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マスタードシード含有乳化調味料

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JP7094084B2

Japan

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English
Inventor
隆史 汐海
Current Assignee
Kewpie Corp

Worldwide applications
2017 JP

Application JP2017128013A events
2022-07-01
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Description

本発明は、経時的に失われやすいマスタードシード特有の風味を、持続的に感じることができるマスタードシード含有乳化調味料に関する。
マスタードシード含有調味料は、単にマスタードシードをすりつぶして延ばしたペースト状のものや、マスタードシードを粒状のまま含有した粒マスタードと呼ばれるものがある。前記マスタードシード含有調味料は、辛みと酸味を帯びた特有の風味が人気であり、ソーセージ等の食品に付着させて喫食する方法や、他の調味料と混合して調理食品用ソースとして喫食する方法がある。
しかしながら、前記マスタードシード含有調味料で感じられる辛みは、主にアリルイソチオシアネート等の成分によるものであるため、空気中に揮発しやすく、マスタードシード含有調味料特有の風味が経時的に失われやすいという問題がある。
これまで、特許文献1のように、マスタードシードに含まれる辛みを抑えるために、辛み成分を除去する方法については検討されてきたものの、経時的に失われやすいマスタードシード特有の風味を、持続的に感じることができるマスタードシード含有乳化調味料については一切検討されていなかった。
特許3449959号公報
そこで本発明の目的は、経時的に失われやすいマスタードシード特有の風味を、持続的に感じることができるマスタードシード含有乳化調味料を提供することにある。
本願発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量が特定量であり、前記マスタードシードホールと前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有比率が特定比率であり、前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の65質量%以上が32タイラーメッシュオンであり、食用油脂を特定量含有することにより、意外にも、経時的に失われやすいマスタードシード特有の風味を、持続的に感じることができるマスタードシード含有乳化調味料を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量が5~50質量%であり、前記マスタードシードホールと前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有比率が1:1~20であり、前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の65質量%以上が32タイラーメッシュオンであり、食用油脂を0.5質量%以上含有する、マスタードシード含有乳化調味料、
である。
本発明によれば、経時的に失われやすいマスタードシード特有の風味を、持続的に感じることができるマスタードシード含有乳化調味料を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明のマスタードシード含有乳化調味料は、マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量が5%以上50%以下であり、前記マスタードシードホールと前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有比率が1:1以上20以下であり、前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の65%以上が32タイラーメッシュオンであり、食用油脂を0.5%以上含有する、マスタードシード含有乳化調味料ことにより、経時的に失われやすいマスタードシード特有の風味を、持続的に感じられることを特徴とする。
<マスタードシード含有乳化調味料>
マスタードシード含有乳化調味料とは、マスタードシードを含有した乳化状の調味料である。マスタードシード含有乳化調味料には、一般的に、マスタードシード以外に、酢、砂糖等の甘味料が含有している。
<マスタードシード>
マスタードシードとは、アブラナ科一年草の種子であり、イエローマスタードシード、ブラウンマスタードシード、オリエンタルマスタードシード等の種類がある。本発明の調味料に用いるマスタードシードの形態としては、種子の原形のままであるマスタードシードホールや、粉砕処理や磨砕処理を施したマスタードシード処理物が挙げられる。
本発明のマスタードシード含有乳化調味料は、少なくともマスタードシードホール及びブラウンマスタードシード粉砕処理物を含有するものである。本発明における前記マスタードシードホール及びブラウンマスタードシード粉砕処理物については、以下の段落で詳細に説明する。
<マスタードシードホール>
本発明のマスタードシード含有乳化調味料は、マスタードシードホールを含有する。前記マスタードシードホールとは、破砕、粉砕、磨砕等の破粒処理を行うことなく、粒状のまま用いられるものであり、含水率が10%以下である。前記マスタードシードホールの種類としては、イエローマスタードシード、ブラウンマスタードシード、オリエンタルマスタードシードが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、本発明においては、マスタードシード含有乳化調味料の風味が向上するという観点から、イエローマスタードシードホールを使用することが好ましい。
<ブラウンマスタードシード粉砕物>
本発明のマスタードシード含有乳化調味料は、65%以上が32タイラーメッシュオンであるブラウンマスタードシード粉砕処理物を含有する。前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物とは、含水率が10%以下のブラウンマスタードシードホールを、ロールミル、コミットロール、石臼等の公知の装置によって粉砕処理されたものである。前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の製造方法は、特に限定されるものではなく、粉砕処理対象のマスタードシードの状態や、大きさ、形状に応じて決定することができる。
ここで、“32タイラーメッシュオン”とは、Tyler規格の32メッシュの篩(目開き約0.5mm)にかけたときに通過しないという意味である。前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の大きさの下限値は、好ましくは20タイラーメッシュオン(目開き約0.8mm)であるとよい。前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の大きさが前記範囲であることで、本発明の効果をより奏しやすい。
また、前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の大きさは、市販の振動粉末ふるい機を使用して測定することができる。さらに、ふるいにかけられたブラウンマスタードシード粉砕処理物の質量を、ふるいにかける前のブラウンマスタードシード粉砕処理物の全質量で除すれば、本発明に用いるブラウンマスタードシード粉砕処理物の割合を算出することができる。
<マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量>
本発明のマスタードシード含有乳化調味料は、マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物を合計5%以上50%以下含有する。前記マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量の上限値は、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、下限値は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上である。マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量が前記範囲より多い場合、マスタードシードが充分に膨潤しきらないためマスタードシード含有乳化調味料として好ましくない。マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量が前記範囲より少ない場合、マスタードシード特有の風味が経時的に失われやすくなり、該風味の持続性を損なう。
<マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有比率>
本発明のマスタードシード含有乳化調味料は、マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物を1:1以上20以下の割合で含有する。前記マスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有比率の下限値は、好ましくは1:2以上、より好ましくは1:3以上である。ブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有比率が前記範囲より低い場合、マスタードシードホール由来の苦味が際立ち、マスタードシード含有乳化調味料として好ましくない。ブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有比率が前記範囲より高い場合、マスタードシード特有の風味が経時的に失われやすくなり、該風味の持続性を損なう。
<食用油脂の含有量>
本発明のマスタードシード含有乳化調味料は、食用油脂を0.5%以上含有する。前記食用油脂は、例えば、食用植物油脂(例えば、大豆油、紅花油、ひまわり油、コーン油、オリーブ油、グレープシード油、ごま油、綿実油、シソの実油、アマニ油、えごま油)、魚油、肝油、さらにはエステル交換した油脂やジグリセライドを主に含む油脂が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
食用油脂の含有量が前記量より少ない場合、マスタードシード特有の風味が経時的に失われやすくなり、該風味の持続性を損なう。なお、本発明において、食用油脂の上限値は特に規定しないが、本発明は乳化調味料であり、乳化を持続させやすい観点から、好ましくは12%以下、より好ましくは8%以下である。
<その他の原料>
本発明のマスタードシード含有乳化調味料には、本発明の効果を損なわない範囲でマスタードシード含有乳化調味料に一般的に使用されている原料を適宜選択し配合することができる。例えば、水、食酢(醸造酢)、アミノ酸、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、卵白、乳化剤、キサンタンガム、タマリンド種子ガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、グアーガム、アラビアガム、サイリュームシードガムなどのガム質、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋などの処理を施した加工澱粉、並びに湿熱処理澱粉などの澱粉類、澱粉分解物、デキストリン、デキストリンアルコール、オリゴ糖、オリゴ糖アルコールなどの糖類、砂糖、はちみつ、各種蛋白質やこれらの分解物、香辛料抽出物、着色料および着香料、果汁、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸エステル、トコフェロール類、ポリフェノール、カテキン、ローズマリー抽出物、EDTA等の抗酸化剤、各種具材等を含むことができ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<マスタードシード含有乳化調味料の製造方法>
本発明のマスタードシード含有乳化調味料の製造方法は、常法に則り製造すればよく、例えば、マスタードシードホール又はマスタードシード粉砕処理物を膨潤させるための清水への浸漬処理や、マスタードシードに含まれる酵素を失活させたり殺菌するための加熱処理を行った後、前記処理後のマスタードシード原料とその他原料を混合し、容器等に充填密封することができる。
以下、本発明の実施例、比較例を述べ、本発明を更に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない
[実施例1]<マスタードシード含有乳化調味料の調製>
配合1のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
すなわち、まず、イエローマスタードシードホール及びイエローマスタードシード粉砕物を清水に浸漬し、次いで90℃に達温するまで加熱処理を行った。ブラウンマスタードシード粉砕処理物は清水に10分間浸漬した後、脱水した。そして、残りの原料を添加して混合した後、ガラス瓶容器に充填し、実施例1のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
<配合1>
イエローマスタードシードホール 1.5%
イエローマスタードシード粉砕物 7%
ブラウンマスタードシード粉砕物(65%以上が20タイラーメッシュオン) 24%
醸造酢(酸度4%) 35%
食塩 4%
グラニュー糖 1%
なたね油 1%
清水 残余
計 100%
[実施例2]
イエローマスタードシードホールを同量のオリエンタルマスタードシードホールに置き換え、なたね油を10%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、実施例2のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[実施例3]
イエローマスタードシードホールをブラウンマスタードシードホール2%に置き換え、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を32%、なたね油を5%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、実施例3のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[実施例4]
イエローマスタードシードホールを2.5%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を40%、なたね油を0.5%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、実施例4のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[実施例5]
イエローマスタードシードホールを2.5%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を12.5%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、実施例5のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[実施例6]
イエローマスタードシードホールを2.5%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を2.5%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、実施例6のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[実施例7]
イエローマスタードシードホールを8%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を16%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、実施例7のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[実施例8]
イエローマスタードシードホールを2%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)をブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が32タイラーメッシュオン)32%、なたね油を0.5%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、実施例8のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[比較例1]
なたね油を配合しない以外は実施例1と同様にして、比較例1のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[比較例2]
イエローマスタードシードホールを1.5%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を1.5%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、比較例2のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[比較例3]
イエローマスタードシードホールを1%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を24%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、比較例3のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[比較例4]
イエローマスタードシードホールを2%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)をブラウンマスタードシード粉砕処理物(35%以下が48タイラーメッシュオン)32%、なたね油を0.5%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、比較例4のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。
[試験例]
実施例1~8及び比較例1~7で得られたマスタードシード含有乳化調味料を喫食し、官能評価を行った。さらに、前記マスタードシード含有乳化調味料15gを室温25℃の部屋に開放系で放置し、72時間後に再度官能評価を行い、風味の持続性について評価した。評価基準は以下に従った。結果を表1に示す。
<風味の持続性についての評価基準>
○:72時間前とほとんど変わらずマスタードシード特有の辛みと酸味が感じられた。
△:72時間前よりややマスタードシード特有の辛みと酸味が劣るが、問題のない程度。
×:72時間前に感じられたマスタードシード特有の辛みと酸味がほぼ失われていた。
Figure 0007094084000001
[比較例5]
なたね油を15%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、比較例5のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。前記比較例5のマスタードシード含有乳化調味料は、調味料表面に食用油脂が分離してしまい、マスタードシード含有乳化調味料として好ましくなかった。
[比較例6]
イエローマスタードシードホールを3.5%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を56%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、比較例6のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。前記比較例6のマスタードシード含有乳化調味料は、マスタードシードの風味が強くなりすぎてしまう上、外観が悪く、マスタードシード含有乳化調味料として好ましくなかった。
[比較例7]
イエローマスタードシードホールを18%、ブラウンマスタードシード粉砕処理物(65%以上が20タイラーメッシュオン)を1.8%に置き換えた以外は実施例1と同様にして、比較例7のマスタードシード含有乳化調味料を調製した。前記比較例7のマスタードシード含有乳化調味料は、マスタードシードホール由来の苦味が際立ち、マスタードシード含有乳化調味料として好ましくなかった。
上述の試験結果より、マスタードシードホールと65質量%以上が32タイラーメッシュオンであるブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量が5~50質量%であり、前記マスタードシードホールと前記65質量%以上が32タイラーメッシュオンであるブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有比率が1:1~20であり、食用油脂を0.5質量%以上含有する、マスタードシード含有乳化調味料は、経時的に失われやすいマスタードシード特有の風味を、持続的に感じられたことが理解できる(実施例1~8)。

Claims (1)
Hide Dependent

  1. イエローマスタードシードホールとブラウンマスタードシード粉砕処理物の合計含有量が
    5~50質量%であり、
    前記イエローマスタードシードホールと前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の含有
    比率が1:3~20であり、
    前記ブラウンマスタードシード粉砕処理物の65質量%以上が32タイラーメッシュオン
    であり、
    食用油脂を0.5質量%以上質量%以下含有する、
    イエローマスタードシード含有乳化調味料。