JP2017012149A - 具材入りの食品用トッピング剤、トッピング剤素材の分離抑制及び被添加食品の食感改善方法 - Google Patents

具材入りの食品用トッピング剤、トッピング剤素材の分離抑制及び被添加食品の食感改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な前処理操作を行わなくても、粒度の異なる乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末とが分離しにくく、コスト性や風味にも優れた具材入りの食品用トッピング剤を提供すること。
【解決手段】本発明は、乾燥具材1と、香料粉末及び/または着色料粉末4とを含有し、さらに素材分離抑制剤5を含有する食品用トッピング剤7に関する。この素材分離抑制剤5は、かさ比重が0.40g/cm以下である多糖類粉末3と、多糖類粉末3を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒2とにより構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、具材入りの食品用トッピング剤、トッピング剤素材の分離抑制及び被添加食品の食感改善方法に関する。
従来、粒度の異なる複数種類の乾燥素材の混合物である乾燥粉末食品の一種として、例えば食品用トッピング剤がよく知られている。この種の食品では、比較的粒度の大きい素材である乾燥具材が浮き、比較的粒度の小さい素材である粉末が沈み込む現象(即ち、乾燥具材とその他粉末とが分離する現象:「素材分離現象」)が生じやすい。従って、製造時に製品を容器内に均一に充填することが難しく、また、使用時に製品を均一に分配することも難しいという欠点があった。
より具体的にいうと、製造時においては、製品を容器内に充填する際に乾燥具材と調味粉末を含むその他粉末とが均一に混ざり合わず、製品ごとに素材の混合比がばらつきやすい。このため、製品の品質安定性を損なうという問題が生じる場合があった。また、製品を食材に対して使用する際においては、乾燥具材と調味粉末を含むその他粉末との不均一性に起因して、食材に乾燥具材ばかり、あるいは調味粉末ばかりが加えられたりすることが生じる。よって、味が不均一になりやすく、同一食材でも風味が不揃いになるという問題が生じる場合があった。
そこで、乾燥具材と調味粉末との分離を抑制する技術として、調味粉末を顆粒化することが従来提案されてきた。即ち、顆粒化された調味粉末を用いることによって、混合物全体の流動性が高くなり、乾燥具材と顆粒とが分離せず一緒に流れ出しやすくなる。その結果、乾燥具材と調味粉末との均一性を高めることができるとされてきた。しかしながら、このような従来技術の場合、素材分離抑制効果が十分に得られないという問題があった。それに加え、調味粉末の顆粒化にコストがかかるあまり、製品に添加できる乾燥具材の量や種類が限定されるという問題もあった。
また、調味粉末の顆粒化に際して、顆粒形成が困難な粉末素材(例えば、もち米粉やわさび香料など)が使用できず粉末素材の選択に制約を受けるという問題があった。このほか、顆粒形成時に熱負荷がかかって風味力価が落ちるという問題(例えば、香料など)や、顆粒化してしまうと粉末素材特有の食感や風味を活かせなくなるという問題(例えば、粗塩の塩味など)があった。
ゆえに、従来の食品用トッピング剤は、コスト性の観点から、風味の特徴となる乾燥具材の量を少なくせざるを得ず、インパクトの欠けた商品となっていた。また、乾燥具材の種類が限られてしまい、消費者が求めるバリエーションに対する要求を満たすことができなかった。さらに、従来の食品用トッピング剤は、顆粒化の面から考えると、調味原料の風味の質において必ずしも満足できる品質が達成できているとは言えず、消費者が求める本物志向の要求を満たすことができなかった。
さらに、具材入りの固形状食品用トッピング剤としては、凍結乾燥法によって具材とその他素材とを乾燥し固形化したものが従来から知られているが、凍結乾燥法には、食品素材の香りの消失、製造コスト高といった欠点があり、食品の種類や用途によっては使用が制限されてしまう場合が多かった。
また、飲食品の調味ブレンド工程において、乾燥具材や調味粉末などの様々な素材を投入する場合、添加する素材の種類によっては、各素材を一定量添加するために素材別に多種のノズルや装置を使い分ける煩雑な工程が必要であるという課題があった。
そして、上記の課題に鑑みてなされた技術が従来いくつか提案されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。即ち、特許文献1である特開2014−128237号公報には、乾燥具材を核にしてそれに粉末油脂を付着させることで、乾燥具材と調味粉末との分散性を改善する技術が開示されている。特許文献2である特開2013−85487号公報には、アルファ化デンプンに可食粉末を強固に結着させた後、これを乾燥具材の表面に結着させる技術が開示されている。特許文献3である特許第5689551号公報には、デンプンとデキストリンとを造粒した後、他の未造粒の原料として各種風味原料を混合して再造粒する技術が開示されている。特許文献4である特開2015−104367号公報には、多孔質粒状粉末に調味粉末を付着させた粉末付着粒状物を含む乾燥調味料に関する技術が開示されている。
特開2014−128237号公報 特開2013−85487号公報 特許第5689551号公報 特開2015−104367号公報
ところが、特許文献1の技術は、加熱溶融した固形油脂と、乾燥具材及び調味粉末とを混合攪拌後、固形油脂を冷却固化させ、さらに粉砕して乾燥食材を得るという、素材粉末の顆粒化と変わらない程度の工程の煩雑さとコストを要する。従って、具材と粉末との分離を抑えるという課題の解決には至るものの、具材ばかりのトッピング剤になり、商品形態として異質なものになってしまう。また、コスト低減という課題の十分な解決には至っていない。
特許文献2の技術は、具材の乾燥を速やかに行わせることを目的とするものであって、乾燥具材と調味粉末を含むその他素材との分離抑制に係わる効果については何ら言及されておらず、分離に関する課題の解決には至っていない。
特許文献3の技術の場合、各種風味素材は粉末であるばかりでなく、製品の最終形態も顆粒状である。このため、製造コストが高いことに加え、風味素材の香りが消失しやすいという問題があった。
特許文献4の技術の場合、外観の粉っぽさを低減し、呈味の濃淡を充分に感じさせることであって、粉末付着粒状物である乾燥具材と調味粉末を含むその他素材との分離抑制に係わる効果については何ら言及されておらず、分離に関する課題の解決には至っていない。また、多孔質粒状粉末にサイズが小さい調味粉末が付着すること自体は一般的に生じる現象であって、その付着性の制御や各素材の混合に関する工夫が認められず、これによる前記具材とその他素材の分離抑制効果を生じることも期待されないと考えられる。
一方で、上記特許文献のいずれにおいても、それぞれの乾燥食品の被添加食品に与える食感の改善方法には何ら言及されていない。特に、調味済みの液体調味食品(例えば麺つゆなどのつけだれ)おいて、食品の喫食事に違和感を与える程度の過度な粘度、濁りや食感のざらつきを伴うことに対して食感を改善し、具材入り乾燥食品の添加による食味向上効果を奏するようにするという課題は、依然として残されていた。また、前記調味済みの液体調味食品(例えば麺つゆなどのつけだれ)おいては、既に調味がなされている。従って、前記乾燥食品の添加の主たる目的としては、喫食事に強いインパクトを与える多量の具材の付与と、液体中での安定保持が困難であった新鮮な香りの付与や色調の変化による食味向上効果の改善とを挙げることができる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑な前処理操作を行わなくても、粒度の異なる乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末とが分離しにくく、コスト性や風味にも優れた具材入りの食品用トッピング剤を提供することにある。また、本発明の別の目的は、粒度の異なる乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末との分離を効果的に抑制でき、被添加食品における食感を効果的に改善できる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の事情に鑑みて鋭意研究を行った結果、乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末とを含有するものに対し、特定のかさ比重を有する多糖類粉末と、前記多糖類粉末を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒とを含有させることにより、乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末とが著しく分離しにくくなることを新規に知見した。そして、乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末とを含む食品用のトッピング剤の製造において、前記多糖類粉末と前記粒子状の凝集用可食粉粒とにより構成される素材分離抑制剤を含有させることにより、コスト高の原因となる素材の複雑な前処理操作を行わなくても、乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末との分離が著しく抑制され、コスト性や風味に優れた食品用トッピング剤を提供できることを新規に知見した。さらに、液体調味食品(例えば麺つゆなどのつけだれ)において、前記素材分離抑制剤を構成する多糖類粉末として、特定のかさ比重有する多糖類粉末と水溶性非増粘多糖類粉末とを主成分として含有させることにより、被添加液体調味食品に過度な粘度、濁り、ざらついた食感を付与することなく食感を改善でき、食味向上効果を奏することができる具材入り食品用トッピング剤を提供できることを新規に知見した。そして、本発明者らは上記の知見に基づいてさらに鋭意研究を進めることにより、最終的に下記の発明を完成させるに至ったのである。
上記の課題を解決するための手段[1]〜[14]を以下に列挙する。
[1]乾燥具材と、香料粉末及び/または着色料粉末とを含有する食品用トッピング剤であって、かさ比重が0.40g/cm以下である多糖類粉末と、前記多糖類粉末を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒とにより構成された素材分離抑制剤が含有されていることを特徴とする具材入りの食品用トッピング剤。
[2]前記多糖類粉末と前記凝集用可食粉粒との質量混合比が20:80〜80:20の範囲であることを特徴とする手段1に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[3]前記乾燥具材と、前記素材分離抑制剤並びに前記香料粉末及び/又は着色料粉末との質量混合比が5:95〜80:20の範囲であることを特徴とする手段1または2に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[4]前記トッピング剤において前記乾燥具材を除いた素材は、水分を5質量%に調整したときのかさ比重が、0.50g/cm以下であることを特徴とする手段1乃至3のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[5]前記素材分離抑制剤を構成する前記多糖類粉末が、かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末とを主成分として含むものであることを特徴とする手段1乃至4のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[6]前記素材分離抑制剤を構成する前記多糖類粉末が、かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末とを、質量比で60:40〜10:90の範囲で含むものであることを特徴とする手段1乃至4のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[7]前記水溶性非増粘多糖類粉末が、かさ比重が0.20g/cm未満である多孔性デンプン及び/または水溶性食物繊維の粉末であることを特徴とする手段5または6に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[8]前記凝集用可食粉粒は、油脂及び/または6質量%以上10質量%以下の水分を含むことを特徴とする手段1乃至7のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[9]前記素材分離抑制剤は、前記乾燥具材よりも小さく、かつ、前記香料粉末及び/または着色料粉末の大きさかそれよりも大きいことを特徴とする手段1乃至8のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[10]前記乾燥具材は1mmメッシュオンかつ10mmメッシュパスであり、前記凝集用可食粉粒は1mmメッシュオンかつ3mmメッシュパスであり、前記多糖類粉末は1mmメッシュパスであることを特徴とする手段1乃至9のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[11]前記トッピング剤は、液体調味食品用であることを特徴とする手段1乃至10のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[12]前記トッピング剤は、つけだれ用であることを特徴とする手段1乃至10のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
[13]乾燥具材と、香料粉末及び/または着色料粉末とを含有する食品用トッピング剤に、かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末と、前記多糖類粉末を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒とにより構成された素材分離抑制剤を添加することにより、トッピング剤素材の分離を抑制し、かつ被添加食品に対する過度な粘度、濁り及びざらついた食感の付与を抑制して食感を改善する方法。
[14]乾燥具材と、香料粉末及び/または着色料粉末とを含有する食品用トッピング剤に、かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末と、前記多糖類粉末を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒とを添加することにより、トッピング剤素材の分離を抑制し、かつ被添加食品に対する過度な粘度、濁り及びざらついた食感の付与を抑制して食感を改善する方法。
以上詳述したように、請求項1〜12に記載の発明によると、複雑な前処理操作を行わなくても、粒度の異なる乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末とが分離しにくく、コスト性や風味にも優れた具材入りの食品用トッピング剤を提供することができる。特に、水溶性非増粘多糖類粉末を含有させた請求項5、6に記載の発明によると、被添加液体調味食品に過度な粘度、濁りや食感のざらつきを付与することなく食感を改善でき、もって食味を向上することができる具材入り食品用トッピング剤を提供することができる。また、請求項13〜14に記載の発明によると、粒度の異なる乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末との分離を効果的に抑制でき、被添加食品における食感を効果的に改善できる方法を提供することができる。
(a)から(f)は本発明の具材入りの食品用トッピング剤の製造手順を説明するための概略図。
以下、本発明の具材入りの食品用トッピング剤、及びそれにおける素材の分離抑制方法、及び被添加食品に対する過度な粘度、濁り、ざらついた食感の付与を抑制して食感を効果的に改善し、さらには、新鮮な香りを付与し、色調を変化させることにより食味向上効果を改善する方法について詳細に説明する。
本発明における「具材入りの食品用トッピング剤」とは、食材にふりかけたり、ふりかけた後に食材に混ぜ込んだり、ふりかけた後に液体に分散・溶解させたりして、食材に対して、具材の見た目や風味、調味料の風味を与えて、食材の嗜好性を高めたり、食品に味付けをすることを目的とする食品素材を総称する概念である。
本発明の食品用トッピング剤は、乾燥具材と、香料粉末及び/または着色料粉末とを含有するとともに、特定のかさ比重を有する多糖類粉末と水溶性非増粘多糖類粉末と、前記多糖類粉末を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒とにより構成された素材分離抑制剤を含有している。
素材分離抑制剤を構成する多糖類粉末は、ある程度分子量の大きい(少なくとも1000以上の)多糖類の粉末のことを指し、具体的にはデンプン類を主成分として含有したものである。
前記多糖類粉末を構成する主原料としては、デンプン、デンプン含有物、加工デンプン及びこれらの混合物などが使用可能である。具体的には、「デンプン」を含む穀類の粉砕物、穀類から製造された「デンプン」が使用可能であるほか、これを物理的または化学的に加工した「加工デンプン」が使用可能である。
さらに具体的にいうと、「デンプン含有物」の例としては、もち米粉、おから粉末などを挙げることができる。「デンプン」の例としては、馬鈴薯デンプン、コーンスターチなどを挙げることができる。「加工デンプン」の例としては、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、酢酸デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンなどを挙げることができる。それらの混合物としては、例えば「デンプン」と「加工デンプン」との混合物が好適であり、具体的にはもち米粉デンプンとヒドロキシプロピルデンプンとの混合物がより好適なものとして挙げられる。その理由は、他の種類のデンプン類に比べてかさ高い多糖類粉末となりやすいからである。
この場合、もち米粉デンプンとヒドロキシプロピルデンプンとの混合物における両者の質量比は任意に設定されるが、もち米粉デンプンよりヒドロキシプロピルデンプンのほうが質量比で少ないほうが好適である。より具体的には、もち米粉デンプンとヒドロキシプロピルデンプンを質量比で95:5〜55:45で混合したもの、特には90:10〜70:30で混合したものの使用がより好適である。
多糖類粉末は比較的かさ高いものであって、そのかさ比重は0.40g/cm以下である必要がある。かさ比重が0.40g/cmよりも大きいと、乾燥具材との混合物中における分散性が悪くなり、混合物の上部に乾燥具材が浮いてしまうからである。多糖類粉末のかさ比重の下限値は特に限定されないが、かさ比重が0.10g/cmよりも小さいものを使用しようとしても、原料の選択肢の幅が狭くなり、結果的に高コスト化にもつながりやすくなる。上記の事情を考慮すると、かさ比重の範囲は、0.10g/cm以上0.35g/cm以下であることがより好ましく、0.15g/cm以上0.30g/cm以下であることがさらに好ましい。
また、前記素材分離抑制剤を構成するデンプン類を主原料とするかさ比重が0.20g/cm以上、0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末に混合される水溶性非増粘多糖類粉末としては、穀類、種実類、根菜類、草本類、海藻類、甲殻類、菌類から抽出される可溶性多糖類やこれを低粘度に加工したものや、水不溶性多糖類を水溶性かつ低粘度に加工したものなどを挙げることができる。
「水溶性多糖類やこれを低粘度に加工したもの」の例としては、大豆食物繊維やグア豆食物繊維、タマリンドシードガム、サイリウム豆食物繊維、アカシア食物繊維、小麦やとうもろこし由来の難消化性デキストリン、ポリデキストロース、イヌリン、グルコマンナン、βグルカン、カラギーナン製剤などが挙げられる。また、「水不溶性多糖類を水溶性かつ低粘度に加工したもの」の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、発酵セルロース、アガロオリゴ糖、水溶性アルギン酸、水溶性キトサンなどが挙げられる。さらに、「デンプン及び食物繊維含有物」として乾燥おから粉末が挙げられる。
前記素材分離抑制剤を構成するかさ比重が0.20g/cm以上、0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末に、前記水溶性非増粘多糖類粉末を混合するのは、以下の理由による。即ち、前記素材分離構成するデンプン類を主体とする多糖類粉末だけの場合に比べて、これらを水溶液に添加した場合、粘度が高くなりすぎず、かつ可溶性を有するため、粘度による食感の違和感、濁り、食感のざらつきが生じ難いからである。
このように前記素材分離抑制剤を構成する多糖類に、上述した水溶性非増粘多糖類粉末を混合することで、例えば麺つゆなどのつけだれのような液体調味食品用において、素材分離抑制効果を阻害せず、かつ食品の喫食事に違和感を覚える程度の過度な粘度、濁り、ざらついた食感を伴わず食感を改善し、具材入り乾燥食品の添加による食味向上効果を改善するに際して好適だからである。
この場合、前記素材分離抑制剤を構成する多糖類粉末中における、水溶性非増粘多糖類粉末の質量比は任意に設定されるが、前記素材分離抑制剤の効果を阻害せず、過度な粘度、濁り、ざらついた食感を伴わない割合が好適である。より具体的には、前記素材分離抑制剤を構成する多糖類粉末のかさ比重が0.20g/cm以上、0.40g/cm以下の多糖類粉末と水溶性非増粘多糖類粉末の質量混合比(%)が60:40〜10:90の範囲であることが好ましく、50:50〜30:70の範囲であることがより好ましい。
なお、前記素材分離抑制剤を構成する多糖類粉末のかさ比重が0.20g/cm未満である多孔性デンプン及び/または水溶性食物繊維の粉末のみによっても、素材分離抑制効果を伴いつつ、被添加食品に過度な粘度、濁りや食感のざらつきを伴わず食感を改善し、食品の喫食事に違和感を覚えることなく、食味向上効果が奏される食品用トッピング剤を得ることができる。この理由としては、これら素材が著しくかさ高く、素材分離抑制効果が大きく、かつ優れた水溶性を有するからである。
素材分離抑制剤を構成する凝集用可食粉粒は、特定のかさ比重を有する多糖類粉末を凝集させる特性を有するものであって、その原料としては、油脂及び/または6質量%以上10質量%以下の水分を含む可食粉粒を使用することができる。ちなみに、本発明の凝集用可食粉粒は、含有している油脂及び/または少量の水分によって、自身の表面に複数の多糖類粉末を付着させることで、多糖類粉末を凝集させることができる。
天然に油脂を含有する原料としては、例えば、すりごま、チキンパウダー、チキンエキスパウダー、粉末油脂、卵粉末などが使用可能である。人為的に油脂を含浸させた原料としては、例えば、パーム油を含浸させた後に乾燥して粉砕した「味付け枝豆パウダー」や油脂を含有させた「油脂吸着デキストリン」などが使用可能である。これらから選択される2種以上のものを併用することも可能である。
6質量%以上10質量%以下の水分を天然に含有する原料としては、例えば、粗塩、黒糖、粉末醤油などが使用可能である。人為的に上記分量の水分を含有させた原料としては、特定の増粘剤や結着剤などが使用可能である。具体的には、事前に十分量の加水をして溶解させた次の成分をバットに薄く広げ、40℃で乾燥させ、上記の水分含量まで乾燥させたものを粉砕した、増粘剤であるカラギーナンやデキストリン、結着剤であるポリリン酸ナトリウムなどが使用可能である。これらのうち2種以上のものを併用することも可能である。
なお、上記油脂を含有する凝集用可食粉粒と、上記少量の水分を含む凝集用可食粉粒とは単用してもよいが、併用することも可能である。一例としては、すりごまと粗塩とを混合したものなどが使用可能である。
多糖類粉末と凝集用可食粉粒との混合比は限定されず任意に設定することができるが、例えば、質量比で20:80〜80:20の範囲であることが好ましく、30:70〜80:20の範囲であることがさらに好ましい。混合比が上記範囲を逸脱すると、乾燥具材との混合物中における分散性が悪くなり、混合物の上部に多糖類粉末が浮いてしまいやすくなるからである。
本発明における素材分離抑制剤は、凝集用可食粉粒の表面に複数の多糖類粉末が付着して凝集した付着混合物であるが、その付着混合物のサイズは、乾燥具材よりも小さく、かつ、香料粉末及び/または着色料粉末の大きさかそれよりも大きいものであることがよい。その理由は、このようなサイズとすることで素材分離抑制効果が奏されやすくなる傾向があるからである。
食品用トッピング剤に使用される乾燥具材の種類や大きさは、本発明の効果に対して特に制約を与えるものではないが、食材へのトッピングの際の操作性や食べやすさ、及び被添加食品の種類を考慮した場合、適当なサイズがある。特に、本発明の用途とするつけだれのような液体調味食品用のトッピング剤においては、見た目のインパクトや食感付与の観点から、具材の種類や量が多いほうが望ましく、食べやすさの観点から、具体的には、1mmメッシュオンかつ10mmメッシュパスであることが好ましい。
食品用トッピング剤に使用される乾燥具材が1mmメッシュオンかつ10mmメッシュパスであり、香料粉末及び/または着色料粉末が1mmメッシュパスであるとすると、凝集用可食粉粒は1mmメッシュオンかつ3mmメッシュパスであることが好ましく、多糖類粉末は1mmメッシュパスであることが好ましい。また、かさ比重が0.20g/cm3未満である多孔性デンプン及び/または水溶性食物繊維の粉末のサイズは前記多糖類粉末と同等であることが好ましい。具体的に言うと、1mmメッシュパスであることが好ましい。即ち、多糖類粉末と凝集用可食粉粒とでサイズに大小関係を持たせたのは、相対的にサイズが大きい凝集用可食粉粒と、相対的にサイズが小さい多糖類粉末とを組み合わせることで、凝集用可食粉粒の表面に複数の多糖類粉末を凝集しやすくなり、所望とするサイズ及び形状の素材分離抑制剤が得やすくなるからである。
乾燥具材の例としては、例えば、ごま、松の実、クルミ、ナツメグなどの種実類、山椒の実、紫蘇の実、蓼の実、唐辛子、生姜スライス、粒こしょう、粒マスタード、フェンネルシード、クミンシード、コリアンダーシード、ディルシード、フェネグリークシード、ローズマリー、月桂樹の葉、乾燥ワサビ、乾燥ショウガ、乾燥ネギ、乾燥にんにくなどの香辛料類、乾燥海苔、乾燥ひじき、乾燥わかめなどの乾燥海藻類、乾燥ちりめんじゃこ、乾燥さくらえび、鰹節けずり片などの乾燥魚介類、乾燥ベーコンなどの乾燥肉類、大豆パフ類、穀物を原料とするパフ類、鶏風味植物性タンパク質などの乾燥風味具材、風味フレーク類、調味顆粒などを挙げることができる。これら乾燥具材は乾燥前後において、破砕や切断などの操作を行い、適宜サイズを調整すればよい。これら乾燥具材と、前記素材分離抑制剤及び前記香料粉末及び/または着色料粉末との質量混合比は、特に、本発明の用途とするつけだれ用のトッピング剤においては、見た目のインパクトや食感付与の観点から、具材が多いほうが望ましく、よって強い分離抑制効果を要することから前記素材分離抑制剤の量が多いほうが好ましく、5:95〜80:20の範囲であることが好ましく、5:95〜70:30の範囲であることがより好ましい。ここで、乾燥具材の質量混合比が上記好適範囲よりも大きいと、素材分離抑制剤の含有量が少なくなるため、十分な素材分離抑制効果が奏されにくくなるからである。逆に、乾燥具材の質量混合比が上記好適範囲よりも小さいと、風味の特徴となる乾燥具材が少なくなり、インパクトの欠けた商品となるおそれがあるからである。
食品用トッピング剤に使用される香料粉末の例としては、粉末状にした調味のための各種食材を使用することができ、具体的には、液体調味料中での安定保持が難しく、新鮮な香りを要求される、梅粉末、梅干粉末、ゆず粉末、酢橘粉末、かぼす粉末、だいだい粉末などの柑橘香料や、胡椒、山椒、山葵、生姜、ニンニク、唐辛子、マスタードなどの香辛料香料、抹茶香料などが使用可能である。
食品用トッピング剤に使用される着色料粉末の例としては、粉末状にした着色のための各種食材を使用することができ、具体的には、カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、ウコン色素、カロチン色素、アカキャベツ色素、ヨモギ色素、フラボノイド色素、コチニール色素、アマランス(赤色2号)、エリスロシン(赤色3号)、アルラレッドAC(赤色40号)、ニューコクシン(赤色102号)、フロキシン(赤色104号)、ローズベンガル(赤色105号)、アシッドレッド(赤色106号)、タートラジン(黄色4号)、サンセットイエローFCF(黄色5号)、ファストグリーンFCF(緑色3号)、ブリリアントブルーFCF(青色1号)、インジゴカルミン(青色2号)、レッドビート色素などの着色料などが使用可能である。
本発明では、多糖類粉末のかさ比重が素材分離抑制効果をもたらす一因として寄与するものと推定されるが、本発明の食品用トッピング剤から乾燥具材を除いた素材のかさ比重の範囲について、何らかの特徴を有するか否かについて検証を行った。その結果、食品用トッピング剤から乾燥具材を篩い分けし、篩を通過した素材は、この水分を5質量%に調整した時のかさ比重が0.50g/cm以下であることが特徴の1つとなっていた。
本発明の食品用トッピング剤は様々な食材に対して広く適用可能であるが、例えば、液体調味食品であるつけだれ用であることが好適であり、さらに具体的には、麺つゆ、鍋つゆ、焼肉のたれ、水炊きのたれ、湯豆腐のつけだれ、餃子のつけだれ、に対する用途に使用されるのが好適である。なかでも、本発明は既に調味されており、つけだれ用として用いられる液体調味料と併用されて多量の具材と新鮮な香りをこれに付与し、色調を変化させ、液体調味食品の食味向上効果を改善できる食品用トッピング剤として具体化されることが好ましく、具体的には、ぽん酢、麺つゆ、ソース類、たれ類など、として具体化されることがより好ましい。
本発明の具材入りの食品用トッピング剤は、例えば次のような比較的簡単な方法により製造される。まず、ロッキングミキサー、ナウターミキサーなどの一般的な乾燥粉粒体混合用機械に、多糖類粉末及び凝集用可食粉粒を投入して混合し、凝集用可食粉粒を核として複数の多糖類粉末を凝集させることで、それらの付着混合物(即ち、素材分離抑制剤)を形成させる(第1混合工程)。次いで、これに乾燥具材や香料粉末及び/または着色料粉末を投入して混合する(第2混合工程)。このように二段階で素材を混合する方法のほか、例えば、乾燥粉粒体混合用機械に上記の全ての素材(多糖類粉末、凝集用可食粉粒、乾燥具材、香料粉末及び/または着色料粉末)を一括して投入、混合する方法も採用可能である。後者のように一段階で素材を一括混合する方法であっても、混合物中にて素材分離抑制剤を形成させることができ、十分な素材分離抑制効果を得ることができる。
図1は、本発明の具材入りの食品用トッピング剤の製造方法(例として上記二段階混合法)を説明するための概略図であり、図中においては、乾燥具材1、凝集用可食粉粒2、多糖類粉末3、香料粉末及び/または着色料粉末4、素材分離抑制剤5、水溶性非増粘多糖類粉末6、食品用トッピング剤7として表している。図1(a)は、第1混合工程の実施前の多糖類粉末3及び凝集用可食粉粒2を示し、図1(b)は、第1混合工程の実施後の多糖類粉末3及び凝集用可食粉粒2を示している。この工程を経ると、凝集用可食粉粒2を核として複数の多糖類粉末3が凝集することで素材分離抑制剤5が形成される。図1(c)は乾燥具材1を示し、図1(d)は香料粉末及び/または着色料粉末4を示し、図1(e)は水溶性非増粘多糖類粉末6を示している。そして、第2混合工程を実施して上記各素材を混合することで、乾燥具材1の表面に複数の素材分離抑制剤5が付着した(いわば、複数の素材分離抑制剤5が乾燥具材1を抱き込んだ)状態の食品用トッピング剤7を得ることができる(図1(f)を参照)。この場合、複数の素材分離抑制剤5の存在によって乾燥具材1表面に凹凸が増え、その凹凸に香料粉末及び/または着色料粉末4が引っ掛かりやすくなる。その結果、分離が効果的に抑制され、素材の均一性が高まるものと推測される。
また、素材分離抑制剤を構成する多糖類粉末3の一部に、水溶性非増粘多糖類粉末が含有されることで、素材分離抑制効果を阻害することなく、被添加食品に過度な粘度、濁りや食感のざらつきを伴わず食感を改善し、食品の喫食事に違和感を覚えることなく、食味向上効果が奏される食品用トッピング剤7を得ることができる。
以下、本実施形態の具材入りの食品用トッピング剤、トッピング剤素材の分離抑制方法及び被添加食品に対する過度な粘度、濁り、ざらついた食感の付与を抑制して食感を効果的に改善する方法、さらには、新鮮な香りを付与し、色調を変化させることによる食味向上効果を改善する方法をより具体化した実施例を示す。
[評価試験1]『多糖類粉末の原料の選択及びかさ比重の範囲の検証』
この評価試験1では、素材分離抑制剤として用いる多糖類粉末の原料の選択及びかさ比重の範囲の検証を目的として行った。ここでは、多糖類粉末の原料として13種類のものを用いた(表1参照)。具体的には、デンプン含有物として「おから粉末」を用い、デンプンとして「タピオカデンプン」、「馬鈴薯デンプン」、「コーンスターチ」、「もち米粉デンプン」を用い、加工デンプンとして「リン酸化架橋デンプン」、「アセチル化アジピン酸架橋デンプン」、「酢酸デンプン」、「ヒドロキシプロピルデンプン」を用い、デンプン・加工デンプン混合物として「もち米粉:ヒドロキシプロピルデンプン=80:20の混合物」、水溶性非増粘多糖類粉末であるデンプンとして「多孔性デンプン」を用いた。また、水溶性非増粘多糖類粉末である食物繊維類として「難消化性デキストリン」「イヌリン」を用いた。
そして、多糖類粉末に対する凝集用可食粉粒を「すりごま(質量配合率11%)」とし、乾燥具材を「焼刻海苔(質量配合率2.0%)」、「大豆パフ粒(質量配合率21.3%)」、「凍結乾燥ネギ(質量配合率2.1%)」、「梅顆粒フレーク(質量配合率21.3%)」、「ごま(質量配合率21.3%)」とし、これらに上記の多糖類粉末を各々配合(質量配合比21%)し、透明なビニール袋の中に一括投入(総量500g)した。次いで、素材が投入されたビニール袋を空気で膨らませた後、手でよく振って十分に混合・攪拌した。その後、乾燥具材の混合物全体への混ざり込み具合を目視で判定した。その結果を表1に示す。なお、上記各具材の粒度は1mmメッシュオンかつ10mmメッシュパスであり、すりごまの粒度は1mmメッシュオンかつ3mmメッシュパスであり、多糖類粉末の粒度は1mmメッシュパスであった。
さらに、上記の混合物について、液体調味料への添加の際の粘性について検証した。具体的には、市販のつゆ100mLに、各混合物10gを添加し、軽くかき混ぜ、茹でたそうめんを食し、食感の違和感を判定した。
この評価試験1では、各サンプルの「乾燥具材の混合物全体への混ざり込み具合」を以下の基準で判定した。
×:乾燥具材が混合物中で不均一に分散し、混合物の上部に浮く(不可)
△:乾燥具材が混合物中でやや不均一に分散し、混合物の上部に浮く割合が多い(不可)
○:乾燥具材が混合物中でほぼ均一に分散し、混合物の上部に浮く割合が少ない(可)
◎:乾燥具材が混合物中で均一に分散し、混合物の上部に浮かない(可)
各サンプルの「液体調味料への添加の際の粘性」は以下の基準で判定した。
×:違和感のある粘度がつく(不可)
△:やや違和感のある粘度がつく(不可)
○:粘度はややつくが違和感はない(可)
◎:粘度がつかず違和感がない(可)
具材の混ざりこみ具合の判定結果、及び、液体調味料への添加の際の粘性の判定結果から、両方の効果を奏する総合評価を以下の基準で判定した。
×:不適
△:やや不適
○:適する
◎:特に適する
なお、各多糖類粉末の増粘性については、JISの粘度測定法として規格化されている落体式粘度計を用いた方法によって行い、サンプルの落下性を目視によって判定した。
×:落下が遅く、増粘性が高い
△:やや落下が遅く、やや増粘性が高い
○:やや落下が速く、やや増粘性が低い
◎:落下が速く、増粘性が低い
表1に示されるように、いくつか挙げた多糖類粉末のうち、かさ比重が最も大きかったのは、1.35g/cmのイヌリン(フジ日本精糖製:商品名「フラクトファイバー」)であった。逆に、最も小さかったのは、0.10g/cmの難消化性デキストリン(三晶製:商品名「マルトリンM700」)であった。「乾燥具材の混合物全体への混ざり込み具合」に関しては、かさ比重が0.40g/cmを超える多糖類粉末を用いたサンプルでは、いずれも乾燥具材が均一に分散しておらず、評価「×」と判定された。これに対し、かさ比重が0.10g/cm以上0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末を用いたサンプルでは、いずれも乾燥具材がほぼ均一に分散しており、評価「〇」以上の判定となった。とりわけ、おから粉末(かさ比重が0.26/cm)、ヒドロキシプロピルデンプン(かさ比重が0.27g/cm)、もち米粉:ヒドロキシプロピルデンプン=80:20の混合物(かさ比重が0.23g/cm)、多孔性デキストリン(かさ比重が0.15g/cm)、難消化性デキストリンA(かさ比重が0.14g/cm)、難消化性デキストリンB(かさ比重が0.10g/cm)、を用いたサンプルについては評価「◎」の判定となり、素材分離抑制剤として用いる多糖類粉末の原料として、適性が高いと結論付けられた。
一方で、液体調味料への添加の際の粘性については、おから粉末、及びかさ比重が0.20g/cmより小さい、多孔性デキストリン、難消化性デキストリンが特に粘性が低く(即ち評価「◎」)、液体調味料への添加の際の粘性による違和感の回避に対して、特に適していると結論付けられた。
以上、具材の混ざりこみ具合の判定結果と液体調味料への添加の際の粘性の判定結果からの総合評価としては、かさ比重が0.10g/cm以上0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末を用いたサンプルでは評価「○」以上の評価となり、適性があり、特には、おから粉末、及び、かさ比重が0.10g/cm以上0.20g/cmより小さい範囲である多糖類粉末を用いたサンプルでは評価「◎」となり、素材分離抑制剤としての効果と液体調味料への添加の際の粘性による違和感の回避の効果を合わせて、適性が高いと結論付けられた。
[評価試験2]『凝集用可食粉粒の混合比の範囲の検証』
この評価試験2では、素材分離抑制剤として用いる凝集用可食粉粒の混合比の範囲の検証を目的として行った。ここでは、評価試験1の結果に基づき、松谷化学製の商品名「パインフロー(多孔性デキストリン)」を多糖類粉末として選択した。そして、凝集用可食粉粒を「すりごま」とし、乾燥具材を「焼刻海苔(質量配合率2.0%)」、「大豆パフ粒(質量配合率21.3%)」、「凍結乾燥ネギ(質量配合率2.1%)」、「梅顆粒フレーク(質量配合率21.3%)」、「ごま(質量配合率21.3%)」としたうえで、「パインフロー」及び「すりごま」の比率を表2のように変化させて、評価試験1と同様の手法で試験及び評価を行った。その結果を表2に示す。なお、各具材の粒度は1mmメッシュオンかつ10mmメッシュパスであり、すりごまの粒度は1mmメッシュオンかつ3mmメッシュパスであり、多糖類粉末である「パインフロー」の粒度は1mmメッシュパスであった。
その結果、表2に示されるように、多糖類粉末と凝集用可食粉粒との質量配合比は、20:80〜80:20の範囲であることが好ましく(即ち評価「〇」以上と判定)、30:70〜80:20の範囲であることがさらに好ましい(即ち評価「◎」と判定)、と結論付けられた。
[評価試験3]『凝集用可食粉粒の原料の検証』
この評価試験3では、素材分離抑制剤として用いる凝集用可食粉粒の原料の検証を目的として行った。ここでは、評価試験1の結果に基づき、松谷化学製の商品名「パインフロー」を選択し、評価試験2の結果に基づき、多糖類粉末と凝集用可食粉粒との質量配合比を20:80〜80:20の範囲内として、表3A〜表3Jの各凝集用可食粉粒による様々な乾燥具材の素材分離抑制効果の検証を行った。具体的には、乾燥具材として「焼刻海苔」、「大豆パフ粒」、「凍結乾燥ネギ」、「梅風味フレーク」、「ごま」を組み合わせて用いた。そして、評価試験1と同様の手法で試験及び評価を行った結果を表3A〜表3Jにそれぞれ示す。
なお、各凝集用可食粉粒の検証は、多糖類粉末を付着すると想定された、1)油分を含むものや、2)少量の水分を含むものであって、手触りとしてややべとつきが感じられることを指標として前選抜したものを試験に供した。「味付け枝豆パウダー」は、製造工程において、パーム油を含浸させた後に乾燥し、粉砕したものである。増粘剤である「カラギーナン」及び「デキストリン(DE9〜12)」、結着剤である「ポリリン酸ナトリウム」は、事前に十分量の加水をして溶解させた各成分溶解物を金属性のバットに薄く広げ、40℃で乾燥させ、6質量%以上10質量%以下の水分含量まで乾燥させたものをミルで粉粒砕したものを使用した。ちなみに、各乾燥具材の粒度はいずれも1mmメッシュオンかつ10mmメッシュパスであり、各凝集用可食粉粒の粒度はいずれも1mmメッシュオンかつ3mmメッシュパスであり、多糖類粉末である「パインフロー」の粒度は1mmメッシュパスであった。
その結果、表3A及び表3Bに示すように、いずれも評価「○」と判定されたことから、凝集用可食粉粒として、天然に油脂を含む「すりごま」、「チキンエキスパウダー」を使用できること、及びそれらを併用できることがわかった。表3Cに示すように、評価「◎」と判定されたことから、凝集用可食粉粒として、人為的に油脂を含浸させた「味付け枝豆パウダー」を使用できることがわかった。表3D及び表3Eに示されるように、評価「○」以上と判定されたことから、凝集用可食粉粒として、天然に油脂を含む「すりごま」と、天然に少量の水分を含有する「粗塩」とを併用できることがわかった。表3E、表3F、表3Gに示されるように、いずれも評価「○」以上と判定されたことから、凝集用可食粉粒として、天然に少量の水分を含有する「粗塩」、「粉末醤油」、「黒糖」を使用できることがわかった。表3H、表3I、表3Jによれば、いずれも評価「○」と判定されたことから、凝集用可食粉粒として、人為的に少量の水分を含浸させた「カラギーナン(増粘剤)」、「デキストリン(DE9〜12)(増粘剤)」、「ポリリン酸ナトリウム(結着剤)」を使用できることがわかった。
また、以上の結果から、凝集用可食粉粒の添加は、使用する乾燥具材の種類を問わず有効であり、また、異種の乾燥具材を併用した場合であっても有効であることがわかった。
表1に記載のとおり、かさ比重が0.20g/cm未満である多糖類粉末を素材分離抑制剤として用いた場合の総合評価は「◎」であり、つけだれの粘度上昇は認められず、これら多糖類粉末の単独使用に問題は認められなかった。しかしながら、表1に記載のとおり、おから粉末以外の、かさ比重が0.20g/cm以上、0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末を素材分離抑制剤として用いた場合の総合評価は「○」であった。つまり、違和感を覚えるほどの程度ではないものの、つけだれの粘度がやや高くなり、麺にこれが付着し、そうめんの心地よいのど通りが阻害される傾向があることがわかった。従って、素材分離抑制剤としての多糖類粉末の選択性の観点から、ここにさらなる改善の余地があった。
[評価試験4]『粘性改善剤としての多糖類粉末の混合比の範囲の検証』
この評価試験4では、評価試験1で選抜されたかさ比重が0.20g/cm未満である低粘度の多糖類粉末を、おから粉末以外の、かさ比重が0.20g/cm以上、0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末に混合し、水溶性非増粘多糖類粉末との混合による粘性改善効果の有無、及び効果を有する混合比の範囲の検証を目的として行った。ここでは、評価試験1の結果に基づき、かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末として、松谷化学製の商品名「ライススターRC」を選択し、評価試験2の結果に基づき、「すりごま」を凝集用可食粉粒として選択した。また、評価試験1の結果に基づき、かさ比重が0.20g/cm未満である水溶性非増粘多糖類粉末として、松谷化学製の商品名「パインフロー」を選択した。そして、素材分離抑制剤である多糖類粉末に対する水溶性非増粘多糖類粉末の質量配合比を表4のように変化させて、食品用トッピング剤のサンプルを作製するとともに、評価試験1と同様の手法でそれらに対する試験及び評価を行った。その結果を表4に示す。
表4に示されるように、素材分離抑制剤を構成するかさ比重が0.20g/cm以上、0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末の質量配合比(%)が、60:40〜10:90の範囲において、水溶性非増粘多糖類粉末の混合による粘性改善効果が素材分離抑制効果を保ちながら認められ(即ち評価「〇」以上と判定)、50:50〜30:70の範囲においてより強い粘性改善効果が素材分離抑制効果を保ちながら認められた(即ち評価「◎」と判定)。よって、かさ比重が0.20g/cm以上、0.40g/cm以下の範囲である多糖類粉末と、かさ比重が0.20g/cm未満である水溶性非増粘多糖類粉末を特定の質量比で混合することにより、素材分離抑制効果を保ちながら、粘性改善を図ることが可能であることが結論付けられた。前記範囲よりかさ比重が0.20g/cm未満である水溶性非増粘多糖類粉末の割合が小さいと、粘性が改善されず、つゆとしての違和感を覚え易く、前記範囲よりかさ比重が0.20g/cm未満である水溶性非増粘多糖類粉末の割合が大きいと、具材分離抑制効果が弱くなり乾燥具材の分離抑制効果が十分に奏されず、被添加食品の食味向上効果の改善がなされにくいことがわかった。従って、かさ比重が0.20g/cm未満である水溶性非増粘多糖類粉末を単独で使用する場合には、乾燥具材の配合量を減らし、水溶性非増粘多糖類粉末の配合量を増やすことが必要であることがわかった。
[評価試験5]『乾燥具材と、素材分離抑制剤との混合比の範囲の検証』
この評価試験5では、乾燥具材と素材分離抑制剤との混合比の範囲の検証を目的として行った。ここでは、評価試験1の結果に基づき、松谷化学製の商品名「パインフロー」を多糖類粉末として選択し、評価試験2の結果に基づき、「すりごま」を凝集用可食粉粒として選択した。そして、乾燥具材に対する素材分離抑制剤の質量配合比を表5のように変化させて、食品用トッピング剤のサンプルを作製するとともに、評価試験1と同様の手法でそれらに対する試験及び評価を行った。その結果を表5に示す。
なお、香料粉末としては、「梅干香料(による香りづけ)(調味粉末総量のうちの3質量%)」を用いた。粒度は1mmメッシュパスである。着色料粉末としては、「レッドビート色素(による色付け)(調味粉末総量のうちの3質量%)」を用いた。粒度は1mmメッシュパスである。なお、香料粉末及び着色料粉末は、本発明の素材分離抑制効果には関係のないものである。
その結果、表5に示されるように、乾燥具材と、素材分離抑制剤及び香料粉末と着色料粉末との質量混合比は、5:95〜80:20の範囲であることが好ましく(即ち評価「〇」以上と判定)、20:80〜70:30の範囲であることがより好ましい(即ち評価「◎」と判定)、と結論付けられた。
[評価試験6]『トッピング剤から乾燥具材を除いた素材のかさ比重の範囲の検証』
この評価試験6では、トッピング剤から乾燥具材を除いた素材のかさ比重の範囲の検証を目的として行った。ここでは、評価試験1の結果に基づき、多糖類粉末として「パインフロー」を選択し、評価試験2の結果に基づき、凝集用可食粉粒として「すりごま」を選択した。素材分離抑制剤と、香料粉末及び着色料粉末との質量配合比を表6のように変化させて、食品用トッピング剤のサンプルを作製した。次いで、作製されたトッピング剤から乾燥具材のみを篩い分けて除去し、乾燥具材を除いた素材の水分を5質量%に調整した後、メッシュを通過した素材のかさ比重を測定した。香料粉末及び着色料粉末の組成は、評価試験5と同様とした。
その結果、表6に示されるように、メッシュの通過により乾燥具材を除いた素材は、水分を5質量%に調整した時のかさ比重が0.50g/cm以下の範囲(具体的に、ここでは0.18g/cm〜0.49g/cm)となることが特徴の一つであることがわかった。
[評価試験7]『本発明の効果の検証』
以上の条件検討結果に基づいて、以下、具材入りの食品用トッピング剤を調製し、乾燥具材と、香料粉末及び着色料粉末と、多糖類粉末と凝集用可食粉粒とを混合してなる素材分離抑制剤との混合安定性、被添加食品の粘性改善効果、濁り及び食感のざらつきの改善による食感改善効果について検証を行った。ここでは、液体調味食品用である具材入りの食品用トッピング剤の一例として、「つけだれとしての麺つゆ用トッピング剤」を表7のように調製し、他の処方例との比較を実施した。
検証方法としては、表7の各素材を以下の質量配合率で、不透明なパウチ容器中に一括投入(総量250g)し、パウチ容器を空気で膨らませた後、手でよく振って十分に混合・攪拌した。その後、内容物を、20gずつ、連続して10回分取し、乾燥具材を篩い分けした後、各回の乾燥具材の質量を測定した。その値を基に、乾燥具材含有率平均値(%)、乾燥具材含有率のばらつき指標(3σ)を計算し、評価試験1と同様の基準で、乾燥具材とその他素材との素材分離抑制効果の程度、及び粘性の程度を判定した。さらに、各混合物を麺つゆに添加し、これをつけだれとしてそうめんを食し、その食感を判定した。乾燥具材の混合物全体への混ざり込み具合、及び粘性の程度は[評価試験1]と同じ基準を用い、判定した。
その結果、表7に示されるように、液体調味食品用の「つけだれとしての麺つゆ用トッピング剤」において、本発明を適用した実施例1の製品は、乾燥具材含有率のばらつき指標(3σ)が著しく小さく、乾燥具材とその他素材との素材分離抑制効果が十分に奏されていることがわかった。さらに、被添加液体調味食品に過度な粘度、濁り、ざらついた食感を付与することなく食感が改善され、食味向上効果の改善された具材入り食品用トッピング剤を提供できるがことがかった。
これに対し、「凝集用可食粉粒なし」とした比較例1、「多糖類粉末なし」とした比較例2では、上記ばらつき指標(3σ)が実施例1に比べて大きくなっており、乾燥具材とその他素材との素材分離抑制効果が十分に奏されていなかった。ゆえに、それぞれ単独では素材分離抑制効果は奏されず、素材分離抑制効果を奏するためには、多糖類粉末と凝集用可食粉粒とを併用すること(即ち、これらの併用により素材分離抑制を形成すること)が必須であることが実証された。
同様に、「調味粉末の顆粒化技術」である比較例3(即ち従来技術)においても、乾燥具材とその他素材との素材分離抑制効果が不十分であり、これに対しても、本発明を適用した実施例1の製品は、素材分離抑制効果が著しく高いことがわかった。なお、乾燥具材含有率平均値(%)、(対質量配合率)については、各実施例及び各比較例間にて大差はなく、許容範囲で問題はないと判断された。
なお、「粘性改善剤なし」とした比較例4においては、実施例1と同様に素材分離抑制効果が著しく高いものの、つけだれの粘度がやや高くなり、特別に違和感を覚えるほどではないものの、麺にこれが付着し、そうめんの心地よいのど通りがやや阻害され、実施例2の粘性改善剤を併用したそうめんつゆに比べて品質的にやや劣ることが認められた。ゆえに、麺つゆなどに代表されるつけだれのような液体調味食品に対して、具材入り乾燥食品の添加により食味向上効果を改善するに際して、水溶性非増粘多糖類粉末の使用、あるいは、水溶性非増粘多糖類粉末の併用による粘性改善による食感改善効果が、品質の向上によりよく作用することが実証された。
[結論]
以上の結果を総合すると、本実施形態の各実施例によれば、素材の複雑な前処理操作を行わなくても、粒度の異なる乾燥具材と、香料粉末や着色料粉末とが分離しにくく、コスト性や風味にも優れ、被添加食品に過度な粘度、濁り、ざらついた食感を付与することなく食感を改善し、かつ新鮮な香気を伴った被添加食品の食味向上効果を改善することができる具材入りの食品用トッピング剤を提供することができる。なお、本発明は上記実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更してもよい。
1…乾燥具材
2…凝集用可食粉粒
3…多糖類粉末
4…香料粉末及び/または着色料粉末
5…素材分離抑制剤
6…水溶性非増粘多糖類粉末
7…食品用トッピング剤

Claims (14)

  1. 乾燥具材と、香料粉末及び/または着色料粉末とを含有する食品用トッピング剤であって、
    かさ比重が0.40g/cm以下である多糖類粉末と、前記多糖類粉末を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒とにより構成された素材分離抑制剤が含有されている
    ことを特徴とする具材入りの食品用トッピング剤。
  2. 前記多糖類粉末と前記凝集用可食粉粒との質量混合比が20:80〜80:20の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  3. 前記乾燥具材と、前記素材分離抑制剤並びに前記香料粉末及び/又は着色料粉末との質量混合比が5:95〜80:20の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  4. 前記トッピング剤において前記乾燥具材を除いた素材は、水分を5質量%に調整したときのかさ比重が、0.50g/cm以下であることを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  5. 前記素材分離抑制剤を構成する前記多糖類粉末が、
    かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末とを主成分として含むものである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  6. 前記素材分離抑制剤を構成する前記多糖類粉末が、
    かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末とを、質量比で60:40〜10:90の範囲で含むものである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  7. 前記水溶性非増粘多糖類粉末が、かさ比重が0.20g/cm未満である多孔性デンプン及び/または水溶性食物繊維の粉末であることを特徴とする請求項5または6に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  8. 前記凝集用可食粉粒は、油脂及び/または6質量%以上10質量%以下の水分を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  9. 前記素材分離抑制剤は、前記乾燥具材よりも小さく、かつ、前記香料粉末及び/または着色料粉末の大きさかそれよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  10. 前記乾燥具材は1mmメッシュオンかつ10mmメッシュパスであり、
    前記凝集用可食粉粒は1mmメッシュオンかつ3mmメッシュパスであり、
    前記多糖類粉末は1mmメッシュパスである
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  11. 前記トッピング剤は、液体調味食品用であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  12. 前記トッピング剤は、つけだれ用であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の具材入りの食品用トッピング剤。
  13. 乾燥具材と、香料粉末及び/または着色料粉末とを含有する食品用トッピング剤に、かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末と、前記多糖類粉末を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒とにより構成された素材分離抑制剤を添加することにより、トッピング剤素材の分離を抑制し、かつ被添加食品に対する過度な粘度、濁り及びざらついた食感の付与を抑制して食感を改善する方法。
  14. 乾燥具材と、香料粉末及び/または着色料粉末とを含有する食品用トッピング剤に、かさ比重が0.20g/cm以上0.40g/cm以下である多糖類粉末と、水溶性非増粘多糖類粉末と、前記多糖類粉末を凝集させる特性を有する粉末状及び/または粒子状の凝集用可食粉粒とを添加することにより、トッピング剤素材の分離を抑制し、かつ被添加食品に対する過度な粘度、濁り及びざらついた食感の付与を抑制して食感を改善する方法。
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