JP2017013710A - エンジン房冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床部材3の下方に突出する床下突出部と、床下突出部の前部E近傍において床部材3から下方に開いた導入口12を有すると共に駆動部9の後部側においてエンジン房R内に開いた放出口13を有し、床部材3の下側を流通する空気流Fを導入口12から放出口13まで誘導するように導入口12から放出口13に向かってエンジン房R内に誘導壁14が設けられた空気流誘導部11とを備える。
【選択図】 図1
Description
また、誘導壁は、フロントタイヤのタイヤハウスの下縁部に取り付けられたマッドガードに一体に設けることができる。
また、床下突出部は、エンジン房の両側部に隣接して配置された一対のフロントタイヤの前側に取り付けられたタイヤ用フラップとすることもできる。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係るエンジン房冷却構造を備えた自動車の構成を示す。この自動車は、フロントガラス1と、フロントガラス1の前方に張り出すように配置されたフロントフード2と、フロントフード2の下側に離間して対向配置された床部材3と、フロントフード2および床部材3の両側部に沿って前後方向に延びる一対のフェンダー4と、フロントフード2、床部材3およびフェンダー4の前部を覆うように配置された前壁部5と、フロントフード2、床部材3およびフェンダー4の後部を覆うように配置されたトーボード6とを有する。フェンダー4の中間部には車幅方向内側に窪むようにタイヤハウス7が形成されており、このタイヤハウス7の内側にフロントタイヤ8が配置されている。
床部材3は、エンジン房Rの下部を全て覆うような板状のアンダーカバーから構成されている。
空気流誘導部11は、フロントタイヤ8の前部E近傍において床部材3から下方に開いた導入口12を有すると共に駆動部9の後部側にエンジン房R内に開いた放出口13を有し、床部材3の下側を流通する空気流Fを導入口12から放出口13まで誘導するように導入口12から放出口13に向かって誘導壁14が設けられている。この誘導壁14は、導入口12から放出口13まで延びる管形状を有し、その内部に空気流Fを誘導するための誘導路Pが形成されている。また、誘導壁14は、床部材3に沿って駆動部9の下側を通るように配置されている。誘導壁14は、駆動部9より熱伝導率が低い材料から構成されることが好ましく、例えば樹脂材料などから構成することができる。
なお、本発明におけるエンジン房冷却構造は、フロントタイヤ8および空気流誘導部11から構成されている。
まず、図1に示すように、自動車を前方に走行させると、その走行速度に応じた空気流Fが自動車に対して相対的に前方から後方へ向かうように生じる。ここで、自動車の床部材3は、ほぼ平坦な形状、すなわち急激な凹凸(例えば約50mm以上の凹凸)を抑制して緩やかに湾曲するように形成されている。このため、空気流Fは床部材3の下側をスムーズに流れることができ、床部材3の下側を流れる空気流Fの抵抗を抑制することができる。
この時、導入口12から誘導路P内に導入される空気流Fは、床部材3の下側において圧力の上昇を招く過剰な空気流Fであり、この空気流Fが導入口12から導入されても床部材3の下側を流通する空気流Fの流れが大きく乱れることはない。このため、床部材3の下側からエンジン房R内への空気流Fの導入に伴って床部材3の下側で空気抵抗が上昇するのを防ぐことができる。さらに、フロントタイヤ8の前部E近傍において局所的に高められた圧力を、導入口12から誘導路P内に空気流Fを導入することにより低下させることができる。一般的に、フロントタイヤ8の前部E近傍における圧力の上昇は、床部材3の下側を流れる空気流Fの流れを乱す要因となっていた。そこで、導入口12を介してフロントタイヤ8の前部E近傍を流れる空気流Fを導入することにより、高められた空気流Fの圧力を低下させることができる。これにより、床部材3の下側における空気流Fの圧力が均一化されるため、空気流Fが床部材3の下側をよりスムーズに流れることができる。
実施の形態1において、空気流誘導部11の誘導壁14は、エンジン房Rの側部に沿って延びるように形成することが好ましい。
例えば、図3に示すように、実施の形態1において、マッドガード21を新たに配置すると共に空気流誘導部11に換えて空気流誘導部22を配置することができる。
空気流誘導部22は、マッドガード21の前部において下方に開くように形成された導入口23を有すると共にマッドガード21の後部近傍においてエンジン房R内に開くように形成された放出口24を有し、導入口23から放出口24まで延びる管形状の誘導壁25が設けられている。この誘導壁25は、マッドガード21の上縁部に一体に設けられており、これにより空気流誘導部22の構成および取り付けを簡単化することができる。また、誘導壁25をエンジン房Rの最も側部側に配置することができ、誘導路Pを誘導される空気流Fの温度上昇をより確実に抑制することができる。
実施の形態1および2において、空気流誘導部の誘導壁は管状に形成されていたが、導入口から放出口まで空気流を誘導するように導入口から放出口に向かって誘導壁が設けられていればよく、管形状に限定されるものではない。
例えば、図4に示すように、実施の形態1の誘導壁14に換えて誘導壁31を設けることができる。この誘導壁31は、導入口12との接続部分以外は上部とタイヤハウス7に対向する外側部とを開放するように形成したものである。すなわち、誘導壁31は、床部材3から上方に立設して導入口12から放出口13まで延びるように設けられており、誘導壁31を隔てて駆動部9の反対側に空気流Fを誘導する誘導路Pが形成されている。
このように、誘導壁31を床部材3から上方に立設する形状とすることにより、誘導壁31を容易に形成することができる。
実施の形態1〜3では、フロントタイヤ8が床部材3の下側において空気流Fの流れを妨げる本発明の床下突出部を構成していたが、床下突出部は床部材3の下方に突出して空気流Fの流れを妨げるものであればよく、フロントタイヤ8に限られるものではない。
タイヤ用フラップ41は、タイヤハウス7内への空気流Fの流入を抑制して空気抵抗の上昇を防ぐためのもので、タイヤハウス7の前縁部に沿って床部材3から下方に突出するように設けられている。
導入口42は、タイヤ用フラップ41の前部E近傍において床部材3の下方に開くように形成されており、床部材3の下側において後方へ流通する空気流Fを誘導路Pへと導入する。
誘導路Pに導入された空気流Fは、誘導路Pに沿って駆動部9の後側まで誘導され、放出口13を介してエンジン房Rに放出される。
なお、本発明の床下突出部としては、例えば、床部材3から下方に約50mm以上急激に突出するものを用いることができる。
実施の形態1〜4において、空気流誘導部の放出口は、エンジン房Rにおいてエンジンの下側に配置されたオイルパンより後側に配置されることが好ましい。
例えば、図6に示すように、実施の形態1の放出口13に換えて、オイルパン51より後側において最も駆動部9に近い位置に放出口52を配置することができる。ここで、オイルパン51は、エンジン房Rの車幅方向中央部近傍においてエンジンの下側、すなわち駆動部9の下部に配置されている。このため、駆動部9の下側を延びるように誘導壁14を設けた場合に、オイルパン51は誘導壁14に最も近い位置に配置されるおそれがあり、このオイルパン51より後側に放出口52を配置することにより、放出口52からエンジン房R内に放出される空気流Fが駆動部9に接触することを確実に抑制することができる。さらに、空気流Fが駆動部9に接触しない範囲で放出口52をより前方に配置することで、駆動部9の後側に配置された後部部品を広い範囲で冷却することができる。
Claims (6)
- 自動車において下側が床部材で覆われると共に内部にエンジンを含む駆動部が配置されたエンジン房を空気流により冷却するエンジン房冷却構造であって、
前記床部材の下方に突出する床下突出部と、
前記床下突出部の前部近傍において前記床部材から下方に開いた導入口を有すると共に前記駆動部の後部側において前記エンジン房内に開いた放出口を有し、前記床部材の下側を流通する空気流を前記導入口から前記放出口まで誘導するように前記導入口から前記放出口に向かって前記エンジン房内に誘導壁が設けられた空気流誘導部とを備えるエンジン房冷却構造。 - 前記誘導壁は、前記導入口から前記放出口まで延びる管形状を有する請求項1に記載のエンジン房冷却構造。
- 前記誘導壁は、フロントタイヤのタイヤハウスの下縁部に取り付けられたマッドガードに一体に設けられる請求項1または2に記載のエンジン房冷却構造。
- 前記放出口は、前記駆動部において前記エンジンの下側に配置されたオイルパンより後側に配置される請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジン房冷却構造。
- 前記床下突出部は、前記エンジン房の両側部に隣接して配置された一対のフロントタイヤである請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジン房冷却構造。
- 前記床下突出部は、前記エンジン房の両側部に隣接して配置された一対のフロントタイヤの前側に取り付けられたタイヤ用フラップである請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジン房冷却構造。
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