以下、図面を参照して、実施形態に係るX線診断装置、画像処理装置及び画像処理方法を説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る画像処理システム100の構成例について説明する。図1は、第1の実施形態に係る画像処理システム100の構成例を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る画像処理システム100は、X線診断装置200と、X線CT(Computed Tomography)装置300と、画像保管装置400と、画像処理装置500とを有する。図1に例示する各装置は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)600により、直接的、又は、間接的に相互に通信可能な状態となっている。例えば、医用画像診断システムにPACS(Picture Archiving and Communication System)が導入されている場合、各装置は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、医用画像等を相互に送受信する。
図1に例示する各装置は、DICOM規格のデータを送受信することで、他装置から受信したデータを、自装置で読み出したり、表示したりすることが可能となる。なお、本実施形態は、他装置から受信したデータを自装置で処理可能であるならば、任意の規格に則ったデータが送受信される場合であっても良い。
X線診断装置200は、X線管とX線検出器とを支持するCアームの位置を固定した状態で撮影を行なうことで、2次元のX線画像データを生成する。なお、第1の実施形態に係るX線診断装置200については、後に詳述する。
X線CT装置300は、X線を照射するX線管と被検体を透過したX線を検出するCT検出器とを対向する位置に支持して回転可能な回転フレームを有する。X線CT装置300は、X線管からX線を照射させながら回転フレームを回転させることで、透過、吸収、減衰を受けたX線の投影データを全方位に渡り収集し、収集した投影データからX線CT画像データを再構成する。X線CT画像データは、X線管とCT検出器との回転面(アキシャル面)における断層像となる。ここで、CT検出器は、チャンネル方向に配列されたX線検出素子である検出素子列が、被検体の体軸方向に沿って複数列配列されている。例えば、検出素子列が16列配列されたCT検出器を有するX線CT装置300は、回転フレームが1回転することで収集された投影データから、被検体の体軸方向に沿った複数枚(例えば16枚)のX線CT画像データを再構成する。
また、X線CT装置300は、回転フレームを回転させるとともに、被検体を載せた天板を移動させるヘリカルスキャンにより、例えば、心臓全体を網羅した500枚のX線CT画像データを3次元X線CT画像データとして再構成することができる。或いは、例えば、検出素子列が320列配列されたCT検出器を有するX線CT装置300では、回転フレームを1回転させるコンベンショナルスキャンを行なうだけで、心臓全体を網羅した3次元X線CT画像データを再構成することができる。また、X線CT装置300は、ヘリカルスキャンやコンベンショナルスキャンを連続して行なうことで、3次元X線CT画像データを時系列に沿って撮影可能である。
画像保管装置400は、医用画像データを保管するデータベースである。具体的には、画像保管装置400は、X線診断装置200、X線CT装置300から送信された医用画像データを自装置の記憶部に格納し、保管する。画像保管装置400に保管された医用画像データは、例えば、患者ID、検査ID、装置ID、シリーズID等の付帯情報と対応付けて保管される。
画像処理装置500は、例えば、病院内に勤務する医師や検査技師が医用画像の読影に用いるワークステーションやPC(Personal Computer)等である。画像処理装置500の操作者は、患者ID、検査ID、装置ID、シリーズID等を用いた検索を行なうことで、必要な医用画像データを画像保管装置400から取得することができる。或いは、画像処理装置500は、X線診断装置200やX線CT装置300から直接、画像データを受信する場合であっても良い。また、画像処理装置500は、医用画像を読影用に表示する他に、医用画像データに対して各種画像処理を行なうことが可能である。
なお、画像処理システム100は、PACSが導入されている場合にその適用が限られるものではない。例えば、画像処理システム100は、医用画像データが添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムが導入されている場合にも、同様に適用される。この場合、画像保管装置400は、電子カルテを保管するデータベースである。また、例えば、画像処理システム100は、HIS(Hospital Information System)、RIS(Radiology Information System)が導入されている場合にも、同様に適用される。
次に、図1に示すX線診断装置200の構成例について、図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置200の構成例を示すブロック図である。図2に例示するように、第1の実施形態に係るX線診断装置200は、X線高電圧装置211と、X線管212と、X線絞り装置213と、天板214と、Cアーム215と、X線検出器216とを備える。また、第1の実施形態に係るX線診断装置200は、Cアーム回転・移動機構217と、天板移動機構218と、Cアーム・天板機構制御部219と、絞り制御部220と、システム制御部221と、入力部222と、表示部223とを備える。また、第1の実施形態に係るX線診断装置200は、画像データ生成部224と、画像データ記憶部225と、画像処理部226とを備える。
X線高電圧装置211は、システム制御部221の制御に基づいて、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管212に供給する。X線管212は、X線高電圧装置211から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。
X線絞り装置213は、絞り制御部220の制御に基づいて、X線管212が発生したX線を、被検体Pの関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。例えば、X線絞り装置213は、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。X線絞り装置213は、絞り制御部220の制御に基づいて、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線管212が発生したX線を絞り込んで被検体Pに照射させる。天板214は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台の上に配置される。
X線検出器216は、FPD(Flat Panel Detector)であり、被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、X線検出器216は、マトリックス状に配列された検出素子を有する。各検出素子は、被検体Pを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を画像データ生成部224に送信する。
Cアーム215は、X線管212、X線絞り装置213及びX線検出器216を保持する。X線管212及びX線絞り装置213とX線検出器216とは、Cアーム215により被検体Pを挟んで対向するように配置される。
Cアーム回転・移動機構217は、Cアーム215を回転及び移動させるための機構であり、天板移動機構218は、天板214を移動させるための機構である。Cアーム・天板機構制御部219は、システム制御部221の制御に基づいて、Cアーム回転・移動機構217及び天板移動機構218を制御することで、Cアーム215の回転や移動、天板214の移動を調整する。絞り制御部220は、システム制御部221の制御に基づいて、X線絞り装置213が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
画像データ生成部224は、X線検出器216によってX線から変換された電気信号を用いてX線画像データを生成し、生成したX線画像データを画像データ記憶部225に格納する。例えば、画像データ生成部224は、X線検出器216から受信した電気信号に対して、電流・電圧変換やA(Analog)/D(Digital)変換、パラレル・シリアル変換を行なって、X線画像データを生成する。
画像データ記憶部225は、画像データ生成部224によって生成された画像データを記憶する。画像処理部226は、画像データ記憶部225が記憶する画像データに対して各種画像処理を行う。画像処理部226が行なう画像処理については後に詳述する。
入力部222は、X線診断装置200を操作する医師や技師等の操作者から各種指示を受け付ける。例えば、入力部222は、マウス、キーボード、ボタン、トラックボール、ジョイスティック等を有する。入力部222は、操作者から受け付けた指示を、システム制御部221に転送する。
表示部223は、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、画像データ記憶部225が記憶する画像データ等を表示する。例えば、表示部223は、モニタを有する。なお、表示部223は、複数のモニタを有しても良い。
システム制御部221は、X線診断装置200全体の動作を制御する。例えば、システム制御部221は、入力部222から転送された操作者の指示に従ってX線高電圧装置211を制御し、X線管212に供給する電圧を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量や、X線照射のON/OFFを制御する。また、例えば、システム制御部221は、操作者の指示に従ってCアーム・天板機構制御部219を制御し、Cアーム215の回転や移動、天板214の移動を調整する。また、例えば、システム制御部221は、操作者の指示に従って絞り制御部220を制御し、X線絞り装置213が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
また、システム制御部221は、操作者の指示に従って、画像データ生成部224による画像データ生成処理や、画像処理部226による画像処理等を制御する。また、システム制御部221は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや画像データ記憶部225が記憶する画像データなどを、表示部223のモニタに表示するように制御する。
ここで、システム制御部221は、ガイド画像生成部230を有する。第1の実施形態に係るX線診断装置200は、X線CT装置300により生成された3次元医用画像データを解剖学的な情報としてX線画像データに重畳表示して操作者を支援するガイド機能を有する。そして、ガイド画像生成部230は、操作者によりガイド機能が選択された場合に、X線CT装置300が撮像した3次元X線CT画像データと、X線診断装置200が撮像したX線画像データとの位置合わせを行なう。なお、ガイド画像生成部230が行なう処理については後に詳述する。
また、システム制御部221は、インターフェース部227を介して、他の医用画像診断装置により生成された各種データを取得する。例えば、システム制御部221は、操作者によりガイド機能が選択された場合に、X線CT装置300により生成された投影データや3次元医用画像データをX線CT装置300や画像保管装置400から取得する。
インターフェース部227は、院内LAN600、X線診断装置200、X線CT装置300、画像保管装置400及び画像処理装置500に対するインターフェースである。例えば、第1の実施形態に係るインターフェース部227は、X線CT装置300が出力した出力データを受信し、受信した出力データを、ガイド画像生成部230に転送する。
以上、第1の実施形態に係る画像処理システム100の全体構成について説明した。かかる構成において、第1の実施形態に係る画像処理システム100では、X線透視下のカテーテル治療を行う際に、X線CT装置300で得られた3次元医用画像データを解剖学的情報としてX線画像データに重畳表示して操作者をガイドする場合がある。なお、以下では、X線CT装置300によって治療部位を特定し、X線診断装置200による支援を受けながら特定した部位のカテーテル治療を行う場合について説明する。かかる場合、X線診断装置200は、X線CT装置300が撮像した3次元X線CT画像データと、X線診断装置200が撮影したX線画像データとの位置合わせを行なう。例えば、X線診断装置200は、回転方向の位置合わせ、高さ方向の位置合わせ、及び水平方向の位置合わせを行うことで、X線CT装置300が撮像した3次元X線CT画像データと、X線診断装置200が撮影したX線画像データとの位置合わせを行なう。なお、第1の実施形態では、X線診断装置200による撮像方向は、被検体の体軸方向に直交する方向であるものとして説明する。言い換えると、Cアーム215の回転方向を、LAO(Left Anterior Oblique view:第2斜位)、RAO(Right Anterior Oblique view:第1斜位)に限定する場合について説明する。
ここではまず、従来技術に係るX線診断装置による位置合わせについて説明する。図3は、従来技術に係るX線診断装置の処理動作を説明するための図である。図3に示すように、従来技術に係るX線診断装置は、3次元医用画像データから投影像である2次元画像データを生成し、生成した2次元画像データと、X線診断装置により撮像されたX線画像データとを比較する。ここで、従来技術に係るX線診断装置は、視点位置、視野の範囲、及び被写体の中心位置それぞれについてパラメータを設定し、設定したパラメータの組み合わせである投影条件ごとに投影像データを生成する。そして、従来技術に係るX線診断装置は、生成した投影像データをX線画像データと比較することで、回転方向の位置合わせ、高さ方向の位置合わせ、及び水平方向の位置合わせを行う。
図3に示す例では、従来技術に係るX線診断装置が、3次元医用画像データ3aを様々な視点位置から視野の範囲や被写体の中心位置を変えた投影条件で投影することで、投影像データである2次元画像データ3b、3c及び3dを生成し、X線画像データ3eと比較する場合を示す。従来技術に係るX線診断装置は、X線画像データと最も位置の合う2次元画像データを生成した2次元画像データから探索する。そして、従来技術に係るX線診断装置は、最も位置の合う2次元画像データを投影した投影条件で観察した3次元医用画像データをX線画像データに重畳して所定の表示部に表示させる。
次に、図4を用いて、従来技術に係るX線診断装置による位置合わせ処理の手順について説明する。図4は、従来技術に係るX線診断装置による位置合わせ処理の手順を示すフローチャートである。図4に示すように、従来技術に係るX線診断装置は、まず、視点位置を設定する(ステップS901)。例えば、従来技術に係るX線診断装置は、X線画像データの撮像時における撮像角度と近似するX線CT装置の撮像角度を視点位置として設定する。
また、従来技術に係るX線診断装置は、投影する3次元医用画像について投影する視野の範囲を設定する(ステップS902)。続いて、従来技術に係るX線診断装置は、投影する3次元医用画画像について投影する被写体の中心位置を設定する(ステップS903)。
そして、従来技術に係るX線診断装置は、設定した投影条件に対応する投影像データを生成する(ステップS904)。続いて、従来技術に係るX線診断装置は、生成した投影像データとX線画像データとを比較し、一致するか否かを判定する(ステップS905)。ここで、従来技術に係るX線診断装置は、一致すると判定した場合(ステップS905、Yes)、比較した投影像データを最も位置の合う2次元画像データとして選択し(ステップS908)、処理を終了する。
一方、従来技術に係るX線診断装置は、一致すると判定しなかった場合(ステップS905、No)、設定した視野の範囲で被写体の中心位置を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したか否かを判定する(ステップS906)。ここで、従来技術に係るX線診断装置は、設定した視野の範囲で被写体の中心位置を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したと判定しなかった場合(ステップS906、No)、ステップS903に移行して、被写体の中心位置を新たに設定する。
一方、従来技術に係るX線診断装置は、設定した視野の範囲で被写体の中心位置を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したと判定した場合(ステップS906、Yes)、設定した視点位置で視野の範囲を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したか否かを判定する(ステップS907)。ここで、従来技術に係るX線診断装置は、設定した視点位置で視野の範囲を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したと判定した場合(ステップS907、Yes)、ステップS901に移行して、視点位置を新たに設定する。一方、従来技術に係るX線診断装置は、設定した視点位置で視野の範囲を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したと判定しなかった場合(ステップS907、No)、ステップS902に移行して、視野の範囲を新たに設定する。
このように、従来技術に係るX線診断装置は、視点位置、視野の範囲、及び被写体の中心位置それぞれについてパラメータを設定して投影像データを生成する。ここで、従来技術に係るX線診断装置は、投影像データを1枚生成する場合、例えば0.5秒を要する。また、従来技術に係るX線診断装置は、例えば、回転角度とFOVとを変化させず、視点位置だけを変化させる場合であっても、投影条件を変更して新たに投影像データを生成することになる。すなわち、従来技術に係るX線診断装置は、複数あるパラメータのうちいずれか一つを変更するたびに新たな投影像データを生成する。従来技術に係るX線診断装置では、回転角度、FOV、及び視点位置それぞれを変化させて位置合わせを行う場合が多い。このようなことから、従来技術に係るX線診断装置では、3次元医用画像データとの位置合わせ処理の時間が長くなるという課題があった。
そこで、第1の実施形態では、3次元医用画像データとの位置合わせ処理に要する時間を短縮するために、X線診断装置200は、3次元医用画像データの再構成に用いられた投影データを用いて、X線画像と3次元医用画像データとを位置合わせする。図5は、第1の実施形態に係るX線診断装置200の処理動作を説明するための図である。
図5に示すように、X線診断装置200は、3次元医用画像データの再構成に用いられた投影データと、X線診断装置200により撮像されたX線画像データとを比較する。図5に示す例では、X線診断装置200が、3次元医用画像データの再構成に用いられた投影データ5a、5b及び5cを、投影データを記憶する所定の記憶部から取得して、X線画像データ5dと比較する場合を示す。そして、X線診断装置200は、最も位置の合う投影データを探索し、最も位置の合う投影データを撮像した角度において再構成された3次元医用画像データをX線画像データに重畳して所定の表示部に表示させる。
このように、第1の実施形態に係るX線診断装置200は、3次元医用画像データの再構成に用いられた投影データを所定の記憶部から取得するので、3次元医用画像データから新たに投影像データを生成しなくてもよい。このため、第1の実施形態に係るX線診断装置200は、3次元医用画像データとの位置合わせ処理に要する時間を短縮することができる。このようなX線診断装置200による機能は、ガイド画像生成部230により実現される。図6は、第1の実施形態に係るガイド画像生成部230の機能構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、第1の実施形態に係るガイド画像生成部230は、投影データ記憶部231と、3次元医用画像データ記憶部232と、補正部234と、位置合わせ部235と、合成画像生成部236とを有する。
投影データ記憶部231は、X線CT装置300により生成された投影データを記憶する。なお、ここで言う投影データとは、X線CT装置300により収集された投影データと、X線CT装置300により収集された投影データに対して前処理を行った生データとを示す。3次元医用画像データ記憶部232は、X線CT装置300により生成された3次元X線CT画像データを3次元医用画像データとして記憶する。
補正部234は、X線CT装置300が有するCT検出器300aにおける検出位置を、X線検出器216における検出位置に補正した変換情報を用いて、投影データを補正する。図7は、第1の実施形態に係る補正部234による処理動作を説明するための図である。図7では、X線CT装置300が有するCT検出器300aと、X線診断装置200が有するX線検出器216とを図示している。
ここで、X線CT装置300が有するCT検出器300aは、回転フレームに合わせた略円形の形状を有している。一方、X線診断装置200が有するX線検出器216は、FPDであり、平面の形状を有している。このため、CT検出器300aを用いて撮像される投影データとX線検出器216を用いて撮像されるX線画像データとの間には違いが生じる。例えば、CT検出器300aにおける検出位置CT1は、X線検出器216における検出位置XR1に対応し、CT検出器300aにおける検出位置CT2は、X線検出器216における検出位置XR2に対応する。また、CT検出器300aにおける検出位置CT3は、X線検出器216における検出位置XR3に対応し、CT検出器300aにおける検出位置CT4は、X線検出器216における検出位置XR4に対応する。このようなことから、補正部234は、CT検出器300aにおける検出位置を、X線検出器216における検出位置に補正した変換情報を用いて、投影データを補正する。
位置合わせ部235は、X線CT装置300により被検体から収集された投影データであって3次元医用画像データの再構成に用いられた投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。例えば、位置合わせ部235は、補正された投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。すなわち、位置合わせ部235は、補正された投影データを用いることで、X線画像データとの位置合わせの精度を向上させることが可能となる。
より具体的には、位置合わせ部235は、X線画像データが生成された撮像条件に基づいて、投影データを撮像した角度を決定し、決定した角度で撮像された投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。例えば、位置合わせ部235は、決定した角度で撮像された投影データに対して、視野の範囲及び視野の中心位置の少なくともいずれか一方を変更することで、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。なお、位置合わせ部235の処理の詳細については、図9を用いて後述する。
合成画像生成部236は、位置合わせされた3次元医用画像データをX線画像データに重畳した合成画像データを生成する。図8は、第1の実施形態に係る合成画像生成部236により生成される合成画像データの一例を示す図である。図8に示すように、合成画像生成部236は、X線画像データ8aに、位置合わせされた3次元医用画像データ8bを重畳させた合成画像データを生成する。ここで3次元医用画像データ8bは、例えば、X線診断装置200による撮像では画像化されない心房である。
そして、システム制御部221は、合成画像データを所定の表示部に表示させる。すなわち、システム制御部221は、位置合わせされた3次元医用画像データをX線画像データに重畳して所定の表示部に表示させる。これにより、操作者は、X線透視下のカテーテル治療を行う際に、解剖学的情報を参照することが可能となる。
図9は、第1の実施形態に係る位置合わせ部235による処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、位置合わせ部235は、回転角度を設定する(ステップS101)。例えば、位置合わせ部235は、X線画像データの撮像時における撮像角度と近似したX線CT装置300の撮像角度を設定する。言い換えると、位置合わせ部235は、X線CT装置300のX線管の撮像軌道上であってX線画像データの撮像時における撮像角度に相当する視点位置を回転角度として設定する。
そして、位置合わせ部235は、設定した回転角度において収集された投影データを投影データ記憶部231から取得する(ステップS102)。例えば、位置合わせ部231は、サイノグラムを参照して、設定された回転角度と近似した撮像角度で収集された投影データを取得する。
続いて、位置合わせ部235は、取得した投影データとX線画像データとを比較し、一致するか否かを判定する(ステップS103)。ここで、位置合わせ部235は、一致すると判定した場合(ステップS103、Yes)、比較した投影データを最も位置の合う投影データとして選択し(ステップS110)、処理を終了する。一方、位置合わせ部235は、一致すると判定しなかった場合(ステップS103、No)、投影データの視野の範囲を設定する(ステップS104)。例えば、位置合わせ部235は、投影データのピクセル値を拡大又は縮小することで投影データにおける視野の範囲を設定する。そして、位置合わせ部235は、視野の範囲を設定した投影データとX線画像データとを比較し、一致するか否かを判定する(ステップS105)。
ここで、位置合わせ部235は、一致すると判定した場合(ステップS105、Yes)、比較した投影データを最も位置の合う投影データとして選択し(ステップS110)、処理を終了する。一方、位置合わせ部235は、一致すると判定しなかった場合(ステップS105、No)、投影データにおいて設定した視野の範囲を平行移動させる(ステップS106)。言い換えると、位置合わせ部235は、設定した視野の範囲で視野の中心位置を変更する。そして、位置合わせ部235は、視野の範囲を平行移動させた投影データとX線画像データとを比較し、一致するか否かを判定する(ステップS107)。
ここで、位置合わせ部235は、一致すると判定した場合(ステップS107、Yes)、比較した投影データを最も位置の合う投影データとして選択し(ステップS110)、処理を終了する。一方、位置合わせ部235は、一致すると判定しなかった場合(ステップS107、No)、設定した視野の範囲で視野の中心を平行移動させた全ての投影データについて一致を判定したか否かを判定する(ステップS108)。ここで、位置合わせ部235は、設定した視野の範囲で視野の中心を平行移動させた全ての投影データについて一致を判定したと判定しなかった場合(ステップS108、No)、ステップS106に移行して、投影データにおける視野の範囲を平行移動させる。
一方、位置合わせ部235は、設定した視野の範囲で視野の中心を平行移動させた全ての投影データについて一致を判定したと判定した場合(ステップS108、Yes)、設定した回転角度で全ての視野の範囲について一致を判定したか否かを判定する(ステップS109)。ここで、位置合わせ部235は、設定した回転角度で全ての視野の範囲について一致を判定したと判定しなかった場合(ステップS109、No)、ステップS104に移行して、投影データの視野の範囲を新たに設定する。一方、位置合わせ部235は、設定した回転角度で全ての視野の範囲について一致を判定したと判定した場合(ステップS109、Yes)、ステップS101に移行して、回転角度を新たに設定する。
上述したように、第1の実施形態によれば、3次元医用画像データの再構成に用いられた投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせするので、3次元医用画像データとの位置合わせ処理に要する時間を短縮することができる。また、これにより、手術時間を短縮することが可能となり、患者や術者の負担を軽減することができる。
また、第1の実施形態では、回転角度に基づいて、投影データを取得した後、視野の範囲や視野の中心位置を変更する場合、取得した投影データを画像処理する。すなわち、第1の実施形態では、視野の範囲や視野の中心位置を変更する場合に、新たに投影像データを生成する必要がない。これにより、第1の実施形態によれば、従来技術に係るX線診断装置と比較して、より位置合わせの処理を高速化することが可能となる。
なお、第1の実施形態では、X線診断装置200による撮像方向は、被検体の体軸方向に直交する方向であるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、X線診断装置200は、Cアーム215をCAU(Caudal view:頭尾方向)、CRA(Cranial view:尾頭方向)に回転させて、撮像を行うようにしてもよい。かかる場合、X線CT装置300において、CAU或いはCRAにおける回転方向に相当するチルト角でガントリを傾けて撮像を行い、投影データを収集する。そして、X線診断装置200は、ガントリを傾けた撮像で収集された投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、X線診断装置200が、投影データを取得して、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする場合について説明した。ところで、3次元医用画像データから事前に生成した投影像データである2次元画像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせしてもよいものである。このようなことから、第2の実施形態では、3次元医用画像データから事前に生成した投影像データである2次元画像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする場合について説明する。
第2の実施形態に係る画像処理システム100の構成例は、図1に示した第1の実施形態に係る画像処理システムの構成例と同様である。第2の実施形態に係るX線診断装置200の機能構成は、第1の実施形態に係るガイド画像生成部230における一部の機能が異なるガイド画像生成部240を有する点を除いて、図2に示した第1の実施形態に係るX線診断装置200の機能構成と同様である。このため、第2の実施形態に係るX線診断装置に200については、第2の実施形態に係るガイド画像生成部240についてのみ説明する。図10は、第2の実施形態に係るガイド画像生成部240の機能構成を示す機能ブロック図である。
図10に示すように、第2の実施形態に係るガイド画像生成部240は、投影像データ記憶部241と、3次元医用画像データ記憶部232と、補正部244と、位置合わせ部245と、合成画像生成部236と、投影像データ生成部248とを有する。なお、第2の実施形態に係るガイド画像生成部240が有する各部において、第1の実施形態に係るガイド画像生成部230が有する各部と同様の機能を有する場合、同一の符号を付与し詳細な説明を省略する。
投影像データ生成部248は、3次元医用画像データから投影像である2次元画像データをX線診断装置による撮像に先駆けて生成する。例えば、投影像データ生成部248は、3次元医用画像データ記憶部232から3次元医用画像データを取得する。そして、投影像データ生成部248は、回転角度、視野の範囲、及び被写体の中心位置それぞれについてパラメータを設定し、設定したパラメータの組み合わせである投影条件ごとに投影像データを生成する。投影像データ生成部248は、生成した投影像データを投影像データ記憶部241に格納させる。
ここで、X線CT装置300の寝台に載置された被検体について以下に示すX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系を定義する。すなわち、被検体の左右方向をX軸とし、被検体に対して鉛直方向をY軸とし、被検体の体軸方向をZ軸とする。かかる場合、投影像データ生成部248は、X軸、Y軸、及びX軸それぞれの軸を中心に、例えば10度ずつ360度回転させる投影条件を設定する。すなわち、投影像データ生成部248は、X軸、Y軸、及びZ軸それぞれで36通りの回転角度を設定する。すなわち、投影像データ生成部248は、回転角度について108通りの投影条件を設定する。
また、投影像データ生成部248は、投影条件として設定した各回転角度において、視野の範囲及び被写体の中心位置をそれぞれ設定した投影条件を設定する。そして、投影像データ生成部248は、このように設定された各投影条件にて3次元医用画像データを投影した投影像データを生成する。なお、回転角度、視野の範囲、及び被写体の中心位置それぞれについてのパラメータの設定値は、操作者により任意に変更可能であるものとする。
投影像データ記憶部241は、3次元医用画像データから事前に生成された投影像データを記憶する。例えば、撮影像データ記憶部241は、回転角度、視野の範囲、及び被写体の中心位置それぞれについて設定されたパラメータの組み合わせである投影条件ごとに生成された投影像データを記憶する。
第2の実施形態に係る補正部244は、X線CT装置300が有するCT検出器300aにおける検出位置を、X線検出器216における検出位置に補正した変換情報を用いて、2次元画像データを補正する。
位置合わせ部245は、3次元医用画像データから事前に生成された投影像データである2次元画像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。ここで、位置合わせ部245は、補正された2次元画像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。すなわち、位置合わせ部245は、補正された投影像データを用いることで、X線画像データとの位置合わせの精度を向上させることが可能となる。
より具体的には、位置合わせ部245は、X線画像データが生成された撮像条件に基づいて、2次元画像データが生成された投影角度を決定し、決定した投影角度で生成された2次元画像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。例えば、位置合わせ部245は、決定した投影角度で生成された2次元画像データに対して、視野の範囲及び視野の中心位置の少なくともいずれか一方を変更することで、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。なお、位置合わせ部245の処理の詳細については、図11を用いて後述する。
なお、合成画像生成部236は、位置合わせされた3次元医用画像データをX線画像データに重畳した合成画像データを生成する。そして、システム制御部221は、合成画像データを所定の表示部に表示させる。すなわち、システム制御部221は、位置合わせされた3次元医用画像データをX線画像データに重畳して所定の表示部に表示させる。これにより、操作者は、X線透視下のカテーテル治療を行う際に、解剖学的情報を参照することが可能となる。
図11は、第2の実施形態に係る位置合わせ部245による処理手順を示すフローチャートである。図11に示すように、位置合わせ部245は、回転角度を設定する(ステップS201)。例えば、位置合わせ部245は、X線画像データの撮像時における撮像角度と近似したX線CT装置300の撮像角度を決定する。言い換えると、X線CT装置300のX線管の撮像軌道上であって3次元医用画像データを投影した視点位置に相当する回転角度を決定する。
続いて、位置合わせ部245は、視野の範囲を設定する(ステップS202)。また、位置合わせ部245は被写体の中心位置を設定する(ステップS203)。そして、位置合わせ部245は、設定した回転角度、視野の範囲、及び被写体の中心位置に対応する投影条件で事前に生成された投影像データを投影像データ記憶部241から取得する(ステップS204)。
続いて、位置合わせ部245は、取得した投影像データとX線画像データとを比較し、一致するか否かを判定する(ステップS205)。ここで、位置合わせ部245は、一致すると判定した場合(ステップS205、Yes)、比較した投影像データを最も位置の合う投影像データとして選択し(ステップS208)、処理を終了する。一方、位置合わせ部245は、一致すると判定しなかった場合(ステップS205、No)、設定した視野の範囲で被写体の中心位置を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、位置合わせ部245は、設定した視野の範囲で被写体の中心位置を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したと判定しなかった場合(ステップS206、No)、ステップS203に移行して、被写体の中心位置を新たに設定する。
一方、位置合わせ部245は、設定した視野の範囲で被写体の中心位置を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したと判定した場合(ステップS206、Yes)、設定した回転角度で視野の範囲を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したか否かを判定する(ステップS207)。ここで、位置合わせ部245は、設定した回転角度で視野の範囲を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したと判定しなかった場合(ステップS207、No)、ステップS202に移行して、視野の範囲を新たに設定する。一方、位置合わせ部245は、設定した回転角度で視野の範囲を変更した全ての投影条件で生成した投影像データについて一致を判定したと判定した場合(ステップS207、Yes)、ステップS201に移行して、回転角度を新たに設定する。
上述したように、第2の実施形態によれば、3次元医用画像データから事前に生成された投影像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせするので、3次元医用画像データとの位置合わせ処理に要する時間を短縮することができる。また、これにより、手術時間を短縮することが可能となり、患者や術者の負担を軽減することができる。
また、第2の実施形態によれば、X軸、Y軸、及びX軸それぞれの軸を中心に、例えば10度ずつ360度回転させる投影条件を設定する。これにより、X線診断装置200が、Cアーム215をCAU、CRAに回転させて撮像する場合でも、CAU或いはCRAにおける回転方向に相当するチルト角でガントリを傾けて撮像を行わなくてもよい。
なお、第2の実施形態では、投影像データ生成部248が、回転角度、視野の範囲、及び被写体の中心位置それぞれについてパラメータを設定し、設定したパラメータの組み合わせである投影条件ごとに投影像データを生成するものとして説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、投影像データ生成部248は、回転角度についてパラメータを設定し、投影像データを生成してもよい。また、かかる場合、位置合わせ部245は、X線画像データの撮像時における撮像角度と近似したX線CT装置300の撮像角度を決定し、決定した撮像角度で投影された投影像データを投影像データ記憶部241から取得する。そして、位置合わせ部245は、第1の実施形態に係る位置合わせ部235と同様の処理を実行することで、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。すなわち、位置合わせ部245は、投影像データのピクセル値を拡大又は縮小することで投影データにおける視野の範囲を設定したり、設定した視野の範囲を平行移動させたりすることで、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。
(第3の実施形態)
上述した実施形態においては、X線診断装置200が、位置合わせを実行する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、X線診断装置200が行なう各種処理の一部又は全ては、X線CT装置300や画像処理装置500により実行されても良い。図12は、第3の実施形態に係る画像処理システム100の構成例を示す図である。なお、図12では説明を簡略化するために第3の実施形態に係る画像処理システム100のうちX線診断装置200と、画像処理装置500とのみを図示しているが、第3の実施形態に係る画像処理装置100には、図1に示すX線CT装置300や画像保管装置400が含まれてもよい。
また、図12では、第3の実施形態に係るX線診断装置200について、図2に示す第1の実施形態に係るX線診断装置200との差異についてのみ説明する。図12に示すように、第3の実施形態に係るX線診断装置200は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線診断装置200と、システム制御部221の構成が異なる。すなわち、第3の実施形態に係るX線診断装置200のシステム制御部221は、ガイド画像生成部230(240)を有さず、依頼部221aと、応答受信部221bとを有する。
依頼部221aは、操作者によりガイド機能が選択された場合に、撮像されたX線画像データであって3次元医用画像データとの位置合わせに用いるX線画像データを画像処理装置500に送信し、位置合わせ処理の実行を依頼する。
応答受信部221bは、位置合わせ処理の実行結果を画像処理装置500から受信する。例えば、応答受信部221bは、位置合わせ処理の実行結果として、画像処理装置500により生成された合成画像データを受信する。
第3の実施形態に係る画像処理装置500は、ガイド画像生成部510を有する。ガイド画像生成部510は、投影データ記憶部511と、3次元医用画像データ記憶部512と、要求受付部513と、補正部514と、位置合わせ部515と、合成画像生成部516と、表示制御部517とを有する。
投影データ記憶部511は、投影データ記憶部231と同様の機能を有する。すなわち、投影データ記憶部511は、X線CT装置300により生成された投影データを記憶する。3次元医用画像データ記憶部512は、3次元医用画像データ記憶部232と同様の機能を有する。すなわち、3次元医用画像データ記憶部512は、X線CT装置300により生成された3次元X線CT画像データを3次元医用画像データとして記憶する。
要求受付部513は、位置合わせ処理を実行する依頼を受付け、他の医用画像診断装置により生成された各種データを取得する。例えば、要求受付部513は、X線診断装置200から位置合わせ処理を実行する依頼を受付けた場合に、X線CT装置300により生成された投影データや3次元医用画像データをX線CT装置300や画像保管装置400から取得する。そして、要求受付部513は、取得した投影データを投影データ記憶部511に格納させ、取得した3次元医用画像データを3次元医用画像データ記憶部512に格納させる。
補正部514は、補正部234と同様の機能を有する。すなわち、補正部514は、X線CT装置300が有するCT検出器300aにおける検出位置を、X線検出器216における検出位置に補正した変換情報を用いて、投影データを補正する。
位置合わせ部515は、位置合わせ部235と同様の機能を有する。すなわち、位置合わせ部515は、X線CT装置300により被検体から収集された投影データであって3次元医用画像データの再構成に用いられた投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。例えば、位置合わせ部515は、補正された投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。
合成画像生成部516は、合成画像生成部236と同様の機能を有する。すなわち、合成画像生成部516は、位置合わせされた3次元医用画像データをX線画像データに重畳した合成画像データを生成する。
表示制御部517は、X線診断装置200が有する所定の表示部に合成画像データを表示させる。すなわち、表示制御部517は、位置合わせされた3次元医用画像データをX線画像データに重畳して、X線診断装置200が有する所定の表示部に表示させる。これにより、X線診断装置200の操作者は、X線透視下のカテーテル治療を行う際に、解剖学的情報を参照することが可能となる。
このように、第3の実施形態によれば、3次元医用画像データの再構成に用いられた投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせするので、3次元医用画像データとの位置合わせ処理に要する時間を短縮することができる。また、第3の実施形態によれば、画像処理装置500が位置合わせ処理を実行するので、X線診断装置200による処理負荷を軽減することが可能となる。
なお、位置合わせ部515は、位置合わせ部245と同様の機能を有するようにしてもよい。すなわち、位置合わせ部515は、3次元医用画像データから事前に生成された投影像データである2次元画像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。例えば、位置合わせ部515は、補正された2次元画像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。
また、カテーテル治療を行う際に、操作者や操作者の関係者がタブレット端末などの携帯端末を利用する場合がある。このようなことから、第3の実施形態に係る画像処理装置500は、X線診断装置200が有する所定の表示部及び携帯端末の所定の表示部の少なくともいずれか一方に、位置合わせされた3次元医用画像データをX線画像データに重畳して表示させるようにしてもよい。例えば、第3の実施形態に係る画像処理装置500は、生成した合成画像データを、X線診断装置200と携帯端末とに送信するようにしてもよい。或いは、第3の実施形態に係る画像処理装置500は、生成した合成画像データを、携帯端末だけに送信するようにしてもよい。
(その他の実施形態)
実施形態は、上述した実施形態に限られるものではない。
上述した実施形態では、例えば、位置合わせ部235は、CT検出器300aにおける検出位置を、X線検出器216における検出位置に補正された投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせするものとして説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、位置合わせ部235は、CT検出器300aにおける検出位置を、X線検出器216における検出位置に補正されていない投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせしてもよい。かかる場合、ガイド画像生成部230は、補正部234を備えなくてもよい。なお、同様に、ガイド画像生成部510は、補正部514を備えなくてもよい。かかる場合、位置合わせ部515は、CT検出器300aにおける検出位置を、X線検出器216における検出位置に補正されていない投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。
また、ガイド画像生成部240は、補正部244を備えなくてもよい。かかる場合、位置合わせ部245は、CT検出器300aにおける検出位置を、X線検出器216における検出位置に補正されていない投影像データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせする。
また、上述した実施形態では、例えば、システム制御部221は、合成画像データを所定の表示部に表示させるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、システム制御部221は、X線画像データと、位置合わせされた3次元医用画像データとをそれぞれ表示することで、3次元医用画像データをX線画像データに重畳して表示させてもよい。かかる場合、ガイド画像生成部230は、合成画像生成部236を備えなくてもよい。なお、同様に、ガイド画像生成部240は、合成画像生成部236を備えなくてもよく、ガイド画像生成部510は、合成画像生成部516を備えなくてもよい。
また、上述した実施形態では、X線CT装置300により収集された投影データ及びX線CT装置300により収集された投影データに対して前処理を行ったデータである生データを投影データとして扱うものとして説明した。このため、位置合わせ部235は、X線CT装置300により収集された投影データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせしてもよく、生データを用いて、X線画像データと3次元医用画像データとを位置合わせしてもよい。
なお、上述した実施形態では、X線CT装置300により生成された3次元医用画像データと、X線画像データとの位置合わせについて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、3次元医用画像データは、MRI装置で撮像された3次元MRI画像データであってもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、3次元医用画像データとの位置合わせ処理に要する時間を短縮することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。