口栓を切ることは極めて困難であり、一般に行われている状況にはない。
この改良として、胴部の側面板を切り破って、それをきっかけとして容易に解体できるようにした液体用紙容器がある。
例えば、紙層の表裏に合成樹脂層を設けた複合シートの両端部を互いに重ね合わせ、シールした胴部貼り合せ部の重ね合わせた外面側の複合シートの端部に、プルタブが設けられており、プルタブは易剥離性のテープ状フィルムによる剥離層を介して剥離可能に設けられている液体用紙容器がある(例えば、特許文献2参照)。
そして、このテープ状フィルムは、四方の側面板の内面に沿って連続して設けられていて、テープ状フィルムの幅方向両端縁に沿って、複合シートの紙層に切り込み線、ハーフカット、ミシン目などのカッテングラインが刻設されている。
公知文献を以下に示す。
特開2003−335362号公報 特許第3843510号公報
しかし、特許文献2の液体用紙容器では、易剥離性のテープ状フィルムが必要であり、また、胴部貼り合せ部のシールが、易剥離性のテープ状フィルムのため不安定になる恐れもあり、また、易剥離性のテープ状フィルムの代わりに、アルミ蒸着フィルム、あるいは、無機酸化物蒸着フィルムなどのバリア性のある層の基材フィルムに傷加工を施すことも考えられるが、傷加工の仕方によってはバリア性が損なわれる恐れもあり、更なる改良が望まれている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、易剥離性のテープ状フィルムを用いず、ガスバリア性が損なわれることもなく、容易に解体でき、シール性も安定して壊れにくい液体用紙容器を提供することを課題とする。
本発明において上記課題を解決するために、まず請求項1の発明では、外層側から内層側に向かって、熱可塑性樹脂層、紙基材、バリア層、シーラント層が、順次積層された積層体から構成され、筒状の胴部と、該胴部の上端を塞ぐ頂部と、前記胴部の下端を塞ぐ底部とからなる液体用紙容器であって、
前記紙基材に傷加工Aが施され、前記バリア層の基材フィルムに傷加工Bが施され、傷加工Aと傷加工Bとが前記積層体の略同一の位置に設けられており、
傷加工Bは、傷加工部を点として、点線状に傷加工部が並び、点線状に傷加工部が並ぶ方向の傷加工部の長さを傷加工部長さとし、点線状に傷加工部が並ぶ方向の隣接する2つの傷加工部間の長さを未加工部長さとし、傷加工部比率を、傷加工部長さ×100/(傷加工部長さ+未加工部長さ)としたとき、未加工部長さは、5.0mm未満、かつ、傷加工部比率は、0より大きく95%未満であることを特徴とする液体用紙容器としたものである。
また、請求項2に係る発明は、外層側から内層側に向かって、熱可塑性樹脂層、紙基材、バリア層、シーラント層が、順次積層された積層体から構成され、筒状の胴部と、該胴部の上端を塞ぐ頂部と、前記胴部の下端を塞ぐ底部とからなる液体用紙容器であって、
前記紙基材に傷加工Aが施され、前記バリア層の基材フィルムに傷加工Bが施され、傷加工Aと傷加工Bとが前記積層体の略同一の位置に設けられており、
傷加工Bは、傷加工部を点として、点線状に傷加工部が並び、点線状に傷加工部が並ぶ方向の傷加工部の長さを傷加工部長さとし、点線状に傷加工部が並ぶ方向の隣接する2つの傷加工部間の長さを未加工部長さとし、傷加工部比率を、傷加工部長さ×100/(傷加工部長さ+未加工部長さ)としたとき、未加工部長さは、2.0mm未満、かつ、傷加工部比率は、0より大きく60%未満であることを特徴とする液体用紙容器としたものである。
また、請求項3に係る発明は、傷加工部は、傷加工部が並ぶ方向を横方向として、刃物を縦方向にして形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体用紙容器としたものである。
請求項1に係る発明は、未加工部長さは、5.0mm未満、かつ、傷加工部比率は、0より大きく95%未満であるので、ガスバリア性が傷加工Bを直線状にした場合よりも良好で、傷加工A及びBから容器を解体することが傷加工Bを一切設けない場合よりも良好にでき、易剥離性のテープ状フィルムを用いないので、シール性も安定して壊れにくいという効果がある。
請求項2に係る発明は、未加工部長さは、2.0mm未満、かつ、傷加工部比率は、0より大きく60%未満であるので、ガスバリア性が傷加工Bを一切設けない場合と同じくらい非常に良好で、しかも、傷加工A及びBから容器を解体することが、傷加工Bが直線状の場合と同じくらいに非常に良好にでき、易剥離性のテープ状フィルムを用いないので、シール性も安定して壊れにくいという効果がある。
請求項3に係る発明は、加工部は、傷加工部が並ぶ方向を横方向として、刃物を縦方向にして形成されたので、傷加工部長さを略0にでき、その結果、傷加工部比率を略0にできて、ガスバリア性が傷加工Bを設けない場合と同じくらい良好で、傷加工A及びBから容器を解体することが傷加工Bを設けない場合よりも良好にでき、易剥離性のテープ状フィルムを用いないので、シール性も安定して壊れにくいという効果がある。
以上、本発明は、易剥離性のテープ状フィルムを用いず、ガスバリア性が損なわれることもなく、容易に解体でき、シール性も安定して壊れにくい液体用紙容器を提供できるという効果がある。
本発明の液体紙容器に用いる積層体の二例を示す断面図であり、(a)はバリア層の蒸着層を紙基材側に向けて積層したものであり、(b)はバリア層の蒸着層をシーラント層側に向けて積層したものである。 本発明の液体紙容器に用いる積層体の他の二例を示す断面図であり、(a)はバリア層の金属箔を紙基材側に向けて積層したものであり、(b)はバリア層の金属箔をシーラント層側に向けて積層したものである。 (a)は本発明の液体用紙容器の一例を示す斜視図であり、(b)は本発明の液体用紙容器の他の一例を示す斜視図である。 本発明の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器の一例のブランクを外側から見た平面図である。 本発明の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器の胴部に設けた傷加工の位置を模式的に示した説明図であり、(a)は基材層に1本施された傷加工Aの位置を外側から示し、(b)バリア層の基材フィルムに1本施された傷加工Bの位置を内側から示し、(c)バリア層の基材フィルムに2本施された傷加工Bの位置を内側から示し、(d)はバリア層の基材フィルムの一部分に1本施された傷加工Bの位置を内側から示すものである。 レーザーでバリア層の基材フィルムに施された傷加工Bの形状を示す説明図である。 刃物でバリア層の基材フィルムに施された傷加工Bの形状を示す説明図である。 本発明の液体用紙容器の一例で傷加工を胴部に設けたときの切断及び解体の方法を説明する斜視図であり、(a)は傷加工の上の部分と下の部分とに分離したものであり、(b)は分離した上の部分に下から鋏を入れて口栓を取り付けた部分を切り取ったものである。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
本発明の液体用紙容器に用いる積層体は、図1及び図2のように、液体用紙容器の外層側から内層側に向かって、熱可塑性樹脂層1、紙基材2、接着樹脂層3、バリア層4、接着剤層5、シーラント層6が、順次積層されたものであって、必要に応じて、熱可塑性樹脂層1の外面に印刷によりインキ層7を設けても良い。
バリア層4は、図1に示すように、基材フィルム4aに蒸着層4bを設けた蒸着フィルム、或いは、図2に示すように、基材フィルム4aに金属箔4cを貼り合わせたラミネートフィルムであって、図1(a)に示すように、蒸着層4bを紙基材2側に向けて積層しても、図1(b)に示すように、蒸着層4bをシーラント層6側に向けて積層しても、図2(a)に示すように、金属箔4cを紙基材2側に向けて積層しても、図2(b)に示すように、金属箔4cをシーラント層6側に向けて積層しても良い。
そして、紙基材2に傷加工Aが施され、また、基材フィルム4aに傷加工Bが施され、2つの傷加工A、Bが、積層体101の略同一の位置に設けられている。
傷加工Bは、図6及び図7に示すように、傷加工部aを点として、点線状に傷加工部が並び、点線状に傷加工部が並ぶ方向の傷加工部の長さを傷加工部長さL1とし、点線状に傷加工部が並ぶ方向の隣接する2つの傷加工部間の長さを未加工部長さL2とし、傷加工部比率を、傷加工部長さL1×100/(傷加工部長さL1+未加工部長さL2)としたとき、未加工部長さは、5.0mm未満、好ましくは2.0mm未満、かつ、傷加工部比率は、0より大きく95%未満、好ましくは0より大きく60%未満である。
後述する実施例で示されるように、未加工部長さを、5.0mm未満、かつ、傷加工部比率を、0より大きく95%未満にすると、ガスバリア性が傷加工Bを直線状にした場合よりも良好で、傷加工A及びBから容器を解体することが傷加工Bを一切設けない場合よりも良好にできる。
また、後述する実施例で示されるように、未加工部長さを、2.0mm未満、かつ、傷加工部比率を、0より大きく60%未満にすると、ガスバリア性が傷加工Bを一切設けない場合と同じくらい非常に良好で、しかも、傷加工A及びBから容器を解体することが、傷加工Bが直線状の場合と同じくらいに非常に良好にできる。
熱可塑性樹脂層1に用いる樹脂には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)または直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)などの熱可塑性樹脂が好ましく使用することができる。熱可塑性樹脂層1は、この熱可塑性樹脂を用いて、紙基材2の外面に押出しラミネーションにより設けることができる。
尚、熱可塑性樹脂層1の外面に必要に応じて設けられるインキ層7は、周知のインキを用いてグラビア印刷やオフセット印刷等の方法で設けられる、絵柄や商品情報などを含む層である。熱可塑性樹脂層1の外面にコロナ処理などの易接着処理を行って、インキ層7との接着性を高めることが好ましい。
紙基材2としては、通常、ミルクカートン原紙等の板紙が用いられる。坪量と密度は容
器の容量やデザインにより適宜選定されるが、通常は坪量200〜500g/mの範囲で密度0.6〜1.1g/cmの紙が好適に用いられる。
接着樹脂層3は、紙基材2とバリア層4とを接着させるためのサンドイッチラミネーションに用いるポリオレフィン系樹脂からなる層である。厚みは10μmから60μmの範囲が通常用いられる。10μm未満では十分な接着強度が得られない。
接着樹脂層3は、具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのエチレン系樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMMA)などのエチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体、カルボン酸部位をナトリウムイオン、あるいは、亜鉛イオンで架橋した、エチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物であるアイオノマー、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂により設けられる。
接着強度を高めるために、紙基材2やバリア層4の面に、コロナ処理、オゾン処理、アンカーコートなどを行っても良い。
バリア層4は、上述したように、基材フィルム4aに蒸着層4bを設けた蒸着フィルムでもよく、蒸着層4bとしては、アルミニウムやスズなどの金属や、シリカやアルミナなどの金属酸化物などを蒸着したものを用いることができる。蒸着層4bの厚みは、5〜100nmが好ましい。
蒸着フィルムに用いる基材フィルム4aには、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどの樹脂フィルムが用いられる。特にポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムが、蒸着加工時や貼り合わせ加工時に、伸縮が少ないので好ましく用いられる。厚さは、6〜25μmのものが好ましく用いられる。但し、基材フィルム4aにポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このポリエチレンテレフタレートフィルムに、レーザーで傷加工Bを施す場合は、このポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さは、12μmのものが好ましく用いられる。
また、バリア層4は、上述したように、基材フィルム4aに金属箔4cを貼り合わせたラミネートフィルムでもよく、金属箔4cとしては、アルミニウム箔を用いることができる。貼り合わせは、ドライラミネーションによって行うことができる。金属箔4cの厚さは、5〜15μmが好ましく用いられる。
ラミネートフィルムに用いる基材フィルム4aには、蒸着フィルムの基材フィルムと同様な樹脂フィルムが用いられる。特にポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムが、貼り合わせ加工時に、伸縮が少ないので好ましく用いられる。その厚さも同様である。
金属の蒸着層4bや金属箔4cは、基材フィルム4aより、紙基材2側に設けることにより、バリア層4を紙基材2と積層した後に、基材フィルム4aにレーザー加工により傷加工Bを行っても、金属の蒸着層4bや金属箔4cがレーザーを遮断することなく、行うことができる。
接着剤層5は、バリア層4と紙基材2とバリア層4とを接着させる接着剤の層である。接着剤層5は、押し出し樹脂層であっても良いし、また、ラミネート用接着剤であっても良い。押し出し樹脂層に用いる樹脂としては、接着樹脂層3と同様に、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。厚みは5μmから20μmの範囲が通常用いられる。また、ラミネート用接着剤としては、ウレタン系2液硬化型のドライラミネ
ート用接着剤(無溶剤型接着剤を含む)を用いることができる。乾燥塗布量は、0.5〜7.0g/mが好ましい。
シーラント層6には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などが使用できる。また、一部ポリブテンを含む層があっても良い。特に直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく用いることができる。
用いる直鎖状低密度ポリエチレンとしては、密度が0.925以下、MIが4以上であるものが好ましく用いられる。シーラント層6の厚みは、30〜100μmが好ましく、Tダイ法やインフレーション法で製膜された無延伸フィルムが好ましく用いられる。
以上、本発明の液体用紙容器に用いる積層体101について説明したが、液体用紙容器としての用途を考慮し、液体用紙容器として要求される剛性や耐久性などを向上する目的で、上記の構成に、他の層を介在させた構成であっても良い。
本発明の液体用紙容器は、図3(a)に示すように、胴部貼り合せ部を設けて筒状にした胴部20と、該胴部の上端を塞ぐ頂部10と、前記胴部の下端を塞ぐ底部30とからなり、頂部10に口栓15を設けた口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器100でも良い。また、本発明の液体用紙容器は、図3(b)のように、頂部も平らな口栓付ブリック型(レンガ型)液体用紙容器200であっても良い。また、図には示さないが、頂部の前方が傾斜部で後方が平らな液体用紙容器や、頂部や底部に頂部材や底部材を設けて、環状脚部などを設けた液体用紙容器であっても良い。
口栓15には、シーラント層6に用いるのと同じ樹脂が使用できる。
本発発明の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器100、口栓付ブリック型(レンガ型)液体用紙容器200は、共に、胴部20を略一周する傷加工Aが紙基材2に施され、傷加工Aと略同一の位置で傷加工Bがバリア層4の基材フィルム4aに施されている。
傷加工Aを、胴部20ではなく頂部10に設けることもできる。頂部10に傷加工Aを設けた場合は、傷加工Aが、胴部20の近傍の頂部10に水平に1本、液体用紙容器100に製函した時に頂部10を1周するように、紙基材2に施されている。そして、傷加工Bが、胴部20の近傍の頂部10に水平に1本、基材フィルム4aに施され、傷加工Aと傷加工Bは、積層体のほぼ同一の位置に設けられている。
本発明の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器100は、積層体101から、図4に示すような、一点鎖線で示す折罫を押圧して設けると同時に打ち抜いて、ブランク102を作成し、このブランク102を折罫に沿って折曲げ、組み立てて必要な部分を加熱融着することによって製造される。
本発明の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器100のブランク102は、図4に示すように、胴部20を形成する、左側面板21、正面板22、右側面板23、背面板24の四枚の四角形状の面板が順次設けられ、左側面板21の左側端縁には、貼着板25が設けられている。貼着板25は頂部10から底部30まで、それぞれ延設されている。
胴部20の上方の頂部10には、正面板22、背面板24の上方に長方形状の屋根板11、11がそれぞれ連設されていて、正面板22の上方の屋根板11には、口栓15に連通して内容物を注ぎ出すための、口栓孔16が設けられている。
左側面板21、右側面板23の上方には、三角形状の折り込み片12、12がそれぞれ連設されている。左側面板21、右側面板23から折り込み片12、12の三角形の頂点までの長さは、正面板22、背面板24の横幅の半分より長く、折りこんだときに、屋根板11、11が平面にならず、傾斜した切妻屋根型になるように形成されている。
三角形状の折り込み片12、12の上の2辺には、折り返し片13、13、13、13が連設されていて、折り返し片13、13、13、13は、それぞれ、屋根板11、11に接続するようになっている。更に、屋根板11、11と折り返し片13、13、13、13の上方には、トップシール部14が設けられている。
屋根板11、11の上方のトップシール部14の高さは、折り返し片13、13、13、13の上方のトップシール部14の高さより高く形成されていて、製函したときにその高い部分では、屋根板11、11の上方のトップシール部14どうしが直接シールされるようになっている。
胴部20の下方の底部30は、頂部10と類似の形状をしていて、正面板22、背面板24の下方に底板31、31がそれぞれ連設されていて、左側面板21、右側面板23の下方には、三角形状の底部折り込み片32、32が三角形の頂点を下にして、それぞれ連設されている。
左側面板21、右側面板23から底部折り込み片32、32の逆三角形の頂点までの長さは、正面板22、背面板24の横幅の半分と略等しく、折りこんだときに、底板31、31が略平面になるように形成されている。
三角形状の底部折り込み片32、32の下の2辺には、底部折り返し片33、33、33、33が連設されていて、底部折り返し片33、33、33、33は、それぞれ、底板31、31あるいは貼着板25に接続している。更に、底板31、31と底部折り返し片33、33、33、33の下方には、ボトムシール部34が設けられている。
そして、図4及び図5(a)に示すように、傷加工Aが、頂部10の近傍の胴部20に水平に1本、紙基材2に施されている。また、図5(b)に示すように、傷加工Bが、頂部10の近傍の胴部20に水平に1本、バリア層4の基材フィルム4aに施され、傷加工Aと傷加工Bは、積層体101の略同一の位置に設けられている。
また、図5(c)に示すように、1本の傷加工Aに対して、積層体101において、この一本の傷加工Aと略同一の位置のバリア層4の基材フィルム4aに、複数本の傷加工Bを設けても良い。
また、傷加工Bは、必ずしも、傷加工Aのように、胴部20を1周するように設けなくても良い。図5(d)のように、製函した時に貼着板25の外側に貼着され、側端面が外側に出る面板である背面板24に設けるだけでも良い。解体するために切断を開始するときに、傷加工Bが傷加工Aと略同一の位置にあれば良く、切断を開始するときの抵抗が抑えられれば良い。
また、図示しないが、傷加工Aと傷加工Bとを略同一の位置に、それぞれ複数本設けても良い。
紙基材2の傷加工Aは、積層体101を貼り合わせた後に、刃型を用いた抜き加工または半抜き加工により設けることができる。表面からの紙基材2までの加工に関しては、紙基材2までの全切れ、半切れ、半切れミシン目、全切れミシン目のいずれでも良い。
また、紙基材2の傷加工Aは、外層側の熱可塑性樹脂層1を積層する前に、刃型を用いた抜き加工または半抜き加工により設けて、その後に、熱可塑性樹脂層1を押出しラミネーションにより設けることができる。紙基材2の傷加工Aは、全切れ、半切れ、半切れミシン目、全切れミシン目のいずれでも良い。
この場合、紙基材2に施された傷加工Aが外側表面に露出することがなく、外からの水や汚れなどが紙基材2の傷加工Aに進入することが無く好ましい。この方法では、傷加工Aと印刷との見当をあわせるために、あらかじめ紙基材2に印刷を施しておくか、または、傷加工時に1色、ガイドラインや見当マークを設けておき、これに合わせて、熱可塑性樹脂層1の外面に印刷を行う。
基材フィルム4aの傷加工Bは、レーザーで、図6に示すように、傷加工部aを、一定方向に複数形成することで、設けることができる。用いるレーザーとしては、特に限定しないが、炭酸ガスレーザーを用いることが好ましい。
また、図7に示すように、傷加工部aを並べる方向を横方向として、刃物を縦方向にして、傷加工部aを、横方向に複数形成することで、基材フィルム4aの傷加工Bを設けても良い。このようにすることで、傷加工部長さL1が略0mmの傷加工部aを形成できる。
基材フィルム4aへの傷加工Bは積層体を貼り合わせる前に行っても良い。
図1(a)に示すように、蒸着層4bを紙基材2側に向けて積層する場合、或いは、図2(a)に示すように、金属箔4cを紙基材2側に向けて積層する場合、基材フィルム4aの傷加工Bは、積層体101を貼り合わせた後に、内層側のシーラント層6を通して、レーザーを用いて設けることができる。この場合、シーラント層6を完全に切断しないのであれば、どのような中間層を、どのような程度までダメージを与えるか、任意に選択可能である。
炭酸ガスレーザーは、周波数が880から1090cm−1で、対象物の吸収ピーク値と合致するとエネルギーを与えて切断したりすることができる。このため、基材フィルム4aがポリエチレンテレフタレートからなる場合、シーラント層側から炭酸ガスレーザーを照射すると、シーラント層はエネルギーを吸収せず、ポリエチレンテレフタレートの基材フィルム4bが吸収し、基材フィルム4bのみに傷加工Bを施すことができる。
本発明の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器100を、図4に示すブランク102を用いて製造するには、左側面板21と正面板22の間の折罫、及び、右側面板23と背面板24の間の折罫を山折りする。このとき、折罫の延長上の頂部10、底部30における折罫も同時に山折りする。
そして、貼着板25の表側を、背面板24、及び、背面板24の上下に位置する頂部10と底部30の裏側にシールさせる。尚、あらかじめ貼着板25の端縁部は、紙基材2が内容物に触れないように、端面保護をおこなうことが望ましい。
端面保護の方法は、内層のシーラント層6を残して、紙基材2から外層側を削り取って、削り残された内層のシーラント層6側を外層側に折り返すスカイブヘミング法や、エッジプロテープを端面が覆われるように貼る方法など、いずれの方法でも構わない。
貼着板25をシールさせたら、正面板22と右側面板23の間の折罫およびその延長線
状の折罫を山折りし、背面板24に貼着している貼着板25と左側面板21の間の折罫およびその延長線状の折罫を山折りし、左側面板21、正面板22、右側面板23、背面板24の四枚の面板からなる四角筒状の胴部20を形成する。
次に、底部30を形成する。まず、底部折り込み片32、32を左側面板21や、右側面板23との間の折罫で内方に折り込み、底部折り返し片33、33、33、33を底部折り込み片32、32との折罫で外側に折り返し、底板31、31を正面板22、背面板24との間の折罫で山折りして、底部折り返し片33、33、33、33の裏面をそれぞれ底板31、31の裏面に対向して接触するようにし、ボトムシール部34をシールして、底部30を形成する。
図4に示すブランク102から胴部20と底部30が形成された液体用紙容器の口栓孔16に口栓15を溶着し、内容物を充填する。続いて、折り込み片12、12を左側面板21、右側面板23との間の折罫で内方に折り込み、折り返し片13、13、13、13を折り込み片12、12との間の折罫で外側に折り返し、屋根板11、11を正面板22、背面板24との間の折罫で山折りして、折り返し片13、13、13、13の裏面をそれぞれ屋根板11、11の裏面に対向して接触するようにし、トップシール部14をシールして、頂部10を形成して、内容物が充填された、図3(a)に示すような、頂部10が切り妻屋根型の本発明の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器100が完成する。
本発明の口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器100を、内容物を使用した後、廃棄するには、貼着板25の上に重なって貼着されている背面板24や屋根板11の側端部において、傷加工A及び傷加工Bの上下を左右の手で摘み、左右の手を反対方向に動かして、傷加工A及び傷加工Bを切断して、図8(a)に示すように、傷加工A及び傷加工Bから、傷加工A及び傷加工Bの上の部分と下の部分に分離する。
そして、分離した口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100の上の部分を、下から鋏を入れて、図8(b)のように、口栓15を取り付けた部分を切り取ることができる。口栓周縁部にU字状の傷加工を、胴部に設けた傷加工と接続するように設けておくことで、鋏を用いずに口栓を切り取ることができるようにしても良い。
そして、傷加工A及び傷加工Bの下の部分は、上端が開口されているので、上端より鋏を入れて、切り開いて平坦にし、減容化して廃棄することができる。また、胴部に上下に傷加工を施し、かつ底部近傍に胴部の1周するような傷加工を施しておき、鋏を用いずに切り開いて平坦にし、減容化して廃棄することができる。バリア層4に金属箔を用いなかった場合では、紙パックなどとしてリサイクルすることも可能となる。
以下に、本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
ポリエチレンテレフタレート基材を基材フィルム4aとし、アルミナ蒸着層を蒸着層4bとして、厚さ12μmのアルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムをバリア層4とし、バリア層4の蒸着層4bに、接着剤層5としてドライラミネート用ウレタン系2液硬化型接着剤を介して、シーラント層6として、厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)層をドライラミネーションによって積層して内装フィルムを作成した。
内装フィルムのバリア層4の基材フィルム4a側から、基材フィルム4aに、未加工部長さL2が1.0mmで、傷加工部長さL1を、傷加工部比率=傷加工部長さL1×10
0/(傷加工部長さL1+未加工部長さL2)が略0%以上60%未満の範囲になる任意の値で、傷加工部aを、一定方向に複数形成することで、傷加工Bを設けた。このとき、傷加工部比率が略0%、すなわち、傷加工部長さL1が略0mmの傷加工部aを形成する場合には、図7に示すように、傷加工部aを並べる方向を横方向として、刃物を縦方向にして、傷加工部aを形成し、傷加工部比率を略0%よりも大きく60%未満の傷加工部aを形成する場合には、平均出力が30Wの炭酸ガスレーザー装置で、照射出力を70%にし、スキャンスピードを2500mm/secにして、図6に示すように、傷加工部aを設けた。
紙基材2として、坪量400g/mの板紙を用意し、紙基材2の片面に、接着樹脂層3として、エチレン・メタクリル酸共重合樹脂(EMMA)をTダイから押し出して30μmの厚さで設け、内装フィルムのバリア層4の基材フィルム層4c側の面を接着樹脂層3の溶融樹脂面に圧着して、紙基材2と内装フィルムとを貼り合わせた。
この紙基材2と内装フィルムとを貼り合わせたものの紙基材2側から、紙基材2に、刃型を設けたロールを用いて抜き加工で、切れ目と継目とが交互に連続して並び、切れ目の長さが1mmで、継目の長さが0.5mmである全切れのミシン目を形成して傷加工Aを設けた。
続いて、紙基材2の内装フィルムを貼り合わせた面とは反対の面に、熱可塑性樹脂層1として、低密度ポリエチレン(LDPE)をTダイから押し出して厚さ18μmで積層した。
また、熱可塑性樹脂層1の積層時、積層直後に熱可塑性樹脂層1の外面にコロナ処理を行った。そして、印刷機で、熱可塑性樹脂層1のコロナ処理面に絵柄となるインキ層7を設けて、図1(b)に示すような、積層体101bを製造した。
そして、積層体101bを打ち抜き加工して図4に示すブランク102を作成した。このとき、傷加工A及び傷加工Bは、屋根板11或いは折り込み片12から80mmの距離に位置するように打ち抜いた。
そして、上述したように、ブランク102に対して、貼着板25の表側を、背面板24、及び、背面板24の上下に位置する頂部10と底部30の裏側にシールさせるサイド貼り加工を行って胴部20を形成し、さらに、底部30を形成し、口栓孔16に口栓15を溶着し、内容物を充填した。
最後に、上述したように、頂部10を形成して、容量2000mlの密封容器を作成し、実施例1の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100とした。
<実施例2>
内装フィルムのバリア層4の基材フィルム4a側から、基材フィルム4aに、平均出力が30Wの炭酸ガスレーザー装置で、照射出力を70%にし、スキャンスピードを2500mm/secにして、図6に示すように、未加工部長さL2が1.0mmで、傷加工部長さL1を、傷加工部比率=傷加工部長さL1×100/(傷加工部長さL1+未加工部長さL2)が60%以上90%未満の範囲になる任意の値で、傷加工部aを、一定方向に複数形成することで、傷加工Bを設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100を作成した。
<比較例1>
内装フィルムのバリア層4の基材フィルム4a側から、基材フィルム4aに、平均出力
が30Wの炭酸ガスレーザー装置で、照射出力を70%にし、スキャンスピードを2500mm/secにして、図6に示すように、未加工部長さL2が1.0mmで、傷加工部長さL1を、傷加工部比率=傷加工部長さL1×100/(傷加工部長さL1+未加工部長さL2)が95%以上の範囲になる任意の値で、傷加工部aを、一定方向に複数形成することで、傷加工Bを設けたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100を作成した。
<実施例3>
内装フィルムのバリア層4の基材フィルム4a側から、基材フィルム4aに、平均出力が30Wの炭酸ガスレーザー装置で、照射出力を70%にし、スキャンスピードを2500mm/secにして、図6に示すように、未加工部長さL2が2.0mm未満で、傷加工部長さL1を、傷加工部比率=傷加工部長さL1×100/(傷加工部長さL1+未加工部長さL2)が10%になる任意の値で、傷加工部aを、一定方向に複数形成することで、傷加工Bを設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100を作成した。
<実施例4>
内装フィルムのバリア層4の基材フィルム4a側から、基材フィルム4aに、平均出力が30Wの炭酸ガスレーザー装置で、照射出力を70%にし、スキャンスピードを2500mm/secにして、図6に示すように、未加工部長さL2が2.0mm以上5.0mm未満で、傷加工部長さL1を、傷加工部比率=傷加工部長さL1×100/(傷加工部長さL1+未加工部長さL2)が10%になる任意の値で、傷加工部aを、一定方向に複数形成することで、傷加工Bを設けたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100を作成した。
<比較例2>
内装フィルムのバリア層4の基材フィルム4a側から、基材フィルム4aに、平均出力が30Wの炭酸ガスレーザー装置で、照射出力を70%にし、スキャンスピードを2500mm/secにして、図6に示すように、未加工部長さL2が5.0mm以上で、傷加工部長さL1を、傷加工部比率=傷加工部長さL1×100/(傷加工部長さL1+未加工部長さL2)が10%になる任意の値で、傷加工部aを、一定方向に複数形成することで、傷加工Bを設けたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100を作成した。
<比較例3>
内装フィルムのバリア層4の基材フィルム4aに、傷加工Bを一切設けないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100を作成した。
<比較例4>
内装フィルムのバリア層4の基材フィルム4a側から、基材フィルム4aに、平均出力が30Wの炭酸ガスレーザー装置で、照射出力を70%にし、スキャンスピードを2500mm/secにして、直線状の傷加工Bを設けたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100を作成した。
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜4の口栓付ゲーベルトップ型液体紙容器100に対して、酸素バリア性と、傷加工A及び傷加工Bからの分離性について評価した。
酸素バリア性については、容器を、気温23℃、相対湿度60%Rhの環境に置き、酸
素透過度(単位:cc/pkg/day)を測定することで評価した。
傷加工A及び傷加工Bからの分離性については、成人男性、成人女性各々30人で、8割以上の人が容易に容器を解体できたものを○とし、解体できたのが8割未満であったものを×とし、8割以上の人が容器を解体できたが、解体がし難かったものを△として評価した。
そして、総合評価は、酸素透過度が、傷加工Bを一切設けない比較例3と同じ0.16で、かつ、傷加工A及び傷加工Bからの分離性が○なものを、○とし、酸素透過度が、傷加工Bを一切設けない比較例3の値0.16よりも大きく、傷加工Bを直線状にした比較例4の値0.21よりも小さいか、或いは、傷加工A及び傷加工Bからの分離性が△なものを、△とし、酸素透過度が傷加工Bを直線状にした比較例4の値0.21と同じか、或いは、傷加工A及び傷加工Bからの分離性が×なものを、×とした。
評価結果を、表1に示す。
Figure 2017019537
表1から明らかなように、未加工部長さが、5.0mm未満であり、かつ、傷加工部比率が、0より大きく95%未満であれば、酸素透過率が0.21cc/pkg/dayよりも小さく酸素バリア性が傷加工Bを直線状にした比較例4よりも良好で、しかも、8割以上の人が必ずしも容易ではないが容器を解体できて傷加工A及び傷加工Bからの分離性も傷加工Bを一切設けない比較例3よりも良好である。
表1から明らかなように、未加工部長さが、2.0mm未満であり、かつ、傷加工部比率が、0より大きく60%未満であれば、酸素透過率が0.16cc/pkg/dayと酸素バリア性が傷加工Bを一切設けない比較例3と同じく非常に良好で、しかも、8割以上の人が容易に容器を解体できて傷加工A及び傷加工Bからの分離性も傷加工Bを直線状にした比較例4と同じように非常に良好である。
1…熱可塑性樹脂層
2…紙基材
3…接着樹脂層
4…バリア層
4a…基材フィルム
4b…蒸着層
4c…金属箔
5…接着剤層
6…シーラント層
7…インキ層
10…頂部
11、11…屋根板
12、12…折り込み片
13、13、13、13…折り返し片
14…トップシール部
15…口栓
16…口栓孔
20…胴部
21…左側面板
22…正面板
23…右側面板
24…背面板
25…貼着板
30…底部
31、31…底板
32、32…底部折り込み片
33、33、33、33…底部折り返し片
34…ボトムシール部
100…口栓付ゲーベルトップ型液体用紙容器
101a、101b、101c、101d…積層体
200…口栓付ブリック型(レンガ型)液体用紙容器
a…傷加工部
A、B…傷加工
L1…傷加工部長さ
L2…未加工部長さ

Claims (3)

  1. 外層側から内層側に向かって、熱可塑性樹脂層、紙基材、バリア層、シーラント層が、順次積層された積層体から構成され、筒状の胴部と、該胴部の上端を塞ぐ頂部と、前記胴部の下端を塞ぐ底部とからなる液体用紙容器であって、
    前記紙基材に傷加工Aが施され、前記バリア層の基材フィルムに傷加工Bが施され、傷加工Aと傷加工Bとが前記積層体の略同一の位置に設けられており、
    傷加工Bは、傷加工部を点として、点線状に傷加工部が並び、点線状に傷加工部が並ぶ方向の傷加工部の長さを傷加工部長さとし、点線状に傷加工部が並ぶ方向の隣接する2つの傷加工部間の長さを未加工部長さとし、傷加工部比率を、傷加工部長さ×100/(傷加工部長さ+未加工部長さ)としたとき、未加工部長さは、5.0mm未満、かつ、傷加工部比率は、0より大きく95%未満であることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 外層側から内層側に向かって、熱可塑性樹脂層、紙基材、バリア層、シーラント層が、順次積層された積層体から構成され、筒状の胴部と、該胴部の上端を塞ぐ頂部と、前記胴部の下端を塞ぐ底部とからなる液体用紙容器であって、
    前記紙基材に傷加工Aが施され、前記バリア層の基材フィルムに傷加工Bが施され、傷加工Aと傷加工Bとが前記積層体の略同一の位置に設けられており、
    傷加工Bは、傷加工部を点として、点線状に傷加工部が並び、点線状に傷加工部が並ぶ方向の傷加工部の長さを傷加工部長さとし、点線状に傷加工部が並ぶ方向の隣接する2つの傷加工部間の長さを未加工部長さとし、傷加工部比率を、傷加工部長さ×100/(傷加工部長さ+未加工部長さ)としたとき、未加工部長さは、2.0mm未満、かつ、傷加工部比率は、0より大きく60%未満であることを特徴とする液体用紙容器。
  3. 傷加工部は、傷加工部が並ぶ方向を横方向として、刃物を縦方向にして形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体用紙容器。
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