JP2017018160A - X線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺撮影の所要時間をより短縮できるX線撮影装置を提供する。【解決手段】長尺撮影を行うにあたり、候補点登録部25は長尺領域の端部となる位置を候補点として登録する。開始位置判定部27は撮像系の現在位置と、登録された候補点の各々との距離に基づいて、撮像系の現在位置に最も近い候補点を撮影開始位置として判定する。長尺画像を構成する一連のX線画像を撮影する前に撮影開始位置を判定することにより、X線画像の撮影準備段階において撮像系が移動する距離を短縮できる。長尺撮影を複数回行う場合、一連のX線画像を撮影する度に撮影開始位置の設定を予め更新することにより、撮像系の移動距離をより低減できるので、長尺撮影の全工程に要する時間を大きく低減できる。【選択図】図1

Description

本発明は、X線を用いて被検体のX線画像を取得するX線撮影装置に関し、特に、被検体の体軸方向に長尺領域を映すX線画像を生成するX線撮影装置に関する。
医療現場では、例えば被検体の首から膝までの範囲のように、被検体の体軸方向に長い長尺領域を撮影対象とする単一のX線画像(長尺画像)を撮影する長尺撮影を行う場合がある。この場合、X線検出器の規格上、一度のX線照射で長尺領域についての長尺画像を撮影することは困難である。そのため、X線照射野を移動させつつ複数回のX線撮影を行う、長尺撮影によって長尺画像を撮影する。長尺撮影では、被検体の体軸方向に沿って複数枚のX線画像を撮影し、これら複数枚のX線画像を体軸方向に繋ぎ合わせて再構成させることによって長尺画像を取得する(例えば特許文献1,2参照)。
ここで長尺撮影に用いられる従来のX線撮影装置について説明する。従来のX線撮影装置100は図7(a)に示すように、被検体Mを載置させる天板101と、被検体Mに対してX線103aを照射するX線管103と、X線を検出してX線検出信号を出力するX線検出器105とを備えている。X線管103の下方には、X線103aを所定の形状に制限するコリメータ107が設けられている。X線管103とX線検出器105は撮像系を構成しており、撮像系の各々はx方向、すなわち天板101の長手方向に移動するように構成されている。撮像系の各々の移動は、撮像系移動機構109によって制御される。
X線検出器105の後段には画像生成部111が設けられており、画像生成部111の後段には再構成部113が設けられている。画像生成部111は、X線検出器105から出力されるX線検出信号に基づいて複数枚のX線画像を生成する。再構成部113は、画像生成部111が生成するX線画像の各々を被検体Mの体軸方向に繋ぎ合わせて長尺画像を再構成する。主制御部115は術者が入力部117に入力する指示の内容に従って撮像系移動機構109、画像生成部111、および再構成部113の各々を統括制御する。
また入力部117は長尺撮影における撮影開始位置と撮影終了位置とを設定する構成を有している。撮影開始位置は、長尺画像の再構成に用いるX線画像のうち、最初のX線画像の撮影時における撮像系の位置である。撮影終了位置は、最後のX線画像の撮影時における撮像系の位置である。入力部117は図7(b)に示すように、開始位置登録スイッチ117aと、終了位置登録スイッチ117bと、撮影準備スイッチ117cと、撮影開始スイッチ117dとを備えている。
次に、従来のX線撮影装置100を用いて長尺撮影を行う工程について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。長尺撮影において、まず撮影開始位置の登録を行う。術者は被検体Mと撮像系との位置関係を確認しつつ、図9(a)に示すように撮影開始位置として好適な位置L1へ撮像系の各々を移動させる。そして入力部117に設けられている開始位置登録スイッチ117aを押下することにより、撮像系の現在位置であるL1が撮影開始位置として登録される(ステップS1)。
撮影開始位置L1を登録した後、術者は被検体Mと撮像系との位置関係を確認しつつ、図9(b)に示すように撮影終了位置として好適な位置L2へ撮像系の各々を移動させる。そして終了位置登録スイッチ117bを押下することにより、撮像系の現在位置であるL2が撮影終了位置として登録される(ステップS2)。撮影開始位置L1と撮影終了位置L2とが登録されることにより、長尺領域Wが決定する。
長尺領域Wが決定した後、術者は撮影準備スイッチ117cを押下することにより、撮像系の各々は図10(a)に示すように撮影開始位置L1へ移動するとともに、コリメータ107はX線照射野を調整する(ステップS3)。コリメータ107により、X線照射野はx方向(被検体Mの体軸方向)の幅をTとする矩形の領域に調整される。
その後、術者は撮影開始スイッチ117dを押下することにより、X線画像の撮影が開始される。すなわち撮像系の各々は図10(b)に示すように撮影開始位置L1から撮影終了位置L2へ移動する。そしてX線管103はx方向へ幅Tに相当する距離を移動する度に、X線103aの照射を繰り返す(ステップS4)。X線検出器105はX線103aを検出してX線検出信号を出力し、画像生成部113はX線検出信号に基づいてX線画像を生成する。X線103aが照射される度にX線画像が生成されるので、ステップS4において、長尺領域Wの範囲についてx方向の幅をTとするX線画像が複数生成される。
X線画像の各々が撮影された後、再構成部113は画像生成部111が生成した複数のX線画像を被検体Mの体軸方向(x方向)に繋ぎ合わせて単一の長尺画像を再構成する(ステップS5)。このようにスイッチ117a〜117dの各々を操作して撮影開始位置L1と撮影終了位置L2とを登録し、登録された撮影開始位置L1と撮影終了位置L2の位置情報に基づいて長尺撮影を実行する。
特開2007−202761号公報 特開2012−249789号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち長尺撮影を行うにあたり、長尺領域Wについて長尺撮影を複数回行う場合がある。その一例としては、仰臥体勢をとる被検体Mについて1回目の長尺撮影を行った後(図10(a)、(b))、被検体Mの体勢を横臥体勢に変更して2回目の長尺撮影を行う場合が挙げられる(図10(c)、(d))。
従来のX線撮影装置では、所定の位置が撮影開始位置または撮影終了位置として登録される。そのため従来のX線撮影装置で複数回長尺撮影を行う場合、撮像系はまず1回目の長尺撮影において撮影開始位置L1から撮影終了位置L2へ移動しつつX線画像を撮影する(図10(a)、(b))。次に2回目の長尺撮影を行う場合、図8に示すようにステップS5からステップS3に戻り、ステップS3からステップS5の工程を繰り返す。
すなわち1回目の撮影に係るステップS5の終了時点において撮影終了位置L2に位置する撮像系を、2回目の撮影に係るステップS3において撮影開始位置L1へ移動させる(図10(c))。その後、2回目の撮影に係るステップS4において、撮像系の各々を再度撮影開始位置L1から撮影終了位置L2へ移動させる(図10(d))。
このように従来の装置では長尺撮影を開始するたびに、撮像系は撮影開始位置として登録された位置L1へ移動する。そのため、撮像系はn回の長尺撮影を行う場合に位置L1と位置L2との間(長尺領域Wの両端の間)を少なくとも(2n−1)/2回往復する必要がある。その結果、長尺撮影を完了するために要する時間が長期化するので、術者および被検体が受ける負担が増大する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、長尺撮影の所要時間をより短縮できるX線撮影装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係るX線撮影装置は、被検体にX線を照射するX線管と、前記被検体を透過したX線を検出してX線検出信号を出力するX線検出器と、前記X線管および前記X線検出器からなる撮像系を前記被検体の体軸方向に移動させる撮像系移動手段と、前記撮像系移動手段が前記撮像系の各々を移動させる間に、前記X線検出器が出力するX線検出信号を用いてX線画像を複数枚生成する画像生成部と、前記画像生成部が生成する複数枚の前記X線画像を前記被検体の体軸方向に繋ぎ合わせ、長尺領域を撮影範囲とする単一の長尺画像を再構成する再構成部と、前記X線管および前記X線検出器からなる撮像系の現在位置を随時検知する撮像系検知手段と、前記長尺領域の両端を構成する所定の位置を候補点として登録する候補点登録手段と、前記撮像系の現在位置に近い方の前記候補点を、最初の前記X線画像を撮影する際における前記撮像系の位置である撮影開始位置と判定し、前記撮像系の現在位置から遠い方の前記候補点を、最後の前記X線画像を撮影する際における前記撮像系の位置である撮影終了位置と判定する開始位置判定手段と、前記開始位置判定手段による前記撮影開始位置および前記撮影終了位置の判定を指示する判定指示手段とを備えるものである。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影装置によれば、候補点登録手段は長尺領域の撮影範囲である長尺領域の両端を構成する、所定の位置を候補点として登録する。開始位置判定手段は撮像系の現在位置に近い方の候補点を撮影開始位置と判定し、前記撮像系の現在位置から遠い方の前記候補点を撮影終了位置と判定する。撮影開始位置は撮像系の現在位置から近い方の候補点に設定されるので、X線画像の撮影を開始する際に撮像系が撮影開始位置へ移動する距離を短縮できる。従って、長尺画像の撮影に要する時間を短縮できる。
また撮像系の現在位置は撮像系検知手段によって随時検知されているので、判定指示手段による指示が行われる度に、撮影開始位置となる候補点は撮像系の現在位置から近い方の候補点に更新される。そのため長尺画像の撮影を複数回行う場合、n回目の長尺撮影終了後に判定指示手段によって撮影開始位置となる候補点を更新することにより、(n+1)回目の長尺撮影を開始する際に撮像系が撮影開始位置へ移動する距離を短縮できる。従って、判定指示手段による撮影開始位置の判定指示と長尺撮影とを繰り返すことにより、複数回の長尺撮影を全て実行するために要する時間を大きく短縮できる。その結果、被検体および術者の受ける負担を軽減できるとともに、長尺撮影のワークフローを向上できる。
また、上述した発明において、前記撮像系移動手段は前記開始位置判定手段が前記撮影開始位置と判定した前記候補点へ前記撮像系を移動させることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影装置によれば、撮像系移動手段は開始位置判定手段が撮影開始位置と判定した候補点へ前記撮像系を移動させる。このような構成において、判定指示手段が判定指示を行うことにより、撮像系の現在位置から近い方の候補点が撮影開始位置に判定されるとともに、撮像系は判定された撮影開始位置へ移動する。すなわち撮影開始位置の判定と撮影開始位置への移動とは連動して実行されるので、撮影開始位置へ撮像系を移動させる指示を行う作業を省略できる。従って、長尺撮影の所要時間をさらに短縮することが可能となる。
また、上述した発明において、前記候補点登録手段に対して、前記撮像系の現在位置を前記候補点として登録する指示を行う登録指示手段を備えることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影装置によれば、登録指示手段は候補点登録手段に対して、撮像系の現在位置を前記候補点として登録する指示を行う。このような構成では撮像系の現在位置が候補点として登録される。そのため撮像系の位置を実際に調整し、撮像系の現在位置が候補点として適切な位置であることを確認した後に登録指示手段による指示を行うことにより、候補点は長尺領域の両端としてより適切な位置に設定できる。その結果、長尺画像の診断能をより向上させることが可能となる。
本発明に係るX線撮影装置によれば、候補点登録手段は長尺領域の撮影範囲である長尺領域の両端を構成する、所定の位置を候補点として登録する。開始位置判定手段は撮像系の現在位置に近い方の候補点を撮影開始位置と判定し、前記撮像系の現在位置から遠い方の前記候補点を撮影終了位置と判定する。撮影開始位置は撮像系の現在位置から近い方の候補点に設定されるので、X線画像の撮影を開始する際に撮像系が撮影開始位置へ移動する距離を短縮できる。従って、長尺画像の撮影に要する時間を短縮できる。
また撮像系の現在位置は撮像系検知手段によって随時検知されているので、判定指示手段による指示が行われる度に、撮影開始位置となる候補点は撮像系の現在位置から近い方の候補点に更新される。そのため長尺画像の撮影を複数回行う場合、n回目の長尺撮影終了後に判定指示手段によって撮影開始位置となる候補点を更新することにより、(n+1)回目の長尺撮影を開始する際に撮像系が撮影開始位置へ移動する距離を短縮できる。従って、判定指示手段による撮影開始位置の判定指示と長尺撮影とを繰り返すことにより、複数回の長尺撮影を全て実行するために要する時間を大きく短縮できる。その結果、被検体および術者の受ける負担を軽減できるとともに、長尺撮影のワークフローを向上できる。
実施例に係るX線撮影装置の構成を示す概略図である。(a)は実施例に係るX線撮影装置の全体構成を示す概略図であり、(b)は実施例に係るX線撮影装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施例に係るX線撮影装置の構成を示す概略図である。(a)は開始位置判定部が候補点から撮影開始位置を判定する構成を説明する図であり、(b)は入力部に設けられている各種スイッチを説明する図である。 実施例に係るX線撮影装置における動作の工程を説明するフローチャートである。 実施例において1回目の長尺撮影を行う場合の動作を説明する図である。(a)はステップS1において長尺領域の一端を候補点として登録する状態を示す図であり、(b)はステップS1において長尺領域の他端を候補点として登録する状態を示す図であり、(c)はステップS2において撮影開始位置および撮影終了位置が判定された状態を示す図であり、(d)はステップS4においてX線画像を連続撮影する状態を示す図である。 実施例において2回目の長尺撮影を行う場合の動作を説明する図である。(a)はステップS2Aにおいて撮影開始位置の判定を行う前の状態を示す図であり、(b)ステップS2Aにおいて撮影開始位置の判定を行った後の状態を示す図であり、(c)はステップS4Aにおいて最初のX線画像を撮影する状態を示す図であり、(d)はステップS4AにおいてX線画像を連続撮影する状態を示す図である。 長尺撮影を複数回行う場合のX線撮影装置の動作について、従来例と実施例とを比較する図である。 従来例に係るX線撮影装置の構成を示す概略図である。(a)は従来例に係るX線撮影装置の全体構成を示す概略図であり、(b)は従来例に係る入力部の構成を示す概略図である。 従来例に係るX線撮影装置における動作の工程を説明するフローチャートである。 従来例に係るステップS1およびステップS2に係る動作を説明する図である。(a)はステップS1の工程を説明する図であり、(b)はステップS2の工程を説明する図である。 従来例において長尺撮影を複数回行う場合の動作を説明する図である。(a)は1回目の撮影に係るステップS3の工程を説明する図であり、(b)は1回目の撮影に係るステップS4の工程を説明する図であり、(c)は2回目の撮影に係るステップS3の工程を説明する図であり、(d)は2回目の撮影に係るステップS4の工程を説明する図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
<全体構成の説明>
実施例に係るX線撮影装置1は図1(a)に示すように、臥位姿勢をとる被検体Mを載置させる天板3と、被検体Mに対してX線5aを照射するX線管5と、被検体Mに照射されて透過したX線5aを検出するX線検出器7とを備えている。X線管5とX線検出器7とは撮像系を構成しており、天板3を挟んで対向配置されている。
X線検出器7は、X線管5から被検体Mに照射されて透過したX線5aを検出して電気信号に変換させ、X線検出信号として出力させる。X線検出器7の例としてはフラットパネル型検出器(FPD)などが挙げられる。X線管5の下方には、X線5aを角錐状などに制限するコリメータ9が設けられている。
コリメータ9はx方向(天板3の長手方向、および被検体Mの体軸方向)に並んだ2枚の板状の遮蔽板9aを備えている。遮蔽板9aの各々はX線を遮蔽する材料で構成されており、その一例として鉛が挙げられる。実施例において、一対の遮蔽板9aの各々は、X線管5の焦点5bから照射されるX線5aの中心軸5cを基準として、x方向へ鏡像対称に移動するように構成されるものとする。
X線焦点5bから照射されたX線5aの広がりは、遮蔽板9aの各々によって角錐状に制限される。そして遮蔽板9aの各々によって形成された開口部を通過したX線5aが被検体Mに照射される。すなわち遮蔽板9aの各々を開閉移動させて開口部を調整することによって、X線5aが照射される領域(X線照射野)の位置および範囲が調整される。
また図1(b)に示すように、X線撮影装置1はX線照射制御部11と、X線管移動機構13と、検出器移動機構15と、コリメータ制御部17と、画像生成部19と、再構成部21とを備えている。X線照射制御部11はX線管5に接続されており、X線管5の管電圧や管電流などを制御することによって、X線管5から照射させるX線の線量、およびX線を照射させるタイミングなどを制御する。
X線管移動機構13はX線管5に接続されており、x方向におけるX線管5の移動を制御する。検出器移動機構15はX線検出器7に接続されており、x方向におけるX線検出器7の移動を制御する。すなわち、X線管移動機構13および検出器移動機構15の制御に従って、X線管5およびX線検出器7からなる撮像系はx方向へ同期的に移動する。なお天板3(または被検体M)に対する撮像系の相対的な位置を以下、「撮影位置」とする。X線管移動機構13および検出器移動機構15は、本発明における撮像系移動手段に相当する。
コリメータ制御部17は、コリメータ9に設けられている遮蔽板9aの各々の開閉移動を制御する。すなわちコリメータ制御部17によって、X線照射野の位置および範囲が制御される。画像生成部19はX線検出器7の後段に設けられており、X線検出器7から出力されたX線検出信号に基づいてX線画像を生成する。再構成部21は画像生成部19の後段に設けられており、画像生成部19が生成するX線画像の各々をx方向に繋ぎ合わせることによって長尺画像を再構成する。
本発明に特徴的な構成として、実施例に係るX線撮影装置1は撮像系検知部23と、候補点登録部25と、開始位置判定部27とをさらに備えている。撮像系検知部23は撮像系の各々の座標位置を随時検知するものであり、一例としてポテンショメータやエンコーダなどによって構成される。候補点登録部25はx方向における所定の2点を候補点として登録する。候補点は、撮影開始位置または撮影終了位置の候補となる座標位置、すなわちx方向における長尺領域の端部に相当する位置である。撮像系検知部23は本発明における撮像系検知手段に相当し、候補点登録部25は本発明における候補点登録手段に相当する。
実施例において、候補点登録部25は後述する候補点登録スイッチの操作に従って、撮像系検知部23が検知する撮像系の現在位置を候補点として登録する構成を有する。このような構成では、実際に撮像系が位置している撮影位置と天板3に載置されている被検体Mの位置とを目視で比較参照することにより、長尺領域の端部として適切な候補点の位置をより正確に設定できる。
開始位置判定部27は撮像系検知部23が検知する撮像系の現在位置と、候補点登録部25が登録した候補点の各々の座標位置との距離に基づいて、登録された候補点から撮影開始位置と撮影終了位置とを判定する。撮影開始位置は、長尺画像の再構成に用いるX線画像のうち最初に撮影するX線画像の撮影位置である。撮影終了位置は、最後に撮影するX線画像の撮影位置である。開始位置判定部27は本発明における開始位置判定手段に相当する。
ここで開始位置判定部27が撮影開始位置および撮影終了位置を判定する機構について説明する。開始位置判定部27は登録された候補点のうち、撮像系の現在位置に近い側の候補点を撮影開始位置と判定し、撮像系の現在位置から遠い側の候補点を撮影終了位置と判定する。すなわち図2(a)に示すように撮像系の現在位置をLnとし、登録済みの候補点の位置をそれぞれLxおよびLyとする。
この場合、開始位置判定部27は撮像系の現在位置Lnから候補点Lxまでの距離Fxと、撮像系の現在位置Lnから候補点Lyまでの距離Fyとを比較する。図2(a)に示すように距離Fxが距離Fyより小さい場合、開始位置判定部27は候補点Lxを撮影開始位置として判定し、候補点Lyを撮影終了位置として判定する。逆に距離Fxが距離Fyより大きい場合、開始位置判定部27は候補点Lyを撮影開始位置として判定し、候補点Lxを撮影終了位置として判定する。
撮像系の現在位置(現時点における撮影位置)は撮像系検知部23により随時検知されており、登録された候補点の位置座標情報は記憶部31に記憶されている。そのため開始位置判定部27は、撮像系の現在位置と候補点の座標位置の間の距離に基づいて、撮影開始位置と撮影終了位置とを判定できる。
X線撮影装置1は図1(b)に示すように、さらにモニタ29と、記憶部31と、入力部33と、主制御部35とを備えている。モニタ29は画像生成部19が生成するX線画像や、再構成部21が再構成する長尺画像などを例とする各種画像を表示する。記憶部31は、画像生成部19が生成するX線画像、再構成部21が生成する長尺画像、および候補点登録部25が登録する候補点の座標位置などの各種情報を記憶する。
入力部33は操作者の指示を入力するものであり、その例として、キーボード入力式のパネルやタッチ入力式のパネルなどが挙げられる。主制御部35は中央演算処理装置(CPU)などによって構成されており、入力部33に入力される内容などに従って、X線照射制御部11、X線管移動機構13、検出器移動機構15、コリメータ制御部17、画像生成部19、再構成部21、候補点登録部25、および開始位置判定部27などの各構成を統括制御する。
入力部33は各種指示を入力する構成に加えて、図2(b)に示すように候補点登録スイッチ33aと、開始位置判定スイッチ33bと、撮影準備スイッチ33cと、撮影開始スイッチ33dとを備えている。候補点登録スイッチ33aは主制御部35を介して候補点登録部25と接続されており、候補点登録部25による候補点の登録を指示する。すなわち候補点登録スイッチ33aを操作することによって候補点登録部25が作動し、候補点の登録が実行される。候補点登録スイッチ33aは本発明における登録指示手段に相当する。
開始位置判定スイッチ33bは主制御部35を介して開始位置判定部27と接続されており、開始位置判定部27による撮影開始位置および撮影終了位置の判定を指示する。すなわち開始位置判定スイッチ33bを操作することによって開始位置判定部27が作動し、撮像系の現在位置と登録点の各々との距離に基づいて、撮影開始位置および撮影終了位置の判定が実行される。開始位置判定スイッチ33bは本発明における判定指示手段に相当する。
撮影準備スイッチ33cは主制御部35を介してX線管移動機構13および検出器移動機構15などと接続されており、長尺画像を構成する一連のX線画像の撮影準備を指示する。撮影準備スイッチ33cを操作することにより撮像系の各々は撮影開始位置へ移動するとともに、X線画像の撮影準備に係る各種動作が行われる。
撮影開始スイッチ33dは主制御部35を介してX線照射制御部11などと接続されており、一連のX線画像の撮影開始を指示する。撮影開始スイッチ33dを操作することにより、X線管5からのX線照射が開始される。スイッチ33a〜33dの各々を操作する構成としては、押しボタンを押下する方式の他、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)に表示してマウス入力などにより選択する方式など、公知の方式を適宜用いてよい。
<動作の説明>
次に、実施例に係るX線撮影装置1の動作について説明する。図3は実施例に係るX線撮影装置の動作を説明するフローチャートである。ここでは被検体の体軸方向に長い長尺領域を撮影対象とする長尺撮影を例にとって、X線撮影装置の動作の概要を説明する。また後述するように、実施例では被検体に対して仰臥体勢と横臥体勢のそれぞれについて長尺撮影を1回ずつ行うものとする。すなわち実施例において長尺撮影は2回行われる。
ステップS1(候補点の登録)
長尺撮影を行うにあたり、まず被検体Mを天板3に載置して仰臥体勢をとらせる。そして長尺撮影の対象である長尺領域を決定すべく、候補点の登録を行う。前述したように、候補点とは撮影開始位置または撮影終了位置の候補となる座標位置、すなわちx方向における長尺領域の端部となる位置である。術者は被検体Mと撮像系との位置関係を確認しつつ、X線管5およびX線検出器7からなる撮像系の各々を長尺領域の一端として好適な位置へ移動させる。なお図4(a)に示すように、長尺領域の一端として好適な位置をL1とする。この場合、術者の操作により撮像系の各々は図4(a)において点線で示す初期位置から、実線で示す位置L1へ移動する。
術者は撮像系の現在位置が長尺領域の一端として適切な位置であることを目視などで確認した後、候補点登録スイッチ33aを操作して候補点登録部25を作動させる。候補点登録部25が作動することにより、撮像系の現在位置である位置L1が1つ目の候補点として登録される。登録された位置L1の座標情報は記憶部31へ送信されて記憶される。
長尺領域の一端の位置座標を登録した後、次に長尺領域の他端の位置座標を決定する。術者は被検体Mと撮像系との位置関係を確認しつつ、撮像系の各々を長尺領域の他端として好適な位置へ移動させる。なお図4(b)に示すように、長尺領域の他端として好適な位置をL2とする。この場合、術者の操作により撮像系の各々は図4(b)において点線で示す位置L1から、実線で示す位置L2へ移動する。
術者は撮像系の現在位置が長尺領域の他端として適切な位置であることを確認した後、候補点登録スイッチ33aを操作して候補点登録部25を作動させる。候補点登録部25が作動することにより、撮像系の現在位置である位置L2が2つ目の候補点として登録される。登録された位置L2の座標情報は記憶部31へ送信されて記憶される。2つの候補点の位置座標がそれぞれ登録されることにより長尺領域Wの範囲が特定され、ステップS1の工程は終了する。
ステップS2(撮影開始位置の判定)
候補点の位置座標情報が登録された後、撮影開始位置の判定を行う。すなわち術者は候補点L1およびL2の登録が完了した後、開始位置判定スイッチ33bを操作して開始位置判定部27を作動させる。開始位置判定部27が作動することにより、登録済みの候補点L1およびL2のうち、撮像系の現在位置に近い方の候補点は撮影開始位置Stとして判定される。一方、撮像系の現在位置から遠い方の候補点は撮影終了位置Enとして判定される。
ステップS1において最後に撮像系を位置L2へ移動させて候補点の登録を行っている。そのためステップS2において開始位置判定スイッチ33bを操作する場合、一般的に撮像系検知部23が検知する撮像系の現在位置は、候補点L2の位置と略一致する。すなわち候補点L1およびL2のうち、候補点L2の方が撮像系の現在位置に近い。従って、候補点L2が撮影開始位置Stとして判定され、候補点L1が撮影終了位置Enとして判定される(図4(c))。
なお、ステップS1において位置L2を候補点として登録した後、撮像系を候補点L1の近傍へ移動させていた場合、候補点L1の方が撮像系の現在位置に近くなる。この場合、開始位置判定スイッチ33bを操作することによって、候補点L1が撮影開始位置Stとして判定され、候補点L2が撮影終了位置Enとして判定される。このように判定を実行するたびに、撮影開始位置Stの位置情報は撮像系の現在位置に近い側の候補点の位置情報に更新される。
従って、後述するステップS3に係る撮影準備を行う前に撮影開始位置の判定を実行することにより、ステップS3において撮像系が移動する距離は短くなる。実施例ではステップS1の終了後に撮像系を移動させず、候補点L2が撮影開始位置Stとして判定されるものとする。開始位置判定部27によって撮影開始位置と撮影終了位置とを判定することにより、ステップS2の工程は終了する。
ステップS3(撮影開始位置への移動)
撮影開始位置が決定された後、術者は撮影準備スイッチ33cを操作してX線撮影の準備を行う。撮影準備スイッチ33cを操作することにより、撮像系の各々は撮影開始位置として判定された位置L2へ移動するとともに、X線画像の撮影準備に係る各種動作が行われる(図4(c))。
撮影準備に係る動作としては、コリメータ9によるX線照射野の調整などが挙げられる。すなわち撮影準備スイッチ33cを操作することにより、主制御部35からコリメータ制御部21へ制御信号が送信される。コリメータ制御部21は制御信号の内容に従ってコリメータ9に設けられる遮蔽板9aをx方向に移動させる。遮蔽板9aにより、X線5aの照射野はx方向の幅をTとする矩形の領域に調整される。また術者は適宜入力部33を操作して、管電圧や管電流などのX線撮影条件を入力する。
実施例では開始位置判定部27によって、候補点のうち撮像系の現在位置に近い方が撮影開始位置として判定される。そのためステップS3における撮像系の移動距離は短くなるので、ステップS3の所要時間が短くなる。一般的に、実施例に係る工程ではステップS2における撮像系の座標位置と、撮影開始位置として判定されるL2の位置とは略一致する。そのためステップS3において撮像系はほとんど移動する必要がない。従って、ステップS3において撮像系の移動に要する時間はほぼ0となる。撮像系が撮影開始位置Stすなわち候補点L2へ移動してX線画像の撮影準備が完了することにより、ステップS3に係る工程は終了する。
ステップS4(X線画像の撮影)
X線画像の撮影準備が完了した後、術者は撮影開始スイッチ33dを操作してX線画像の撮影を行う。撮影開始スイッチ33dを操作することにより、X線照射制御部11はX線管5へ高電圧を印加し、X線管5からX線5aを照射させる(図4(d))。X線検出器7は被検体Mを透過するX線5aを検出してX線検出信号を出力する。画像生成部19はX線検出信号に基づいて、x方向の幅をTとするX線画像を生成する。
そしてX線管移動機構13および検出器移動機構15は主制御部35が出力する制御信号に従い、撮像系の各々をx方向へ同期的に移動させる。すなわちX線管5およびX線検出器7は、図4(d)において実線で示す撮影開始位置St(位置L2)から二点鎖線で示す位置を経由して、破線で示す撮影終了位置En(位置L1)へ移動する。
そして撮像系の各々がx方向へX線画像の幅Tに相当する距離を移動するたびに、X線管5はX線照射制御部11の制御に従って、X線5aの照射を繰り返す。X線5aが照射されるたびに、撮影位置の各々を中心とするX線画像が生成される。このように位置L1からL2までの長尺領域Wについて、x方向の幅をTとするX線画像が複数生成される。撮影終了位置Enに撮像系の各々が移動し、長尺領域Wを構成するX線画像の各々が生成されることによって、ステップS4に係る工程は終了する。
ステップS5(長尺画像の再構成)
X線画像の撮影が終了した後、長尺画像の再構成を行う。すなわち再構成部21は、画像生成部19が生成したX線画像の各々を被検体Mの体軸方向に繋ぎ合わせて単一の長尺画像を再構成する。再構成された長尺画像Q1はモニタ29に表示されるとともに、記憶部31によって記憶される。このように、長尺領域Wについて、仰臥体勢の被検体Mを映す単一の長尺画像Q1が取得される。長尺画像を再構成することにより、ステップS5に係る工程は終了する。
ステップS5の終了後、術者は再度長尺撮影を行うか否かを判断して処理を分岐する。再度長尺撮影を実行する場合はステップS2に戻って処理を続行する。撮影を終了する場合、術者は入力部35を適宜操作して長尺撮影に係る全ての工程を終了する。実施例では長尺領域Wにおいて、仰臥体勢をとる被検体Mに対して長尺撮影を行った後、同一の長尺領域Wにおいて、横臥体勢をとる被検体Mに対して長尺撮影を行う。従って、長尺画像Q1を取得した後ステップS2に戻り、ステップS2〜ステップS5の工程を再度実行する。なお2回目に行うステップS2〜S5の工程については1回目に行うステップS2〜S5の工程と区別するため、符号Aを付してステップS2A〜S5Aとする。
ステップS2A(撮影開始位置の判定)
仰臥体勢の被検体Mを映す長尺画像Q1を取得した後、被検体Mの体勢を仰臥体勢から横臥体勢に変更させる(図5(a))。そして被検体Mの体勢を変更させた後、術者は開始位置判定スイッチ33bを操作して撮影開始位置の判定を行う。開始位置判定部27は開始位置判定スイッチ33bの操作によって作動し、登録済みの候補点L1およびL2のうち撮像系の現在位置に近い方の候補点を撮影開始位置として判定する。
ステップS4において撮像系は位置L2から位置L1へ移動しているので、ステップS2Aの時点では候補点L1およびL2のうち、候補点L1の方が撮像系の現在位置に近い。従って、開始位置判定スイッチ33bを操作することにより、ステップS2Aでは候補点L1が撮影開始位置Stとして判定され、候補点L2が撮影終了位置Enとして判定される(図5(b))。すなわち開始位置判定部27の作動により、撮影開始位置Stの設定および撮影終了位置Enの設定は、撮像系の現在位置に応じて変更される。
ステップS3A(撮影開始位置への移動)
候補点L1が撮影開始位置Stとして決定された後、術者は撮影準備スイッチ33cを操作してX線撮影の準備を行う。撮影準備スイッチ33cを操作することにより、撮像系の各々は撮影開始位置として判定された位置L1へ移動するとともに、X線画像の撮影準備に係る各種動作が行われる。ステップS4の終了時において撮像系は既に位置L1へ移動しているので、ステップS3Aにおいて撮像系が撮影開始位置Stへ移動するための所要時間は大幅に短縮される(図5(b))。
ステップS4A(X線画像の撮影)
X線画像の撮影準備が完了した後、術者は撮影開始スイッチ33dを操作してX線画像の撮影を行う。撮影開始スイッチ33dを操作することにより、X線照射制御部11はX線管5へ高電圧を印加し、X線管5からX線5aを照射させる(図5(c))。X線検出器7は被検体Mを透過するX線5aを検出してX線検出信号を出力する。画像生成部19はX線検出信号に基づいて、x方向の幅をTとするX線画像を生成する。
そしてX線管移動機構13および検出器移動機構15の制御に従って、X線管5およびX線検出器7は、図5(d)において実線で示す撮影開始位置St(位置L1)から二点鎖線で示す位置を経由して、破線で示す撮影終了位置En(位置L2)へ移動する。そして撮像系の各々がx方向へX線画像の幅Tに相当する距離を移動するたびに、X線管5はX線照射制御部11の制御に従って、X線5aの照射を繰り返す。このように位置L1からL2までの長尺領域Wについて、x方向の幅をTとするX線画像が複数生成される。
ステップS5A(長尺画像の再構成)
X線画像の撮影が終了した後、再構成部21は画像生成部19が生成したX線画像の各々を被検体Mの体軸方向に繋ぎ合わせて単一の長尺画像を再構成する。再構成された長尺画像Q2はモニタ29に表示されるとともに、記憶部31によって記憶される。このように、長尺領域Wについて、横臥体勢の被検体Mを映す単一の長尺画像Q2が取得される。長尺画像Q1およびQ2を取得することにより、実施例において、長尺撮影に係る全ての工程は終了する。
<実施例の構成による効果>
このように実施例に係る構成を有することにより、長尺撮影に要する時間を大きく短縮できる。従来の構成では長尺領域Wの範囲を決定する際に、長尺領域Wの一端であるL1を撮影開始位置として登録し、長尺領域の他端であるL2を撮影終了位置として登録する。
このような従来のX線撮影装置では、登録された位置情報を解除して再登録しない限り、撮像系の位置に依らず撮影開始位置の設定は位置L1に固定され、撮影終了位置の設定は位置L2に固定される。そのため撮像系の現在位置が位置L1から遠く、位置L2に近い場合であってもX線撮影の準備段階(図8、ステップS3)において、撮像系は撮影開始位置として設定されている位置L1へ、長い距離を移動する必要がある。
その結果、同一の長尺領域に対して長尺撮影を複数回行う場合、従来の構成では長尺撮影を行う度に撮像系を撮影終了位置から撮影開始位置へ移動させる操作が必要となる。すなわち撮影開始位置Stとして登録されている位置L1から、撮影終了位置Enとして登録されている位置L2へ移動してn回目の長尺撮影を実行する(図6、左上段)。
従来例では一度登録された撮影開始位置Stおよび撮影終了位置Enの設定は固定である。そのためn回目の長尺撮影を行った後、(n+1)回目の長尺撮影を行う準備段階において、撮像系を撮影終了位置Enである位置L2から、撮影開始位置Stである位置L1へ移動させる必要がある(図6、左中段)。
そしてX線画像の撮影を開始し、撮影開始位置Stである位置L1から撮影終了位置Enである位置L2へ移動しつつ一連のX線画像を撮影することによって(n+1)回目の長尺撮影が完了する(図6、左下段)。そのため従来の装置においてn回の長尺撮影を行う場合、図8に示されるステップS3〜S5までの工程をn回繰り返す結果、撮像系は位置L1と位置L2との間を少なくとも{(2n−1)/2}回往復する必要がある。さらにステップS1およびステップS2において、撮像系を実際の位置L1および位置L2に移動させて撮影開始位置および撮影終了位置の登録を行うことを考慮に入れると、n回の長尺撮影を行うために撮像系は{(2n+1)/2}回往復移動することとなる。
このように、従来の構成では長尺撮影を繰り返すことによって、撮像系の往復移動に時間が費やされる。一連のX線画像を撮影する間、X線像のブレを防止すべく被検体は同じ姿勢を維持する必要があるので、撮影時間の長期化によって被検体の肉体的負担および精神的負担が大きくなる。また撮影時間の長期化によって術者の負担も大きくなり、長尺撮影のワークフローも低下する。
一方、実施例に係るX線撮影装置1では長尺領域の端部を候補点として登録し、開始位置判定スイッチ33bの操作によって候補点から撮影開始位置を判定する構成となっている。そして撮影開始位置の判定は、撮像系の現在位置と各候補点との距離に基づいて行われる。すなわち撮像系の現在位置に最も近い候補点が撮影開始位置として判定されるので、ステップS3に係る準備工程において、撮影開始位置へ撮像系が移動する距離をより短くすることができる。
また開始位置判定スイッチ33bによる指示が行われる度に、撮影開始位置となる候補点は撮像系の現在位置から近い方の候補点に更新される。そのため長尺画像の撮影を複数回行う場合、n回目の長尺撮影終了後に開始位置判定スイッチ33bによって撮影開始位置となる候補点を更新することにより、(n+1)回目の長尺撮影を準備する際に撮像系が撮影開始位置へ移動する距離を短縮できる。従って、開始位置判定スイッチ33bによる撮影開始位置の判定指示と長尺撮影とを繰り返すことにより、複数回の長尺撮影を全て実行するために要する時間を大きく短縮できる。
具体的には撮影開始位置Stとして判定されている位置L1から、撮影終了位置Enとして判定されている位置L2へ移動してn回目の長尺撮影を実行する(図6、右上段)。そしてn回目の長尺撮影を行った後、(n+1)回目の長尺撮影を行うにあたり、ステップS2において開始位置判定部27を作動させることにより、撮影開始位置の判定を行う。
n回目の長尺撮影終了時において撮像系の現在位置は位置L2と略一致するので、開始位置判定部27は位置L2を撮影開始位置Stと判定し、位置L1を撮影終了位置Enと判定する。従って、開始位置判定スイッチ33bを操作するという簡便な作業により撮影開始位置の位置情報が更新される。すなわち位置L1が撮影開始位置Stであり位置L2が撮影終了位置Enである状態から、位置L1が撮影終了位置Enであり位置L2が撮影開始位置Stである状態へと、撮影開始位置および撮影終了位置の設定状態が変更される。
ステップS3に係る撮影準備段階において、撮像系の移動先は撮影開始位置Stすなわち位置L2である。従って、ステップS2において撮影開始位置の判定を行う事により、ステップS3における撮像系の移動距離をほぼ0にすることができる(図6、右中段)。そして撮影開始位置Stとして判定された位置L2から撮影終了位置Enとして判定された位置L1へ移動しつつ、一連のX線画像を撮影することによって(n+1)回目の長尺撮影が完了する(図6、右下段)。
このように実施例では長尺領域の両端の位置を候補点として登録した状態で、撮像系の現在位置に最も近い候補点を撮影開始位置として判定する工程と、X線画像を撮影して長尺画像を再構成する工程とを繰り返す。そのため実施例に係るX線撮影装置1を用いてn回の長尺撮影を行う場合、撮像系は位置L1と位置L2との間を往復移動する回数を(n/2)回に低減できる。またステップS1において、撮像系を実際の位置L1および位置L2に移動させて候補点の登録を行うことを考慮した場合でも、撮像系の往復移動は{(n+1)/2}回ですむ。
長尺撮影において撮像系が移動する距離が短くなる結果、撮像系の移動に要する時間が短縮される。撮影開始位置の判定による撮影開始位置Stおよび撮影終了位置Enの設定変更は、開始位置判定スイッチ33bを操作するという簡便な作業によって実行されるので、撮影開始位置Stなどの設定変更に要する時間は非常に短い。従って、実施例に係る構成により、特に長尺撮影を複数回繰り返す場合において、長尺撮影の全工程に係る所要時間を大きく短縮できる。その結果、体勢の維持などによる被検体の負担を軽減できるとともに術者の負担を軽減し、さらに長尺撮影のワークフローを大きく向上できる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例において、ステップS2に係る撮影開始位置の判定を行う工程と、ステップS3に係る撮像系を撮影開始位置へ移動させる工程とを連動させてもよい。すなわちステップS2において開始位置判定スイッチ33bを操作することにより、候補点L1およびL2のうち撮像系の現在位置に近い方が撮影開始位置Stとして判定されるとともに、撮像系の各々は撮影開始位置Stとして判定された候補点へ移動する。
このような変形例に係る構成では、撮影開始位置の判定が完了した後にX線画像の撮影準備が自動的に行われるので、撮影準備スイッチ33cを省略できる。この場合、入力部33をより小型化できる。また撮影準備スイッチ33cを操作する工程を省略できるので、長尺撮影の所要時間をより短縮できるとともに、術者の作業負担をより軽減できる。
(2)上述した実施例では仰臥体勢や横臥体勢など、臥位体勢をとる被検体Mに対して長尺撮影を行う場合を例に説明したが、実施例に係るX線撮影装置1の構成は、立位体勢をよる被検体Mに対して長尺撮影を行う場合にも適用できる。この場合、x方向と平行であった被検体Mの体軸方向は鉛直方向(z方向)と平行になる。また、天板3を水平状態から鉛直状態へ変位できる構成としてもよい。この場合、天板3の状態を適宜変位させることにより、臥位姿勢と立位姿勢との両方についてX線撮影を行うことができる。
また立位体勢で長尺撮影を行う際において、被検体Mは下肢などに疾病や傷害などを負っている場合が多い。すなわちこの場合、被検体Mの負担を軽減すべく長尺撮影の所要時間を短縮する要請がより強くなる。従って実施例に係るX線撮影装置を用いることにより、特に立位体勢の被検体に対して長尺撮影を複数回行う場合において、被検体の負担を大きく低減することが可能となる。
(3)上述した実施例では、X線管5およびX線検出器7の各々をx方向へ同期的に平行移動させる構成であるが、X線5aの照射野をx方向へ変位させる構成であれば撮像系を移動させる構成は同期的平行移動に限られない。X線5aの照射野をx方向へ変位させる構成の他の例としては特許文献2などのように、X線管5をy方向の軸回りに回転移動させつつX線検出器7をx方向へ移動させる構成が挙げられる。
(4)上述した実施例では、X線管5およびX線検出器7の各々がx方向に移動することによって撮影位置が移動する構成としたが、図示しない天板移動機構が天板3をx方向に移動させる構成としてもよい。この場合、天板3の移動に連動して、被検体Mに対する撮像系の各々の相対的な位置(撮影位置)はx方向に変位する。そのため天板3の移動に従ってX線5aの照射野はx方向に変位する。
(5)上述した実施例において、遮蔽板9aの各々は鏡像対称に移動する構成に限られず、独立に移動する構成であってもよい。またコリメータ9が備える遮蔽板9aの枚数は適宜変更してもよい。一例としては、x方向に鉛直移動する一対の遮蔽板9aと、x方向に直交するy方向(天板3の短手方向)に水平移動する一対の遮蔽板9aとを備える構成が挙げられる。
1 …X線撮影装置
3 …天板
5 …X線管
7 …X線検出器
11 …X線照射制御部
13 …X線管移動機構
15 …検出器移動機構
17 …コリメータ制御部
19 …画像生成部
21 …再構成部
23 …撮像系検知部(撮像系検知手段)
25 …候補点登録部(候補点登録手段)
27 …開始位置判定部(開始位置判定手段)
31 …記憶部
33 …入力部
33a …候補点登録スイッチ(登録指示手段)
33b …開始位置判定スイッチ(判定指示手段)
33c …撮影準備スイッチ
33d …撮影開始スイッチ
35 …主制御部

Claims (3)

  1. 被検体にX線を照射するX線管と、
    前記被検体を透過したX線を検出してX線検出信号を出力するX線検出器と、
    前記X線管および前記X線検出器からなる撮像系を前記被検体の体軸方向に移動させる撮像系移動手段と、
    前記撮像系移動手段が前記撮像系の各々を移動させる間に、前記X線検出器が出力するX線検出信号を用いてX線画像を複数枚生成する画像生成部と、
    前記画像生成部が生成する複数枚の前記X線画像を前記被検体の体軸方向に繋ぎ合わせ、長尺領域を撮影範囲とする単一の長尺画像を再構成する再構成部と、
    前記X線管および前記X線検出器からなる撮像系の現在位置を随時検知する撮像系検知手段と、
    前記長尺領域の両端を構成する所定の位置を候補点として登録する候補点登録手段と、
    前記撮像系の現在位置に近い方の前記候補点を、最初の前記X線画像を撮影する際における前記撮像系の位置である撮影開始位置と判定し、前記撮像系の現在位置から遠い方の前記候補点を、最後の前記X線画像を撮影する際における前記撮像系の位置である撮影終了位置と判定する開始位置判定手段と、
    前記開始位置判定手段による前記撮影開始位置および前記撮影終了位置の判定を指示する判定指示手段とを備えるX線撮影装置。
  2. 請求項1に記載のX線撮影装置において、
    前記撮像系移動手段は、前記開始位置判定手段が前記撮影開始位置と判定した前記候補点へ前記撮像系を移動させるX線撮影装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のX線撮影装置において、
    前記候補点登録手段に対して、前記撮像系の現在位置を前記候補点として登録する指示を行う登録指示手段を備えるX線撮影装置。
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