JP2017008535A - プレキャスト基礎接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 雄側接合金物と雌側接合金物の嵌め合い施工後に、両接合金物の間に硬化性の充填材を充填する嵌め合い隙間が確保できるプレキャスト基礎接合構造を提供する。
【解決手段】 互いに側面を接合する一対のプレキャスト基礎1A,1Aにおける一方のプレキャスト基礎1Aに、側面からの突出部分11aの水平断面がT字状の雄側接合金物11を埋め込む。他方のプレキャスト基礎1Bに、雄側接合金物11が隙間を介して嵌まり込む水平断面がT字状の接合溝部12aを有する雌側接合金物12を設ける。雄側接合金物11と雌側接合金物12との嵌め合い隙間には硬化性の充填材16を充填する。雄側接合金物11の頭部11aaにおける、首部11abを挟む両側の首側面部11aa1に、隙間確保用の突起14を設ける。
【選択図】 図9

Description

この発明は、一対のプレキャスト基礎の側面を互いに接合するプレキャスト基礎接合構造に関する。
従来、住宅等の建物の布基礎において、図20(C)に示すように、立ち上がり部をプレキャスト基礎21とし、ベース部22を現場打ちコンクリートとすることがある。ベース部22の現場打ちは、プレキャスト基礎21の配置の後に行われる。
プレキャスト基礎21は、長手方向に複数並べ、相互間を荷重伝達可能なように接合する。具体的には、同図(A),(B)に示すように、互いに接合される一対のプレキャスト基礎21、21のうち、一方のプレキャスト基礎21には、長手方向端の長手方向を向く側面である端面から突出して雄側接合金物31が埋め込み状態に設けられる。他方のプレキャスト基礎21には、前記雄側接合金物31に嵌まり込む雌側接合金物32が、そのプレキャスト基礎21の端面および上面に開口して設けられる。図21に拡大水平面図で示すように、前記雄側接合金物31の突出部分31aを前記雌側接合金物32の接合溝部32aに嵌合させ、雄側接合金物31と雌側接合金物32との嵌め合い隙間にグラウト等の硬化性の充填材(図示せず)を充填することにより、図22のように前記一対のプレキャスト基礎21、21が両端面間で長手方向に接合される。なお、前記雄側接合金物31および雌側接合金物32には、鉄筋等からなるアンカー33が接合されている。
特開2013−227787号公報
上記した従来のプレキャスト基礎接合構造において、前記雄側接合金物31と雌側接合金物32との間には、プレキャスト基礎21,21の施工誤差を吸収して嵌め合い施工を円滑に行なうために嵌め合い隙間が設けられる。しかし、雄側接合金物31の突出部分31aの頭部31aaが、雌側接合金物32の接合溝部32a内で基礎長手方向のいずれか一方に偏り、施工後の、前記頭部31aaの片方の嵌め合い隙間が非常に狭くなる場合がある。一般的に、硬化性の充填材を充填できる前記嵌め合い隙間は1mm程度であり、それ未満であると充填材が十分充填されず、遊びとして残ってしまう可能性がある。特に、頭部31aaに対する首部側の嵌め合い隙間は、首部の両側に分かれているため、硬化性の充填材が流れ込み難く、また流れ込んでも十分に充填されず、荷重の作用によって変形する懸念がある。その場合、両プレキャスト基礎21,21の間に図21のように基礎長手方向の引張力Fが作用したとき引張力Fを伝達できず、施工時の変形が大きくなるという問題がある。
この発明の目的は、プレキャスト基礎間を接合する雄側接合金物と雌側接合金物の嵌め合い施工時に、両接合金物の間に硬化性の充填材を充填する嵌め合い隙間が確保できるプレキャスト基礎接合構造を提供することである。
この発明のプレキャスト基礎接合構造では、互いに側面で接合する一対のプレキャスト基礎における一方のプレキャスト基礎に、前記側面から突出して、突出部分の水平断面がT字状の雄側接合金物が脚部で埋め込み状態に設けられ、他方のプレキャスト基礎に、前記雄側接合金物が隙間を介して嵌まり込む水平断面がT字状の接合溝部を有する雌側接合金物が前記側面および上面に開口して設けられ、前記雄側接合金物と雌側接合金物との嵌め合い隙間に硬化性の充填材が充填されるプレキャスト基礎接合構造において、前記雄側接合金物の頭部における、首部を挟む両側の首側面部、またはこの首側面部に対向する前記雌側接合金物の前記接合溝部の内面部に、隙間確保用の突起が設けられている。
この構成によると、雄側接合金物の頭部における、首部を挟む両側の首側面部に、隙間確保用の突起が設けられている。そのため、両プレキャスト基礎の側面の雄側接合金物と雌側接合金物とを嵌め合わせたときに、雄側接合金物の頭部に対する首部側の嵌め合い隙間が確保される。これにより、硬化性の充填材を充填できる嵌め合い隙間を確保することができる。したがって、前記嵌め合い隙間に充填材が充填されないまま遊びとして残ってしまうことがなく、両プレキャスト基礎の間に基礎長手方向の引張力が作用したとき引張力を確実に伝達できる。
前記隙間確保用の突起は、例えば局部的なボス状であっても良い。隙間確保用の突起が局部的なボス状であると、隙間確保用の突起の存在によって硬化性の充填材の流れが阻害されることが回避される。
この発明において、前記頭部における前記首側面部と略垂直な両側の幅面部に、位置決め用の突起が設けられていても良い。
プレキャスト基礎の施工誤差等により、雄側接合金物と雌側接合金物との嵌合部において、両プレキャスト基礎の長手方向に直交する方向(幅方向)に偏ることがある。しかし、前記位置決め用の突起が設けられていることで、前記直交する方向の偏りを抑え、両プレキャスト基礎の通り芯を合わせることができる。
前記位置決め用の突起は、上下方向に延びる線状であっても良い。
前記長手方向に直交する方向の隙間が想定した値以上に小さい場合には、前記位置決め用の突起をハンマーなどで潰すことにより、雄側接合金物と雌側接合金物の嵌め合いを容易に行なえるようにすることがある。この場合に、前記位置決め用の突起が細い線状である、ボス状である場合に比べて潰し易い。また、前記線状の位置決め用が線状である場合に、水平方向に延びていると前記雄側接合金物と雌側接合金物との嵌合の作業の邪魔となることがあるが、上下方向に延びる形状であると、嵌合作業の邪魔となり難い。
この発明において、前記雄側接合金物の頭部における首側面部とこの首側面部に対向する前記雌側接合金物の前記接合溝部の内面部分との隙間である首側隙間、および前記雄側接合金物の前記頭部における反首側面部とこの反首側面部に対向する前記雌側接合金物の前記接合溝部の内面部分との隙間である反首側隙間のいずれか一方または両方に、前記両プレキャスト基礎間に作用する長手方向荷重の伝達用の金属製充填部材が介在していても良い。
この構成の場合、雄側接合金物と雌側接合金物との隙間である首側隙間および反首側隙間のいずれか一方または両方に、長手方向荷重の伝達用の金属製充填部材が介在するので、雄側接合金物と雌側接合金物が基礎長手方向の引張力を受けても、両プレキャスト基礎の接合部の変位を小さく抑えて引張力を効果的に伝達できる。すなわち、雄側接合金物と雌側接合金物の嵌め合い隙間に充填された硬化性の充填材は、引張力を受けると圧縮変形することがあるが、圧縮変形すると、雄側接合金物と雌側接合金物との嵌合部に隙間が発生する懸念がある。しかし、首側隙間や反首側隙間に金属製充填部材が介在することで、両プレキャスト基礎の接合部の変位を小さく抑えることができ、両プレキャスト基礎間で引張力を確実に伝達できる。
この発明のプレキャスト基礎接合構造は、互いに側面で接合する一対のプレキャスト基礎における一方のプレキャスト基礎に、前記側面から突出して、突出部分の水平断面がT字状の雄側接合金物が脚部で埋め込み状態に設けられ、他方のプレキャスト基礎に、前記雄側接合金物が隙間を介して嵌まり込む水平断面がT字状の接合溝部を有する雌側接合金物が前記側面および上面に開口して設けられ、前記雄側接合金物と雌側接合金物との嵌め合い隙間に硬化性の充填材が充填されるプレキャスト基礎接合構造において、前記雄側接合金物の頭部における、首部を挟む両側の首側面部、またはこの首側面部に対向する前記雌側接合金物の前記接合溝部の内面部に、隙間確保用の突起が設けられているため、雄側接合金物と雌側接合金物の嵌め合い施工時に両接合金物の間に硬化性の充填材を充填する嵌め合い隙間が確保できる。
(A)はこの発明の一実施形態にかかるプレキャスト基礎接合構造における雄側接合金物が埋め込まれたプレキャスト基礎の平面図、(B)は同正面図である。 (A)は同プレキャスト基礎の水平断面図、(B)は同縦断面図である。 (A)は同プレキャスト基礎の部分拡大平面図、(B)は同水平断面図である。 同プレキャスト基礎の部分拡大縦断面図である。 (A)は図4におけるVA−VA矢視正面図、(B)はVB−VB矢視断面図、(C)はVC−VC矢視断面図である。 (A)は雌側接合金物が埋め込まれたプレキャスト基礎の部分拡大平面図、(B)は同水平断面図である。 同プレキャスト基礎の部分拡大縦断面図である。 (A)は図7におけるVIIIA−VIIIA矢視正面図、(B)はVIIIB−VIIIB矢視断面図、(C)はVIIIC−VIIIC矢視断面図である。 接合金物嵌合部の拡大平面図である。 (A)は雄側接合金物の平面図、(B)は同側面図、(C)は同正面図である。 (A)は接合金物嵌合部に硬化性の充填材が充填される前の状態を示す平面図、(B)は同接合金物嵌合部に硬化性の充填材が充填された後の状態を示す平面図である。 雄側接合金物の他の例を示す平面図である。 雄側接合金物のさらに他の例を示す側面図である。 この発明の他の実施形態にかかるプレキャスト基礎接合構造における接合金物嵌合部の金属製充填部材充填前の状態を示す平面図である。 同接合金物嵌合部の金属製充填部材充填後の状態を示す平面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるプレキャスト基礎接合構造における接合金物嵌合部の金属製充填部材充填後の状態を示す平面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるプレキャスト基礎接合構造における接合金物嵌合部の金属製充填部材充填前の状態を示す平面図である。 同接合金物嵌合部の金属製充填部材充填後の状態を示す平面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかるプレキャスト基礎接合構造における接合金物嵌合部の金属製充填部材充填後の状態を示す平面図である。 従来例の平面図、正面図および側面図である。 同従来例における接合金物嵌合部の拡大平面図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図13と共に説明する。図1(A),(B)は、この実施形態のプレキャスト基礎接合構造により接合される一対のプレキャスト基礎1A,1B(図9)における一方のプレキャスト基礎1Aの平面図および正面図を示す。図2(A),(B)は、同プレキャスト基礎1Aの水平断面図および正面側から見た縦断面図を示す。図3(A)は図1(A)の一部を拡大して示し、図3(B)は図2(A)の一部を拡大して示し、図4は図2(B)の一部を拡大して示す。
このプレキャスト基礎1Aは、住宅等の建物における布基礎の立上り部を構成するプレキャストコンクリート体である。そのコンクリート部分19の内部には基礎長手方向に延びる上端筋2、上下に延びるあばら筋3、およびアンカーボルト5が配置され、プレキャスト基礎1Aの下端から突出する前記あばら筋3の下端に、布基礎のベース部20(図5(A)に仮想線で示す) の主筋となる下端筋4が溶接されている。
このプレキャスト基礎1Aには、その長手方向端の長手方向を向く側面である端面から突出して、雄側接合金物11が脚部11bで埋め込み状態に設けられる。雄側接合金物11の突出部分11aは、水平断面がT字状である。この雄側接合金物11は、ここではプレキャスト基礎1Aの両端面近傍で上部近くの位置にそれぞれ設けられる。前記雄側接合金物11の背面には、基礎長手方向に延びる鉄筋からなる複数本のアンカー6の一端が螺合などにより接合されており、これらのアンカー6を、例えば図示しない結束線であばら筋3などに結束することにより、雄側接合金物11のコンクリート未硬化時における位置決めがなされている。
雄側接合金物11の突出部分11aが突出する前記プレキャスト基礎1Aの端面には、図4のVA−VA矢視正面図を示す図5(A)のように、雄側接合金物11の位置から上面に至る上方部分、および雄側接合金物11の位置から下端に至る下方部分にかけて溝部7A,7Bが形成され、雄側接合金物11の位置から下の溝部7Bには、途中に複数のコッタ成形用凹部7Baが形成されている。このコッタ成形用凹部7Baは前記溝部7Bよりも深く、溝部7Bの幅よりも広い幅に形成されている。なお、図5(B)は図4のVB−VB矢視断面図を、図5(C)は図4のVC−VC矢視断面図をそれぞれ示す。このほか、前記プレキャスト基礎1Aには、図2(B)に示すように、このプレキャスト基礎1Aを吊り上げて昇降するための2つの吊り用結合具9が埋め込み状態に設けられている。
前記一対のプレキャスト基礎1A,1Bにおける他方のプレキャスト基礎1Bも、その配筋構造は先の一方のプレキャスト基礎1Aと略同様であるが、このプレキャスト基礎1Bでは、図6(A),(B)に部分平面図および部分水平断面図で示し、図7に部分縦断面図で示すように雌側接合金物12が設けられている。雌側接合金物12は、前記プレキャスト基礎1Aの雄側接合金物11が隙間を介して嵌まり込む接合溝部12aを有し、プレキャスト基礎1Bの端面および上面に開口している。この雌側接合金物12は、プレキャスト基礎1Bの上部近くに前記プレキャスト基礎1Aの雄側接合金物11と対向するように設けられる。
この雌側接合金物12も、前記雄側接合金物11と同様に、その背面に基礎長手方向に延びる複数本のアンカー6の一端が螺合などにより接合されている。これらのアンカー6を、例えば図示しない結束線であばら筋3などに結束することにより、雌側接合金物12が位置決めされている。雌側接合金物12が開口する前記プレキャスト基礎1Bの端面には、図7のVIIIA−VIIIA矢視正面図を示す図8(A)のように、雌側接合金物12の位置から上端に至る部分、および雄側接合金物12の位置から下端に至る部分にかけて溝部8A,8Bが形成され、雌側接合金物12の位置から下の溝部8Bには、途中に複数のコッタ成形用凹部8Baが形成されている。このコッタ成形用凹部8Baは前記溝部8Bよりも深く、溝部8Bの幅よりも広い幅に形成されている。なお、図8(B)は図7のVII I B−VIIIB矢視断面図を、図8(C)は図7のVIIIC−VIIIC矢視断面図をそれぞれ示す。
図9は、前記一対のプレキャスト基礎1A、1Bを、それらの端面を互いに略突き合わせ状態に接合したときの雄側接合金物11と雌側接合金物12の嵌合部を拡大平面図で示す。この接合状態は、雌側接合金物12を有するプレキャスト基礎1Bを先に、基礎構築場所における基礎支持面の上に起立姿勢の状態で支持しておき、次に雄側接合金物11を有するプレキャスト基礎1Aを起立姿勢の状態で吊り重機を用いて吊り上げ、その雄側接合金物11の突出部分11aが設置済みの前記プレキャスト基礎1Bの雌側接合金物12の接合溝部12aに隙間を介して嵌まり込むように基礎支持面の上に下ろすことで達成される。
同図に示すように、雄側接合金物11の突出部分11aは水平断面T字状とされ、雌側接合金物12の接合溝部12aも前記突出部分11aが隙間を介して嵌まり込む水平断面T字状とされている。雄側接合金物11の頭部11aaにおける、首部11abを挟む両側の首側面部11aa1には、それぞれ隙間確保用の突起14が設けられ、その突起14の突出量は1mm以上とされている。突起14の基端の直径は、例えば5mm以上とされる。図10(A),(B),(C)に雄側接合金物11を平面図、側面図および正面図で示すように、前記隙間確保用の突起14は局部的なボス状、例えば半球状とされているが、三角錐台や四角錐台など任意の形状としても良い。また、この突起14は上下方向に複数並べて配置しても良い。前記突起14は、雄側接合金物11の前記首側面部11aa1に設ける代わりに、この首側面部11aa1に対向する雌側接合金物12の前記接合溝部12aの内面部に設けても良い。
また、前記頭部11aaにおける前記首側面部11aaと略垂直な両側の幅面部11aaには、位置決め用の突起15がそれぞれ設けられている。この位置決め用の突起15も局部的なボス状、例えば半球状とされている。
なお、位置決め用の突起15は、例えば図12に正面図で示すように上下方向に延びる線状であってもて良い。あるいは、図13に側面図で示すように上下方向に延びる線状であって、かつ上方から下方向に向けて突出度が低下するテーパを有するものであっても良い。
図11(A)は前記両プレキャスト基礎1A,1Bの接合部の部分拡大平面図を示す。このような接合状態のもとで、図11(B)のように雄側接合金物11と雌側接合金物12との嵌め合い隙間に硬化性の充填材が充填される。硬化性の充填材として、グラウト、セメントペースト、セメントミルク、モルタル、および樹脂系材料(例えばエポキシ系樹脂)を用いることができるが、ここではグラウト16 が用いられる。グラウト16 は両プレキャスト基礎1A,1Bの前記上方の溝部7A,8Aから、雄側接合金物11と雌側接合金物12との嵌め合い隙間に充填され、さらに下方の溝部7B,8Bに達して前記コッタ成形用凹部7Ba, 8Baにも充填されて、両プレキャスト基礎1A,1Bの端面間に複数のコッタが成形される。
この構成のプレキャスト基礎接合構造によると、雄側接合金物11の頭部11aaにおける、首部11abを挟む両側の首側面部11aa,11aaに、突出量が1mm以上の隙間確保用の突起14,14を設けているので、両プレキャスト基礎1A,1Bの端面の雄側接合金物11と雌側接合金物12とを嵌め合わせたとき、これらの間に1mm以上の嵌め合い隙間を確保することができる。すなわち、雄側接合金物11と雌側接合金物12の嵌め合い施工後に両接合金物の間にグラウト16を充填できる嵌め合い隙間を確保することができる。このため、前記嵌め合い隙間にグラウト16が充填されないまま遊びとして残ってしまうことがなく、両プレキャスト基礎1A,1Bの間に基礎長手方向の引張力が作用したとき引張力を確実に伝達でき、施工時の変形が大きくなるのを回避することができる。なお、両プレキャスト基礎1A,1Bの間に作用する圧縮力は、両プレキャスト基礎1A,1Bの端面間に充填されるグラウト16によって、接合面全体で伝達される。
また、この実施形態では、雄側接合金物11の頭部11aaにおける首側面部11aa1と略垂直な両側の幅面部11aa,11aaに、位置決め用の突起15を設けている。そのため、雄側接合金物11および雌側接合金物12の施工誤差により、これら両接合金物の嵌合部において、両プレキャスト基礎1A,1Bの長手方向に直交する方向(幅方向)に想定以上の隙間ができても、その方向への変位を前記位置決め用の突起15で抑制することができ、両プレキャスト基礎1A,1Bの位置合わせ、いわゆる通り出しを容易に行なうことができる。また、前記長手方向に直交する方向(幅方向)の隙間が想定した値以上に小さい場合には、前記位置決め用の突起15をハンマーなどで潰すことにより、雄側接合金物11と雌側接合金物12の嵌め合いを容易に行なうことができる。また、位置決め用の突起15を、図13のようにテーパを有するものとした場合、あるいは突起15の下端をテーパ状とした場合は、雄側接合金物11が設けられた一方のプレキャスト基礎1Aを上から吊り下ろして、雄側接合金物11の突出部分11aを他方のプレキャスト基礎1Bの雌側接合金物12の接合溝部12aに嵌め込む作業を容易に行なうことができ、それだけ施工性を向上させることができる。
図14および図15は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態では、先の実施形態において、図11(A)のように一方のプレキャスト基礎1Aの雄側接合金物11と他方のプレキャスト基礎12の雌側接合金物12とを嵌め合わせた後、雄側接合金物11の頭部11aaにおける首側面とこの首側面に対向する雌側接合金物12の接合溝部12aの内面部分との隙間である首側隙間13aに、両プレキャスト基礎1A,1B間に作用する長手方向荷重の伝達用の金属製充填部材である一対の丸鋼17,17(図14)を介在させる。この後、雄側接合金物11と雌側接合金物12との嵌め合い隙間に硬化性の充填材であるグラウト16を充填する。
このように、この実施形態では、雄側接合金物11の頭部11aaにおける首側面部11aaに隙間確保用の突起14が設けられ、首側面部11aaと略垂直な両側の幅面部11aaに位置決め用の突起15が設けられるだけでなく、雄側接合金物11の頭部11aaにおける首側面とこの首側面に対向する雌側接合金物12の接合溝部12aの内面部分との隙間である首側隙間13aに、長手方向荷重の伝達用の金属製充填部材である一対の丸鋼17,17が介在する。そのため、雄側接合金物11と雌側接合金物12が基礎長手方向の引張力を受けても、両プレキャスト基礎1A,1Bの接合部の変位を小さく抑えて引張力を効果的に伝達できる。すなわち、雄側接合金物11と雌側接合金物12の嵌め合い隙間に充填されたグラウト16は、引張力を受けて圧縮変形する恐れがあり、その圧縮変形のために雄側接合金物11と雌側接合金物12との嵌合部に隙間が発生する懸念がある。しかし、首側隙間13aに丸鋼17が介在することで、両プレキャスト基礎1A,1Bの接合部の変位を小さく抑えることができ、両プレキャスト基礎1A,1B間で引張力を効果的に伝達できる。隙間確保用の突起14および位置決め用の突起15を設けたことの効果は、先の実施形態の場合と同様である。
なお、図15では、金属製充填部材である一対の丸鋼17,17を雄側接合金物11と雌側接合金物12との嵌め合い隙間における首側隙間13aに介在させる場合を示したが、これに限らず図16に平面図で示すように、雄側接合金物11の頭部11aaにおける反首側面部とこの反首側面部に対向する雌側接合金物12の接合溝部12aの内面部分との隙間である反首側隙間13bに前記一対の丸鋼17,17を介在させても良い。
また、丸鋼17の介在位置は、図15に示した首側隙間13aの場合と、図16に示した反首側隙間13bの場合に限らず、互いに同じ形状の丸鋼17を前記首側隙間13aと反首側隙間13bの両方に介在させても良い。
図17および図18は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態では、図15に示した先の実施形態において、金属製充填部材として一対の丸鋼17,17に代えて一対の短冊状の鋼板18,18を用いている。その他の構成および作用効果は、図14および図15に示した先の実施形態の場合と略同様である。
なお、図18では、金属製充填部材である一対の鋼板18,18を雄側接合金物11と雌側接合金物12との嵌め合い隙間における首側隙間13aに介在させる場合を示したが、これに限らず図19に平面図で示すように、雄側接合金物11の頭部11aaにおける反首側面部とこの反首側面部に対向する雌側接合金物12の接合溝部12aの内面部分との隙間である反首側隙間13bに前記一対の鋼板18,18を介在させても良い。この場合、鋼板18は一枚でも良い。また、鋼板18の介在位置は、図18に示した首側隙間13aの場合と、図19に示した反首側隙間13bの場合に限らず、互いに同じ形状の鋼板18を前記首側隙間13aと反首側隙間13bの両方に介在させても良い。
また、前記各実施形態では、プレキャスト基礎1A,1Bは、両端に雄側接合金物11を有するか、または両端に雌側接合金物12を有する構成としたが、各プレキャスト基礎1A,1Bは、一端に雄側接合金物11、他端に雌側接合金物12を有する構成であっても良い。さらに、前記雄側接合金物11および雌側接合金物12はプレキャスト基礎1A,1Bの長手方向に沿う側面に設けられていても良い。また、前記プレキャスト基礎1A,1Bは、布基礎を構成するものに限らず、独立基礎や、建物躯体の基礎以外の部位に用いられるものであってよく、プレキャスト基礎1A,1Bは、長短の方向性を有しない形状であっても良い。
1A,1B…プレキャスト基礎
11…雄側接合金物
11a…突出部分
11aa…頭部
11aa1…首側面部
11aa2…幅面部
11ab…首部
11b…脚部
12…雌側接合金物
12a…接合溝部
13a…首側隙間
13b…反首側隙間
14…隙間確保用の突起
15…位置決め用の突起
16…グラウト(硬化性の充填材)
17…丸鋼(金属製充填材)
18…鋼板(金属製充填材)

Claims (5)

  1. 互いに側面で接合する一対のプレキャスト基礎における一方のプレキャスト基礎に、前記側面から突出して、突出部分の水平断面がT字状の雄側接合金物が脚部で埋め込み状態に設けられ、他方のプレキャスト基礎に、前記雄側接合金物が隙間を介して嵌まり込む水平断面がT字状の接合溝部を有する雌側接合金物が前記側面および上面に開口して設けられ、前記雄側接合金物と雌側接合金物との嵌め合い隙間に硬化性の充填材が充填されるプレキャスト基礎接合構造において、
    前記雄側接合金物の頭部における、首部を挟む両側の首側面部、またはこの首側面部に対向する前記雌側接合金物の前記接合溝部の内面部に、隙間確保用の突起が設けられていることを特徴とするプレキャスト基礎接合構造。
  2. 請求項1に記載のプレキャスト基礎接合構造において、前記隙間確保用の突起は、局部的なボス状であるプレキャスト基礎接合構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプレキャスト基礎接合構造において、前記頭部における前記首側面部と略垂直な両側の幅面部に、位置決め用の突起が設けられたプレキャスト基礎接合構造。
  4. 請求項3に記載のプレキャスト基礎接合構造において、位置決め用の突起は、上下方向に延びる線状であるプレキャスト基礎接合構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のプレキャスト基礎接合構造において、 前記雄側接合金物の頭部における首側面部とこの首側面部に対向する前記雌側接合金物の前記接合溝部の内面部分との隙間である首側隙間、および前記雄側接合金物の前記頭部における反首側面部とこの反首側面部に対向する前記雌側接合金物の前記接合溝部の内面部分との隙間である反首側隙間のいずれか一方または両方に、前記両プレキャスト基礎間に作用する長手方向荷重の伝達用の金属製充填部材が介在したプレキャスト基礎接合構造。
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