JP2017019360A - 鞍乗型車両用認証操作装置及び鞍乗型車両 - Google Patents
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Abstract
Description
前記鞍乗型車両用認証操作装置は、
回転可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに接続され、前記鞍乗型車両の機能を切替えるための操作を受け付けて前記シャフトと共に回転する回転操作部であって、前記鞍乗型車両の機能に対応した操作位置が設定された回転操作部と、
前記シャフトと別の部材からなり前記シャフトに接続されたカム部材であって、前記シャフトよりも大きい外径を有し、前記操作位置に対応する溝が設けられたカム部材と、
前記カム部材の溝に挿入されることで、前記回転操作部の回転を阻止する阻止部と、
前記認証システムにおける認証の結果に応じて前記阻止部を、前記カム部材の溝に対し挿入された位置と前記溝から待避した位置との間で移動させるアクチュエータ部と
を備える。
(1)の鞍乗型車両用認証操作装置におけるカム部材は、シャフトと別の部材からなり、シャフトよりも大きい外径を有している。カム部材に設けられた溝に、アクチュエータ部が阻止部を挿入又は待避させる。カム部材は、シャフトよりも大きい外径を有するので、カム部材には、シャフトよりも多くの溝を設けることが可能となる。このため、シャフトの径が太くなることを抑制しつつ、鞍乗型車両の機能に対応した回転操作部の操作位置を、高い自由度で設定することができる。さらに、(1)の鞍乗型車両用認証操作装置では、溝を有するカム部材が、シャフトと別の部材からなる。このため、例えば回転操作部の操作位置についての設定を変更する場合に、カム部材のみを変更することによって変更に対応することが可能である。回転操作部の操作位置についての設定が容易に変更できるので、回転操作部の操作位置に関する自由度がさらに高められる。
このように、(1)の鞍乗型車両用認証操作装置によれば、大型化を抑制しつつ、操作位置の設計自由度を確保することができる。
前記カム部材の溝には、前記カム部材の所定方向への回転に伴い、前記溝に挿入された前記阻止部を前記溝から押出すことによって前記回転操作部の前記所定方向への回転を許容するカム斜面が設けられている。
前記認証システムは、前記鞍乗型車両を駆動するためのパワーユニットを制御するように前記鞍乗型車両に設けられたパワーユニット制御部と、携帯機と通信することにより、前記鞍乗型車両の使用についての認証を行う認証制御部とを備え、
前記回転操作部は、前記操作位置として、前記パワーユニット制御部の電源がオフ、且つ前記認証制御部による認証が行われていないオフ状態に対応するオフ位置と、前記パワーユニット制御部の電源がオフ、且つ前記認証制御部による認証が確認済みである認証確認済み状態に対応する認証確認済み位置と、パワーユニット制御部の電源がオン、且つ前記認証制御部による認証が確認済みであるパワーユニットオン状態とに対応したオン位置が設定され、
前記カム部材は、少なくとも前記オフ位置及び前記認証確認済み位置に対応した溝が設けられている。
前記鞍乗型車両は、
(1)から(3)いずれか1の鞍乗型車両用認証操作装置を備えている。
例えば、特許文献1に示すスマートモジュールユニットのイグニッションノブロック機構では、ロックピンが係合することでノブが回動不能となる。ソレノイドに通電したときのみ、ロックピンの係合が外れてノブの回動動作が許可される。
しかも、カム部材は、アクチュエータ部よって移動する阻止部と係合するため、アクチュエータ部の周辺に配置されている。アクチュエータ部は、認証を行う認証システムの認証操作装置に通常備えられている部分である。このアクチュエータ部の周辺の空間を利用して、シャフトの径より太いカム部材を配置することができる。
シャフトとは別のカム部材を用いることにより、シャフトの径を太くする場合と比べて、認証操作装置の大型化を抑えることができる。
図1に示す鞍乗型車両10は、自動二輪車である。鞍乗型車両10は、車体11及び2つの車輪12a,12bを備えている。車体11の車体フレーム13には、ヘッドパイプ14が備えられている。ヘッドパイプ14には、フロントフォーク16が支持されている。フロントフォーク16は、前輪12aを回転可能に支持している。フロントフォーク16は、ヘッドパイプの上方に配置されたハンドル17によって操舵可能なように、ヘッドパイプ14に支持されている。
レッグカバー19には、燃料タンク21の給油口(図示せず)にアクセスするためのフューエルリッド28が設けられている。フューエルリッド28は、レッグカバー19に開閉可能に設けられている。レッグカバー19には、フューエルリッド28をロックするためのリッドロック28aが設けられている。リッドロック28aがロック状態から解放されるとフューエルリッド28が開く。
鞍乗型車両10は、鞍乗型車両用認証システムCを備えている。鞍乗型車両用認証システムCは、パワーユニット制御部30、携帯機40、認証制御部50、及び認証操作装置60を備えている。
認証操作装置60は、ハンドル17の回転を阻止するハンドルロックの機能も有している。
図2は、図1に示す認証操作装置60の外観を示す正面図である。
図2には、認証操作装置60のうち、レッグカバー19の外部に露出した正面部分が示されている。
メイン操作部61及びサブ操作部81,82は、鞍乗型車両10の状態を切替えるための操作を受付ける。メイン操作部61は、鞍乗型車両用認証システムCの状態を切替えるための操作を受付ける。メイン操作部61は、パワーユニット制御部30及び認証制御部50の状態を切替えるための操作を受付ける。
メイン操作部61及びサブ操作部81,82のそれぞれは、一部が鞍乗型車両10の外部に露出するように、鞍乗型車両10に設けられている。メイン操作部61及びサブ操作部81,82のそれぞれの一部は、レッグカバー19の外部に露出している。
本実施形態におけるメイン操作部61は、回転操作の荷重を受けて回転する回転ノブである。メイン操作部61は、本発明にいう回転操作部の一例に相当する。
メイン操作部61には、鞍乗型車両10の機能に対応した操作位置が設定されている。メイン操作部61には、操作位置として、LOCK位置(ロック位置)、OFF位置(オフ位置)、OPEN位置(オープン位置)、及びON(オン位置)が設定されている。メイン操作部61は、回転操作を受けて、LOCK位置(ロック位置)、OFF位置(オフ位置)、OPEN位置(オープン位置)、及びON(オン位置)位置に回転する。また、メイン操作部61は、押込みの荷重を受けて押込まれることもできる。なお、回転の方向を区別する場合には、ON位置からOFF位置に向かうメイン操作部61の回転、即ち、図2における反時計回りの回転を、逆回転と称する。
図3には、認証操作装置60のうちのメイン操作部61の断面が示されている。図3では部品の形状を見やすくするためハッチングの一部が省略されている。図4では、各部品を見やすくするため、各部品が図3に示す組立て時の配置とは異なる並び順で配置されている。
シャフト69は、メイン操作部61に取付けられている。シャフト69は、認証操作装置60に回転可能に設けられている。シャフト69は、メイン操作部61に設けられた回転機構として機能する。シャフト69は、メイン操作部61が回転操作を受付けて回転するようにメイン操作部61に設けられている。メイン操作部61は、シャフト69と共に回転する。
操作によるメイン操作部61の変位には、押込み方向Pへの移動と、シャフト69を回転中心とした回転とがある。押込み方向Pは、メイン操作部61から、プレートケース64に向かう方向である。押込み方向Pは、鞍乗型車両10のレッグカバー19の外部に露出した認証操作装置60の正面から、レッグカバー19の内部へ向かう向きである。
メイン操作部61は、回転操作の荷重を受け、シャフト69を回転中心としてシャフト69と共に回転する。
メイン操作部61が押込み方向Pへ押込まれると、押付片71は、リクエストスイッチ72を押すことでリクエストスイッチ72を作動させる。リクエストスイッチ72は、メイン操作部61が押込まれた状態を表す信号を認証制御部50に供給する。
ストッパ部63は、メイン操作部61を、押込み方向Pとは逆方向に付勢する。押込み方向Pに押込まれたメイン操作部61が押込み方向Pへの押込みの荷重から解放されると、メイン操作部61は、押込み方向Pとは逆方向に戻るように変位する。
ソレノイドカム68は、シャフト69と別の部材である。ソレノイドカム68は、メイン操作部61と別の部材である。ソレノイドカム68は、中央に穴が設けられた円盤状の部材である。ソレノイドカム68は、シャフト69より大きい外径を有する。シャフト69が延びる方向、即ち押込み方向Pにおいて、ソレノイドカム68の長さ(厚さ)は、シャフト69の長さより短い。ソレノイドカム68の長さ(厚さ)は、円盤状であるソレノイドカム68の外径より短い。ソレノイドカム68は、メイン操作部61と離れた位置に配置されている。ソレノイドカム68の外径は、メイン操作部61の外径よりも小さい。
ソレノイドカム68は、カムケース74に収容されている。ソレノイドカム68は、シャフト69に接続されている。シャフト69は、ソレノイドカム68を貫通している。ソレノイドカム68は、シャフト69の回転と共に回転する。
溝68a〜68cは、図2に示すメイン操作部61のOPEN位置、OFF位置、及びLOCK位置にそれぞれ対応して配置されている。ソレノイドカム68は、メイン操作部61の回転と共に回転する。メイン操作部61がOPEN位置(図2参照)にある場合、係止部781と対向する位置(図5において係止部781が上から挿入される位置)に、OPEN位置に対応する溝68cが配置される。メイン操作部61がOFF位置(図2参照)にある場合、係止部781と対向する位置に、OFF位置に対応する溝68bが配置される。メイン操作部61がLOCK位置(図2参照)にある場合、係止部781と対向する位置に、LOCK位置に対応する溝68aが配置される。なお、図2に示すメイン操作部61のON位置(図2参照)に対応する位置に、溝は設けられていない。
OPEN位置に対応する溝68cには、カム斜面68sが設けられている。カム斜面68sは、ソレノイドカム68の周方向で溝68cの両側にある段部のうち、一方に設けられている。カム斜面68sは、OFF位置に対応する溝68b寄りに配置されている。
ソレノイド部78が通電されると、係止部781がソレノイドカム68の溝68a〜68cから待避する。つまり、ソレノイド部78及び係止部781は、メイン操作部61の変位の阻止を解除する。この結果、メイン操作部61が回転可能となる。
ソレノイド部78は、認証制御部50の認証の結果に応じてメイン操作部61の変位を阻止する。ソレノイド部78への通電を行うか否かは、認証制御部50の認証結果に応じて制御される。ソレノイド部78及び係止部781は、認証制御部50の認証が認められない場合に、メイン操作部61の変位を阻止する。また、ソレノイド部78及び係止部781は、認証制御部50による認証が認められた場合に、メイン操作部61の変位の阻止を解除する。
また、ソレノイドカム68の溝68aは、メイン操作部61のLOCK位置(図2参照)に対応する位置に設けられている。このため、図2に示すメイン操作部61がLOCK位置にある場合、ソレノイド部78が通電した場合のみメイン操作部61が回転可能である。
ロックプレート65及びロックカム66は、サブ阻止部の一例に相当する。
メイン操作部61の回転に伴いロックカム66が回転すると、ロックカム66の位置に応じて、ロックプレート65が、阻止位置と待避位置との間で移動する。メイン操作部61がOPEN位置にある時、ロックプレート65が待避位置にある。ロックプレート65が阻止位置にある場合、サブ操作部81,82の変位が阻止される。ロックプレート65が待避位置にある場合、サブ操作部81,82の変位が許容される。
サブ操作部81,82は、荷重を加える操作によって変位する。本実施形態におけるサブ操作部81,82は、押込み方向Pへの押込みの荷重を受けて押込み方向Pへ押込まれる押しボタンである。一方のサブ操作部81とリッドロック28aとの間には、図示しないワイヤが接続されている。サブ操作部81が、荷重を受けて変位すると、ワイヤを介して変位が伝達され、リッドロック28aがロック状態から開放される。
また、他方のサブ操作部82とシートロック23aとの間にも、図示しないワイヤが接続されている。サブ操作部82が、荷重を受けて変位すると、ワイヤを介して変位が伝達され、シートロック23aのロックが解除される。従って、シート23を開くことができる。
図6は、図1に示す鞍乗型車両用認証システムCの状態を示す状態遷移図である。図6状態遷移図における各枠は、鞍乗型車両用認証システムCの状態を表す。枠と枠を繋ぐ矢印は、鞍乗型車両用認証システムCの状態の遷移を表す。図6では、遷移の条件が、前記矢印に付されている。
図6は、認証制御部50及びパワーユニット制御部30の動作も示している。
また、図6では、説明の便宜上、エンジン動作状態Q6が、パワーユニットオン状態Q5と別に記載されている。エンジン動作状態Q6では、パワーユニット制御部30の電源がオン、且つ認証制御部50による認証が確認済みである。従って、エンジン動作状態Q6は、パワーユニットオン状態Q5に含まれる。このため、鞍乗型車両用認証システムCがエンジン動作状態Q6である時には、実際には、鞍乗型車両用認証システムCは、パワーユニットオン状態Q5であり且つエンジン動作状態Q6である。
図7(A)は、オフ状態Q2におけるメイン操作部61を示している。図7(B)は、認証確認状態Q3におけるメイン操作部61を示している。図7(C)は、認証確認状態Q3において認証が認められた場合の状態を示している。図7(A)〜図7(C)の概略縦断面図では、ハッチングが省略されている。
図8(A)〜図8(C)に示すように、ソレノイドカム68には、メイン操作部61のLOCK位置、OFF位置、及びON位置(図2参照)に対応する位置に溝68a〜68cが設けられている。
オフ状態Q2は、パワーユニット制御部30の電源がオフであり、且つ認証制御部50による認証が行われていない状態である。
オフ状態Q2は、メイン操作部61が、図2に示すOFFの位置にある状態である。
オフ状態Q2において、ソレノイド部78は通電されていない。従って、図7(A)及び図8(A)に示すように、ソレノイド部78の係止部781がソレノイドカム68の溝68bに挿入されている。このためメイン操作部61は、回転操作の荷重を受けても回転することができない。メイン操作部61の回転は、ソレノイド部78及び係止部781によって阻止されている。
図7(A)のオフ状態Q2において、メイン操作部61に対して押込み方向Pへの押込み操作が行われることによって、図7(B)に示すように、メイン操作部61が押込み方向Pへ押込まれる。つまり、メイン操作部61が変位する。メイン操作部61が押込まれることによって、鞍乗型車両用認証システムCの状態が、オフ状態Q2から、認証確認状態Q3に遷移する。
リクエストスイッチ72の動作によって、認証制御部50が、認証確認状態Q3への遷移を判別する。認証確認状態Q3において、認証制御部50は、携帯機40と通信することにより、鞍乗型車両10の使用についての認証の確認動作を行う。詳細には、認証制御部50が、携帯機40に要求信号を無線で送信する。認証制御部50は、要求信号に応じて携帯機40から無線で送信されてきた応答信号で表されるコードが、鞍乗型車両10に対応するコードと一致するか否か照会する。両者が一致することによって認証が確認される。
図7(C)及び図8(B)は、認証確認状態Q3において、係止部781がソレノイドカム68の溝68bから待避した状態を示している。図7(C)に示す状態は、認証確認状態Q3で認証制御部50による認証が認められた状態である。認証が認められた状態では、係止部781がソレノイドカム68の溝68bから待避しているので、メイン操作部61が回転可能となる。
また、上述したように、認証が認められた場合であっても、次の荷重を加える操作がないまま、所定時間が経過した場合にも、鞍乗型車両用認証システムCの状態が、認証確認状態Q3から、図8(A)に示すオフ状態Q2に戻る。このとき、ソレノイドカム68の溝68bから待避していた係止部781が溝68bに入り込む。所定時間が経過した場合に、オフ状態Q2に戻ることによって、ソレノイド部78に通電されたままの状態が長時間続く事態の発生が抑えられる。
認証確認済み状態Q4は、認証確認状態Q3で認証制御部50による認証が認められた場合に、メイン操作部61に対して回転操作が行われることによってメイン操作部61が回転することにより認証確認状態Q3から遷移する状態である。詳細には、認証確認済み状態Q4は、メイン操作部61が、OFF位置から、OPEN位置に向かう回転操作の荷重を受け、OPEN位置に回転することによって、認証確認状態Q3から遷移する状態である。なお、図2に示すメイン操作部61に対してOFF位置からOPEN位置に向かう回転の向きは、図2における時計回りである。
図2に示すメイン操作部61は、OPEN位置に位置している。図2は、認証確認済み状態Q4を示している。
認証確認状態Q3では、図8(C)に示すように、係止部781がソレノイドカム68の溝68cと対向する。係止部781は、所定時間が経過した場合、溝68cに挿入される。
認証確認済み状態Q4では、パワーユニット制御部30の電源がオフ、且つ認証制御部50による認証が確認済みである。認証確認済み状態Q4とオフ状態Q2とは、認証の状態において異なるが、パワーユニット制御部30の電源がオフである点で共通する。認証確認済み状態Q4では、オープンスイッチ77a(図2参照)が動作し、且つメインスイッチ77bは動作しない。認証制御部50は、オープンスイッチ77aの動作によって、認証確認済み状態Q4への遷移を判別する。
サブ操作部81,82に押込みの荷重が加えられると、サブ操作部81,82が押込まれる。サブ操作部81,82の各々の変位は、図示しないワイヤを介して、それぞれリッドロック28a及びシートロック23aに伝達される。リッドロック28a及びシートロック23aがロック状態から開放される。
認証確認済み状態Q4で、メイン操作部61に対して逆回転の操作が行われることによってメイン操作部61が回転することにより、鞍乗型車両用認証システムCの状態が、認証確認済み状態Q4から、オフ状態Q2に遷移する。詳細には、認証確認済み状態Q4において、メイン操作部61に対して、OPEN位置(図2参照)からOFF位置に向かう逆回転操作が行われることによって、メイン操作部61がOFF位置に回転する。メイン操作部61がOFF位置に回転することにより、鞍乗型車両用認証システムCの状態が、オフ状態Q2に戻る。
認証確認済み状態Q4でメイン操作部61が押込み方向Pへ押込まれると、認証制御部50は、携帯機40と通信することにより、鞍乗型車両10の使用についての認証の確認動作を行う。認証が確認された場合、認証制御部50は、ソレノイド部78に通電する。ソレノイド部78が通電されることによって、図8(C)に示すように、係止部781がソレノイドカム68の溝68c(図5参照)から待避する。この結果、メイン操作部61がOPEN位置(図2参照)からON位置へ回転する。
メイン操作部61が、OPEN位置からON位置に回転することによって、鞍乗型車両用認証システムCの状態が、認証確認済み状態Q4からパワーユニットオン状態Q5に遷移する。
パワーユニットオン状態Q5では、サブ操作部81,82の変位が阻止される。
メイン操作部61がON位置に回転すると、メインスイッチ77b(図4参照)が動作する。これによって、認証制御部50が、パワーユニットオン状態Q5への遷移を判別する。メインスイッチ77bの動作によって、パワーユニット制御部30の電源がオンになる。
パワーユニットオン状態Q5では、パワーユニット制御部30の電源がオン、且つ認証制御部50による認証が確認済みである。
図5に示すソレノイドカム68の溝68cには、カム斜面68sが設けられている。メイン操作部61がOPEN位置(図2参照)から、OFF位置に回転する場合、カム斜面68sは、溝68cに挿入された係止部781を溝68cから押出す。このため、認証確認済み状態Q4において、メイン操作部61がOPEN位置(図2参照)にある場合、認証が認められなくてもメイン操作部61が、OFF位置に回転可能である。
ハンドルロック状態Q1は、メイン操作部61が、OFF位置(図2参照)からLOCK位置に向かう逆回転及び押込みの操作を受け、LOCK位置に回転することによって、オフ状態Q2から遷移する状態である。
メイン操作部61がLOCK位置に回転すると、メイン操作部61及びシャフト69と共に回転するロッククランク73によって、ハンドルロックピン76がシリンダボディ75の外に突出する。ハンドルロックピン76が突出することによって、ハンドル17の回転を阻止する。
ソレノイドカム68は、シャフト69よりも大きい外径を有するので、ソレノイドカム68に、OFF位置に対応する溝68bと、OPEN位置に対応する溝68cを別々に並べることが可能である。本実施形態の認証操作装置60では、例えばOPEN位置を有さない認証操作装置に対し、OPEN位置に対応する溝68cが追加されていると言うことができる。
例えば、ソレノイドカム68を用いることなく、シャフト69に溝を設ける場合、図2に示す径のシャフト69において、OFF位置に対応する溝の隣にOPEN位置に対応する溝を設けるスペースはない。従って、操作位置を新たに設けるような設計の自由度が制限される。仮に、シャフトの外周に、OFF位置に対応する溝と、OPEN位置に対応する溝を設ける場合、シャフトの径を、図5に示すソレノイドカム68の径と同程度に太くする必要がある。シャフトは、認証操作装置60のほぼ全体に亘って延びている部材であるため、シャフトの径を、図5に示すソレノイドカム68の径と同程度に太くすると、認証操作装置の全体が大型化してしまう。その結果、鞍乗型車両への搭載性が悪化する。
本実施形態の認証操作装置60では、シャフト69よりも大きい外径を有するソレノイドカム68に溝が設けられている。このため、径の太いシャフトを用いることなくOPEN位置に対応する溝68cを設けることが可能である。このように、本実施形態の認証操作装置60では、シャフト69よりも大きい外径を有するソレノイドカム68を備えることによって、径の太いシャフトによる大型化を抑制しつつ操作位置の自由度が高められている。
図2及び図3に示すように、ソレノイド部78は、シャフト69の付近に設けられている。ソレノイド部78は、シャフト69よりもシャフト69が延びる方向における長さが小さい(薄い)。このため、外径を大きくしても認証操作装置60の大型化に対する影響が小さい。また、ソレノイドカム68は、認証を行う認証操作装置60に元々備えられているレノイド部78の周囲に生じる空間を利用して配置することができる。
本実施形態の認証操作装置60によれば、大型化を抑制しつつ、操作位置の設計自由度を確保することができる。
カム斜面68sが設けられた溝68cは、カム斜面が設けられていない溝と比べて大きい。即ち、ソレノイドカム68の周方向における溝68cの長さは、カム斜面が設けられていない溝と比べて長い。
本実施形態の認証操作装置では、シャフトよりも大きい外径を有するソレノイドカム68に溝68cが設けられている。このため、シャフトの径を太くすることなく、カム斜面68sが設けられた溝68cを設けることが可能である。従って、大型化を抑制しつつ、OPEN位置において、操作の方向による操作の可否についてバリエーションを設けることができる。
例えば、図5に示すソレノイドカム68を、OPEN位置に対応する溝68cが設けられないソレノイドカムに変更することができる。この場合、認証の結果にかかわらず、メイン操作部61をOPEN位置からON位置へ回転させることができるように変更することができる。
このように、ソレノイドカムのみを変更することによって、回転操作部の操作位置に関する設定を容易に変更できる。従って、回転操作部の操作位置に関する自由度がさらに高められる。
22 パワーユニット
23 シート
23a シートロック
28 フューエルリッド
28a リッドロック
30 パワーユニット制御部
40 携帯機
50 認証制御部
60 認証操作装置
61 メイン操作部
68 ソレノイドカム
68a,68b,68c 溝
68s カム斜面
69 シャフト
70 ワッシャ
78 ソレノイド部
781 係止部
Q2 オフ状態
Q3 認証確認状態
Q4 認証確認済み状態
Q5 パワーユニットオン状態
Claims (4)
- 鞍乗型車両の認証システムに用いられる鞍乗型車両用認証操作装置であって、
前記鞍乗型車両用認証操作装置は、
回転可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに接続され、前記鞍乗型車両の機能を切替えるための操作を受け付けて前記シャフトと共に回転する回転操作部であって、前記鞍乗型車両の機能に対応した操作位置が設定された回転操作部と、
前記シャフトと別の部材からなり前記シャフトに接続されたカム部材であって、前記シャフトよりも大きい外径を有し、前記操作位置に対応する溝が設けられたカム部材と、
前記カム部材の溝に挿入されることで、前記回転操作部の回転を阻止する阻止部と、
前記認証システムにおける認証の結果に応じて前記阻止部を、前記カム部材の溝に対し挿入された位置と前記溝から待避した位置との間で移動させるアクチュエータ部と
を備える。 - 請求項1に記載の鞍乗型車両用認証操作装置であって、
前記カム部材の溝には、前記カム部材の所定方向への回転に伴い、前記溝に挿入された前記阻止部を前記溝から押出すことによって前記回転操作部の前記所定方向への回転を許容するカム斜面が設けられている。 - 請求項1又は2に記載の鞍乗型車両用認証操作装置であって、
前記認証システムは、前記鞍乗型車両を駆動するためのパワーユニットを制御するように前記鞍乗型車両に設けられたパワーユニット制御部と、携帯機と通信することにより、前記鞍乗型車両の使用についての認証を行う認証制御部とを備え、
前記回転操作部は、前記操作位置として、前記パワーユニット制御部の電源がオフ、且つ前記認証制御部による認証が行われていないオフ状態に対応するオフ位置と、前記パワーユニット制御部の電源がオフ、且つ前記認証制御部による認証が確認済みである認証確認済み状態に対応する認証確認済み位置と、パワーユニット制御部の電源がオン、且つ前記認証制御部による認証が確認済みであるパワーユニットオン状態とに対応したオン位置が設定され、
前記カム部材は、少なくとも前記オフ位置及び前記認証確認済み位置に対応した溝が設けられている。 - 鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、
請求項1から3いずれか1項に記載の鞍乗型車両用認証操作装置を備える。
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