JP2017006015A - 希釈用コーヒー組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の課題は、高濃度のクロロゲン酸類を含み、酸味、甘味、コクが良好で、かつ雑味が低減され、コーヒー感に優れる希釈用コーヒー組成物の製造方法を提供することにある。
第1の工程により得られたコーヒー抽出液を10〜70℃の温度にて活性炭と接触させる第2の工程
を含む、希釈用コーヒー組成物の製造方法を提供するものである。
本発明により得られる希釈用コーヒー組成物は、(F)Brixが通常5%以上であるが、ハンドリング性の観点から、7%以上が好ましく、7.5%以上がより好ましく、8%以上が更に好ましい。なお、(F)Brixの上限値は特に限定されないが、生産効率の観点から、99%が好ましく、98%がより好ましく、97%が更に好ましい。かかる(F)Brixの範囲としては、好ましくは5〜99%、より好ましくは7〜99%、更に好ましくは7.5〜98%、殊更に好ましくは8〜97%である。ここで、本明細書において「Brix」とは、糖用屈折計を利用して測定した値であり、20℃のショ糖水溶液の質量百分率に相当する値である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。本発明の希釈用コーヒー組成物としては、例えば、焙煎コーヒー豆から後述の多段階抽出により得られるもの、又は当該多段階抽出により得られるものを濃縮若しくは乾燥したものが挙げられる。
第1の工程は、焙煎コーヒー豆を、加圧条件下、110〜170℃の温度にて多段階抽出する工程である。
抽出圧力(ゲージ圧)は、風味及び抽出効率の観点から、0.1〜1.5MPaが好ましく、0.15〜1.4MPaがより好ましく、0.2〜1.3MPaが更に好ましい。
全抽出塔中の抽出液の滞留時間は抽出スケール等により一様ではないが、通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間であり、1塔当たりの抽出液の滞留時間は通常5〜50分、好ましくは10〜30分である。
第2の工程は、第1の工程により得られたコーヒー抽出液を10〜70℃の温度にて活性炭と接触させる工程である。
本明細書における平均細孔半径とは、MP法により得られた細孔分布曲線のピークトップを示す細孔半径の値である。MP法とは、文献(Colloid and Interface Science, 26, 46(1968))に記載の細孔測定法である。本明細書における平均細孔半径は、具体的には、BELSORP−mini(マイクロトラック・ベル株式会社製)などを用いて、窒素吸着法を用いて測定できる。
活性炭の原料としては、オガコ、石炭、ヤシ殻等が挙げられ、中でも、ヤシ殻活性炭が好ましい。また、水蒸気等のガスにより賦活した活性炭が好ましく使用される。
このような活性炭の市販品としては、白鷺WH2c LSS(日本エンバイロケミカルズ株式会社)、太閣CW(二村化学工業株式会社)、クラレコールGW、クラレコールGW−H(以上、クラレケミカル株式会社)等を挙げることができる。
バッチ法は、コーヒー抽出液に活性炭を加え、所定の温度にて1〜72時間撹拌した後、活性炭を除去すればよい。
また、カラム通液法は、カラム内に活性炭を充填し、コーヒー抽出液を所定の温度にてカラム下部又は上部から通液させ、他方から排出させればよい。カラム通液法において、コーヒー抽出液の通液条件は、活性炭の全容量に対する空間速度(SV)は、0.1[h-1]以上が好ましく、0.5[h-1]以上がより好ましく、1[h-1]以上が更に好ましく、そして30[h-1]以下が好ましく、25[h-1]以下がより好ましく、20[h-1]以下が更に好ましい。かかる空間速度(SV)の範囲としては、好ましくは0.1〜30[h-1]、より好ましくは0.5〜25[h-1]、更に好ましくは1〜20[h-1]である。また、活性炭の全容量に対する通液倍数(BV)は、6[v/v]以上が好ましく、7[v/v]以上がより好ましく、8[v/v]以上が更に好ましく、そして80[v/v]以下が好ましく、50[v/v]以下がより好ましく、40[v/v]以下が更に好ましい。かかる通液倍数(BV)としては、好ましくは6〜80[v/v]、より好ましくは7〜50[v/v]、更に好ましくは8〜40[v/v]である。
ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸の(E)ジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、本発明においては、上記9種のうち少なくとも1種を含有すればよい。なお、(A)クロロゲン酸類の含有量は、上記9種の合計量に基づいて定義される。また、「全糖」とは、当該希釈用コーヒー組成物中に含まれる糖類及び多糖類であり、具体的には、グルコース、フルクトース等の単糖、ショ糖、マルトース、乳糖等のオリゴ糖、でん粉、ヘミセルロース等の多糖が含まれる。なお、(B)全糖の含有量は、糖質を無機酸により加水分解し、生じた還元糖の総量を、ブドウ糖換算した値である。(A)クロロゲン酸類及び(B)全糖の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
・ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
なお、カフェインの分析は、UV−VIS 検出器設定波長:270nm、カフェインを標準物質とした以外はクロロゲン酸類と同様に実施した。カフェインの保持時間は18.9分。
ヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。
分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、開発・製造:米国ESA社、輸入・販売:エム・シー・メディカル(株))を使用した。
装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
・アナリティカルセル:モデル5010、クーロアレイオーガナイザー
・クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:モデル5600A
・溶媒送液モジュール:モデル582、グラジエントミキサー
・オートサンプラー:モデル542、パルスダンパー
・デガッサー:Degasys Ultimate DU3003
・カラムオーブン:505
・カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm、粒子径5μm((株)資生堂)
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・電気化学検出器の印加電圧:200mV
・カラムオーブン設定温度:40℃
・溶離液C:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液
・溶離液D:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液
時間 溶離液C 溶離液D
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
試料2.5gにイオン交換水50mLと25%塩酸5mLを加え、沸騰浴にて2.5時間加熱し、冷却後、中和、酢酸鉛(適量)による除タンパクを行った後、イオン交換水にて100mLに定容し、No.5Bのろ紙を用い、ろ過を行い、炭酸ナトリウム(適量)による脱鉛を行った後、No.5Bのろ紙を用い、ろ過した液を試験溶液とした。この試験溶液について還元糖量をソモギー変法にて測定した(ブドウ糖換算)。
100mL容共栓三角フラスコに、試験溶液20mLとA1液10mLと沸石数個を加え、空冷管を装着し、電気コンロ上にて2分以内に沸騰させ、3分間煮沸し、氷冷した後、B1液10mLとC1液10mLを加え、室温で2分間放置した後、D1液を用いて、指示薬として1%可溶性デンプンにて、終点が空色になるまで滴定を行った。試験溶液の代わりにイオン交換水を用いた同様の操作をブランクとした。
・B1液:シュウ酸カリウム90g及びヨウ化カリウム40gを水に溶解し、全量を1Lとした溶液
・C1液:1mol/L硫酸溶液
・D1液:0.05mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液
20℃における試料のBrixを、糖度計(Atago RX-5000、Atago社製)を用いて測定した。
試料のL値を、色差計((株)日本電色社製 スペクトロフォトメーター SE2000)を用いて反射法にて測定した。
後述の各実施例、及び比較例で得られた希釈用コーヒー組成物を、Brix3.0%となるように水で希釈したコーヒーエキスの酸味、甘味、コク及び雑味について専門パネル5名により下記の基準で評価し、その後協議により最終スコアを決定して評価値とした。
実施例4のコーヒーエキスの酸味の評点を「5」とし、比較例1のコーヒーエキスの酸味の評点を「3」として5段階で評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:さわやかに感じる
4:ややさわやかに感じる
3:どちらでもない
2:やや不快に感じる
1:不快に感じる
実施例4のコーヒーエキスの甘味の評点を「5」とし、比較例1のコーヒーエキスの甘味の評点を「1」として5段階で評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:適度に感じる
4:やや適度に感じる
3:わずかに感じる
2:ほとんど感じない
1:感じない
実施例8のコーヒーエキスのコクの評点を「5」とし、比較例3のコーヒーエキスのコクの評点を「1」として5段階で評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:非常に感じる
4:やや感じる
3:わずかに感じる
2:ほとんど感じない
1:感じない
実施例4のコーヒーエキスの雑味の評点を「5」とし、比較例1のコーヒーエキスの雑味の評点を「1」として5段階で評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
5:感じない
4:ほとんど感じない
3:わずかに感じる
2:やや感じる
1:非常に感じる
後述の実施例5、7及び10〜13、並びに比較例1、3及び4で得られた希釈用コーヒー組成物をスプレードライヤー(DL−41、ヤマト科学製)を用いて以下の条件で乾燥し、粉末状のコーヒー組成物を得た。これを試料として以下の方法により吸湿性の評価を行った。
・流速 : 10g/分
・入りの温度: 180℃
・ATMIZING AIR: 0.1MPa
・液ノズル径: 711μm
硝酸カルシウム四水和物(和光純薬株式会社製)の飽和水溶液をプラスチック製の容器本体に流し込み、プラスチック製の蓋で密閉して容器を25℃にて保管することによって、環境湿度50%を作製した。次に、容器内に試料を飽和水溶液と接触しない状態で5日間保管した後、試料の外観を下記の評価基準で評価した。その後、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥し、保管前の試料の質量と、保管後の試料の質量の差分を水分量(質量%)として、吸湿性の指標として測定した。
3:外観に変化がない
2:小さな塊状物が生成している
1:大きな塊状物が生成している
L26の粉砕した焙煎コーヒー豆を、円筒状抽出搭(内径160mm×高さ660mm)6本に、1搭当たりの充填量が4.2kgとなるように充填した。次いで110℃の熱水を1段目の抽出搭の下部から上部へ送液した。次いで1段目の抽出搭上部から排出されたコーヒー抽出液を、2段目の抽出搭下部から上部へ送液した。この操作を3段目以降の抽出塔についても繰り返し行い、6段目の抽出搭の上部から排出されたコーヒー抽出液を、速やかに冷却するとともに回収した。多段抽出の通液条件は、焙煎コーヒー豆の全容量に対する空間速度(SV)が1[h-1]であり、1塔当たりの焙煎コーヒー豆の容量に対する通液倍数(BV)が11[v/v]であった。得られた抽出液をロータリーエバポレーター(N−1100V型、東京理科器械(株)社製)を用い0.004MPa、50℃にて減圧加熱濃縮し、Brix10%のコーヒー組成物を得た。続いて、円筒状のカラム(内径72mm×高さ100mm)に活性炭(白鷺WH2C LSS、日本エンバイロケミカルズ製、平均細孔半径10.5Å)108g加え、80℃、10分間殺菌した後に、上記Brix10%のコーヒー組成物3.6kgを、25℃、SV=16.1[hr-1]、BV=14[v/v]の条件にて通液し、更にイオン交換水を25℃、SV=16.1[hr-1]の条件にて通液し、カラム出口より最終的な採液量として4kgの希釈用コーヒー組成物を得た(乾燥固形分5.9質量%)。得られた希釈用コーヒー組成物をBrix3.0%になるように水で希釈し、コーヒーエキスを得、その分析、並びに官能評価を行った。その結果を表1に示す。
L24の粉砕した焙煎コーヒー豆を使用し、抽出温度を150℃に変更した以外は、全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分5.9質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
抽出温度を150℃に、活性炭処理に供するBrix10%のコーヒー組成物の量を10.0kgに、活性炭量を100gに、活性炭処理をSV=15.7[hr-1]、BV=41[v/v]の通液条件に、それぞれ変更した以外は、全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分7.3質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
抽出温度を150℃に変更した以外は、全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分5.9質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
抽出温度を150℃に、活性炭処理に供するBrix10%のコーヒー組成物の量を2.0kgに、活性炭量を100gに、活性炭処理をSV=15.7[hr-1]、BV=8.2[v/v]の通液条件に、それぞれ変更した以外は全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分4.9質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
抽出温度を150℃に、活性炭をクラレコールGW−H(クラレケミカル製、平均細孔半径10.2Å)に、それぞれ変更した以外は全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分5.9質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
L30の粉砕した焙煎コーヒー豆を使用し、抽出温度を150℃に変更した以外は全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分5.9質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
抽出温度を170℃に変更した以外は全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分5.9質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
抽出温度を150℃に変更した以外は、全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物を得、スプレードライヤー(Pulvis GB22:ヤマト科学株式会社製)にて乾燥した後、得られた粉末状のコーヒー組成物(乾燥固形分97質量%)をBrix3.0%になるように水で希釈し、コーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
抽出温度を150℃に変更し、活性炭処理を実施しない以外は全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分8.0質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
抽出温度を170℃に変更し、活性炭処理を実施しない以外は全て実施例1と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分8.0質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
L26の粉砕した焙煎コーヒー豆400gを、ドリップ抽出器(内径73mm、容積11L)に投入した。次いで、ドリップ抽出器下部から0.25kgの95℃の温水を供給し、底湯をはった。次いで、シャワーより95℃の温水を1.25g/secの速度で供給した後、温水の供給を停止し、その状態を10分間保持した。温水の供給量は、焙煎コーヒー豆に対し、2.55質量倍であった。保持後、95℃の温水をシャワーより1.25g/secの速度で供給するとともに、同速度でコーヒー抽出液を排出した。採液量が2.4kgに達したときにコーヒー抽出液の排出を停止し、本採液をコーヒー抽出液とした。抽出は全て常圧下で行った。得られた抽出液をロータリーエバポレーター(N−1100V型、東京理科器械(株)社製)を用い30torr、50℃にて減圧加熱濃縮し、Brix10%のコーヒー組成物を得た。続いて、円筒状のカラム(内径36mm×高さ160mm)に活性炭(白鷺WH2C LSS、日本エンバイロケミカルズ製)30g加え、80℃、10分間殺菌した後に、上記Brix10%のコーヒー組成物1.0kgを、25℃にて、SV=15.7[hr-1]、BV=13.7[v/v]の条件にて通液し、更にイオン交換水を25℃、SV=15.7[hr-1]、にて通液し、カラム出口より最終的な採液量として1.2kgの希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分5.5質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析、並びに官能評価を行った。その結果を表1に示す。
活性炭処理を行わないこと以外は全て比較例3と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分8.0質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表1に示す。
L24の粉砕した焙煎コーヒー豆を使用し、抽出温度を110℃に変更したこと以外は、全て実施例3と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分7.3質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を実施例2の結果とともに表2に示す。
L24の粉砕した焙煎コーヒー豆を使用し、抽出温度を110℃に変更したこと以外は、全て実施例5と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分4.9質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を実施例2の結果とともに表2に示す。
L30の粉砕した焙煎コーヒー豆を使用し、抽出温度を170℃に変更したこと以外は、全て実施例3と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分7.3質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を実施例7の結果とともに表2に示す。
L30の粉砕した焙煎コーヒー豆を使用し、抽出温度を170℃に変更したこと以外は、全て実施例5と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分4.9質量%)を得、次いで実施例1と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を実施例7の結果とともに表2に示す。
円筒状抽出塔1塔(内径0.5m×高さ4.5m)あたり200kgのL29の粉砕した焙煎コーヒー豆を充填した円筒状抽出塔6塔を直列に連結した。1塔目の抽出塔に対し、150℃の加圧熱水を2.8トン/hrでフィードし、6塔目の抽出塔から排出された抽出液をタンクに回収した。1塔目の抽出塔に加圧熱水をフィードし始めてから20分後に、熱水供給を2塔目入口に切り替え、同時に6塔目の出口ラインを、焙煎コーヒー豆を充填し待機していた7塔目入口に連結し、2塔目から排出された抽出液を3塔目から7塔目まで供給し、7塔目の抽出塔から排出された抽出液をタンクに回収した。その間に1塔目から、抽出後の焙煎コーヒー豆を抜き出し、新たに焙煎コーヒー豆を充填した。熱水供給を2塔目入口に切り替えてから20分後に、熱水供給を3塔目入口に切り替え、同時に7塔目の出口ラインを、新たな焙煎コーヒー豆を充填した1塔目に連結し、3塔目から排出された抽出液を4塔目から7塔目、次いで1塔目にまで供給し、1塔目の抽出塔から排出された抽出液をタンクに回収した。このように、抽出に用いる6本の円筒状抽出塔と、新たな焙煎コーヒー豆を充填し待機している1塔の抽出塔からなる、計7塔を20分おきにラインを切り替えながら、連続的に抽出を行った。多段抽出の通液条件はいずれも、焙煎コーヒー豆の全容量に対する空間速度(SV)が1[h-1]であり、1塔当たりの焙煎コーヒー豆の容量に対する通液倍数(BV)が11[v/v]であった。得られた抽出液を混合してBrix10%のコーヒー組成物を調製した。このコーヒー組成物は、クロロゲン酸9543[mg/kg]、カフェイン5612[mg/kg]、ヒドロキシヒドロキノン17[mg/kg]であった。なお、焙煎コーヒー豆からのクロロゲン酸の回収率は100%であった。
次に、円筒状のカラム(内径23mm×高さ100mm)に、活性炭(白鷺WH2CLSS)10gを充填し、80℃にて10分間殺菌した。その後に、得られたコーヒー組成物500gを、10℃、SV=4[hr-1]、BV=13.5[v/v]の条件にて通液し、活性炭カラム出口より採液量として480g回収した。得られた活性炭処理後のコーヒー組成物の組成は、クロロゲン酸7641[mg/kg]、カフェイン2169[mg/kg]、ヒドロキシヒドロキノン1[mg/kg]、乾燥固形分6.78質量%であった。得られた希釈用コーヒー組成物をBrix3.0%になるように水で希釈し、コーヒーエキスを得、その分析、並びに官能評価を行った。その結果を表3に示す。
活性炭との接触温度を15℃に変更した以外は全て実施例14と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分6.34質量%)を得、次いで実施例19と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表3に示す。
活性炭との接触温度を25℃に変更した以外は全て実施例14と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分6.01質量%)を得、次いで実施例19と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表3に示す。
活性炭との接触温度を35℃に変更した以外は全て実施例14と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分6.14質量%)を得、次いで実施例19と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表3に示す。
活性炭との接触温度を60℃に変更した以外は全て実施例14と同様の操作により希釈用コーヒー組成物(乾燥固形分6.41質量%)を得、次いで実施例19と同様の操作によりコーヒーエキスを調製した。得られたコーヒーエキスの分析結果、評価結果を表3に示す。
Claims (7)
- 焙煎コーヒー豆を、加圧条件下、110〜170℃の温度にて多段階抽出する第1の工程と、
第1の工程により得られたコーヒー抽出液を10〜70℃の温度にて活性炭と接触させる第2の工程
を含む、希釈用コーヒー組成物の製造方法。 - 第1の工程において、1塔当たりの焙煎コーヒー豆の容量に対する通液倍数(BV)が0.5〜35[v/v]の条件にて多段階抽出する、請求項1記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
- 第1の工程において、焙煎コーヒー豆の全容量に対する空塔速度(SV)が0.01〜10[h-1]の条件にて多段階抽出する、請求項1又は2記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
- 焙煎コーヒー豆のL値が15〜35である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
- 活性炭の平均細孔半径が30Å以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
- 第2の工程において、活性炭と接触させる際の第1の工程により得られたコーヒー抽出液のBrixが5%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
- 当該希釈用コーヒー組成物が、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)クロロゲン酸類
(B)全糖、及び
(C)カフェイン
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が1.2〜5であり、
成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が0.5以下であり、かつ
(F)乾燥固形分が5.6質量%以上である希釈用コーヒー組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
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