JP2017013111A5 - - Google Patents

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金属製円筒状部材の余肉部除去方法、軌道輪の製造方法、及び、ラジアル転がり軸受の製造方法
この発明は、ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製円筒状部材を低コストで造るべく、軸受鋼、高炭素鋼、肌焼鋼等の硬質金属材料に、鍛造加工等の塑性加工、及び、プレス加工等の打ち抜き加工を施してこれら金属材料製の中間素材を造る過程で生じる余肉部を除去する方法の改良に関する。
ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製円筒状部材を低コストで作る為に、円柱状のビレットに鍛造加工及び打ち抜き加工を施す事により、円筒状の中間素材を得る方法が、例えば特許文献1、2に記載される等により、従来から知られている。このうちの特許文献1には、例えば深溝型玉軸受の如きラジアル転がり軸受を構成する内輪又は外輪を造る為の、円筒状の高精度リングを造る方法が記載されている。又、特許文献2には、一種のラジアルニードル軸受用の外輪である、タペットローラを造る方法が記載されている。この様な特許文献1、2に記載された方法は何れも、円柱状のビレットを加工する事により、円筒状の内周面の軸方向1箇所位置に内向鍔状の余肉部を有する中間素材を形成した後、この中間素材の内径側にパンチを挿入してこの余肉部を除去する事により、金属製円筒状部材を得る。以下、前記特許文献1に記載された金属製円筒状部材の製造方法に就いて、図7〜8により説明する。
先ず、図7の(A)に示す様な円柱状のビレット1の片端部(図7の下端部)の外周面を拘束した状態でこのビレット1を軸方向に押し潰す据え込み加工を施す事により、図7の(B)に示す様な、小径部2と大径部3とから成る、第一予備中間素材4を形成する。次いで、このうちの小径部2に前方押出加工を施してこの小径部2を小径側円筒部5に加工する事により、図7の(C)に示す様な第二予備中間素材6とする。次いで、前記大径部3に後方押出加工を施して、この大径部3を大径側円筒部7に加工する事により、図7の(D)に示す様な第三予備中間素材8とする。この様な図7の(A)→(D)の加工は、総て冷間の鍛造加工により行う。
次に、図8の(A)に示す様に、前記第三予備中間素材8を、内周面を段付円筒面としたダイス9に載置すると共に、このダイス9の内側に、段付円柱状のマンドレル10と円筒状のカウンタリング11とを下方から挿入する。そして、このマンドレル10の先端面を、前記小径側円筒部5と前記大径側円筒部7とを連結する連結部12から径方向内方に連続してこの小径側円筒部5の上端開口を塞ぐ、底板部13の下面に、若干の隙間を介して近接対向させる。この状態で、下端面の内周縁部に突条14を全周に亙って形成したパンチ15により、前記第三予備中間素材8の上面の径方向中間部で前記小径側円筒部5の上端面に対応する部分を下方に強く押圧する。これにより、この小径側円筒部5の外径寄り部分の軸方向長さを所望長さとすると共に、この小径側円筒部5の軸方向両端面と内周面との連続部に対応する部分に、断面円弧形の面取り部(曲面部)を形成する事により、第四予備中間素材16を得る。
次いで、図8の(B)に示す様に、前記第四予備中間素材16を別のダイス9aに載置してから、このダイス9a内に成形パンチ17と打ち抜きパンチ18とを、上方から挿入する。そして、このうちの成形パンチ17により、前記大径側円筒部7の軸方向長さを所望長さに規制すると共に、前記打ち抜きパンチ18により前記底板部13を打ち抜いて、第五予備中間素材19を得る。次いで、図8の(C)に示す様に、それぞれが円筒状で、互いに同軸に、且つ、嵌合面に隙間なく組み合わされたダイス20とカウンタリング21とにより、前記第五予備中間素材19の連結部12の下面を支承する。この状態で、前記小径側円筒部5の外径に一致する外径を有するパンチ22を前記ダイス20内に上方から挿入し、この小径側円筒部5を打ち抜く。この様にして打ち抜かれた小径側円筒部5は、内輪加工用の円筒状素材として使用する事ができる。
又、前記小径側円筒部5を分離した、残りである中間素材23は、ダイス24に内嵌すると共にカウンタパンチ25により支承した状態で、パンチ26を前記大径側円筒部7の内側に押し込み、前記連結部12を押し潰しつつ移動させて(扱いて)、図8の(D)に示す様な、第二の中間素材27とする。そして、この第二の中間素材27を、ノックアウトリング28を備える打ち抜きリング29内に載置し、打ち抜きパンチ30により、前記第二の中間素材27の下端部に残留している鍔部31を打ち抜いて、金属製円筒状部材32を得る。その後、前記ノックアウトリング28を上昇させて、この金属製円筒状部材32を取り出す。この金属製円筒状部材32は、外輪加工用の円筒状素材として使用する事ができる。即ち、この金属製円筒状部材32の内周面に外輪軌道を形成する為の切削加工や研磨加工を含む仕上加工を施す事により、ラジアル転がり軸受を構成する外輪を得る。
この様な特許文献1に記載された金属製円筒状部材の製造方法の場合、所望の軸方向長さを有する円筒状素材を低コストで得られるが、工程数が多く、製造コストの低減を図る面からは更なる改良の余地がある。即ち、前記特許文献1に記載された製造方法の場合には、前記中間素材23の連結部12を押し潰しつつ移動させる扱き加工と、前記第二の中間素材27の鍔部31を除去する打ち抜き加工とを、それぞれ別工程で行っている。又、前記扱き加工とこの打ち抜き加工とを別工程で行っているので、この扱き加工に使用する前記パンチ26と、この打ち抜き加工に使用する前記打ち抜きパンチ30との中心軸同士が不一致になると、前記鍔部31の円周方向一部が前記金属製円筒状部材32の内周面に残って、当該部分に凸部を形成する可能性がある。この様な凸部の原因となる、前記パンチ26と前記打ち抜きパンチ30との中心軸同士の不一致は、前記扱き加工及び前記打ち抜き加工を繰り返し連続して行う事による、前記ダイス24及び前記パンチ26や、前記打ち抜きリング29及び前記打ち抜きパンチ30等の温度上昇に基づく、振れ精度の悪化や、これらパンチ26及び打ち抜きパンチ30の膨張等に起因して著しくなり易い。又、この打ち抜きパンチ30として、外径が前記パンチ26の外径よりも小さいものを使用した場合、前記大径側円筒部7の内周面の端部寄り部分に、他の部分よりも内径が小さくなった凸部が全周に亙って形成される。何れにしても、この様な凸部は、前記金属製円筒状部材32の内周面に研削加工を施す事で除去できるが、この研削加工に使用する砥石のうち、前記凸部に対向する部分の摩耗量が、他の部分よりも多くなり、この砥石の加工面の形状が崩れ易くなる。
特開2007−69245号公報 特開2009−279611号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製円筒状部材の製造コストをより低減する事ができる、金属製円筒状部材の余肉除去方法を実現する事を目的としている。
本発明の金属製円筒状部材の余肉除去方法は、金属製の素材を加工する事により、円筒状の内周面の軸方向1箇所位置に内向鍔状の余肉部を有する中間素材を形成した後、この中間素材の内径側に、円筒状の外周面を有するパンチを挿入して前記余肉部を除去する。
特に、本発明の金属製円筒状部材の余肉除去方法に於いては、前記パンチとして、前記中間素材への挿入方向に関する前端部外周縁に断面円弧形のR面取り部を設けたものを使用する。このR面取り部のうち、前記中間素材への挿入方向に関する前端縁の外径(前記パンチの先端面の外径)は、この中間素材のうちで前記余肉部から軸方向に外れた部分の内径よりも小さく、前記R面取り部のうちで外径が最も大きい部分の外径は、前記中間素材のうちで前記余肉部から軸方向に外れた部分の内径以上である。
そして、前記中間素材の内径側に前記パンチを挿入する事に伴い、このパンチの先端面(この中間素材への挿入方向に関する前端面)により前記余肉部を打ち抜くと共に、前記R面取り部のうちで外径が最も大きい部分により前記中間素材の内周面を扱く{前記余肉部を打ち抜く打ち抜き加工と、この中間素材の内周面を扱く扱き加工とを一工程で行う(同時に施す)}。
上述の様な本発明の金属製円筒状部材の余肉除去方法を実施する場合に、好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記パンチのうち、前記中間素材への挿入方向に関して前記R面取り部よりも後側部分に、このR面取り部の外径(このR面取り部のうちで、外径が最も大きい部分の外径)よりも大きな外径を有する、表面に尖った部分が存在しない土手状の扱き部を設ける。
上述の様に構成する本発明の金属製円筒状部材の余肉除去方法によれば、ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製円筒状部材の製造コストをより低減できる。
即ち、本発明の場合、内周面に内向鍔状の余肉部を有する中間素材の内径側に、所定の形状を有するパンチを挿入する事で、この余肉部を打ち抜く打ち抜き加工と、この中間素材の内周面を扱く扱き加工とを一工程で行う事ができる。この為、前述の特許文献1に記載された金属製円筒状部材の製造方法の様に、扱き加工と打ち抜き加工とを別工程で行う場合と比較して、工程数を削減でき、製造コストの低減を図る事ができる。又、扱き加工と打ち抜き加工とを別工程で行う場合の様に、この扱き加工に使用するパンチと、この打ち抜き加工に使用する打ち抜きパンチとの中心軸同士が不一致となる事に起因して、前記余肉部の少なくとも一部が前記中間素材の内周面に残り、当該部分に凸部が形成される様な事はない。従って、仕上加工に用いる砥石の加工面の形状崩れを防止でき、この面からも製造コストの低減を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を、工程順に示す断面図。 パンチの先端部拡大図(A)と、(A)のX部拡大図(B)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 同じく第3例を示す、図1と同様の図。 同じく第4例を示す、図1と同様の図。 同じく第5例を示す、図2と同様の図。 円柱状のビレットから、大径側、小径側両円筒部を有する第三予備中間素材を形成する為の従来方法の1例を示す断面図。 前記第三予備中間素材から金属製円筒状部材を形成する為の従来方法の1例を示す断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製円筒状部材32の製造コストを低減する為に、軸方向片端部(図1の上端部)の内周面に内向鍔状の余肉部である連結部12を有する中間素材23に、この連結部12を除去する打ち抜き加工と、この中間素材23の内周面を扱く扱き加工とを同時に施す(一工程で行う)点にある。円柱状のビレット1(図7参照)から、小径側、大径側両円筒部5、7同士を連結部12により連結した第五予備中間素材19を造り、この第五予備中間素材19から前記小径側円筒部5を打ち抜いて残った、余肉部である連結部12を有する中間素材23を造る方法に就いては、例えば、前述の図7〜8に示した従来方法の1例に於ける、図7の(A)→(D)、及び、図8の(A)→(C)までと同様である。
本例の場合、先ず、前記連結部12が形成された軸方向片端部が上側となる様に、ダイス33内にセットする。このダイス33は、内径が大きい開口側(図1の上側)の大径部34と、内径が小さい奥側(図1の下側)の小径部35とを段差面36で連続させた段付円筒状の内周面を有する。このうちの大径部34は、内径を前記中間素材23の外径と実質的に同じにしている。又、前記小径部35は、内径を、後述するパンチ37の外径(最も外径が大きい部分の外径)よりも十分に(このパンチ37を挿通できる程度に)大きくしている。即ち、前記中間素材23の軸方向他端面(図1の下端面)を、前記ダイス33の段差面36上に隙間なく載置した状態で、前記中間素材23の外周面を、このダイス33の大径部34の内周面により外径が変化しない様に拘束している。
次いで、図1の(A)→(B)→(C)に示す様に、前記中間素材23の内径側に前記パンチ37を上方から挿入する事により、前記連結部12を打ち抜くと共に、前記中間素材23の内周面を扱いて、図1の(D)に示す様な金属製円筒状部材32を得る。前記パンチ37は、先端部(図1の下端部)に、下方に向かう程外径が大きくなるランド部38を設けており、このランド部38の先端部外周縁には、断面円弧形のR面取り部39を設けている。このR面取り部39の先端縁の外径(前記パンチ37の先端面の外径)Dminは、前記中間素材23の軸方向中間部乃至他端部(前記連結部12から軸方向に外れた部分)の内径d23よりも小さく、この連結部12の内径d12よりも大きくしている(d12<Dmin<d23)。これに対し、前記R面取り部39のうちで外径が最も大きい部分、即ち、前記ランド部38のうちで外径が最も大きい部分(このR面取り部39の基端縁)の外径Dmaxは、前記中間素材23の軸方向中間部乃至他端部の内径d23以上(Dmax≧d23)で、前記金属製円筒状部材32の内径と実質的に同じにしている。
この様なパンチ37を、前記中間素材23の内径側に挿入すべく、上方から下方に向けて変位させると、このパンチ37の先端面が、前記連結部12の軸方向片端面(図1の上面)の内径寄り部分(内周縁)に当接する。そして、この連結部12の軸方向片端面の内径寄り部分に下方に向いた大きな力が加わると、図1の(B)に示す様に、前記連結部12の軸方向他端面(図1の下面)の外周縁にクラック(亀裂)40が、全周に亙り軸方向に伸長する状態で生じる(走る)。この状態から、前記パンチ37を更に下方に変位させ、このパンチ37を前記中間素材23の内径側に挿入すると、図1の(C)に示す様に、前記連結部12が軸方向片半部でこの中間素材23の大径側円筒部7と連結した状態のまま、下方に移動する。この際、前記パンチ37のR面取り部39のうちで、内径が前記中間素材23の軸方向中間部乃至他端部(打ち抜き加工及び扱き加工を施す以前の軸方向中間部乃至他端部)の内径d23よりも大きい部分により、この中間素材23の内周面を扱いて、この中間素材23の内周面を滑らかにする。そして、前記パンチ37を更に下方に変位させる事により、図1の(D)に示す様に、前記連結部12が前記中間素材23の内周面の下端部まで移動すると、前記クラック40がこの連結部12の基端部(径方向外端縁)を軸方向に貫通する状態で形成され、この連結部12が破断される(この連結部12が打ち抜かれる)。この状態から、更に前記パンチ37を、少なくとも前記ランド部38のうちで外径が最も大きい部分が前記ダイス33の小径部35の内径側に挿入されるまで下方に変位させて、このパンチ37のR面取り部39のうちで、内径が前記中間素材23の軸方向中間部乃至他端部の内径d23よりも大きい部分により、前記連結部12を打ち抜いた後の破断面を扱いて滑らかにし、図1の(E)に示す様な金属製円筒状部材32を得る。例えば、この様な金属製円筒状部材32の内周面に、外輪軌道を形成する為の切削加工や研磨加工を含む仕上加工を施す事により、ラジアル転がり軸受を構成する外輪を得る。
上述の様な本例によれば、前記金属製円筒状部材32の製造コストをより低減する事ができる。
即ち、本例の場合、内周面に前記連結部12を有する中間素材23の内径側に、先端部に前記ランド部38を設けた前記パンチ37を挿入する事で、前記連結部12を打ち抜くと同時に、前記中間素材23の内周面を扱く事ができる(打ち抜き加工と扱き加工とを一工程で行う事ができる)。この為、前述の図8に示した従来方法の1例の様に、扱き加工と打ち抜き加工とを別工程で行う場合と比較して、工程数を削減でき、製造コストの低減を図る事ができる。又、前記従来方法の1例の様に、扱き加工に使用するパンチ26と、打ち抜き加工に使用する打ち抜きパンチ30との中心軸同士が不一致となる事に起因して、前記連結部12の少なくとも一部が前記中間素材23の内周面に残り、当該部分に凸部を形成する様な事はない。従って、仕上加工に用いる砥石の加工面の形状崩れを防止でき、この面からも製造コストの低減を図れる。更に、本例の場合、前記ランド部38の先端部外周縁に、断面円弧形のR面取り部39を設けている為、前記パンチ37により前記連結部12を打ち抜く際に、このパンチ37の先端部外周縁に加わる応力を緩和する事ができる。この結果、このパンチ37の耐久性を向上させる事ができ、前記金属製円筒状部材32の製造コストの更なる低減を図れる。又、本例の場合、前記ランド部38の先端部外周縁に前記R面取り部39を設ける事により、前記クラック40の形成速度を調整して、前記パンチ37により前記連結部12が打ち抜かれる(このパンチ37の先端面が前記大径部34の軸方向他端面より軸方向他方に存在する状態となる)以前に、前記クラック40が前記連結部12の基端部を軸方向に貫通する状態で形成されるのを防止している。即ち、パンチのランド部の先端部外周縁が尖っていると、このパンチが連結部を打ち抜く以前に、クラックがこの連結部を軸方向に貫通する状態で形成される可能性がある。この結果、得られる金属製円筒状部材の内周面に、前記クラックに基づく凹凸が残る可能性がある。これに対し、本例の金属円筒状部材の余肉除去方法によれば、前記ランド部38の先端部外周縁に前記R面取り部39を設けている為、得られる金属円筒部材32の内周面を滑らかにする事ができる。
尚、本例の場合、前記中間素材23を、余肉部である前記連結部12が形成された側が上側となる様に保持した状態で、この中間素材23の内径側に前記パンチ37を上方から挿入する場合に就いて説明したが、中間素材を、余肉部が形成された側が下側となる様に保持した状態で、この中間素材の内径側にパンチを下方から挿入する事もできる。或いは、中間素材を、水平方向に配置した状態で、パンチを側方から挿入する様にしても良い。又、本発明により、タペットローラを造る為の金属製円筒状部材を得る事もできる。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、中間素材23を、連結部12が形成された軸方向片端部が下側となる様に保持した状態で、この中間素材23の内径側にパンチ37を上方から挿入する様にしている。即ち、この挿入作業の初期段階では、このパンチ37のうちで、外径が最も大きい部分により、前記中間素材23のうち、得るべき金属製円筒状部材32の容積を上回る余肉部分を、軸方向片端寄り部分に寄せ集め、内周面の軸方向片端寄り部分に内向鍔状の鍔部41を形成する。この状態から前記パンチ37を更に下方に変位させる事で、前記連結部12とこの鍔部41とを打ち抜き、更にこれら連結部12と鍔部41とを打ち抜いた後の破断面を扱いて滑らかにする。これにより、前記金属製円筒状部材32を得る。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例は、ラジアル転がり軸受を構成する内輪を造る為の金属製円筒状部材32aの製造方法である。先ず、円柱状のビレット1(図7参照)に鍛造加工を施す事により、図4の(A)に示す様な予備中間素材42を得る。この予備中間素材42は、小径側円筒部5aと大径側円筒部7aとを連結部12aにより連結した、段付円筒状で、この小径側円筒部5aの軸方向片端寄り部分{図4の(A)〜(B)の下端寄り部分、同図の(C)の上端寄り部分}に内向鍔状の余肉部である鍔部31aを有する。この様な予備中間素材42に打ち抜き加工を施す事で、図4の(B)に示す様に、1対の中間素材23、23aに分離する。このうち、外径の大きい中間素材23は、前述した実施の形態の第1例又は第2例の製造方法を実施する事により、ラジアル転がり軸受を構成する外輪を造る為の金属製円筒状部材32(図1、3参照)を得られる。
本例の場合、外径の小さい中間素材23aを、図4の(C)に示す様に、前記鍔部31aが形成された側である軸方向片側が上側になる様に保持した状態で、前記中間素材23aの内径側にパンチ37aを上方から挿入する。このパンチ37aは、前記実施の形態の第1〜2例に係るパンチ37と同様に、先端部に(図4の下端部)に、下方に向かう程外径が大きくなるランド部38aを設け、このランド部38aの先端部外周縁に、断面円弧形のR面取り部39aを設けている。そして、前記挿入作業に伴い、このパンチ37aの先端面から前記鍔部31aの軸方向片端面に下方に向いた大きな力が加わると、図4の(D)に示す様に、この鍔部31aの軸方向他端面の外周縁にクラック40aが、全周に亙り軸方向に伸長する状態で生じる。この状態から、前記パンチ37aを更に下方に変位させると、図4の(E)に示す様に、前記鍔部31aが軸方向片半部で前記中間素材23aの小径側円筒部5aと連結したまま、下方に移動する。この際、前記パンチ37aのうちで、内径が前記中間素材23aの軸方向中間部乃至他端部(打ち抜き加工及び扱き加工を施す以前の軸方向中間部乃至他端部)の内径よりも大きい部分により、前記中間素材23aの内周面を扱いて、この内周面を滑らかにする。そして、前記パンチ37aを更に下方に変位させ、前記鍔部31aを打ち抜いた後、この鍔部31aを打ち抜いた後の破断面を扱いて滑らかにし、図4の(E)に示す様な金属製円筒状部材32aを得る。そして、この様な金属円筒状部材32aの外周面に、内輪軌道を形成する為の切削加工や研磨加工を含む仕上加工を施す事により、ラジアル転がり軸受を構成する内輪を得る。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1〜2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図5は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合、予備中間素材42を分離して得られる1対の中間素材23、23aのうち、外径の小さい中間素材23aを、図5の(C)に示す様に、鍔部31aが形成された側である軸方向片側が下側になる様に保持した状態で、前記中間素材23aの内径側にパンチ37aを上方から挿入する。従って、この挿入作業の初期段階では、このパンチ37aのうちで、外径が前記中間素材23aの軸方向中間部乃至他端部よりも内径が大きい部分により、この中間素材23aの内周面を扱いて、この内周面の軸方向片端寄り部分に内向鍔状の別の鍔部41aを形成する。この状態から前記パンチ37aを更に下方に変位させる事で、これら両鍔部31a、41aを一度に打ち抜き、更にこれら両鍔部31a、41aとを打ち抜いた後の破断面を扱いて滑らかにする。これにより、金属製円筒状部材32aを得る。
その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1〜3例と同様である。
[実施の形態の第5例]
図6は、本発明の実施の形態の第5例を示している。前述した実施の形態の第2例及び第4例の場合には、パンチ37(37a)、及び、中間素材23(23a)を保持するダイスの寸法精度が不十分であると、余肉部(連結部12又は鍔部31a)を打ち抜いた後の破断面の内径が、このパンチ37(37a)のランド38(38a)のうちで外径が最も大きい部分{R面取り部39(39a)の基端縁}の外径よりも大きくなり、このパンチ37(37a)により前記破断面を扱く事ができず、この破断面を滑らかにできない可能性がある。この様な問題を解決すべく、本例の製造方法で使用するパンチ37bは、先端寄り部分に、土手状の扱き部43を全周に亙って設けている。この扱き部43の外径D43は、前記パンチ37bの先端部に設けたランド部38bのうちで外径が最も大きい部分(このランド部38bの先端部外周縁に形成したR面取り部39aの基端縁)の外径D38bよりも僅かに大きくなっている。この為、前記パンチ37bのうち、前記ランド部38bにより打ち抜かれた余肉部(連結部12又は鍔部31a)の破断面の内径が、このランド部38aのうちで外径が最も大きい部分の外径よりも大きい場合でも、前記余肉部の破断面を前記扱き部43により扱く事ができる。要するに、前記パンチ37b及びダイスの寸法精度を過度に高くする事なく、前記余肉部の破断面を滑らかにする事ができる。
その他の部分の構成及び作用は、前記実施の形態の第2例及び第4例と同様である。
1 ビレット
2 小径部
3 大径部
4 第一予備中間素材
5、5a 小径側円筒部
6 第二予備中間素材
7、7a 大径側円筒部
8 第三予備中間素材
9、9a ダイス
10 マンドレル
11 カウンタリング
12、12a 連結部
13 底板部
14 突条
15 パンチ
16 第四予備中間素材
17 成形パンチ
18 打ち抜きパンチ
19 第五予備中間素材
20 ダイス
21 カウンタリング
22 パンチ
23、23a 中間素材
24 ダイス
25 カウンタパンチ
26 パンチ
27 第二の中間素材
28 ノックアウトリング
29 打ち抜きリング
30 打ち抜きパンチ
31、31a 鍔部
32、32a 金属製円筒状部材
33 ダイス
34 大径部
35 小径部
36 段差面
37、37a、37b パンチ
38、38a、38b ランド部
39、39a、39b R面取り部
40、40a クラック
41、41a 鍔部
42 予備中間素材
43 扱き部

Claims (4)

  1. 金属製の素材を加工する事により、円筒状の内周面の軸方向1箇所位置に内向鍔状の余肉部を有する中間素材を形成した後、
    この中間素材の内径側に、円筒状の外周面を有するパンチを挿入して前記余肉部を除去する金属製円筒状部材の余肉部除去方法であって
    前記パンチが、前記中間素材への挿入方向に関する前端部外周縁に断面円弧形のR面取り部を設けたものであり、このR面取り部のうち、前記中間素材への挿入方向に関する前端縁の外径が、この中間素材のうちで前記余肉部から軸方向に外れた部分の内径よりも小さく、前記R面取り部のうちで外径が最も大きい部分の外径が、前記中間素材のうちで前記余肉部から軸方向に外れた部分の内径以上であり、
    前記中間素材の内径側に前記パンチを挿入する事に伴い、このパンチの先端面により前記余肉部を打ち抜くと共に、前記R面取り部のうちで外径が最も大きい部分により前記中間素材の内周面を扱く、金属製円筒状部材の余肉部除去方法。
  2. 前記パンチが、前記中間素材への挿入方向に関して前記R面取り部よりも後側部分に、このR面取り部の外径よりも大きな外径を有する、表面に尖った部分が存在しない土手状の扱き部を設けたものである、
    請求項1に記載した金属製円筒状部材の余肉部除去方法。
  3. 金属製の素材を加工する事により、円筒状の内周面の軸方向1箇所位置に内向鍔状の余肉部を有する中間素材を形成した後、
    この中間素材の内径側に、円筒状の外周面を有するパンチを挿入して前記余肉部を除去する事により、ラジアル転がり軸受の内輪又は外輪である軌道輪を造る、軌道輪の製造方法であって、
    前記余肉部を、請求項1又は2に記載した金属製円筒状部材の余肉部除去方法により除去する、軌道輪の製造方法。
  4. 内輪と外輪とを備えるラジアル転がり軸受の製造方法であって、
    これら内輪と外輪とのうちの少なくとも一方の軌道輪を、請求項3に記載した軌道輪の製造方法により製造する、ラジアル転がり軸受の製造方法。
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