JP5446288B2 - 金属製円筒状部材の余肉部除去方法 - Google Patents

金属製円筒状部材の余肉部除去方法 Download PDF

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この発明は、ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製部品を低コストで造るべく、軸受鋼、高炭素鋼、肌焼鋼等の硬質金属材料に、鍛造加工等の塑性加工、及び、プレス加工等の打ち抜き加工を施してこれら金属材料製の中間素材を造る過程で生じる余肉部を除去する方法の改良に関する。具体的には、バリの発生、及び、仕上用砥石の損傷を抑える事で、上記金属製部品の製造コストをより低減する事を意図している。
ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製部品を低コストで造る為に、円柱状のビレットに鍛造加工及び打ち抜き加工を施す事により、円筒状の中間素材を得る方法が、例えば特許文献1、2に記載される等により、従来から知られている。このうちの特許文献1には、例えば深溝型玉軸受の如きラジアル転がり軸受を構成する内輪又は外輪を造る為の、円筒状の高精度リングを造る方法が記載されている。又、特許文献2には、一種のラジアルニードル軸受用の外輪である、タペットローラを造る方法が記載されている。このタペットローラにしても、上記高精度リングにしても、本発明の対象となる金属製円筒状部材である。そこで、特許文献2に記載されたタペットローラの製造方法に就いて、図3により説明する。
先ず、アンコイラから引き出した長尺な線材(図示せず)を所定長さに切断して、図3の(A)に示す様なビレット(円柱状素材)1を得る。
次に、このビレット1に、軸方向両端面を平坦面とすると共に、軸方向一端部をテーパ部2とする加工を施して、図3の(B)に示した予備中間素材3とする。
次に、据え込み加工によりこの予備中間素材3を軸方向に圧縮して、図3の(C)に示す様な第一中間素材4とする。
次に、後方押出加工により、上記第一中間素材4を、図3の(D)に示す様な、有底円筒状の第二中間素材5とする。
次に、ピアス加工により、上記第二中間素材5の底部を打ち抜いて、図3の(E)に示す様な、円筒状の第三中間素材6とする。
次に、内径余肉出し加工により、上記第三中間素材6の軸方向寸法を、完成後のタペットローラの軸方向寸法に迄正確に縮めると共に、内周面を径方向内方に膨らませて、図3の(F)に示す様な第四中間素材7とする。
次に、この第四中間素材7に内径扱き加工を施す。この内径扱き加工では、この第四中間素材7のうちで、得るべきタペットローラの容積を上回る余肉部分を、内周面の軸方向一端寄り部分に寄せ集める。そして、図3の(G)に示す様な、この内周面の軸方向一端寄り部分に内向フランジ状の余肉部8を備えた、第五中間素材9を得る。
そして最後に、上記余肉部8をピアス加工により除去して、図3の(H)に示す様な、円筒状の最終中間素材10を得る。
この様な最終中間素材10には、軌道面の形状を整える為に必要とするローリング加工等の塑性加工、或いは、旋削等の切削加工、更には必要とする表面硬度及び表面粗さを得る為の焼き入れ処理、研削加工等の仕上加工を施して、上記タペットローラ、或いはラジアル転がり軸受用の軌道輪とする。
この様な特許文献2(特許文献1も同様)に記載された、タペットローラ或は高精度リング等の金属製円筒状部材を造る方法の場合、この金属製円筒状部材の製造コストの低減を図れるが、より一層のコスト低減を図る為には、上記余肉部8を除去する工程を改良する事が好ましい。この理由に就いて、図4〜5を参照しつつ説明する。
図3の(G)に示した第五中間素材9を同(H)に示した最終中間素材10とすべく、上記余肉部8を除去する作業は、この第五中間素材9にパンチを、この余肉部8が形成されたのと反対側である他端開口から挿通する事により行う。この場合に、図4の(A)に示す様に、先端縁の外径Dが上記第五中間素材9のうちで余肉部8及び開口面取りから外れた部分の内径Rと同じ(R=D)であるパンチ11を使用すると、図4の(B)に示す様に、得られた最終中間素材10の一端開口部にバリ12が生じる場合がある。この様なバリ12の発生は、上記余肉部8の打ち抜き作業を連続して行う結果、上記パンチ11及び上記第五中間素材9を抑えるダイスを含む金型装置の温度上昇に基づく、振れ精度の悪化や、上記パンチ11の膨張等に起因して著しくなり易い。特に著しくなると、上記バリ12の先端縁が、上記最終中間素材10の軸方向一端開口部に存在する開口面取り13を越えて、この最終中間素材10の軸方向一端面から突出する場合もある。何れにしても、上記バリ12を除去しない限り、良質の軌道輪やタペットローラを得られない。又、このバリ12は、上記最終中間素材10の内周面に施す研削加工では除去できない場合が多い。この為、上記バリ12は、ショット・ピーニングや精密切削等、専用の工程により除去する必要があり、製造コストが嵩む原因となる。
一方、図5の(A)に示す様に、先端縁の外径dが上記第五中間素材9のうちで余肉部8及び開口面取りから外れた部分の内径Rよりも小さい(R>d)パンチ11aを使用すると、図5の(B)に示す様に、得られた最終中間素材10の内周面の端部寄りに、他の部分よりも内径rが小さくなった凸部14が全周に亙って形成される。この様な凸部14は、上記最終中間素材10の内周面に施す研削加工で除去できるが、この研削加工に使用する砥石の形状崩れを生じ易くなる。即ち、上記最終中間素材10の内周面を砥石により研削する際の削り代が、上記凸部14に対向する部分でそれ以外の部分よりも多くなる。この結果、上記砥石の摩耗量が、この凸部14に対向する部分でそれ以外の部分よりも多くなり、この砥石の加工面の形状が崩れる(凸部14に対向する部分が他の部分よりも凹む)。加工面の形状が崩れた砥石をそのまま使用すると、良質の軌道輪やタペットローラを得られない為、この砥石の加工面の形状を整えるドレス作業の間隔を短くする必要がある。この間隔を短くする事は、上記研削加工の能率低下の原因となり、軌道輪やタペットローラの低コスト化を図る面から不利である。尚、この様な不利益は、得るべき軌道輪やタペットローラの内径が小さい程、著しくなる。又、上記凸部14は、扱き加工により除去できるが、この凸部14を除去する為、専用の扱き工程を加える事は、やはり低コスト化を図る面から不利である。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、バリの発生、及び、仕上用砥石の損傷を抑える事で、ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製部品の製造コストをより低減できる、金属製円筒状部材の余肉部除去方法を実現すべく発明したものである。
本発明の金属製円筒状部材の余肉部除去方法は、前述した特許文献1、2に記載された従来の余肉部除去方法と同様に、金属製の素材を加工する事により、円筒状の内周面の中間部一端寄り部分に内向鍔状の余肉部を有する中間素材を形成した後、この中間部の内径側に他端側開口からパンチを挿入して上記余肉部を除去する。
特に、本発明の金属製円筒状部材の余肉部除去方法に於いては、上記パンチとして、上記余肉部を剪断する先端側に、先端部外周縁が尖った第一ランドを、この第一ランドよりも基端寄り部分に、表面に尖った部分が存在しない土手状の第二ランドを、それぞれ全周に亙って設けたものを使用する。上記第一ランドの外径は、上記中間素材のうちで上記余肉部の内径よりも大きく、この余肉部以外の部分の内径以下である。更に、上記第二ランドの外径は、上記中間素材の内周面のうちで、この余肉部よりも他端寄り部分の内径よりも大きい。そして、上記第一ランドにより上記余肉部の基端部を除く部分を除去した後、上記パンチをそのまま軸方向一端側に向け移動させて、上記第二ランドによりこの余肉部の基端部を扱く。そして、この余肉部が存在していた部分も含めて、上記中間素材の内周面を平滑面とした後、この中間素材の内径側から、この中間素材の他端開口から上記パンチを抜き取る。尚、各部の寸法の大小関係は、何れも、自由状態(パンチを中間素材に押し込んでいない状態)で言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じである。
更に、本発明の金属製円筒状部材の余肉部除去方法の場合には、上記余肉部を挟んで、中間素材の軸方向一端側の内径を、軸方向他端側の内径と同じにする。又、上記第一ランドの外径を、上記中間素材のうちで上記余肉部以外の部分の内径よりも小さく、上記第二ランドの外径を、この余肉部以外の部分の内径よりも大きくする。そして、この第二ランドを、上記余肉部が存在していた部分を通過させ、一端開口迄は達しない状態で停止させてから、パンチを上記中間素材の他端開口側を通じて抜き取る。
上述の様に構成する本発明の金属製円筒状部材の余肉部除去方法によれば、バリの発生、及び、仕上用砥石の損傷を抑える事で、ラジアル転がり軸受を構成する為の軌道輪等の金属製品の製造コストをより低減できる。
先ず、バリの発生は、余肉部を除去する為の第一ランドの外径を抑え、この第一ランドがこの余肉部を剪断する際に、この余肉部の基端部(中間素材の内周面に連続する外径側端部)を軸方向に扱く事を防止する事で図れる。
更に、仕上砥石の損傷を抑える事は、上記第一ランドにより除去されなかった上記余肉部の基端部を、第二ランドで扱く事により、上記中間素材の内周面を平滑面(上記余肉部が存在していた部分を含め、開口部の面取り部分を除き、軸方向に関して内径が変化しない円筒面)とする事により図れる。上記中間素材の内周面を平滑面とすれば、上記仕上砥石の形状崩れを抑えて、この砥石の加工面の形状を整えるドレス作業の間隔を長くし、金属製円筒状部材の低コスト化を図り易くなる。
本発明に関する参考例の1例を示しており、(A)は余肉部を有する中間素材を単独で、(B)はこの中間素材にパンチを挿入し、この余肉部を除去する直前の状態を、(C)はこの余肉部を除去し、更にこの余肉部の基端部を扱いた直後の状態を、(D)は更にパンチを前進させて、第一、第二両ランドを上記中間素材外に退避させた状態を、それぞれ示す断面図。 本発明の実施の形態の1例を示しており、(A)は余肉部を除去する直前の状態を、(B)は除去した直後の状態を、(C)は(B)のイ部を拡大した状態を、(D)は余肉部の基端部を扱いている状態を、(E)は(D)のロ部を拡大した状態を、それぞれ示す断面図。 従来から知られているタペットローラの製造方法の1例を、工程順に示す断面図。 余肉除去に伴ってバリが発生する状態を示す、断面図(A)及び(A)のハ部拡大図(B)。 余肉除去に伴って凸部が発生する状態を示す、断面図(A)及び(A)のニ部拡大図(B)。
[本発明に関する参考例の1例]
図1は、本発明に関する参考例の1例を示している。本参考例の第一工程では、図1の(A)に示す様な中間素材15を用意する。この中間素材15は、前述の特許文献2に記載された従来の製造方法で得られる第五中間素材9{図3の(G)参照}に対応するもので、円筒状の主部16と、内向鍔状の余肉部8aとを有する。この余肉部8aは、この主部16の、円筒状の内周面17の中間部一端寄り(図1の下寄り)部分に、全周に亙り形成している。本参考例の場合には、上記内周面17の内径を、上記余肉部8aを挟んで、互いに異ならせている。即ち、この内周面17のうち、この余肉部8aよりも一端寄り部分に存在する幅狭部18の内径R18を、この余肉部8aよりも他端寄り部分に存在する幅広部19の内径R19よりも大きく(R18>R19)している。尚、この様に、上記余肉部8aを挟んで軸方向両側の内径を異ならせる事は、前述の図3に示した製造方法を実施する際に、図3の(E)に示した第三中間素材6を(F)に示した第四中間素材7とし、更に(G)に示した第五中間素材9とする過程で、各中間素材の形状を整える為のダイスの寸法・形状を規制する事により、容易に行える。何れにしても、上記幅狭部18の内径R18と幅広部19の内径R19との差(R18−R19)は、造るべき金属製部品の大きさにもよるが、0.1mm以下(例えば0.01〜0.05mm程度)の小さな値とする。
本参考例の場合には、上記中間素材15の余肉部8aを、パンチ11aにより打ち抜き除去し、更にこの余肉部8aが存在していた部分を扱いて、上記内周面17のうちで、この余肉部8aが存在していた部分、及び、上記幅広部19を、軸方向に関して内径が変化しない、単一円筒面上に存在する平滑面とする。この為に上記パンチ11aは、第一ランド20及び第二ランド21を備える。
このうち、このパンチ11aの挿入方向前側に設けた第一ランド20は、上記余肉部8aを剪断して除去する為のもので、先端部外周縁が尖った形状を有する。この様な第一ランド20の先端部外周縁の外径D20は、上記中間素材15のうちで上記余肉部8aの内径R よりも十分に大きく、この余肉部8a以外の部分である、上記幅広部19の内径R19以下(R <D20≦R19)である。上記第一ランド20の外径D20を上記幅広部19の内径R19よりも小さくする場合でも、その差(R19−D20)は、造るべき金属製部品の大きさにもよるが、0.1mm以下(例えば0.01〜0.05mm程度)の小さな値とする。
又、上記第二ランド21は、上記第一ランド20よりも基端寄り部分に設けられたもので、全周に亙り連続した土手状で、表面に尖った部分が存在しない。即ち、上記第二ランド21の断面形状は、台形状で、頂部に存在する1対の隅部(特に先端寄りの隅部)の角度は90度よりも十分に大きな(例えば120〜150度程度の)鈍角で、好ましくは、上記隅部を、断面形状が凸円弧状の曲面としている。この様な第二ランド21の外径D21は、上記中間素材15の内周面のうちで幅広部19の内径R19よりも僅かに大きく、上記幅狭部18の内径R18以下(R19<D21≦R18)である。尚、上記第二ランド21の外径D21を幅広部19の内径R19よりも大きくする程度(D21−R19)は、上記中間素材15の直径(外径)D15、径方向厚さT15、材質(ヤング率、延性)等に応じて設計的且つ適正に定める。この直径D15が大きくなる程、上記程度(D21−R19)を大きくし、上記径方向厚さT15が大きくなる程、この程度(D21−R19)を小さくする。要は、上記第二ランド21により、上記幅広部19及び上記余肉部8aが存在していた部分を扱き、この幅広部19と同一円筒面上に位置する迄、この余肉部8aが存在していた部分を押し潰せる様に、上記各部の寸法や材質に応じて、理論的に、或いは実験的に(好ましくは両方を勘案しつつ)定める。
上述の様な第一、第二両ランド20、21を備えた上記パンチ11aにより、上記中間素材15の内径側から上記余肉部8aを除去するには、このパンチ11aをこの中間素材15に、図1の(B)→(C)→(D)の順番で挿通する(上記中間素材15の内径側に向け、下降させる)。具体的には、先ず、加工装置の支持台上に載置した図示しないダイス(ホルダ)内に保持した上記中間素材15内に、上記パンチ11aを、図1の(B)に示す様に、上記第一ランド20を先にして挿入する。次いで、図1の(B)→(C)に示す様に、上記パンチ11aの第一ランド20と上記第二ランド21とを、上記余肉部8a部分を順次通過させる。先ず、この第一ランド20の通過に伴ってこの余肉部8aが、基端部(この第一ランド20の外径D20よりも径方向外側に存在する外径側端部)を除いて剪断除去され、円輪状のスクラップ22として排出される。この際、上記余肉部8aの基端部には、殆どバリが発生しない。仮に発生しても、続いて行われる、上記第二ランド21による扱き加工により消去される程度の小さなもので済む。
上記余肉部8aの基端部で上記第一ランド20により除去し切れなかった部分は、上記第二ランド21により押し潰す。即ち、上記パンチ11aは、上記第一ランド20により上記余肉部8aの大部分を除去した後もそのまま上記中間素材15内に押し込み続ける(下降し続ける)。すると、上記第二ランド21が、上記余肉部8aの基端部で上記第一ランド20により除去し切れなかった部分{後述する図2の(C)に示した凸部14a}を扱く(径方向外方に押し潰す)。この結果、上記余肉部8aが存在していた部分が、前記幅広部19と同じ面(単一円筒面上)に迄、押し広げられる。
本参考例の場合には、一度、上記第二ランド21が上記中間素材15の一端開口から抜け出る迄、上記パンチ11aをこの中間素材15内に押し込む(下降させる)。本参考例の場合には、この中間素材15の一端部内周面に、内径R18が大きな幅狭部18が存在する。従って、上記第二ランド21が上記余肉部8aが存在していた部分を通過した後に於いては、この第二ランド21が上記中間素材15の内周面を扱く事はなくなる。この為、この第二ランド21が上記中間素材15の一端開口から抜け出る状態になっても、この中間素材15の一端部にバリが発生する事はない。そこで、上記パンチ11aを逆方向に移動させ(上昇させ)、上記第一、第二両ランド20、21を、再び上記中間素材15の内径側を通過させて、この中間素材15の内径側から上記パンチ11aを抜き取る。
この様にしてこの中間素材15の内周面17から上記余肉部8aを除去し、この余肉部8aが存在していた部分を含めて、この内周面を平滑にした後、上記中間素材15を次の工程に送り、焼き入れ処理、研削加工等の仕上加工を施して、上記タペットローラ、或いはラジアル転がり軸受用の軌道輪とする。バリ取りの為の工程は不要である。又、上記余肉部8aが存在していた部分が径方向内方に突出していない為、上記研削加工の為の砥石の形状崩れが著しくなる事はなく、この砥石のドレスを頻繁に行う必要はない。同様に、前記大きな内径R18を有する幅狭部18に関しても、元々径方向内方に突出していないので、上記砥石の形状崩れの原因となる事はない。特に本参考例の場合には、上記幅狭部18の内径R18を大きくした分、(後述する実施の形態の1例に比べて)上記第一ランド20の外径D20を前記幅広部19の内径R19に近くし、この第一ランド20により上記余肉部8aを除去した後、この余肉部8aが存在していた部分に残留する凸部14a(後述する図2(C)参照)を低くできる。そして、この凸部14aを低くできる分、上記第二ランド21により、上記内周面をより平滑にできる。
[本発明の実施の形態の1例]
図2は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、被加工物である中間素材15aの主部16aの内周面17aの内径を、余肉部8aを挟んで、互いに同じとしている。即ち、この内周面17aのうち、この余肉部8aよりも一端寄り部分に存在する幅狭部18aの内径R18a と、この余肉部8aよりも他端寄り部分に存在する幅広部19aの内径R19a とを互いに等しく(R18a =R19a )している。
この様な中間素材15aの内周面17aに存在する上記余肉部8aを除去すると共に、この内周面17aを単一円筒面上に存在する平滑面とする為のパンチ11bに設けた第一ランド20aの外径D20a と第二ランド21aの外径D21a とを、上記内周面17aの内径R17a (R17a =R18a =R19a )との関係で、次の様に規制している。即ち、この第二ランド21aの外径D21a を最も大きく、次いで上記内周面17aの内径R17a を大きく、上記第一ランド20aの外径D20a を最も小さく(D21a >R17a >D20a )している。
上述の様な第一、第二両ランド20a、21aを備えた上記パンチ11bにより、上記中間素材15aの内径側から上記余肉部8aを除去するには、このパンチ11bをこの中間素材15aに、図2の(A)→(B)→(D)の順番で挿通する。先ず、上記中間素材15a内に、上記パンチ11bを、図2の(A)に示す様に、上記第一ランド20aを先にして挿入する。次いで、図2の(A)→(B)に示す様に、上記パンチ11bの第一ランド20aを、上記余肉部8a部分を通過させる。そして、この余肉部8aを、基端部を除いて剪断除去し、円輪状のスクラップ22として排出する。この状態で、上記内周面17aの一端寄り部分で上記余肉部8aが存在していた部分に、図2の(C)に示す様な凸部14aが残留する。
次いで、上記パンチ11bを図2の(D)に示す様に、更に上記中間素材15a内に押し込み、図2の(E)に示す様に、上記第二ランド21aにより上記凸部14aを押し潰す。この結果、上記余肉部8aが存在していた部分が、前記幅広部19aと同じ面(単一円筒面上)に迄、押し広げられる。
本例の場合には、上記第二ランド21aが上記凸部14a全体を押し潰す迄、上記パンチ11bを上記中間素材15a内に押し込んだ後、上記第二ランド21aがこの中間素材15aの一端開口から抜け出す以前に上記パンチ11bを停止させる。この理由は、本例の場合には、前記幅狭部18aの内径R18a に関しても、上記第二ランド21aの外径D21a よりも小さい為、この第二ランド21aを中間素材15aの一端開口から抜き出すと、この一端開口部分にバリが発生する為である。そこで本例の場合には、上記パンチ11bを上記凸部14a全体を押し潰す迄下降させた後、上記一端開口から抜け出る以前に上昇させて、上記中間素材15aの内径側から上記パンチ11bを抜き取る。
本例の場合には、上記中間素材15aの内周面17aの平滑度を高くし、この内周面17aを仕上げる砥石の形状崩れを抑える面からは、前述した参考例に比べて不利になる。但し、上記内周面17aの内径を、両端の開口面取り部分を除いて等しくできる為、カムフォロア装置用のタペットローラの如く、両端部にシールリングの係止溝を形成する必要がない代わりに、内径をほぼ全長に亙り同じにする部品を造る場合に有利になる。その他の構成及び作用は、前述した参考例の場合と同様である。
本発明の金属製円筒状部材の余肉部除去方法は、ラジアル転がり軸受用の軌道輪やカムフォロア装置用のタペットローラを造る場合に限らず、間座、小型のシリンダ筒等、金属製で円筒状の各種部品を造る場合に適用できる。
1 ビレット
2 テーパ部
3 予備中間素材
4 第一中間素材
5 第二中間素材
6 第三中間素材
7 第四中間素材
8、8a 余肉部
9 第五中間素材
10 最終中間素材
11、11a、11b パンチ
12 バリ
13 開口面取り
14、14a 凸部
15、15a 中間素材
16、16a 主部
17、17a 内周面
18、18a 幅狭部
19、19a 幅広部
20、20a 第一ランド
21、21a 第二ランド
22 スクラップ
特開2006−97809号公報 特開2007−69245号公報

Claims (1)

  1. 金属製の素材を加工する事により、円筒状の内周面の中間部一端寄り部分に内向鍔状の余肉部を有する中間素材を形成した後、この中間素材の内径側に他端側開口からパンチを挿入して上記余肉部を除去する金属製円筒状部材の余肉部除去方法に於いて、この余肉部を挟んで、上記中間素材の軸方向一端側の内径を、同じく軸方向他端側の内径と同じとし、上記パンチが、上記余肉部を剪断する先端側に、先端部外周縁が尖った第一ランドを、この第一ランドよりも基端寄り部分に、表面に尖った部分が存在しない土手状の第二ランドを、それぞれ全周に亙って設けたものであり、上記第一ランドの外径が、上記中間素材のうちでこの余肉部の内径よりも大きく、この余肉部以外の部分の内径よりも小さく、上記第二ランドの外径が、上記中間素材のうちで、この余肉部以外の部分の内径よりも大きく、上記第一ランドにより上記余肉部の基端部を除く部分を除去した後、上記パンチをそのまま軸方向一端側に向け移動させて、上記第二ランドを、上記余肉部が存在していた部分を通過させる事によりこの余肉部の基端部を扱き、この余肉部が存在していた部分も含めて、上記中間素材の内周面を平滑面とした後、この中間素材の一端開口迄は達しない状態で停止させてから、上記パンチをこの中間素材の内径側から、この中間素材の他端開口側を通じて抜き取る事を特徴とする金属製円筒状部材の余肉部除去方法
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