JP2017016926A - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池性能に優れた電池用電極の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る電池用電極の製造方法は、活物質30、導電材40および溶媒を含むペーストを用意する用意工程と、用意工程で用意したペーストを集電体10に塗布する塗布工程と、塗布工程で集電体10に塗布されたペーストの塗布物20に超音波を照射する超音波照射工程と、超音波照射工程の後、ペーストの塗布物20を乾燥する乾燥工程と、乾燥工程で得られた圧延前活物質層22を圧延する圧延工程とを包含する。【選択図】図2

Description

本発明は電池用電極の製造方法に関し、詳しくは、活物質と導電材とを含む活物質層が集電体に保持された電池用電極の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池その他の二次電池は、車両搭載用電源、或いはパソコンおよび携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられている。この種の二次電池の一つの典型的な構成では、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出し得る材料(活物質)が集電体に保持された構成の電極を備える。例えば、活物質と導電材とバインダとを適当な溶媒に分散させたペーストを集電体に塗布し、乾燥して、所定の厚みにプレスする。これにより、活物質と導電材とバインダとを含む活物質層が集電体に保持された電極が得られる(例えば特許文献1)。活物質層に含まれる導電材は、活物質間に導電経路を形成する役割がある。
国際公開第2011/004447号
ところで、活物質層を形成する際には、上述のように、活物質、導電材および溶媒を含むペーストを集電体に塗布し、乾燥させた後に圧延(プレス)する。かかる圧延工程は、活物質層の厚みおよび密度を調整するものである。
ここで本発明者は、かかる圧延工程において、図5に示すように、活物質層の材料組成が同じ場合でも、サンプルAのような嵩高い(低密度の)圧延前活物質層を特定の厚みT2および密度となるように圧延した方が、サンプルBのような嵩低い(高密度の)圧延前活物質層を特定の厚みT2および密度となるように圧延した場合よりも、活物質の粒子間に導電材が密に集合して電池抵抗が低下することを見出した。換言すれば、活物質層の材料組成や密度が同じ場合でも、圧延前後の活物質層のつぶし率(=[圧延前活物質層の厚みT1−圧延後活物質層の厚みT2]×100/圧延前活物質層の厚みT1)を大きくするほど、電池抵抗は低下傾向となり、出力特性は向上し得る(図6参照)。かかる知見から、圧延前活物質層の密度はなるべく小さくしたい。
本発明によると、活物質と導電材とを含む活物質層が集電体に保持された電池用電極を製造する方法が提供される。この製造方法は、活物質、導電材および溶媒を含むペーストを用意する用意工程と、前記用意工程で用意した前記ペーストを集電体に塗布する塗布工程と、前記塗布工程で前記集電体に塗布された前記ペーストの塗布物に超音波を照射する超音波照射工程と、前記超音波照射工程の後、前記ペーストの塗布物を乾燥して圧延前活物質層を得る乾燥工程と、前記乾燥工程で得られた圧延前活物質層を圧延する圧延工程とを包含する。
かかる構成によると、ペースト塗布物に超音波を照射して該塗布物内に気泡を発生させることにより、該塗布物および乾燥後の圧延前活物質層の密度が低下する。そのため、圧延前活物質層を特定の厚みおよび密度となるように圧延したときの圧延前後の活物質層のつぶし率が従来に比して大きくなり、活物質の粒子間に導電材が密に集合した活物質層を形成することができる。かかる電池用電極を用いれば、出力特性に優れた高性能な電池が構築され得る。
一実施形態に係る電極の製造フローを示す図である。 一実施形態に係る電極製造工程の要部断面を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る電極製造装置を模式的に示す図である。 つぶし率とIV抵抗との関係を示すグラフである。 従来の電極製造工程における圧延前活物質層および圧延後活物質層の断面を模式的に示す断面図である。 つぶし率とIV抵抗との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、セパレータや電解質の構成および製法、電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス一般を指す用語であって、二次電池(リチウムイオン二次電池、金属リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する。)を含む概念である。
ここに開示される電極製造方法は、活物質と導電材とを含む活物質層が集電体に保持された電極を製造する方法である。かかる製造方法は、正極製造工程および負極製造工程の双方に利用され得る。特に限定することを意図したものではないが、以下では主としてリチウムイオン二次電池用の正極を製造する場合を例として、本実施形態をより詳細に説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る正極は、正極活物質30と導電材40とを含む正極活物質層24が正極集電体10に保持された構成を有する。この正極製造方法は、用意工程(ステップS10)、塗布工程(ステップS20)、超音波照射工程(ステップS30)、乾燥工程(ステップS40)および圧延工程(ステップS50)を包含する。用意工程は、正極活物質30、導電材40および溶媒を含むペーストを用意する工程である。塗布工程は、用意工程で用意したペーストを集電体10に塗布する工程である。超音波照射工程は、塗布工程で集電体10に塗布されたペーストの塗布物20に超音波を照射する工程である。乾燥工程は、超音波照射工程の後、ペーストの塗布物20を乾燥する工程である。圧延工程は、乾燥工程で得られた圧延前正極活物質層22を圧延する工程である。図3は、上記正極製造方法を具現化する正極製造装置100を示している。以下、図1〜3を参照しつつ、各工程を詳細に説明する。
ステップS10の用意工程では、正極活物質30、導電材40および溶媒を含むペーストを用意する。
正極活物質30には、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いられる物質(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/3等のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)を使用することができる。正極活物質(典型的には粉末状)のレーザー回折・散乱法に基づく平均粒径は、例えば5μm〜15μm(例えば10μm)である。導電材40としては、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の粉末状カーボン材料が挙げられる。導電材のガス吸着法に基づく比表面積は、例えば40m/g〜60m/g(例えば50m/g)である。上記ペーストは、正極活物質30および導電材40の他に、バインダおよび分散剤を含むことができる。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)等が挙げられる。PVDFを用いる場合、該PVDFの分子量としては、例えば5万〜15万(例えば10万)である。分散剤としては、カーボン分散樹脂等が挙げられる。
上記ペーストに含まれる溶媒としては、N‐メチルピロリドン(NMP)、ピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクサヘキサノン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、等の有機系溶剤またはこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる。特に好ましい例として、NMPが挙げられる。あるいは、水または水を主体とする混合溶媒であってもよい。
好ましい一態様では、上記ペーストの固形分率(NV)は、60質量%以上である。ペーストの固形分率(NV)を高めることで、後述する乾燥工程における乾燥時間が短縮され得る。また、溶媒の使用量を減らして製造コストおよび材料コストを削減し得る。乾燥効率等の観点からは、好ましくは65質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。その一方、ペーストのNVを高くすると、高密度な(嵩低い)圧延前正極活物質層22が形成されるため、圧延前後の正極活物質層のつぶし率を大きくすることが困難になりがちである。しかし、本構成によると、ペーストのNVを高くした場合でも、超音波照射工程によって圧延前正極活物質層22を嵩高くできるため、つぶし率を従来に比して大きく確保し得る。したがって、本態様によれば、高固形分率のペーストを用いることによる利点(例えば乾燥時間の短縮や低コスト化)を活かしつつ、高性能な電池用電極を製造することができる。ペーストのNVの上限は特に制限されない。塗工性等の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、特に好ましくは80質量%以下である。
特に限定されるものではないが、上記ペーストの上記溶媒を除く固形分全体に占める正極活物質の含有割合は、概ね80質量%以上(例えば80質量%〜95質量%)とすることが適当であり、好ましくは90質量%以上(例えば90質量%〜95質量%)である。また、上記固形分全体に占める導電材の含有割合は、概ね6質量%以上(例えば6質量%〜12質量%)とすることが適当である。上記固形分全体に占めるバインダの含有割合は、概ね0.1質量%以上(例えば0.1質量%〜4質量%)とすることが適当である。上記固形分全体に占める分散剤の含有割合は、概ね0.1質量%以上(例えば0.1質量%〜2質量%)とすることが適当である。
ここで開示されるペーストは、典型的には上記正極活物質、導電材、その他の正極活物質層構成成分(バインダ、分散剤等)および溶媒を混練することによって調製することができる。該混練に用いる装置は特に限定するものではないが、例えば、プラネタリーミキサー、ディスパー、ボールミル、ニーダ等の押出式混練機、ミキサー等が挙げられる。
ステップS20の塗布工程では、上記用意工程で用意したペーストを正極集電体10に塗布する。
本実施形態に用いられる正極集電体10としては、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属または該金属を主成分とする合金)からなるものを好ましく使用することができる。例えばリチウム二次電池用正極を製造する場合には、アルミニウム製(アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金(アルミニウム合金)から構成されることをいう。)の正極集電体の使用が好ましい。該正極集電体10の厚みとしては特に限定されないが、例えば10μm〜20μm(例えば12μm)に設定され得る。
前記ペーストを正極集電体10に塗布する操作は、従来の一般的なリチウムイオン二次電池用正極を作製する場合と同様にして行うことができる。例えば、図3に示すように、適当な塗工装置(ダイコータ、スリットコータ、コンマコータ等)50を使用して、上記正極集電体10に所定量の上記ペーストを均一な厚みに塗布するとよい。該ペーストの単位面積当たりの塗布量(目付量)としては、片面あたり8g/cm〜16g/cm(固形分基準)が適当である。また、固形分および溶媒を含むペースト塗布物20の密度としては、2g/ml〜10g/mlが適当であり、好ましくは2g/ml〜5g/mlである。
ステップS30の超音波照射工程では、上記塗布工程で正極集電体10に塗布されたペーストの塗布物20に超音波を照射する。これにより、ペースト塗布物20内に気泡90(図2参照)が発生し、該塗布物20の密度が低下する(キャビテーション効果)。
ペースト塗布物20に超音波を照射する手段としては特に限定されない。例えば、図3に示すように、正極集電体10を搬送するローラ52に超音波照射手段(図示せず)を設けるとよい。超音波の諸条件は特に限定されないが、超音波の好ましい周波数は50kHz〜200kHz(より好ましくは80kHz〜120kHz)である。超音波の照射時間は特に限定されるものではないが、生産効率等の観点からは0.5秒〜10秒であり、好ましくは1秒〜5秒である。
超音波照射による効果をより良く発揮させる観点から、超音波照射後のペースト塗布物20の密度は、超音波照射前のペースト塗布物20の密度の0.98倍以下(例えば0.8倍〜0.98倍)であることが好ましく、0.96倍以下であることがより好ましく、0.95倍以下であることが特に好ましい。超音波照射後のペースト塗布物20の密度の具体値は、特に限定されないが、好ましくは1.8g/ml〜2g/ml、より好ましくは1.8g/ml〜1.9g/mlである。なお、ペースト塗布物20の密度は、断面マイクロスコープにより測定したペースト塗布物20の高さに基づいて把握され得る。
ステップS40の乾燥工程では、超音波照射工程の後、ペーストの塗布物20を乾燥する。ペースト塗布物20を乾燥する手段としては、特に限定されない。例えば、図3に示すように、ペースト塗布物20を適当な乾燥炉54内に搬送して乾燥するとよい。乾燥温度としては、例えば100℃〜200℃、好ましくは150℃〜180℃である。乾燥炉54で塗布物20中の溶媒を揮発させることによって、塗布物20中の溶媒を除去する。塗布物20から溶媒を除去することによって、圧延前の正極活物質層22が形成される。圧延前正極活物質層22の密度としては特に限定されないが、好ましくは1.55g/cm以下(例えば1g/cm〜1.55g/cm)、より好ましくは1.5g/cm以下(1.2g/cm〜1.5g/cm)である。
ステップS50の圧延工程では、上記乾燥工程で得られた圧延前正極活物質層22を圧延(プレス)する。圧延前正極活物質層22を圧延する手段としては特に限定されず、例えば、圧延前正極活物質層22を正極集電体10とともに適当なロールプレス機に通過させて圧延するとよい。圧延前正極活物質層22を圧延することで、正極活物質層24の厚みおよび密度を調整する。このようにして、正極集電体10上に正極活物質層24が形成された正極シートを得ることができる。圧延後の正極活物質層24の密度としては特に限定されないが、好ましくは1.6g/cm以上(例えば1.6g/cm〜2.6g/cm)、より好ましくは2g/cm以上(2g/cm〜2.6g/cm)である。また、圧延前後の正極活物質層24のつぶし率=(T1−T2)×100/T1(ここでT1:圧延前の正極活物質層の厚み、T2:圧延後の正極活物質層の厚み、図6参照)としては、好ましくは25%以上(例えば25%〜40%)、より好ましくは30%以上、特に好ましくは32%以上である。
ここで開示される正極製造方法によれば、ペーストの塗布物20に超音波を照射して該塗布物20内に気泡90を発生させることで、該塗布物20の密度、ひいては乾燥後の圧延前正極活物質層22の密度を下げることができる。すなわち、ペースト塗布物20内の正極活物質や導電材の間に発生した空隙により、乾燥後の圧延前正極活物質層22の密度(膜密度)を下げることができる。そのため、圧延前正極活物質層22を特定の厚みおよび密度となるように圧延したときの圧延前後の正極活物質層のつぶし率が従来に比して大きくなり、その結果、正極活物質30の粒子間に導電材40が密に集合した正極活物質層24を形成することができる。さらに、上記構成によれば、ペースト塗布物20内で気泡90が均一かつ一斉に発生するとともに、該均一に分布した気泡90を含むペースト塗布物20がそのままの状態で乾燥される。そのため、乾燥後の圧延前正極活物質層22においても空隙が均一に分布することとなり、圧延前正極活物質層22の密度(膜密度)を均一に下げることができる。
このようにして得られた電極(ここでは正極)は、上記のように活物質の粒子間に導電材が密に集合して高性能であることから、種々の形態の電池の構成要素または該電池に内蔵される電極体の構成要素(例えば正極)として好ましく利用され得る。例えば、ここに開示されるいずれかの方法により製造された正極と、負極(本発明を適用して製造された負極であり得る。)と、該正負極間に配置される電解質と、典型的には正負極間を離隔するセパレータ(固体状またはゲル状の電解質を用いた電池では省略され得る。)と、を備える電池の構成要素として好ましく使用され得る。かかる電池を構成する外容器の構造(例えば金属製の筐体やラミネートフィルム構造物)やサイズ、あるいは正負極集電体を主構成要素とする電極体の構造(例えば捲回構造や積層構造)等について特に制限はない。
かかる電池は、上述した電極製造方法を用いて製造された電極を少なくとも一方の電極(ここでは正極)に用いて構築されていることから、優れた電池性能を示すものである。例えば、上記電極を用いて電池を構築することにより、出力特性(特に低SOC域における出力特性)に優れる、生産性に優れる、のうちの何れか一方(好ましくは両方)を満たす電池を提供することができる。
以下、本発明を試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例>
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末(平均粒径約10μm)と、導電材としてのアセチレンブラック(比表面積40m/g)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(分子量約10万)と分散剤としてのカーボン分散樹脂とをNMP中で混合してペーストを調製した。このペーストを長尺シート状のアルミニウム箔(正極集電体;厚み12μm)の片面に塗布した後、超音波照射装置のステージに載置し、ペーストの塗布物に対して100kHzの超音波を1秒間照射した(超音波照射工程)。次いで、ペースト塗布物を乾燥した。乾燥後、正極活物質層の密度が約2.2g/cmとなるように圧延(プレス)した。なお、超音波照射前のペースト塗布物の密度は約2.01g/ml、超音波照射後のペースト塗布物の密度は約1.89g/ml、圧延前における正極活物質層の密度は約1.52g/cmであった。また、圧延前正極活物質層の厚みT1と、圧延後正極活物質層の厚みT2とから求めた圧延前後の正極活物質層のつぶし率は32.4%であった。また、同様の手順で、正極集電体の反対側の面にも正極活物質層を形成した。このようにして、正極集電体の両面に正極活物質層が設けられた正極シートを作製した。
<比較例>
超音波照射工程を行わなかったこと以外は実施例と同じ手順で正極シートを作製した。なお、本例では、圧延前の正極活物質層の密度は約1.61g/cmであった。また、圧延前後の正極活物質層のつぶし率は、24.8%であった。
次に、各例に係る正極シートを用いて評価試験用のリチウムイオン二次電池を作製した。評価試験用のリチウムイオン二次電池は、以下のようにして作製した。
負極活物質としては、グラファイト粉末を用いた。まず、グラファイト粉末と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを水に分散させてペーストを調製した。このペーストを長尺シート状の銅箔(負極集電体)の両面に塗布、乾燥し、負極集電体の両面に負極活物質層が設けられた負極シートを作製した。
各例の正極シートと負極シートとを正極活物質層と負極活物質層とが対向するように積層し、両シートの間にセパレータ(PP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン)/PP(ポリプロピレン)を積層した多孔質シートを使用した。)を挿入して電極体を作製した。この電極体を非水電解液とともに電池ケースに挿入して試験用リチウムイオン二次電池を構築した。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させたものを用いた。
各評価試験用のリチウムイオン二次電池について、初期容量の凡そ27%の充電状態(SOC27%)に調整した後、−30℃の環境雰囲気下において、3Cの電流値で2秒間の放電を行い、放電開始から2秒後の電圧値を測定し、IV抵抗を算出した。結果を表1の該当欄および図4に示す。
Figure 2017016926
表1および図4に示すように、実施例においては、ペースト塗布物に超音波を照射して圧延前正極活物質層の密度を小さくした結果、圧延前後の正極活物質層のつぶし率は30%以上となった。かかる実施例の電池は、比較例に比べてIV抵抗がより低く、低温かつ低SOC域における出力特性が良好であった。この結果から、ペースト塗布物に超音波を照射して圧延前後の正極活物質層のつぶし率を大きくすることによって、出力特性が改善されることが確認された。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 正極集電体
20 ペースト塗布物
22 圧延前正極活物質層
24 圧延後正極活物質層
30 正極活物質
40 導電材
90 気泡

Claims (1)

  1. 活物質と導電材とを含む活物質層が集電体に保持された電池用電極を製造する方法であって:
    活物質、導電材および溶媒を含むペーストを用意する用意工程;
    前記用意工程で用意した前記ペーストを集電体に塗布する塗布工程;
    前記塗布工程で前記集電体に塗布された前記ペーストの塗布物に超音波を照射する超音波照射工程;
    前記超音波照射工程の後、前記ペーストの塗布物を乾燥して圧延前活物質層を得る乾燥工程;および、
    前記乾燥工程で得られた圧延前活物質層を圧延する圧延工程
    を包含する、電池用電極の製造方法。
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