JP2016124920A - ゴム配合物 - Google Patents

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睦美 加藤
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Abstract

【解決課題】コストの上昇を抑制しつつ、特にタイヤトレッド等のタイヤ部材に使用したときに耐久性を効果的に向上させるゴム配合物を提供する。
【解決手段】スチレンーブタジエン共重合体ゴムに対し、平均粒子径(D50)が0μmを超え50μm以下である石油コークス微粉砕物を配合してなることを特徴とするゴム配合物であり、好適には、上記石油コークス微粉砕物が、原油の常圧蒸留残渣油または減圧蒸留残渣油を熱分解して得られるコークスを粉砕してなるものであるか、または、上記スチレンーブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、前記石油コークス微粉砕物を1〜500質量部配合してなるゴム配合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム配合物に関する。
タイヤトレッド等のタイヤ部材用のゴム配合物においては、天然ゴム(NR)、スチレンーブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等のゴム成分に対し、さらに混合加工性、ゴム弾性、耐摩耗性および機械的性質等の諸特性を改善するために、上記ゴム成分の種類や分子量に応じて、種々の配合成分が添加されている(例えば、特許文献1(特開2001−30714号公報)参照)。
例えば、タイヤトレッド等のタイヤ部材用のゴム配合物において、ゴム成分としてスチレンーブタジエン共重合体ゴム(SBR)を使用する場合、耐久性を向上させるために、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、チタン酸カリウム粒子等の種々の無機充填剤が配合されている。
一方、トラックやフォークリフト等の産業用車両は、重量物を運送または搬送するものであり、タイヤに高い荷重がかかる結果、タイヤが摩耗したりチップカット等の破損や裂け等を生じ易くなることから、消耗品であるタイヤトレッド等のタイヤ部材に使用されるゴム配合物を、耐久性を効果的に向上させつつ安価に提供することが求められるようになっている。
特開2001−30714号公報
このような状況下、本発明は、コストの上昇を抑制しつつ、特にタイヤトレッド等のタイヤ部材に使用したときに耐久性を効果的に向上させる新規なゴム配合物を提供することを目的とするものである。
上記技術課題を解決するために本発明者等が鋭意検討した結果、ゴム成分としてスチレンーブタジエン共重合体ゴムを採用するとともに、無機充填剤として粒径が特定範囲にある石油コークス微粉砕物を採用したゴム配合物により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)スチレンーブタジエン共重合体ゴムに対し、平均粒子径(D50)が0μmを超え50μm以下である石油コークス微粉砕物を配合してなることを特徴とするゴム配合物、
(2)前記石油コークス微粉砕物が、原油の常圧蒸留残渣油または減圧蒸留残渣油を熱分解して得られるコークスを粉砕してなるものである上記(1)に記載のゴム配合物、
(3)前記スチレンーブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、前記石油コークス微粉砕物を1〜500質量部配合してなる上記(1)または(2)に記載のゴム配合物、
(4)前記ゴム配合物がタイヤ部材用である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム配合物
を提供するものである。
本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつ、特にタイヤトレッド等のタイヤ部材に使用したときに耐久性を効果的に向上させるゴム配合物を提供することができる。
実施例2で得られた石油コークス微粉砕物のSEM写真(1000倍)である。 実施例2で得られた石油コークス微粉砕物のSEM観察画像(5000倍)である。 実施例2で得られた石油コークス微粉砕物のSEM観察画像(20000倍)である。
本発明のゴム配合物は、スチレンーブタジエン共重合体ゴムに対し、平均粒子径(D50)が0μmを超え50μm以下である石油コークス微粉砕物を配合してなることを特徴とするものである。
本発明のゴム配合物において、スチレンーブタジエン共重合体ゴムとしては特に制限されないが、ランダム共重合体ゴムであることが好ましい。
例えば、スチレンーブタジエン共重合体ゴムとしては、スチレン含量が1〜15質量%、ブタジエン含量が99〜85質量%であるものが適当であり、スチレン含量が3〜10質量%、ブタジエン含量が97〜90質量%であるものがより適当であり、スチレン含量が5〜9質量%、ブタジエン含量が95〜91質量%であるものがさらに適当である。
ランダム共重合体ゴムを構成するスチレン含量が上記範囲内にあることにより、ゴム配合物に配合したときに所望強度を得やすくなり、低温特性を維持し易くなる。
本発明のゴム配合物において、スチレンーブタジエン共重合体ゴムの重量平均分子量は、特に制限されないが、5,000〜200万であることが適当であり、10万〜200万であることがより適当であり、100万〜180万であることがさらに適当である。
本発明のゴム配合物において、スチレンーブタジエン共重合体ゴムは、公知の方法によって調製することができ、また、市販品を使用することもできる。
本発明のゴム配合物において、スチレンーブタジエン共重合体ゴムの配合割合(スチレンーブタジエン共重合体ゴムの含有割合)は、10〜95質量%であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましく、30〜85質量%であることがさらに好ましい。
本発明のゴム配合物は、スチレンーブタジエン共重合体ゴムに対し、平均粒子径(D50)が0μmを超え50μm以下である石油コークス微粉砕物を配合してなるものである。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物は、石油コークスを粉砕して得られる粉砕物であり、石油コークスが粉砕手段により細かく粉砕された粉砕物である。
粉砕原料となる石油コークスは、石油精製プロセスにおいて生成する熱分解原料油を、熱分解装置で熱分解処理されることにより生成し、熱分解処理において生成する軽質分を採取した後に残るものである。
熱分解処理される熱分解原料油としては、原油を常圧蒸留した後の常圧蒸留残渣油や、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留した後の減圧蒸留残渣油や、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油や、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)との混合油が挙げられる。
熱分解原料油に係る常圧蒸留残渣油は、特に制限はなく、原油を常圧蒸留して、蒸発留分を分離した後の残渣分である。熱分解原料油に係る減圧蒸留残渣油は、特に制限はなく、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して、蒸発留分を分離した後の残渣分である。熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油であってもよく、熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油である場合、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合割合は、特に制限されず、適宜調節される。
常圧蒸留残渣油の蒸留原料となる原油としては、特に制限されず、原油種としては、例えば、アラビアンヘビー、アラビアンミディアム、アラビアンライト、アラビアンエクストラライト、クウェート、バスラ、オマーン、マーバン、ムバラスブレンド、ザクム、アッパーザクム、カタールランド、カタールマリン、ウムシャイフ、シリー、カフジ、エスポ等が挙げられ、いずれか1種であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
また、熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油、すなわち、常圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油、減圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油、又は常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油であってもよい。熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油である場合、他の炭化水素油(1)は、本発明の効果を示す範囲の炭化水素油であればよく、例えば、流動接触分解処理のスラリーオイル、エチレンクラッカー残渣油等が挙げられる。
熱分解処理の条件としては、熱分解温度が、好ましくは490〜510℃、より好ましくは495〜505℃であり、また、熱分解処理の際の圧力(ゲージ圧)は、好ましくは0.01〜0.6MPaG、より好ましくは0.05〜0.4MPaGである。
また、熱分解処理の雰囲気は、スチームである。また、熱分解処理中に過度の発泡が認められる場合は、消泡剤を投入する事もある。消泡剤としては、一般的にシリコン系の消泡剤などを用いることができる。
熱分解原料油の熱分解により生成する石油コークスは、熱分解処理後、ウォータージェット等を用いて砕かれて、熱分解装置から取り出される。そして、熱分解装置から取り出される石油コークスは、一般にショットコークスと呼ばれる形状が粒状のものや、一般にスポンジコークスと呼ばれる形状が多孔質の大きな塊状のものであり、本発明において、石油コークス微粉砕物を製造するための粉砕原料としては、ショットコークスであっても、スポンジコークスであっても、それらの混合物であってもよい。また、熱分解装置から取り出された石油コークスは、必要に応じて、室温(20℃)〜500℃の温度で乾燥される。
次いで、熱分解装置から取り出された石油コークスは、粉砕処理されて、本発明の石油コークス微粉砕物が得られる。粉砕処理を行うための粉砕手段としては、特に制限されず、また、乾式であっても湿式であってもよい。粉砕手段としては、ジョークラッシャ、ジョイレトリクラッシャ、コーンクラッシャ、ハンマクラッシャ、自生粉砕機、ボールミル、ローラミル、高速回転ミル、ジェットミル等の粉砕装置が挙げられる。また、粉砕処理条件は、目的とする微粉砕物の平均粒子径、その他の粒度特性、粉砕手段、粉砕回数等により、適宜選択される。粉砕処理された石油コークスは、必要に応じて分級される。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の平均粒子径(D50)は、0μmを超え50μm以下である。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の平均粒子径(D50)は、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が特に好ましい。
また、本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の平均粒子径(D50)は、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.2μm以上がさらに好ましい。
石油コークス微粉砕物の平均粒子径(D50)が上記範囲内にあることにより、分散性が高まり、ゴム配合物のフィラーとして用いたときに、コストの上昇を抑制しつつ、ゴム配合物の引張強度を容易に向上させることができる。
石油コークス微粉砕物において、下記式
(D90−D10)/D50 (I)
で表されるスパンは、0.3〜7であることが好ましく、0.3〜6であることがより好ましい。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物のスパンが上記範囲にあることにより、ゴム配合物のフィラーとして配合条件の設計が容易になる。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物のD90は、150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
また、本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物のD10は、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上が更に好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークス微粉砕物のD10、D50(平均粒子径)およびD90は、各々、JIS Z 8825に準拠したレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定される体積頻度粒度分布測定により求められる積算粒度で、10%、50%および90%の粒径を意味する。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の硫黄含有量は、乾燥状態で、1〜12質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましく、4〜8質量%がさらに好ましい。
硫黄含有量が上記範囲にあることにより、基礎材料であるスチレンーブタジエン共重合体ゴムとの親和性が向上し、石油コークス微粉砕物の分散性を向上させることができる。
熱分解原料油の熱分解処理により得られるコークスは、通常、水分を1〜12質量%程度含有しているため、含水した状態の石油コークスの質量を、硫黄含有量の算出の基準とすると、石油コークスの含水状態により、石油コークス中の硫黄含有量の計算値が変動してしまう。そこで、石油コークス中の硫黄含有量の算出に当たっては、含水状態の石油コークスを200℃±10℃で4時間乾燥(JIS M 8811に準拠)させ、得られる乾燥状態の石油コークスの質量を測定し、その乾燥状態の石油コークスの質量を基準に、石油コークス中の硫黄含有量を算出する。つまり、石油コークスの乾燥状態での硫黄含有量とは、乾燥状態の石油コークスの質量に対する石油コークス中の硫黄の質量の割合を意味する。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の嵩密度は、0.1〜1.0g/cmが好ましい。
石油コークス微粉砕物の嵩密度の上限値は、0.8g/cmがより好ましく、0.5g/cmがさらに好ましく、0.4g/cmが特に好ましい。
石油コークス微粉砕物の嵩密度の下限値は、0.2g/cmがより好ましく、0.3g/cmがさらに好ましい。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物としては、炭素原子を70〜90質量%、水素原子を1〜10質量%含有するものが好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークス微粉砕物の炭素原子含有量および水素原子含有量は、JIS M 8813に準拠して測定された値を意味する。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物は、炭素原子および水素原子を、通常、炭化水素基の形態で含有している。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物が炭化水素基を含有していることは、赤外線吸収スペクトル分析(IR)により確認され、石油コークス微粉砕物のIRチャートにおいて、2800〜3000cm−1付近にC−H、−CH−、CH−の伸縮振動に由来するピーク、1600cm−1付近にフェニル基C=Cに由来するピーク、1300〜1500cm−1付近にC−H、−CH−、CH−の変角振動に由来するピーク、800〜900cm−1付近にフェニル基C−Hに由来するピークのいずれか一種以上のピークが検出されることによって確認することができる。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の窒素含有量は、0.1〜2.0質量%であることが好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークス微粉砕物の窒素含有量は、JIS M 8813に準拠して測定した値を意味する。
本発明のゴム配合物において、石油コークス粉砕物の芳香族性炭素割合は、75〜98質量%が好ましく、85〜95質量%がより好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークス微粉砕物の芳香族性炭素割合は、13CNMR(核磁気共鳴)スペクトルにおける芳香族炭素(CA)のピーク面積強度(100〜200ppm)を、全炭素のピーク面積強度(0〜200ppm)で除すことにより算出される値を意味する。また、13C-NMRスペクトルは、重水素クロロホルムを溶媒とし、テトラメチルシラン(TMS)を内標に用いて、日本電子(株)製核磁気共鳴装置Alpha−400により測定されるものを意味する。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の固定炭素分は、70〜95質量%であることが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークス微粉砕物の固定炭素分は、JIS M 8812に準拠して測定した値を意味する。
本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の炭素分の原子換算のモル数に対する水素分の原子換算のモル数の比(H/Cモル比)は、0.1〜1.0であることが好ましく、0.2〜0.8であることがより好ましい。
なお、本出願書類において、石油コークス微粉砕物の炭素分の原子換算のモル数に対する水素分の原子換算のモル数の比(H/Cモル比)は、JIS M 8813に準拠して測定される炭素分の原子換算のモル数に対する水素分の原子換算のモル数から算出される値を意味する。
タイヤトレッド等のタイヤ部材用のゴム配合物においては、炭素系の無機充填剤としてカーボンブラックを使用することも考えられるが、カーボンブラックは、石油系重質油やエチレン製造時の残渣油を、1400℃以上の高温雰囲気下、炉内に連続的に噴霧して熱分解を生じさせ、次いで水を噴霧して粒子径を制御しながら反応させた後、さらに造粒処理することで製造されており、製造工程が多工程かつ複雑であることからゴム配合物の高コスト化を招き易い。
一方、石油精製時に生成する残渣油を熱分解して得られる石油コークスは、製造工程が単純で安価であるものの、従来は専らボイラー燃料等として使用されるに過ぎなかった。このような状況下、本発明者等が鋭意検討した結果、驚くべきことに、粒径が特定範囲にある石油コークスは、ゴム成分としてスチレンーブタジエン共重合体ゴムを配合したゴム配合物の無機充填剤として有用であり、特にゴム配合物の引張強度や伸びを効果的に向上させ得ることを見出して、本発明を完成するに至ったものである。
本発明のゴム配合物は、上述したスチレンーブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、上記石油コークス微粉砕物を1〜500質量部配合してなるものであることが好ましく、5〜300質量部配合してなるものであることがより好ましく、10〜200質量部配合してなるものであることがさらに好ましい。
また、本発明のゴム配合物において、石油コークス微粉砕物の配合割合(石油コークス微粉砕物の含有割合)は、1〜80質量%であることが好ましく、4〜70質量%であることがより好ましく、7〜65質量%であることがさらに好ましい。
本発明のゴム配合物が、上記石油コークス微粉砕物を上記範囲の量含有するものであることにより、引張強度を効果的に向上させることができる。
本発明のゴム配合物は、スチレンーブタジエン共重合体ゴムおよび石油コークス微粉砕物以外に、必要に応じて任意の添加剤を配合してなるものであってもよい。
添加剤としては、公知のものから適宜選択すればよく、加硫剤、加硫促進剤、加硫活性化剤、有機過酸化物、充填剤、シランカップリング剤、伸展油、滑剤等の加工助剤、老化防止剤等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
加硫剤としては硫黄等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明のゴム配合物において、加硫剤の配合量は、スチレンーブタジエン共重合体ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
また、本発明のゴム配合物において、加硫剤の配合割合(加硫剤の含有割合)は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、0.7〜2質量%がさらに好ましい。
上記加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
加硫促進剤の配合量は、スチレンーブタジエン共重合体ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜3質量部がより好ましい。
加硫活性化剤としては、ステアリン酸、酸化亜鉛等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
伸展油としては、アロマチック系鉱物油(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900〜1.049)、ナフテン系鉱物油(V.G.C.値0.850〜0.899)、パラフィン系鉱物油(V.G.C.値0.790〜0.849)等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明のゴム配合物は、引張強度が、2〜45MPaであるものが好ましく、2〜40MPaであるものがより好ましく、3〜35MPaであるものがさらに好ましい。
本出願書類において、引張強度は、ダンベル状3号試験片形状に打ち抜いた本発明のゴム配合物をJIS K 6251の規定に準拠して測定した値を意味する。
本発明のゴム配合物は、ゴム成分としてスチレンーブタジエン共重合体ゴムを採用するとともに、無機充填剤として粒径が特定範囲にある石油コークス微粉砕物を採用することにより、特に引張強度を好適に向上させることができ、本発明のゴム配合物の引張強度が上記範囲内にあることにより、高荷重による圧縮条件下でのねじり挙動に対し破損、裂け等を生じ難くなり、本発明のゴム配合物を例えばタイヤトレッド等のタイヤ部材に好適に使用することができる。
本発明のゴム配合物は、伸びが、100〜1000%であるものが好ましく、200〜900%であるものがより好ましく、300〜850%であるものがさらに好ましい。
本出願書類において、伸びは、ダンベル状3号試験片形状に打ち抜いた本発明のゴム配合物をJIS K 6251の規定に準拠して測定した値を意味する。
本発明のゴム配合物は、ゴム成分としてスチレンーブタジエン共重合体ゴムを採用するとともに、無機充填剤として粒径が特定範囲にある石油コークス微粉砕物を採用することにより、引張強度とともに伸びを好適に向上させることができ、本発明のゴム配合物の伸びが上記範囲内にあることにより、柔軟性が向上するとともに、適正な強度を確保し易くなり、優れた耐久性を容易に発揮することができる。
本発明のゴム配合物は、上記スチレンーブタジエン共重合体ゴム、石油コークス微粉砕物および必要に応じて任意に添加する添加剤を、公知の方法、例えば、オープンロールミキサー等のロールやバンバリーのような公知の混合機で混練する方法により製造することができる。
上記混合機で混練する際の条件は特に制限されず、添加剤として加硫剤や加硫促進剤を配合しない場合、混練温度は、50℃〜200℃が適当であり、80℃〜190℃がより適当であり、混練時間は、30秒間〜30分間が適当であり、1分間〜30分間がより適当である。
また、添加剤として加硫剤や加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、100℃以下が適当であり、室温〜80℃がより適当である。
また、加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、所定形状に成形した後、適宜加温して硬化することにより所望のゴム成形体を得ることができ、例えば別途プレス加硫等により加硫処理を行うことができるが、この場合、加硫温度は120〜200℃が適当であり、140〜180℃がより適当であり、加硫時間は、5〜60分間が適当であり、10〜40分間がより適当である。
上記方法によって、本発明のゴム配合物を得ることができる。
本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつ、特にタイヤトレッド等のタイヤ部材に使用したときに耐久性を効果的に向上させるゴム配合物を提供することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
<石油コークス>
熱分解原料油として減圧残渣油とスラリーオイルを用い、500℃、0.1MPaGの条件にて熱分解処理し、熱分解処理後、ウォータージェットにて粉砕し、目視にて、2種類のスポンジコークス(スポンジコークスAおよびスポンジコークスB)を分取して、石油コークスとした。スポンジコークスA、スポンジコークスBの性状を表1に示す。
なお、石油コークスの性状は、以下の方法により測定したものである。
(水分)
JIS M 8811に準拠して測定した。
(CHN分、H/C)
JIS M 8813に準拠して測定した。
(硫黄分)
JIS M 8819に準拠して、硫黄含有量を測定した。
(灰分)
JIS M 8812に準拠して測定した。
(揮発分)
JIS M 8812に準拠して測定した。
(固定炭素分)
JIS M 8812に準拠して測定した。
<石油コークスの乾燥>
上記で得た石油コークスを一昼夜(24時間)、室温(25℃)で乾燥して、粉砕原料となる石油コークスの乾燥物を得た。乾燥後の石油コークスの水分量を測定したところ、乾燥後のスポンジコークスA、スポンジコークスBのいずれも、水分量は1質量%以下であった。
(実施例1)
<石油コークスの粉砕処理>
上記方法で得られたスポンジコークスAの乾燥物を、カッターミル((株)セイシン企業製VM−22型)に供給し、粗粉砕して粗粉砕物を得た。そのときの粉砕条件及び結果を表2に示す。
次いで、得られた粗粉砕物を、ジェットミル((株)セイシン企業製FS−4)に供給し、微粉砕して、石油コークス微粉砕物を得た。そのときの粉砕条件及び微粉砕物の分析結果を表2に示す。
なお、微粉砕物の粒度は、以下の方法により測定したものである。
(粒度分布)
JIS Z 8825に準拠したレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装(株)製MICROTRAC)を用いて、レーザー回折散乱法により、体積頻度粒度分布測定を行い、得られた体積頻度粒度分布測定結果より、積算粒度10%、50%、90%の粒径を求め、各々D10、D50(平均粒子径)およびD90とした。
さらに、得られた微粉砕物の水分、CHN分、硫黄分、灰分、揮発分、固定炭素分、芳香族性炭素割合は、上述した方法と同様の方法により測定した。
次いで、スチレンーブタジエン共重合体ゴム(JSR(株)製1052)100質量部に対し、ステアリン酸(花王(株)製ルナックS−50V)1質量部、酸化亜鉛(ハクスイテック(株)製)3質量部、TBBS(N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、三井化学(株)製サンセラーNS−G)1質量部、硫黄(細井化学工業(株)製)1.75質量部混合するとともに、石油コークス微粉砕物50質量部を混合して、石油コークス微粉砕物を含有する混合物を調製した。
上記各混合物を、オープンロールミキサーで混練した後、得られた混練物を140℃で30分間プレス加硫することにより、目的とする各ゴム配合物を得た。得られた各ゴム配合物の配合比およびその評価結果を表3に示す。
なお、ゴム配合物は、以下の方法により評価したものである。
(硬度)
JIS K6253に準拠し、デュロメータ硬さ計を用いて測定した。
(引張強度、伸び、50%モジュラス、300%モジュラス)
各ゴム配合物をダンベル状3号形試験片に打ち抜き、JISK 6251の規定に準拠して、伸び(%)、引張強度(MPa)、300%モジュラスを測定した。
(比重)
JIS K6268に準拠して測定した。
(実施例2)
<石油コークスの粉砕処理>
上記方法で得られたスポンジコークスBの乾燥物を、カッターミル((株)アイシンナノテクノロジーズ製VM−22型)に供給し、粗粉砕して粗粉砕物を得た。そのときの粉砕条件及び評価結果を表3に示す。
次いで、得られた粗粉砕物を、ジェットミル((株)セイシン企業製FS−4)に供給し、微粉砕して、石油コークス微粉砕物を得、得られた粉砕物をサイクロン分級にて分級し、バグフィルターに捕集することにより、目的とする石油コークス微粉砕物を得た。得られた微粉砕物を実施例1と同様に評価した。そのときの粉砕条件及び評価結果を表2に示す。
また、得られた微粉砕物の比表面積を、以下の方法により測定した。結果を表2に示す。
(比表面積)
微粉砕物の表面に吸着している分子を取り除くため150℃で10時間の真空加熱乾燥を行った後、乾燥試料についてBET比表面積を求め、比表面積とした。
なお、実施例2においては、得られた石油コークス微粉砕物を、走査型電子顕微鏡(電界放射走査電子顕微鏡、日本電子(株)製JSM6340F)を用い、加速電圧5kVで二次電子像の撮影を行うことで、画像分析も行った。1000倍拡大した観察画像を図1に、5000倍拡大した観察画像を図2に、20000倍拡大した観察画像を図3にそれぞれ示す。
次いで、得られた粉砕物を用いて実施例1と同様にして各ゴム配合物を調製し、実施例1と同様に得られた各ゴム配合物の性状を評価した。得られたゴム配合物の配合比およびその評価結果を表3に示す。
(比較例1)
石油コークス微粉砕物に代えて炭酸カルシウム(神島化学工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして各ゴム配合物を調製し、実施例1と同様に得られた各ゴム配合物の性状を評価した。得られたゴム配合物の配合比およびその評価結果を表3に示す。
表2および表3より、実施例1〜実施例2においては、ゴム成分としてスチレンーブタジエン共重合体ゴムを採用するとともに、平均粒子径(D50)が0μmを超え50μm以下である安価な石油コークス微粉砕物を用いてゴム配合物を調製していることから、コストの上昇を抑制しつつも、得られるゴム配合物の引張強度が高く、また、伸びが優れるために、特にタイヤトレッド等のタイヤ部材に使用したときに耐久性を効果的に向上させ得るものであることが分かる。
一方、表3より、比較例1においては、石油コークス微粉砕物に代えて炭酸カルシウムを用いてゴム配合物を調製していることから、得られるゴム配合物の引張強度が低く、耐久性に劣るために、タイヤトレッド等の実用に供し難いものであることが分かる。
本発明によれば、コストの上昇を抑制しつつ、特にタイヤトレッド等のタイヤ部材に使用したときに耐久性を効果的に向上させるゴム配合物を提供することができる。

Claims (4)

  1. スチレンーブタジエン共重合体ゴムに対し、平均粒子径(D50)が0μmを超え50μm以下である石油コークス微粉砕物を配合してなることを特徴とするゴム配合物。
  2. 前記石油コークス微粉砕物が、原油の常圧蒸留残渣油または減圧蒸留残渣油を熱分解して得られるコークスを粉砕してなるものである請求項1に記載のゴム配合物。
  3. 前記スチレンーブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、前記石油コークス微粉砕物を1〜500質量部配合してなる請求項1または請求項2に記載のゴム配合物。
  4. 前記ゴム配合物がタイヤ部材用である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のゴム配合物。







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