JP2014162700A - 層状リチウム複合酸化物およびその製造方法、その層状リチウム複合酸化物を含む二次電池用正極活物質、それを含む二次電池用正極、ならびにそれを正極として用いるリチウムイオン二次電池 - Google Patents

層状リチウム複合酸化物およびその製造方法、その層状リチウム複合酸化物を含む二次電池用正極活物質、それを含む二次電池用正極、ならびにそれを正極として用いるリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極活物質として用いた場合に、体積当たりの放電容量が高く、常温よりも高い温度雰囲気内で使用したときのサイクル特性に優れ、さらにレート特性に優れるリチウムイオン二次電池を得ることができる層状リチウム複合酸化物の製造方法の提供。
【解決手段】特定組成の層状リチウム複合酸化物の製造方法であって、リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を用いて前駆体を得る前駆体調製工程と、酸素濃度が5〜15体積%の雰囲気内において前記前駆体を焼成して、焼成体[1]を得る第1焼成工程と、前記第1焼成工程における酸素濃度よりも高い酸素濃度の雰囲気内において前記焼成体[1]を焼成して、焼成体[2]を得る第2焼成工程と、を備える、層状リチウム複合酸化物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は層状リチウム複合酸化物およびその製造方法、その層状リチウム複合酸化物を含む二次電池用正極活物質、それを含む二次電池用正極、ならびにそれを正極として用いるリチウムイオン二次電池に関する。
リチウム電池は、他の電池に比べて大きなエネルギー密度を持ち、軽く、長時間使用できるという特徴を有し、携帯電話、PHS、小型コンピューター等の携帯機器類用電源、電力貯蔵用電源、電気自動車用電源等として用いるために開発が進められている。
このようなリチウム電池は、リチウム含有複合酸化物を含む正極活物質からなる正極と、カーボン等のリチウムを吸蔵・放出することができる材料を活物質とする負極と、非水電解液を含むセパレータまたは固体電解質とを、主要構成成分として備えている。
そして、これら構成要素のうち、正極活物質として検討されているものには、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)等がある。特に、リチウムコバルト複合酸化物を正極に用いた電池については、優れた初期容量特性やサイクル特性を得るための開発がこれまで数多く行われており、すでに実用化に至っている。
しかし、コバルトが希少資源であるため、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を正極に用いたリチウムイオン二次電池は高価である。そこで、コバルトの少なくとも一部を他の元素に置換した代替材料等が求められており、すでにいくつかの提案がなされている。
例えば特許文献1には、リチウムイオンの挿入・脱離が可能な機能を有するリチウム遷移金属系化合物を含む粉体であって、該粉体の粒子の内部に、SEM−EDX法による第3周期以降の第16族元素から選ばれる少なくとも一種の元素、ならびに、第5周期及び第6周期の第5〜7族元素から選ばれる少なくとも1種の元素に由来するピークを有する化合物を含むことを特徴とするリチウム二次電池正極材料用リチウム遷移金属系化合物粉体が記載されている。
例えば特許文献2には、リチウムイオンの吸蔵放出可能なリチウム含有複合酸化物を正極活物質とし、(タップ密度/真密度)×100[%]で表される充填性が25%以上50%未満で、組成式LiaMnxNiyz2(X=Co、Alのうち少なくとも一種)で表され、1≦a≦1.2、0.3≦x≦0.4、0.36≦y≦0.6、0.1≦z≦0.31の範囲でかつx+y+z=1の層状岩塩構造を有する複合酸化物である非水系リチウム二次電池用の正極活物質であって、X線回折パタ−ンから得られる各回折ピ−クの積分幅からHall法によって測定した結晶子の大きさが600Åより大きく、760Å以下であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質が記載されている。
特開2011−228292号公報 特許第4172024号公報
しかしながら、特許文献1、2等に記載の従来のリチウム複合酸化物を正極活物質として用いた電池は、体積当たり放電容量が十分には高くなく、また、常温より高い温度で使用したときのサイクル特性が低く、さらにレート特性にも改善の余地がある点を見出した。
本発明は上記のような従来のリチウム複合酸化物の問題点を解決するものである。すなわち、それを正極活物質として用いた場合に、体積当たりの放電容量が高く、常温よりも高い温度雰囲気内で使用したときのサイクル特性に優れ、さらにレート特性にも優れるリチウムイオン二次電池を得ることができる層状リチウム複合酸化物およびその製造方法を提供することを目的とする。また、このような層状リチウム複合酸化物を含む正極活物質を提供することを目的とする。また、この正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池用正極を提供することを目的とする。さらに、この正極を用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)〜(7)である。
(1)下記式(I)で表される層状リチウム複合酸化物の製造方法であって、
リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を用いて前駆体を得る前駆体調製工程と、
酸素濃度が5〜15体積%の雰囲気内において前記前駆体を焼成して、焼成体[1]を得る第1焼成工程と、
前記第1焼成工程における酸素濃度よりも高い酸素濃度の雰囲気内において前記焼成体[1]を焼成して、焼成体[2]を得る第2焼成工程と、
を備える、層状リチウム複合酸化物の製造方法。
式(I):Li(1+x)1 (1-x-p)2 p(2-a)
ただし、式(I)において、M1はMn、Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、M2はB、P、S、Pb、Sb、SiおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、0≦x≦0.5、0≦p≦1.0、0≦a≦1.0である。
(2)前記第1焼成工程において前記前駆体を焼成する温度と、前記第2焼成工程において前記焼成体[1]を焼成する温度とが、共に850℃超1000℃未満である、上記(1)に記載の層状リチウム複合酸化物の製造方法。
(3)前記前駆体調製工程が、リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を溶媒に含有させた状態で粉砕混合し、得られたスラリーを乾燥して前記前駆体を得る工程である、上記(1)または(2)に記載の層状リチウム複合酸化物の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の製造方法によって得られる層状リチウム複合酸化物。
(5)上記(4)に記載の層状リチウム複合酸化物を含む正極活物質。
(6)上記(5)に記載の正極活物質を含むリチウムイオン二次電池用正極。
(7)上記(6)に記載のリチウムイオン二次電池用正極と、負極と、電解液とを有する、リチウムイオン二次電池。
本発明によれば、それを正極活物質として用いた場合に、体積当たりの放電容量が高く、常温よりも高い温度雰囲気内で使用したときのサイクル特性に優れ、さらにレート特性に優れるリチウムイオン二次電池を得ることができる層状リチウム複合酸化物およびその製造方法を提供することができる。また、このような層状リチウム複合酸化物を含む正極活物質を提供することができる。また、この正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池用正極を提供することができる。さらに、この正極を用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
実施例1において得られた層状リチウム複合酸化物のSEM像(5000倍の拡大写真)である。 比較例1において得られた層状リチウム複合酸化物のSEM像(5000倍の拡大写真)である。
本発明について説明する。
本発明は、下記式(I)で表される層状リチウム複合酸化物の製造方法であって、リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を用いて前駆体を得る前駆体調製工程と、酸素濃度が5〜15体積%の雰囲気内において前記前駆体を焼成して、焼成体[1]を得る第1焼成工程と、前記第1焼成工程における酸素濃度よりも高い酸素濃度の雰囲気内において前記焼成体[1]を焼成して、焼成体[2]を得る第2焼成工程と、を備える、層状リチウム複合酸化物の製造方法である。
式(I):Li(1+x)1 (1-x-p)2 p(2-a)
ただし、式(I)において、M1はMn、Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、M2はB、P、S、Pb、Sb、SiおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、0≦x≦0.5、0≦p≦1.0、0≦a≦1.0である。
このような層状リチウム複合酸化物の製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
本発明の製造方法では、酸素濃度が5〜15体積%の雰囲気内において前駆体を焼成し、さらにその酸素濃度よりも高い酸素濃度の雰囲気内において再度焼成して層状リチウム複合酸化物を得る。このような製造方法によって平均一次粒子径が小さく、かつ、タップ密度が大きい層状リチウム複合酸化物が得られることを、本発明者は見出した。
そして、このような層状リチウム複合酸化物を用いると、体積当たりの放電容量が高く、常温よりも高い温度雰囲気内で使用したときのサイクル特性に優れ、さらにレート特性に優れるリチウムイオン二次電池を得ることができることを、本発明者は見出した。
本発明の製造方法が備える各工程について、以下に説明する。
<前駆体調製工程>
本発明の製造方法における前駆体調製工程について説明する。
前駆体調製工程では、リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を用意する。
リチウム源としては、リチウム原子を含む無機または有機の化合物(すなわち、リチウム化合物)を用いることができる。例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウムを用いることができる。これらの中でも水酸化リチウムおよび/または炭酸リチウムを用いることが好ましい。有害ガスの生成を抑制できるからである。
1を含む原料としては、Mn、Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物を用いることができ、Mn、NiおよびCoからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物を用いることが好ましい。
1を含む原料は、複数の種類の原料の集合であってもよい。例えば、M1を含む原料は、Mn化合物、Ni化合物およびCo化合物の集合であってもよい。
具体的には、M1を含む原料として、例えば、酸化マンガン(MnO2、Mn34など)、炭酸マンガン、炭酸マンガン水和物、水酸化マンガン、オキシ水酸化マンガン、塩基性炭酸ニッケル、塩基性炭酸コバルト、マグネシア、ヘマタイト、アルミナ、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、酸化クロムなどを用いることができる。また、M1を含む原料として複数種類の原料を混合して用いてもよい。例えばMnO2とMn34とを混合し、M1を含む原料として用いてもよい。
2を含む原料としては、B、P、S、Pb、Sb、SiおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物を用いることができる。
2を含む原料は、M1を含む原料の場合と同様に、複数の種類の原料の集合であってもよい。
具体的には、M2を含む原料として、例えば、ホウ酸(H3BO3)、三酸化二ホウ酸(B23)、P25、H2SO4、(NH42SO4、PbO、Sb23、SiO2またはV25などを用いることができる。
後述するように、本発明の製造方法によって得られる層状リチウム複合酸化物はM2を含まなくてもよい。この場合、本発明の製造方法においてM2を含む原料は用いないので、これを用意する必要はない。このような場合であっても本発明の範囲内である。これに対してリチウム源およびM1を含む原料は必ず用意する。
本発明の製造方法における前駆体調製工程では、上記のようなリチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を用いて前駆体を得る。前記リチウム源、前記M1を含む原料および前記M2を含む原料を用いて前駆体を得る方法として、例えば従来公知の沈殿法が挙げられる。具体的には、例えば、リチウムイオンを含む水溶液をアルカリ性にして得た沈殿物(水酸化物)を乾燥したものと、イオン状態のM1(例えばMnイオン、NiイオンおよびCoイオン)を含む水溶液をアルカリ性にして得た沈殿物(水酸化物)を乾燥したものとを混合して、前駆体を得ることができる。
前記リチウム源、前記M1を含む原料および前記M2を含む原料を用いて前駆体を得る方法は、前記リチウム源、前記M1を含む原料および前記M2を含む原料を溶媒に含有させた状態で粉砕混合し、得られたスラリーを乾燥して前記前駆体を得る方法であることが好ましい。
このような好ましい方法で前駆体を得る場合、リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料において少なくとも1以上が、固体の原料であることが好ましい。
また、溶媒に含有させる際に、上記のようなリチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料の比率は、式(I)で表される組成のリチウム複合酸化物が得られるように調整することが好ましい。
溶媒について説明する。
リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を含有させる溶媒は特に限定されず、例えば従来公知の溶媒、例えば水(純水等)、エタノール、アセトンなどを用いることができるが、水を用いることが好ましい。
また、これらの原料は、溶媒中の固形分濃度が好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%、さらに好ましくは15〜25質量%となるように含有させる。
このような溶媒中にリチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を含有させ、その状態で粉砕混合することが好ましい。
粉砕混合の方法は特に限定されないものの、ビーズミル等を用いた湿式微粉砕機を用いた湿式粉砕法が好ましい。
また、この粉砕混合は、固形分の平均粒子径(D50)が0.50μm以下であるスラリーが得られるまで行うことが好ましい。平均粒子径(D50)が0.50μm以下となるように粉砕混合すると、スラリー中で固形分が均一な状態となり易い。また、得られるリチウムイオン二次電池における常温よりも高温での容量維持率が高くなる傾向があるからである。この平均粒子径は0.40μm以下であることが好ましく、0.30μm以下であることがより好ましい。
また、平均粒子径は0.10μm以上であることが好ましく、0.15μm以上であることがより好ましい。粉砕で粒径を小さくし過ぎると、以降の工程でのハンドリングが悪くなるからである。
なお、スラリー中の固形分の平均粒子径(D50)は、室温大気中で、スラリーにヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を添加し、超音波分散および撹拌によって分散させ、このスラリーを30〜60%の透過率となるように調節し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて積算粒度分布(体積基準)を測定し、その粒度分布から求めたメジアン径を意味するものとする。
また、この粉砕混合は、固形分におけるD90の粒子径が0.50μm以下であるスラリーが得られるまで行うことが好ましい。このD90の粒子径は0.40μm以下であることがより好ましく、0.30μm以下であることがさらに好ましい。得られるリチウムイオン二次電池における常温よりも高温での容量維持率が高くなる傾向があるからである。
なお、スラリー中の固形分のD90の粒子径は、室温大気中で、スラリーにヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を添加し、超音波分散および撹拌によって分散させ、このスラリーを30〜60%の透過率となるように調節し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて積算粒径分布(体積基準)を測定し、その積算粒度が90%となる粒径を意味するものとする。
次に、このようにして得たスラリーを乾燥して前駆体を得る。ここでスラリーの乾燥はバンド乾燥機、棚型乾燥機などを用いた乾燥方法であってよいが、噴霧乾燥であることが好ましい。噴霧乾燥とは、スラリーを噴霧し、霧状とした後または霧状としながら、乾燥することである。所望の条件で噴霧乾燥して、得られる前駆体の粒子径を所望の範囲内に調整することができる。
噴霧乾燥の方法は特に制限されず、例えば、高速回転するアトマイザにスラリーを流入させることによってアトマイザのスリットからスラリー成分の液滴を吐出させ、適当な乾燥ガス温度や送風量に調節して飛散した液滴を迅速に乾燥させる方法が挙げられる。このときスラリー流量は好ましくは0.5〜700kg/h、より好ましくは1〜600kg/h、さらに好ましくは300〜550kg/h、アトマイザ回転数は好ましくは10,000〜40,000rpm、より好ましくは20,000〜35,000rpm、さらに好ましくは28,000〜32,000rpmとする。飛散した液滴を迅速に乾燥させるように、適当な温度や送風等の処理が施されるが、乾燥塔上部から下部に向かいダウンフローで乾燥ガスを導入することが好ましい。
噴霧乾燥はスプレードライヤーを用いて行うことが好ましい。また、スプレードライヤーの乾燥用熱風の入口温度を好ましくは60〜500℃、より好ましくは100〜400℃、さらに好ましくは150〜250℃、出口温度を好ましくは50〜250℃、より好ましくは80〜200℃、さらに好ましくは100〜160℃とする。
このような前駆体調製工程によって、前駆体を得ることができる。
<第1焼成工程>
本発明の製造方法における第1焼成工程について説明する。
第1焼成工程では、上記のような前駆体調製工程によって得られた前駆体を、酸素濃度が5〜15体積%の雰囲気内において焼成する。
このような酸素濃度の雰囲気内にて前駆体を焼成すると、平均一次粒子径は小さく、さらにタップ密度が大きい層状リチウム複合酸化物が得られることを、本発明者は見出した。
前駆体を焼成する雰囲気の酸素濃度は5〜15体積%とするが、この酸素濃度は14体積%以下とすることが好ましく、12体積%以下とすることがより好ましい。また、この酸素濃度は6体積%以上とすることが好ましく、7体積%以上とすることがより好ましい。このような酸素濃度の雰囲気内にて前記前駆体を焼成すると、平均一次粒子径がより小さくなり、タップ密度がより大きい層状リチウム複合酸化物が得られるからである。
なお、前駆体を焼成する雰囲気の酸素濃度は、次のような方法で測定して得た値を意味するものとする。
初めに、前駆体(例えばサヤ等の容器に詰めた前駆体)にSUS管を挿入し、そのSUS管内の気体を継時的に吸引することで、焼成中の前駆体の雰囲気の酸素濃度を測定できるように、SUS管へ酸素濃度計(例えば、東レエンジニアリング社製、OXYGEN ANALYZER、LC−750)を繋げる。ここで、SUS管の少なくとも一部を水に浸すことで、酸素濃度計にて酸素濃度を測定する気体の温度を室温程度にまで冷却する。そして、SUS管内の気体を100ml/minで吸引して酸素濃度を継時的に測定する。通常、焼成開始から徐々に酸素濃度は低下し、その後、ほぼ安定するが、その安定したときの酸素濃度を、前駆体を焼成する雰囲気の酸素濃度とする。酸素濃度が安定しない場合は、焼成時における平均の酸素濃度を、本発明における、前駆体を焼成する雰囲気の酸素濃度とする。
なお、この方法で空気中の酸素濃度を測定すると(すなわち、SUS管を前駆体に装入せずに空気中に放置して酸素濃度を測定すると)、酸素濃度計が示す酸素濃度は21体積%となる。
酸素濃度を5〜15体積%の雰囲気において前駆体を焼成する方法は特に限定されない。例えば、前駆体を密閉された容器(または、ほぼ密閉された容器)に入れ、その容器を焼成炉に入れて前駆体を焼成する方法が挙げられる。このような方法で前駆体を焼成すると、焼成の初期においては大気と同様の酸素濃度の雰囲気内で前駆体を焼成することとなるが、時間が経過するにしたがって酸素濃度が低下して5〜15体積%となり得るので、この酸素濃度の雰囲気内において前駆体を焼成する。
また、例えば、焼成炉内へ窒素やアルゴン等の不活性ガスを吹き込みながら前駆体を焼成する方法によっても、酸素濃度が5〜15体積%の雰囲気内において前記前駆体を焼成することができる。
焼成炉としては、例えば従来公知のトンネル炉、マッフル炉、ロータリーキルン、箱型炉、管状炉等を用いることができる。
前駆体を焼成する温度(以下、焼成温度[1]ともいう。)は600〜1200℃であることが好ましく、850℃超1000℃未満であることがより好ましく、900〜975℃であることがさらに好ましい。平均一次粒子径がより小さくなり、タップ密度がより大きい層状リチウム複合酸化物が得られるからである。焼成温度[1]が高すぎると、結晶構造中から酸素が離脱する可能性があり、その場合、電池性能が低下する可能性がある。
上記のような焼成温度[1]で前記前駆体を焼成する時間は、0.1〜10時間であることが好ましく、0.25〜5時間であることがより好ましく、0.5〜4時間であることがさらに好ましい。
焼成時間が長すぎると、結晶構造中から酸素が離脱したり、粒子間の焼結により酸素欠損したりする可能性があり、その場合、電池性能が低下する傾向があるからである。
このような第1焼成工程によって、焼成体[1]を得ることができる。
<第2焼成工程>
本発明の製造方法における第2焼成工程について説明する。
第2焼成工程では、上記のような第1焼成工程によって得られた焼成体[1]を、第1焼成工程における酸素濃度よりも高い酸素濃度の雰囲気内において焼成する。
このような酸素濃度の雰囲気内にて焼成体[1]を焼成すると初期放電容量が高く、レート特性が高いリチウムイオン二次電池が製造することができる層状リチウム複合酸化物が得られることを、本発明者は見出した。
焼成体[1]を焼成する雰囲気の酸素濃度は、第1焼成工程における酸素濃度よりも高ければ特に限定されない。例えば第1焼成工程において酸素濃度が10体積%の雰囲気内において前駆体を焼成して焼成体[1]を得た場合、第2焼成工程では10体積%よりも高い酸素濃度の雰囲気内で、焼成体[1]を焼成する。
第2焼成工程において焼成体[1]を焼成する際の雰囲気の酸素濃度は15体積%以上とすることが好ましく、18体積%以上とすることがより好ましく、20体積%以上とすることがさらに好ましい。また、この酸素濃度は50体積%以下とすることが好ましく、30体積%以下とすることがより好ましく、25体積%以下とすることがさらに好ましい。平均一次粒子径がより小さくなり、タップ密度がより大きい層状リチウム複合酸化物が得られるからである。
第2焼成工程では、大気雰囲気中にて焼成体[1]を焼成することが好ましい。
なお、焼成体[1]を焼成する雰囲気の酸素濃度の測定方法は、前述の第1焼成工程において前駆体を焼成する雰囲気の酸素濃度の測定方法と同様とする。
焼成体[1]を焼成する雰囲気の酸素濃度の調製方法は特に限定されない。例えば、前述の前駆体を焼成する場合と同様に、焼成炉内へ窒素やアルゴン等の不活性ガスを吹き込み、この量を調整することで、雰囲気内の酸素濃度を調整することができる。また、例えば、密閉されていない容器内へ焼成体[1]を入れ、その容器とともに開放系の焼成炉に入れて焼成すれば、大気雰囲気中にて焼成体[1]を焼成することができる。
焼成炉は、第1焼成工程と同様のものを用いることができる。
第2焼成工程において焼成体[1]を焼成する温度(以下、焼成温度[2]ともいう。)は600〜1200℃であることが好ましく、850℃超1000℃未満であることがより好ましく、900〜975℃であることがさらに好ましい。
平均一次粒子径がより小さくなり、タップ密度がより大きい層状リチウム複合酸化物が得られるからである。焼成温度[2]が高すぎると、結晶構造中から酸素が離脱する可能性があり、その場合、電池性能が低下する可能性がある。
上記のような焼成温度[2]で前記焼成体[1]を焼成する時間は、0.1〜10時間であることが好ましく、0.25〜5時間であることがより好ましく、0.5〜4時間であることがさらに好ましい。
焼成時間が長すぎると、結晶構造中から酸素が離脱したり、粒子間の焼結により酸素欠損したりする可能性があり、その場合、電池性能が低下する傾向があるからである。
第1焼成工程と第2焼成工程とは、1つの装置によって連続的に行うことが好ましい。
このような本発明の製造方法によって、式(I)で表される層状リチウム複合酸化物を得ることができる。
このような層状リチウム複合酸化物を、以下では「本発明の複合酸化物」ともいう。
<本発明の複合酸化物>
本発明の複合酸化物について説明する。本発明の複合酸化物は層状リチウム複合酸化物である。
層状リチウム複合酸化物とは、α−NaFeO2型とも呼ばれる、酸化物イオンが六方晶構造をとり、立方最密充填となっていると考えられるものである。
また、層状リチウム複合酸化物には、LiCoO2やLiNiO2をベースとする固溶体化合物も含まれるものとする。この固溶体化合物には、LiNi0.5Mn0.52、LiNi1/3Mn1/3Co1/32等が含まれる。また、固溶体化合物として、γLi4/32/32・(1−γ)LiMO2(0<γ<1。Mは本発明の複合酸化物におけるM1およびM2からなる群から選ばれる少なくとも1つ。)の態様のものが含まれるとする。
また、層状リチウム複合酸化物における固溶体化合物以外は、空間群R−3mの結晶構造を備えると考えられる。
本発明の複合酸化物は、下記式(I)で表される層状リチウム複合酸化物である。
式(I):Li(1+x)1 (1-x-p)2 p(2-a)
式(I)においてxは、0≦x≦0.5の範囲であるが、0<x≦(1/3)であることが好ましく、0.05≦x≦0.15であることがより好ましい。
xは、M1と置換しているLi量を意味する。本発明において式(I)で表される層状リチウム複合酸化物は、M1の一部がLiと置換していることが好ましい。すなわち、リチウムイオン電池の正極活物質として用いられるリチウム複合酸化物の組成式におけるLiの原子数(組成比)の理論値より過剰のLiが含まれていることが好ましい。この場合、過剰のLiの一部または全部に見合う分だけM1量を少なくすることにより、Liの少なくとも一部がM1と置換した構造をとる。
Liの置換量(x)が多くなると、電池の充放電容量は若干低下するものの、常温よりも高温でのサイクル特性が向上する傾向がある。しかしながら、xが0.5より大きくなっても常温よりも高温でのサイクル特性は大きくは向上し難い傾向がある。また、Li総量(1+x)が1.0未満になると不純物となる異相が生成され、電池の充放電性能が低下する傾向がある。
式(I)において、M1はMn、Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、Mn、NiおよびCoからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であることが好ましく、Mn、NiおよびCoを含む元素(元素群)であることがさらに好ましい。
1の存在量である1−x−pは0よりも大きい。1−x−pの下限は0.5であることが好ましく、0.66であることがより好ましい。1−x−pが小さすぎると容量が保持できないからである。
式(I)において、元素M2はB、P、S、Pb、Sb、SiおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。これらの中で好ましい元素はBである。
2の置換量であるp(M2として複数種類の元素を含む場合は、それらの合計)は0≦p≦1である。pの上限は0.1であることが好ましく、0.05であることがより好ましい。正極活物質として用いたときに、常温よりも高温でのサイクル特性が向上する傾向があるからである。置換量pが高すぎると正極活物質として用いたときのリチウムイオン二次電池の放電容量が低下する傾向がある。
なお、pは0となる場合がある。この場合、式(I)で表される層状リチウム複合酸化物はM2を含まない。すなわち、式(I)で表される層状リチウム複合酸化物は、Li(1+x)1 (1-x)(2-a)で表される組成となる場合もある。
一方、式(I)において0<1−x−pであるので、式(I)で表される層状リチウム複合酸化物はM1を必ず含む。
式(I)において、aはO(酸素)の欠損量を示している。
式(I)においてaは0≦a≦1.0を満たし、a=0であることが好ましい。
酸素欠損量が小さいと(すなわちaが小さいと)充放電試験における3.2V以下容量が小さくなる傾向がある。酸素欠損量が小さいと結晶構造が安定し、常温よりも高温でのサイクル特性が向上する傾向がある。
式(I)で表される層状リチウム複合酸化物として、具体的には、LiNi0.6Co0.2Mn0.22、LiNi0.5Co0.2Mn0.32、LiMn0.5Ni0.52、LiMn1/3Ni1/3Co1/32、Li4/32/32(Mは本発明の複合酸化物におけるM1およびM2からなる群から選ばれる少なくとも1つ。)が例示される。
本発明の複合酸化物の組成は、各元素の含有率から求められるモル比から特定するものとする。具体的には、初めに、ICP発光分析装置を用い、本発明の複合酸化物におけるLi、M1およびM2の含有率を測定する。また、酸素・窒素・水素分析装置を用い、本発明の複合酸化物におけるO(酸素)の含有率を測定する。そして、そのモル比(Li:M1:M2:O=1+x:1−x−p:p:2−a)を求め、本発明の複合酸化物の組成を特定するものとする。
<タップ密度>
本発明の複合酸化物のタップ密度は0.5〜5.0g/ccであることが好ましく、1.0〜3.0g/ccであることがより好ましく、2.0〜2.5g/ccであることがさらに好ましい。
本発明の複合酸化物のタップ密度は、従来公知のかさ密度測定装置を用いて測定する。具体的には、20mlのメスシリンダーに本発明の複合酸化物の粉末を10.0g充填し、所定の速度で300回振とうさせた後の体積を目盛りから読み取り、求めるものとする。
<細孔容積>
本発明の複合酸化物は細孔容積が小さい。本発明の複合酸化物は細孔容積が小さく、緻密でため、タップ密度が大きくなるものと考えられる。
本発明の複合酸化物の細孔容積は0.01〜0.5cm3/gであることが好ましく、0.05〜0.31cm3/gであることがより好ましく、0.10〜0.25cm3/gであることがさらに好ましい。
本発明の複合酸化物の細孔密度は、水銀圧入法によって測定する。具体的には、初めに、本発明の複合酸化物1gをるつぼに取り、300℃で1時間乾燥後、デシケーターに入れて室温まで冷却する。次に、冷却した試料のうち0.3gをセルに採取し、公知の細孔分布測定装置(例えば、PM−33GT1LP(QUANTA CROME社製))を使用して、水銀を細孔内へ圧入し、その時加えた圧力と押し込まれた(侵入した)水銀容積の関係から細孔容積を測定する。また、Washburnの式(P・r=−2σcosθ)(ここでPは圧力、rは細孔径、σは表面張力、θは接触角である。)に基づき、加えられた圧力から、その圧力で水銀が侵入可能な細孔径を求めることで、細孔分布を求める。
測定は、最高圧力32273psi(細孔直径5.4nm)まで行い、解析に用いる水銀の表面張力はσ=473dynes/cm、接触角はθ=130°とする。そして、細孔径5.4〜2000nmまでの細孔容積(cm3/g)を測定する。
<粒子径>
本発明の複合酸化物は、二次粒子を構成要素とするものであることが好ましく、二次粒子の集合体であることがより好ましい。
ここで、結晶子(単結晶部)の集合体であり、5000倍のSEM観察において視認できる最少の粒子単位を一次粒子、また一次粒子が焼結してなる、ハンドリングにおいて一粒の粒子として振る舞う粒子を二次粒子と定義する。
本発明の複合酸化物は、一次粒子の平均粒子径が0.1〜5.0μmのものであることが好ましく、0.3〜2.5μmのものであることがより好ましく、0.5〜2.0μmのものであることがさらに好ましい。
ここで一次粒子の平均粒子径とは、前述の一次粒子(結晶子の集合体)のメジアン径を意味するものとする。
また、一次粒子のメジアン径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、本発明の複合酸化物を倍率5000倍で写真撮影し、得られた写真から任意に500個を選び、ノギスを用いて各々の投影面積円相当径を測定して積算粒度分布(体積基準)を求め、それより平均粒子径(メジアン径)を算出して求める値とする。
本発明の複合酸化物は、一次粒子の粒子径の標準偏差が0.001〜0.8μmのものであることが好ましく、0.001〜0.5μmのものであることがより好ましく、0.001〜0.4μmのものであることがさらに好ましい。
ここで一次粒子の標準偏差は、前述の一次粒子のメジアン径の場合と同様に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、本発明の複合酸化物を倍率5000倍で写真撮影し、得られた写真から任意に500個を選び、ノギスを用いて各々の投影面積円相当径を測定して粒度分布(体積基準)を求め、それより標準偏差を算出して求める値とする。
本発明の複合酸化物は、二次粒子の平均粒子径が2〜30μmのものであることが好ましく、5〜20μmのものであることがより好ましく、8〜12μmのものであることがさらに好ましくい。
ここで二次粒子は、前述のように一次粒子が焼結してなるものである。
また、二次粒子の平均粒子径とは、二次粒子のメジアン径を意味するものとする。
また、二次粒子の平均粒子径は、次の方法で測定した値を意味するものとする。
初めに、室温大気中で、本発明の複合酸化物をヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に添加し、超音波分散し撹拌することで分散させてスラリーとする。次に、このスラリーを80〜90%の透過率となるように調節した後、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて積算粒度分布(体積基準)を測定する。このようにして測定した粒度分布から求めたメジアン径を、本発明の複合酸化物における二次粒子の平均粒子径とする。
<比表面積>
本発明の複合酸化物はBET比表面積が0.1〜3.0m2/gのものであることが好ましく、0.2〜2.0m2/gのものであることがより好ましく、0.2〜1.0m2/gのものであることがさらに好ましい。
BET比表面積は、連続流動法によるBET1点法測定で求める値とする。具体的には、使用する吸着ガスおよびキャリアガスは共に、窒素、空気およびヘリウムの混合ガスであり、試料を前記混合ガスにより450℃以下の温度で過熱脱気し、次いで液体窒素により冷却して前記混合ガスを吸着させ、室温に戻して吸着された窒素ガスを脱着させ、熱伝導度検出器によって検出し、脱着ピークとしてその量を求め、試料の比表面積として算出する。このようなBET比表面積は、公知のBET式粉体比表面積測定装置を用いて測定することができる。
本発明において、単に「比表面積」と記した場合、「BET比表面積」を意味するものとする。
<結晶構造>
本発明の複合酸化物は特定の結晶構造を備えるものであることが好ましい。
具体的には、本発明の複合酸化物について粉末X線回折測定を行って得られるチャートから求められる、ミラー指数が(101)である結晶格子面におけるピーク強度に対する、ミラー指数が(012)である結晶格子面におけるピーク強度の比((012)/(101))が小さいことが好ましい。また、ミラー指数が(104)である結晶格子面におけるピーク強度に対する、ミラー指数が(003)である結晶格子面におけるピーク強度の比((003)/(104))が大きいことが好ましい。さらに、ピーク強度の比((012)/(101))が小さく、かつ、ピーク強度の比((003)/(104))が大きいことが好ましい。
より具体的には、ピーク強度の比((012)/(101))は0.25〜0.40であることが好ましい。ピーク強度の比((012)/(101))は、0.36以下であることがさらに好ましい。
また、ピーク強度の比((003)/(104))が1.00以上であることが好ましく、1.10以上であることがより好ましく、1.15以上であることがさらに好ましい。このピーク強度比((003)/(104))は2.00以下であってよい。
このようなピーク強度比を示す本発明の複合酸化物は、それを正極活物質として用いた場合に、体積当たりの放電容量がより高く、常温よりも高い温度雰囲気内で使用したときのサイクル特性により優れ、さらにレート特性により優れるリチウムイオン二次電池を得ることができることを、本発明者は見出した。
なお、上記のピーク強度比を求める際、粉末X線回折測定は試料水平型多目的X線回折装置(例えば、株式会社リガク製、X−RAY DIFFRACTMETER、RINT−Ultima)を使用する。また、測定にはCu−Kα線を用い、2θ=15〜80°の範囲で測定する。
<初期放電容量>
本発明の複合酸化物を正極活物質として用いてなる二次電池の初期放電容量は、151mAh/g以上、好ましくは152mAh/g以上、より好ましくは165mAh/g以上となり得る。
なお、本発明においてリチウムイオン二次電池の初期充放電容量(mAh/g)は、次のように測定するものとする。
初めに、本発明の複合酸化物を85質量%、アセチレンブラックを7.5質量%、ポリフッ化ビニリデンを7.5質量%の割合で秤量し、ノルマルメチルピロリドンに分散させて合剤を得る。そして、得られた合剤を約0.1mmの厚さとなるようにAl箔上に塗布して、約110℃で真空乾燥した後、14mmφのポンチを用いて打ち抜き、正極を作製する。
次に、得られた正極を試験極とし、この試験極とリチウム金属箔(厚さ0.2μm)とをセパレーター(商品名:セルガード)を介してコイン型電池ケース内に積層して配置した後、体積比1:1のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒に1mol/LのLiPF6を溶解した電解液を注入して試験用コインセルを作成する。
次に、このようにして作成した試験用コインセルについて初期充放電容量を測定する。具体的には、充放電レートは0.2Cで行い、充電終止電圧を4.3V、電流密度を0.5mA/cm2とする定電流・定電圧充電(電圧が4.3Vになった後は、4.3Vの一定電圧にて充電する)を行い、放電終止電圧を3.0V、電流密度を0.5mA/cm2とする定電流放電を行った際の正極活物質単位質量あたりの初期充電容量(mAh/g)および初期放電容量(mAh/g)を測定する。なお、充電は、充電開始から10時間が経過した時、または電流が0.001Cになった時に終了とする。
本発明では、このようにして測定して得た値を、初期充放電容量とする。
<高温サイクル特性>
本発明の複合酸化物を正極活物質として用いてなる二次電池の、常温よりも高い温度でのサイクル容量維持率は89.0%以上、好ましくは90.0%以上、より好ましくは91.0%以上となり得る。
なお、本発明において二次電池の常温よりも高い温度でのサイクル容量維持率(%)は、次のように測定するものとする。
初めに、上記のリチウムイオン二次電池の初期充放電容量(mAh/g)を測定する場合と同様の方法で試験用コインセルを作成する。
そして、試験用コインセルを60℃の恒温槽に設置し、上記の初期充放電容量の測定と同様に、充放電レートは0.2Cとし、充電終止電圧を4.3Vまで、放電終止電圧を3.0Vまでの電位規制の条件で0.5mA/cm2の定電流充電を100回行い、次式により、常温よりも高い温度でのサイクル容量維持率を求める。
サイクル容量維持率(%)=(100回目の放電容量/1回目の放電容量)×100
<レート特性>
本発明の複合酸化物を正極活物質として用いてなる二次電池のレート容量維持率は80.0%以上、好ましくは81.0%以上、より好ましくは84.0%以上となり得る。
なお、本発明において二次電池のレート容量維持率(%)は、次のように測定するものとする。
初めに、初期充放電容量を測定する場合と同様の方法で、試験用コインセルを作製する。
そして、上記の初期充放電容量の測定の場合は充放電レートを0.2Cとするが、放電時のレートのみを5Cとし、その他については上記の初期充放電容量の測定の場合と同一とした試験を行い、初期放電容量を測定する。
このような5Cにて定電流放電試験を行った得られた初期放電容量と、上記の初期充放電容量の測定を行い0.2Cにて定電流放電試験を行った場合の放電容量との比(百分率)をレート容量維持率として求める。
<本発明の正極活物質>
本発明の正極活物質について説明する。
本発明の正極活物質は、本発明の複合酸化物を用いた非水系電解質二次電池用正極活物質である。
本発明の正極活物質は、本発明の複合酸化物を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、実質的に100質量%含む、すなわち本発明の複合酸化物から実質的になることがさらに好ましい。
本発明の正極活物質は、本発明の複合酸化物の他に、LTO(Li4Ti512)、後述する固体電解質、その他リチウムを含まない酸化物を含むことができる。また、これらに代表される物質を本発明の複合酸化物の表面に塗布したものを、本発明の正極活物質として用いることもできる。
<本発明の正極およびその製造方法>
本発明の正極は、本発明の正極活物質を用いてなるものであれば、例えば従来公知の正極と同様の態様であってよい。例えば、本発明の正極活物質に必要に応じて導電助剤、結着剤などを添加し混合したものからなる層を集電体上に形成してなるものが挙げられる。具体的には、本発明の正極活物質に導電助剤、結着剤およびN−メチルピロリドンなどの有機溶媒を混練してインク(スラリー)を調製し、このインクを集電体のアルミ箔に塗布し乾燥した後、ローラープレス機にかけることにより得ることができる。ローラープレス機にかけることによって、正極活物質と集電体との接触を良くすると共に正極活物質の密度を高めることができる。また、本発明の正極活物質に導電助剤および結着剤を充分混合したのち、ローラープレスでシート状に成形して正極を得ることができる。
ここで、導電助剤として、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)やアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料などが挙げられる。
また、結着剤として、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などが挙げられる。
また、集電体についても限定されず、例えば従来公知のネット状、シート状、フィルム状のものを用いることができる。
<本発明の二次電池>
本発明の二次電池について説明する。
本発明の二次電池は、正極として本発明の正極を用いること以外は、通常のリチウムイオン二次電池と同様の構成であってよく、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などであってよい。すなわち、正極、負極および非水系電解質を主たる電池構成要素とし、これら要素が、例えば電池缶内に封入されている。正極および負極はそれぞれリチウムイオンの担持体として作用し、充電時には、リチウムイオンが負極中に吸蔵され、放電時には負極から離脱する。
負極は特に限定されず、例えば従来公知の負極と同様の態様であってよい。例えば、負極活物質としては、リチウムやリチウム−アルミニウムで代表されるリチウム合金を用いることができ、また、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などのリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出できる炭素系材料を用いることもできる。例えば集電体は、正極の場合と同様のものを用いることができる。
負極は、負極活物質がリチウムやリチウム合金の場合は、そのまま用いるか、あるいは集電体に圧着することによって製造することができる。また、負極活物質がリチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素系材料(グラファイト、カーボンブラックなど)の場合は、必要に応じて正極の場合と同様の結着剤を負極活物質に添加して混合し、溶剤を用いてペースト状にし、得られた負極合剤含有ペーストを銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって製造することができる。
非水系電解質としては有機系電解質、ポリマー電解質、固体電解質などを用いることができる。ここで、有機系電解質とはリチウム塩が非水溶媒に加えられたものであり、ポリマー電解質とは、リチウム塩が高分子化合物に加えられたものである。
ここで、リチウム塩としては、例えば、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiSCN、LiBr、LiI、Li2SO4、Li210Cl10、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252が挙げられる。これらの中でもLiBF4(四フッ化ホウ酸リチウム)は、電解質中に存在する水分との反応性がより低いので、安全性により優れ、サイクル特性、レート特性(高率放電特性)および初期特性などの優れたリチウム電池を得易い。
有機系電解質中のリチウム塩の濃度は0.1〜3.0mol/lが好ましく、0.2〜2.0mol/lがより好ましい。非水系電解質のイオン電導率が高くなり、非水系電解質中にリチウム塩が析出し難く、高性能な電池性能を備えるリチウム電池が得られるからである。
有機系電解質の非水溶媒としては、例えば従来公知のものを用いることができ、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネートおよびビニレンカーボネートの混合溶媒を好ましく使用することができる。エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびプロピレンカーボネートは、誘電率が高いことから、イオン伝導を確実に起こすことができ、さらに、非水溶媒にビニレンカーボネートを含有させることにより、充電時において、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびプロピレンカーボネートの分解を確実に抑制可能なビニレンカーボネート由来の皮膜を負極上に形成できるので、充電をより十分に行うことができる。
有機系電解質は、リチウム塩および非水溶媒の他に、さらに他の有機溶媒を含んでもよい。
非水系電解質をポリマー電解質とする場合には、可塑剤(非水電解液)でゲル化されたマトリクス高分子化合物を含むが、このマトリクス高分子化合物としては、ポリエチレンオキサイドやその架橋体などのエーテル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂などを単独、もしくは混合して用いることができる。
これらの中で、酸化還元安定性の観点などから、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
ポリマー電解質の作製は特に限定されないが、例えば、マトリックスを構成する高分子化合物、リチウム塩および溶媒を混合し、加熱して溶融・溶解する方法が挙げられる。また、混合用有機溶媒に、高分子化合物、リチウム塩、および溶媒を溶解させた後、混合用有機溶媒を蒸発させる方法、重合性モノマー、リチウム塩および溶媒を混合し、紫外線、電子線または分子線などを照射して、重合性モノマーを重合させ、ポリマーを得る方法などを挙げることができる。
ポリマー電解質中の溶媒の割合は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。このような割合であると、導電率が高く、機械的強度が強く、フィルム化しやすい。
固体電解質としては、例えばリチウムイオンを含む酸化物系急冷ガラス、硫化物ベースのオキシスルフィド系超イオン伝導ガラスなどのガラス系固体電解質、ポリエーテルなどの高分子に、Li塩が溶解・分散した高分子固体電解質などが挙げられる。
また高分子固体電解質は、溶媒成分を含むゲル状であってもよい。
本発明の二次電池は、正極と負極とが直接接触することを防ぐセパレータを有することが好ましい。
セパレータは特に限定されず、例えば従来公知のものを用いることができ、例えば織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好適であるが、なかでもポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面で好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜等である。
なお、非水系電解質として有機系電解質またはポリマー電解質を用いる場合、通常セパレータが使用されるが、固体電解質の場合、セパレータを使用せずに固体電解質をセパレータとしてもよい。
本発明の二次電池の製造方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法で製造することができる。例えば、リチウム電池用セパレータを介して本発明の正極と前記負極とを積層する前または積層した後に非水系電解質を注液し、最終的に、外装材で封止することによって製造することができる。外装材としては、例えば、ニッケルメッキした鉄、ステンレススチール、アルミニウム、金属箔を樹脂フィルムで挟み込んだ構成の金属樹脂複合フィルム等が挙げられる。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[リチウム複合酸化物の調製]
リチウム源として水酸化リチウム(LiOH・H2O)および炭酸リチウム(Li2CO3)、ニッケル源として水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、コバルト源としてCo34、マンガン源として電解二酸化マンガン(γ−MnO2)を用意した。そして、それぞれの原料を、最終的に得られるリチウム複合酸化物の組成が、Li1.0Ni0.5Co0.2Mn0.32となるように秤量した。
次に、これらの秤量した原料を混合し、ここへ固形分濃度が33.3質量%となるように純水を加えた後、湿式粉砕機(アシザワファインテック社製:スターミルラボスターLMZ−06)を用いて粉砕し、スラリーを得た。ここで、スラリー中の固形分の平均粒子径(メジアン径)が0.20μm以下になるまで粉砕した。粉砕においては600mlのベッセルを用いた。
なお、スラリー中の固形分の平均粒子径(メジアン径)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所:LA−950v2)を用いて求めた。具体的には室温大気中で、スラリーにヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を添加し、超音波分散および撹拌によって分散させ、30〜60%の透過率となるように調節した後、上記の装置を用いて屈折率2.20の条件で、積算粒度分布(体積基準)を測定して求めた。
次に、粉砕後のスラリーについて、ディスク型スプレードライヤー(大川原化工機社製:L−8型スプレードライヤー)を用いて噴霧乾燥を行った。ここで乾燥ガスとして空気を用いた。また、バグフィルター差圧が0.15kPaとなるよう調整し、乾燥ガスの入口温度は200℃に調整した。スラリー流量は2kg/hとし、スラリー/空気を突出する二流体ノズルは、空気圧が0.05MPaとなるようにした。このような噴霧乾燥を行うことで、粒子状の前駆体を得た。
次に、得られた前駆体をほぼ密閉された容器へ入れ、その容器を焼成炉内に置いた。そして、焼成炉を200℃/hで950℃まで昇温し、950℃で2時間、前駆体を焼成し、その後、室内にて放冷することで室温まで冷却した。ここで、前駆体を焼成する雰囲気の酸素濃度を前述の方法で測定したところ、酸素濃度は11体積%であった。
次に、得られた焼成体[1]の粉末をメノウ乳鉢で解砕した。その後、焼成体[1]をさらに空気中にて950℃で4時間焼成し、室内にて放冷することで室温まで冷却して、目標組成の層状リチウム複合酸化物を得た。なお、焼成体[1]を焼成する雰囲気の酸素濃度を前述の方法で測定したところ、酸素濃度は21体積%であった。
<平均粒子径の測定>
得られた層状リチウム複合酸化物について、平均粒子径(メジアン径)を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所:LA−950v2)を用いて求めた。具体的には室温大気中で、スラリーにヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を添加し、超音波分散および撹拌によって分散させ、30〜60%の透過率となるように調節した後、上記の装置を用いて屈折率2.2の条件で、積算粒度分布(体積基準)を測定して求めた。
その結果、平均粒子径は10.2μmであった。
<タップ密度の測定>
得られた層状リチウム複合酸化物のタップ密度をかさ密度測定器(筒井理化学器機社製)を用いて測定した。具体的には、20mlのメスシリンダーに層状リチウム複合酸化物の粉末を10.0g充填し、所定の速度で300回振とうさせた後の体積を目盛りから読み取り、タップ密度を求めた。
その結果、層状リチウム複合酸化物のタップ密度は2.3g/ccであった。
<細孔容積の測定>
得られた層状リチウム複合酸化物の細孔容積を、前述の水銀圧入法によって測定した。
その結果、層状リチウム複合酸化物の細孔容積は0.23cm3/gであった。
<粉末X線回折測定>
得られた層状リチウム複合酸化物について粉末X線回折測定を行い、ミラー指数が(012)、(101)、(003)および(104)である結晶格子面におけるピーク強度を測定した。粉末X線回折測定は試料水平型多目的X線回折装置(株式会社リガク製、X−RAY DIFFRACTMETER、RINT−Ultima)を使用し、測定にはCu−Kα線を用い、2θ=15〜80°の範囲で測定した。
そして、ミラー指数が(101)である結晶格子面におけるピーク強度に対する、ミラー指数が(012)である結晶格子面におけるピーク強度の比((012)/(101))を求めた。また、ミラー指数が(104)である結晶格子面におけるピーク強度に対する、ミラー指数が(003)である結晶格子面におけるピーク強度の比((003)/(104))を求めた。
各々を第1表に示す。
<SEM像>
得られた層状リチウム複合酸化物について、SEMを用いて観察して拡大写真(5000倍)を得た。図1に示す。
次に、得られた層状リチウム複合酸化物を用いてリチウムイオン二次電池を作製し、電池評価を行った。
<初期充放電容量の測定>
層状リチウム複合酸化物を85質量%、アセチレンブラックを7.5質量%、ポリフッ化ビニリデンを7.5質量%の割合で秤量し、ノルマルメチルピロリドンに分散させて合剤を得た。そして、得られた合剤を約0.1mmの厚さとなるようにAl箔上に塗布して、約110℃で真空乾燥した後、14mmφのポンチを用いて打ち抜き、正極を作製した。
得られた正極を試験極とし、この試験極とリチウム金属箔(厚さ0.2μm)とをセパレーター(商品名:セルガード)を介してコイン型電池ケース内に積層して配置した後、体積比1:1のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒に1mol/LのLiPF6を溶解した電解液を注入して試験用コインセルを作成した。
このようにして作成した試験用コインセルについて初期充放電容量を測定した。具体的には、充放電レートは0.2Cで行い、充電終止電圧を4.3V、電流密度を0.5mA/cm2とする定電流・定電圧充電(電圧が4.3Vになった後は、4.3Vの一定電圧にて充電する)を行い、放電終止電圧を3.0V、電流密度を0.5mA/cm2とする定電流放電を行った際の正極活物質単位質量あたりの初期充電容量(mAh/g)および初期放電容量(mAh/g)を測定した。なお、充電は、充電開始から10時間が経過した時、または電流が0.001Cになった時に終了とした。
その結果を第1表に示す。
<レート特性の評価>
初期充放電容量を測定する場合と同様の方法で、試験用コインセルを作製した。
そして、上記の初期充放電容量の測定の場合は充放電レートを0.2Cとしたが、放電時のレートのみを5Cとし、その他については上記の初期充放電容量の測定の場合と同一とした試験を行い、放電容量を測定した。
このようにして得られた5Cにて定電流放電試験を行った場合の放電容量と、初期充放電容量を測定して得られた0.2Cにて定電流放電試験を行った場合の放電容量との比(百分率)をレート容量維持率として求めた。レート容量維持率は次式で表される。
レート容量維持率(%)=(5Cでの放電容量/0.2Cでの放電容量)×100
<60℃・100サイクル容量維持率の測定>
初期充放電容量を測定する場合と同様の方法で試験用コインセルを作製した。
そして、試験用コインセルを60℃の恒温槽に設置し、上記の初期充放電容量の測定と同様に、充放電レートは0.2Cとして、充電終止電圧を4.3Vまで、放電終止電圧を3.0Vまでの電位規制の条件で0.5mA/cm2の定電流充電を100回行い、次式により高温サイクル容量維持率を求めた。
高温サイクル容量維持率(%)=(100回目の放電容量/1回目の放電容量)×100
測定結果を第1表に示す。
<実施例2>
実施例1と同様の原料(水酸化リチウム、炭酸リチウム、水酸化ニッケル、Co34、電解二酸化マンガン)を用意し、それぞれの原料を、最終的に得られるリチウム複合酸化物の組成が、Li1.10Ni0.30Co0.30Mn0.302となるように秤量した。
以降の操作は実施例1と同様とした。すなわち、秤量した原料を湿式粉砕し、スラリーを得た後、このスラリーを噴霧乾燥して前駆体を得て、この前駆体をほぼ密閉された容器に入れて、実施例1と同条件にて焼成することで、目標組成の層状リチウム複合酸化物を得た。なお、前駆体を焼成する雰囲気の酸素濃度を測定したところ、実施例1と同様に、前駆体を焼成する際の酸素濃度は11体積%、焼成体[1]を焼成する際の酸素濃度は21%であった。
そして、得られた層状リチウム複合酸化物について、実施例1と同様の方法でタップ密度を測定したところ、層状リチウム複合酸化物のタップ密度は2.1g/ccであった。
また、得られた層状リチウム複合酸化物の細孔容積を、実施例1と同様の方法で測定した。
その結果、層状リチウム複合酸化物の細孔容積は0.24cm3/gであった。
また、得られた層状リチウム複合酸化物について、実施例1と同様の粉末X線回折法によって、ピーク強度の比((012)/(101))を求めた。また、ミラー指数が(104)である結晶格子面におけるピーク強度に対する、ミラー指数が(003)である結晶格子面におけるピーク強度の比((003)/(104))を求めた。
各々を第1表に示す。
また、実施例1と同様の方法で、得られた層状リチウム複合酸化物を用いてリチウムイオン二次電池を作製した。そして、実施例1と同様の方法で、初期充放電容量、レート容量維持率および高温サイクル容量維持率を測定した。
測定結果を第1表に示す。
<比較例1>
実施例1と同様の方法で前駆体を得た。
そして、得られた前駆体を密閉されていない容器に入れ、この容器を開放系の焼成炉内に置き、200℃/hで950℃まで昇温し、950℃で2時間、空気中にて焼成した後、室内にて放冷することで室温まで冷却した。そして、得られた焼成粉末をメノウ乳鉢で解砕した。その後、再度、同様に開放系の焼成炉内にて950℃で4時間焼成し、室内にて放冷することで室温まで冷却して、目標組成の層状リチウム複合酸化物を得た。なお、前駆体および前駆体を焼成して得た焼成粉末を焼成する雰囲気の酸素濃度を測定したところ、いずれの焼成においても、酸素濃度は21体積%であった。
そして、得られた層状リチウム複合酸化物について、実施例1と同様の方法でタップ密度を測定したところ、層状リチウム複合酸化物のタップ密度は1.5g/ccであった。
また、得られた層状リチウム複合酸化物の細孔容積を、実施例1と同様の方法で測定した。
その結果、層状リチウム複合酸化物の細孔容積は0.32cm3/gであった。
なお、500nm付近に一次粒子間の空隙に由来した細孔の存在を確認した。
また、得られた層状リチウム複合酸化物について、実施例1と同様の粉末X線回折法によって、ピーク強度の比((012)/(101))を求めた。また、ミラー指数が(104)である結晶格子面におけるピーク強度に対する、ミラー指数が(003)である結晶格子面におけるピーク強度の比((003)/(104))を求めた。
各々を第1表に示す。
また、得られた層状リチウム複合酸化物について、SEMを用いて観察して拡大写真(5000倍)を得た。図2に示す。
また、実施例1と同様の方法で、得られた層状リチウム複合酸化物を用いてリチウムイオン二次電池を作製した。そして、実施例1と同様の方法で、初期充放電容量、レート容量維持率および高温サイクル容量維持率を測定した。
測定結果を第1表に示す。
<比較例2>
実施例2と同様の方法で前駆体を得た。
そして、比較例1と同様に、得られた前駆体を密閉されていない容器に入れ、この容器を開放系の焼成炉内に置き、比較例1と同様の条件で焼成し、解砕し、再度焼成して、目標組成の層状リチウム複合酸化物を得た。なお、前駆体および前駆体を焼成して得た焼成粉末を焼成する雰囲気の酸素濃度を測定したところ、いずれの焼成においても、酸素濃度は21体積%であった。
そして、得られた層状リチウム複合酸化物について、実施例1と同様の方法でタップ密度を測定したところ、層状リチウム複合酸化物のタップ密度は1.4g/ccであった。
また、得られた層状リチウム複合酸化物の細孔容積を、実施例1と同様の方法で測定した。
その結果、層状リチウム複合酸化物の細孔容積は0.33cm3/gであった。
なお、500nm付近に一次粒子間の空隙に由来した細孔の存在を確認した。
また、得られた層状リチウム複合酸化物について、実施例1と同様の粉末X線回折法によって、ピーク強度の比((012)/(101))を求めた。また、ミラー指数が(104)である結晶格子面におけるピーク強度に対する、ミラー指数が(003)である結晶格子面におけるピーク強度の比((003)/(104))を求めた。
各々を第1表に示す。
また、実施例1と同様の方法で、得られた層状リチウム複合酸化物を用いてリチウムイオン二次電池を作製した。そして、実施例1と同様の方法で、初期充放電容量、レート容量維持率および高温サイクル容量維持率を測定した。
測定結果を第1表に示す。
<比較例3>
実施例1と同様の方法で前駆体を得た。
次に、得られた前駆体を密閉されていない容器に入れ、この容器を焼成炉内に置いた。そして、焼成炉内へ窒素を吹き込みながら、200℃/hで950℃まで昇温し、950℃で2時間、焼成した後、室内にて放冷することで室温まで冷却した。そして、得られた焼成粉末をメノウ乳鉢で解砕した。その後、再度、解砕後の焼成粉末を焼成炉内へ置き、焼成炉内へ窒素を吹き込みながら950℃で4時間焼成し、室内にて放冷することで室温まで冷却して、目標組成の層状リチウム複合酸化物を得た。なお、前駆体および前駆体を焼成して得た焼成粉末を焼成する雰囲気の酸素濃度を測定したところ、いずれの焼成においても、酸素濃度は11体積%であった。
そして、得られた層状リチウム複合酸化物について、実施例1と同様の方法でタップ密度を測定したところ、層状リチウム複合酸化物のタップ密度は2.3g/ccであった。
また、得られた層状リチウム複合酸化物の細孔容積を、実施例1と同様の方法で測定した。
その結果、層状リチウム複合酸化物の細孔容積は0.24cm3/gであった。
また、得られた層状リチウム複合酸化物について、実施例1と同様の粉末X線回折法によって、ピーク強度の比((012)/(101))を求めた。また、ミラー指数が(104)である結晶格子面におけるピーク強度に対する、ミラー指数が(003)である結晶格子面におけるピーク強度の比((003)/(104))を求めた。
各々を第1表に示す。
また、実施例1と同様の方法で、得られた層状リチウム複合酸化物を用いてリチウムイオン二次電池を作製した。そして、実施例1と同様の方法で、初期充放電容量、レート容量維持率および高温サイクル容量維持率を測定した。
測定結果を第1表に示す。
第1表より、実施例1および実施例2の場合、タップ密度が高く、体積当たりの初期放電容量が高いことがわかる。また、レート容量維持率および高温サイクル容量維持率が共に優れることがわかる。
また、比較例3は体積当たりの初期放電容量が低く、レート容量維持率および高温サイクル容量維持率が共に低くなった。これより、第1焼成工程において前駆体を焼成する際の酸素濃度が5〜15体積%であったとしても、第2焼成工程において焼成体[1]を焼成する際の酸素濃度が第1焼成工程における酸素濃度よりも高くないと、得られる層状リチウム複合酸化物の性能が優れないことが確認できた。
また、図1と図2とを比較すると、図2(比較例1)に対して図1(実施例1)の方が緻密であることがわかる。

Claims (7)

  1. 下記式(I)で表される層状リチウム複合酸化物の製造方法であって、
    リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を用いて前駆体を得る前駆体調製工程と、
    酸素濃度が5〜15体積%の雰囲気内において前記前駆体を焼成して、焼成体[1]を得る第1焼成工程と、
    前記第1焼成工程における酸素濃度よりも高い酸素濃度の雰囲気内において前記焼成体[1]を焼成して、焼成体[2]を得る第2焼成工程と、
    を備える、層状リチウム複合酸化物の製造方法。
    式(I):Li(1+x)1 (1-x-p)2 p(2-a)
    ただし、式(I)において、M1はMn、Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、M2はB、P、S、Pb、Sb、SiおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素であり、0≦x≦0.5、0≦p≦1.0、0≦a≦1.0である。
  2. 前記第1焼成工程において前記前駆体を焼成する温度と、前記第2焼成工程において前記焼成体[1]を焼成する温度とが、共に850℃超1000℃未満である、請求項1に記載の層状リチウム複合酸化物の製造方法。
  3. 前記前駆体調製工程が、リチウム源、M1を含む原料およびM2を含む原料を溶媒に含有させた状態で粉砕混合し、得られたスラリーを乾燥して前記前駆体を得る工程である、請求項1または2に記載の層状リチウム複合酸化物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法によって得られる層状リチウム複合酸化物。
  5. 請求項4に記載の層状リチウム複合酸化物を含む正極活物質。
  6. 請求項5に記載の正極活物質を含むリチウムイオン二次電池用正極。
  7. 請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極と、負極と、電解液とを有する、リチウムイオン二次電池。
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