JP2017017002A - 電池用非水電解液及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
リチウム二次電池は、例えば、リチウムを吸蔵放出可能な材料を含有する正極および負極、並びに、リチウム塩と非水溶媒とを含有する電池用非水電解液を含む。
正極に用いられる正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiFePO4のようなリチウム金属酸化物が用いられる。
また、電池用非水電解液としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのカーボネート類の混合溶媒(非水溶媒)に、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF2CF3)2のようなLi電解質を混合した溶液が用いられている。
一方、負極に用いられる負極用活物質としては、金属リチウム、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、酸化物、リチウムとの合金など)や炭素材料が知られており、特にリチウムを吸蔵、放出が可能なコークス、人造黒鉛、天然黒鉛を採用したリチウム二次電池が実用化されている。
例えば、充放電特性等に優れた電池用非水電解液として、アルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体を含有する非水電解液が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、正極と非水電解質との反応抑制機能と優れた低温サイクル特性とを兼ね備えた非水電解質二次電池として、環状エーテル化合物などの添加剤と、Al、Zr、又はCo等を含むキレート化合物と、を含有する非水電解質を備える非水電解質二次電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。
従って、本発明の目的は、ホウ素原子又はリン原子を含む特定構造のリチウム塩を含有する電池用非水電解液でありながら、電池抵抗を低減できる電池用非水電解液、及び、この電池用非水電解液を用いたリチウム二次電池を提供することである。
即ち、前記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
<3> 前記一般式(A)で表される化合物が、ジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウム、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、及びビス(オキサラト)ホウ酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む<1>又は<2>に記載の電池用非水電解液。
<4> 更に、下記一般式(I)で表される環状硫酸エステル化合物を含有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の電池用非水電解液。
一般式(II)中、R3は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基を表す。一般式(II)、式(III)、及び式(IV)における波線は、結合位置を表す。
一般式(I)で表される環状硫酸エステル化合物中に、一般式(II)で表される基が2つ含まれる場合、2つの一般式(II)で表される基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。〕
<6> <5>に記載のリチウム二次電池を充放電させて得られたリチウム二次電池。
本発明の電池用非水電解液(以下、単に「非水電解液」ともいう)は、後述する一般式(A)で表される化合物を含有し、電池用非水電解液全量に対するアルミニウム元素(以下、「Al元素」ともいう)の含有量が0.001質量ppm以上5質量ppm未満である。
この電池抵抗上昇の理由は明らかではないが、以下のように推測される。
一般式(A)で表される化合物を含有する非水電解液を含む電池では、正極集電体に含まれるAl元素が、非水電解液中の一般式(A)で表される化合物との相互作用により、非水電解液に溶出すると考えられる。即ち、このAl元素の溶出により、正極集電体の表面に変化が生じ、この表面において非水電解液中の非水溶媒の分解反応が起こり易くなると考えられる。その結果、正極集電体の表面に非水溶媒の分解物が堆積し、電池抵抗が上昇すると考えられる。
即ち、本発明の非水電解液は、ホウ素原子又はリン原子を含む特定構造のリチウム塩(具体的には、上記一般式(A)で表される化合物)を含有する非水電解液でありながら、電池抵抗の上昇を抑制できる非水電解液である。
従って、本発明の非水電解液には、電池の寿命を延ばす効果を有することが期待される。
即ち、本発明の非水電解液は、言い換えれば、一般式(A)で表される化合物を含有する非水電解液であって、電池(好ましくは、Al元素を含有する正極集電体を含む正極と、負極と、電解液と、を含む電池。より好ましくは後述の本発明のリチウム二次電池。)の電解液として用いた場合に、上記電池中の上記電解液全量に対するAl元素の含有量が0.001質量ppm以上5質量ppm未満である非水電解液である。
例えば、電池の作製に用いる非水電解液(即ち、電池に組み込む前の非水電解液;以下、「原料非水電解液」ともいう)にAl元素が添加されており、かつ、この非水電解液を組み込んだ電池において、正極集電体のAl元素の一部が非水電解液中に溶出している場合には、上記「Al元素の含有量」は、原料非水電解液に添加されていたAl元素の量と、正極集電体から非水電解液中に溶出したAl元素の量と、の合計量となる。
一方、本明細書中において、非水電解液中におけるAl元素以外の各成分の含有量は、特に断りがないかぎり、上記原料非水電解液における各成分の含有量を意味する。
本発明の非水電解液は、一般式(A)で表される化合物を含有する。
Rで表されるこれらの基(即ち、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、及び炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基)は、構造中に置換基又はヘテロ原子を含んでいてもよい。
具体的には、これらの基の水素原子の代わりに、置換基として、ハロゲン原子、鎖状若しくは環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、又は水酸基を含んでいてもよい。
また、これらの基の炭素元素の代わりに、ヘテロ原子として、窒素原子、硫黄原子、又は酸素原子が導入された構造であってもよい。
また、qが1でmが2〜4であるときには、m個のRはそれぞれが結合していてもよい。そのような例としては、エチレンジアミン四酢酸のような配位子を挙げることができる。
Rにおける、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基とは、炭素数1〜10のアルキレン基に含まれる水素原子の少なくとも1つをハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子、好ましくはフッ素原子)に置き換えた基を意味する。
炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基の炭素数としては、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1が特に好ましい。
Rにおける、炭素数6〜20のアリーレン基の炭素数としては、6〜12が好ましい。
Rにおける、炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基とは、炭素数6〜20のアリーレン基に含まれる水素原子の少なくとも1つをハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子、好ましくはフッ素原子)に置き換えた基を意味する。
炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基の炭素数としては、6〜12が好ましい。
一般式(A)中のqが0である化合物は、具体的には、下記一般式(A2)で表されるオキサラト化合物である。
ジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム、
テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウム、
トリス(オキサラト)リン酸リチウム、
ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、
ビス(オキサラト)ホウ酸リチウムなどのオキサラト化合物(qが0である化合物)、
ジフルオロビス(マロネート)リン酸リチウム、
テトラフルオロ(マロネート)リン酸リチウム、
トリス(マロネート)リン酸リチウム、
ジフルオロ(マロネート)ホウ酸リチウム、
ビスマロネートホウ酸リチウムなどのマロネート化合物(qが1であり、Rがメチレン基である化合物);
等が挙げられる。
本発明の非水電解液中における一般式(A)で表される化合物の含有量(2種である場合には総含有量。以下同じ。)には特に制限はないが、本発明の効果がより効果的に奏される観点から、0.001質量%〜5質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。
本明細書中において、「添加剤の含有量」との用語及び「添加剤の添加量」との用語は、いずれも、非水電解液の全量に対する添加剤の含有量を意味する。
本発明の非水電解液は、電池の電解液として用いた場合に、上記電池中の上記電解液全量に対するAl元素の含有量が0.001質量ppm以上5質量ppm未満である。
この場合において、「電解液全量に対するAl元素の含有量」とは、非水電解液に溶解しているAl元素の量を意味する。
本発明では、上記電池の正極集電体からのAl元素の溶出が抑制され、その結果、電池中の非水電解液におけるAl元素の含有量が5質量ppm未満に制限される。これにより、電池抵抗が低減される。また、Al元素の含有量が5質量ppm未満であると、デンドライトの形成が抑制される効果が期待される。
Al元素の含有量の下限(0.001質量ppm)は、非水電解液又は電池の生産性(製造適性)の観点からみた下限である。
Al元素の含有量は、非水電解液又は電池の生産性(製造適性)の観点から、0.01質量ppm以上であることが好ましく、0.1質量ppm以上であることがより好ましく、0.5質量ppm以上であることが更に好ましい。
原料非水電解液中のAl元素の含有量は、4質量ppm以下であることがより好ましく、3質量ppm以下であることが更に好ましく、2質量ppm以下であることが更に好ましく、1質量ppm以下であることが更に好ましく、0.5質量ppm以下であることが特に好ましい。
原料非水電解液中のAl元素の含有量は、原料非水電解液の全量に対し、0.01質量ppm以上であることが好ましく、0.1質量ppm以上であることがより好ましく、0.2質量ppm以上であることが更に好ましい。
原料非水電解液に、予め、微量のAl元素を含有させておく態様としては、原料非水電解液に、予め、後述のアルミニウム化合物を含有させておく態様が好ましい。
本発明の非水電解液は、アルミニウム元素を含む化合物として、アルミニウム化合物を含有することが好ましい。
即ち、本発明の非水電解液は、アルミニウム化合物を含有し、かつ、アルミニウム元素の含有量が非水電解液全量に対し0.001質量ppm以上5質量ppm未満であること)が好ましい。
アルミニウム化合物としては、アルミニウム元素の酸化数が+3であるイオン性化合物が好ましい。
これらの中でも、入手及び取扱いの容易さの観点から、トリス(イソプロポキシド)アルミニウム又はトリス(アセチルアセトナト)アルミニウムが好ましい。
本発明の非水電解液がアルミニウム化合物を含有する場合、アルミニウム化合物の含有量(2種である場合には総含有量。以下同じ。)には特に制限はない。本発明の効果がより効果的に奏される観点から、アルミニウム化合物の含有量は、非水電解液の全量に対し、0.001質量ppm〜15質量ppmであることが好ましく、0.05質量ppm〜15質量ppmであることがより好ましい。
上記アルミニウム化合物の含有量は、10質量ppm以下であることがより好ましく、5.0質量ppm以下であることが更に好ましい。
上記アルミニウム化合物の含有量は、0.01質量ppm以上であることがより好ましく、0.1質量ppm以上であることが更に好ましく、0.5質量ppm以上であることが特に好ましい。
また、本発明の非水電解液は、上記以外のその他の添加剤を含有していてもよい。
その他の添加剤としては、炭素−炭素不飽和結合を有するカーボネート化合物;フッ素原子で置換されたカーボネート化合物;フルオロリン酸化合物;環状硫酸エステル化合物;等が挙げられる。
本発明の非水電解液がその他の添加剤を含有する場合、含有されるその他の添加剤は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
その他の添加剤としては、環状硫酸エステル化合物が好ましく、後述の一般式(I)で表される環状硫酸エステル化合物(以下、「一般式(I)で表される化合物」ともいう)が特に好ましい。
炭素−炭素不飽和結合を有するカーボネート化合物としては、メチルビニルカーボネート、エチルビニルカーボネート、ジビニルカーボネート、メチルプロピニルカーボネート、エチルプロピニルカーボネート、ジプロピニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどの鎖状カーボネート類;ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、4,4−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、4,4−ジエチニルエチレンカーボネート、4,5−ジエチニルエチレンカーボネート、プロピニルエチレンカーボネート、4,4−ジプロピニルエチレンカーボネート、4,5−ジプロピニルエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類;などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネートであり、より好ましくは、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートである。
フッ素原子を有するカーボネート化合物としては、メチルトリフルオロメチルカーボネート、エチルトリフルオロメチルカーボネート、ビス(トリフルオロメチル)カーボネート、メチル(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネートなどの鎖状カーボネート類;4−フルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−トリフルオロメチルエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類;などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、4−フルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネートである。
フルオロリン酸化合物としては、ジフルオロリン酸、モノフルオロリン酸、ジフルオロリン酸メチル、ジフルオロリン酸エチル、フルオロリン酸ジメチル、フルオロリン酸ジエチル、ジフルオロリン酸塩(例えばジフルオロリン酸リチウム)、モノフルオロリン酸塩(例えばモノフルオロリン酸リチウム)、などが挙げられる。
環状硫酸エステル化合物としては、下記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物(以下、「一般式(I)で表される化合物」ともいう)が好ましい。
一般式(II)中、R3は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基を表す。一般式(II)、式(III)、および式(IV)における波線は、結合位置を表す。
一般式(I)で表される環状硫酸エステル化合物中に、一般式(II)で表される基が2つ含まれる場合、2つの一般式(II)で表される基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
炭素数1〜6のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基がより好ましい。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましい。
前記一般式(I)中のR2が前記一般式(II)で表される基である場合、一般式(II)中のR3の好ましい範囲については、前記一般式(I)中のR1が前記一般式(II)で表される基である場合におけるR3の好ましい範囲と同様である。
前記一般式(I)におけるR1及びR2のより好ましい組み合わせとしては、R1が前記一般式(II)で表される基(前記一般式(II)中、R3はフッ素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、又は前記式(IV)で表される基であることが好ましい)又は前記式(III)で表される基であり、R2が水素原子又はメチル基である組み合わせである。
下記例示化合物の構造中、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「Pr」はプロピル基を、「iPr」はイソプロピル基を、「Bu」はブチル基を、「tBu」はターシャリーブチル基を、「Pent」はペンチル基を、「Hex」はヘキシル基を、「OMe」はメトキシ基を、「OEt」はエトキシ基を、「OPr」はプロポキシ基を、「OBu」はブトキシ基を、「OPent」はペンチルオキシ基を、「OHex」はヘキシルオキシ基を、それぞれ表す。また、R1〜R3における「波線」は、結合位置を表す。
なお、2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン環の4位及び5位の置換基に由来する立体異性体が生じる場合があるが、両者とも本発明に含まれる化合物である。
また、前記一般式(I)で表される硫酸エステル化合物のうち、分子内に2個以上の不斉炭素が存在する場合はそれぞれ立体異性体(ジアステレオマー)が存在するが、特に記載しない限りは,対応するジアステレオマーの混合物である。
本発明の非水電解液が上記その他の添加剤を含有する場合、その含有量(2種以上である場合には総含有量。以下同じ。)には特に制限はないが、上述した本発明の効果がより効果的に奏される観点から、非水電解液の全量に対し、0.001質量%〜10質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましく、0.1質量%〜4質量%の範囲であることが更に好ましく、0.1質量%〜2質量%の範囲であることが更に好ましく、0.1質量%〜1質量%の範囲であることが特に好ましい。
非水電解液は、一般的には、電解質と非水溶媒とを含有する。
非水溶媒としては、種々公知のものを適宜選択することができるが、環状の非プロトン性溶媒及び鎖状の非プロトン性溶媒から選ばれる少なくとも一方を用いることが好ましい。
環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状カルボン酸エステル、環状スルホン、環状エーテルを用いることができる。
環状の非プロトン性溶媒の非水溶媒中の混合割合は、10質量%〜100質量%、さらに好ましくは20質量%〜90質量%、特に好ましくは30質量%〜80質量%である。このような比率にすることによって、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
環状エーテルの例としてジオキソランを挙げることができる。
鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状エーテル、鎖状リン酸エステルなどを用いることができる。
鎖状エーテルとして具体的には、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
鎖状リン酸エステルとして具体的には、リン酸トリメチルなどが挙げられる。
本発明の非水電解液で使用する非水溶媒は、1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。また、環状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、鎖状の非プロトン性溶媒のみを1種類又は複数種類用いても、又は環状の非プロトン性溶媒及び鎖状のプロトン性溶媒を混合して用いてもよい。電池の負荷特性、低温特性の向上を特に意図した場合は、非水溶媒として環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒を組み合わせて使用することが好ましい。
非水溶媒としては、上記以外のその他の溶媒も挙げられる。
その他の溶媒としては、具体的には、ジメチルホルムアミドなどのアミド、メチル−N,N−ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート、N−メチルピロリドンなどの環状アミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリメチルシリル等のホウ素化合物、及び下記の一般式で表されるポリエチレングリコール誘導体などを挙げることができる。
HO(CH2CH2O)aH
HO[CH2CH(CH3)O]bH
CH3O(CH2CH2O)cH
CH3O[CH2CH(CH3)O]dH
CH3O(CH2CH2O)eCH3
CH3O[CH2CH(CH3)O]fCH3
C9H19PhO(CH2CH2O)g[CH(CH3)O]hCH3
(Phはフェニル基)
CH3O[CH2CH(CH3)O]iCO[OCH(CH3)CH2]jOCH3
前記式中、a〜fは、5〜250の整数、g〜jは2〜249の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250である。
本発明の非水電解液は、種々公知の電解質を含有することができる。電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、いずれをも使用することができる。
過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、ターフェニル(o−、m−、p−体)の部分水素化体(例えば、1,2−ジシクロヘキシルベンゼン、2−フェニルビシクロヘキシル、1,2−ジフェニルシクロヘキサン、o−シクロヘキシルビフェニル)、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,3−ジ−t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;フルオロトルエン(o−、m−、p−体)、ジフルオロトルエン、トリフルオロトルエン、テトラフルオロトルエン、ペンタフルオロトルエン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン(o−、m−、p−体)、1−フルオロ−4−t−ブチルベンゼン、2−フルオロビフェニル、フルオロシクロヘキシルベンゼン(例えば、1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン)等の芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物等が挙げられる。
中でも、上記で例示した芳香族化合物が好ましい。
また、過充電防止剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
2種以上併用する場合は、特に、シクロヘキシルベンゼンとt−ブチルベンゼン又はt−アミルベンゼンとの組み合わせ、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン等の酸素を含有しない芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種と、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の含酸素芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種を併用するのが過充電防止特性と高温保存特性のバランスの点から好ましい。
また、上記過充電防止剤の含有量は、例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
他の化合物として具体的には、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸エチレン、硫酸プロピレン、硫酸ブテン、硫酸ペンテン、硫酸ビニレン等の硫酸エステル類;並びにスルホラン、3−スルホレン、ジビニルスルホン等のイオウ系化合物、を挙げることができる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
これらのうち、硫酸エチレン、硫酸プロピレン、硫酸ブテン、硫酸ペンテンが好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、Al元素を含有する正極集電体を含む正極と、負極と、非水電解液と、を含み、上記非水電解液が、上記一般式(A)で表される化合物と、非水電解液全量に対する含有量が0.001質量ppm以上5質量ppm未満であるAl元素と、を含有するリチウム二次電池である。
本発明のリチウム二次電池中の非水電解液は、上述した本発明の非水電解液である。
本発明のリチウム二次電池中の非水電解液の好ましい態様は、上述した本発明の非水電解液の好ましい態様と同様である。
負極における負極活物質としては、金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属もしくは合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料からなる群から選ばれた少なくとも1種(単独で用いてもよいし、これらの2種以上を含む混合物を用いてもよい)を用いることができる。
リチウム(又はリチウムイオン)との合金化が可能な金属もしくは合金としては、シリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金などを挙げることができる。また、チタン酸リチウムでもよい。
これらの中でもリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料としては、カーボンブラック、活性炭、黒鉛材料(人造黒鉛、天然黒鉛)、非晶質炭素材料、等が挙げられる。上記炭素材料の形態は、繊維状、球状、ポテト状、フレーク状いずれの形態であってもよい。
上記黒鉛材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。人造黒鉛としては、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなどが用いられる。また、黒鉛材料としては、ホウ素を含有するものなども用いることができる。また、黒鉛材料としては、金、白金、銀、銅、スズなどの金属で被覆したもの、非晶質炭素で被覆したもの、非晶質炭素と黒鉛を混合したものも使用することができる。
上記炭素材料としては、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔d(002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましい。また、炭素材料としては、真密度が1.70g/cm3以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料も好ましい。以上のような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度をより高くすることができる。
具体例としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられる。中でも、加工しやすさの点から特に銅が好ましい。
正極における正極活物質としては、MoS2、TiS2、MnO2、V2O5などの遷移金属酸化物又は遷移金属硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiNiXCo(1−X)O2〔0<X<1〕、α−NaFeO2型結晶構造を有するLi1+αMe1−αO2(Meは、Mn、Ni及びCoを含む遷移金属元素、1.0≦(1+α)/(1−α)≦1.6)、LiNixCoyMnzO2〔x+y+z=1、0<x<1、0<y<1、0<z<1〕(例えば、LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2等)、LiFePO4、LiMnPO4などのリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾール、ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料等が挙げられる。これらの中でも、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物が好ましい。負極がリチウム金属又はリチウム合金である場合は、正極として炭素材料を用いることもできる。また、正極として、リチウムと遷移金属との複合酸化物と、炭素材料と、の混合物を用いることもできる。
正極活物質は、1種類で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。正極活物質は導電性が不充分である場合には、導電性助剤とともに使用して正極を構成することができる。導電性助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカー、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
正極集電体は、アルミニウム元素以外の元素を含有していてもよい。
正極集電体は、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、タンタルなどの金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパーなどの炭素材料;等を含有していてもよい。
本発明のリチウム二次電池は、負極と正極との間にセパレータを含むことが好ましい。
セパレータは、正極と負極とを電気的に絶縁し且つリチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。
多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。
特に、多孔性ポリオレフィンが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、又は多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされてもよい。
高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。
本発明の非水電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
本発明のリチウム二次電池は、種々公知の形状をとることができ、円筒型、コイン型、角型、ラミネート型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は、形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
図1は、本発明のリチウム二次電池の一例であるラミネート型電池の一例を示す概略斜視図であり、図2は、図1に示すラミネート型電池に収容される積層型電極体の厚さ方向の概略断面図である。
図1に示すラミネート型電池は、内部に非水電解液(図1中では不図示)及び積層型電極体(図1中では不図示)が収納され、且つ、周縁部が封止されることにより内部が密閉されたラミネート外装体1を備える。ラミネート外装体1としては、例えばアルミニウム製のラミネート外装体が用いられる。
ラミネート外装体1に収容される積層型電極体は、図2に示されるように、正極板5と負極板6とがセパレータ7を介して交互に積層されてなる積層体と、この積層体の周囲を囲むセパレータ8と、を備える。正極板5、負極板6、セパレータ7、及びセパレータ8には、本発明の非水電解液が含浸されている。
上記積層型電極体における複数の正極板5は、いずれも正極タブを介して正極端子2と電気的に接続されており(不図示)、この正極端子2の一部が上記ラミネート外装体1の周端部から外側に突出している(図1)。ラミネート外装体1の周端部において正極端子2が突出する部分は、絶縁シール4によってシールされている。
同様に、上記積層型電極体における複数の負極板6は、いずれも負極タブを介して負極端子3と電気的に接続されており(不図示)、この負極端子3の一部が上記ラミネート外装体1の周端部から外側に突出している(図1)。ラミネート外装体1の周端部において負極端子3が突出する部分は、絶縁シール4によってシールされている。
なお、上記一例に係るラミネート型電池では、正極板5の数が5枚、負極板6の数が6枚となっており、正極板5と負極板6とがセパレータ7を介し、両側の最外層がいずれも負極板6となる配置で積層されている。しかし、ラミネート型電池における、正極板の数、負極板の数、及び配置については、この一例には限定されず、種々の変更がなされてもよいことは言うまでもない。
即ち、本発明のリチウム二次電池は、まず、負極と、正極と、上記本発明の非水電解液と、を含む充放電前のリチウム二次電池を作製し、次いで、この充放電前のリチウム二次電池を1回以上充放電させることによって作製されたリチウム二次電池(充放電されたリチウム二次電池)であってもよい。
なお、以下の実施例において、「添加量」は、最終的に得られる非水電解液中における含有量(即ち、最終的に得られる非水電解液全量に対する量)を表す。
以下の手順にて、リチウム二次電池(以下、単に「電池」ともいう)として、図1に示すラミネート型電池と同様の構成のラミネート型電池を作製した。
人造黒鉛98質量部、カルボキシメチルセルロース1質量部及びSBRラテックス1質量部を水溶媒で混錬し、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。
次に、この負極合剤スラリーを厚さ12μmの帯状銅箔製の負極集電体の両面に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して負極集電体と負極活物質層からなるシート状の負極(負極板)を得た。このときの負極活物質層の塗布密度は12mg/cm2であり、充填密度は1.45g/mlであった。
以上の負極板を6枚作製し、得られた6枚の負極板の各々に負極タブを取り付けた。
LiCoO2を98質量部、アセチレンブラック1質量部及びポリフッ化ビニリデン1質量部を、N−メチルピロリジノンを溶媒として混錬してペースト状の正極合剤スラリーを調製した。
次に、この正極合剤スラリーを厚さ20μmの帯状アルミニウム箔の正極集電体の両面に塗布し乾燥した後に、ロールプレスで圧縮して正極集電体と正極活物質とからなるシート状の正極(正極板)を得た。このときの正極活物質層の塗布密度は25mg/cm2であり、充填密度は3.6g/mlであった。
以上の正極板を5枚作製し、得られた5枚の正極板の各々に正極タブを取り付けた。
非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とメチルエチルカーボネート(EMC)とをそれぞれ30:35:35(質量比)の割合で混合し、混合溶媒を得た。
得られた混合溶媒中に、電解質であるLiPF6を、最終的に得られる非水電解液中における電解質濃度が1モル/リットルとなるように溶解させた。
上記で得られた溶液に対して、一般式(A)で表される化合物としてジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム(添加量0.5質量%)を添加し、更に、アルミニウム化合物としてトリス(アセチルアセトナト)アルミニウム(添加量3質量ppm(Al元素の添加量として0.25質量ppm相当))を添加し、非水電解液を得た。
負極タブを取り付けた上記負極板6枚と、正極タブを取り付けた上記正極板5枚とを、微多孔性ポリエチレンフィルム(厚さ20μm;セパレータ)を介し、正極タブと負極タブとが同一の辺に配置される方向に積層させた。このとき、正極板と負極板とを、両側の最外層がいずれも負極板となるように、交互に積層させた。得られた積層体に、形状保持のため絶縁テープ(セパレータ)を巻き付け、積層電極体とした。
6枚の負極板の各々から延びる6枚の負極タブを、銅箔からなる1枚の負極端子に、超音波溶接によって取り付けた。
5枚の正極板の各々から延びる5枚の正極タブを、アルミニウム箔からなる1枚の正極端子に、超音波溶接によって取り付けた。
正極端子及び負極端子を取り付けた積層電極体を、アルミニウム製のラミネート外装体に収容し、正極端子及び負極端子が取り付けられた側のラミネート外装体の一辺を熱融着した。このとき、正極端子の一部及び負極端子の一部が、ラミネート外装体の周端部から突出するようにした。正極端子及び負極端子が突出する部分は、それぞれ、絶縁シールによってシールした。
次に、ラミネート外装体の残りの3辺のうちの2辺を熱融着した。
次に、ラミネート外装体の熱融着していない1辺側からラミネート外装体内に上記非水電解液を注入し、上記非水電解液を、各正極板、各負極板、及び各セパレータに含浸させた。次いで、上記熱融着していない1辺を熱融着することにより、ラミネート外装体を密封した。以上により、ラミネート型電池を得た。
得られたラミネート型電池(試験用電池)について、各測定を実施した。
<電池中の非水電解液におけるアルミニウム元素の含有量の測定>
上記ラミネート型電池を定電圧4.2Vで充電し、次いで、充電後のラミネート型電池を恒温槽内で−20℃に冷却し、−20℃において50mA定電流で放電した。
放電後のラミネート型電池中の非水電解液をサンプリングし、これをPTFE容器中で濃硝酸を用いて湿式分解した後に定容し、誘導結合プラズマ質量分析法にてアルミニウム元素の含有量を測定した。測定結果に基づき、放電後のラミネート型電池中の非水電解液におけるアルミニウム元素の含有量を求めた。
得られた結果を表1に示す。
上記ラミネート型電池の電池抵抗(初期の電池抵抗)を評価した。詳細を以下に示す。
上記ラミネート型電池を定電圧4.2Vで充電し、次いで、該充電後のラミネート型電池を恒温槽内で−20℃に冷却し、−20℃にて50mA定電流で放電し、放電開始から10秒間における電位低下を測定することにより、ラミネート型電池の直流抵抗[Ω](−20℃)を測定し、得られた値を抵抗値[Ω](−20℃)とした。
後述の比較例1のラミネート型電池についても同様にして、抵抗値[Ω](−20℃)を測定した。
これらの結果から、下記式により、比較例1での抵抗値[Ω](−20℃)を100%としたときの実施例1での抵抗値(相対値;%)として、「電池抵抗[%]」を求めた。
得られた結果を表1に示す。
=(実施例1での抵抗値[Ω](−20℃)/比較例1での抵抗値[Ω](−20℃))×100
非水電解液の調製の際に、更に、その他の添加剤として例示化合物A−22(添加量0.5質量%)を添加したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
ここで、例示化合物A−22は、一般式(I)で表される環状硫酸エステル化合物の具体例である。
結果を表1に示す。
非水電解液の調製に用いたジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム(添加量0.5質量%)を、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(添加量0.5質量%)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
ここで、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウムも、一般式(A)で表される化合物の具体例である。
結果を表1に示す。
非水電解液の調製の際に、ジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム及びトリス(アセチルアセトナート)アルミニウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
2 正極端子
3 負極端子
4 絶縁シール
5 正極板
6 負極板
7、8 セパレータ
Claims (6)
- 下記一般式(A)で表される化合物を含有し、電池用非水電解液全量に対するアルミニウム元素の含有量が0.001質量ppm以上5質量ppm未満である電池用非水電解液。
〔一般式(A)中、Mは、ホウ素原子又はリン原子を表し、Xは、ハロゲン原子を表し、Rは、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は炭素数6〜20のハロゲン化アリーレン基(これらの基は、構造中に置換基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい。)を表し、mは、1〜3の整数を表し、nは、0〜4の整数を表し、qは、0又は1を表す。〕 - 前記一般式(A)で表される化合物の含有量が、電池用非水電解液全量に対し、0.001質量%〜5質量%である請求項1に記載の電池用非水電解液。
- 前記一般式(A)で表される化合物が、ジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウム、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム、及びビス(オキサラト)ホウ酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の電池用非水電解液。
- 更に、下記一般式(I)で表される環状硫酸エステル化合物を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池用非水電解液。
〔一般式(I)中、R1及びR2が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、一般式(II)で表される基若しくは式(III)で表される基を表すか、又は、R1及びR2が一体となって、R1が結合する炭素原子及びR2が結合する炭素原子と共に、ベンゼン環若しくはシクロヘキシル環を形成する基を表す。
一般式(II)中、R3は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は式(IV)で表される基を表す。一般式(II)、式(III)、及び式(IV)における波線は、結合位置を表す。
一般式(I)で表される環状硫酸エステル化合物中に、一般式(II)で表される基が2つ含まれる場合、2つの一般式(II)で表される基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。〕 - アルミニウム元素を含有する正極集電体を含む正極と、
金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムとの合金化が可能な金属若しくは合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化物、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物、及び、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料からなる群から選ばれる少なくとも1種を負極活物質として含む負極と、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池用非水電解液と、
を含むリチウム二次電池。 - 請求項5に記載のリチウム二次電池を充放電させて得られたリチウム二次電池。
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