JP2017008546A - フェンス - Google Patents
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Abstract
【課題】無駄な空間を無くしつつ収納庫を隣接して配置したりなくしたりすることができるフェンスを提供する。
【解決手段】裏パネル5の前方に配置される扉パネルと、扉パネルの両側端に回動可能に連結された第1側壁パネル8と第2側壁パネル9と、第1側壁パネル8と第2側壁パネル9のうち扉パネルとの連結側と反対のそれぞれの側部に回動可能に軸支された第1縦軸バー16及び第2縦軸バー17と、第1縦軸バー16及び第2縦軸バー17の下部の移動を導くレール14と、第1縦軸バー16及び第2縦軸バー17の上部の移動を導く梁3と、扉パネルが裏パネル5に最も近づいた位置で扉パネルの上方に配置される横軸バーと、横軸バーに回動可能に支持されて扉パネルに上から重なる屋根用パネル21と、を有する。
【選択図】図5
【解決手段】裏パネル5の前方に配置される扉パネルと、扉パネルの両側端に回動可能に連結された第1側壁パネル8と第2側壁パネル9と、第1側壁パネル8と第2側壁パネル9のうち扉パネルとの連結側と反対のそれぞれの側部に回動可能に軸支された第1縦軸バー16及び第2縦軸バー17と、第1縦軸バー16及び第2縦軸バー17の下部の移動を導くレール14と、第1縦軸バー16及び第2縦軸バー17の上部の移動を導く梁3と、扉パネルが裏パネル5に最も近づいた位置で扉パネルの上方に配置される横軸バーと、横軸バーに回動可能に支持されて扉パネルに上から重なる屋根用パネル21と、を有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、フェンスに関する。
フェンスは、住宅地、植え込み、ベランダ等のような空間を仕切る位置に主に取り付けられる。そのようなフェンスは、下記の特許文献1、2に記載のように、空間的に高さ方向に立てられるので、花瓶、郵便ポスト等を掛ける支持体としても利用される。
また、建築物の勝手口の開口の外側正面に配置され、地表面から立設された支柱によって支持された収納棚と、その支柱の上縁に片持ち状に屋根を設けて構成されるフェンスが特許文献3に記載されている。さらに、フェンスの一部に折りたたみ式の椅子が備え付けられた構造が特許文献4に記載されている。
ガーデン用フェンスと多目的フレームユニットを横に並べた構造が特許文献5に記載されている。多目的フレームユニットとして、複数の連結枠体を前後に連結して箱を形成し、その内部空間をごみ箱収納部として使用する構造が特許文献5に記載されている。
ところで、自動車のタイヤを季節に合わせてスタッドレスタイプから普通タイプに、或いはその逆のタイプに交換する際に、使用しない方のタイヤを次の季節まで保管しようとすることがある。その際、使用しないタイヤの劣化を防止するために外部から遮蔽された収納庫に保管することが好ましい。その空間として上記のように、複数の連結枠体を前後に連結した構造物を収納庫として使用することも可能である。
これに対し、劣化が激しいタイヤは保管しておく価値が無いので、廃棄されることになるが、その場合、収納庫は不要な状態になる。このため、収納庫を一時的に取り払い、フェンスの周囲の空間を広くしたいことがある。また、収納庫にタイヤ以外の物を収納する場合でも、収納が必要になったり不要になったりすることがある。
不要になった収納庫をフェンスの側から取り去ろうとしても、収納庫を置く別の空間を確保する必要がある。収納庫として、上記のような複数の連結枠体を前後に連結した構造物を使用する場合でも、これを取り去る際には解体された連結枠体を収容する別な空間を確保する必要があることには変わりはない。
本発明の目的は、無駄な空間を無くしつつ収納庫を隣接して配置したりなくしたりすることができるフェンスを提供することにある。
本実施形態の1つの観点によれば、裏パネルと、前記裏パネルの前方に配置される扉パネルと、前記扉パネルの両側端に回動可能に連結された第1側壁パネルと第2側壁パネルと、前記第1側壁パネルと前記第2側壁パネルのうち前記扉パネルとの連結側に対して反対側のそれぞれの側部に回動可能に軸支された第1縦軸バー及び第2縦軸バーと、前記第1縦軸バー及び前記第2縦軸バーの下部の移動を前記裏パネルの前面に沿って導く軌道制御部と、前記扉パネルが前記裏パネルに最も近づいた位置で前記扉パネルの上方に配置される横軸バーと、前記横軸バーに回動可能に支持されて前記扉パネルに上から重なる屋根用パネルと、を有するフェンスが提供される。
また、フェンスは、前記扉パネルの側部と前記第1側壁パネルの側部を回動可能に連結させ、前記扉パネルと前記第2側壁パネルの側部を回動可能に連結させる枠体を有することを特徴とする。また、フェンスは、前記屋根用パネルの下面には、前記枠体から上に突出した突起を嵌め込む溝が形成されていることを特徴とする。また、フェンスは、前記第1側壁パネルと前記第2側壁パネルのうち前記扉パネルとの前記連結側と反対の両側部に付勢力を加えるバネを有することを特徴とする。また、フェンスは、前記第1側壁パネルと前記第2側壁パネルのうち前記扉パネルとの前記連結側と反対の両側部のそれぞれを前記レールに沿って逆向きに移動させるレール・アンド・ピニオン構造を有する。さらに、フェンスは、前記第1側壁パネルと第2側壁パネルは、横方向に回動可能に連結して複数に分割されることを特徴とする。
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解されるものである。
また、フェンスは、前記扉パネルの側部と前記第1側壁パネルの側部を回動可能に連結させ、前記扉パネルと前記第2側壁パネルの側部を回動可能に連結させる枠体を有することを特徴とする。また、フェンスは、前記屋根用パネルの下面には、前記枠体から上に突出した突起を嵌め込む溝が形成されていることを特徴とする。また、フェンスは、前記第1側壁パネルと前記第2側壁パネルのうち前記扉パネルとの前記連結側と反対の両側部に付勢力を加えるバネを有することを特徴とする。また、フェンスは、前記第1側壁パネルと前記第2側壁パネルのうち前記扉パネルとの前記連結側と反対の両側部のそれぞれを前記レールに沿って逆向きに移動させるレール・アンド・ピニオン構造を有する。さらに、フェンスは、前記第1側壁パネルと第2側壁パネルは、横方向に回動可能に連結して複数に分割されることを特徴とする。
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解されるものである。
本実施形態によれば、無駄な空間を無くしつつ収納庫を隣接して配置したりなくしたりすることができる。
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
(第1実施形態)
図1(a)、(b)は、第1実施形態に係るフェンスの一部を示す分解斜視図、図2(a)は、第1実施形態に係るフェンスを示す斜視図、図2(b)、(c)は、図2(a)のI−I線とII−II線から見たフェンスの部分断面図である。図3は、第1実施形態に係るフェンスの一部を収納部に変形させた状態を示す斜視図である。
図1(a)、(b)は、第1実施形態に係るフェンスの一部を示す分解斜視図、図2(a)は、第1実施形態に係るフェンスを示す斜視図、図2(b)、(c)は、図2(a)のI−I線とII−II線から見たフェンスの部分断面図である。図3は、第1実施形態に係るフェンスの一部を収納部に変形させた状態を示す斜視図である。
フェンス1は、例えば一列に間隔をおいて配置される複数の支柱2と、複数の支柱2の上部に渡される上側梁3と、複数の支柱2の下部に渡される下側梁4とからなる枠体構造を有している。支柱2と上側梁3の取り付け、及び支柱2と下側梁4の取り付けはネジ止め、溶接、嵌め込み等によって行われる。複数の支柱2の各々の下端部2aは、図2(a)に例示するように、床面Aに埋め込まれる。なお、床面Aは、地面、コンクリート床面、支持ブロック上面等の面を含む概念である。
複数の支柱2には、空間を仕切る後パネル5が張られ、その前方にはさらに前パネル6が重ねられて張られている。後パネル5と前パネル6は、隙間をおいて配置されてもよいし、接触して配置されてもよい。後パネル5と前パネル6は、例えばパンチングメタル、網、格子であって板状に形成され、空間を仕切っている。なお、本実施形態において、後パネル5において前パネル6に対向する側の面を前面とし、その反対側を後面とし、同様に、前パネル6のうち後パネル5に対向する側の面を後面、その反対側を前面とする。また、後述する左と右の方向は、前パネル6の前面に向かった位置で定義されるが、左側と右側のうちの一方を一側又は第1、他方を他側又は第2として認識することもある。
横長に配置される上側梁3の下面には、例えば、図3に示すように、床面Aに差し込まれた複数の支柱2の上部と後パネル5の上部の少なくとも一方が取り付けられる。また、複数の支柱2の下部と後パネル5の裏面の下部は、横長に配置される下側梁4に取り付けられる。なお、後パネル5は1枚の構造であってもよいし、複数枚を並べた構造であってもよい。
前パネル6は、扉パネル7とその両側に配置される左側壁パネル8、右側壁パネル9を有し、さらに、それらの両側には左支持パネル10、右支持パネル11、固定パネル12、13が順に配置されている。左支持パネル10、左側壁パネル8、扉パネル7、右側壁パネル9、右支持パネル11は、後述するように、互いの側端において横方向に回動可能に順に連結されている。扉パネル7は、例えば、図1(b)に示したように、両開きタイプの左扉パネル71と右扉パネル72を有している。
左側壁パネル8の上端は、その前面と右隣の扉パネル7の前面がほぼ平坦な、例えばそれらの前面のなす角度が約180度の状態で、その右端が左端よりも低くなるように0より大きな角度θで傾斜している。また、右側壁パネル9の上端は、その前面と隣の扉パネル7の前面がほぼ平坦な、例えばそれらの前面のなす角度が約180℃の状態で、左端が右端より低くなるように0より大きな角度θで傾斜している。また、扉パネル7の上端は、左側壁パネル8の右端と右側壁パネル9の左端とほぼ同じ高さとなるように調整されている。
扉パネル7の左右両側端部、即ち左扉パネル71の左側端部と右扉パネル72の右側端部のそれぞれには、裏面を内側にしてC字状に曲げられた第1の回動部71aと第2の回動部72aを有している。第1、第2の回動部71a、72aのそれぞれは、四角形の枠体15の左端と右端に配置される円柱状の左縦軸バー15a、右縦軸バー15bに回動可能に軸支されている。これらにより扉パネル7は、中央からの両開きによる開け閉めが可能になる。枠体15の下端には床面Aに接触する突起(不図示)を設けてもよく、突起の下端の面積は可能な限り小さくして床面Aとの摩擦を小さくすることが好ましい。なお、扉パネル7は、左扉パネル71か右扉パネル72の一方だけを用いた片開き構造であってもよい。
枠体15の左縦軸バー15aと右縦軸バー15bの間の内側に左補強バー15cと右補強バー15dが枠体15の上支持バー15eと下支持バー15fに渡されて取り付けられている。なお、左補強バー15cと右補強バー15dは、その間に荷物を通し得る広さに離されるが、左縦軸バー15aと右縦軸バー15bだけで強度が十分な場合には省かれてもよい。
左側壁パネル8の左端と右端には、それぞれ上から見て後面を内側にしてC字状に曲げられた第3の回動部8aと第4の回動部8bが設けられている。また、右側壁パネル9の左端と右端には、それぞれ上から見て後面を内側にしてC字状に曲げられた第5の回動部9aと第6の回動部9bが設けられている。左側壁パネル8の第4の回動部8bは、枠体15の左縦軸バー15aに回動可能に軸支される。同様に、右側壁パネル9の第5の回動部9aは枠体15の右縦軸バー15bに回動可能に軸支されている。
左側壁パネル8の第4の回動部8aと左扉パネル71の第1の回動部71aには、縦(高さ)方向で互いに噛み合うように凹凸が複数箇所に形成され、これにより左側壁パネル8と左扉パネル71は左縦軸バー15aを軸にして互いのなす角度が変えられるヒンジ構造となっている。また、右扉パネル72の第2の回動部72aと右側壁パネル9の第5の回動部9aには、縦方向で互いに噛み合うように凹凸が複数箇所に形成され、これにより右扉パネル72と右側壁パネル9は右縦軸バー15bを軸にして互いのなす角度を変えられるヒンジ構造となっている。
左支持パネル10の右端には、上から見て後面を内側にしてC字状に曲げられた第7の回動部10aが設けられている。左支持パネル10の第7の回動部10aと左側壁パネル8の第3の回動部8aのそれぞれには縦方向で互いにかみ合う凹凸が形成され、それぞれがかみ合った状態で第1縦軸ピン16が回動可能に差し込まれ、軸支されている。これにより、左支持パネル10と左側壁パネル8の接続部は、第1縦軸ピン16を軸にしたヒンジ構造となる。
また、右支持パネル11の左端には、上から見て後面を内側にしてC字状に曲げられた第8の回動部11aが設けられている。右支持パネル11の第8の回動部11aと右側壁パネル9の第6の回動部9bのそれぞれには縦方向で互いにかみ合う凹凸が形成され、それぞれがかみ合った状態で第2縦軸ピン17が回動可能に差し込まれ、軸支されている。これにより、右支持パネル1と右側壁パネル9の接続部は、第2縦軸ピン17を軸にしたヒンジ構造となる。
左支持パネル10と右支持パネル11の下端部は、上記のように枠体15等を介して互いに連結された状態で、左側壁パネル8、扉パネル7、右側壁パネル9、枠体15より下側に突出している。また、左支持パネル10の配置位置から右支持パネル11の配置位置までそれらの移動範囲の床面Aには、凹状のレール14が埋め込まれ、その中には左支持パネル10と右支持パネル11の下端部が摺動可能に嵌め込まれている。また、左側壁パネル8、扉パネル7、右側壁パネル9、枠体15の下端は、レール14との間に隙間が生じるように取り付けられる。
なお、第1縦軸ピン16、第2縦軸ピン17は、左側壁パネル8、扉パネル7、右側壁パネル9、枠体15より下側に突出され、凹状のレール14に嵌め込まれる構造にしてもよい。
第1縦軸ピン16は、左支持パネル10の右端より上に突出する突出部16aを有し、また、第2縦軸ピン17は、右支持パネル11の左端より上に突出する突出部17aを有している。
後パネル5の上に取り付けられる上側梁3は、前パネル6の全体が後パネル5に最も近くてほぼ平面に置かれる状態において、少なくとも左支持パネル10の左端の上から右支持パネル11の左端の上に至る領域で、内部が空洞となるように形成されている。
上側梁3内では、前パネル6がほぼ平面状に置かれる状態において、扉パネル7の上端の上方には、その上端に対して間隔をおいてほぼ平行に円柱状、円筒状の横軸バー18が取り付けられている。横軸バー18の長さは、扉パネル7の幅とほぼ同じになっている。この状態で、さらに、横軸バー18の両側方の領域の上側梁3の底面には、第1縦軸ピン16の突出部16aをその右側方の横軸バー18に向けて移動可能な左側スリット3aが形成され、さらに、第2縦軸ピン17の突出部17aをその左側方の横軸バー18に向けて移動可能な右側スリット3bが形成されている。左側スリット3aと右側スリット3bとレール14の少なくとも1つは、第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17の移動の軌道を制御する軌道制御部である。
上側梁3内において、左側スリット3aと横軸バー18の境界には第1縦軸ピン16の突出部16aの右への移動を規制する左ストッパ19が配置され、さらに、右側スリット3bと横軸バー18の境界には第2縦軸ピン17の突出部17aの左への移動を規制する右ストッパ20が配置されている。これにより、左側スリット3aと右側スリット3bを移動して互いに近づく第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17は、左ストッパ19と右ストッパ20により移動が規制され、その位置から互いの間隔が狭くならない構造となっている。
ホームポジションにある扉パネル7と枠体15の上には、図2(b)に示すように、横軸バー18に嵌め込まれるC字状の回動部21aを後端(上端)に有する屋根用パネル21が横軸バー18を中心軸として縦方向と前後方向に回動可能に取り付けられている。
屋根用パネル21は、第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17が最も広がって配置されるホームポジションで横軸バー18に垂れ下がり、扉パネル7の上部前面に面接触して配置され、根本の回動部21aの近傍で屈曲されている。なお、扉パネル7の上部前面は、下部前面に対して階段状に裏方に後退した形状を有し、これにより、扉パネル7の前面に重ねられる屋根用パネル21の扉パネル7からの突出が抑制される。
上側梁3内の横軸バー18の上の位置において、左側スリット3aに挿入された第1縦軸ピン16の突出部16aと右側スリット3bに挿入された第2縦軸ピン17の突出部17aには、それらの間で伸び縮みする長いバネ23が掛けられている。バネ23は、本実施形態では例えば収縮バネを採用する。
バネ23は、第1縦軸ピン16の突出部16aと左ストッパ19の間、及び第2縦軸ピン17の突出部17aと右ストッパ20の間のそれぞれに分けて取り付けられてもよい。この場合、2分されるバネ23の最短の長さだけ第1縦軸ピン16と左ストッパ19、および第2縦軸ピン20と右ストッパ20のそれぞれに間隔が生じるので、その間隔分だけ扉パネル7の幅を左ストッパ19と右ストッパ20の間隔より広くすることが好ましい。
第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17の少なくとも一方には、操作レバー24が上下方向に回動可能に軸支されている。操作レバー24は、上側梁3の前面において左側スリット3aと右側スリット3bの少なくとも一方に沿って形成された前面スリット3cから突出している。また、図2(c)に示すように、ホームポジションに配置された右支持パネル11の右端の上方に位置する前面スリット3cの端部から上方又は下方に向けてL字状にストッパ用スリット3dが形成され、その中に押し込まれる操作レバー24の横方向の移動を規制し、バネ23の弾性力による第1縦軸ピン16、第2縦軸ピン17の移動を防止している。
第1側壁パネル8と第2側壁パネル9では、それらの上端が床面Aに対して傾斜し、枠体11に近づくほどそれらの上端が床面Aから低くなる形状を有している。これにより、枠体11は、第1側壁パネル8の左側端の高さと第2側壁パネル9の右側端の高さより低く形成される。枠体11を後パネル5に最も近づけてそれらの両側の第1、第2側壁パネル8、9がほぼ面一になるように置いた状態では、枠体11及び扉パネル7の上方には、図1(a)、図2(a)、(b)に示したように、横軸バー18が配置される。
また、図2(b)に示すように、横軸バー18と扉パネル7の間の隙間から露出する領域の後パネル5の前面には、屋根用パネル21の上部を前方に押圧する押しバネ22が取り付けられている。押しバネ22の付勢力は、屋根用パネル21を扉パネル7から飛び出させず、屋根用パネル21から扉パネル7に加わる力を低減する程度の大きさとし、屋根用パネル21を持ち上げる際の初期力を低減する程度とする。なお、押しバネ22は、図2(b)に示すようなコイルに限られるものではなく、板バネ、その他の弾性体であればよい。
扉パネル7のうち、左扉パネル71の右端と右扉パネル72の左端と屋根用パネル21の下端の互いの交差部分の近傍には錠25が取り付けられている。錠25は、例えば、図4に例示するように、その交差部分の近傍の右扉パネル72に取り付けられ、回転構造を有している。錠25は、例えば、反時計回り方向にのみ回動するラッチ式の回動軸25aとその前部に固定された留め具25bを有している。
回動軸25aは、その回動停止位置によって作用が相違する。例えば、図4(a)に示すように、留め具25bが屋根用パネル21と左扉パネル71に掛かった状態で扉パネル7の開閉を阻止するとともに屋根用パネル21が前方に起こされることを阻止する。また、図4(b)に示すように、回動軸25aの回動停止位置を変えて留め具25bを屋根用パネル21と左扉パネル7から外せば、屋根用パネル21を上に開き、さらに扉パネル7を開くことが可能になる。また、図4(c)に示すように、屋根用パネル21を持ち上げた状態で留め具25bを左扉パネル71に掛ければ、扉パネル7を開くことが防止される。
屋根用パネル21の前端が持ち上げられた状態でその下面となる裏面には、枠体15の上端で上に突出する突起15gを挿入して摺動させながら案内する案内溝27が形成されている。案内溝27は、図1に示したように、横軸バー18の長さ方向に対してほぼ垂直な方向に直線状に長く伸びて形成される。案内溝27は、屋根用パネル21の裏面に張られる複数本の補強梁28の間に形成されるスリットを利用して形成される。接近した2本の補強梁28の間に形成される案内溝27の前端又は後端の少なくとも一方をU字状に閉じることにより、突起15gの移動を規制するようにしてもよい。また、扉パネル7の前面に、補強梁28を嵌める凹部7aを形成してもよい。なお、案内溝27を屋根用パネル21の裏面に直に形成してもよい。
左支持パネル10とその左の固定パネル12には、図3に示すような移動棹29を介して連結させてもよい。移動棹29は、下端を固定パネル12に回動可能に軸支し、上端を左支持パネル10に上下に移動可能に嵌め込む構造となっている。これにより、左支持パネル10と固定パネル12の間が開いた場合に、左支持パネル10の移動を規制し、或いは裏パネル5を補強することができる。
フェンス1を例えば駐車場に配置し、駐車位置毎に扉パネル7を設ける構造では、駐車範囲を区画する境界の位置に縦長のストライプ、破線等のライン90を扉パネル7の両側方の固定パネル12、13に設けてもよい。ライン90を用いることにより1台の自動車の駐車位置を特定することができるので、床面Aに引かれる駐車区画用の白線等のラインを省略してもよくなる。なお、ライン90は、固定パネル12,13の前面と同一面に色を異ならせてペンキ等で設けてもよいし、或いは、その前面から三次元的に前方に飛び出させてもよい。例えばライン90を四角柱状に形成し、その両側面の色と前面(パネル12、13を含む)の色を変えれば、自動車がフェンス1に近づくにつれて立体的なライン90の側面が運転者の視覚に徐々に広がって入るようになるので、駐車の位置が確認し易くなる。後パネル5と前パネル6の固定パネル12、13が重なる部分は省略してもよく、固定パネル12、13を省略する場合には後パネル5の前面にライン90を設ける。
上記した構造のフェンス1について仕切りとしての機能だけを発揮させる場合、扉パネル7を裏パネル5に向けて押さえ込んで近接させると、バネ23が広がり、バネ23両端に掛けられた第1、第2縦軸ピン16,17の突出部16a、17aの間隔も広がる。これにより、第2縦軸ピン17の突出部17aに上下に回動可能に取り付けられた操作レバー24は、上側梁3の前面スリット3cを通して移動し、バネ23のねじれ力により付勢されてストッパ用スリット3dに入り込む。
この後に、扉パネル7を裏パネル5に押す力を取り去っても、バネ23の縮む方向への変位は操作レバー24により規制され、しかも、左支持パネル10から右支持パネル11まではほぼ平面になるので、バネ23は平面方向に広がった状態を維持し、第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17により伸ばされた状態を維持する。また、屋根用パネル21は、図4(a)に示すように、錠25により扉パネル7の前面に固定されることにより持ち上がる動作が規制され、これにより、屋根用パネル21は扉パネル7の突出を防止することにより間接的にバネ23の収縮を防止する。
このような状態のフェンス1の前パネル6は、ほぼ平板状になって前後の空間を仕切ることになる。
これに対し、扉パネル7に取り付けた錠25を回し、屋根用パネル21を外した後に、操作レバー24を持ち上げてストッパ用スリット3dから外すと、バネ23の収縮の規制が解けて、バネ23は収縮しようとする。これにより、操作レバー24は、前面スリット3cに沿って扉パネル7に向けて移動し、バネ23が掛けられた第1、第2縦軸ピン16、17は互いに近づく方向に力が加わる。また、第1、第2縦軸ピン16、17に取り付けられた左支持パネル10、左側壁パネル8、右側壁パネル9、及び右支持パネル11にはバネ23の収縮力が加わる。この場合、左支持パネル10と右支持パネル11は、底部が嵌め込まれたレール14上を摺動する。また、扉パネル7を手前に少し引けば、床面Aに対して間隔のある左側壁パネル8と右側壁パネル9が斜めに横を向くので左側壁パネル8、右側壁パネル9は第1、第2縦軸ピン16、17を介するバネ23の力によりさらに移動し、最終的には互いにほぼ平行になるとともに、これらに連結された枠体15を前に押し出す。
これにより、バネ23が掛けられ突出部16a、17aを有する第1、第2縦軸ピン16、17は、互いに近づくように移動するが、その移動は、最終的に左ストッパ19と右ストッパ20により規制される。左ストッパ19と右ストッパ20は、扉パネル7の左右の第1、第2回動部71a、72aのほぼ真後ろの上に配置されているので、扉パネル7は左右にほとんどずれないで前方に移動する。
扉パネル7が前方に移動すると、扉パネル7が取り付けられた枠体15の上端の突起15gは、屋根用パネル21の下面(裏面)の案内溝27に沿って前方に移動するとともに、屋根用パネル21を持ち上げて、水平からθの角度の前方への傾斜をもって扉パネル7と左側壁パネル8、右側壁パネル9により囲まれる領域を覆う状態となる。屋根用パネル21は、図2(b)に示したように、押しバネ22により前方への押圧力が加わっているので、枠体15の移動による初期移動が容易になり、その後に加速が付いて枠体15の移動が円滑になる。
これにより、フェンス1の一部、即ち、扉パネル7、左側壁パネル8、右側壁パネル9、後パネル5及び屋根用パネル21は内部に収納スペースを有する収納庫100に変形する。なお、左支持パネル10、右支持パネル11の移動により固定パネル12、13との間に隙間が発生するが、その隙間は裏パネル5により遮られるので、フェンス1としての機能は保持される。
収納庫100が不要になった場合には扉パネル7を裏パネル5に向けて押すことにより、第1縦軸ピン16及び第2縦軸ピン17等を介してバネ23を広げ、左側壁パネル8、右側壁パネル9等を上記と逆の動作により裏パネル5の前に収め、さらに、操作レバー24を上側梁3のストッパ用スリット3dに掛ける。さらに、枠体15の後退により垂れ下がる屋根用パネル21は、扉パネル7の前面に重なった後に、錠25の操作により屋根用パネル21の前方の移動を規制することにより、フェンス1の変形による収納スペースが消失するとともに、収納スペースを囲んでいた扉パネル7等はそのまま仕切りとして機能するので、別の場所に移動させる必要はなく、収納庫100を構成する部材の収納スペースが不要になる。
以上述べたように本実施形態によれば、扉パネル7、左側壁パネル8及び右側壁パネル9を順に回動自在に連結し、さらに扉パネル7の一部となる枠体15の上部に突起15gを設け、突起15gの移動により屋根用パネル21を持ち上げるようにした。しかも、扉パネル7、左側壁パネル8、右側壁パネル9及び屋根用パネル21の収納庫100への変形にバネ23の付勢力を利用したので、フェンス1の一部をワンタッチで収納庫100に変形させることができる。また、フェンス1の一部が収納庫100に変形している状態から、バネ23の力に抗して扉パネル7を裏パネル5に向けて押圧することによりワンタッチで収納庫100を解体することができる。
さらに、屋根用パネル21の上端の回動部21aと扉パネル7及び枠体15の上端の距離を離すとともに、左側壁パネル8と右側壁パネル9の上端を互いの接合部分に向けて低くなるように傾斜させている。このため、枠体15又は扉パネル7の上端で屋根用パネル21の下面を徐々に傾斜させながら引き起こすことができるので、屋根用パネル21を持ち上げる初期の力を小さくし、持ち上げを円滑にすることができる。さらに、収納庫100の組み立て終了時の状態で、左側壁パネル8と右側壁パネル9が前方に傾斜するので、屋根の水捌けを良好にすることができる。
(第2の実施の形態)
図5(a)は、第2実施形態に掛かるフェンスを示す斜視図、図5(b)は、図5(a)に示したフェンスの変形状態を示す斜視図である。図5において、図1〜図4と同じ符号は同じ要素を示している。
図5(a)は、第2実施形態に掛かるフェンスを示す斜視図、図5(b)は、図5(a)に示したフェンスの変形状態を示す斜視図である。図5において、図1〜図4と同じ符号は同じ要素を示している。
図5において、第1実施形態と同様に、左側壁パネル8の側端と左支持パネル10の側端は第1縦軸ピン16を介して連結され、右側壁パネル9の側端と右支持パネル11の側端は第2縦軸ピン17を介して連結されている。また、左側壁パネル8と右側壁パネル9は、枠体15を介して扉パネル7に連結され、互いの側部を中心に回動可能になっている。さらに、垂直状態から水平状態に回動可能な屋根用パネル21が扉パネル7の上方に配置されている。
上側梁3の内部において、第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17には、第1実施形態と異なり、互いに平行に対向し合うように片持ち梁状に支持される第1バネ支持バー31と第2バネ支持バー32のそれぞれの1つの端部が取り付けられている。第1バネ支持バー31と第2バネ支持バー32は、平行でかつ間隔をおいて取り付けられ、それらの先端は互いを向くようにL字状に屈曲するバネ支持端部31a、32aを有している。
第1バネ支持バー31と第2バネ支持バー32の間にはバネ33が配置され、バネ33の両端は2つのバネ支持端部31a、32aに取り付けられ、横方向に挟まれる。バネ33は、本実施形態では、例えば拡張方向の付勢力を有するバネを採用する。
第1実施形態における圧縮方向に付勢力のあるバネ23の代わりに第1バネ支持バー31と第2バネ支持バー32とバネ33を設ける以外の構造は、第1実施形態と同様である。例えば、第2縦軸ピン17の突出部17aには、縦方向に回動可能な操作レバー24が取り付けられ、また操作レバー24を上側梁3の3dにストッパ用スリット3dに入れて掛け留め、さらに操作レバー24を前スリット3cから外部に突出させて摺動させることなどは第1実施形態と同様である。
上記した構造のフェンス1について仕切りとしての基本機能だけを発揮させる場合には、図5(a)に示すように、扉パネル7とその両側の左側壁パネル8、右側壁パネル9等を裏パネル5に向けて押すことにより、第1、第2縦軸ピン16、17の突出部16a、17aの間隔を広げる。これにより、第1、第2バネ支持バー31、32を介してバネ33を収縮させると、第2縦軸ピン17の突出部17aに取り付けられた操作レバー24は、上側梁3の前面スリット3cを通して移動し、ストッパ用スリット3dに達するので、操作レバー24を下に降ろしてその中に入れて掛ける。
この後に、扉パネル7を裏パネル5に向けて押す力を取り去っても、バネ33の拡張する方向への変位は操作レバー24の停止により規制される。しかも、左支持パネル10から右支持パネル11まではほぼ平面になっている。従って、バネ33は第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17により圧縮された状態を維持する。しかも、屋根用パネル21は、図4(a)に示したと同様に、錠25により扉パネル7の前面に固定されるので、起き上がりが防止される。これにより、屋根用パネル21は、扉パネル7を介してバネ33の拡張を間接的に防止している。
このような状態のフェンス1は、ほぼ平板状になって前後の空間を仕切ることになる。
これに対し、図4(b)、(c)に示したように、扉パネル7に取り付けた錠25を回し、屋根用パネル21を外した後に、操作レバー24を持ち上げてストッパ用スリット3dから外すと、バネ33の規制が解けて、バネ23は第1、第2バネ支持バー31、32のバネ支持端部31a、32aの間でその付勢力により拡張する。これにより、操作レバー24は、前面スリット3cに沿って扉パネル7に向けて移動し、バネ33が掛けられたバネ支持端部31a、32aは互いに遠ざかる方向に力が加わる。
この結果、第1、第2縦軸ピン16、17に軸支された左支持パネル10、左側壁パネル8、右側壁パネル9、及び右支持パネル11は、バネ33の付勢力の伸びる方向とは逆方向に収縮する力が加えられる。この場合、左支持パネル10と右支持パネル11は、それらの底部が嵌め込まれたレール14上を摺動する。同様に、第1、第2縦軸ピン16、17もレール14に沿って移動する。また、扉パネル7を手前に少し引けば、床面Aに対して隙間を持つ左側壁パネル8と右側壁パネル9が横方向の斜めに傾くので、左側壁パネル8と右側壁パネル9はバネ33の付勢力によりさらに移動し、最終的には互いにほぼ平行になるとともに、これらに連結された枠体15を前に押し出す。
この場合、第1バネ支持バー31と第2バネ支持バー32を介してバネ33に接続された第1、第2縦軸ピン16、17の突出部16a、17aは、バネ33の伸びる方向とは逆方向、即ち互いに近づくように移動するが、その移動は、左ストッパ19と右ストッパ20により規制される。左ストッパ19と右ストッパ20は、扉パネル7の左右の第1、第2回動部71a、72aのほぼ真後ろの上に配置されているので、扉パネル7は左右にほとんどずれないで最終的に前方に押し出される。
扉パネル7が前方に移動すると、第1実施形態と同様に、扉パネル7が取り付けられた枠体15の上端の突起15gは、屋根用パネル21を持ち上げる。この結果、屋根用パネル21は、図5(b)に示すように、水平に対して角度θの傾斜をもって、扉パネル7と左側壁パネル8、右側壁パネル9により囲まれる領域を上から覆う状態となる。
これにより、フェンス1の一部、即ち、扉パネル7、左側壁パネル8、右側壁パネル9、後パネル5及び屋根用パネル21は、収納スペースを有する収納庫100に変形する。その他は、第1実施形態と同様となる。
以上述べたように本実施形態によれば、扉パネル7、左側壁パネル8及び右側壁パネル9を順に回動自在に連結し、さらに扉パネル7の一部である枠体15の上部に突起15gを設け、突起15gにより屋根用パネル21を持ち上げ可能にした。しかも、扉パネル7、左側壁パネル8、右側壁パネル9及び屋根用パネル21の収納庫100への変形に、それらの移動とは逆方向に付勢力を持つバネ33を使用したので、ワンタッチで収納庫100に変形させることができる。また、フェンス1の一部が収納庫100に変形している状態から、バネ33の力に抗して扉パネル7を裏パネル5に向けて押圧することによりワンタッチで収納庫100を解体することができる。その他、第1実施形態と同様な作用効果を有する。
(第3の実施の形態)
図6(a)は、第3実施形態に掛かるフェンスを示す斜視図、図6(b)は、図6(a)に示したフェンスの変形状態を示す斜視図である。図6において、図1〜図4と同じ符号は同じ要素を示している。
図6(a)は、第3実施形態に掛かるフェンスを示す斜視図、図6(b)は、図6(a)に示したフェンスの変形状態を示す斜視図である。図6において、図1〜図4と同じ符号は同じ要素を示している。
図6において、第1実施形態と同様に、左側壁パネル8の側端と左支持パネル10の側端は第1縦軸ピン16を介して連結され、右側壁パネル9の側端と右支持パネル11の側端は第2縦軸ピン17を介して連結されている。また、左側壁パネル8と右側壁パネル9は、枠体15を介して扉パネル7に連結され、互いの側部を中心に回動可能になっている。さらに、垂直状態から水平状態に回動可能な屋根用パネル21が扉パネル7の上方に配置されている。
上側梁3の内部において、第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17には、第1実施形態と異なり、互いに平行に対向し合うように片持ち梁状に支持される第1ラックバー36と第2ラックバー37が取り付けられている。第1ラックバー36と第2ラックバー37は、互いに平行でかつ間隔をおいて取り付けられ、それらの対向部分には後述するピニオン38に噛み合う歯車が形成されている。
第1ラックバー36と第2ラックバー37のそれぞれの間にはピニオン38が互いの歯と噛み合うように挟まれている。ピニオン38の回動中心軸は、例えば、後パネル5に垂直に回動可能に取り付けられる。また、ピニオン38の直径を大きくするほどピニオン38を介した第1ラックバー36と第2ラックバー37の逆方向の移動がし易くなる。ピニオン38は間隔をおいて複数個配置してもよい。
第1実施形態におけるバネ23の代わりに第1ラックバー36と第2ラックバー37とピニオン38を設ける以外の構造は、第1実施形態と同様である。例えば、第2縦軸ピン17の突出部17aには、縦方向に回動可能な操作レバー24が取り付けられ、また操作レバー24を上側梁3の3dにストッパ用スリット3dに入れて掛け留め、さらに操作レバー24を前スリット3cから外部に突出させて摺動させることなどは第1実施形態と同様である。
上記した構造のフェンス1について仕切りとしての基本機能だけを発揮させる場合には、図6(a)に示すように、扉パネル7とその両側の左側壁パネル8、右側壁パネル9等を裏パネル5に向けて押すことにより、第1、第2縦軸ピン16、17の突出部16a、17aの間隔を広げる。この場合、操作レバー24により第2ラックバー37に力を加えることにより、ピニオン38が回転し易くなる。
さらに、第2縦軸ピン17の突出部17aに取り付けられた操作レバー24に力を加え、側梁3の前面スリット3cを通して移動させ、ストッパ用スリット3dに達した状態で、操作レバー24を下に降ろしてその中に入れて掛ける。これにより、第1、第2ラックバー36、37は、それらの全体の長さが広がるように横方向に移動し、操作レバー24の停止に伴って停止する。この場合、ピニオン38が第1、第2ラックバー36、37の間に介在しているので、第1、第2ラックバー36、37は、同じ長さで逆向きに横方向に移動する。
この後に、扉パネル7を裏パネル5に向けて押す力を取り去っても、第1、第2ラックバー36、37には外力が加わっていない上に操作レバー24の移動も規制している。このため、左支持パネル10から右支持パネル11のまでの前面はほぼ平面状の状態を維持する。しかも、図4(a)に示したと同様に、錠25により扉パネル7の前面に固定されている屋根用パネル21は、第1、第2ラックバー36、37の移動を間接的に防止している。
このような状態のフェンス1は、ほぼ平板状になって前後の空間を仕切ることになる。
これに対し、図4(b)、(c)に示したように、扉パネル7に取り付けた錠25を回し、屋根用パネル21を外した後に、操作レバー24を持ち上げてストッパ用スリット3dから外し、前面スリット3cに沿って扉パネル7のある方向に移動させる。これにより、第1、第2ラックバー36、37は、ピニオン38を介して全体が縮まるように横方向に同時に移動する。
この結果、第1、第2ラックバー36、37のそれぞれの1つの端部を支持している第1、第2縦軸ピン16、17に軸支された左支持パネル10、左側壁パネル8、右側壁パネル9、及び右支持パネル11は、第1、第2ラックバー36、37の縮む方向と同じ方向に収縮する力が加えられる。この場合、左支持パネル10と右支持パネル11は、底部が嵌め込まれたレール14上を摺動する。同様に、第1、第2縦軸ピン16、17もレール14に沿って移動する。また、扉パネル7を手前に引けば、床面Aに対して隙間を持つ左側壁パネル8と右側壁パネル9が斜めに横を向くので、操作レバー24は移動し易くなるとともに、これらに連結された枠体15が前に進む。
第1、第2縦軸ピン16、17の移動は、左ストッパ19と右ストッパ20により規制される。左ストッパ19と右ストッパ20は、扉パネル7の左右の第1、第2回動部71a、72aのほぼ真後ろの上に配置されているので、扉パネル7は左右にほとんどずれないように前方に押し出される。
扉パネル7が前方に移動すると、第1実施形態と同様に、扉パネル7が取り付けられた枠体15の上端の突起15gは、屋根用パネル21を持ち上げる。この結果、図6(b)に示すように、水平に対して角度θの傾斜をもって、扉パネル7と左側壁パネル8、右側壁パネル9により囲まれる領域を上から覆う状態となる。
これにより、フェンス1の一部、即ち、扉パネル7、左側壁パネル8、右側壁パネル9、後パネル5及び屋根用パネル21は、収納スペースを有する収納庫100に変形する。その他は、第1実施形態と同様となる。
以上述べたように本実施形態によれば、扉パネル7、左側壁パネル8及び右側壁パネル9を順に回動自在に連結し、さらに扉パネル7の一部である枠体15の上部に突起を設け、突起により屋根用パネル21を持ち上げるようにした。しかも、扉パネル7、左側壁パネル8、右側壁パネル9及び屋根用パネル21の収納庫100への変形に、左方向と右方向に同じ長さで移動するラック&ピニオンを使用したので、押したり引いたりする単純な操作によりフェンス1の一部を収納庫100に変形させることができる。また、逆の操作により、フェンス1の一部が収納庫100に変形している状態から、容易に収納庫100を解体することができる。その他、第1実施形態と同様な作用効果を有する。
(第4の実施の形態)
図7(a)は、第2実施形態に掛かるフェンスを示す斜視図、図7(b)は、図7(a)に示したフェンスの変形状態を示す斜視図である。図7において、図1〜図4と同じ符号は同じ要素を示している。
図7(a)は、第2実施形態に掛かるフェンスを示す斜視図、図7(b)は、図7(a)に示したフェンスの変形状態を示す斜視図である。図7において、図1〜図4と同じ符号は同じ要素を示している。
図7(a)、(b)において、フェンス1は、左側壁パネル8と右側壁パネル9のそれぞれを横方向に同じ個数、例えば2つに分割し、分割された分割パネル81、82、91、92のうち隣接した側端をピン51、52により互いに回動可能に連結した構造を有している。さらに、屋根用パネル21は、左側壁パネル8と右側壁パネル9と同じ個数であって同じ長さの割合に前後に分割され、分割された屋根用分割パネル21b、21cは摺動可能に重なって取り付けられ、いずれかの側部に付けられたU字状の爪21dにより脱落を防止するように連結されている。
また、第1実施形態と同様に、左側壁パネル8の側端と左支持パネル10の側端は第1縦軸ピン16を介して連結され、右側壁パネル9の側端と右支持パネル11の側端は第2縦軸ピン17を介して連結されている。さらに、左側壁パネル8と右側壁パネル9は、枠体15を介して扉パネル7に連結され、互いの側部を中心に回動可能になっている。さらに、垂直状態から水平状態へ前方上下に回動可能な屋根用パネル21が扉パネル7の上方に配置されている。
上側梁3の内部において、第1縦軸ピン16と第2縦軸ピン17には、第1実施形態と同様に、収縮する方向に付勢力を有するバネ23が掛けられている。また、第2縦軸ピン17の突出部17aには、縦方向に回動可能な操作レバー24が取り付けられ、また操作レバー24を上側梁3の3dにストッパ用スリット3dに入れて掛け留め、さらに操作レバー24を前スリット3cから外部に突出させて摺動させることなどは第1実施形態と同様である。なお、それらの構造を第2、第3実施形態と同じようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、後パネル5の前面には、図7(b)に示すように、前方に進退が可能な分割用ストッパ41,42が取り付けられている。分割用ストッパ41、42は、第1実施形態と同様にフェンス1の上部に設けられる左ストッパ19と右ストッパ20の位置よりも分割パネル81、82、91、92の各々の幅で分割の数だけ左右に順に広くなる位置に取り付けられる。
さらに、平板状態にされた分割パネル81、82、91、92の前方の床面Aの前方には、分割用ストッパ41、42よりもさらに左右にずれた位置に、図7(a)に示すように、ストッパ嵌め込み孔43、44が設けられている。ストッパ嵌め込み孔44、45の中には、図7(b)に示すように、移動規制具45、46が着脱可能に嵌め込まれる。
このような構造を有するフェンス1の一部を収納庫100に変形させる場合に、扉パネル7に近い側の分割パネル81、91だけを選択して横にすることができ、収納庫100の奥行きが階段状に段階的に変形できる。この場合、扉パネル7に遠い側の分割パネル82、92の前方のストッパ嵌め込み孔43、44に移動規制具45、46を嵌め込むと、それらの分割パネル82、92の突出は防止される。
また、裏パネル5から分割用ストッパ41、42を前方に突出させると、扉パネル7に近い側の分割パネル81、91が横を向いた状態で、分割用ストッパ41,42の内側へのさらなる移動が防止され、これにより、バネ23のさらなる変形も防止され、収納庫100の形状が固定される。屋根用パネル21は、複数の屋根用分割パネル21b、21cを摺動可能に重ねているので、左側壁パネル8と右側壁パネル9の奥行き方向の突出量に合わせて奥行きを変えることができ、収納庫100の周囲のスペースを無駄にすることが防止される
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、操作レバー24の操作により、ワンタッチでフェンス1の一部である扉パネル7を前方に突出させ、左側壁パネル9と右側壁パネル10を横に向けることができる。また、左側壁パネル9と右側壁パネル10を複数の分割パネル81、82、91、92から回動して連結させて形成したので、左側壁パネル9と右側壁パネル10の裏パネル5から突出する奥行きを複数段階で変えることができる。これにより、、フェンス1の周囲のスペースを調整して収納庫100の容量を変更することができる。その他、第1実施形態と同様な作用効果を有する。
(その他の実施の形態)
上記した各実施形態では、両開き型の扉パネル7を使用しているが、片側の開き扉であってもよい。また、上記したバネ23、33、左ストッパ19、右ストッパ20等は扉パネル7の上方に配置したが、その位置は扉パネル7の上端より下方にあってもよく、特に位置的に制限されるものではない。また、右ストッパ19、左ストッパ20の位置を変えることにより側壁パネル8、9を裏パネル5の前面に対して所望の角度に傾斜させることができる。なお、上記のフェンス1は、塀などを含む概念であり、また、壁に取り付けられる構造体であってもよい。
上記した各実施形態では、両開き型の扉パネル7を使用しているが、片側の開き扉であってもよい。また、上記したバネ23、33、左ストッパ19、右ストッパ20等は扉パネル7の上方に配置したが、その位置は扉パネル7の上端より下方にあってもよく、特に位置的に制限されるものではない。また、右ストッパ19、左ストッパ20の位置を変えることにより側壁パネル8、9を裏パネル5の前面に対して所望の角度に傾斜させることができる。なお、上記のフェンス1は、塀などを含む概念であり、また、壁に取り付けられる構造体であってもよい。
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈され、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解される。
1 フェンス
3 上側梁
5 裏パネル
6 表パネル
7 扉パネル
71 左扉パネル
72 右扉パネル
8 左側壁パネル
81、82 分割パネル
9 右側壁パネル
91、92 分割パネル
10 左支持パネル
11 右支持パネル
14 レール
15 枠体
16、17 縦軸ピン
18 横軸バー
19 左ストッパ
20 右ストッパ
21 屋根用パネル
21b、21c 屋根用分割パネル
23、33 バネ
24 操作レバー
25 錠
27 案内溝
28 補強梁
31、32 バネ支持バー
36、37 ラックバー
38 ピニオン
41、42 分割用ストッパ
43、44 移動規制具
45、46 ストッパ嵌め込み孔
51、52 ピン
90 ライン
100 収納庫
3 上側梁
5 裏パネル
6 表パネル
7 扉パネル
71 左扉パネル
72 右扉パネル
8 左側壁パネル
81、82 分割パネル
9 右側壁パネル
91、92 分割パネル
10 左支持パネル
11 右支持パネル
14 レール
15 枠体
16、17 縦軸ピン
18 横軸バー
19 左ストッパ
20 右ストッパ
21 屋根用パネル
21b、21c 屋根用分割パネル
23、33 バネ
24 操作レバー
25 錠
27 案内溝
28 補強梁
31、32 バネ支持バー
36、37 ラックバー
38 ピニオン
41、42 分割用ストッパ
43、44 移動規制具
45、46 ストッパ嵌め込み孔
51、52 ピン
90 ライン
100 収納庫
Claims (6)
- 裏パネルと、
前記裏パネルの前方に配置される扉パネルと、
前記扉パネルの両側端に回動可能に連結された第1側壁パネルと第2側壁パネルと、
前記第1側壁パネルと前記第2側壁パネルのうち前記扉パネルとの連結側に対して反対側のそれぞれの側部に回動可能に軸支された第1縦軸バー及び第2縦軸バーと、
前記第1縦軸バー及び前記第2縦軸バーの下部の移動を前記裏パネルの前面に沿って導く軌道制御部と、
前記扉パネルが前記裏パネルに最も近づいた位置で前記扉パネルの上方に配置される横軸バーと、
前記横軸バーに回動可能に支持されて前記扉パネルに上から重なる屋根用パネルと、を有するフェンス。 - 前記扉パネルの側部と前記第1側壁パネルの側部を回動可能に連結させ、前記扉パネルと前記第2側壁パネルの側部を回動可能に連結させる枠体を有することを特徴とする請求項1に記載のフェンス。
- 前記屋根用パネルの下面には、前記枠体から上に突出した突起を嵌め込む溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のフェンス。
- 前記第1側壁パネルと前記第2側壁パネルのうち前記扉パネルとの前記連結側と反対の両側部に付勢力を加えるバネを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフェンス。
- 前記第1側壁パネルと前記第2側壁パネルのうち前記扉パネルとの前記連結側と反対の両側部のそれぞれを前記レールに沿って逆向きに移動させるレール・アンド・ピニオン構造を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフェンス。
- 前記第1側壁パネルと第2側壁パネルは、横方向に回動可能に連結して複数に分割されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のフェンス。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116034893A (zh) * | 2022-12-31 | 2023-05-02 | 芜湖锦丰牧业有限公司 | 一种方便安装连接及转移的模块式绵羊养殖栏 |
-
2015
- 2015-06-19 JP JP2015123953A patent/JP2017008546A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116034893A (zh) * | 2022-12-31 | 2023-05-02 | 芜湖锦丰牧业有限公司 | 一种方便安装连接及转移的模块式绵羊养殖栏 |
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