JP2017014436A - 複合金属酸化物研磨材料の製造方法及び複合金属酸化物研磨材料 - Google Patents

複合金属酸化物研磨材料の製造方法及び複合金属酸化物研磨材料 Download PDF

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Abstract

【課題】製造プロセスが簡便で、特殊な設備を導入することなく、研磨特性(研磨速度等)に優れるセリウムフリーの研磨材料を低コストで得るための製造方法を提供すること。また、良好な研磨特性を有し、かつ製造コストの削減を実現することが可能なセリウムフリーの研磨材料を提供すること。【解決手段】ストロンチウム化合物、チタン化合物及びジルコニウム化合物を混合する混合工程と、該混合工程により得られた混合物を焼成する焼成工程とを含み、該チタン化合物に含まれる硫黄化合物のSO3換算量が、該チタン化合物のTiO2換算量100重量部に対し、2.0重量部以下である複合金属酸化物研磨材料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、複合金属酸化物研磨材料の製造方法及び複合金属酸化物研磨材料に関する。
レンズやプリズム等、高い透明性と精度を要求される精密な光学ガラス製品の研磨には、酸化セリウム系の研磨材が用いられている。この研磨材は、いわゆるレアアース(希土類)を多く含む鉱物を焼成して粉砕することによって製造される。
しかしながら、レアアースはその需要が増大し、供給が不安定になっていることから、セリウムの使用量を低減させる技術と代替材料の開発が望まれている。このような代替研磨材として、特許文献1にはペロブスカイト型酸化物が研磨材として好適である旨が開示され、特許文献2には鉄系ペロブスカイト型の研磨材が開示され、特許文献3にはジルコニウム系ペロブスカイト型の研磨材が開示されている。
特開2001−107028号公報 特開2012−122042号公報 特開2013−82050号公報
しかしながら、特許文献1に開示された研磨材を用いてガラス研磨を行った場合、研磨後のガラスは平滑な表面が得られるものの、研磨速度が低いという課題があった。
また特許文献2に記載の研磨材は、噴霧熱分解法で製造されており、製造に特殊な設備と多大な時間を要するため大量生産に適していないことや、ニッケルやコバルト等のレアメタルを使用するため、酸化セリウムと同様の供給不安が懸念される等の課題があった。特許文献3に記載の研磨材も噴霧熱分解法で製造されており、大量生産には適していない。
本発明は、上記現状に鑑み、製造プロセスが簡便で、特殊な設備を導入することなく、研磨特性(研磨速度等)に優れるセリウムフリーの研磨材料を低コストで得るための製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、良好な研磨特性を有し、かつ製造コストの削減を実現することが可能なセリウムフリーの研磨材料を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を進めていたところ、ストロンチウム化合物とジルコニウム化合物とを混合・焼成して研磨材料を得る際に、ジルコニウムに比べて、地表付近に存在する元素の割合(クラーク数)が高く、かつ資源として豊富に存在するチタン原子を含むチタン化合物を併用すれば、安定供給が可能で、しかも原料コストが削減されることに着目した。だが、これまでの研磨材料の製法では、原料にチタン化合物を用いた場合は研磨特性の良い研磨材が得られなかったため、検討を進めたところ、その要因が、原料チタン化合物に含まれる硫黄化合物の含有量にあることを新たに見いだした。通常、チタン化合物は硫酸法で得られるため、積極的に除去しない限り硫黄化合物を多く含むが、本発明者らは、この硫黄化合物の含有量が、ストロンチウム化合物及びジルコニウム化合物との混合・焼成後の研磨特性に影響を与えることを見いだした。原因は定かではないが、チタン化合物における硫黄化合物の含有量が、研磨材料の結晶性に影響を与えることが原因の一つとして推測される。そこで、硫黄化合物の含有量が所定範囲にあるチタン化合物を準備し、これをストロンチウム化合物及びジルコニウム化合物と混合・焼成すると、ジルコニウム化合物の使用量を低減して製造コストの削減を実現しながらも、高レベルの研磨特性(研磨速度等)を有する研磨材料を簡便に与えることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ストロンチウム化合物、チタン化合物及びジルコニウム化合物を混合する混合工程と、該混合工程により得られた混合物を焼成する焼成工程とを含み、該チタン化合物に含まれる硫黄化合物のSO換算量が、該チタン化合物のTiO換算量100重量部に対し、2.0重量部以下である複合金属酸化物研磨材料の製造方法である。
上記ストロンチウム化合物は、炭酸ストロンチウム及び水酸化ストロンチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。炭酸ストロンチウム及び水酸化ストロンチウムは、チタン化合物やジルコニウム化合物との反応が容易に進行して、ペロブスカイト型化合物(SrTiOやSrZrO)を生成しやすいため、生産性がより一層向上される。
上記チタン化合物は、酸化チタン及び水酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。酸化チタン及び水酸化チタンは、反応性が高いため、研磨特性がより良好な研磨材料を与えることができる他、容易に入手できるため、安定供給の点でも優れている。
上記ジルコニウム化合物は、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらは反応性が高いため、研磨特性がより良好な研磨材料を与えることができる。
本発明はまた、ZrOの結晶相とSrTiOの結晶相とを少なくとも含む複合金属酸化物研磨材料であって、該研磨材料に含まれる硫黄化合物のSO換算量が、該研磨材料に含まれるチタン化合物のTiO換算量100重量部に対し、5重量部以下である複合金属酸化物研磨材料でもある。
上記研磨材料は、線源としてCuKα線を用いたX線回折における立方晶SrTiOの(110)面に由来するピークの半価幅が0.1〜3.0°であることが好ましい。これにより、化学研磨作用を効果的に発揮するSrTiOの結晶性が程よくなり、化学研磨作用をより充分に発揮することができるため、研磨特性がより良好な研磨材料となる。
上記複合金属酸化物研磨材料は、更にSrZrOの結晶相を含むことが好ましい。また、更にTiOの結晶相を含むことも好ましい。このようにZrO、SrTiO及びSrZrOの結晶相を含む研磨材料、並びに、ZrO、SrTiO及びTiOの結晶相を含む研磨材料は、優れた研磨特性を発揮しながらも、製造コストの削減を実現することができる。
本発明の複合金属酸化物研磨材料の製造方法により、セリウムフリーの研磨材料において良好な研磨特性を有する研磨材料を低コストで製造することができる。この本発明の製造方法は、固相反応法により行われるため、噴霧熱分解法よりも製造プロセスが簡便となり、特殊な設備を導入することなく、より低コストでの製造が可能となる他、原料コストも削減できる。また、本発明の複合金属酸化物研磨材料は、良好な研磨特性を示すことができ、しかも近年のレアアース供給不足にも充分に対応できるため、工業的に極めて有利な材料といえる。
図1は、実施例1で得た研磨材料のX線回折パターンである。 図2は、実施例2で得た研磨材料のX線回折パターンである。 図3は、実施例3で得た研磨材料のX線回折パターンである。 図4は、実施例5で得た研磨材料のX線回折パターンである。 図5は、比較例2で得た研磨材料のX線回折パターンである。 図6は、実施例4及び比較例2に係る各混合粉(混合物の乾燥物)について、示差熱測定を行った結果を示すグラフである。 図7は、実施例4及び比較例2に係る各混合粉(混合物の乾燥物)について、熱重量測定を行った結果を示すグラフである。
〔複合金属酸化物研磨材料の製造方法〕
本発明の複合金属酸化物研磨材料の製造方法(「本発明の製造方法」とも称す)は、ストロンチウム化合物、チタン化合物及びジルコニウム化合物を混合する混合工程と、該混合工程により得られた混合物を焼成する焼成工程とを含む。使用される原料からも分かるように、本発明の製造方法は、固相反応法により行われるため、噴霧熱分解法よりも製造プロセスが簡便となり、特殊な設備を導入することなく低コストでの製造が可能となる。
−原料−
まず本発明の製造方法の原料化合物について説明する。
(i)ストロンチウム化合物
ストロンチウム化合物は、ストロンチウム原子を含む化合物である限り特に限定されないが、中でも、炭酸ストロンチウム及び水酸化ストロンチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。炭酸ストロンチウム及び水酸化ストロンチウムは、酸化ジルコニウムとの反応が容易に進行して、ジルコン酸ストロンチウム(SrZrO)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO)を生成しやすい。
(ii)チタン化合物
本発明の製造方法では、チタン化合物として、これに含まれる硫黄化合物のSO換算量が、該チタン化合物のTiO換算量100重量部に対し、2.0重量部以下である化合物を用いる。硫黄化合物の含有量がこの範囲にあるチタン化合物を原料として用いることで、原料コストの高いジルコニウム化合物の使用量を低減しながらも、研磨特性が極めて良好な研磨材料を与えることができる。硫黄化合物の含有量(SO換算量)は、好ましくは1.5重量部以下、より好ましくは1.1重量部以下、更に好ましくは0.5重量部以下、特に好ましくは0.3重量部以下である。
硫黄化合物の含有量が所定範囲にあるチタン化合物としては、市販品を用いてもよいし、製造してもよい。製造する場合、例えば、通常の製法(例えば、硫酸法等)でチタン化合物を得た後、焼成を行うことが好ましい。硫黄化合物の含有量が上述した範囲になる限り焼成条件は特に限定されないが、例えば、焼成温度は200〜1300℃とすることが好ましい。より好ましくは300〜1200℃である。焼成温度での保持時間も特に限定されないが、例えば、製造効率等を考慮すると、5分〜24時間であることが好ましい。
また、通常の製法(例えば、硫酸法等)でチタン化合物を得た後、アルカリ洗浄を行うことによっても、硫黄化合物の含有量が所定範囲にあるチタン化合物を簡便に得ることができる。硫黄化合物の含有量が上述した範囲になる限り洗浄条件は特に限定されないが、例えば、チタン化合物を、アンモニア水溶液や水酸化ナトリウム等のアルカリ性の溶液にリパルプし、水洗することが好ましい。
ここで、上述のとおりチタン化合物中の硫黄化合物の含有量を低減する手段の一つとして、チタン化合物を焼成することが挙げられるが、ストロンチウム化合物及びジルコニウム化合物と混合した後の焼成工程を行うだけでは、研磨特性が良好な研磨材料は得られない。これは、ストロンチウム化合物等との混合系で焼成を行った場合、チタン化合物中の硫黄化合物の含有量が充分に低減されないことに起因すると考えられる。したがって、本発明の製造方法では、硫黄化合物の含有量が所定範囲にまで低減されたチタン化合物を、ストロンチウム化合物及びジルコニウム化合物との混合工程及びその後の焼成工程に供することが重要である。なお、本発明の製造方法として特に好ましくは、チタン化合物を焼成及び/又はアルカリ洗浄する工程と、該焼成及び/又はアルカリ洗浄後のチタン化合物、ストロンチウム化合物及びジルコニウム化合物を混合する混合工程と、該混合工程により得られた混合物を焼成する焼成工程とを含むことである。
上記チタン化合物は、チタン原子を含み、硫黄化合物の含有量が上述した範囲にある化合物であれば特に限定されないが、中でも、酸化チタン及び/又は水酸化チタンが好ましい。これらは反応性が高いため、研磨特性がより良好な研磨材料を与えることができる他、容易に入手できるため、安定供給の点でも優れている。
例えば、チタン化合物として酸化チタン(TiO)を用いる場合、硫黄化合物の含有量が上述した範囲にある限り、その製法、形状、結晶型、粒子径等は特に限定されない。例えば、酸化チタンの製法として塩素法を用いてもよいし、硫酸法を用いてもよいが、これらの製法で酸化チタンを得た後に、上述のとおり焼成及び/又はアルカリ洗浄することが好ましい。結晶型は、ルチル型であってもよいし、アナタース型であってもよいし、ブルカイト型であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
上記チタン化合物は、その比表面積が0.1〜300m/gであることが好ましい。比表面積がこの範囲にあると、程よい結晶性のSrTiO相を効率よく生成しやすくなる。例えば、チタン化合物の比表面積が0.1m/g以上であると、ストロンチウム化合物との反応性がより高まり、また、300m/g以下であると、ストロンチウム化合物との反応制御が容易になるので、いずれの場合も研磨特性の良好な複合金属酸化物研磨材料が得られやすい。より好ましくは0.3〜280m/g、更に好ましくは0.5〜260m/gである。
上記チタン化合物は、線源としてCuKα線を用いたX線回折における2θ=24.00〜28.00°での最大ピークの半価幅が0.1〜3.0°であることが好ましい。半価幅が3.0°を超えると、得られる複合金属酸化物研磨材料に含まれるSrTiOの結晶性が充分ではなくなり、SrTiOに由来する化学研磨作用がより充分に得られないことがある。また、半価幅が0.1°未満では、原料とするチタン化合物(例えば、TiO)の結晶性が高く、ストロンチウム化合物との反応が起こりにくくなるため、研磨速度がより良好な複合金属酸化物研磨材料が得られないことがある。より好ましくは0.1〜1.0°である。
(iii)ジルコニウム化合物
ジルコニウム化合物は、ジルコニウム原子を含む化合物である限り特に限定されないが、中でも、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。これらは反応性が高く、しかも研磨特性がより良好な研磨材料を与えることができる。
上記ジルコニウム化合物は、その比表面積が0.1〜250m/gであることが好ましい。比表面積がこの範囲にあると、程よい結晶性のSrZrO相を効率よく生成しやすくなる。例えば、ジルコニウム化合物の比表面積が0.1m/g以上であると、ストロンチウム化合物との反応性がより高まり、また、250m/g以下であると、ストロンチウム化合物との反応制御が容易になるので、いずれの場合も研磨特性の良好な複合金属酸化物研磨材料が得られやすい。より好ましくは0.3〜240m/g、更に好ましくは0.5〜230m/gである。
本明細書中、比表面積(SSAとも称する)は、BET比表面積を意味する。
BET比表面積とは、比表面積の測定方法の一つであるBET法により得られた比表面積のことをいう。なお、比表面積とは、ある物体の単位質量あたりの表面積のことをいう。
BET法は、窒素などの気体粒子を固体粒子に吸着させ、吸着した量から比表面積を測定する気体吸着法である。具体的には、圧力Pと吸着量Vとの関係からBET式によって、単分子吸着量VMを求めることにより、比表面積を定める。
−混合工程−
次に、混合工程について説明する。
混合工程は、ストロンチウム化合物、チタン化合物及びジルコニウム化合物を混合する工程である。混合する際の原料の割合は特に限定されないが、ストロンチウム化合物とジルコニウム化合物との反応よりも、ストロンチウム化合物とチタン化合物との反応が進行しやすいことを考慮して設定することが好ましい。例えば、酸化物換算の重量比で、SrO:TiO=98:2〜2:98とすることが好ましく、より好ましくは95:5〜50:50である。また、SrOとTiOとの総量:ZrO=10:90〜90:10とすることが好ましく、より好ましくは30:70〜60:40である。
ここで、原料のストロンチウム化合物とチタン化合物との割合は、所望の研磨材料の組成によって適宜設定することが好適である。
例えば、ストロンチウム化合物とチタン化合物との使用量を、酸化物としてのモル数でほぼ同量(SrO≒TiO)とすれば、SrTiO及びZrOの結晶相を含む研磨材料を好適に得ることができる。
ストロンチウム化合物とチタン化合物との使用量を、酸化物としてのモル数でSrOをTiOを超える量(SrO>TiO)とすれば、SrTiO、SrZrO及びZrOの結晶相を含む研磨材料を好適に得ることができる。
ストロンチウム化合物とチタン化合物との使用量を、酸化物としてのモル数でTiOをSrOを超える量(SrO<TiO)とすれば、SrTiO、ZrO及びTiOの結晶相を含む研磨材料を好適に得ることができる。
中でも、研磨特性がより良好な研磨材料を得るには、ストロンチウム化合物とチタン化合物との使用量を、酸化物としてのモル数でSrO:TiO=1:0.07〜1:1.3とすることが好ましい。この場合、酸化物換算の重量でSrO:TiO=95:5〜50:50とすることが好ましい。
混合の方法は特に限定されず、湿式混合であっても、乾式混合であってもよいが、混合性の観点から、湿式混合が望ましい。湿式混合に用いる分散媒としては、特に限定されず、水や低級アルコールを用いることができるが、製造コストの観点から水が好ましく、イオン交換水がより好ましい。湿式混合の場合、ボールミルやペイントコンディショナー、サンドグラインダーを用いてもよい。また、分散媒を除去するために湿式混合に続いて乾燥工程を行うことが好ましい。
なお、チタン化合物及びジルコニウム化合物は、合成で得たケーキ状で混合工程に供することもできる。
−乾燥工程−
上記混合工程の後、必要に応じて乾燥工程を行ってもよい。
乾燥工程では、混合工程で得られたスラリーから分散媒を除去して乾燥させる。スラリーを乾燥させる方法は、混合時に用いた分散媒を除去できれば特に限定されず、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥等が挙げられる。また、スラリーをそのまま乾燥してもよく、濾過してから乾燥してもよい。
なお、混合物の乾燥物を乾式粉砕してもよい。
−焼成工程−
続いて、焼成工程について説明する。
焼成工程では、混合工程により得られた原料混合物(更に乾燥工程を経て得られた乾燥物であってもよい)を焼成する。これにより、複合金属酸化物研磨材料を得ることができる。焼成工程では、原料混合物をそのまま焼成してもよいし、所定の形状(例えばペレット状)に成型してから焼成してもよい。焼成雰囲気は特に限定されない。焼成工程は1回だけ行ってもよく、2回以上行ってもよい。また、焼成工程の前及び/又は後に700℃未満で焼成する予備焼成及び/又は後焼成を行ってもよい。
上記焼成工程における焼成温度は、原料の反応に充分な温度であればよいが、700℃以上、1500℃以下であることが好ましい。焼成温度が700℃以上であると、反応がより充分に進むとともに、ジルコニウム化合物が酸化ジルコニウムとして結晶化しやすくなり、また、焼成温度が1500℃以下であると、生成した焼成物が激しく焼結することが充分に抑制されるため、いずれの場合も研磨特性をより一層高めることができる。焼成温度の下限は、より好ましくは750℃以上、更に好ましくは800℃以上、特に好ましくは850℃以上、一層好ましくは900℃以上、最も好ましくは930℃以上である。また、上限は、より好ましくは1300℃以下、更に好ましくは1200℃以下である。
本明細書中、焼成工程における焼成温度とは、焼成工程での最高到達温度を意味する。
上記焼成温度での保持時間は、原料の反応に充分な時間であればよい。例えば、5分〜24時間であることが好ましい。保持時間がこの範囲内であると反応がより充分に進み、また保持時間が24時間以下であると、生成した焼成物が激しく焼結することが充分に抑制されるため、研磨特性をより高めることができる。より好ましくは7分〜22時間、更に好ましくは10分〜20時間である。
上記焼成工程では、最高温度(焼成温度)に達するまでの昇温時の昇温速度を0.2〜15℃/分とすることが好ましい。昇温速度が0.2℃/分以上であると昇温にかかる時間が長時間となり過ぎることがないので、エネルギーと時間の浪費を充分に抑制でき、また、15℃/分以下であると、炉内容物の温度が設定温度に充分に追随でき、焼成むらがより充分に抑制される。より好ましくは0.5〜12℃/分、更に好ましくは1.0〜10℃/分である。
−粉砕工程−
上記焼成工程の後、必要に応じて粉砕工程を行ってもよい。
粉砕工程では、焼成工程により得られた焼成物を粉砕する。粉砕方法及び粉砕条件は特に限定されず、例えば、ボールミルやライカイ機、ハンマーミル、ジェットミル等を用いてもよい。
〔複合金属酸化物研磨材料〕
続いて、本発明の複合金属酸化物研磨材料について説明する。
本発明の複合金属酸化物研磨材料(以下、単に「研磨材料」とも略す)は、上述した本発明の製造方法によって得ることが好ましい。
ここで、本発明の製造方法で得られる研磨材料、及び、本発明の研磨材料は、セリウムを実質的に含まないこと、すなわちセリウムフリーであることが好ましい。具体的には、研磨材料の総量100質量%中のセリウム化合物(セリウム原子を含む化合物)の含有量が、3質量%以下であることが好ましい。より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
本発明の研磨材料は、ZrOの結晶相とSrTiOの結晶相とを少なくとも含む。ZrOの結晶相が機械研磨作用を担い、SrTiOの結晶相が化学研磨作用を担うことで、良好な研磨特性を示すことができる。
上記研磨材料はまた、更にSrZrOの結晶相を含む形態、又は、更にTiOの結晶相を含む形態であることも好適である。SrTiOの結晶相に加えてSrZrOの結晶相を含むことで、化学研磨作用がより発揮され、また、ZrOの結晶相に加えてTiOの結晶相を含むことで、機械研磨作用がより発揮されるため、いずれの形態でも、良好な研磨特性を示すことができる。
上記研磨材料として特に好ましくは、ZrOとSrTiOとの複合体、ZrOとSrTiOとSrZrOとの複合体、及び/又は、ZrOとTiOとSrTiOとの複合体である。これらの組成からなる複合体であることで、ZrOとSrZrOとの複合体とほぼ同等レベルの優れた研磨特性を発揮しながらも、原料ジルコニウム化合物の使用量を低減して製造コストの削減を実現することができる。
ここで、例えば、ZrOとSrTiOとの複合体とは、ZrOとSrTiOとのそれぞれの一次粒子が部分的に焼結して形成された二次粒子のことを言い、当該複合体についてエネルギー分散X線分光法(EDS)による元素マッピングを行えば、SrとTiが検出される一次粒子とZrのみが検出される一次粒子とが、二次粒子を形成している様子が観察される。他の複合体についても同様である。
上記研磨材料は、該研磨材料に含まれる硫黄化合物(より具体的には、該研磨材料の結晶中に取り込まれている硫黄化合物)のSO換算量が、該研磨材料に含まれるチタン化合物のTiO換算量100重量部に対し、5重量部以下となるものである。硫黄化合物の含有量がこの範囲にあると、研磨特性が極めて良好な研磨材料となる。当該硫黄化合物の含有量として好ましくは4重量部以下、より好ましくは3重量部以下、更に好ましくは2重量部以下、一層好ましくは1重量部以下、特に好ましくは0.9重量部以下である。
上記研磨材料は、線源としてCuKα線を用いたX線回折における立方晶SrTiOの(110)面に由来するピークの半価幅が0.1〜3.0°であることが好ましい。半価幅がこの範囲にあると、化学研磨作用を効果的に発揮するSrTiOの結晶性が程よくなるため、化学研磨作用を充分に発揮することができる。なお、半価幅が3.0°を超えると、SrTiOの結晶性が充分ではなくなり、半価幅が0.1°未満であると、SrTiOの結晶性が高くなり過ぎるため、いずれの場合も、SrTiOに由来する化学研磨作用が充分に得られない。より好ましくは0.1〜1.0°、更に好ましくは0.1〜0.7°、特に好ましくは0.1〜0.4°である。
上記研磨材料が更にSrZrOの結晶相を含む場合、線源としてCuKα線を用いたX線回折における斜方晶SrZrOの(040)面に由来するピークの半価幅は、0.1〜3.0°であることが好ましい。半価幅がこの範囲にあると、化学研磨作用を効果的に発揮するSrZrOの結晶性が程よくなるため、化学研磨作用を充分に発揮することができる。より好ましくは0.1〜1.0°、更に好ましくは0.1〜0.7°、特に好ましくは0.1〜0.65°である。
上記研磨材料は、体積基準粒度分布のシャープさの指標となるD90のD10に対する比(D90/D10)が1.5〜50であることが好ましい。D90/D10が50を超える場合、粒子径のバラツキが大きすぎるため、研磨材料と研磨対象となる物体との接触が充分に得られず、研磨特性が充分とはならないことがある。D90/D10が1.5未満の場合、粒子径のバラツキが小さすぎるため、研磨材料と研磨対象となる物体との接触が充分に得られず、研磨特性が充分とはならないことがある。
なお、D90/D10が大きい程、粒度分布がブロードであることを意味し、この値が小さい程、粒度分布がシャープであることを意味する。
10、D90はそれぞれ、粒度分布を測定することにより得られる値である。D10とは体積基準での10%積算粒径を意味し、D90とは体積基準での90%積算粒径を意味する。
上記研磨材料は、SrがSrO換算で10〜50重量%含まれることが好ましい。Sr含有量がSrO換算で10重量%未満の場合、SrTiOやSrZrOの含有量が低下し、化学研磨作用が充分に得られないことがある。また、Sr含有量がSrO換算で50重量%を超える場合、ZrOの含有量が相対的に低下し、機械研磨作用が充分に得られないことがある。より好ましくは11〜48重量%、更に好ましくは12〜47重量%である。
上記研磨材料は、比表面積が1.0〜50m/gであることが好ましい。比表面積が1.0m/g未満の場合、研磨材料の比表面積が小さすぎて、研磨対象となる物体と充分に接触できず、充分に研磨できないことがある。また、比表面積が50m/gを超える場合には、研磨材料を構成する砥粒が小さすぎて、機械研磨作用が充分に得られないことがある。より好ましくは1.0〜45m/g、更に好ましくは1.0〜40m/gである。
上記研磨材料は、各種の研磨対象に適用できる。例えば、従来、酸化セリウム、酸化クロム及びベンガラ(Fe)等が研磨材料として用いられていた研磨対象に適用できる。研磨対象は特に限定されず、例えば、ガラス基板、金属板、石材、合成樹脂類、サファイア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、ヒ化インジウム、及びリン化インジウム等が挙げられる。
上記研磨材料は、用途に応じて、適宜他の成分と混合して使用してもよい。例えば、分散媒と混合してもよいし、添加剤と混合してもよいし、分散媒及び添加剤を同時に混合してもよい。分散媒及び/又は添加剤と混合した際の形態は特に限定されず、例えば、粉末状、ペースト状、スラリー状等の形態で使用することができる。
分散媒としては特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒及びこれらの混合物等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。有機溶媒としては、例えば、アルコール、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられ、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等の1価の水溶性アルコール;エチレングリコール、グリセリン等の2価以上の水溶性アルコール;等が挙げられる。分散媒として好ましくは水であり、より好ましくはイオン交換水である。
添加剤としては特に限定されず、例えば、酸、アルカリ、pH調整剤、キレート化剤、消泡剤、分散剤、粘度調整剤、凝集防止剤、潤滑剤、還元剤、防錆剤、公知の研磨材料等が挙げられる。本発明の効果を妨げない範囲でこれらを1種又は2種以上併用してもよい。
本発明を詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
(1)Zr原料準備工程
オキシ塩化ジルコニウム8水和物(昭和化学株式会社製)3.0kgを、イオン交換水6.7Lに撹拌しながら溶解させた。この溶液を撹拌しながら25℃に調整し、この温度を維持しながら、180g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を、pH9.5になるまで1時間かけて撹拌しながら添加し、更に1時間撹拌した。このスラリーをろ過水洗し、洗液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで水洗することにより、水酸化ジルコニウムケーキを得た。
(2)混合工程
Sr原料として炭酸ストロンチウム(堺化学工業株式会社製:SW−P−N)26.1gと、Ti原料としてアナタース型の酸化チタン(堺化学工業株式会社製:SSP−M)1.5gと、Zr原料として「(1)Zr原料準備工程」により得られた水酸化ジルコニウムケーキを酸化ジルコニウム換算で31.3gとなるように300mLマヨネーズ瓶に計り取り、イオン交換水172mLと1mmφジルコニアビーズ415gを添加してペイントコンディショナー(レッドデビル社製:5110型)を用いて、30分間混合した。
(3)乾燥工程
上記「(2)混合工程」により得られたスラリーを、400メッシュ(目開き38μm)の篩にかけてジルコニアビーズを除去し、続いて濾過して得られた混合物のケーキを120℃の温度で充分に乾燥することにより混合物の乾燥物を得た。
(4)焼成工程
上記「(3)乾燥工程」により得られた混合物の乾燥物のうち30gを、外径55mm、容量60mLのアルミナ製るつぼに入れて、電気マッフル炉(ADVANTEC社製、KM−420)を用いて焼成し、焼成物を得た。焼成条件は、室温から950℃まで285分間かけて昇温し、950℃で180分間保持し、その後ヒーターへの通電を中止し室温まで冷却した。なお、焼成は大気中で行った。
(5)粉砕工程
上記「(4)焼成工程」により得られた焼成物を10g、自動乳鉢(ライカイ機)(日陶科学株式会社製:ANM−150)に仕込み、10分間粉砕することにより、複合金属酸化物研磨材料を得た。
実施例2
実施例1の「(2)混合工程」において、Ti原料及びZr原料の使用量を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、複合金属酸化物研磨材料を得た。
実施例3
(1)Zr原料準備工程
オキシ塩化ジルコニウム8水和物(昭和化学株式会社製)3.0kgを、イオン交換水6.7Lに撹拌しながら溶解させた。この溶液を撹拌しながら25℃に調整し、この温度を維持しながら、180g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を、pH9.5になるまで1時間かけて撹拌しながら添加し、更に1時間撹拌した。このスラリーをろ過水洗し、洗液の電気伝導度が100μS/cm以下になるまで水洗することにより、水酸化ジルコニウムケーキを得た。
この水酸化ジルコニウムケーキ500gを120℃の温度で充分に乾燥した。次いで得られた乾燥品のうち40gを、外径55mm、容量60mLのアルミナ製るつぼに入れて、電気マッフル炉(ADVANTEC社製、KM−420)を用いて焼成し、酸化ジルコニウムを得た。焼成条件は、室温から800℃まで240分間かけて昇温し、800℃で300分間保持し、その後ヒーターへの通電を中止し室温まで冷却した。なお、焼成は大気中で行った。
(2)混合工程
Sr原料として炭酸ストロンチウム(堺化学工業株式会社製:SW−P−N)32.3gと、Ti原料としてアナタース型の酸化チタン(堺化学工業株式会社製:SSP−M)18.3gと、Zr原料として上記「(1)Zr原料準備工程」により得られた酸化ジルコニウム27.0gを300mLマヨネーズ瓶に計り取り、イオン交換水172mLと1mmφジルコニアビーズ415gを添加してペイントコンディショナー(レッドデビル社製:5110型)を用いて、30分間混合した。
(3)乾燥工程
上記「(2)混合工程」により得られたスラリーを、400メッシュ(目開き38μm)の篩にかけてジルコニアビーズを除去し、続いて濾過して得られた混合物のケーキを120℃の温度で充分に乾燥することにより混合物の乾燥物を得た。
(4)焼成工程
上記「(3)乾燥工程」により得られた混合物の乾燥物のうち30gを、外径55mm、容量60mLのアルミナ製るつぼに入れて、電気マッフル炉(ADVANTEC社製、KM−420)を用いて焼成し、焼成物を得た。焼成条件は、室温から950℃まで285分間かけて昇温し、950℃で180分間保持し、その後ヒーターへの通電を中止し室温まで冷却した。なお、焼成は大気中で行った。
(5)粉砕工程
上記「(4)焼成工程」により得られた焼成物を10g、自動乳鉢(ライカイ機)(日陶科学株式会社製:ANM−150)に仕込み、10分間粉砕することにより、複合金属酸化物研磨材料を得た。
実施例4〜5
実施例3の「(2)混合工程」において、Zr原料の使用量を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、複合金属酸化物研磨材料を得た。
比較例1
実施例3の「(2)混合工程」における炭酸ストロンチウムの使用量及び酸化チタンの使用量を0gとし(すなわち、炭酸ストロンチウム及び酸化チタンを使用しなかった)、酸化ジルコニウムの使用量を表1に記載のとおりにしたこと以外は、実施例3と同様の手順を行うことで、ZrOの結晶相のみを有する比較用研磨材料を得た。
比較例2
実施例3の「(2)混合工程」において、Ti原料としてアナタース型の酸化チタン(堺化学工業株式会社製:CSP−M)を用い、このTi原料及びZr原料の使用量を表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、比較用研磨材料を得た。
Figure 2017014436
<性能評価>
以下の手順により、各実施例及び比較例で作製した研磨材料及びその原料の性能を評価した。
(i)半価幅の測定
Zr原料、Ti原料及び研磨材料の各々について、以下の条件により粉末X線回折パターン(単にX線回折パターンともいう)を測定した。
使用機:株式会社リガク製 RINT−UltimaIII
線源:CuKα
電圧:40kV
電流:40mA
試料回転速度:回転しない
発散スリット:1.00mm
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
走査モード:FT
計数時間:2.0秒
ステップ幅:0.0200°
操作軸:2θ/θ
走査範囲:10.0000〜70.0000°
積算回数:1回
単斜晶ZrO:JCPDSカード 00−037−1484
正方晶ZrO:JCPDSカード 00−050−1089
立方晶ZrO:JCPDSカード 00−049−1642
アナタース型TiO:JCPDSカード 00−021−1272
ルチル型TiO:JCPDSカード 00−021−1276
ブルカイト型TiO:JCPDSカード 00−029−1360
斜方晶SrZrO:JCPDSカード 00−044−0161
立方晶SrTiO:JCPDSカード 00−035−0734
その後、各実施例及び比較例で得た研磨材料のX線回折の測定により得られた回折パターンから、斜方晶SrZrO(040)半価幅、及び、立方晶SrTiO(110)半価幅を測定した。結果を表2及び3に示す。なお、実施例1〜3、5及び比較例2で得た研磨材料の各X線回折パターンを図1〜5に示す。
ここで、線源としてCuKα線を用いたX線回折において、
単斜晶ZrOの最大ピークである(−111)面に由来するピークは2θ=28.14°付近にあり、
正方晶ZrOの最大ピークである(011)面に由来するピークは2θ=30.15°付近にあり、
立方晶ZrOの最大ピークである(111)面に由来するピークは2θ=30.12°付近にあり、
アナタース型TiOの最大ピークである(101)面に由来するピークは2θ=25.27°付近にあり、
ルチル型TiOの最大ピークである(110)面に由来するピークは2θ=27.45°付近にあり、
ブルカイト型TiOの最大ピークである(120)面に由来するピークは2θ=25.34°付近にあり、
斜方晶SrZrOの(040)面に由来するピークは2θ=44.04°付近にあり、
立方晶SrTiOの(110)面に由来するピークは2θ=32.37°付近にある。
(ii)元素分析
Ti原料(チタン化合物)及び研磨材料の各々について、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製:型番 ZSX PrimusII)の含有元素スキャニング機能であるEZスキャンにより元素分析を行った。
具体的には、測定サンプル台にプレスしたサンプルをセットし、次の条件を選択(測定範囲:F−U、測定径:30mm、試料形態:酸化物、測定時間:長い、雰囲気:真空)することで、Ti原料中のSO含有量、並びに、研磨材料中のSr含有量(SrO換算)、Ti含有量(TiO換算)及びSO含有量を測定した。結果を表2及び3に示す。これらの含有量が検出限界値未満の場合、表では「N.D.」と表記した。
このようにして求めたTi原料中のSO含有量に基づき、Ti原料のTiO換算量100重量部に対するSOの含有量(重量部)を算出した。これを表2の「SO ※1(重量部)」欄に示す。
また、上記のようにして求めた研磨材料中のSO含有量(表3)に基づき、研磨材料に含まれるチタン化合物のTiO換算量100重量部に対するSOの含有量(重量部)を算出した。これを表3の「SO ※2(重量部)」欄に示す。
(iii)比表面積の測定
Ti原料(チタン化合物)、Zr原料(ジルコニウム化合物)及び研磨材料の各々について、以下の条件により比表面積(SSA)の測定を行った。結果を表2及び3に示す。
使用機:株式会社マウンテック社製 Macsorb Model HM−1220
雰囲気:窒素ガス(N
外部脱気装置の脱気条件:200℃−15分
比表面積測定装置本体の脱気条件:200℃−5分
(iv)粒度分布のシャープさ(D90/D10
研磨材について、レーザー回折・散乱式粒度分析計(日機装株式会社製:型番 マイクロトラックMT3300EX)により粒度分布測定を行った。結果を表3に示す。
まず、研磨材料0.1gにイオン交換水60mLを加え、ガラス棒を用いて室温にてよく撹拌することにより、研磨材料の懸濁液を準備した。なお、超音波を用いた分散操作は行わなかった。この後、イオン交換水180mLを試料循環器に準備し、透過率が0.71〜0.94になるように上記懸濁液を滴下して、流速50%にて、超音波分散をさせずに循環させながら測定を行った。
(v)研磨材料の示差熱・熱重量測定
実施例4の「(3)乾燥工程」で得た混合物の乾燥物、及び、比較例2の「(3)乾燥工程」で得た混合物の乾燥物のそれぞれについて、130℃で12時間乾燥させた後に、示差熱・熱重量測定(TG/DTA)を行った。具体的には、以下の条件により示差熱・熱重量測定(TG/DTA)を行った。測定結果を図6及び7に示す。
測定機:株式会社リガク製、示差熱・熱重量測定装置(型番:Thermo plus EVO2 TG8121)
昇温速度:10℃/分
測定温度範囲:30〜1200℃
測定雰囲気:大気 200mL/分
リファレンス:Al
サンプル重量:10.0mg
試料容器:白金
(vi)ガラス板研磨試験
1、まず各研磨材料を用いて研磨材スラリーを作製した。
具体的には、研磨材料の濃度が5.0重量%になるように、研磨材料をイオン交換水に添加した。更に、25℃にて10分間撹拌することにより分散し、水分散系の研磨材スラリーを作製した。
2、次に、以下の条件により、各研磨材スラリーを用いてガラス板の研磨を行った。
使用ガラス板:ソーダライムガラス(松浪硝子工業株式会社製、サイズ36×36×1.3mm 比重2.5g/cm
研磨機:卓上型研磨機(株式会社エム・エー・ティ製、MAT BC−15C、研磨定盤径300mmφ)
研磨パッド:発泡ポリウレタンパッド(ニッタ・ハース株式会社製、MHN−15A、セリア含浸なし)
研磨圧力:101g/cm
定盤回転数:70rpm
研磨材組成物の供給量:100mL/min
研磨時間:60min
3、ガラス板研磨試験前後のガラス板の重量を電子天秤で測定した。重量減少量、ガラス板の面積、ガラス板の比重からガラス板の厚さ減少量を算出し、研磨速度(μm/min)を算出した。
3枚のガラス板を同時に研磨し、60分研磨後にガラス板と研磨材スラリーを交換した。この操作を3回行い、計9枚の研磨速度を平均した値を各実施例及び比較例における研磨速度の値とし、結果を表3にまとめて示した。
研磨速度が0.29μm/min以上であれば極めて良好(◎)、0.22μm/min以上0.29μm/min未満であれば良好(○)、0.22μm/min未満であれば不良(×)である。
Figure 2017014436
Figure 2017014436
表2中、「SO ※1(重量部)」は、Ti原料(チタン化合物)のTiO換算量100重量部に対する、該Ti原料に含まれる硫黄化合物のSO換算量を意味する。
表3中、「SO ※2(重量部)」は、研磨材料に含まれるチタン化合物のTiO換算量100重量部に対する、該研磨材料に含まれる硫黄化合物のSO換算量を意味する。
以上の実施例及び比較例より、以下のことが確認された。
比較例1は、主に、ストロンチウム化合物及びチタン化合物を用いずに研磨材料を得た点で、本発明の製造方法に該当する実施例1〜5とは相違する。この相違の下、得られた研磨材料の研磨速度を比較すると、比較例1で得た研磨材料は、実施例1〜5で得た研磨材料に比べて研磨特性(研磨速度)が著しく劣ることが分かる。また、比較例2は、チタン化合物に含まれる硫黄化合物の含有量の点で、実施例4と相違する例であるが、この場合も実施例4に比べて研磨特性が著しく劣っている。したがって、本発明の製造方法は、セリウムフリーの研磨材料において良好な研磨速度を有する研磨材料を提供することができることが分かった。
実施例1〜5で得た研磨材料は、いずれも、該研磨材料に含まれる硫黄化合物のSO換算量が、該研磨材料に含まれるチタン化合物のTiO換算量100重量部に対し、5重量部以下となるものであって(表3参照)、このうち実施例1〜2で得た研磨材料は、SrZrOの結晶相(斜方晶)、SrTiOの結晶相(立方晶)及びZrOの結晶相(立方晶)を含み(図1、2参照)、実施例3、5で得た研磨材料は、SrTiOの結晶相(立方晶)及びZrOの結晶相(単斜晶)を含むものである(図3、4参照)。実施例4で得た研磨材料は、X線回折パターンは示していないものの、SrTiOの結晶相及びZrOの結晶相を含むものである。これに対し、比較例1で得た研磨材料はSrTiOの結晶相を含まない点で、比較例2で得た研磨材料は硫黄化合物の含有量の点で、いずれも実施例1〜5で得た研磨材料と相違する(表3や図5参照)が、この場合、上述のとおり研磨特性が著しく相違する。したがって、研磨材料の結晶構造や硫黄化合物の含有量が、研磨特性に多大な影響を与えることが分かった。
更に、図6及び7より、以下のことを確認した。
実施例4で用いたチタン化合物と、比較例2で用いたチタン化合物とでは、主に、硫黄化合物の含有量が相違する。
この相違の下、示差熱・熱重量測定を行った結果を対比すると、図6及び7より、いずれも重量変化を伴う吸熱ピークが観察された。このことは、吸熱ピークの温度を境にストロンチウム化合物とチタン化合物が反応して、チタン酸ストロンチウムとして結晶化することを示すが、実施例4の吸熱ピークは927℃、比較例2の吸熱ピークは908℃であった。また、実施例4の吸熱ピークの面積は、比較例2の吸熱ピークの面積に比べて大きい。それゆえ、比較例2で得られたチタン酸ストロンチウムは、実施例4で得られたチタン酸ストロンチウムに比べて、結晶化に必要な温度や熱量がより低い、すなわち低温で結晶化するため、得られるチタン酸ストロンチウムの結晶性が低くなることが分かった。
このように吸熱ピークの温度や面積が異なる原因は、比較例2で用いたチタン化合物に含まれる硫黄化合物の量が、本発明で規定した範囲を超えるためである。硫黄化合物が、ペロブスカイト型化合物の合成反応における焼結助剤として作用するため、吸熱ピークの温度が低下し、吸熱ピークの面積も減少すると推測される。このことは、最終的に得られる研磨材料の結晶性にも影響する。表3より、比較例2に係る研磨材料の立方晶SrTiOの(110)面に由来するピークの半値幅は、実施例4に係る複合金属酸化物研磨材料に比べて増加している。これは、同じ950℃で焼成した場合の研磨材料の結晶性が低いことを示している。また、比較例2と実施例4とでは、研磨速度に著しい差が確認された。したがって、チタン化合物に含まれる硫黄化合物の含有量が本発明で規定した範囲を超えると、研磨材料の結晶性が低下し、研磨速度が低下すると考えられる。

Claims (8)

  1. ストロンチウム化合物、チタン化合物及びジルコニウム化合物を混合する混合工程と、
    該混合工程により得られた混合物を焼成する焼成工程とを含み、
    該チタン化合物に含まれる硫黄化合物のSO換算量が、該チタン化合物のTiO換算量100重量部に対し、2.0重量部以下である
    ことを特徴とする複合金属酸化物研磨材料の製造方法。
  2. 前記ストロンチウム化合物は、炭酸ストロンチウム及び水酸化ストロンチウムからなる群から選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合金属酸化物研磨材料の製造方法。
  3. 前記チタン化合物は、酸化チタン及び水酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合金属酸化物研磨材料の製造方法。
  4. 前記ジルコニウム化合物は、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の複合金属酸化物研磨材料の製造方法。
  5. ZrOの結晶相とSrTiOの結晶相とを少なくとも含む複合金属酸化物研磨材料であって、
    該研磨材料に含まれる硫黄化合物のSO換算量が、該研磨材料に含まれるチタン化合物のTiO換算量100重量部に対し、5重量部以下である
    ことを特徴とする複合金属酸化物研磨材料。
  6. 前記研磨材料は、線源としてCuKα線を用いたX線回折における立方晶SrTiOの(110)面に由来するピークの半価幅が0.1〜3.0°である
    ことを特徴とする請求項5に記載の複合金属酸化物研磨材料。
  7. 更にSrZrOの結晶相を含む
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の複合金属酸化物研磨材料。
  8. 更にTiOの結晶相を含む
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の複合金属酸化物研磨材料。
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