JP2017085984A - 希釈用コーヒー組成物の製造方法 - Google Patents
希釈用コーヒー組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017085984A JP2017085984A JP2015221048A JP2015221048A JP2017085984A JP 2017085984 A JP2017085984 A JP 2017085984A JP 2015221048 A JP2015221048 A JP 2015221048A JP 2015221048 A JP2015221048 A JP 2015221048A JP 2017085984 A JP2017085984 A JP 2017085984A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coffee beans
- dilution
- roasted coffee
- hydroxyhydroquinone
- roasted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Tea And Coffee (AREA)
Abstract
Description
本発明の課題は、ヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制しつつ、固形分濃度の高い希釈用コーヒー組成物の製造方法を提供することにある。
第1の工程により得られた焙煎コーヒー豆を、加圧条件下、110〜170℃の温度にて抽出する第2の工程
を含む、希釈用コーヒー組成物の製造方法を提供するものである。
本発明により得られる希釈用コーヒー組成物は、Brixが通常3%以上であるが、ハンドリング性の観点から、3.5%以上が好ましく、4%以上がより好ましい。なお、Brixの上限値は特に限定されないが、生産効率の観点から、99%が好ましく、98%がより好ましく、97%が更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは3〜99%、より好ましくは3.5〜99%、更に好ましくは4〜98%、殊更に好ましくは4〜97%である。ここで、本明細書において「Brix」とは、糖用屈折計を利用して測定した値であり、20℃のショ糖水溶液の質量百分率に相当する値である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
第1の工程は、原料焙煎コーヒー豆を密閉容器内に収容し、加湿条件下、100〜160℃で加熱処理する工程である。本工程により得られた焙煎コーヒー豆は、原料焙煎コーヒー豆の焙煎度と略同一であり、焙煎コーヒー豆の焙煎度を大きく変動させることなく、ヒドロキシヒドロキノンを焙煎コーヒー豆中に通常含まれる量よりも低減することができる。なお、原料焙煎コーヒー豆の焙煎度と略同一とは、焙煎コーヒー豆のL値が原料焙煎コーヒー豆と同一、あるいはL値の差が±1以内の範囲であることをいう。
第2の工程は、第1の工程により得られた焙煎コーヒー豆を、加圧条件下、110〜170℃の温度にて抽出する工程である。これにより、ヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制しつつ、糖類や多糖類といった固形分を豊富に含み、固形分濃度の高い希釈用コーヒー組成物を得ることができる。
バッチ法の場合には、例えば、密閉可能な釜や鍋、オートクレーブ等を抽出機として用い、該抽出機内に焙煎コーヒー豆及び水を収容して密閉した後、加圧条件で抽出すればよい。この場合、抽出機内に水を収容し、予め70〜90℃に加温した後、焙煎コーヒー豆を投入し、加圧抽出することもできる。
カラム法の場合には、例えば、カラム型抽出機内に焙煎コーヒー豆を収容し、抽出機内に大気圧よりも高い圧力条件の熱水を供給すればよい。この場合、多段階抽出することもできる。ここで、本明細書において「多段階抽出」とは、複数の独立した抽出塔を配管で直列につないだ装置を用いる抽出方法をいう。より具体的には、複数の独立した抽出塔に焙煎コーヒー豆をそれぞれ投入し、1段階目の抽出塔に抽出溶媒を供給して該抽出塔からコーヒー抽出液を排出させ、該コーヒー抽出液を次段階目の抽出塔に供給するという操作を繰り返し行い、最終段階の抽出塔から排出されたコーヒー抽出液を回収する抽出方法をいう。また、多段階抽出の際には、1段階目から最終段階の抽出塔とは異なる予備抽出塔に新たな焙煎コーヒー豆を充填し待機させてラインの切り替え操作を行っても、抽出後の焙煎コーヒー豆を抽出塔から抜き出し、該抽出塔に新たな焙煎コーヒー豆を充填する交換操作を行ってもよい。ここで、「独立した抽出塔」とは、抽出塔が完全に遮断されていることを意味するのではなく、焙煎コーヒー豆の移動は制限されるが、抽出溶媒又は製造途中のコーヒー抽出液を次段階の抽出塔に送液可能な連結手段を有する1つの抽出塔をいう。なお、カラム法の場合、抽出溶媒は、下方から上方への上昇流、あるいは上方から下方への下降流で供給することができる。
抽出溶媒の使用量は、生産効率の観点から、第1の工程で得られた焙煎コーヒー豆に対して、1質量倍以上が好ましく、2質量倍以上がより好ましく、4質量倍以上が更に好ましく、そして15質量倍以下が好ましく、13質量倍以下がより好ましく、10質量倍以下が更に好ましい。かかる抽出溶媒の使用量の範囲としては、第1の工程で得られた焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは1〜15質量倍、より好ましくは2〜13質量倍、更に好ましくは4〜10質量倍である。
抽出圧力(ゲージ圧)は所望の抽出温度となるように適宜選択可能であるが、風味バランス及び抽出効率の観点から、0.1MPa以上が好ましく、0.15MPa以上がより好ましく、0.18MPa以上が更に好ましく、そして1.5MPa以下が好ましく、1.4MPa以下がより好ましく、1.3MPa以下が更に好ましい。抽出圧力(ゲージ圧)の範囲としては、好ましくは0.1〜1.5MPa、より好ましくは0.15〜1.4MPa、更に好ましくは0.18〜1.3MPaである。
抽出時間は抽出スケール等により一様ではないが、10分以上が好ましく、15分以上がより好ましく、20分以上が更に好ましく、そして120分以下が好ましく、90分以下がより好ましく、60分以下が更に好ましい。抽出時間の範囲としては、好ましくは10〜120分、より好ましくは15〜90分、更に好ましくは20〜60分である。
(2)希釈用コーヒー組成物中の全糖の含有量は、原料焙煎コーヒー豆の乾燥質量1kg当たり、50g以上が好ましく、100g以上がより好ましく、120g以上が更に好ましい。なお、上限は特に限定されるものではないが、例えば、原料焙煎コーヒー豆の乾燥質量1kg当たり、500g以下が好ましく、300g以下がより好ましく、200g以下が更に好ましい。かかる全糖の含有量の範囲としては、原料焙煎コーヒー豆の乾燥質量1kg当たり、好ましくは50〜500g、より好ましくは100〜300g、更に好ましくは120〜200gである。
また、希釈用コーヒー組成物は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミ蒸着フィルム等を材質とするレトルトパックで提供しても、更に金属缶、PETボトル、ガラス容器のような形態で提供してもよい。この場合、密封容器内に窒素ガス等の不活性ガスを充填し、また加熱殺菌することもできる。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されず、例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。
ヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。
分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、開発・製造:米国ESA社、輸入・販売:エム・シー・メディカル(株))を使用した。
装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
・アナリティカルセル:モデル5010、クーロアレイオーガナイザー
・クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:モデル5600A
・溶媒送液モジュール:モデル582、グラジエントミキサー
・オートサンプラー:モデル542、パルスダンパー
・デガッサー:Degasys Ultimate DU3003
・カラムオーブン:505
・カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm、粒子径5μm((株)資生堂)
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・電気化学検出器の印加電圧:200mV
・カラムオーブン設定温度:40℃
・溶離液A:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液
・溶離液B:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
全糖の分析は、フェノール硫酸法により行う。すなわち、5gのフェノールにイオン交換水を加えて100gにメスアップする。抽出液0.5mLにフェノール溶液0.5mL添加し、混合する。次に精密分析用硫酸(98%)を2.5mL加えて更に混合する。室温で15分間放置後に、490nmの吸光度を測定する。あらかじめ作成した検量線より、濃度換算を行う。
試料のL値を、色差計((株)日本電色社製 スペクトロフォトメーター SE2000)を用いて反射法にて測定した。
20℃における試料のBrixを、糖度計(Atago RX-5000、Atago社製)を用いて測定した。
(第1の工程)
L値が25であり、粉砕された焙煎コーヒー豆(平均粒径1.4mm)を5gとイオン交換水0.25gを密閉容器に入れ、オートクレーブを用いて125℃、90分間加熱処理し、「加熱処理焙煎豆」を調製した。加熱処理焙煎豆のL値は25であり、含水率は1.8%であり、加熱処理焙煎豆中のヒドロキシヒドロキノン量は原料焙煎コーヒー豆の乾燥質量1kg当たり8.7mgであった。
(第2の工程)
攪拌機付の円筒状抽出搭(内径42mm×高さ140mm)に、蒸留水130g入れ、85℃まで加熱した後、抽出搭内に「加熱処理焙煎豆」13g(原料焙煎コーヒー豆の乾燥質量12.77gに相当する)を投入し、容器を密閉した。撹拌しながら加熱を行い、内液温が130℃に到達後30分間保持した。圧力は、ゲージ圧で0.2MPaであった。その後、抽出塔を氷冷し、吸引ろ過(2号ろ紙;ADVANTEC)にて、焙煎豆と希釈用コーヒー組成物を分けた。得られた希釈用コーヒー組成物の回収液量は114.15gであった。
得られた希釈用コーヒー組成物について、全糖量及びBrix、原料焙煎コーヒー豆の乾燥質量1kg当たりのヒドロキシヒドロキノン量を分析した。その結果を表1に示す。
表1に示す抽出温度に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて希釈用コーヒー組成物を得た。実施例2により得られた希釈用コーヒー組成物の回収液量は113.76gであった。そして、得られた希釈用コーヒー組成物について、実施例1と同様の方法にて分析を行った。その結果を表1に示す。
Claims (5)
- 原料焙煎コーヒー豆を密閉容器内に収容し、加湿条件下、100〜160℃で加熱処理する第1の工程と、
第1の工程により得られた焙煎コーヒー豆を、加圧条件下、110〜170℃の温度にて抽出する第2の工程
を含む、希釈用コーヒー組成物の製造方法。 - 第1の工程に係る加熱時間が0.5〜4時間である、請求項1記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
- 原料焙煎コーヒー豆のL値が15〜35である、請求項1又は2記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
- 第2の工程に係る加圧条件がゲージ圧で0.1〜1.5MPaである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
- 抽出溶媒の使用量が、第1の工程で得られた焙煎コーヒー豆に対して1〜15質量倍である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の希釈用コーヒー組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015221048A JP2017085984A (ja) | 2015-11-11 | 2015-11-11 | 希釈用コーヒー組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015221048A JP2017085984A (ja) | 2015-11-11 | 2015-11-11 | 希釈用コーヒー組成物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017085984A true JP2017085984A (ja) | 2017-05-25 |
Family
ID=58766493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015221048A Pending JP2017085984A (ja) | 2015-11-11 | 2015-11-11 | 希釈用コーヒー組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017085984A (ja) |
-
2015
- 2015-11-11 JP JP2015221048A patent/JP2017085984A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5222986B2 (ja) | コーヒー濃縮組成物 | |
US10188125B2 (en) | Coffee concentrate composition | |
JP2012040032A (ja) | ソリュブルコーヒー | |
JP6285175B2 (ja) | 焙煎コーヒー豆の製造方法 | |
CN109862793A (zh) | 含有绿原酸类的精制组合物 | |
US20170013857A1 (en) | Soluble coffee | |
RU2731281C2 (ru) | Жидкий концентрат эспрессо | |
JP6572002B2 (ja) | 希釈用コーヒー組成物の製造方法 | |
JP7431748B2 (ja) | コーヒー抽出液の製造方法 | |
JP6798830B2 (ja) | 希釈用コーヒー組成物の製造方法 | |
JP6535642B2 (ja) | 希釈用コーヒー組成物の製造方法 | |
AU2023200816A1 (en) | Beverage composition useful in beverage capsules | |
JP2017085984A (ja) | 希釈用コーヒー組成物の製造方法 | |
JP6725237B2 (ja) | ソリュブルコーヒー | |
US11825859B2 (en) | Liquid coffee extract and drink containing same | |
JP6572003B2 (ja) | 希釈用コーヒー組成物の製造方法 | |
JP2016146817A (ja) | 焙煎コーヒー豆の製造方法 | |
Zhang | Effects of high pressure processing on the extraction and physicochemical characteristics of cold brew coffee | |
JP6484439B2 (ja) | 焙煎コーヒー豆の製造方法 | |
JP6403995B2 (ja) | 焙煎コーヒー豆の製造方法 | |
US20230354843A1 (en) | Beverage composition useful in beverage capsules | |
KR20230148411A (ko) | 아로마-인퓨징된 커피 콩 | |
JP5820087B1 (ja) | 焙煎コーヒー豆の製造方法 | |
EA025594B1 (ru) | Отжатый чайный сок и способ его получения |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180921 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190806 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190926 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200303 |