JP2017008459A - 起毛布の製造方法及び起毛布の製造装置 - Google Patents

起毛布の製造方法及び起毛布の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】起毛布のインクによる汚れを抑制して、起毛布に模様を印刷する起毛布の製造方法及び起毛布の製造装置を提供する。
【解決手段】起毛布1の製造方法は、起毛布1の幅よりも広い幅を有するシート2を起毛布1の下に敷いて起毛布1及びシート2をインクジェットプリンタ4の印刷ステージ3上に搬送する工程S2と、インクジェットプリンタ4の印刷ヘッド6が起毛布1の起毛部12に接触しないように、インクジェットプリンタ4により起毛布1に所定の模様を印刷する工程S3とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、起毛布の製造方法及び起毛布の製造装置に関し、より詳しくは、インクジェットプリンタにより起毛布に模様を印刷する起毛布の製造方法及び起毛布の製造装置に関する。
従来から、衣類や鞄などの締着具として面ファスナーがある。面ファスナーの表面は、染色されていない、または一色に染色されている。面ファスナーの意匠性を向上させるものとして、特開2005−144067号公報の面ファスナー装置や特開2005−46410号公報の印刷方法がある。特開2005−144067号公報には、シルク印刷により連結片に熱硬化性インクが施され、加熱乾燥処理により熱硬化性インクが熱硬化して連結片に定着した面ファスナー装置が開示されている。特開2005−46410号公報には、面ファスナーの係合素子を有する表面にインクジェット印写を行い、表面に模様を着色(印刷)する方法が開示されている。
特開2005−144067号公報 特開2005−46410号公報
特開2005−46410号公報の印刷方法には、インクジェット印写の詳細な記載はない。本発明者がインクジェットプリンタにより起毛布に模様を印刷したところ、印刷ヘッドが起毛布の起毛部に接すると、印刷の汚れや滲みを生じることが分かった。また、印刷ヘッドから起毛布の本体及び起毛部にインクを塗布する。そのため、印刷ヘッドと本体との間に空間を有するなどで、印刷ヘッドから出るインクの一部が飛び散るなどで起毛布外に落ちやすくなることが分かった。さらに、起毛布外に落ちたインクは、印刷ステージで跳ね返り周囲に霧状に飛散して、起毛布や、製造装置などの周辺設備に付着することがある。そして、周辺設備に付着したインクは、起毛布に触れると、付着して起毛布を汚すことがある。
本発明の目的は、インクによる起毛布の汚れを抑制して、起毛布にインクジェットプリンタで模様を印刷する起毛布の製造方法及び起毛布の製造装置を提供することである。
本発明の一実施形態による起毛布の製造方法は、起毛布の製造方法である。起毛布の幅よりも広い幅を有するシートを起毛布の下に敷いて起毛布及びシートをインクジェットプリンタの印刷ステージ上に搬送する工程と、インクジェットプリンタの印刷ヘッドが起毛布の起毛部に接触しないように、インクジェットプリンタにより起毛布に所定の模様を印刷する工程とを含む。
本発明の一実施形態による起毛布の製造装置は、起毛布の製造装置である。印刷ステージ及び印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタと、起毛布の幅よりも広い幅を有するシートを起毛布の下に敷いて起毛布及びシートを印刷ステージ上に搬送する搬送装置とを備える。インクジェットプリンタは、印刷ヘッドが起毛布の起毛部に接触しないように、起毛部に所定の模様を印刷する。
本発明によれば、インクによる起毛布の汚れを抑制して、起毛布に模様を印刷することができる。
図1は、実施形態に係る起毛布の製造方法の工程の一例を示すフローチャートである。 図2は、実施形態に係る起毛布の製造方法の一例を示す幅方向に切断した模式的な断面図である。 図3は、実施形態に係る起毛布の製造方法の一例を示す模式的な斜視図である。 図4は、実施形態に係る起毛布の製造装置の一例を示す搬送方向に切断した模式的な断面図である。
以下、本発明の一実施形態による起毛布の製造方法及び起毛布の製造装置について詳細に説明する。
起毛布の製造方法は、起毛布の幅よりも広い幅を有するシートを起毛布の下に敷いて起毛布及びシートをインクジェットプリンタの印刷ステージ上に搬送する工程と、インクジェットプリンタの印刷ヘッドが起毛布の起毛部に接触しないように、インクジェットプリンタにより起毛布に所定の模様を印刷する工程とを含む。
この場合、上記製造方法は、起毛布より幅方向の外側に落ちるインクをシートで受け止めることができ、このインクの印刷ステージでの跳ね返りを抑制することができる。その結果、上記製造方法は、跳ね返りで生じる飛散インクの起毛布や、製造装置などの周辺設備への付着を抑制することができる。したがって、起毛布は、インクによる汚れが抑制される。
好ましくは、上記製造方法は、起毛布はシートの幅方向に2以上並べられる。
この場合、上記製造方法は、2以上の起毛布の幅方向の間に落ちるインクもシートで受け止めることができ、間に落ちるインクが飛散インクになることを抑制することができる。その結果、起毛布は、飛散インクによる汚れが抑制される。
好ましくは、上記製造方法は、印刷前の起毛布の表面に糊をつける工程と、模様が印刷された起毛布を加熱する工程とを含む。
この場合、上記製造方法は、起毛布にインクを定着させやすくすることができる。その結果、上記製造方法は、例えば、起毛部で弾かれ起毛布外に落ちて飛散インクとなったり、印刷後にインクが色移りしたりするなどを抑制することができる。
好ましくは、上記製造方法は、印刷後の前記起毛布を洗浄する工程を含むことである。
この場合、上記製造方法は、印刷後の起毛布から残留したインクなどの不要物を除去することができる。その結果、起毛布は、不要物による汚れが抑制される。
起毛布の製造装置は、印刷ステージ及び印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタと、起毛布の幅よりも広い幅を有するシートを起毛布の下に敷いて起毛布及びシートを印刷ステージ上に搬送する搬送装置とを備える。インクジェットプリンタは、印刷ヘッドが起毛布の起毛部に接触しないように、起毛部に所定の模様を印刷する。
この場合、上記製造装置は、起毛布より幅方向の外側に落ちるインクをシートで受け止めることができ、このインクの印刷ステージでの跳ね返りを抑制することができる。その結果、上記製造装置は、跳ね返りで生じる飛散インクの起毛布や周辺設備への付着を抑制することができ、インクによる起毛布の汚れを抑制することができる。
[製造方法]
以下、本発明の一実施形態による起毛布の製造方法について詳細に説明する。
起毛布1の製造方法は、インクジェットプリンタ4により起毛布1に所定の模様を印刷することで、模様を有する起毛布1を製造する方法である。起毛布1の製造方法は、図1に示すように、糊付け工程S1と、搬送工程S2と、印刷工程S3と、熱処理工程S4と、洗浄工程S5と、乾燥工程S6とを含む。糊付け工程S1、熱処理工程S4、洗浄工程S5、乾燥工程S6は、例えば起毛布1の種類や印刷工程S3で用いるインクの種類などにより実施の有無が適宜選択される。つまり、糊付け工程S1、熱処理工程S4、洗浄工程S5、乾燥工程S6は、任意に実施されるステップであり、必須のステップではない。糊付け工程S1は搬送工程S2の前に実施される。製造方法は、糊付け工程S1を省く場合、搬送工程S2から開始される。印刷工程S3は搬送工程S2の後に実施される。製造方法は、起毛布1の長さ方向における所定の領域全てに印刷が完了するまで、搬送工程S2と印刷工程S3とを交互に実施する。熱処理工程S4は印刷完了後に実施される。洗浄工程S5は熱処理工程S4後に実施される。乾燥工程S6は、洗浄工程S5後に実施される。なお、洗浄工程S5や乾燥工程S6は、他の工程を省き印刷完了後に実施されてもよい。
起毛布1は、図2に示すように、幅及び長さを有する本体11と、本体11表面から突出する起毛部12とを備える。起毛布1は、平面視において、幅方向に交差する向き(長さ方向)に搬送される。起毛布1は、例えば、本体11の厚さが起毛部12の突出高さより小さいものが好ましいが、特にこれに限定されない。また、起毛布1は、例えば、起毛部12を係合素子とした面ファスナーや、リントブラシのブラシ面などの起毛部12をパイルとしたパイル織物などが好ましいが、起毛マットなどであってもよく、特にこれらに限定されない。起毛布1は、面ファスナーの場合、係合素子としてフックとループとのうち、少なくともフックを備えることが好ましいが、特に限定されない。さらに、面ファスナーの場合、起毛部12は、本体11の幅方向の内側に設けられることが好ましいが、特に限定されない。起毛布1の材料は、例えばポリエステル、レーヨン、炭素繊維、絹糸や麻などの有機材料が好ましく、また本体11と起毛部12とを異なる材料で形成してもよく、特にこれらに限定されない。
糊付け工程S1では、起毛布1の少なくとも表面に、糊を付着させる。糊は、インクを起毛布1に付着させやすくするものである。糊は、例えば印刷用の糊であり、ガム、アルギン、及び水を混合した捺染に好適な糊が好ましいが、特にこれらに限定されない。糊付け工程S1は、例えば、起毛部12の間や本体11表面などに糊を付着させやすい浸漬法が好ましいが、特にこれに限定されない。
搬送工程S2は、図2に示すように、起毛布1の幅よりも広い幅を有するシート2を起毛布1の下に敷いて起毛布1及びシート2をインクジェットプリンタ4の印刷ステージ3上に搬送する。その結果、起毛布1は、起毛部12を有する表面を上に向けて、下にシート2が敷かれた状態で、印刷ステージ3上に配置される。
印刷工程S3は、インクジェットプリンタ4の印刷ヘッド6が起毛布1の起毛部12に接触しないように、インクジェットプリンタ4により起毛布1に所定の模様を印刷する。換言すると、印刷ヘッド6は、起毛布1の印刷ステージ3上に配置された部位に、起毛部12より上方となる離れた位置からインクを塗布する。印刷ヘッド6の詳細な説明は後述する。
製造方法は、本体11表面から印刷ヘッド6までの寸法h2は、起毛部12のない紙や布などの印刷対象に印刷を行う一般的な場合の印刷対象から印刷ヘッド6までの寸法よりも大きい。その結果、例えば、本体11が1mmのとき、本体11の厚さが起毛部12の突出高さより小さい寸法の起毛布1の場合、印刷ステージ3と印刷ヘッド6との間の寸法h1を最大8.5mmとすることが好ましいが、特にこれに限定されない。
印刷ステージ3は、例えば、インクを弾きやすいステンレスなどの金属製であるが、特にこれに限定されない。シート2は起毛布1より幅が広い。シート2の幅は、印刷ステージ3に配置される起毛布1の幅の合計より広い。シート2の幅は、例えば、印刷ステージ3の幅とほぼ同じ寸法か若干小さい寸法が好ましいが、特にこれに限定されない。シート2は、印刷ステージ3に配置されることで、印刷ステージ3を覆う。
起毛布1及びシート2は、例えば、図3に示すように、短辺が幅で長辺が長さの帯状(長方形状)に形成されるが、正方形状や蛇行など曲線を有した形状であってもよく、特にこれらに限定されない。シート2は、起毛布1より幅方向の外側に落ちるインクを受け止めるものである。シート2は、例えばインクを吸着することで、インクを受け止める。シート2に受け止められたインクは、起毛布1が触れた際に起毛布1に付着しにくい。シート2は、例えば、上質紙、クラフト紙、コート紙、マット紙などの紙類が好ましいが、不織布などの布類やスポンジなどの多孔質材料などであってもよく、特にこれらに限定されない。
製造方法は、幅方向に並ぶ2以上の起毛布1に模様を印刷してもよい。例えば、シート2の幅方向の内側には、3つの起毛布1が幅方向に並び配置される。2以上の起毛布1は、幅方向に重ならずに並ぶことが好ましいが、特に限定されない。2以上の起毛布1は、幅方向においてシート2が露出する隙間を有して隣り合うことが好ましいが、特に限定されない。なお、起毛布1は3つに限定されない。製造方法は、2以上の起毛布1に模様を印刷する場合、全ての起毛布1が印刷ステージ3上でシート2の幅方向の内側に配置されることが好ましいが、特に限定されない。
インクは、顔料や染料などの色成分を含む。インクは、例えば、分散インクが好ましく、特に昇華分散インクが好ましいが、特にこれらに限定されない。製造方法は、分散インクを用いる場合、糊付け工程S1、搬送工程S2、印刷工程S3、熱処理工程S4、洗浄工程S5、及び乾燥工程S6を実施することが好ましいが、特にこれに限定されない。1回に塗布されるインクは、捺染用の転写紙に2倍吹きで印刷を行う場合と同程度の量、例えば、1.7倍の量にすることで、付着するインクの濃度を上げられ良好な発色を得やすくなり好ましいが、特にこれに限定されない。
製造方法で用いるインクジェットプリンタ4は、例えば、図4に示すように、印刷ステージ3及び印刷ヘッド6を含む。印刷ヘッド6は、印刷ステージ3の上方に起毛布1から間隔をあけて位置する。製造方法では、さらに搬送装置5を用いるが、特に限定されない。搬送装置5は、例えば、起毛布1の長さ方向及びシート2の長さ方向をほぼ平行に並べて、起毛布1及びシート2をほぼ同じ搬送量で起毛布1の長さ方向に沿って印刷ステージ3上に搬送するものである。起毛布1は、搬送装置5に搬送されることで、インク塗布済みの部位(印刷後の部位)が印刷ヘッド6の下方の位置から搬送経路の下流に移動し、搬送経路の上流の未塗布の部位(印刷前の部位)が印刷ヘッド6の下方に移動する。
熱処理工程S4では、インクが塗布された起毛布1を加熱する。その結果、製造方法は、例えば糊やインクに含まれる水分や有機物質などを気化させるなどで、インクの色成分を起毛布1に定着させることができる。熱処理工程S4は、起毛布1が絹糸や麻のとき、インクが塗布された起毛布1を蒸すことが好ましいが、特にこれに限定されない。熱処理工程S4は、起毛布1を搬送しながら加熱する連続式が好ましいが、特にこれに限定されない。例えば、加熱温度は、インクが分散インクで起毛布1がポリエステルの場合、180℃以上が好ましく、特に195℃が好ましいが、特にこれらに限定されない。そして、例えば、加熱時間は、インクが分散インクで起毛布1がポリエステルの場合、1分43秒が好ましいが、特にこれに限定されない。熱処理方法は、例えば、起毛布1を熱源などに接触させて直接的に加熱する接触型と、起毛布1を熱源などに接触させずに気体などを介して間接的に加熱する非接触型とがあるが、特にこれらに限定されない。なお、製造方法は、熱処理工程S4を省いてもよい。また、製造方法は、インクが紫外線で硬化するUVインクまたは電子線で硬化するEBインクである場合、熱処理工程S4に代えて、紫外線または電子線を照射する硬化処理工程を実施してもよい。
接触型は、例えば、熱源などで起毛布1を直接加熱するが、特にこれに限定されない。接触型では、熱源などを起毛布1の裏面側に接触させることで、起毛布1の表面側への加圧を軽減するまたは圧力をなくすことができ、例えば圧力による起毛部12の機能低下を抑制することができる。接触型として、例えば、起毛布1を外周面に接触させる円柱の加熱ローラを備えるものがあるが、特にこれに限定されない。また、起毛布1の裏面側に接触して加熱する接触型において、インクが分散インクで起毛布1がポリエステルで起毛布1表面側が加圧される場合には、加熱温度を175℃に抑えることで、起毛部12の機能低下を抑制することができて好ましいが、特にこれに限定されない。なお、起毛部12の機能低下とは、例えば面ファスナーであれば係合素子の係合力の低下などであるが、特にこれに限定されない。
非接触型は、例えば、熱源から離れた位置に起毛布1を配置して、間接的に起毛布1を加熱するが、特にこれに限定されない。非接触型では、起毛布1に圧力をかけずに加熱することができ、例えば圧力による起毛部12の機能低下を抑制することができる。非接触型として、例えば、内部にヒータを備え、ヒータから離れた位置に起毛布1を配置する加熱槽があるが、特にこれに限定されない。
洗浄工程S5では、印刷後または加熱後の起毛布1を洗浄する。その結果、製造方法は、例えば、残留している糊や不要インクなどの不要物を起毛布1から除去することができる。洗浄方法は、例えば水洗いであるが、水洗い、湯洗い、薬剤洗い、水洗いを順に行うなどの複数種の洗浄を組み合わせてもよく、特にこれらに限定されない。さらに。洗浄方法は、例えば、回転ドラムやパルセータを用いてもみ洗いやたたき洗いなどを行う攪拌型(洗濯機方式)と、流水や振動を用いて振り洗いやつけ洗いなどを行う非攪拌型とがあるが、特にこれらに限定されない。洗浄工程S5は、起毛布1の擦れによる色落ちなどの品質低下を生じにくい非攪拌型が好ましい。なお、製造方法は、洗浄工程S5を省いてもよい。
乾燥工程S6では、印刷後または洗浄後の起毛布1を乾燥させる。その結果、製造方法は、例えば、湿気を帯びた起毛布1を乾燥させることができる。乾燥方法は、周知の方法が適宜適用され、特に限定されない。乾燥工程S6は、起毛布1の擦れを生じにくい乾燥方法を適用することが好ましい。なお、製造方法は、乾燥工程S6を省いてもよい。
以上のことから、製造方法は、印刷時に起毛布1外に落ちるインクをシート2で受け止めることで、インクの印刷ステージ3での跳ね返りを抑制し、跳ね返りで生じる飛散インクの起毛布1や周辺設備への付着を抑制することができる。その結果、製造方法は、インクによる汚れを抑制して、インクジェットプリンタ4により起毛布1(本体11表面及び起毛部12)に所定の模様を印刷することができる。そして、模様が印刷された起毛布1は、例えば衣類などの基材の柄との一体感を有した印象を使用者に与えることができる。さらに、製造方法は、印刷ヘッド6が起毛部12に接触しないように起毛部12より上方に離れた位置からインクを塗布することで、例えば印刷ヘッド6に接触して一部の起毛部12が倒れるなどによる起毛部12の機能低下の恐れを回避することができ、高品質の起毛布1を提供することができる。
さらに、製造方法は、2以上の起毛布1が幅方向に離れて配置されることで、印刷時にインクの一部が起毛布1の間に落ちることがあるが、シート2でインクを受け止めることができる。その結果、起毛布1の間に落ちるインクは、飛散インクになることが抑制される。さらに、製造方法は、起毛布1の長さ方向における所定の領域全てに印刷が完了するまで、搬送工程S2と印刷工程S3とを交互に実施することで、起毛布1に連続印刷を行うことができ、印刷ステージ3より長い起毛布1に模様を印刷することができる。さらに、製造方法は、起毛布1を搬送するときに、シート2も搬送することで、印刷ステージ3からシート2のインクを受け止めた部位を移動させることができる。その結果、例えば起毛布1が搬送時に蛇行などしても、起毛布1の印刷ステージ3上に新たに搬送される未印刷の部位のシート2のインクを受け止めた部位との接触による汚れを抑制することができる。
さらに、製造方法は、糊付け工程S1及び熱処理工程S4を実施することで、起毛布1にインクを定着させやすくすることができる。具体的には、製造方法は、糊付け工程S1を実施することで、例えば印刷ヘッド6から塗布されたインクが起毛部12で弾かれるなどで、起毛布1外に落ちて飛散インクとなることなどを抑制することができる。製造方法は、熱処理工程S4を実施することで、例えば印刷後に起毛布1に付着させたインクが他の部位に色移りすることなどを抑制することができる。その結果、起毛布1はインクによる汚れが抑制される。さらに、製造方法は、インクを定着させやすくすることで、印刷した模様の発色を向上させることができる。さらに、製造方法は、洗浄工程S5を実施することで、印刷後の起毛布1から残留したインクなどの不要物を除去することができる。その結果、起毛布1は、残留したインクなどの不要物による汚れが抑制される。
また、製造方法は、起毛布1の幅方向の少なくとも一方にはみ出して印刷を行ってもよい。この場合、インクは、幅方向において起毛布1だけでなくシート2にも塗布される。起毛布1からはみ出して塗布されるインクは、印刷ステージ3で弾かれずにシート2に受け止められるため、飛散インクになることが抑制される。さらに、製造方法は、シート2がはみ出して塗布されるインクを受け止め、起毛布1と共に同じ搬送量で搬送されることで、はみ出して塗布されたインクによる起毛布1の印刷ステージ3上に新たに搬送される未印刷の部位の汚れを抑制することができる。さらに、製造方法は、起毛布1の幅方向の少なくとも一方に余白を有して印刷を行ってもよい。この場合であっても、インクの一部は、塗布されるときに起毛布1より幅方向の外側に落ちることがあるが、シート2に受け止められ、飛散インクになることが抑制される。
[製造装置]
次に、本実施形態による製造装置の一例を説明する。なお、製造方法の説明と重複する説明は省略する。
製造装置は、起毛布1の製造装置である。製造装置は、図4に示すように、印刷ステージ3及び印刷ヘッド6を含むインクジェットプリンタ4と、起毛布1の幅よりも広い幅を有するシート2を起毛布1の下に敷いて起毛布1及びシート2を印刷ステージ3上に搬送する搬送装置5とを備える。
インクジェットプリンタ4は、印刷ヘッド6が起毛部12に接触しないように、起毛部12に所定の模様を印刷する。印刷ヘッド6は、印刷ステージ3上の起毛部12より上方となる位置から起毛布1にインクを塗布する。印刷ヘッド6は、例えば、印刷ステージ3上の起毛部12より上方となる位置に配置され、起毛布1の幅方向に沿って移動し、起毛布1にインクを噴射して塗布するものであるが、特にこれに限定されない。
搬送装置5は、例えば、起毛布1の長さ方向とシート2の長さ方向とをほぼ平行に並べて、起毛布1とシート2とをほぼ同じ搬送量で起毛布1の長さ方向に沿って搬送する。具体的には、搬送装置5は、例えば、起毛布1を送り出す第1軸51と、シート2を送り出す第2軸52と、起毛布1をロール状に巻き取る第3軸53と、シート2をロール状に巻き取る第4軸54とを含む。軸51,52は印刷ステージ3より搬送経路の上流に配置される。起毛布1の印刷前の部位は軸51にロール状に巻かれ、シート2の印刷前の部位は軸52にロール状に巻かれる。軸53,54は印刷ステージ3より搬送経路の下流に配置される。搬送装置5は、各軸51、52を回転させ対応する起毛布1及びシート2の印刷前の部位を印刷ステージ3に送り出し、各軸53、54を回転させ対応する起毛布1及びシート2の印刷後の部位をロール状に巻き取ることで、起毛布1及びシート2を搬送する。つまり、搬送装置5は、ロールツーロール(Roll to Roll)型であるが、特にこれに限定されない。また、搬送装置5は、下流に配置される1つの軸で、起毛布1及びシート3を纏めてロール状に巻き取ってもよく、特にこれに限定されない。
製造装置は、起毛布1の長さ方向における所定の領域全てに模様の印刷が完了するまで、印刷ヘッド6による起毛布1へのインクの塗布と、搬送装置5による起毛布1及びシート2の搬送とを交互に実施する。つまり、製造装置は、起毛布1に連続印刷を行う。
製造装置は、印刷時に起毛布1外に落ちるインクをシート2で受け止めることで、インクの印刷ステージ3での跳ね返りを抑制し、跳ね返りで生じる飛散インクの起毛布1や周辺設備への付着を抑制することができる。その結果、製造装置は、インクによる汚れを抑制して、インクジェットプリンタ4により起毛布1に模様を印刷することができる。そして、模様が印刷された起毛布1は、例えば衣類などの基材の柄との一体感を有した印象を使用者に与えることができる。さらに、製造装置は、印刷ヘッド6が起毛部12に接触しないように起毛部12より上方に離れた位置からインクを塗布することで、例えば印刷ヘッド6に接触して一部の起毛部12が倒れるなどによる起毛部12の機能低下の恐れを回避することができ、高品質の起毛布1を提供することができる。
また、製造装置は、幅方向に並ぶ2以上の起毛布1に模様を印刷してもよい。この場合、起毛布1をシート2の幅方向の内側に配置することが好ましい。さらに、幅方向に並ぶ2以上の起毛布1に模様を印刷する場合、2以上の起毛布1は、幅方向に離れて並んでもよい。製造装置は、起毛布1の幅方向の少なくとも一方にはみ出して印刷を行ってもよい。製造装置は、起毛布1の幅方向の少なくとも一方に余白を有して印刷を行ってもよい。
本発明によれば、面ファスナーに利用できる。
1:起毛布
11:本体
12:起毛部
2:シート
3:印刷ステージ
4:インクジェットプリンタ
5:搬送装置
6:印刷ヘッド
51、52、53、54:軸
S1:糊付け工程
S2:搬送工程
S3:印刷工程
S4:熱処理工程
S5:洗浄工程
S6:乾燥工程

Claims (5)

  1. 起毛布の製造方法であって、
    前記起毛布の幅よりも広い幅を有するシートを前記起毛布の下に敷いて前記起毛布及び前記シートをインクジェットプリンタの印刷ステージ上に搬送する工程と、
    前記インクジェットプリンタの印刷ヘッドが前記起毛布の起毛部に接触しないように、前記インクジェットプリンタにより前記起毛布に所定の模様を印刷する工程とを含む、起毛布の製造方法。
  2. 請求項1に記載の起毛布の製造方法であって、
    前記起毛布は前記シートの幅方向に2以上並べられる、起毛布の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の起毛布の製造方法であって、さらに、
    印刷前の前記起毛布の表面に糊をつける工程と、
    前記模様が印刷された起毛布を加熱する工程とを含む、起毛布の製造方法。
  4. 請求項3に記載の起毛布の製造方法であって、さらに、
    印刷後の前記起毛布を洗浄する工程を含む、起毛布の製造方法。
  5. 起毛布の製造装置であって、
    印刷ステージ及び印刷ヘッドを含むインクジェットプリンタと、
    前記起毛布の幅よりも広い幅を有するシートを前記起毛布の下に敷いて前記起毛布及び前記シートを前記印刷ステージ上に搬送する搬送装置とを備え、
    前記インクジェットプリンタは、前記印刷ヘッドが前記起毛布の起毛部に接触しないように、前記起毛部に所定の模様を印刷する、起毛布の製造装置。
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