JP2017014463A - 混合熱伝導性フィラー及び熱伝導性材料 - Google Patents

混合熱伝導性フィラー及び熱伝導性材料 Download PDF

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睦美 加藤
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航太朗 岩谷
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Abstract

【課題】安価な炭素材の熱伝導性フィラーを提供する。【解決手段】熱伝導性フィラー(A)と、球状熱伝導性フィラーと、からなり、該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する該球状熱伝導性フィラーの含有量の割合が、1〜20質量%であり、該熱伝導性フィラー(A)が、石油コークスを700〜1500℃で焼成して得られる石油コークスの焼成物であり、該熱伝導性フィラー(A)の平均粒子径が1〜100μmであり、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.37〜3.50Åであり、炭素原子含有量が88.0〜98.5質量%であること、を特徴とする混合熱伝導性フィラー。【選択図】なし

Description

本発明は、混合熱伝導性のフィラー及びそれを用いる熱伝導性材料に関する。
LED照明や自動車のインバータ等では、それらから発生する熱を外部に効率的に放熱させることが必要であり、近年、そのような熱を外部に放熱させるための材料に注目が集まっている。
このような熱を外部の放熱させる材料には、熱伝導性が高い材料、すなわち、熱伝導性材料が用いられる。そして、熱伝導性材料は、通常、樹脂、ゴム等に、熱伝導性が高いフィラーを、高充填量で配合させたものである。
熱伝導性材料に配合される熱伝導性フィラーとしては、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ホウ素等のセラミック材(例えば、特許文献1、特許文献2)や、炭素繊維等の黒鉛材(例えば、特許文献3)が知られている。
特開2011−184507号公報 特開2014−214222号公報 特開2007−291576号公報
熱伝導性材料の熱伝導性フィラーとして、セラミック材を用いると、セラミック材の比重が大きいため、プラスチックが持つ特性である軽量性を損なうという問題がある。そのような観点からは、熱伝導性フィラーとしては、炭素繊維等の炭素材が好ましい。
ところが、特許文献3の炭素繊維は、ピッチを黒鉛化して得られたものであり、このような黒鉛化された炭素材は、黒鉛化にコストかかりため、価格が高くなってしまうという問題があった。
従って、本発明は、安価な炭素材の熱伝導性フィラーを提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決される。
すなわち、本発明(1)は、熱伝導性フィラー(A)と、球状熱伝導性フィラーとからなり、該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する該球状熱伝導性フィラーの含有量の割合が、1〜20質量%であり、該熱伝導性フィラー(A)が、石油コークスを700〜1500℃で焼成して得られる石油コークスの焼成物であり、該熱伝導性フィラー(A)の平均粒子径が1〜100μmであり、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.37〜3.50Åであり、炭素原子含有量が88.0〜98.5質量%であること、を特徴とする混合熱伝導性フィラーを提供するものである。
また、本発明(2)は、ゴム又は樹脂と、熱伝導性フィラー(A)と、球状熱伝導性フィラーと、を含有し、該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する該球状熱伝導性フィラーの含有量の割合が、1〜20質量%であり、該ゴム又は該樹脂100質量部に対し、該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーを合計で100〜450質量部含有し、該熱伝導性フィラー(A)が、石油コークスを700〜1500℃で焼成して得られる石油コークスの焼成物であり、該熱伝導性フィラー(A)の平均粒子径が1〜100μmであり、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.37〜3.50Åであり、炭素原子含有量が88.0〜98.5質量%であること、を特徴とする熱伝導性材料を提供するものである。
本発明によれば、安価な炭素材の熱伝導性フィラーを提供することができる。
製造例1のSEM写真である(10000倍)。 製造例2のSEM写真である(10000倍)。 製造例1のX線回折チャートである。 製造例2のX線回折チャートである。 カーボンブラック1のSEM写真である(10000倍)。
本発明の混合熱伝導性フィラーは、熱伝導性フィラー(A)と、球状熱伝導性フィラーと、からなり、
該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する該球状熱伝導性フィラーの含有量の割合が、1〜20質量%であり、
該熱伝導性フィラー(A)が、石油コークスを700〜1500℃で焼成して得られる石油コークスの焼成物であり、該熱伝導性フィラー(A)の平均粒子径が1〜100μmであり、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.37〜3.50Åであり、炭素原子含有量が88.0〜98.5質量%であること、を特徴とする混合熱伝導性フィラーである。
熱伝導性フィラー(A)は、石油コークスを焼成し、次いで、粉砕するか、又は石油コークスを粉砕し、次いで、焼成して得られる石油コークスの粉砕及び焼成物である。
焼成及び粉砕の原料となる石油コークスは、石油精製プロセスにおいて生成する熱分解原料油が、熱分解装置で熱分解処理されることにより生成し、熱分解処理において生成する軽質分が採取された後に残るコークスである。
熱分解処理される熱分解原料油としては、原油を常圧蒸留した後の常圧蒸留残渣油や、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留した後の減圧蒸留残渣油や、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油や、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)との混合油が挙げられる。
熱分解原料油に係る常圧蒸留残渣油は、特に制限はなく、原油を常圧蒸留して、蒸発留分を分離した後の残渣分である。熱分解原料油に係る減圧蒸留残渣油は、特に制限はなく、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して、蒸発留分を分離した後の残渣分である。熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油であってもよく、熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油である場合、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合割合は、特に制限されず、適宜調節される。
常圧蒸留残渣油の蒸留原料となる原油としては、特に制限されず、原油種としては、例えば、アラビアンヘビー、アラビアンミディアム、アラビアンライト、アラビアンエクストラライト、クウェート、バスラ、オマーン、マーバン、ムバラスブレンド、ザクム、アッパーザクム、カタールランド、カタールマリン、ウムシャイフ、シリー、カフジ、エスポ等が挙げられ、いずれか1種であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
また、熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油、すなわち、常圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油、減圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油、又は常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油であってもよい。熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油である場合、他の炭化水素油(1)は、本発明の効果を示す範囲の炭化水素油であればよく、例えば、流動接触分解処理のスラリーオイル、エチレンクラッカー残渣油等が挙げられる。
熱分解処理の条件であるが、熱分解温度は、好ましくは490〜510℃、より好ましくは495〜505℃であり、また、熱分解処理の際の圧力(ゲージ圧)は、好ましくは0.01〜0.6MPaG、より好ましくは0.05〜0.4MPaGである。また、熱分解処理の雰囲気は、スチームである。また、熱分解処理中に過度の発泡が認められる場合は、消泡剤を投入する事もある。消泡剤としては、一般的にシリコン系の消泡剤などを用いることができる。
熱分解原料油の熱分解により生成する石油コークスは、熱分解処理後、ウォータージェット等を用いて砕かれて、熱分解装置から取り出される。そして、熱分解装置から取り出される石油コークスは、一般にショットコークスと呼ばれる形状が粒状のものや、一般にスポンジコークスと呼ばれる形状が多孔質の大きな塊状のものであり、熱伝導性フィラー(A)を製造するための焼成及び粉砕の原料としては、ショットコークスであっても、スポンジコークスであっても、それらの混合物であってもよい。また、熱分解装置から取り出された石油コークスは、必要に応じて、20〜500℃で乾燥される。
このようにして、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスが得られる。焼成及び粉砕の原料となる石油コークスは、硫黄含有しており、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスの硫黄含有量は、乾燥状態での硫黄含有量で、好ましくは1〜12質量%、より好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは4〜8質量%である。硫黄含有量が上記範囲にあることにより、熱伝導性材料のマトリックス材(例えば、ゴムや樹脂)との親和性が向上し、熱伝導性フィラーの分散性が高くなる。熱分解原料油の熱分解処理により得られるコークスは、通常、水分を1〜12質量%程度含有しているため、含水した状態の石油コークスの質量を、硫黄含有量の算出の基準とすると、石油コークスの含水状態により、石油コークス中の硫黄含有量の計算値が変動してしまう。そこで、石油コークス中の硫黄含有量の算出に当たっては、含水状態の石油コークスを200℃±10℃で4時間乾燥(JIS M 8811に準拠)させ、得られる乾燥状態の石油コークスの質量を測定し、その乾燥状態の石油コークスの質量を基準に、石油コークス中の硫黄含有量を算出する。つまり、石油コークスの乾燥状態での硫黄含有量とは、乾燥状態の石油コークスの質量に対する石油コークス中の硫黄の質量である。
焼成及び粉砕の原料となる石油コークスは、炭素原子含有量が好ましくは70〜90質量%の物質からなり、水素原子を好ましくは1〜10質量%有している。つまり、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスは、炭化水素基を有している。焼成及び粉砕の原料となる石油コークスが炭化水素基を有していることは、赤外線吸収スペクトル分析(IR)により確認され、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスのIRチャートには、2800〜3000cm−1付近に、C−H、−CH−、CH−の伸縮振動に由来するピークが見られ、1600cm−1付近に、フェニル基C=Cに由来するピークが見られ、また、1300〜1500cm−1付近に、C−H、−CH−、CH−の変角振動に由来するピークが見られ、また、800〜900cm−1付近に、フェニル基C−Hに由来するピークが見られる。また、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスの窒素含有量は、好ましくは0.1〜2.0質量%である。また、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスの芳香族性炭素割合は、好ましくは75〜98%、より好ましくは85〜95%である。また、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスの固定炭素分は、好ましくは70〜95質量%、より好ましくは75〜90質量%である。また、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスの炭素分の原子換算のモル数に対する水素分の原子換算のモル数の比(H/Cモル比)は、好ましくは0.1〜1.0、より好ましくは0.2〜0.8である。なお、本発明において、炭素原子含有量、水素原子含有量及び窒素原子含有量は、JIS M 8813に準拠して測定された値である。また、本発明において、芳香族性炭素含有割合は、13CNMR(核磁気共鳴)スペクトルにおける芳香族炭素(CA)のピーク面積強度(100〜200ppm)を、全炭素のピーク面積強度(0〜200ppm)で除すことにより算出される値である。また、本発明において、13C-NMRスペクトルは、重水素クロロホルムを溶媒とし、テトラメチルシラン(TMS)を内標に用いて、日本電子(株)製核磁気共鳴装置Alpha−400により測定されるものである。また、本発明において、固定炭素含有量は、JIS M 8812に準拠して測定される値である。
そして、熱伝導性フィラー(A)は、熱分解装置から取り出された石油コークスを焼成し、次いで、粉砕して得られる。又は、熱伝導性フィラー(A)は、熱分解装置から取り出された石油コークスを、粉砕し、次いで、焼成して得られる。
焼成における焼成温度は、700〜1500℃、好ましくは800〜1500℃、より好ましくは900〜1500℃である。焼成温度が上記範囲未満だと、熱伝導性が低くなり、また、上記範囲を超えると、焼成コストが大幅に上昇してしまうである。焼成における焼成時間は、適宜選択されるが、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜8時間である。焼成における焼成雰囲気は、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気である。また、焼成では、酸素源を遮断して石油コークスの焼成を行ってもよいし、微量の酸素源の存在下で石油コークスの焼成を行ってもよい。
上記のように、焼成及び粉砕の原料となる石油コークスは、炭化水素基を有しているので、微量の酸素源の存在下で石油コークスの焼成を行うことにより、石油コークス中の炭化水素基を酸化し、石油コークスに含酸素官能基を導入することができる。含酸素官能基としては、特に制限されず、例えば、カルボキシル基、ヒドロシキル基、カルボニル基等が挙げられる。石油コークスに含酸素官能基が導入されていることは、X線光電子分光分析(XPS)により確認される。微量の酸素源の存在下で石油コークスの焼成を行う場合、焼成を行う方法としては、例えば、不活性ガス中に微量の酸素又は水を含有させ、この酸素又は水を微量に含有させた不活性ガスを焼成雰囲気に供給しながら、石油コークスの焼成を行う方法が挙げられる。このとき、不活性ガス中の酸素又は水の含有量及びトータル供給量は、適宜選択される。
粉砕処理を行うための粉砕手段としては、特に制限されず、また、乾式であっても湿式であってもよい。粉砕手段としては、ジョークラッシャ、ジョイレトリクラッシャ、コーンクラッシャ、ハンマクラッシャ、自生粉砕機、ボールミル、ローラミル、高速回転ミル、ジェットミル等の粉砕装置が挙げられる。また、粉砕処理条件は、目的とする微粉砕物の平均粒子径、その他の粒度特性、粉砕手段、粉砕回数等により、適宜選択される。粉砕処理された粉砕処理物は、必要に応じて分級される。
熱伝導性フィラー(A)の平均粒子径(D50)は、1〜100μm、好ましくは2〜50μm、より好ましくは3〜10μmである。平均粒子径(D50)が上記範囲にあることにより、分散性が高まりフィラーとしての使用が可能となり、また、ゴム又は樹脂との界面抵抗による熱伝導率の低下を押さえることが可能となる。
熱伝導性フィラー(A)において、下記式(1):
スパン=(D90−D10)/D50 (1)
で表されるスパンは、好ましくは0.3〜7.0、特に好ましくは0.3〜6.0である。スパンが上記範囲にあることにより、フィラーとして、マトリックス材(例えば、ゴムや樹脂)への配合条件の設計が容易になる。
熱伝導性フィラー(A)において、D90は150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下が更に好ましい。また、熱伝導性フィラー(A)において、D10は0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上が更に好ましい。
なお、本発明において、D10、D50(平均粒子径)、D90は、JIS Z 8825に準拠したレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定される体積頻度粒度分布測定により求められる積算10%、50%、90%の粒径である。
石油コークスは、2000℃以上で焼成すると黒鉛化するが、700〜1500℃、好ましくは800〜1500℃、より好ましくは900〜1500℃での焼成では、ほとんど黒鉛化しない。そして、熱伝導性フィラー(A)は、石油コークスを700〜1500℃、好ましくは800〜1500℃、より好ましくは900〜1500℃で焼成して得られる焼成物なので、熱伝導性フィラー(A)はほとんど黒鉛化していない。
熱伝導性フィラー(A)のX線回折法による(002)面の平均面間隔(d)002は、3.37〜3.50Å、好ましくは3.37〜3.47Åである。炭素材は黒鉛化が進むほど、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d)002が小さくなる。ここで、黒鉛のX線回折法による(002)面の平均面間隔(d)002は3.354Å程度であり、また、焼成前の石油コークスのX線回折法による(002)面の平均面間隔(d)002は、通常、3.37〜3.50Åである。そして、熱伝導性フィラー(A)のX線回折法による(002)面の平均面間隔(d)002は、3.37〜3.50Å、好ましくは3.37〜3.47Åであるので、熱伝導性フィラー(A)は黒鉛化していない炭素材である。つまり、熱伝導性フィラー(A)のX線回折法による(002)面の平均面間隔(d)002は、3.37〜3.50Å、好ましくは3.37〜3.47Åであるとは、熱伝導性フィラー(A)が黒鉛化していない炭素材であるということを表す。
また、黒鉛化したものは、結晶化が進んでいるので、X線回折法による回折チャートにおいて、2θ=20〜30°付近には、(002)面に由来するシャープなピークが現れる。一方、本発明の熱伝導性フィラーは、結晶化が進んでいないので、2θ=20〜30°に見られる(002)面に由来する回折ピークは、ブロードである。
また、熱伝導性フィラー(A)は、黒鉛化が進んでいないため、熱伝導性フィラーの炭素原子含有量は、88.0〜98.5質量%、好ましくは90〜98.5質量%である。なお、熱伝導性フィラーの炭素原子含有量は、JIS M 8813に準拠して測定される値である。
熱伝導性フィラー(A)の熱伝導率は、1〜100W/mK、好ましくは10〜100W/mKである。
熱伝導性フィラー(A)の嵩密度は、好ましくは0.1〜1.0g/cm、より好ましくは0.2〜0.8g/cmである。
熱伝導性フィラー(A)の硫黄含有量は、乾燥状態での硫黄含有量で、好ましくは0.5〜12質量%、より好ましくは1〜10質量%である。硫黄含有量が上記範囲にあることにより、基礎材料(例えば、ゴムや樹脂)との親和性が向上し、熱伝導性フィラー(A)の分散性が高くなる。
熱伝導性フィラー(A)は、水素原子を好ましくは0.1〜4質量%有している。また、熱伝導性フィラー(A)の窒素含有量は、好ましくは0.1〜1質量%である。また、熱伝導性フィラー(A)の芳香族性炭素割合は、好ましくは90〜99%、より好ましくは93〜97%である。また、熱伝導性フィラー(A)の炭素分の原子換算のモル数に対する水素分の原子換算のモル数の比(H/Cモル比)は、好ましくは0.01〜0.3、より好ましくは0.01〜0.1である。
球状熱伝導性フィラーとしては、球状の形状を有し、且つ、熱伝導率が1W/mK以上のフィラーであれば、特に制限されず、例えば、カーボンブラック、球状の黒鉛、球状のアルミナ、シリカ、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム等のセラミック等が挙げられる。
球状熱伝導性フィラーの平均粒子径は、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.02〜20μm、特に好ましくは0.03〜10μmである。球状熱伝導性フィラーの平均粒子径が上記範囲にあることにより、熱伝導性材料の熱伝導率が高くなる。なお、球状熱伝導性フィラーの平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定される体積頻度粒度分布測定により求められる積算50%の粒径(D50)である。
球状熱伝導性フィラーのBET比表面積は、好ましくは0.01〜50m/g、より好ましくは0.01〜20m/gである。球状熱伝導性フィラーのBET比表面積が上記範囲にあることにより、熱伝導性材料の熱伝導率が高くなる。
本発明の混合熱伝導性フィラーにおいて、熱伝導性フィラー(A)及び球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する球状熱伝導性フィラーの含有量の割合は、1〜20質量%、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である。球状熱伝導性フィラーの含有量が上記範囲未満だと、球状熱伝導性フィラーの混合効果が小さく、また、上記範囲を超えると、コストが高い球状熱伝導性フィラーの混合量が多くなり過ぎるために、熱伝導性材料のコストが高くなってしまう。
本発明の混合熱伝導性フィラーを、熱伝導性材料のマトリックス材料、例えば、ゴムや樹脂に分散及び充填させて、熱伝導性材料を作製すると、熱伝導性材料中では、熱伝導性フィラー(A)の間に、熱伝導率が高い球状熱伝導性フィラーが入り込み、熱伝導性材料中で、球状熱伝導性フィラーが、熱伝導性フィラー(A)から近傍の熱伝導性フィラー(A)へ、熱を速やかに伝導させる経路(パス)となる。このことにより、熱伝導率が高い球状熱伝導性フィラーを、少量混合しただけでも、熱伝導性材料の熱伝導率を高くすることができる。すなわち、熱伝導性フィラー(A)と、球状熱伝導性フィラーのそれぞれの熱伝導率及び混合割合から計算される熱伝導率より、熱伝導性材料の熱伝導率を高くすることができる。
熱伝導性フィラー(A)は、石油コークスを原料に用い、且つ、700〜1500℃、好ましくは800〜1500℃、より好ましくは900〜1500℃で焼成して得られるものなので、コストが低い。そのため、熱伝導性フィラーとして、熱伝導性フィラー(A)が多く混合されている本発明の混合熱伝導性フィラーを用いることにより、熱伝導性材料のコストを低くすることができる。
本発明の熱伝導性材料は、ゴム又は樹脂と、熱伝導性フィラー(A)と、球状熱伝導性フィラーと、を含有し、
該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する該球状熱伝導性フィラーの含有量の割合が、1〜20質量%であり、
該ゴム又は該樹脂100質量部に対し、該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーを合計で100〜450質量部含有し、
該熱伝導性フィラー(A)が、石油コークスを700〜1500℃で焼成して得られる石油コークスの焼成物であり、該熱伝導性フィラー(A)の平均粒子径が1〜100μmであり、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.37〜3.50Åであり、炭素原子含有量が88.0〜98.5質量%であること、
を特徴とする熱伝導性材料である。
つまり、本発明の熱伝導性材料は、マトリックス材料として、ゴム又は樹脂と、熱伝導性のフィラーとして、マトリックス材料中に分散及び充填されている熱伝導性フィラー(A)と球状熱伝導性フィラーと、を含有する。
本発明の熱伝導性材料に係る熱伝導性フィラー(A)、球状熱伝導性フィラーは、本発明の混合熱伝導性フィラーに係る熱伝導性フィラー(A)、球状熱伝導性フィラーと同様である。
本発明の熱伝導性材料に係るゴムとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴムが挙げられる。ゴムは、これらのうちの1種単独であってもよいし、2種類以上が混合されている混合物であってもよい。合成ゴムとしては、例えば、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン/ブタジエン共重合体、クロロプレン(CR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(VMQ)、ウレタンゴム(AU)、イソブチレン/イソプレン共重合体(IIR)、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体(EPDM)、エチレン/プロピレン共重合体(EPM)、エピクロルヒドリンゴム(CO)、及びフッ素ゴム(FKM)などが挙げられる。なお、合成ゴムは、これらに限定されるものではなく、これら以外のものであってもよい。
本発明の熱伝導性材料に係るゴムにおいては、加硫されることが好ましい。加硫は、例えば、80〜200℃で行われるのが好ましく、130〜180℃で行われるのがより好ましい。また、加硫は大気圧条件下でも行われるが、例えば、1〜20MPa(10〜200bar)の加圧下で行われるのが好ましい。
本発明の熱伝導性材料に係る樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から選ばれる1種以上が挙げられ、特に制限されない。2種以上の混合樹脂の場合は、任意に選択される樹脂を物理的又は化学的に所定の組成比でブレンドされたポリマーアロイやポリマーブレンドなどであってもよい。また、樹脂は、変性物であってもよく、2種以上のモノマーが所定の比で重合した共重合体であってもよい。上記共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体及びグラフト共重合体から選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明の熱伝導性材料において、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース類、含フッ素重合体、含硫黄重合体およびスチレン系樹脂等から選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明の熱伝導性材料において、ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体、α−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体等から選ばれる1種以上が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂として、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン等から選ばれる1種以上が挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)などが挙げられ、好ましくはPA12、PA6、PA66である。
ポリイミド樹脂としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ビスマレイミド、ポリエーテルイミド(PEI)などが挙げられ、好ましくはPI、PEIである。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロ・ヘキサン・ジメチレン・テレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネート(PC)などが挙げられ、好ましくはPBT、PET、PAR、PEN、LCP、PCである。
ポリエーテル樹脂としては、例えば、ポリアセタール(POM)、ポリエーテルニトリル(PENT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPEなどが挙げられ、好ましくは、POM、PENT、PEEK、PEK、変性PPEである。
含フッ素重合体としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ四フッ化エチレンエチレン(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化アルキルビニルエーテル(PFA)などが挙げられ、好ましくはPTFE、PFAである。
含硫黄重合体としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリサルホン(PSF)などが好ましく挙げられる。
なお、共重合体としては、前記共重合体の他、例えば、アクリレート・スチレン・アクリロニトリル(AAS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンマレイミドなどが挙げられる。
本発明の熱伝導性材料において、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアヌレート樹脂及びフェノール樹脂等から選ばれる1種以上が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラックなどのフェノール系グリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールなどのアルコール系グリシジルエーテルなどの主剤と、硬化剤との組み合せなどが挙げられる。なお、硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、ポリアミドアミン、ポリアミド、脂環式ポリアミン、変性脂環式ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、3級アミンなどのアミン化合物などが挙げられる。これらの硬化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、主剤と硬化剤の反応を促進させる反応促進剤を用いることもできる。反応促進剤としては、例えば、フェノール、p−t−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、クレゾール、トリフェニルフォスファイト、サリチル酸、トリエタノールアミンなどが挙げられる。これらの反応促進剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の熱伝導性材料において、熱伝導性フィラー(A)及び球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する球状熱伝導性フィラーの含有量の割合は、1〜20質量%、好ましくは3〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である。
本発明の熱伝導性材料は、ゴム又は樹脂100質量部に対し、熱伝導性フィラー(A)及び球状熱伝導性フィラーを合計で100〜400質量部、好ましくは150〜430質量部、より好ましくは200〜400質量部含有する。熱伝導性フィラー(A)及び球状熱伝導性フィラーの合計含有量が上記範囲にあることより、熱伝導性材料の熱伝導率が高くなる。
なお、本発明の熱伝導性材料が、マトリックス材が熱硬化性樹脂であり、硬化剤又は反応促進剤等を含有する場合には、硬化剤及び反応促進剤も熱硬化性樹脂の含有量に含めて、その含有量を算出するものとする。また、本発明の熱伝導性材料が、マトリックス材がゴムであり、加硫剤を含有する場合には、加硫剤もゴムの含有量に含めて、その含有量を算出するものとする。
本発明の熱伝導性材料は、熱伝導性フィラー以外に、必要に応じて、更にガラスファイバー、ウィスカー、金属酸化物、紫外線安定剤、酸化防止剤、離型剤、滑剤、撥水剤、増粘剤、低収縮剤、親水性付与剤等を含有することができる。
本発明の熱伝導性材料の熱伝導率は、好ましくは0.3〜5W/mK、より好ましくは0.4〜5W/mKである。
本発明の熱伝導性材料は、LED照明、自動車のインバータ、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ或いは各種携帯端末の部品や筺体、バッテリー充電用機器部品、バッテリーカバー等の放熱部位を構成する材料などに好適に用いられる。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
<石油コークス>
(ショットコークスA、B及びスポンジコークスA、B)
熱分解原料油として減圧残渣油とスラリーオイルを用い、500℃、0.1MPaGの条件にて熱分解処理し、熱分解処理後、ウォータージェットにて粉砕し、目視にて、ショットコークスA、B及びスポンジコークスA、Bを分取して、石油コークスを得た。ショットコークスA、B及びスポンジコークスA、Bの性状を表1に示す。
(製造例1〜3)
<石油コークスの焼成>
上記で得た石油コークスを、アルゴンガス雰囲気下、900℃で2時間焼成して、粉砕原料となる石油コークスの焼成物を得た。
<石油コークス焼成物の粉砕処理>
上記で得た石油コークスの焼成物を、カッターミル(セイシン工業製VM−22型)に供給し、粗粉砕して粗粉砕物を得た。そのときの粉砕条件及び結果を表2に示す。
次いで、得られた粗粉砕物を、ジェットミル(セイシン工業製FS−4)に供給し、微粉砕して、熱伝導性フィラーを得た。そのときの粉砕条件及び結果を表2に示す。また、熱伝導性フィラーの分析結果も表2に合わせて示す。
(比較例1)
上記で得た石油コークスを25℃で24時間乾燥し、カッターミル(セイシン工業製VM−22型で粉砕し、149メッシュの篩(目開き100μm)で篩って、篩下を比較フィラー1として得た。つまり、比較例1では、石油コークスを焼成せずに粉砕した。比較フィラー1の分析結果を表2に示す。
また、黒鉛(鱗片状黒鉛、中越黒鉛工業所社製、BF−3AK)の分析値を、表2に示す。
1)スパン:(D90−D10)/D50
<石油コークス及び熱伝導性フィラーの分析>
(水分)
JIS M 8812に準拠して行った。
(硫黄含有量の測定)
JIS M 8819に準拠して、硫黄含有量を測定した。
(灰分)
JIS M 8812に準拠して行った。
(揮発分)
JIS M 8812に準拠して行った。
(固定炭素分)
JIS M 8812に準拠して行った。
(芳香族性炭素割合)
13CNMR(核磁気共鳴)スペクトルにおける芳香族炭素(CA)のピーク面積強度(100〜200ppm)を、全炭素のピーク面積強度(0〜200ppm)で除すことにより、芳香族性炭素割合を算出した。ここでの13C-NMRは、重水素クロロホルムを溶媒とし、テトラメチルシラン(TMS)を内標に用いて、日本電子(株)製核磁気共鳴装置Alpha−400により測定した。
(CHN分)
JIS M 8813に準拠して行った。
(BET比表面積)
試料の表面に吸着している分子を取り除くため150℃で10時間の真空加熱乾燥後、乾燥試料のBET比表面積を測定した。
(粒度特性)
JIS Z 8825に準拠したレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(MICROTRAC FRA、NIKKISO社製)を用いて、レーザー回折散乱法により、体積頻度粒度分布測定を行った。得られた体積頻度粒度分布測定結果より、積算10%、50%、90%の粒径を求め、D10、D50(平均粒子径)、D90を求めた。
(SEM分析)
製造例1及び2で得た熱伝導性フィラーについて、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、SU3500)を用い、加速電圧5kVで二次電子像の撮影を行った。その結果を図1〜図2に示す。
(X線回折分析)
製造例1及び2で得た熱伝導性フィラーについて、粉末X線回折装置(Rigaku社製、Ultima IV)を用い、線源:Cu Kα、管電圧:40kV、管電流:40mA、走査速度10.000deg/min.で分析した。その結果を図3〜図4に示す。
<他の熱伝導性フィラー>
(カーボンブラック1)
アセチレンブラック、電気化学工業社製、デンカブラック粒状品、平均粒子径(D50):0.035μm、比表面積:69m/g、SEM写真:図5
(実施例1)
熱伝導性フィラーAとカーボンブラック1とを、質量比10:1で混合して、熱伝導性フィラー混合物Dを得た。このとき、熱伝導性フィラーA及びカーボンブラック1の合計質量に対するカーボンブラック1の質量割合は、9質量%である。
(ゴム原料1)
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、JSR社製、EP27
(ゴム原料2)
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、JSR社製、EP123
(製造例4)
ゴム原料1を100質量部、硫黄(ナカライテクス社製)を1.5質量部、テトラメチルチウラムジスルフィド:TMTD(東京化成工業社製)を1.0質量部、2-メルカプトベンゾチアゾール:MBT(ナカライテスク社製)を0.5質量部、酸化亜鉛(ハクスイテック社製)を5.0質量部、ステアリン酸(ナカライテスク社製)を1.0質量部、熱伝導性フィラーAを(100)質量部の割合で混合し、トーシン社製ラボニーダミルTDR100−500X3を用いて混練を行い、混練物を得た。
次いで、プレス成形機(テクノサプライ社製、卓上ホットプレス)を用いて、上記で得た混練物を(160)℃で加熱プレスして、シート厚み0.5mmの熱伝導性材料を得た。
次いで、得られた熱伝導性材料の熱伝導率を測定した。その結果を表3に示す。
(熱伝導性材料の熱伝導率の測定)
京都電子工業製QTM−500を用いて、熱伝導性材料の熱伝導率を測定した。
(製造例5〜9、比較例2〜3)
熱伝導性フィラーの種類及びゴム原料の種類、並びにそれらの含有量を表3に示す通りとする以外は、製造例4と同様に行った。その結果を表3に示す。
(参考例2)(ブランク実験)
熱伝導性フィラーAを用いないこと以外は、製造例4と同様に行った。その結果、熱伝導率は0.14W/mKであった。
(製造例10〜14)
熱伝導性フィラーの種類及び含有量を表4に示す通りとする以外は、製造例4と同様に行った。その結果を表4に示す。
(実施例2)
熱伝導性フィラーの種類及び含有量を表5に示す通りとする以外は、製造例4と同様に行った。その結果を表5に示す。

Claims (3)

  1. 熱伝導性フィラー(A)と、球状熱伝導性フィラーと、からなり、
    該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する該球状熱伝導性フィラーの含有量の割合が、1〜20質量%であり、
    該熱伝導性フィラー(A)が、石油コークスを700〜1500℃で焼成して得られる石油コークスの焼成物であり、該熱伝導性フィラー(A)の平均粒子径が1〜100μmであり、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.37〜3.50Åであり、炭素原子含有量が88.0〜98.5質量%であること、
    を特徴とする混合熱伝導性フィラー。
  2. 前記球状熱伝導性フィラーの平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の混合熱伝導性フィラー。
  3. ゴム又は樹脂と、熱伝導性フィラー(A)と、球状熱伝導性フィラーと、を含有し、
    該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーの合計含有量に対する該球状熱伝導性フィラーの含有量の割合が、1〜20質量%であり、
    該ゴム又は該樹脂100質量部に対し、該熱伝導性フィラー(A)及び該球状熱伝導性フィラーを合計で100〜450質量部含有し、該熱伝導性フィラー(A)が、石油コークスを700〜1500℃で焼成して得られる石油コークスの焼成物であり、該熱伝導性フィラー(A)の平均粒子径が1〜100μmであり、X線回折法による(002)面の平均面間隔(d002)が3.37〜3.50Åであり、炭素原子含有量が88.0〜98.5質量%であること、
    を特徴とする熱伝導性材料。
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