JP2012116746A - スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物 - Google Patents

スピネル型リチウム・マンガン複合酸化物 Download PDF

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Abstract

【課題】正極材として用いたときに体積当たりの放電容量が高く、高温で使用したときのサイクル特性に優れたリチウム・マンガン複合酸化物の提供。
【解決手段】Li(x+y)Mn(2−y−p−q) (4−a)(1.0≦x<1.2、0<y≦0.2、1.0<x+y≦1.2、0<p≦1.0、0≦q≦1.0、0≦a≦1.0、M:Ni、Co、Mg、Fe、Al、Cr、M:B、P、Pb、SbまたはV。)で表されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物であって、空間群Fd3mの示すXRDパターンにおいて、(533)、(622)、(444)、(551)の各面での回折に起因するピークの半値幅が0.20°以下であることを特徴とするスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイクル特性に優れた正極活物質として使用可能なリチウム・マンガン複合酸化物、およびそれを正極材として用いるリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン電池用正極材として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム及びマンガン酸リチウムなどが実用化されている。これらのうち、コバルト酸リチウムは原料のコバルトが高価であり、また実効蓄電量が理論量の約50%しかないと言う問題がある。またニッケル酸リチウムは安価で実効蓄電量がコバルト酸リチウムの約1.4倍もあり注目されているが、合成が困難であり、安全性にも問題がある。一方、マンガン酸リチウムは実効蓄電量は、コバルト酸リチウムより若干劣るが、原料のマンガンが安価なことと、保存性や安全性がコバルト酸リチウムと同等であるので、リチウムイオン電池用正極材として実用化が図られている。
これらの正極材は、微粒子状のものをグラファイトなどの炭素系導電剤及びバインダーと共に有機溶剤に混合してペースト状合剤とし、これを15〜20μmのアルミ箔に均一な厚さに塗布する。次いで、乾燥後合剤の密度を高くすると共に電極の厚さを均一にするためにプレス機で圧縮して電池用正極が製造される。この正極が負極、セパレーターなどと共に電池用容器に装填され電池が構成されるが、一定容積の電池中にできるだけ多くの正極材が充填されることが充電容量又は放電容量などの電池性能を向上させる意味で好ましい。このためには、合剤中の正極材の量を多くすれば良いが、合剤中に配合し得る正極材の量にも制限がある。そこで、できるだけ緻密な微粒子の正極材を用いれば、充填密度が大きいことから、単位体積当たりに充填される正極材の重量が多くなり、放電容量の高い電池が得られる。すなわち、正極材としては重量当たりの放電容量と同時に、体積当たりの放電容量(重量当たりの放電容量×正極材微粒子の充填密度)の高いことも重要な因子である。
しかし、従来、正極材として用いられているマンガン酸リチウムの微粒子は、同じ粒径のコバルト酸リチウムの微粒子と比較した時の充填密度が小さい。そのため、同一容積の正極材を比較した場合、重量当たりの放電容量はコバルト酸リチウムの80%程度が期待できるが、体積当たりの放電容量は50〜60%程度と低くなると言う問題点がある。さらに、従来のマンガン酸リチウムを正極材として用いた電池では、充放電を繰り返すうちに次第に放電容量が低下するという、サイクル特性の低下の問題点がある。これらの問題点を解決するために、マンガン酸リチウムに、例えばホウ素(B)などの第三成分を添加したリチウム・マンガン複合酸化物が提案されている(特許文献1〜3参照)。しかし、これらのリチウム・マンガン複合酸化物を正極材として用いた電池では、常温より高い温度で使用したときのサイクル特性が低いという問題が依然残されている。
特開平4−237970号公報 特開平5−290846号公報 特開平8−195200号公報
本発明は、上記のような従来のリチウム・マンガン複合酸化物の問題点を解決するものであって、正極材として用いたときに体積当たりの放電容量が高く、高温で使用したときのサイクル特性に優れたリチウム・マンガン複合酸化物、およびこのような新規なリチウム・マンガン複合酸化物を正極材として用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(i)〜(ix)である。
(i)式(I):Li(x+y)Mn(2−y−p−q) (4−a)(ただし、式(I)中、1.0≦x<1.2、0<y≦0.2、1.0<x+y≦1.2、0<p≦1.0、0≦q≦1.0、0≦a≦1.0、M:Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。M:B、P、Pb、SbおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。)で表されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物であって、
空間群Fd3mの示すXRDパターンにおいて、(533)、(622)、(444)、(551)の各面での回折に起因するピークの半値幅が0.20°以下であることを特徴とするスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
(ii)(533)面の強度に対する(444)面の強度比[(444)/(533)]が1.30以上である、上記(i)に記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
(iii)一次粒子径が0.1〜5.0μmである、上記(i)または(ii)に記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
(iv)二次粒子径が2〜30μmである、上記(i)〜(iii)のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
(v)BET比表面積が0.1〜2.0m/gである、上記(i)〜(iv)のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
(vi)タップ密度が1.5〜2.5g/mlである、上記(i)〜(v)のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
(vii)リチウム源として水酸化リチウムを用いてなる、上記(i)〜(vi)のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
(viii)上記(i)〜(vii)のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物を正極活物質として含むリチウムイオン二次電池用正極。
(ix)上記(viii)に記載のリチウムイオン二次電池用正極と、負極と、電解液とを有する、リチウムイオン二次電池。
本発明によれば、正極材として用いたときに体積当たりの放電容量が高く、高温で使用したときのサイクル特性に優れたリチウム・マンガン複合酸化物、およびこのような新規なリチウム・マンガン複合酸化物を正極材として用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
実施例および比較例におけるX線回折測定結果(回折パターン)を示す図である。 実施例および比較例における充放電曲線を表すグラフである。 図2を拡大したグラフである。
本発明について説明する。
本発明は、式(I):Li(x+y)Mn(2−y−p−q) (4−a)(ただし、式(I)中、1.0≦x<1.2、0<y≦0.2、1.0<x+y≦1.2、0<p≦1.0、0≦q≦1.0、0≦a≦1.0、M:Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。M:B、P、Pb、SbおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。)で表されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物であって、空間群Fd3mの示すXRDパターンにおいて、(533)、(622)、(444)、(551)の各面での回折に起因するピークの半値幅が0.20°以下であることを特徴とするスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物である。
このようなスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物を、以下では「本発明の複合酸化物」ともいう。
なお、本発明においては、
を、単に「空間群Fd3m」と記す場合がある。
<本発明の複合酸化物>
本発明の複合酸化物は、式(I)で表されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物であって、空間群Fd3mの示すXRDパターンにおいて、(533)、(622)、(444)、(551)の各面での回折に起因するピークの半値幅が0.20°以下であることを特徴とするものである。
ピーク半値幅はサンプルの結晶性と相関のある値であり、一般に結晶成長が進み、結晶子径が大きくなったものほど半値幅は小さくなる。
本発明者は、このようなX線回折測定におけるピーク半値幅の小さい、すなわち十分な結晶成長を経て得られた、本発明の複合酸化物を正極材として用いると体積当たりの放電容量が高くなり、高温で使用したときのサイクル特性に優れることを見出した。
また、X線回折測定を行った場合の(533)、(622)、(444)、(551)面に由来する回折パターンにおいて、各範囲に現れる各ピークの半値幅が0.2°以下となるが、この半値幅は、0.18以下が好ましく、0.17以下がより好ましく、0.16以下がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい。
なお、半値幅は、ベースからピーク(最高値を示す頂点)までの高さ(強度)の半分の高さにおけるピーク(山)の幅を意味するものとする。
次に、本発明の複合酸化物の組成について説明する。
本発明の複合酸化物は、式(I):Li(x+y)Mn(2−y−p−q) (4−a)で表されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物である。
式(I)において、元素MはNi、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。これらのうち、特に好ましい元素はAlである。
また、Mの置換量であるpは0<p≦1、好ましくは0.02≦P≦0.2の範囲にある。このような範囲にあると、正極活物質として用いたときに、一定の放電容量を確保し、高温サイクル特性を維持することができる。なお、金属Mの置換量が多くなり過ぎると、正極活物質として用いたときの電池の高温サイクル特性は向上するものの、電池の放電容量が低下してしまうことがある。
式(I)において、元素Mは、B(B;融点460℃)、P(P;融点420℃)、Pb(PbO;融点290℃)、Sb(Sb;融点655℃)およびV(V;融点680℃)からなる群から選ばれる少なくとも1つである。これらのうち、特に好ましい元素はBおよび/またはVである。これらの元素Mは、最終的に得られるリチウム・マンガン複合酸化物中でMnの一部と置換した構造を構成しているものと考えられる。
また、Mの量であるqは0≦q≦1.0、好ましくは0.0005≦q≦0.1、より好ましくは0.005≦q≦0.05の範囲にある。元素Mが、リチウム・マンガン複合酸化物中に上記の範囲内で含まれていると、得られるリチウム・マンガン複合酸化物は十分に結晶が成長している。qが低すぎると結晶成長および微粒子焼結の効果が期待できず、逆にqが高すぎると正極活物質として用いたときの電池の放電容量が低下することがある。
本発明の複合酸化物において、これらの元素Mは、スピネル結晶の生成および成長を促進させるために添加されている。すなわち、これらの元素Mは、スピネル結晶の生成過程で上記の元素の酸化物が融剤として作用して、結晶の生成および成長を促進し、さらに結晶子の集合体である一次粒子の成長を促進する。その結果、比表面積が小さく、きわめて緻密なリチウム・マンガン複合酸化物を得ることができる。ここで、結晶子の集合体であり、SEM観察において視認できる最少の粒子単位を一次粒子、また一次粒子が集合、焼結してなる、ハンドリングにおいて一粒の粒子として振る舞う粒子を二次粒子と定義する。
本発明の複合酸化物においては、(533)面の強度に対する(444)面の強度比
[(444)/(533)]が1.30以上であることが望ましい。該強度比が1.30以上の場合、そのような複合酸化物は、正極活物質として使用したときに優れた性能(容電維持率等)を示すことができる。該強度比は更に好適には1.60以上が推奨される。
本発明の複合酸化物は、平均粒径が0.1〜5.0μmの範囲の一次粒子であることが好ましい。また、この一次粒子が集合して焼結した平均粒径が2〜40μmの範囲の二次粒子からなることが好ましい。また、そのBET比表面積は0.1〜2.0m/gであることが好ましく、0.2〜0.8m/gであることがより好ましい。さらに、タップ密度が1.5〜2.5g/mlの範囲にあることが好ましい。
また、本発明の複合酸化物は、平均粒径が0.1〜5.0μmの範囲の一次粒子であり、かつ、この一次粒子が集合して焼結した2〜40μmの範囲の二次粒子からなり、かつ、そのBET比表面積は0.1〜2.0m/gであり、かつ、タップ密度が1.5〜2.5g/mlの範囲にあることが好ましい。
なお、本発明において、平均粒径とはメジアン径(中央値)を意味するものとする。
また、本発明において、二次粒子の平均粒径は、次の方法で測定した値を意味するものとする。
初めに、室温大気中で、本発明の複合酸化物をヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に超音波分散および撹拌によって分散させてスラリーとする。次に、このスラリーを80〜90%の透過率となるように調節した後、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定する。このようにして測定した粒度分布から求めた平均粒径を、本発明の複合酸化物における二次粒子の値とする。
また、本発明において、BET比表面積は、連続流動法によるBET1点法測定で求める値とする。具体的には、使用する吸着ガスおよびキャリアガスは共に、窒素、空気およびヘリウムの混合ガスであり、粉体試料を前記混合ガスにより450℃以下の温度で過熱脱気し、次いで液体窒素により冷却して前記混合ガスを吸着させ、室温に戻して吸着された窒素ガスを脱着させ、熱伝導度検出器によって検出し、脱着ピークとしてその量を求め、試料の比表面積として算出する。このようなBET比表面積は、公知のBET式粉体比表面積測定装置を用いて測定することができる。
本発明において、単に「比表面積」と記した場合、「BET比表面積」を意味している。
また、本発明において、タップ密度は、本発明の複合酸化物10gを20mlのガラス製メスシリンダーに入れ、300回タップした後の容積を測定し、算出するものとする。
以上のような本発明の複合酸化物の微粒子は、一定容積の容器に充填したときのタップ密度が従来のリチウム・マンガン複合酸化物より大きい。したがって、正極活物質として用いた場合に一定容積の電池内に充填し得る正極活物質の重量が多くなり、従来の正極活物質に比較して体積当たりの放電容量を大きくすることができる。
また、結晶が十分に成長しているのでこれを正極活物質として用いた場合、電解液と接触したときの電解液中に溶解するMnの量が従来のリチウム・マンガン複合酸化物に比べて高温でも少ないことから、高温での充放電の繰り返しによる放電容量の低下が少なく、すなわち高温のサイクル特性の向上を図ることができる。
なお、比表面積が低すぎるとMn溶解量は減るものの、正極中で正極活物質と導電剤との接触および電解液との接触が不十分となることがある。また、逆に高すぎるとタップ密度が小さくなり、体積当たりの放電容量が向上し難く、また、Mn溶解量の増加によってサイクル特性が低下することがある。
本発明の複合酸化物は、さらにMnの一部がLiと置換している。リチウムイオン電池の正極活物質として用いられるスピネル構造のリチウム・マンガン複合酸化物におけるLiの理論値は1であるが、本発明の複合酸化物では理論値より過剰のLiが含まれている。この過剰のLiの一部または全部に見合う分だけMn量を少なくすることにより、Liの少なくとも一部がMnと置換した構造をとっている。すなわち、式(I)において、Liの総量(x+y)は1.0<(x+y)≦1.2、好ましくは1.05≦(x+y)≦1.15の範囲にある。また、Mnと置換しているLi量(y)は0<y≦0.2、好ましくは0.05≦y≦0.15の範囲にある。Liの置換量(y)が多くなると、電池の充放電容量は若干低下するものの、サイクル特性が向上する。しかしながら、yが0.2(x+yが1.2)より多くなってもサイクル特性の向上効果は見られない。また、Li総量(x+y)が1.0以下になると不純物となる異相が生成され、電池の充放電性能が低下する。
また、式(I)においてaはO(酸素)の欠損量を示している。
式(I)においてaは0≦a≦1.0を満たし、a=0であることが好ましい。
<本発明の複合酸化物の製造方法>
本発明の複合酸化物の製造方法は特に限定されない。例えば、リチウム源およびマンガン源ならびに元素Mおよび元素Mの原料を所定の割合で混合し、高温で焼成する方法で本発明の複合酸化物を得ることができる。また、好ましい製造方法として、例えば、リチウム化合物およびマンガン化合物ならびに元素Mおよび元素Mから選ばれる原料化合物を所定の割合で混合した水懸濁液を調製し、湿式粉砕し、これを乾燥した後、650〜900℃で焼成する方法が挙げられる。
この好ましい製造方法について、以下に具体的に説明する。
通常は、最初にマンガン化合物および置換元素M化合物が水に分散した、あるいはその一部が溶解したスラリー(1)(水懸濁液)を調製する。マンガン化合物としては、電解二酸化マンガン、化学合成二酸化マンガンなどのマンガン酸化物、または水酸化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガンなどを熱分解して二酸化マンガンとなるマンガン化合物が用いられる。このようなマンガン化合物は粉砕等の手段で、予めその平均粒子径を10μm以下、好ましくは0.1〜5μmの範囲に調整しても構わない。
元素M(Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)の化合物としては、塩基性炭酸ニッケル、塩基性炭酸コバルトなどの炭酸塩、アルミナ、マグネシアなどの酸化物があげられる。これらの化合物もマンガン化合物と同様に平均粒子径を10μm以下、好ましくは0.1〜5μmの範囲に調整しても構わない。
前記マンガン化合物と元素Mの化合物とを湿式粉砕器に仕込み、平均粒径が0.20〜0.50μm(好ましくは0.30μm程度)に粉砕しスラリー(1)を調製する。湿式粉砕条件の条件については、スラリーの固形分濃度が30〜40%であることが好ましく、33〜38%であることがより好ましい。この設定においてスラリー中の原料微粒子の均一性を損なうことなく、より大きな生産能力を確保することが出来るからである。
上記のようにして調製されたスラリー(1)にリチウム化合物および元素Mの化合物を混合する。リチウム化合物としては、水溶性であり、乾燥造粒時に粒子内に均一にリチウム化合物が分散し、かつ融点が450℃と低く、反応性に富むという理由で水酸化リチウムが好ましい。
また、Mの化合物としては、元素Mを含む酸、水溶性塩などが挙げられ、具体的にはホウ酸、ホウ砂などの水溶性ホウ素化合物、メタバナジン酸アンモニウムなどの水溶性バナジウム化合物などが例示される。
上記のリチウム化合物および元素Mの化合物は、前記スラリー(1)に直接混合してもよく、また、水溶液として前記スラリー(1)に混合してもよい。スラリー(1)にリチウム化合物及び元素Mの化合物を加え、混合して得られたスラリー(以下、スラリー(2)と称す)は、固形分濃度が5〜30質量%の範囲となるように調整することが望ましい。
次にスラリー(2)は、乾燥操作に付される。乾燥方法としては特に制限はなく、例えば、スプレードライヤー、バンド乾燥機、棚型乾燥機などによる方法が挙げられる。特にスプレードライヤーを使用すれば、球状のリチウム・マンガン複合酸化物微粒子が得られる。このときの乾燥条件としては、スプレードライヤーの乾燥用熱風の入口温度が約190〜210℃、出口温度が約110〜120℃の範囲が好ましい。
乾燥後の微粒子は、次いで酸素含有ガス雰囲気中で、650〜900℃の範囲の温度で焼成される。
この焼成操作によって、スピネル構造のリチウム・マンガン複合酸化物が生成し、かつ結晶成長が進むとともに結晶粒子が集合した微粒子(二次粒子)の焼結が促進され、上記したような本発明の複合酸化物が得られる。
焼成は、トンネル炉、マッフル炉、ロータリーキルンなど通常の焼成炉により、空気などの酸素含有ガス中で行われる。なお、本発明の複合酸化物の比表面積は、上記の焼成温度を高くしたり、また融剤として作用する元素Mの化合物の添加量が多くしたりすると、小さくなる。本発明では、前記元素Mの添加量に応じて焼成温度を適宜選ぶことによって、BET比表面積が0.1〜2.0m/gの範囲のリチウム・マンガン複合酸化物を得易い。
さらに、上記範囲の温度で焼成すれば結晶粒子が集合した微粒子(二次粒子)の焼結が進み、従来の方法で得られる二次粒子よりもタップ密度が大きい緻密な微粒子が得易い。
<本発明の正極>
本発明の正極について説明する。
本発明の正極は、本発明の複合酸化物を正極活物質として含むものであれば、例えば従来公知の正極と同様の態様であってよい。例えば、本発明の正極活物質に必要に応じて導電助剤、結着剤などを添加し混合したものからなる層を集電体上に形成してなるものが挙げられる。具体的には、本発明の正極活物質に導電助剤、結着剤およびN−メチルピロリドンなどの有機溶媒を混練してインク(スラリー)を調製し、このインクを集電体のアルミ箔に塗布し乾燥した後、ローラープレス機にかけることにより得ることができる。ローラープレス機にかけることによって、正極活物質と集電体との接触を良くすると共に正極活物質の密度を高めることができる。また、本発明の複合酸化物に導電助剤および結着剤を充分混合したのち、ローラープレスでシート状に成形して正極を得ることができる。
ここで、導電助剤として、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)やアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料などが挙げられる。
また、結着剤として、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などが挙げられる。
また、集電体についても限定されず、例えば従来公知のネット状、シート状、フィルム状のものを用いることができる。
<本発明の二次電池>
本発明の二次電池について説明する。
本発明の二次電池は、本発明の正極と、負極と、電解液とを有するリチウムイオン二次電池である。
本発明の二次電池は、正極として本発明の正極を用いること以外は、通常のリチウムイオン二次電池と同様の構成であってよく、円筒型、角型、コイン型、ボタン型などであってよい。すなわち、正極、負極および非水系電解質を主たる電池構成要素とし、これら要素が、例えば電池缶内に封入されている。正極および負極はそれぞれリチウムイオンの担持体として作用し、充電時には、リチウムイオンが負極中に吸蔵され、放電時には負極から離脱する。
負極は特に限定されず、例えば従来公知の負極と同様の態様であってよい。例えば、負極活物質としては、リチウムやリチウム−アルミニウムで代表されるリチウム合金を用いることができ、また、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などのリチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出できる炭素系材料を用いることもできる。例えば集電体は、正極の場合と同様のものを用いることができる。
負極は、負極活物質がリチウムやリチウム合金の場合は、そのまま用いるか、あるいは集電体に圧着することによって製造することができる。また、負極活物質がリチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素系材料(グラファイト、カーボンブラックなど)の場合は、必要に応じて正極の場合と同様の結着剤を負極活物質に添加して混合し、溶剤を用いてペースト状にし、得られた負極合剤含有ペーストを銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって製造することができる。
非水系電解質としては有機系電解質、ポリマー電解質、固体電解質などを用いることができる。ここで、有機系電解質とはリチウム塩が非水溶媒に加えられたものであり、ポリマー電解質とは、リチウム塩が高分子化合物に加えられたものである。
ここで、リチウム塩としては、例えば、LiBF、LiClO、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、LiN(SOCF、LiN(SOが挙げられる。これらの中でもLiBF(四フッ化ホウ酸リチウム)は、電解質中に存在する水分のとの反応性がより低いので、安全性により優れ、サイクル特性、レート特性(高率放電特性)および初期特性などの優れたリチウム電池を得易い。
有機系電解質中のリチウム塩の濃度は0.1〜3.0mol/lが好ましく、0.2〜2.0mol/lがより好ましい。非水系電解質のイオン電導率が高くなり、非水系電解質中にリチウム塩が析出し難く、高性能な電池性能を備えるリチウム電池が得られるからである。
有機系電解質の非水溶媒としては、例えば従来公知のものを用いることができ、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネートおよびビニレンカーボネートの混合溶媒を好ましく使用することができる。エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびプロピレンカーボネートは、誘電率が高いことから、イオン伝導を確実に起こすことができ、さらに、非水溶媒にビニレンカーボネートを含有させることにより、充電時において、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびプロピレンカーボネートの分解を確実に抑制可能なビニレンカーボネート由来の皮膜を負極上に形成できるので、充電をより十分に行うことができる。
有機系電解質は、リチウム塩および非水溶媒の他に、さらに他の有機溶媒を含んでもよい。
非水系電解質をポリマー電解質とする場合には、可塑剤(非水電解液)でゲル化されたマトリクス高分子化合物を含むが、このマトリクス高分子化合物としては、ポリエチレンオキサイドやその架橋体などのエーテル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂などを単独、もしくは混合して用いることができる。
これらの中で、酸化還元安定性の観点などから、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
ポリマー電解質の作製は特に限定されないが、例えば、マトリックスを構成する高分子化合物、リチウム塩および溶媒を混合し、加熱して溶融・溶解する方法が挙げられる。また、混合用有機溶媒に、高分子化合物、リチウム塩、および溶媒を溶解させた後、混合用有機溶媒を蒸発させる方法、重合性モノマー、リチウム塩および溶媒を混合し、紫外線、電子線または分子線などを照射して、重合性モノマーを重合させ、ポリマーを得る方法などを挙げることができる。
ポリマー電解質中の溶媒の割合は10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。このような割合であると、導電率が高く、機械的強度が強く、フィルム化しやすい。
固体電解質としては、例えばリチウムイオンを含む酸化物系急冷ガラス、硫化物ベースのオキシスルフィド系超イオン伝導ガラスなどのガラス系固体電解質、ポリエーテルなどの高分子に、Li塩が溶解・分散した高分子固体電解質などが挙げられる。
また高分子固体電解質は、溶媒成分を含むゲル状であってもよい。
本発明の二次電池は、正極と負極とが直接接触することを防ぐセパレータを有することが好ましい。
セパレータは特に限定されず、例えば従来公知のものを用いることができ、例えば織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜などが挙げられる。合成樹脂製微多孔膜が好適であるが、なかでもポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面で好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜等である。
なお、非水系電解質として有機系電解質またはポリマー電解質を用いる場合、通常セパレータが使用されるが、固体電解質の場合、セパレータを使用せずに固体電解質をセパレータとしてもよい。
本発明の二次電池の製造方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法で製造することができる。例えば、リチウム電池用セパレータを介して本発明の正極と前記負極とを積層する前または積層した後に非水系電解質を注液し、最終的に、外装材で封止することによって製造することができる。外装材としては、例えば、ニッケルメッキした鉄、ステンレススチール、アルミニウム、金属箔を樹脂フィルムで挟み込んだ構成の金属樹脂複合フィルム等が挙げられる。
実施例および比較例で行った測定方法を以下に示す。
[平均粒子径]
複合酸化物の平均粒子径測定には、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−950)を使用した。
[比表面積]
比表面積は、前記「BET比表面積」の項で示した方法により測定した。BET式粉体比表面積測定装置として、自動表面積測定装置(マウンテック社製、Macsorb HM model−1220)を使用した。
[タップ密度]
20mlのメスシリンダーに試料を10g採取し、300回タッピングした後その容積(V)を測り、タップ密度(g/ml)=10/Vの式から求めた。
[X線回折測定]
複合酸化物のX線回折測定には、試料水平型多目的X線回折装置(株式会社リガク製「UltimaIV」を使用した。測定条件等は以下のとおり。
TARGET:Cu
VOLTAGE&CURRENT:40kV,40mA
DETECTOR:DteX/Ultra
SLITS:DS 1/2deg.
SAMPLING:0.01deg.
STEP SCAN:2deg/min
<実施例1>
リチウム源としてLiOH・HO、マンガン源としてMnO、アルミニウム源としてAl、ホウ素源としてHBOを用意した。そして、それぞれの原料を、最終的に得られるスピネル構造を有するリチウム・マンガン複合酸化物の組成が、Li1.07Mn1.82Al0.100.01となるように秤量し、これらの原料を混合した後、固形分濃度が35質量%となるように純水を加え、スラリーを調製した。
次に、このスラリーを撹拌しながら、湿式粉砕機(アシザワファインテック社製:スターミルラボスターLMZ−06)を用いて、スラリー中の固形分の平均粒子径が0.37μmになるまで粉砕した。600mlのベッセルを用い、粉砕時間は1時間とした。
ここで、スラリー中の固形分の平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所:LA−950型粒度分布測定装置)を用いて求めた。具体的には室温大気中で、スラリーにヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を添加し、超音波分散および撹拌によって分散させ、40〜60%の透過率となるように調節した後、上記の装置を用いて粒度分布を測定して求めた。
次に、粉砕後のスラリーについて、ディスク型スプレードライヤー(大川原化工機社製:L−8型スプレードライヤー)を用いて噴霧乾燥を行った。ここで乾燥ガスとして空気を用いた。また、サイクロン差圧が0.7kPaとなるよう調整し、乾燥ガスの入口温度は200℃に調整した。スラリー流量は3kg/h、アトマイザ回転数は36000rpmとした。
そして、噴霧乾燥により得られた粒子状の前駆体を830℃で6時間空気中にて焼成することで、目標組成のリチウム・マンガン複合酸化物を得た。
次に、得られたリチウム・マンガン複合酸化物に関して、粉末X線回折を測定した。そして、得られたリチウム・マンガン複合酸化物:Li1.07Mn1.82Al0.100.01が立方晶のスピネル構造を有していることがわかった。
次に、得られた微粒子状の酸化物について、X線回折測定を行った。そして回折パターンに現れた各ピークの回折角(2θ)、半値幅およびベースからのピーク高さ(強度)を求めた。これらの値を第1表に示す。また、回折パターンを図1に示す。
<比較例1>
実施例1と同じ原料を用い、予め乾式粉砕および分級によりMnOはメジアン径10μmとし、その他の原料は微粉砕した。これらの原料を総量30g、最終組成Li1.07Mn1.82Al0.100.01となるように秤量した。小型ミキサーにより10000rpmで1分間混合し、得られた混合粉を実施例1と同様に焼成することによりリチウム・マンガン複合酸化物を得た。
また、実施例1と同様にX線回折測定を行い、回折パターンに現れた各ピークの回折角(2θ)、半値幅およびベースからのピーク高さを求めた。これらの値を第1表に示す。また、回折パターンを図1に示す。
[性能試験]
実施例1および比較例1で得られた微粒子状の酸化物を正極活物質として含む正極を用いて試験用リチウムイオン電池を作成し、電池性能を評価した。
まず、微粒子状の酸化物、導電材としてのアセチレンブラックおよびバインダーとしてのポリ四フッ化エチレンパウダーを、75:20:5の質量比で混合し、乳鉢で混練して正極用合剤を調製した。そして、この合剤を展伸ローラーで厚さ0.1mmのシートとし、16mmφに型抜きした後、110℃で真空乾燥して試験用正極を作成した。
次に、作成した正極と金属リチウム箔(厚さ0.2μm)とを、セパレーター(商品名:セルガード)を介してコイン型電池ケースに積層し、体積比1:1のエチレンカーボネートとジメチルカーボネート混合溶媒に1mol/lのLiPFを溶解した電解液を注入して試験用電池を作成した。
そして、作成した電池について、放電容量、高温サイクル特性およびマンガン溶出試験を行った。各々について以下に具体的に示す。
<放電容量>
定電流で0.5mA/cmの電流密度、充電電位4.3Vまで、放電電位3.0Vまでの電位規制の条件で、まず重量当たりの放電容量を測定したのち、次式により体積当たりの放電容量を算出した。結果を第2表に示す。
体積当たりの放電容量=重量当たりの放電容量×タップ密度
充放電曲線を図2、図3に示す。図3は図2の拡大図である。
<高温サイクル特性>
試験用電池を55℃の恒温槽に設置し、電流密度を2.5mA/cmとした以外は上記と同一の条件で100回の充放電試験を行い、高温サイクル特性を次式の容量維持率で評価した。結果を第2表に示す。
容量維持率(%)=(100回目の重量当たり放電容量/1回目の重量当たり放電容量)×100
<マンガン溶出試験>
放電容量試験と同様にして作成した試験用正極を50mlポリ瓶に入れ、グローブボックス内で一日以上乾燥し、5mlの電解液を注いた。そして、これを55℃の高温乾燥機で7日間保存した後、ビン内の電解液を原子吸光にて測定。複合酸化物中のマンガンのうちどれだけの割合が溶出したか評価した。結果を第2表に示す。
以上の実施例および比較例から、同一組成であっても、実施例1の方が容量維持率、回復率ともに優れていることがわかる。
なお、比較例1は、4つのピークの半値幅が0.2°以下ではなく、本発明の範囲外である。

Claims (9)

  1. 式(I):Li(x+y)Mn(2−y−p−q) (4−a)(ただし、式(I)中、1.0≦x<1.2、0<y≦0.2、1.0<x+y≦1.2、0<p≦1.0、0≦q≦1.0、0≦a≦1.0、M:Ni、Co、Mg、Fe、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。M:B、P、Pb、SbおよびVからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素である。)で表されるスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物であって、
    空間群Fd3mの示すXRDパターンにおいて、(533)、(622)、(444)、(551)の各面での回折に起因するピークの半値幅が0.20°以下であることを特徴とするスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
  2. (533)面の強度に対する(444)面の強度比[(444)/(533)]が1.30以上である、請求項1に記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
  3. 一次粒子径(結晶粒子径)が0.1〜5.0μmである、請求項1または2に記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
  4. 二次粒子径が2〜30μmである、請求項1〜3のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
  5. BET比表面積が0.1〜2.0m/gである、請求項1〜4のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
  6. タップ密度が1.5〜2.5g/mlである、請求項1〜5のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
  7. リチウム源として水酸化リチウムを用いてなる、請求項1〜6のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のスピネル型リチウム・マンガン複合酸化物を正極活物質として含むリチウムイオン二次電池用正極。
  9. 請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用正極と、負極と、電解液とを有する、リチウムイオン二次電池。
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