JP2017009844A - スクリーンおよび画像投影システム - Google Patents

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貴之 美濃
小山 浩士
Hiroshi Koyama
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Abstract

【課題】太陽光や照明光等の明るい外光の下で使用した際に、外光によるまぶしさを抑制し、画像の視認性を高めたスクリーンを提供する。【解決手段】一方の面に凸部を有する賦型樹脂シート1A,1Bが1枚または複数枚配置され、空気層9および左下がり斜面9aと右下がり斜面9bとが、繰り返し配置されてなる光選択層を有するスクリーン。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光や照明光等の明るい光の下でも使用できるスクリーンおよび画像投影システムに関するものである。
液晶プロジェクター等の投影機で画像を投影する際に使用されるスクリーンとしては、反射型スクリーンや透過型スクリーン等があり、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
特開2002−169224号公報
近年、暗い室内だけでなく、太陽光や照明光等の明るい光の下でも使用できるスクリーンが求められている。しかしながら、従来のスクリーンでは、太陽光や照明光等の明るい光の下で使用した際に、該光によってまぶしさを感じ、画像の視認性が低くなりやすかったため、日中の屋外や明るい部屋での使用が難しかった。
本発明は、以下の〔1〕〜〔6〕に記載された発明を含むものである。
〔1〕一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートが1枚または複数枚配置されてなる光選択層を有するスクリーン;
〔2〕前記凸部の高さが1μm以上100μm以下であり、ピッチ間隔が10μm以上1mm以下である前記〔1〕に記載のスクリーン;
〔3〕前記凸部が、その断面形状が三角形である三角形凸部である前記〔1〕または〔2〕に記載のスクリーン;
〔4〕前記三角形凸部の底部の両端を結ぶ直線を三角形の底辺とするとき、該三角形の一方の底角が20°を超え45°以下であり、他方の底角が0°を超え89°以下である前記〔3〕に記載のスクリーン;
〔5〕反射層をさらに有する前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のスクリーン
〔6〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のスクリーンと、前記スクリーンに画像を投影する投影機とを備える画像投影システム。
本発明のスクリーンは、太陽光や照明光等の明るい光の下で使用しても、スクリーンに投影される画像の視認性が高いため、日中の屋外や明るい部屋で使用することができる。
本発明の一実施形態に係る光選択層の断面形状の模式図である。 本発明の一実施形態に係る賦型樹脂シートの製造方法に使用される製造装置の概略模式図である。 本発明の一実施形態に係る反射型スクリーンの断面形状の模式図である。 本発明の一実施形態に係る透過型スクリーンの断面形状の模式図である。
本発明のスクリーンは、一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートが1枚または複数枚配置されてなる光選択層を有する。光選択層とは、光の入射角度に応じて、選択的に光を透過または遮蔽することができる層である。光選択層として、好ましくは、該凸部が、設定角度を超えて進行する光線を全反射させるように形成されるものであり、より好ましくは、一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートが1枚配置されてなるもの、または一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートが1枚一対の一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートが、空気層を介して、該凸部を有する面(以下、賦型面ということがある。)が対向するように配置されてなるものである。
<賦型樹脂シート>
賦型樹脂シートは、一方の面に凸部を有する樹脂シートであって、通常、樹脂を溶融押出成形することで得られる。通常、賦型面の反対側の面は平面である。かかる賦型樹脂シートを2枚配置した本発明の一実施形態に係る光選択層の断面形状の模式図を図1に示す。
上記樹脂としては、溶融押出成形することのできる樹脂であればよく、例えば、熱可塑性樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状オレフィン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂などが挙げられ、中でも、透明性や耐候性に優れる点から、(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系モノマーに由来する単量体単位を有する(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル系モノマーに由来する単量体単位と(メタ)アクリル系モノマー以外のモノマーに由来する単量体単位とを有する共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。(メタ)アクリル系モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
(メタ)アクリル系モノマー以外のモノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、スチレン等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、硬度、耐候性、透明性および視認性に優れる点から、好ましくは、メタクリル系樹脂であり、より好ましくは、重合体に含まれる単量体単位の総量100重量%に対して、メタクリル酸エステルに由来する単量体単位を50重量%以上有する重合体であり、例えば、メタクリル酸エステル重合体、50重量%以上のメタクリル酸エステルに由来する単量体単位と50重量%以下のメタクリル酸エステル以外のモノマーに由来する単量体単位とを有する共重合体などが挙げられる。該共重合体として、好ましくは、70重量%以上のメタクリル酸エステルに由来する単量体単位と、30重量%以下のメタクリル酸エステル以外のモノマーに由来する単量体単位とを有する共重合体であり、より好ましくは、90重量%以上のメタクリル酸エステルに由来する単量体単位と、10重量%以下のメタクリル酸エステル以外のモノマーに由来する単量体単位とを有する共重合体である(ただし、該共重合体に含まれる単量体単位の総量を100重量%とする。)。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ノニル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチルなどが挙げられる。これらの中でも、炭素数が1以上8以下のアルキル基を有するメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。メタクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
メタクリル酸エステル以外のモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、不飽和ニトリル、エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレン性不飽和カルボン酸アミド、エチレン性不飽和酸、エチレン性不飽和スルホン酸エステル、エチレン性不飽和アルコールおよびそのエステル、エチレン性不飽和エーテル、エチレン性不飽和アミン、エチレン性不飽和シラン化合物、脂肪族共役ジエンなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸エステルが好ましい。メタクリル酸エステル以外のモノマーは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
メタクリル酸エステルに由来する単量体単位を50重量%以上有する重合体としては、メタクリル酸メチル単独重合体、または50重量%以上99.9重量%以下のメタクリル酸メチルに由来する単量体単位と、0.1重量%以上50重量%以下のメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルに由来する単量体単位とを有する共重合体が好ましい。また、該共重合体として、好ましくは、70重量%以上99.9重量%以下のメタクリル酸メチルに由来する単量体単位と、0.1重量%以上30重量%以下のメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルに由来する単量体単位とを有する共重合体であり、より好ましくは、90重量%以上99.9重量%以下のメタクリル酸メチルに由来する単量体単位と、0.1重量%以上10重量%以下のメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルに由来する単量体単位とを有する共重合体である(ただし、該共重合体に含まれる単量体単位の総量を100重量%とする。)。
(メタ)アクリル系樹脂の製造方法としては、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、注液重合法(キャスト重合法)などが挙げられる。
重合反応は、光照射すること、または重合開始剤を用いることにより開始し、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、アゾ系開始剤(例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)など)、過酸化物系開始剤(ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなど)、有機過酸化物とアミン類とを組み合わせたレドックス系開始剤などが挙げられる。重合開始剤の添加量は、(メタ)アクリル系樹脂の製造時に用いる単量体100重量部に対して、好ましくは、0.01重量部以上1重量部以下であり、より好ましくは0.01重量部以上0.5重量部である。さらに、分子量制御のための連鎖移動剤(メチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタンのような直鎖または分岐したアルキルメルカプタン化合物など)、架橋剤などを添加してもよい。
賦型樹脂シート1は、1種の樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。例えば、上記(メタ)アクリル系樹脂を単独で用いてもよいし、上記(メタ)アクリル系樹脂と他の樹脂とを併用してもよい。前記他の樹脂としては、前記(メタ)アクリル系樹脂とは単量体の組成が異なる(メタ)アクリル系樹脂であってもよいし、スチレン系樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂とは樹脂種が異なる樹脂であってもよい。また、(メタ)アクリル系樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、一般的に用いられる各種の添加剤を添加してもよい。該添加剤としては、例えば、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、発泡剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、重合抑制剤、難燃助剤、補強剤などが挙げられる。これらの添加剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
添加剤を添加する場合、添加量は、(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上30重量部以下であることが好ましい。
上記賦型樹脂シート1を構成する樹脂として(メタ)アクリル系樹脂を用いる場合、ゴム状重合体を配合することにより、得られる賦型樹脂シート1の耐衝撃性を向上させることができる。ゴム状重合体の例としては、(メタ)アクリル系多層構造重合体や、5重量部以上80重量部以下のゴム状重合体に(メタ)アクリル系不飽和単量体等のエチレン性不飽和単量体20重量部以上95重量部以下をグラフト重合させてなるグラフト共重合体などが挙げられる。(メタ)アクリル系多層構造体とは、(メタ)アクリル系樹脂を主成分とする複数の層からなるものであり、例えば、(メタ)アクリル系樹脂を含有するゴム弾性の層またはエラストマーの層と、(メタ)アクリル酸アルキルを主成分とする硬質層を有する2層構造のものや、(メタ)アクリル系樹脂を含有するゴム弾性の層またはエラストマーの層と、該ゴム弾性の層の両側に、(メタ)アクリル酸アルキルを主成分とする硬質層を有する3層構造のもの等が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル系多層構造重合体100重量%に対して、ゴム弾性の層またはエラストマーの層を20重量%以上60重量%以下の割合で有し、最外に硬質層を有するものがよい。また、最内層として硬質層をさらに含む構造であってもよい。
ゴム状重合体を配合する場合の配合量は、(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対して、好ましくは3重量部以上150重量部以下であり、より好ましくは5重量部以上50重量部以下である。ゴム状重合体の配合量が多いと、表面硬度が低下して好ましくない。
上記凸部は、設定角度を超えて進行する光線を全反射させる上で、その断面形状が三角形である凸部であることが好ましく、特に、賦型樹脂シート1の対向する端辺間を直線状に延びる凸条であって、該凸条をその長手方向に垂直な方向に沿って切断したときに現れる直交断面の形状が三角形凸部であることが好ましい。上記三角形の頂角は、曲率を持つ円弧であってもよい。
前記三角形凸部の底部の両端を結ぶ直線を三角形の底辺とするとき、設定角度を超えて進行する光線を全反射させる上で、該三角形の底角2は、一方の底角2a(以下、第一底角2aということがある。)が20°を超え45°以下であり、他方の底角2b(以下、第二底角2bということがある。)が0°を超え89°以下であることが好ましく、第一底角2aが20°以上40°以下であり、第二底角2bが1°以上85°以下であることがより好ましい。第一底角2aが45°よりも大きくなると、スクリーンに投影した画像を認識し難くなることがある。このとき、第一底角2aが上部、第二底角2bが下部になるように賦型樹脂シート1を地面に垂直に設置する必要がある。
凸部の高さ(H)は、1μm以上1cm以下であることが好ましく、5μm以上1cm以下であることがより好ましい。凸部の高さ(H)が、1μm未満であると、樹脂シート表面に凸部を賦型し難くなる恐れがあり、1cmを超えると、スクリーンの厚みが厚くなりすぎる。凸部の頂点間の距離であるピッチ間隔(P)は、10μm以上10cm以下であることが好ましく、50μm以上10cm以下であることがより好ましい。ピッチ間隔(P)が、10μm未満であると、樹脂シート表面に凸部を賦型し難くなる恐れがあり、10cmを超えると、スクリーンの厚みが厚くなりすぎる。
賦型樹脂シート1の厚みとしては、1μm以上1cm以下であることが好ましく、10μm以上1cm以下であることがより好ましい。1μmよりも薄いと破断するおそれがあり、1cmよりも厚いとそれ自体が重たくなり、スクリーンとしては不適当となるおそれがある。なお、本明細書において、賦型樹脂シートの厚みとは、凸部を有する面と対向する面から凸部の先端までの距離を意味し、例えば、図1におけるLに相当する。
本発明の賦型樹脂シート1は、目視で観察した場合に透明であることが好ましい。透明性の指標としては、本発明の賦型樹脂シート1の厚みを3mmとしたときに、JIS K7361−1に従って測定されたその賦型樹脂シート1の全光線透過率が、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
透明性の他の指標としては、JIS K7136に従って測定された上記賦型樹脂シート1のヘーズが、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
以下、本発明の賦型樹脂シート1の製造方法および製造装置について、図2を参照して詳細に説明する。
<賦型樹脂シートの製造方法>
本発明の賦型樹脂シート1の製造方法は、樹脂を加熱溶融状態でダイから連続的に押し出してシート状に押し出すシート状物押し出し工程と、シート状物を第一押圧ロールと第二押圧ロールとで挟み込む押圧工程と、第二押圧ロールに密着させたままシート状物を搬送する搬送工程と、搬送された前記シート状物を前記第二押圧ロールと賦型ロールとで挟み込む賦型工程とを含む。この製造方法によれば、樹脂シートを成形する過程で、樹脂シート表面に凸形状が付与されるので、樹脂シート表面へ凸形状を付与するための二次加工が不要であり、簡便に賦型樹脂シート1が得られる。
<シート状物押し出し工程>
シート状物押し出し工程は、樹脂を加熱溶融状態でダイから連続的に押し出してシート状物を製造する。
本発明の製造方法に用いられる樹脂としては、上記賦型樹脂シート1にて例示した熱可塑性樹脂を用いることができ、中でも、(メタ)アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
上記樹脂は、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、光拡散剤などの添加剤が添加されていてもよい。
上記樹脂を加熱溶融状態で連続的に押し出すダイ4としては、通常の押出成形法に用いられると同様の金属製のTダイなどが用いられる。ダイから樹脂を加熱溶融状態で押し出すには、通常の押出成形法と同様に、押出機が用いられる。押出機は一軸押出機であってもよいし、二軸押出機であってもよい。樹脂は押出機内で加熱され、溶融された状態でダイに送られ、押し出される。ダイから押し出された樹脂は、連続的にシート状物となって押し出される。
上記シート状物は、単層でもよいし2以上の層としてもよい。シート状物が単層の場合は、ダイから樹脂を加熱溶融状態で押し出す際にダイに1種の樹脂を供給し押し出しをすればよく、2以上の層の場合は、2種以上の樹脂をダイに供給し、積層した状態で共押し出しをしてもよい。なお、2種以上の樹脂を積層した状態で共押し出しをするには、たとえば、公知の2種3層分配型フィードブロックを用い、これを経由してダイに樹脂を供給すればよい。
<第一押圧工程>
上記シート状物押し出し工程で得られたシート状物は、第一押圧工程により、図2に示すように、第一押圧ロール5aと第二押圧ロール5bとで同時に挟み込まれる。第一押圧ロールと、第二押圧ロールとして通常はステンレス鋼、鉄鋼などの金属で構成された金属製ロールが用いられ、その直径は通常100mm以上500mm以下である。これらの第一および第二押圧ロールとして金属製ロールを用いる場合、その表面は、たとえばクロムメッキ、銅メッキ、ニッケルメッキ、ニッケル−リンメッキなどのメッキ処理が施されていてもよい。また、押圧ロールの表面は、鏡面であってもよいし、精度よく転写する必要がなければ、エンボスなどの凹凸が施された転写面となっていてもよい。
<搬送工程>
搬送工程は、シート状物を第二押圧ロールに密着した状態で、第二押圧ロールの回転に従って搬送する工程である。
シート状物は、上記第一押圧工程および搬送工程において、押圧ロールに接することによる冷却や、外気との接触による冷却によって、ダイから押し出された加熱溶融状態よりも温度が低下する。このように加熱溶融状態よりも温度が低下した状態で、シート状物は搬送され、次の第二押圧工程に供される。なお、押圧ロールは、温度調節機能を備え、所望の温度に調節可能であることが望ましい。
<第二押圧工程>
第二押圧工程では、上記搬送されたシート状物は、図2に示されるように、第二押圧ロール5bと第三押圧ロール5cとに挟み込まれ押圧される。この第二押圧工程において、シート状物には、第三押圧ロール5c表面に備えられた転写型6が賦型される。なお、本発明においては、転写型を備えた第三押圧ロールを賦型ロールともいう。上記賦型ロール表面に備えられた転写型は、シート状物の表面に押し当てられ、その表面形状を逆型としてシート状物に賦型するものである。
上記シート状物は、この第二押圧工程において、第二押圧ロールと賦型ロールとで再度押圧され、第二押圧ロールから剥離し、賦型ロールに密着し、今度は賦型ロールの回転に従って搬送される。その際、シート状物の表面温度が高く、第二押圧ロールと賦型ロールとで押圧せずとも、シート状物が十分に賦型ロールに密着する場合は、第二押圧ロールと賦型ロールとの間はシート状物の厚さよりも若干大きく開いていてもよい。上記賦型ロールの回転に従って搬送されたシート状物は、賦型ロールから剥離し、賦型樹脂シート1が得られる。
上記転写型6は、賦型ロール表面に設けられた複数の凹部からなり、凹部の形状は、得られる賦型樹脂シート1表面の凸部の断面形状の逆型であることが好ましく、該凸部の断面形状が三角形である場合には、該三角形の形状と略同一なV型の溝であることが好ましい。
賦型ロールの隣接する凹部の頂点間の距離をピッチ間隔(P)とし、賦型ロール表面円周上から凹部の頂点までの距離を溝深さ(H)とするとき、ピッチ間隔(P)は、10μm以上10cm以下であることが好ましく、溝深さ(H)は、1μm以上1cm以下であることが好ましい。
上記転写型の作製方法としては、上記ステンレス鋼、鉄鋼などからなる転写ロールの表面に、たとえばクロムメッキ、銅メッキ、ニッケルメッキ、ニッケル−リンメッキなどのメッキ処理を施した後に、そのメッキ面に対してダイヤモンドバイトや金属砥石等を用いた除去加工や、レーザー加工や、またはケミカルエッチングを行い、形状を加工することがあるが、これらの手法に特に限定されるものではない。
また、賦型ロールの表面は、上記転写型を形成した後に、たとえば表面形状の精度を損なわないレベルで、クロムメッキ、銅メッキ、ニッケルメッキ、ニッケル−リンメッキなどのメッキ処理を施してもよい。
上記第二押圧工程において賦型ロールの表面形状(転写型)をシート状物に賦型することにより、目的の賦型樹脂シート1を製造することができる。得られた賦型樹脂シート1は通常、さらに冷却されたのち枚葉に切断され、スクリーンに用いられる。
本発明の製造方法は、第三押圧ロールではなく、第一押圧ロールを賦型ロールにして、ダイから押し出されたシート状物を、賦型ロールと第二押圧ロールとで挟み込んで賦型してもよいし、第二押圧ロールを賦型ロールにして、ダイから押し出されたシート状物を、賦型ロールと第二押圧ロールとで挟み込んで賦型してもよい。
<スクリーン>
本発明のスクリーンは、上記の製造方法により得られた賦型樹脂シートが1枚または複数枚配置されてなる光選択層を有するものであり、必要に応じて、反射層と支持基材を有するものである。光選択層として、好ましくは、該凸部が、設定角度を超えて進行する光線を全反射させるように形成されるものであり、より好ましくは、一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートが1枚配置されてなるもの、または一対の賦型樹脂シートを、空気層を介して、賦型面が対向するように配置されてなるものであり、さらに好ましくは、一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートが1枚配置されてなるもの、または一対の賦型樹脂シートを、接着剤または粘着剤を介して、賦型面が対向するように配置されてなるものである。
粘着剤または接着剤は、賦型樹脂シートを貼合することのできるものであれば、特に限定されず、例えば、感圧式の粘着剤、活性エネルギー線硬化型の粘着剤、熱硬化型の粘着剤、活性エネルギー線硬化型の接着剤、熱硬化型の接着剤等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る光選択層の模式図を図1に示す。
空気層9は、一対の賦型樹脂シート1A及び1Bの、賦型面同士間の空隙を意味し、図1に示す一実施形態の光選択層では、左下がり斜面9aと右下がり斜面9bとが、繰り返し配置されてなる。
一対の賦型樹脂シートを、賦型面が対向するように配置するとき、対向する凸部は点対称の関係であることが好ましく、例えば、該断面形状が三角形である場合、対向する三角形が、該三角形の一方の斜辺の中点を対称の中心として、点対称の関係であることが好ましい。
一対の賦型樹脂シートは、枠部材により外周が囲われていることが好ましい。本発明のスクリーンは、外周が枠部材で囲われていることで、一対の賦型樹脂シート間の空気層の厚みを一定に保ち易く、効果を一定に発揮しやすい。
本発明のスクリーンにおける光選択層8は、一方の表面に平面8Xを有し、他方の表面には平面8Yを有し、平面8Xと平面8Yとは互いに平行となっている。樹脂の屈折率は一般に1.3以上1.7以下の範囲にあり、その光透過率は、通常、90%前後である。例えば、(メタ)アクリル系樹脂であれば、屈折率は約1.5であり、光透過率は92%以上93%以下である。光選択層8は、平面8Xに対し角度2aで傾斜した斜面9aと、平面8Xに対し角度2bで傾斜した斜面9bとからなり、一定の厚みを有する空気層9を有している。空気層9の傾斜角2a(すなわち、賦型樹脂シートの三角形凸部の第一底角2a)は以下に述べる技術的事項を考慮して設定することができる。
ここでは、スクリーンの光選択層8を構成する賦型樹脂シート1A及び賦型樹脂シート1Bの樹脂が、屈折率1.5の樹脂である場合を例に説明する。一般に、光が、屈折率が大きい媒体(樹脂)から小さい媒体(空気)に進む場合、入射角が小さいときには、両者の界面で屈折が生じる。本例の場合、樹脂の屈折率が1.5で空気の屈折率が1であるので、屈折角は入射角より大きくなる。入射角が次第に大きくなると、屈折角も次第に大きくなる。入射角がある角度以上になると、樹脂から空気側へ光が進まない状態となり、光は樹脂と空気層の界面で全反射される。本明細書において、この角度は臨界角と呼び、θmと記す。
本例の場合、臨界角θmと空気及び樹脂との間には次のような関係がある。
sinθm=(空気の屈折率)/(樹脂の屈折率)=1/1.5
したがって、臨界角はθm=41.8゜となる。
例えば、図3に示すように、本発明の一実施形態に係る光選択層8を反射型スクリーンの一部として用い、平面8Xを視認者側とし、底角2aが上側、底角2bが下側となるように地面に対して垂直に光選択層8を配置するとき、視認者側から平面8Xに小さい入射角(光と平面8Xの垂線とのなす角)で光(プロジェクター10から出る光)が入射すると、光は平面8Xで屈折した後、賦型樹脂シート1A中を進み、賦型樹脂シート1Aと空気層9の界面で屈折した後、空気層9を進み、空気層9と賦型樹脂シート1Bの界面で屈折した後、賦型樹脂シート1B中を進み、平面8Yで屈折した後、反射層12で反射し、視認者側に入射する。したがって、視認者11は、スクリーンに映る画像を認識することができる。
一方、平面8Xに大きい入射角で光(たとえば、太陽光)が入射すると、光は平面8Xで屈折した後、賦型樹脂シート1A中を進み、賦型樹脂シート1Aと空気層9の界面で全反射して、空気層9及び賦型樹脂シート1Bには透過せず、反射層12への進入が遮断される。
また、図4に示すように、本発明の一実施形態に係る光選択層8を透過型スクリーンの一部として用い、平面8Yを視認者側とし、平面8Xをプロジェクター側とし、底角2aが上側、底角2bが下側となるように地面に対して垂直に光選択層8を配置するとき、プロジェクター側から平面8Xに小さい入射角(光と平面8Xの垂線とのなす角)で光(プロジェクター10から出る光)が入射すると、平面8Xで屈折した後、賦型樹脂シート1A中を進み、空気層9と賦型樹脂シート1Bの界面で屈折した後、賦型樹脂シート1B中を進み、平面8Yで屈折した後、視認者側に入射する。したがって、視認者11は、スクリーンに映る画像を認識することができる。しかし、プロジェクター側から平面8Xに大きい入射角で入ってくる光(たとえば、太陽光)については、平面8Xで屈折した後、賦型樹脂シート1Aを進み、空気層9の界面で全反射して、空気層9及び賦型樹脂シート1Bには透過しない。
本明細書において、空気層9及び賦型樹脂シート1Bへ入射されなくなる光の、地面から平面8Xへの入射角度を、特定角と呼ぶ。特定角は、空気層9の傾斜角2aに応じて変化する。光選択層8を構成する賦型樹脂シート1A及び1Bの樹脂として、屈折率1.5の樹脂を用いた場合、空気層9の傾斜角2aが5°のとき、特定角は63.9°であり、傾斜角2aが10°のとき、特定角は52.2°であり、傾斜角2aが20°のとき、特定角は33.9°であり、傾斜角2aが28°のとき、特定角は21.4°である。
例えば、空気層9の傾斜角2aを28°にすると、屈折率が1.5の場合、特定角は21.4°になる。21.4°より大きな角度、平面8Xに垂直な方向からの角度25°で上方から入射した光は、平面8Xに入射する際屈折し、斜めの空気層9には45°の角度で入射する。この角度は賦型樹脂シート1Aと空気層9の界面の臨界角より大きいため、全反射が起こり、光はこの界面で反射される。反射された光は賦型樹脂シート1A内で反射され、空気層9、賦型樹脂シート1Bは透過しない。これに対して特定角の21.4°より小さい角度で入射した光については、空気層9に対して賦型樹脂シート1Aと空気層9との界面の臨界角よりも小さい角度で賦型樹脂シート1Aから空気層9に入るため、全反射は起こらず屈折する。そして、空気層9から賦型樹脂シート1Bに入るときに逆の屈折が起こり、空気層9の幅が小さければ、ほとんど空気層9の影響は受けず通常のガラスと同様に透過する。このため、空気層9の厚みは0.1mm以下であることが望ましい。
空気層9の厚みの下限値は空気層9の役割が発揮できる観点から0.01mm程度である。
例えば、22°よりも大きな角度で、平面8Xに垂直な方向からの角度で入射した光は、賦型樹脂シートと空気層の界面で全反射が起こる。このとき全反射された光は賦型樹脂シート1Aを再び進行する。さらに賦型樹脂シート1Aから反射層側へ到達した光は、全反射が起こり、再度、賦型樹脂シート1A内を進行する。この光は、再び、賦型樹脂シート1Aを進行したあと、空気層9との界面に到達し、全反射を起こす。この結果、光はやがて、賦型樹脂シートの下端部へと進行し、端部へ光が集光することが確認される。
本発明の光選択層を、反射型スクリーンまたは透過型スクリーンの一部として用いる場合、プロジェクターが、スクリーンと同じ高さ、もしくはスクリーンよりも低い高さに存在するとき、またはプロジェクターが、スクリーンよりも高い高さに存在し、プロジェクターから出る光が、特定角よりも小さい角度で入射するときは、該光が空気層の界面で全反射せず、反射層で反射するため、視認者は、スクリーンに映る画像を認識することができる。一方で、プロジェクターが、スクリーンよりも高い高さに存在し、プロジェクターから出る光が、特定角よりも大きい角度で入射するときは、該光が空気層の界面で全反射するため、視認者は、スクリーンに映る画像を確認することはできない。
反射型スクリーンは、図3に示すように、反射層12および支持基材13を有していてもよい。
反射型スクリーンに用いられる支持基材13としては、ガラス板、金属板、木板、紙、布、樹脂シート等が挙げられる。これらのうち、樹脂シートが好ましく、例えば、上記賦型樹脂シート例示した熱可塑性樹脂などが挙げられる。
反射型スクリーンに用いられる反射層12とは、入射した光を反射させる層であり、光反射材料を有していればよく、例えば、金属粒子を含む層や、金属箔で形成された層などが挙げられる。これらの内、反射性に優れる点から金属箔で形成された層が好ましい。金属箔として用いる金属としては、チタン、ニッケル、銅、銀、亜鉛、アルミニウム、スズなどが挙げられ、アルミニウム、または銀が好ましい。
透過型スクリーンは、図4に示すように、支持基材13を有していてもよい。透過型スクリーンに用いられる支持基材13としては、透明材料又は半透明材料が利用され、例えば、ガラス板、透明樹脂シート等が挙げられる。好ましくは、透明樹脂シートである。
本発明のスクリーンは、プロジェクターや映写機等の投影機で画像を投影して使用することができる。そのため、本発明のスクリーンと投影機とを備える画像投影システムとして提供することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
メタクリル系樹脂(スミペックス(登録商標)EX、住友化学株式会社製)を、スクリュー径65mmの押出機に供給して210〜260℃で溶融混練し、マルチブロックおよびTダイを経由してTダイ温度260℃でシート状に押出して連続樹脂シートを製造する。この押出された連続樹脂シートを表面にクロムメッキを施した鏡面冷却ロールである第一押圧ロールと表面に転写型を備えた第二押圧ロールとで挟持(押圧)して、各押圧ロールの回転により順次搬送しながら連続樹脂シートの表面に転写型を転写させる。その後、この連続樹脂シートを第二押圧ロールに密着させた状態で搬送して、次いで第二押圧ロールと表面にクロムメッキを施した鏡面ロールである第三押圧ロールとで挟持(押圧)して、各押圧ロールの回転により順次搬送して、その後、引き取りロールで引き取り、一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートを得る。得られた賦型樹脂シートの底角2aは、25°、底角2bは、45°であり、凸部の高さは、80μm、ピッチは250μmである。得られた賦型樹脂シートを光選択層として用い、光選択層に感圧式のアクリル系粘着剤(NSS,新タック化成株式会社)を塗布して、さらに反射層としてのアルミ箔を積層させ、反射型スクリーンを得る。また、得られた賦型樹脂シートを光選択層として用い、光選択層に上述の感圧式のアクリル系粘着剤を塗布し、さらに支持基材としてのアクリル板(E000 3mmt、住友化学株式会社製)を積層させ、透過型スクリーンを得る。
(比較例1)
メタクリル系樹脂(スミペックス(登録商標)EX、住友化学株式会社製)をスクリュー径65mmの押出機に供給して210〜260℃で溶融混練し、マルチブロックおよびTダイを経由してTダイ温度260℃でシート状に押出して連続樹脂シートを製造する。この押出された連続樹脂シートを表面にクロムメッキを施した鏡面冷却ロールである第一押圧ロールと表面にクロムメッキを施した金属鏡面冷却ロールである第二押圧ロールとで挟持(押圧)して、各押圧ロールの回転により順次搬送する。次いで、第二押圧ロールと表面にクロムメッキを施した鏡面冷却ロールである第三押圧ロールとで挟持(押圧)して、各押圧ロールの回転により順次搬送して、その後、引き取りロールで引き取り、形状を保持しない樹脂シートを得る。得られた樹脂シートを光選択層として用い、光選択層に感圧式のアクリル系粘着剤(NSS,新タック化成株式会社)を塗布して、さらに反射層としてのアルミ箔を積層させ、反射型スクリーンを得る。また、得られた賦型樹脂シートを光選択層として用い、光選択層に上述の感圧式のアクリル系粘着剤を塗布し、さらに支持基材としてのアクリル板を積層させ、反射型スクリーンを得る。
(プロジェクター投影試験(反射型))
実施例1または比較例1で作製した反射型スクリーンに対して、太陽光または屋内照明の下で、視認者側からプロジェクターで画像を投影させる。実施例1の反射型スクリーンを用いたとき、太陽光や屋内照明の反射光によるまぶしさが抑制されて、スクリーンに映る画像を認識することができる。比較例1の反射型スクリーンを用いたとき、太陽光や屋内照明の反射光によるまぶしさを感じて、スクリーンに映る画像を認識し難い。
(プロジェクター投影試験(透過型))
実施例1または比較例1で作製した透過型スクリーンに対して、屋内照明の下で、視認者と反対側からプロジェクターで画像を投影させる。実施例1の透過型スクリーンを用いたとき、屋内照明の透過光によるまぶしさが抑制されて、スクリーンに映る画像を認識することができる。比較例1の透過型スクリーンを用いたとき、屋内照明の透過光によるまぶしさを感じて、スクリーンに映る画像を認識し難い。
評価結果を下記表1にまとめる。視認性が良好であるものを○、視認性が劣るものは×とする。
Figure 2017009844
1 賦型樹脂シート 2 底角 3 ホッパー 4 ダイ 5 ロール 6 賦形ロール 7 押し出し機 8 スクリーンの光選択層 9 空気層 10 プロジェクター
11 視認者 12 反射層 13 支持基材

Claims (6)

  1. 一方の面に凸部を有する賦型樹脂シートが1枚または複数枚配置されてなる光選択層を有するスクリーン。
  2. 前記凸部の高さが1μm以上100μm以下であり、ピッチ間隔が10μm以上1mm以下である請求項1に記載のスクリーン。
  3. 前記凸部が、その断面形状が三角形である三角形凸部である請求項1または2に記載のスクリーン。
  4. 前記三角形凸部の底部の両端を結ぶ直線を三角形の底辺とするとき、該三角形の一方の底角が20°を超え45°以下であり、他方の底角が0°を超え89°以下である請求項3に記載のスクリーン。
  5. 反射層をさらに有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクリーン。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクリーンと、前記スクリーンに画像を投影する投影機とを備える画像投影システム。
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