JP2017017042A - リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電効率及びサイクル特性が良好で膨れの発生が抑制された角型またはパウチ型リチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】α−NaFeO2型の構造を持ち、組成式がLi1+αTO2で表される正極活物質を備え、所定の測定手順で測定されるオルト水素−パラ水素変換率が0.2%以下である正極と、13C NMRを測定した際に150〜160ppmのシグナルに対する160〜170ppmのシグナルの強度比が0.002以下である電解液と、黒鉛、難黒鉛化性炭素、及び、分子内に芳香環とカルボニル基を2つ以上有し前記芳香環が積み重なった構造を有する化合物のうちいずれか1種または2種以上を負極活物質として用いた負極とを備えたリチウムイオン二次電池。【選択図】図4

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池の正極活物質には、一般にリチウム含有遷移金属酸化物が用いられている。具体的には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)等であり、特性改善(高容量化、サイクル特性、保存特性、内部抵抗低減、レート特性)や安全性を高めるためにこれらを複合化することが進められている。車載用やロードレベリング用といった大型用途におけるリチウムイオン二次電池には、これまでの携帯電話用やパソコン用とは異なった特性が求められている。
このようなリチウムイオン二次電池において求められる電池特性の向上について、従来、種々の研究・開発が行われている(特許文献1〜3)。
特許第3769871号公報 特許第4062856号公報 特開2015−3838号公報
現在用いられているリチウムイオン二次電池は、円筒型、角型、パウチ型などがあり、円筒型と角型・パウチ型とは構成要素に要求される特性が異なっている。正極活物質に関しては、基本的に角型・パウチ型では、電池容量やサイクル特性が良好であることはもちろん、膨れを防止するために低不純物であることが求められている。
一般的に角型・パウチ型リチウムイオン二次電池では、前述の通り、その正極活物質中の不純物が低くなっていることが重要であるが、これは正極活物質の製造工程に起因している。すなわち、従来の製造工程では、リチウム化合物(水酸化リチウム、炭酸リチウム等)と遷移金属化合物(炭酸塩、水酸化物、酸化物等)とを混合し、焼成して製造している。この時、リチウムの物質量とリチウム以外の金属(Me)との物質量との比(Li/Me)について、例えば層状化合物Li1+αMeO2を仮定した際、角型・パウチ型リチウムイオン二次電池用正極活物質ではαが0.995〜1.005という、円筒型に比べて極めて化学量論組成に近い量で仕込むこととなる。なぜなら、Meと反応した分以外のLiは、正極活物質中にアルカリ不純物(Li2CO3、LiOH)として残存してしまうが、円筒型ではこの残存したアルカリ不純物のため、電池に組み立てた際に内部でアルカリ不純物が分解して二酸化炭素が発生し、極板が円筒缶に押し付けられてより良好な電池特性となるか、副反応に伴う内圧上昇の際に円筒型電池上部に設けた安全弁を作動させて速やかに圧力を低下させるのに対し、角型・パウチ型の場合は発生する二酸化炭素は外形を変形させ、電池端子との接触が悪くなったり、極板と端子との接触が悪くなってしまって電池として働かなくなってしまったりするからである。ここで、焼成に用いるリチウム化合物として水酸化リチウムを選択すると、焼成後に炭酸リチウムや水酸化リチウムが多量に検出されてしまうのが実態であり、そのため焼成前のリチウム化合物として炭酸リチウムを選択し、焼成後の炭酸リチウム量を抑制するのが角型・パウチ型リチウムイオン二次電池用正極活物質の開発では常識となっている。
原料に炭酸リチウムを用いる焼成では、一般的に炭酸リチウムの融点がTG−DTAで測定すると730℃となることから、730℃近辺でいったん炭酸リチウムを溶融して、そのあと本焼成となる800〜1000℃近辺に持っていくことが多い。しかし本発明者が検討を行ったところ、実際の遷移金属とリチウムとの反応は500℃近辺で始まっており、上記の溶融工程を行ってしまうと、一旦形成した活物質粒子同士の融着が発生し、焼成後の解砕の際に過大な力が必要となってしまってせっかくできていた一次粒子を破壊し、この時にもともと粒子内部にあった炭酸リチウムが表面に現われるか、空気中の二酸化炭素と正極活物質の新規一次粒子破断面とが接触することにより炭酸リチウムが不純物として発生してしまって膨れの抑制になっていないことがわかった。これを防ぐために弱い力で解砕した後ふるい等で分級することも考えられているが、粗大粒子を分級したとしても、本来の粒子ではない凝集粒子(例えば、リチウムニッケル酸化物系正極活物質では一次粒子が凝集して二次粒子を形成するが、平均二次粒子径よりも小さい二次粒子が三次凝集し、平均二次粒子径と同じ凝集径を持つ粒子)が電極作製時にプレスをかけることで壊れてしまい、この場合も上記と似たようなメカニズムにより炭酸リチウムが表面に現われるか炭酸リチウムが不純物として発生し、やはり膨れの抑制につながっていないことが判明した。
この対策として、Li/Meを上述の範囲よりもやや多めに仕込み、結果として得られた焼成粉を水洗することがあったが、水洗したままの正極活物質では表面にLi欠陥が生成するためサイクル特性が悪く、またこれを焼成すると表面に酸素欠陥が多量に発生し、やはりサイクル特性が悪くなることが判明した。
このような問題を鑑みて、本発明は、充放電効率及びサイクル特性が良好で膨れの発生が抑制された角型またはパウチ型リチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明者は、上記問題を解決するため種々の検討を行った結果、所定の組成式を有する正極活物質を用いた、オルト水素−パラ水素変換率が0.2%以下である正極と、所定のシグナルの強度比を有する電解液と、所定の構成を有する負極とを備えたリチウムイオン二次電池によれば、充放電効率及びサイクル特性が良好で膨れの発生が抑制された角型・パウチ型リチウムイオン二次電池を提供することができることを見出した。
上記知見を基礎にして完成した本発明は一側面において、α−NaFeO2型の構造を持ち、組成式がLi1+αTO2
(式中、0≦α≦0.002であり、TはNi、Co、Mn、Mg及びAlから選択される少なくとも1種からなり、Mnを含む場合は組成比:Mn/Tが0.1以下であり、Alを含む場合は組成比:Al/Tが0.03以下であり、Mgを含む場合は組成比:Mg/Tが0.015以下である)
で表される正極活物質を備え、
下記(1)〜(3)の測定手順で測定されるオルト水素−パラ水素変換率が0.2%以下である正極と、
13C NMRを測定した際に150〜160ppmのシグナルに対する160〜170ppmのシグナルの強度比が0.002以下である電解液と、
黒鉛、難黒鉛化性炭素、及び、分子内に芳香環とカルボニル基を2つ以上有し前記芳香環が積み重なった構造を有する化合物のうちいずれか1種または2種以上を負極活物質として用いた負極と、
を備えたリチウムイオン二次電池である。
(1)リチウムイオン二次電池を解体して正極を取り出し、前記正極から前記正極活物質層を剥がして120℃で10時間乾燥することで電極剥離乾燥物を作製する。
(2)前記電極剥離乾燥物を、ICP発光分光分析法によって前記Tが0.2モルとなる重量分採取し、内径0.7cm、外径1cmのリング状オリフィスを内壁に沿って固定した内径1cmのフッ素樹脂製の直管に、外径1cmの30メッシュであるフッ素樹脂メッシュを前記リング状オリフィスに接触するように充填した後、前記採取した電極剥離乾燥物を前記直管内の前記フッ素樹脂メッシュの表面に接触するように詰める。
(3)前記直管を70Kに冷やし、前記直管の前記電極剥離乾燥物側にある入口から流入ガスとして純オルト水素を1.3L/minで10秒間流し込み、前記直管の前記フッ素樹脂メッシュ側にある出口から排出される排出ガスをファーカスの熱伝導度計で測定することで、排出ガスにおけるパラ水素の体積をAとし、流出ガスの総体積をBとしたときの(A/B)×100%で示される体積百分率であるオルト水素−パラ水素変換率を求める。
本発明は別の一側面において、α−NaFeO2型の構造を持ち、組成式がLi1+αTO2
(式中、0≦α≦0.002であり、TはNi、Co、Mn、Mg及びAlから選択される少なくとも1種からなり、Mnを含む場合は組成比:Mn/Tが0.1以下であり、Alを含む場合は組成比:Al/Tが0.03以下であり、Mgを含む場合は組成比:Mg/Tが0.015以下である)
で表されるリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であり、
前記Tの水酸化物または酸化物と、炭酸リチウムとの混合物を作製する工程と、
前記混合物を焼成する工程であって、焼成最高温度までの昇温時において焼成雰囲気を0.002MPa以上の炭酸ガス分圧と0.018MPa以上の酸素分圧とを有する雰囲気に制御し、且つ、前記焼成最高温度に到達してから前記焼成最高温度を保持し、冷却を開始するまでの間は炭酸ガスを含まず酸素分圧が0.018MPaとなる雰囲気に制御する工程と、
を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明によれば、充放電効率及びサイクル特性が良好で膨れの発生が抑制された角型・パウチ型リチウムイオン電池を提供することができる。
(a)は実施例3の陰極側に流通させた化合物である。(b)は実施例3で回収した化合物である。 実施例12で用いた焼成装置の模式図である。 実施例3の反応系の概略模式図である。 オルト水素−パラ水素変換率の測定装置の模式図である。
(リチウムイオン二次電池の構成)
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、電解液と、負極とを備える。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極活物質は、α−NaFeO2型の構造を持ち、組成式がLi1+αTO2
(式中、0≦α≦0.002であり、TはNi、Co、Mn、Mg及びAlから選択される少なくとも1種からなり、Mnを含む場合は組成比:Mn/Tが0.1以下であり、Alを含む場合は組成比:Al/Tが0.03以下であり、Mgを含む場合は組成比:Mg/Tが0.015以下である)で表される。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極について、下記(1)〜(3)の測定手順で測定されるオルト水素−パラ水素変換率が0.2%以下である。
(1)リチウムイオン二次電池を解体して正極を取り出し、前記正極から前記正極活物質層を剥がして120℃で10時間乾燥することで電極剥離乾燥物を作製する。
(2)前記電極剥離乾燥物を、ICP発光分光分析法によって前記Tが0.2モルとなる重量分採取し、内径0.7cm、外径1cmのリング状オリフィスを内壁に沿って固定した内径1cmのフッ素樹脂製の直管に、外径1cmの30メッシュであるフッ素樹脂メッシュを前記リング状オリフィスに接触するように充填した後、前記採取した電極剥離乾燥物を前記直管内の前記フッ素樹脂メッシュの表面に接触するように詰める。
(3)前記直管を70Kに冷やし、前記直管の前記電極剥離乾燥物側にある入口から流入ガスとして純オルト水素を1.3L/minで10秒間流し込み、前記直管の前記フッ素樹脂メッシュ側にある出口から排出される排出ガスをファーカスの熱伝導度計で測定することで、排出ガスにおけるパラ水素の体積をAとし、流出ガスの総体積をBとしたときの(A/B)×100%で示される体積百分率であるオルト水素−パラ水素変換率を求める。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極活物質が上述の組成を有し、且つ、当該正極活物質を用いて正極を構成し、これをリチウムイオン二次電池とした際に、当該電池を解体して取り出した正極の上記(1)〜(3)の測定手順で測定されるオルト水素−パラ水素変換率が0.2%以下に制御されている。当該変換率の値は、当該正極活物質粒子から不純物のLi塩(炭酸リチウム、水酸化リチウム等)を除いた表面の表面酸素欠陥量および表面Li欠陥量と相関があり、表面酸素欠陥量および表面Li欠陥量が多いほど当該変換率が大きくなる。この表面欠陥量が多いと、充放電での正極活物質粒子へのリチウムイオンの挿入・脱離が起こる際に、特に表面付近の結晶格子が不完全な形で膨張・収縮するため、当該結晶格子がサイクルを経るごとにリチウムイオン伝導経路がつぶれてしまいサイクル特性の悪い正極活物質となってしまう。表面付近はリチウムイオン伝導経路として極めて重要であり、バルク内部の酸素欠陥やLi欠陥よりも影響が大きい。この点、本発明中にて定義されるオルト水素−パラ水素変換率が0.2%以下と極めて少ない値であれば、サイクル特性が良好な角型・パウチ型リチウムイオン二次電池を提供することができる。
また、炭酸リチウム中のLiの物質量と、Tを構成する元素(Mg、Al、Ni、Co、Mn)の総物質量との比(すなわち、上記組成式中の1+α)は、1.000〜1.002であることが好ましい。この比が1.000より小さい場合は、未反応のTの化合物が焼成後も残存することになり、このような状態で電池を組み立てると当該残存分が充放電反応の際に何らかの悪影響を及ぼすおそれがある。この比が1.002より大きい場合は、上記の通り電池を組み立て充放電させた際に電池外形が変化するおそれがあり、外形が変化した電池は端子との接触や極板と端子との接触が悪化するおそれがある。
本発明のリチウムイオン二次電池を構成する電解液は、13C NMRを測定した際に150〜160ppmのシグナルに対する160〜170ppmのシグナルの強度比が0.002以下となっている。このような電解液の主成分としては、例えば、エチレンカーボネートなどの環状カーボネートと、プロピレンカーボネートなどの鎖状カーボネートとを、体積比2:8〜6:4の割合で混合し、その中に0.8〜1.6mol/Lの濃度でLiPF6を溶解したものなどが好ましい。これらの体積比や化合物種や濃度は、あくまで例示であって、当業者が通常考慮する範囲で適宜変更可能である。13C NMRを測定した際に、環状または鎖状カーボネートの有機化合物が存在すれば、150〜160ppmにシグナルが現われるが、これが炭酸イオンとなると、シグナルが160〜170ppmにシフトする。当該炭酸イオンは、一部が正極上の正極活物質の表面から溶解して電解液中に存在しており、これが電池の膨れを促進している。従って、もともと正極活物質表面に存在する等で電池作製時に電解液に溶解した炭酸イオンが、電解液中のカーボネートに対してモル比で0.002以下であるならば、電解液の膨れを抑制することができる。尚、炭酸イオンは、水酸化リチウムによる環状または鎖状カーボネートの有機化合物の部分分解物が正極上で酸化することによっても発生し得る。この酸化が起こる場合は、正極活物質粒子表面の酸素を使用する可能性があり、表面酸欠量が増加するため、オルト水素−パラ水素変換率が増加し得る。
本発明のリチウムイオン二次電池を構成する負極は、黒鉛、難黒鉛化性炭素、及び、分子内に芳香環とカルボニル基を2つ以上有し前記芳香環が積み重なった構造を有する化合物のうちいずれか1種または2種以上を負極活物質として用いている。
尚、本発明のリチウムイオン二次電池を構成する正極は、後述した方法で作製された正極活物質を、当業者が通常の方法で例えばアルミニウム箔上に塗布することにより作製できるが、例えば、当該正極活物質を3kgと、ポリフッ化ビニリデンを2質量%含むN−メチル−2−ピロリドン1kgと、アセチレンブラック90gとで構成された正極合剤を、厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極芯材の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、正極活物質層を形成し、総厚が130μmの正極を作製することで、容易に本発明の正極を作製することができる。当該正極活物質から正極を作製する方法については、当業者が通常考え得る範囲において改変可能である。
(リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法)
次に、本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法について詳細に説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法について説明する。まず、リチウムイオン二次電池用正極活物質の組成式におけるTの水酸化物または酸化物と、炭酸リチウムとの混合物(混合粉)を作製する。この場合、炭酸塩としてTを共沈させる場合はリチウム化合物と混合する前にあらかじめ仮焼すること等によりTの酸化物としておくのが好ましい。また、Tの水酸化物も、リチウム化合物と混合する前にあらかじめ仮焼すること等によりTの酸化物とすることができる。当該仮焼の条件は例えば、回転炉中で300〜500℃の温度で1.5〜5時間程度で行うが、Tの炭酸塩またはTの水酸化物をTの酸化物に変換することが目的であるため、その目的が達成されたと当業者が判断できる範囲で適宜変更可能である。
次に、当該混合物を焼成する。ここで、焼成条件としては、焼成最高温度までの昇温時において焼成雰囲気を0.002MPa以上の炭酸ガス分圧と0.018MPa以上の酸素分圧とを有する雰囲気に制御し、且つ、焼成最高温度に到達してから焼成最高温度を保持し、冷却を開始するまでの間は炭酸ガスを含まず酸素分圧が0.018MPaとなる雰囲気に制御する。焼成炉の種類は特に限定されず、雰囲気・ガス分圧を適切に調節できればよいが、正極活物質の製造に通常用いられるローラーハースキルン、プッシャーキルン、管型炉、マッフル炉などを用いると、容易に本発明の正極活物質の製造方法を実施できる。この際、図2に示されるように、格別に二酸化炭素の分圧の調整が必要である昇温過程および高温保持での二酸化炭素追い出し部分で密閉式バッチ炉並びにマスフローコントローラー(マスコン)を用いて各ガス分圧を緻密に制御し、二酸化炭素追い出し後の高温保持過程並びに冷却過程で連続炉を用いる構成を持つ複合炉を用いることが特に好ましい。ここで、「密閉」とは常時完全に密閉しているわけではなく、ガス導入口に該当する部分と、圧力上昇時に排気する排気口は必要に応じて制御盤より指示を出して自動開閉するように設計されている。下記の実施例12では二酸化炭素の追い出しを1000℃で行っているが、反応系に合わせて二酸化炭素の追い出しのタイミングは適宜変更することが可能である。複合炉中の連続炉は、ローラーハースキルンでもよいし、プッシャーキルンでもよい。開放式の炉を用いる場合に全圧を0.1MPa以上に設定する場合は、当該炉全体を密閉した部屋に入れて全圧を調節するか、当該炉内にシャッターを設置して部分的に密閉することで、容易に全圧を0.1MPaとしたままでガス組成の調整を行うことができる。
このような構成により、充放電効率及びサイクル特性が高く、かつ低アルカリの正極活物質を作ることができ、これを用いて角型またはパウチ型リチウムイオン二次電池を構成した場合、膨れを抑制することができる高充放電効率及び高サイクル特性の電池を構成することができる。そもそも空気中で炭酸リチウムのTG−DTAを測定すると730℃近辺で融解に伴う吸熱ピークが現われるが、本発明者はこれが純粋な炭酸リチウムの融解ではなく、炭酸リチウムから一部の二酸化炭素が脱離し、炭酸リチウムと酸化リチウムとの共晶化合物となった結果の融点であり、そのため実際の焼成反応において当該温度でフラックスとしての作用を期待しても難しいと考えた。すなわち、本来の炭酸リチウムの融点は二酸化炭素中で測定する必要があり、これは997℃であって、二酸化炭素が焼成炉中に存在する場合は730℃より大きく997℃以下のどこかの温度で「炭酸リチウム」または「炭酸リチウム及び酸化リチウム」が溶融すると考えられる。従って、焼成炉中の酸素濃度および二酸化炭素濃度を規定して焼成する必要があり、これによって炭酸リチウムからの二酸化炭素脱離反応・遷移金属原料からのアニオン脱離反応・リチウム化合物のフラックス発生時期を適切に制御することで、電池作製時に正極のオルト水素−パラ水素変換率が0.2%以下で電解液の13C NMRを測定した際に150〜160ppmのシグナルに対する160〜170ppmのシグナルの強度比が0.002以下となるようにすることができ、これまでにないレベルの充放電効率・サイクル特性が高くかつ膨れが少ない角型またはパウチ型リチウムイオン二次電池に用いることができる正極活物質を製造することができる。従来はこのような場合焼成時に空気を大量に流して二酸化炭素を追い出し、正極活物質を製造していたが、このやり方で焼成後の炭酸リチウム量を抑制するには、焼成容器の底にきわめて薄くしか焼成原料を充填することができず、焼成原料を匣鉢に大量に充填する際の障害となっており、また正極活物質粒子からのリチウム揮散量も多くなってしまって肝心の充放電効率が低くなってしまっていた。このため、従来、良好な充放電効率及びサイクル特性と膨れ抑制とを本発明のように高いレベルで実現することは困難であった。
次に、焼成した粉(焼成粉)を、必要であれば、ロールミル、パルべライザー等を用いて解砕し、所定の平均粒子径を有する正極活物質を得る。この平均粒子径については、当業者が通常実施する方法で当該リチウムイオン二次電池の使用用途に応じて適宜変更可能である。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を提供するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
なお、以下に述べる実施例では、400〜1000℃でのCO2分圧を0.002MPa以上として、炭酸リチウムを溶融させず、997℃近辺で一気に炭酸ガスを含まない雰囲気を導入して反応させて製造した。反応系の中には低温で反応するタイプもあるため、760〜997℃の任意の温度で空気を導入した例についても併せて示す。
・実施例1
<前駆体の合成>
前駆体の合成は、以下のようにして実施した。なお、以下では「制御」と記載しているが、ポンプ等の自動によっても目視と手動によるものでもよい。
まず、硫酸コバルト、硫酸マグネシウムを水に溶解し、硫酸コバルトと硫酸マグネシウムとが溶解している水溶液Aを作製した。このとき、この水溶液のCo濃度が0.982mol/L、Mg濃度が0.015mol/Lとなるように調整した。これとは別に、アルミン酸ナトリウムを水に溶解し、アルミン酸ナトリウムが溶解している水溶液Bを作製した。このとき、この水溶液のAl濃度が0.003mol/Lとなるように作製した。さらに、炭酸ナトリウム水溶液CをNa濃度が1mol/Lとなるように作製した。空の反応槽を用意して、中身を窒素ガスで置換し、攪拌機を水はねしない程度に速く回転しながら、まずA、Bを同時に投入し、初期混合液を作製した。このときの投入速度はA、Bともに0.5L/minとした。その後AおよびBを投入し続けながらpHを監視し、5分ごとに0.1ずつ上昇させるようにCを添加した。pHが8.0になった時点で、pHの上昇の制御を止め、pHが8.2±0.2となるようにCの送液のオンオフ制御を行った。こうして初期混合液から粒子成長を行い、(Mg、Al)添加遷移金属炭酸塩とした。この(Mg、Al)添加遷移金属炭酸塩の粒径が10μmとなった時点でA、B、Cの添加を中止した。(Mg、Al)添加遷移金属炭酸塩作製中は、反応槽内部の酸素濃度が0.1ppm以下となるように維持し、A、BまたはA、B、Cが混合した反応液を50±2℃に維持し、攪拌機の回転速度は撹拌羽根がほぼ水に浸かるまでは水はねしない程度に速くなるよう、速度を調節した。撹拌羽根がほぼ水に浸かってからは一定の速度で回転した。これを中継槽に移し、ろ過・水洗を行った。水洗後の(Mg、Al)添加遷移金属炭酸塩ケーキを、バットに2cm以下の厚さになるように敷き、120℃で10時間乾燥した。こうして、(Mg、Al)添加遷移金属炭酸塩の粉末を合成した。この(Mg、Al)添加遷移金属炭酸塩の粉末を回転炉中に入れ、当該回転炉中に空気を導入しながら400℃で3時間熱分解して上記炭酸塩の粉末を(Mg、Al)添加遷移金属酸化物の粉末となし、これを前駆体とした。
<正極活物質の合成>
生成した前駆体と、Li2CO3(SQM製)とを、Li/(遷移金属+Al+アルカリ土類金属)がモル比で1.002となるように仕込み、ヘンシェルミキサーで混合して混合粉を作製した。この混合粉を匣鉢に充填し、(1)1000℃までは2℃/minで昇温し、(2)1000℃で10時間保持後、(3)300℃まで2℃/minで冷却し、(4)その後室温中で放冷するという焼成パターンで焼成するようにした。その際、CO2:N2:O2の流量を、(1)では0.8:0:0.2、(2)及び(3)では0:0.8:0.2とした。放冷したものをロールミルとパルベライザーを用いて解砕し、正極活物質とした。尚、焼成中の全圧は0.1MPaに維持した。
<正極活物質の評価>
−組成−
得られた正極活物質の粉末は、ICP及びイオンクロマトグラフ法により、Li、Ni、Mn、Co及びその他の金属元素の含有量を測定し、Li以外の金属に対するLiのモル比、Li以外の金属に対する各金属のモル比について評価した。
−残留アルカリ−
得られた正極活物質の粉末を水に添加して10分撹拌した後、水中に存在するリチウム化合物が正極活物質中の残留アルカリであるとみなした上で、そのpHを酸で滴定することにより残留アルカリ(Li2CO3及びLiOH)の質量を求め、正極活物質に対しての質量の割合(質量%)を求めた。
<角型リチウムイオン二次電池の作製>
−正極の作製−
得られた正極活物質を3kgと、呉羽化学(株)製のPVDF#1320(PVDFを12重量%含むN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記)溶液)1kgと、アセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機で攪拌し、正極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、正極活物質層を形成し、総厚が130μmの正極を得た。正極は43mm幅の帯状に裁断した。
−負極Aの作製−
人造黒鉛3kgと、日本ゼオン(株)製のBM−400B(変性スチレンブタジエンゴムを40質量%含む水性分散液)75gと、CMC30gと、適量の水とを、双腕式練合機で攪拌し、負極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、負極活物質層を形成し、総厚が140μmの負極を得た。負極は45mm幅の帯状に裁断した。この負極を負極Aとする。
−角型リチウムイオン二次電池の作製−
作製した正極と作製した負極Aとを、これらの間に厚さ20μmのポリエチレン製の微多孔質フィルムからなるセパレーター(セルガード(株)製のA089(商品名))を介して捲回し、断面が略楕円形の電極群を構成した。電極群をアルミニウム製の角型の電池缶に収容した。電池缶は、底部と、側壁とを有する。電池缶の上部は開口しており、その形状は略矩形である。側壁の主要平坦部の厚みは80μmとした。その後、電池缶と正極リードまたは負極リードとの短絡を防ぐための絶縁体を電極群の上部に配置した。次に、絶縁ガスケットで囲まれた負極端子を中央に有する矩形の封口板を、電池缶の開口に配置した。負極リードは、負極端子と接続した。正極リードは、封口板の下面と接続した。開口の端部と封口板とをレーザーで溶接し、電池缶の開口を封口した。その後、封口板の注液孔から2.5gの非水電解質を電池缶に注入した。最後に、注液孔を封栓で溶接により塞いだ。この状態で24時間絶縁物の上で放置した。こうして、高さが50mmであり、幅が34mmであり、内空間の厚みが約5.2mmであり、設計容量が850mAhである角型リチウムイオン二次電池を複数完成させた。尚、上記非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解された溶液について、アルゴンガスを通気して当該溶液中に溶解している二酸化炭素を十分追い出した状態で使用した。完成後の角型リチウムイオン二次電池を解体して非水電解質を吸い出し、当該吸い出された非水電解質の13C NMRスペクトル(測定方法は常法による)を測定し、150〜160ppmの領域に出現したシグナル(電解液のカルボニル基起因)に対する160〜170ppmの領域に出現したシグナル(炭酸根起因)を求めた。この角型リチウムイオン二次電池の開回路電圧を測定したところ、3.0Vとなった。
−オルト水素−パラ水素変換率の測定−
作製した角型リチウムイオン二次電池を解体して正極シートを取り出し、当該正極シートから正極活物質層の塗膜をPTFEヘラで剥がして120℃で10時間乾燥して電極剥離乾燥物となし、図4の装置に当該電極剥離乾燥物を詰めて10秒間1.3L/minの純オルト水素を流通し、出口から排出されるガスについてFarkasの熱伝導度計によってオルト水素とパラ水素との割合を求め、これから(出口ガスのパラ水素量)/(出口ガス総量)の百分率としてオルト水素−パラ水素変換率(%)を求めた。
−角型リチウムイオン二次電池の充放電−
作製した角型リチウムイオン二次電池について、25℃で充電電流850mAで充電終止電位4.2Vまで充電した後、同じく25℃で放電電流850mAで放電終止電位3.0Vまで放電した。この充放電を同じように25℃で20サイクル繰り返し、初回の充電容量(mAh/g)に対する初回の放電容量(mAh/g)の百分率(%)を充放電効率とし、初回の放電容量(mAh/g)に対する20サイクルの放電容量(mAh/g)の百分率(%)を20サイクル後容量維持率とした。また、電池の高温サイクル後の膨れを調査するため、90℃にて充電電流850mAで充電終止電位4.2Vまで充電した後、同じく90℃にて放電電流850mAで放電終止電位3.0Vまで放電した。この充放電を同じように90℃で100サイクル繰り返し、初期の内空間の厚み5.2mmからの厚さ変化をX線CTスキャンにより測定し、この変化分のうち最も大きい値を厚さ増分(mm)とした。X線CTスキャン測定は常法によった。
これらの結果を表1及び2に示す。
・実施例2
下記のように負極Bを作製し、当該負極Bを負極Aに代えて用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
(負極Bの作製)
(株)クレハバッテリーマテリアルズジャパン製のカーボトロンP3kgと、日本ゼオン(株)製のBM−400B(変性スチレンブタジエンゴムを40質量%含む水性分散液)75gと、CMC30gと、適量の水とを、双腕式練合機で攪拌し、負極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、負極活物質層を形成し、総厚が140μmの負極を得た。負極は45mm幅の帯状に裁断した。この負極を負極Bとする。
・実施例3
下記のように負極Cを作製し、当該負極Cを負極Aに代えて用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
(負極Cの作製)
図3のように、陽極側に水素、陰極側に図1(a)の化合物を500℃で流通し、陽極をMの酸化物で構成し、陰極をMの黒鉛層間化合物で構成して電気分解を行った。動作原理は既存の水蒸気電解と同じであるが、固体電解質中を移動するイオンはMのカチオンである。図中には示していないが、陽極のMの酸化物はNi−Zn−Cuフェライトを、Mの黒鉛層間化合物には(Ni2+、Fe3+)−黒鉛層間化合物を用いた。生成した図1(b)の化合物(MはNi2+、Fe2+で、Ni:Feはモル比で1:3)の蒸気を磁石で分離後、冷却した磁石で析出させて回収した。回収した図1(b)の化合物を3kgと、(株)クレハバッテリーマテリアルズジャパン製のKFポリマー105gと、NMP1050gとを、双腕式練合機で攪拌し、負極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、負極活物質層を形成し、総厚が140μmの負極を得た。負極は45mm幅の帯状に裁断した。この負極を負極Cとする。
・実施例4
正極活物質の製造方法において、Li/(遷移金属+Al+アルカリ土類金属)を1.000としたこと以外は実施例1と同じようにして行った。結果を表1及び2に示す。
・実施例5
以下のように前駆体を合成し、焼成時の最高温度を760℃としたこと以外は実施例1と同じようにして行った。結果を表1及び2に示す。
<前駆体の合成>
前駆体の合成は、以下のようにして実施した。尚、途中で「制御」とあるが、ポンプ等の自動によっても目視と手動によるものでもよい。
まず、硫酸ニッケル、硫酸コバルトを水に溶解し、硫酸ニッケルと硫酸コバルトとが溶解している水溶液Aを作製した。このとき、この水溶液のNi濃度が0.82mol/L、Co濃度が0.15mol/Lとなるように調整した。これとは別に、硫酸アルミニウム、アンモニアを水に溶解し、硫酸アルミニウムとアンモニアとが溶解している水溶液Bを作製した。このとき、この水溶液のAl濃度が0.03mol/L、アンモニウムイオン濃度が2.003mol/Lとなるように作製した。さらに、pH調整用の水酸化ナトリウム水溶液CをNa濃度が1mol/Lとなるように作製した。空の反応槽を用意して、中身を窒素ガスで置換し、攪拌機を水はねしない程度に速く回転しながら、まずA、Bを同時に投入し、種晶を作製した。このときの投入速度はA、Bともに0.5L/minとした。その後AおよびBを投入し続けながらpHを監視し、5分ごとに0.1ずつ上昇させるようにCを添加した。pHが10.8になった時点で、pHの上昇の制御を止め、pHが11.0±0.2となるようにCの送液のオンオフ制御を行った。こうして種晶から粒子成長を行い、Al添加遷移金属水酸化物とした。このAl添加遷移金属水酸化物の粒径が10μmとなった時点でA、B、Cの添加を中止した。Al添加遷移金属水酸化物作製中は、反応槽内部の酸素濃度が0.1ppm以下となるように維持し、A、BまたはA、B、Cが混合した反応液を50±2℃に維持し、攪拌機の回転速度は撹拌羽根がほぼ水に浸かるまでは水はねしない程度に速くなるよう、速度を調節した。撹拌羽根がほぼ水に浸かってからは一定の速度で回転した。これを中継槽に移し、ろ過・水洗を行った。水洗後のAl添加遷移金属水酸化物ケーキを、120℃で乾燥した。こうして、前駆体であるAl添加遷移金属水酸化物の粉末を合成した。
・実施例6
以下のように前駆体を合成し、焼成時の最高温度を780℃としたこと以外は実施例1と同じようにして行った。結果を表1及び2に示す。
<前駆体の合成>
前駆体の合成は、以下のようにして実施した。尚、途中で「制御」とあるが、ポンプ等の自動によっても目視と手動によるものでもよい。
まず、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンを水に溶解し、硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸マンガンとが溶解している水溶液Aを作製した。このとき、この水溶液のNi濃度が0.80mol/L、Co濃度が0.10mol/L、Mn濃度が0.10mol/Lとなるように調整した。これとは別に、アンモニアを水に溶解し、アンモニアが溶解している水溶液Bを作製した。このとき、この水溶液のアンモニウムイオン濃度が2.003mol/Lとなるように作製した。さらに、pH調整用の水酸化ナトリウム水溶液CをNa濃度が1mol/Lとなるように作製した。空の反応槽を用意して、中身を窒素ガスで置換し、攪拌機を水はねしない程度に速く回転しながら、まずA、Bを同時に投入し、種晶を作製した。このときの投入速度はA、Bともに0.5L/minとした。その後AおよびBを投入し続けながらpHを監視し、5分ごとに0.1ずつ上昇させるようにCを添加した。pHが10.8になった時点で、pHの上昇の制御を止め、pHが11±0.2となるようにCの送液のオンオフ制御を行った。こうして種晶から粒子成長を行い、遷移金属水酸化物とした。この遷移金属水酸化物の粒径が10μmとなった時点でA、B、Cの添加を中止した。遷移金属水酸化物作製中は、反応槽内部の酸素濃度が0.1ppm以下となるように維持し、A、BまたはA、B、Cが混合した反応液を50±2℃に維持し、攪拌機の回転速度は撹拌羽根がほぼ水に浸かるまでは水はねしない程度に速くなるよう、速度を調節した。撹拌羽根がほぼ水に浸かってからは一定の速度で回転した。これを中継槽に移し、ろ過・水洗を行った。水洗後の遷移金属水酸化物ケーキを、120℃で乾燥した。こうして、前駆体である遷移金属水酸化物の粉末を合成した。
・実施例7
正極活物質の合成時に、(1)の段階でCO2:N2:O2を0.6:0.2:0.2としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・実施例8
正極活物質の合成時に、(1)の段階でCO2:N2:O2を0.02:0.8:0.18としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・実施例9
正極活物質の合成時に、(2)及び(3)の段階でCO2:N2:O2を0:0.5:0.5としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・実施例10
正極活物質の合成時に(2)及び(3)の段階で純酸素を流通したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・実施例11
正極活物質の合成時に、(2)及び(3)の段階でCO2:N2:O2を0:0.82:0.18としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・実施例12
本実施例では、焼成時に図2のような装置を用いた。実施例1の正極活物質の合成における焼成の際に、まずバッチ焼成部に混合粉の入った匣鉢を入れ、焼成雰囲気中のCO2分圧を0.06MPa以上かつO2分圧を0.02MPa以上の割合で維持するよう、制御盤とマスフローコントローラー(図2中のマスコン)によって制御しながら、2℃/minで1000℃まで昇温し、昇温後はその温度を保持しながらCO2の導入を停止してO2分圧が0.1MPa以上となるように雰囲気を調節し、CO2センサーでCO2が検出されなくなった段階で連続焼成部へのシャッターを開けて焼成炉全体に純O2を流しながら連続焼成部で1000℃で9.5時間保持後、2℃/minで300℃まで冷却して取り出した。この際、バッチ焼成部については2℃/minでの昇温をそのまま時間制御の焼成パターンとなるようにヒーター出力を調節し、連続焼成部については1000℃保持後2℃/minでの降温となるようにキルン上下のヒーター出力およびローラー速度を調節し、時間制御の焼成パターンを空間(匣鉢の位置)制御の焼成パターンに直して行った。結果として得られた焼成物をロールミルとパルベライザーを用いて解砕し、これを正極活物質としたこと以外は実施例1と同様に行った。なお、バッチ炉焼成中の全圧の制御範囲は0.12±0.02MPaとし、なるべく0.1MPaに近づくように制御目標を0.1MPaとしたが、実際には二酸化炭素を導入したり発生させたりした際に全圧が瞬間的に最高0.2MPaまで上昇することがあった。結果を表1及び2に示す。
・実施例13
実施例5の前駆体であるAl添加遷移金属水酸化物の粉末を回転炉中に入れ、当該回転炉中に(N2:O2の体積比が97:3の混合ガス)を導入しながら320℃で2.5時間熱分解して上記水酸化物の粉末をAl添加遷移金属酸化物の粉末となし、これを正極活物質の合成時に前駆体としてLi2CO3と混合したこと以外は実施例5と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・実施例14
実施例6の前駆体である遷移金属水酸化物の粉末を回転炉中に入れ、当該回転炉中に(N2:O2の体積比が95:5の混合ガス)を導入しながら320℃で2.5時間熱分解して上記水酸化物の粉末を遷移金属酸化物の粉末となし、これを正極活物質の合成時に前駆体としてLi2CO3と混合したこと以外は実施例6と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・比較例1
実施例6において、水溶液A中のNi濃度が0.70mol/L、Co濃度が0.10mol/L、Mn濃度が0.20mol/Lとなるように調整したこと以外は実施例6と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・比較例2
実施例5において、水溶液A中のNi濃度が0.78mol/L、Co濃度が0.15mol/Lとなるように調整し、水溶液B中のAl濃度が0.07mol/L、アンモニウムイオン濃度が2.003mol/Lとなるように作製したこと以外は実施例5と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・比較例3
実施例1において、水溶液A中のCo濃度が0.979mol/L、Mg濃度が0.018mol/Lとなるように調整したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・比較例4
正極活物質の合成時に、(1)の段階でCO2:N2:O2を0:0.8:0.2としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・比較例5
正極活物質の合成時に、(1)の段階でCO2:N2:O2を0.6:0.4:0としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・比較例6
正極活物質の合成時に、(2)及び(3)の段階でCO2:N2:O2を0.02:0:0.98としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・比較例7
正極活物質の合成時に、(2)及び(3)の段階でCO2:N2:O2を0:0.9:0.1としたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
・比較例8
比較例1の前駆体である遷移金属水酸化物の粉末を回転炉中に入れ、当該回転炉中に(N2:O2の体積比が92:8の混合ガス)を導入しながら340℃で2.7時間熱分解して上記水酸化物の粉末を遷移金属酸化物の粉末となし、これを正極活物質の合成時に前駆体としてLi2CO3と混合したこと以外は比較例1と同様に行った。結果を表1及び2に示す。
実施例1〜14のリチウムイオン二次電池は、いずれも充放電効率及びサイクル特性が良好でかつ膨れの発生が抑制された角型リチウムイオン二次電池であった。
比較例1〜8のリチウムイオン二次電池は、充放電効率及びサイクル特性が不良であるか、または、膨れが発生した。
実施例では角型のリチウムイオン二次電池を作製したが、ガス発生があると膨らんで端子接触不良等を発生させるメカニズムは角型もパウチ型も一緒であるため、本願発明の構成は、角型だけでなくパウチ型のリチウムイオン二次電池にも同様に効果があると言える。

Claims (2)

  1. α−NaFeO2型の構造を持ち、組成式がLi1+αTO2
    (式中、0≦α≦0.002であり、TはNi、Co、Mn、Mg及びAlから選択される少なくとも1種からなり、Mnを含む場合は組成比:Mn/Tが0.1以下であり、Alを含む場合は組成比:Al/Tが0.03以下であり、Mgを含む場合は組成比:Mg/Tが0.015以下である)
    で表される正極活物質を備え、
    下記(1)〜(3)の測定手順で測定されるオルト水素−パラ水素変換率が0.2%以下である正極と、
    13C NMRを測定した際に150〜160ppmのシグナルに対する160〜170ppmのシグナルの強度比が0.002以下である電解液と、
    黒鉛、難黒鉛化性炭素、及び、分子内に芳香環とカルボニル基を2つ以上有し前記芳香環が積み重なった構造を有する化合物のうちいずれか1種または2種以上を負極活物質として用いた負極と、
    を備えたリチウムイオン二次電池。
    (1)リチウムイオン二次電池を解体して正極を取り出し、前記正極から前記正極活物質層を剥がして120℃で10時間乾燥することで電極剥離乾燥物を作製する。
    (2)前記電極剥離乾燥物を、ICP発光分光分析法によって前記Tが0.2モルとなる重量分採取し、内径0.7cm、外径1cmのリング状オリフィスを内壁に沿って固定した内径1cmのフッ素樹脂製の直管に、外径1cmの30メッシュであるフッ素樹脂メッシュを前記リング状オリフィスに接触するように充填した後、前記採取した電極剥離乾燥物を前記直管内の前記フッ素樹脂メッシュの表面に接触するように詰める。
    (3)前記直管を70Kに冷やし、前記直管の前記電極剥離乾燥物側にある入口から流入ガスとして純オルト水素を1.3L/minで10秒間流し込み、前記直管の前記フッ素樹脂メッシュ側にある出口から排出される排出ガスをファーカスの熱伝導度計で測定することで、排出ガスにおけるパラ水素の体積をAとし、流出ガスの総体積をBとしたときの(A/B)×100%で示される体積百分率であるオルト水素−パラ水素変換率を求める。
  2. α−NaFeO2型の構造を持ち、組成式がLi1+αTO2
    (式中、0≦α≦0.002であり、TはNi、Co、Mn、Mg及びAlから選択される少なくとも1種からなり、Mnを含む場合は組成比:Mn/Tが0.1以下であり、Alを含む場合は組成比:Al/Tが0.03以下であり、Mgを含む場合は組成比:Mg/Tが0.015以下である)
    で表されるリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であり、
    前記Tの水酸化物または酸化物と、炭酸リチウムとの混合物を作製する工程と、
    前記混合物を焼成する工程であって、焼成最高温度までの昇温時において焼成雰囲気を0.002MPa以上の炭酸ガス分圧と0.018MPa以上の酸素分圧とを有する雰囲気に制御し、且つ、前記焼成最高温度に到達してから前記焼成最高温度を保持し、冷却を開始するまでの間は炭酸ガスを含まず酸素分圧が0.018MPaとなる雰囲気に制御する工程と、
    を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
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