JP2017005064A - 半導体装置、該半導体装置を有する表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化物半導体を有するトランジスタにおいて、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させる。【解決手段】第1のゲート電極と、第1のゲート電極上の第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜上の第1の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜上の第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜上の第2の酸化物半導体膜と、を有し、第1の酸化物半導体膜は、第2の酸化物半導体膜が重畳するチャネル領域と、チャネル領域に接して設けられるソース領域と、チャネル領域に接して設けられるドレイン領域と、を有し、チャネル領域は、第1の層と、第1の層の上面と接し、且つ第1の層のチャネル幅方向の側面を覆う第2の層と、を有し、第2の酸化物半導体膜は、第1の酸化物半導体膜よりもキャリア密度が高い。【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、酸化物半導体膜を有する半導体装置及び該半導体装置を有する表示装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に、本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、またはそれらの製造方法に関する。
なお、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタなどの半導体素子をはじめ、半導体回路、演算装置、記憶装置は、半導体装置の一態様である。撮像装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、電気光学装置、発電装置(薄膜太陽電池、有機薄膜太陽電池等を含む)、及び電子機器は、半導体装置を有している場合がある。
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を用いてトランジスタ(電界効果トランジスタ(FET)、または薄膜トランジスタ(TFT)ともいう)を構成する技術が注目されている。該トランジスタは集積回路(IC)や画像表示装置(表示装置)のような電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可能な半導体薄膜としてシリコンを代表とする半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。
例えば、酸化物半導体として、In、Zn、Ga、Snなどを含む非晶質酸化物を用いてトランジスタを作製する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、自己整列トップゲート構造を有する酸化物薄膜のトランジスタを作製する技術が開示されている(特許文献2参照)。
また、チャネルを形成する酸化物半導体層の下地絶縁層に、加熱により酸素を放出する絶縁層を用い、該酸化物半導体層の酸素欠損を低減する半導体装置が開示されている(特許文献3参照)。
特開2006−165529号公報 特開2009−278115号公報 特開2012−009836号公報
酸化物半導体膜を有するトランジスタとしては、例えば、逆スタガ型(ボトムゲート構造ともいう)またはスタガ型(トップゲート構造ともいう)等が挙げられる。酸化物半導体膜を有するトランジスタを表示装置に適用する場合、スタガ型のトランジスタよりも逆スタガ型のトランジスタの方が、作製工程が比較的簡単であり製造コストを抑えられるため、利用される場合が多い。しかしながら、表示装置の画面の大型化、または表示装置の画質の高精細化(例えば、4k×2k(水平方向画素数=3840画素、垂直方向画素数=2160画素)または8k×4k(水平方向画素数=7680画素、垂直方向画素数=4320画素)に代表される高精細な表示装置)が進むと、逆スタガ型のトランジスタでは、ゲート電極とソース電極及びドレイン電極との間の寄生容量があるため、該寄生容量によって信号遅延等が大きくなり、表示装置の画質が劣化するという問題があった。そこで、酸化物半導体膜を有するスタガ型のトランジスタについて、安定した半導体特性及び高い信頼性を有する構造の開発が望まれている。
また、酸化物半導体膜をチャネル領域に用いてトランジスタを作製する場合、酸化物半導体膜のチャネル領域中に形成される酸素欠損は、トランジスタ特性に影響を与えるため問題となる。例えば、酸化物半導体膜のチャネル領域中に酸素欠損が形成されると、該酸素欠損に起因してキャリアが生成される。酸化物半導体膜のチャネル領域中にキャリアが生成されると、酸化物半導体膜をチャネル領域に有するトランジスタの電気特性の変動、代表的にはしきい値電圧のシフトが生じる。また、トランジスタごとに電気特性がばらつくという問題がある。したがって、酸化物半導体膜のチャネル領域においては、酸素欠損が少ないほど好ましい。一方で、酸化物半導体膜をチャネル領域に用いるトランジスタにおいて、ソース電極及びドレイン電極と接する酸化物半導体膜としては、ソース電極及びドレイン電極との接触抵抗を低減するために酸素欠損が多く、抵抗が低い方が好ましい。
上記問題に鑑み、本発明の一態様は、酸化物半導体を有するトランジスタにおいて、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、酸化物半導体を有するスタガ型のトランジスタを提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、酸化物半導体を有するオン電流が大きいトランジスタを提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、酸化物半導体を有するオフ電流が小さいトランジスタを提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、消費電力が低減された半導体装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、新規な半導体装置を提供することを課題の1つとする。
なお、上記の課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。上記以外の課題は、明細書等の記載から自ずと明らかになるものであり、明細書等の記載から上記以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、トランジスタを有する半導体装置であって、トランジスタは、第1のゲート電極と、第1のゲート電極上の第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜上の第1の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜上の第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜上の第2の酸化物半導体膜と、を有し、第1の酸化物半導体膜は、第2の酸化物半導体膜が重畳するチャネル領域と、チャネル領域に接して設けられるソース領域と、チャネル領域に接して設けられるドレイン領域と、を有し、チャネル領域は、第1の層と、第1の層の上面と接し、且つ第1の層のチャネル幅方向の側面を覆う第2の層と、を有し、第2の酸化物半導体膜は、第1の酸化物半導体膜よりもキャリア密度が高い半導体装置である。
また、本発明の他の一態様は、トランジスタを有する半導体装置であって、トランジスタは、第1のゲート電極と、第1のゲート電極上の第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜上の第1の酸化物半導体膜と、第1の酸化物半導体膜上の第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜上の第2の酸化物半導体膜と、を有し、第1の酸化物半導体膜は、第2の酸化物半導体膜が重畳するチャネル領域と、チャネル領域に接して設けられるソース領域と、チャネル領域に接して設けられるドレイン領域と、を有し、第1の酸化物半導体膜は、第2の酸化物半導体膜が重畳するチャネル領域と、第2の絶縁膜が接するソース領域と、第2の絶縁膜が接するドレイン領域と、を有し、チャネル領域は、第1の層と、第1の層の上面と接し、且つ第1の層のチャネル幅方向の側面を覆う第2の層と、第1の層の下面と接する第3の層と、を有し、第2の酸化物半導体膜は、第1の酸化物半導体膜よりもキャリア密度が高い半導体装置である。
また、上記態様において、トランジスタは、さらに、第2の酸化物半導体膜上の絶縁膜と、絶縁膜に設けられた開口部を介して、ソース領域に接続するソース電極と、絶縁膜に設けられた開口部を介して、ドレイン領域に接続するドレイン電極と、を有すると好ましい。
また、上記態様において、ソース領域及びドレイン領域は、水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、または希ガスの1以上を有すると好ましい。
また、上記態様において、第1の酸化物半導体膜、及び第2の酸化物半導体膜のいずれか一方または双方は、Inと、Znと、M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、を有すると好ましい。また、上記態様において、第1の酸化物半導体膜、及び第2の酸化物半導体膜のいずれか一方または双方は、結晶部を有し、結晶部は、c軸配向性を有すると好ましい。
また、本発明の他の一態様は、上記各態様にいずれか一つに記載の半導体装置と表示素子とを有する表示装置である。また、本発明の他の一態様は、該表示装置とタッチセンサとを有する表示モジュールである。また、本発明の他の一態様は、上記各態様にいずれか一つに記載の半導体装置、上記表示装置、または上記表示モジュールと、操作キーまたはバッテリとを有する電子機器である。
本発明の一態様により、酸化物半導体を有するトランジスタにおいて、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、本発明の一態様により、酸化物半導体を有するスタガ型のトランジスタを提供することができる。または、本発明の一態様により、酸化物半導体を有するオン電流が大きいトランジスタを提供することができる。または、本発明の一態様により、酸化物半導体を有するオフ電流が小さいトランジスタを提供することができる。または、本発明の一態様により、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、新規な半導体装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
半導体装置の上面及び断面を説明する図。 半導体装置の上面及び断面を説明する図。 半導体装置の上面及び断面を説明する図。 半導体装置の上面及び断面を説明する図。 半導体装置の上面及び断面を説明する図。 半導体装置の上面及び断面を説明する図。 半導体装置の上面及び断面を説明する図。 バンド構造を説明する図。 半導体装置の作製方法の断面を説明する図。 半導体装置の作製方法の断面を説明する図。 半導体装置の作製方法の断面を説明する図。 半導体装置の作製方法の断面を説明する図。 CAAC−OSおよび単結晶酸化物半導体のXRDによる構造解析を説明する図、ならびにCAAC−OSの制限視野電子回折パターンを示す図。 CAAC−OSの断面TEM像、ならびに平面TEM像およびその画像解析像。 nc−OSの電子回折パターンを示す図、およびnc−OSの断面TEM像。 a−like OSの断面TEM像。 In−Ga−Zn酸化物の電子照射による結晶部の変化を示す図。 表示装置の一態様を示す上面図。 表示装置の一態様を示す断面図。 表示装置の一態様を示す断面図。 半導体装置の回路構成を説明する図。 画素回路の構成を説明する図、及び画素回路の動作を説明するタイミングチャート。 表示装置を説明するブロック図及び回路図。 本発明の一態様を説明するための回路図およびタイミングチャート。 本発明の一態様を説明するためのグラフおよび回路図。 本発明の一態様を説明するための回路図およびタイミングチャート。 本発明の一態様を説明するための回路図およびタイミングチャート。 入出力装置の一例を示す断面図。 表示モジュールを説明する図。 電子機器を説明する図。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、ドレインとチャネル領域とソースとを介して電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、または、十分に低減されたオフ電流が得られるVgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10−13Aであり、Vgsがー0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−19Aであり、Vgsがー0.8Vにおけるドレイン電流が1×10−22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが−0.5Vにおいて、または、Vgsが−0.5V乃至−0.8Vの範囲において、1×10−19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10−19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10−22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10−22A以下である、と言う場合がある。
また、本明細書等では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、または125℃におけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等に要求される信頼性において用いられる温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置に要求される信頼性において用いられる温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V,2.5V,3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等に要求される信頼性において用いられるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V,2.5V,3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置に要求される信頼性において用いられるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
また、本明細書等において、半導体の不純物とは、半導体膜を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、半導体にDOS(Density of State)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体を有する場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンを有する場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、トランジスタを有する半導体装置、及び該半導体装置の作製方法の一例について、図1乃至図12を用いて説明する。
<1−1.半導体装置の構成例1>
図1(A)(B)(C)に、トランジスタを有する半導体装置の一例を示す。なお、図1(A)(B)(C)に示すトランジスタは、トップゲート構造である。
図1(A)は、トランジスタ150の上面図であり、図1(B)は図1(A)の一点鎖線X1−X2間の断面図であり、図1(C)は図1(A)の一点鎖線Y1−Y2間の断面図である。なお、図1(A)では、明瞭化のため、絶縁膜110などの構成要素を省略して図示している。なお、トランジスタの上面図においては、以降の図面においても図1(A)と同様に、構成要素の一部を省略して図示する場合がある。また、一点鎖線X1−X2方向をチャネル長(L)方向、一点鎖線Y1−Y2方向をチャネル幅(W)方向と呼称する場合がある。
図1(A)(B)(C)に示すトランジスタ150は、基板102上に形成された導電膜106と、導電膜106上の絶縁膜104と、絶縁膜104上の酸化物半導体膜108と、酸化物半導体膜108上の絶縁膜110と、絶縁膜110上の酸化物半導体膜112と、酸化物半導体膜108、及び酸化物半導体膜112上の絶縁膜116と、を有する。また、酸化物半導体膜108は、酸化物半導体膜112が重畳するチャネル領域108iと、チャネル領域108iと接して設けられるソース領域108sと、チャネル領域108iと接して設けられるドレイン領域108dと、を有し、チャネル領域108iは、層108_2と、層108_2の上面と接し、且つ層108_2のチャネル幅方向の側面を覆う層108_3と、を有する。
なお、ソース領域108s、及びドレイン領域108dは、それぞれ不純物元素を有する。当該不純物元素としては、水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、または希ガスが挙げられる。なお、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。ソース領域108s、及びドレイン領域108dが上述の不純物元素を有する構成とすることで、酸化物半導体膜のキャリア密度を高くすることができる。
また、酸化物半導体膜112は、絶縁膜110、層108_3、及び絶縁膜104に設けられた開口部143を介して、導電膜106と電気的に接続される。よって、導電膜106と酸化物半導体膜112には、同じ電位が与えられる。ただし、これに限定されず、開口部143を設けずに、導電膜106と、酸化物半導体膜112と、に異なる電位を与えてもよい。
なお、導電膜106は、第1のゲート電極(ボトムゲート電極ともいう)としての機能を有し、酸化物半導体膜112は、第2のゲート電極(トップゲート電極ともいう)としての機能を有する。また、絶縁膜104は、第1のゲート絶縁膜としての機能を有し、絶縁膜110は、第2のゲート絶縁膜としての機能を有する。
また、トランジスタ150は、絶縁膜116上の絶縁膜118と、絶縁膜116、118、及び層108_3に設けられた開口部141aを介して、ソース領域108sに電気的に接続される導電膜120aと、絶縁膜116、118、及び層108_3に設けられた開口部141bを介して、ドレイン領域108dに電気的に接続される導電膜120bと、を有していてもよい。
なお、トランジスタ150としては、例えば、低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly−Silicon))、または水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)の製造装置を用いて、形成することができる。したがって、新たな設備投資をする必要がない、または新たな設備投資が極めて小さい。
また、本明細書等において、導電膜120aは、ソース電極としての機能を有し、導電膜120bは、ドレイン電極としての機能を有する。
酸化物半導体膜108が有する、チャネル領域108iのチャネル幅(W)方向の側面またはその近傍においては、加工におけるダメージにより欠陥(例えば、酸素欠損)が形成されやすい、あるいは不純物の付着により汚染されやすい。そのため、チャネル領域108iが実質的に真性であっても、電界などのストレスが印加されることによって、チャネル領域108iのチャネル幅(W)方向の側面またはその近傍が活性化され、低抵抗(n型)領域となりやすい。また、チャネル領域108iのチャネル幅(W)方向の側面またはその近傍がn型領域の場合、当該n型領域がキャリアのパスとなるため、寄生チャネルが形成される場合がある。
そこで、本発明の一態様の半導体装置においては、チャネル領域108iを積層構造とし、チャネル領域108iのチャネル幅(W)方向の側面を、積層構造の一方の層で覆う構成とする。当該構成とすることで、チャネル領域108iの側面またはその近傍の欠陥、あるいは不純物の付着を低減することが可能となる。
なお、図1(A)(B)(C)においては、チャネル領域108iの積層構造が、層108_2と、層108_3との2層構造としたがこれに限定されない。例えば、図2(A)(B)(C)に示すような積層構造としてもよい。
図2(A)は、トランジスタ150Aの上面図であり、図2(B)は図2(A)の一点鎖線X1−X2間の断面図であり、図2(C)は図2(A)の一点鎖線Y1−Y2間の断面図である。
トランジスタ150Aが有する酸化物半導体膜108は、酸化物半導体膜112が重畳するチャネル領域108iと、チャネル領域108iと接して設けられるソース領域108sと、チャネル領域108iと接して設けられるドレイン領域108dと、を有する。また、チャネル領域108iは、層108_2と、層108_2の上面と接し、且つ層108_2のチャネル幅方向の側面を覆う層108_3と、層108_2の下面と接する層108_1と、を有する。
このように、トランジスタ150Aは、先に示すトランジスタ150が有する酸化物半導体膜108の構成が異なる。それ以外の構成については、トランジスタ150と同様の構成であり、同様の効果を奏する。
酸化物半導体膜108中の層108_1と、層108_2と、層108_3とは、同一の元素を少なくとも一つ有する。そのため、層108_1と層108_2との界面、または層108_2と層108_3との界面において、界面散乱が生じにくい。したがって、該界面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジスタ150及びトランジスタ150Aの電界効果移動度(単に移動度、またはμFEという場合がある)が高くなる。
層108_1、108_2、108_3は、それぞれ、金属酸化物を有し、該金属酸化物は少なくともインジウム(In)もしくは亜鉛(Zn)を有すると好ましい。
酸化物半導体膜がInを有すると、例えばキャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、酸化物半導体膜がZnを有すると、酸化物半導体膜の結晶化が起こり易い。
また、酸化物半導体膜がスタビライザーとしての機能を有する元素Mを有すると、例えば酸化物半導体膜のエネルギーギャップ(Eg)が大きくなる。本発明の一態様に好適な酸化物半導体膜としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。このように、エネルギーギャップの大きい金属酸化物を酸化物半導体膜108に用いることで、トランジスタ150、150Aのオフ電流を低減することができる。なお、元素Mは、酸素との結合エネルギーが高い元素であり、酸素との結合エネルギーがInよりも高い。
本発明の一態様の半導体装置に好適な酸化物半導体膜としては、代表的には、In−Zn酸化物、In−M酸化物、In−M−Zn酸化物を用いることができる。中でもIn−M−Zn酸化物(Mはアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、またはスズ(Sn)を表す)を用いることが好ましい。特に、MをGaとする、In−Ga−Zn酸化物(以下、IGZOと呼ぶ場合がある。)を用いることが好ましい。
層108_2がIn−M−Zn酸化物を有するとき、Znおよび酸素を除いてのIn及びMの原子数比率は、Inが25atomic%より大きく、Mが75atomic%未満であることが好ましく、さらに好ましくはInが34atomic%より大きく、Mが66atomic%未満である。特に、層108_2は、Inの原子数比がMの原子数比以上である領域を有すると好ましい。
また、層108_2が、Inの原子数比がMの原子数比以上である領域を有することで、トランジスタの電界効果移動度を高くすることができる。具体的には、トランジスタ150、150Aの電界効果移動度が10cm2/Vsを超える、さらに好ましくはトランジスタ150、150Aの電界効果移動度が30cm2/Vsを超えることが可能となる。
例えば、電界効果移動度が高いトランジスタは、チャネル幅を小さくすることができる。よって、当該トランジスタを、ゲート信号を生成する走査線駆動回路(ゲートドライバともいう)、または走査線駆動回路が有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサに用いることで、走査線駆動回路のサイズを小さくすることができ、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)半導体装置または表示装置を提供することができる。あるいは、ゲート電圧を低減することが可能となるため、表示装置の消費電力を低減することができる。
また、トランジスタの電界効果移動度を高めることで、表示装置を高精細にすることができる。例えば、4k×2k(水平方向画素数=3840画素、垂直方向画素数=2160画素)または8k×4k(水平方向画素数=7680画素、垂直方向画素数=4320画素)に代表される高精細な表示装置の画素回路または駆動回路のトランジスタとして好適に用いることができる。
一方で、層108_2が、Inの原子数比がMの原子数比以上である領域を有する場合、エネルギーギャップ(Eg)が小さくなるため、光照射時にトランジスタの電気特性が変動しやすくなる。しかしながら、本発明の一態様の半導体装置においては、層108_2上に層108_3が形成されている。または、層108_1上に層108_2が形成されている。
また、層108_1、及び層108_3は、層108_2よりもInの原子数比が少ない領域を有する。そのため、層108_2よりもEgが大きくなる。したがって、層108_2と、層108_3とを積層する、あるいは層108_1と、層108_2と、層108_3とを積層することで、トランジスタの光負バイアスストレス試験による耐性を高めることが可能となる。
層108_1、108_3がIn−M−Zn酸化物を有するとき、Znおよび酸素を除いてのInおよびMの原子数比率は、Inが75atomic%未満、Mが25atomic%より大きいことが好ましく、さらに好ましくはInが66atomic%未満、Mが34atomic%より大きいである。特に、層108_1及び層108_3は、Mの原子数比がInの原子数比以上である領域を有すると好ましい。
なお、層108_1、108_3が、元素MをIn以上の原子数比で有することで、以下の効果を有する場合がある。(1)エネルギーギャップが大きくなる。(2)電子親和力が小さくなる。(3)外部からの不純物を遮蔽する。(4)絶縁性が高くなる。また、元素Mは酸素との結合力が強い金属元素であるため、MをIn以上の原子数比で有することで、酸素欠損が生じにくくなる。
また、層108_1、108_3が有する元素Mの原子数は、層108_2が有する元素Mの原子数以上であることが好ましい。代表的には、層108_2が有する元素Mと比較して、層108_1、108_3が有する元素Mの原子数比は、1.5倍以上が好ましく、より好ましくは2倍以上である。
また、層108_2が有するInの原子数は、層108_1、108_3が有するInの原子数以上であることが好ましい。代表的には、層108_1または層108_3が有する元素Inと比較して、層108_2が有する元素Inの原子数比は、1.5倍以上が好ましく、より好ましくは2倍以上である。このとき、層108_2は、トランジスタ150、150Aにおけるチャネル領域としての機能を有することができる。また、当該構成によってトランジスタ150、150Aにおいてはオン電流が増大し、電界効果移動度が高まる効果が期待できる。なお、電界効果移動度が高いトランジスタにおいて、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオン特性ともいう)になることがある。これは、当該トランジスタが有する酸化物半導体膜に含まれる酸素欠損に起因して電荷が生じ、低抵抗化するためである。トランジスタがノーマリーオン特性を有すると、動作時に動作不良が発生しやすくなる、または非動作時の消費電力が高くなるなどの、様々な問題が生じる。そのため、層108_2としては、不純物や欠陥(酸素欠損など)が少ない、後述のCAAC−OSであることが好ましい。
<1−2.バンド構造>
次に、図1に示すトランジスタ150、及び図2に示すトランジスタ150Aにおける酸化物半導体膜、及び当該酸化物半導体膜に接する絶縁膜のバンド構造について、図8を用いて説明する。
図8(A)は、絶縁膜104、層108_2、層108_3、及び絶縁膜110の膜厚方向のバンド構造であり、図8(B)は、絶縁膜104、層108_1、層108_2、層108_3、及び絶縁膜110の膜厚方向のバンド構造である。なお、バンド構造は、理解を容易にするため絶縁膜104、層108_1、108_2、108_3、及び絶縁膜110の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)を示す。
また、ここでは、絶縁膜104及び絶縁膜110として酸化シリコン膜を用い、層108_1として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:1:1.2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、層108_2として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=4:2:4.1の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用い、層108_3として金属元素の原子数比をIn:Ga:Zn=1:1:1.2の金属酸化物ターゲットを用いて形成される酸化物半導体膜を用いる。
図8(A)(B)に示すように、層108_1、層108_2、及び層108_3において、伝導帯下端のエネルギーは障壁がなく、なだらかに変化する。換言すると、連続的に変化する、または連続接合する、ともいうことができる。そのため、このようなエネルギーバンドを埋め込みチャネル構造ともいう。
これは層108_1と層108_2と層108_3とが共通の元素を有し、層108_1と層108_2と層108_3との間で、酸素が相互に移動することで、混合層が形成されるためである。また、このようなバンド構造を有するためには、層108_1と層108_2との界面、あるいはそう108_2と層108_3との界面において、トラップ中心や再結合中心のような欠陥準位を形成する不純物が存在しないような積層構造とする。
なお、連続接合が形成されず、層108_1と層108_2との界面、または層108_2と層108_3との界面に不純物が混在すると、エネルギーバンドの連続性が失われ、界面でキャリアがトラップされ、あるいは再結合して、消滅してしまう。
連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えてマルチチャンバー方式の成膜装置(スパッタリング装置)を用いて各膜を大気に触れさせることなく連続して積層することが好ましい。スパッタリング装置における各チャンバーは、酸化物半導体膜にとって、不純物となる水等を可能な限り除去すべくクライオポンプのような吸着式の真空ポンプを用いて高真空(5×10−7Pa乃至1×10−4Pa程度まで)排気することが好ましい。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系統からチャンバー内に気体、特に炭素または水素を有する気体が逆流しないようにしておくことが好ましい。
図8(A)(B)に示す構成とすることで、層108_2がウェル(井戸)となり、層108_2、及び層108_3を有するトランジスタ150、並びに層108_1、層108_2、及び層108_3を有するトランジスタ150Aにおいて、チャネル領域が層108_2に形成されることが分かる。
トランジスタ150においては、層108_3と絶縁膜110との界面近傍に、不純物または欠陥に起因したトラップ準位が形成されても、層108_3が設けられることによって、層108_2とトラップ準位が形成される領域とを遠ざけることができる。また、トランジスタ150Aにおいては、層108_1と絶縁膜104との界面近傍、及び層108_3と絶縁膜110との界面近傍に、不純物または欠陥に起因したトラップ準位が形成されても、層108_1、108_3が設けられることによって、層108_2とトラップ準位が形成される領域とを遠ざけることができる。
ただし、トラップ準位のエネルギー準位が、チャネル領域として機能する層108_2の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)より低くなる場合、トラップ準位に電子が捕捉されやすくなる。トラップ準位に電子が捕獲され蓄積されることで、絶縁膜表面にマイナスの固定電荷が生じ、トランジスタのしきい値電圧がプラス方向にシフトしてしまう。したがって、トラップ準位のエネルギー準位が、層108_2の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)より高くなるような構成とすると好ましい。このようにすることで、トラップ準位に電子が蓄積しにくくなり、トランジスタのオン電流を増大させることが可能であると共に、電界効果移動度を高めることができる。また、トランジスタのしきい値電圧の変動が低減され、安定した電気特性となるため好適である。
また、層108_1及び層108_3がチャネル領域の一部として機能することを防止するため、層108_1及び層108_3には層108_2より導電率が低い材料を用いると好ましい。そのため、層108_1、108_3を、その物性及び/または機能から、それぞれ酸化物絶縁膜とも呼べる。また、層108_1、108_3には、電子親和力(真空準位と伝導帯下端のエネルギー準位との差)が層108_2よりも小さく、伝導帯下端のエネルギー準位が層108_2の伝導帯下端エネルギー準位と差分(バンドオフセット)を有する材料を用いると好ましい。また、ドレイン電圧の大きさに依存したしきい値電圧の差が生じることを抑制するためには、層108_1、108_3の伝導帯下端のエネルギー準位が、層108_2の伝導帯下端のエネルギー準位よりも0.2eVより真空準位に近い材料、好ましくは0.5eV以上真空準位に近い材料を適用することが好ましい。
このような構成を有することで、チャネル領域108iの中でも、層108_2が主な電流経路となる。すなわち、層108_2は、チャネル領域としての機能を有し、層108_1、108_3は、酸化物絶縁膜としての機能を有する。また、層108_1、108_3は、チャネル領域が形成される層108_2を構成する金属元素の一種以上から構成される酸化物半導体膜であるため、層108_1と層108_2との界面、または層108_2と層108_3との界面において、界面散乱が起こりにくい。従って、該界面においてはキャリアの動きが阻害されないため、トランジスタの電界効果移動度が高くなる。
<1−3.第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜>
次に、第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜について、説明する。第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜112は、絶縁膜110に酸素を供給する機能を有する。酸化物半導体膜112が、絶縁膜110に酸素を供給する機能を有することで、絶縁膜110は、過剰酸素領域を有する。絶縁膜110が過剰酸素領域を有することで、酸化物半導体膜108、より具体的にはチャネル領域108i中に当該過剰酸素を供給することができる。よって、チャネル領域108iの酸素欠損が過剰酸素により補填されることで、信頼性の高い半導体装置とすることができる。
なお、酸化物半導体膜108中に過剰酸素を供給させるためには、酸化物半導体膜108の下方に形成される絶縁膜104に過剰酸素を供給してもよい。また、酸化物半導体膜108の上方に形成される絶縁膜110に過剰酸素を有する構成とし、絶縁膜110を介してソース領域108s、及びドレイン領域108dに不純物を添加することで、チャネル領域108i、ソース領域108s、及びドレイン領域108dに過剰酸素を供給させたのち、ソース領域108s、及びドレイン領域108dのキャリア密度を選択的に高めることができる。
また、絶縁膜116は、窒素または水素のいずれか一方または双方を有する。絶縁膜116が窒素または水素のいずれか一方または双方を有する構成とすることで、酸化物半導体膜112に窒素または水素のいずれか一方または双方を供給することができる。
なお、酸化物半導体膜112は、絶縁膜110に酸素を供給したのち、絶縁膜116から窒素または水素のいずれか一方または双方が供給されることで、キャリア密度が高くなる。別言すると、酸化物半導体膜112は、酸化物導電体(OC:Oxide Conductor)としての機能も有する。したがって、酸化物半導体膜112は、酸化物半導体膜108よりもキャリア密度が高くなり、第2のゲート電極として機能することができる。
また、酸化物半導体膜108が有するソース領域108s、及びドレイン領域108d、並びに酸化物半導体膜112は、それぞれ、酸素欠損を形成する元素を有していてもよい。上記酸素欠損を形成する元素としては、代表的には水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。
不純物元素が酸化物半導体膜に添加されると、酸化物半導体膜中の金属元素と酸素の結合が切断され、酸素欠損が形成される。または、不純物元素が酸化物半導体膜に添加されると、酸化物半導体膜中の金属元素と結合していた酸素が不純物元素と結合し、金属元素から酸素が脱離され、酸素欠損が形成される。これらの結果、酸化物半導体膜においてキャリア密度が増加し、導電性が高くなる。
以上のように、本発明の一態様の半導体装置においては、チャネル領域となる酸化物半導体膜の側面を覆い、且つチャネル領域の上方に形成される絶縁膜に、第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜により、過剰酸素を含有させる。このような構成とすることで、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
<1−4.s−channel構造>
次に、s−channel構造について、説明する。
酸化物半導体膜108は、図1(C)に示すように、第1のゲート電極として機能する導電膜106と、第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜112のそれぞれと対向するように位置し、2つのゲート電極として機能する導電膜または酸化物半導体膜に挟まれている。
また、酸化物半導体膜112のチャネル幅(W)方向の長さは、酸化物半導体膜108のチャネル幅(W)方向の長さよりも長く、酸化物半導体膜108のチャネル幅(W)方向全体は、絶縁膜110を介して酸化物半導体膜112に覆われている。また、酸化物半導体膜112と導電膜106とは、絶縁膜104、層108_3及び絶縁膜110に設けられる開口部143において接続されるため、酸化物半導体膜108のチャネル幅(W)方向の側面の一方は、絶縁膜110を介して酸化物半導体膜112と対向している。
別言すると、トランジスタ150のチャネル幅(W)方向において、導電膜106及び酸化物半導体膜112は、絶縁膜104、層108_3、及び絶縁膜110に設けられる開口部143において接続すると共に、絶縁膜104、層108_3、及び絶縁膜110を介して酸化物半導体膜108を取り囲む構成である。
このような構成を有することで、トランジスタ150に含まれる酸化物半導体膜108を、第1のゲート電極として機能する導電膜106及び第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜112の電界によって電気的に取り囲むことができる。トランジスタ150のように、第1のゲート電極及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル領域が形成される酸化物半導体膜を電気的に取り囲むトランジスタのデバイス構造をsurrounded channel(s−channel)構造と呼ぶことができる。
トランジスタ150は、s−channel構造を有するため、導電膜106または酸化物半導体膜112によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に酸化物半導体膜108に印加することができるため、トランジスタ150の電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタ150を微細化することが可能となる。また、トランジスタ150は、導電膜106、及び酸化物半導体膜112によって取り囲まれた構造を有するため、トランジスタ150の機械的強度を高めることができる。
なお、トランジスタ150のチャネル幅(W)方向において、開口部143が形成されていない酸化物半導体膜108の側面側に、開口部143と異なる開口部を形成してもよい。あるいは、開口部143を設けない構成としてもよい。その場合の一例を図7(A)(B)(C)に示す。図7(A)は、トランジスタ170の上面図であり、図7(B)は図7(A)の一点鎖線X1−X2間の断面図であり、図7(C)は図7(A)の一点鎖線Y1−Y2間の断面図である。
また、トランジスタ150に示すように、トランジスタが、半導体膜を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有している場合、一方のゲート電極には信号Aが、他方のゲート電極には固定電位Vbが与えられてもよい。また、一方のゲート電極には信号Aが、他方のゲート電極には信号Bが与えられてもよい。また、一方のゲート電極には固定電位Vaが、他方のゲート電極には固定電位Vbが与えられてもよい。
信号Aは、例えば、導通状態または非導通状態を制御するための信号である。信号Aは、電位V1、または電位V2(V1>V2とする)の2種類の電位をとるデジタル信号であってもよい。例えば、電位V1を高電源電位とし、電位V2を低電源電位とすることができる。信号Aは、アナログ信号であってもよい。
固定電位Vbは、例えば、トランジスタの一方のゲート電極からみたしきい値電圧VthAを制御するための電位である。固定電位Vbは、電位V1、または電位V2であってもよい。この場合、特別な電位発生回路は不要である。固定電位Vbは、電位V1、または電位V2と異なる電位であってもよい。固定電位Vbを低くすることで、しきい値電圧VthAを高くできる場合がある。その結果、ゲートーソース間電圧Vgsが0Vのときのドレイン電流を低減し、トランジスタを有する回路のリーク電流を低減できる場合がある。例えば、固定電位Vbを低電源電位よりも低くしてもよい。固定電位Vbを高くすることで、しきい値電圧VthAを低くできる場合がある。その結果、ゲートーソース間電圧VgsがVDDのときのドレイン電流を向上させ、トランジスタを有する回路の動作速度を向上できる場合がある。例えば、固定電位Vbを低電源電位よりも高くしてもよい。
信号Bは、例えば、導通状態または非導通状態を制御するための信号である。信号Bは、電位V3、または電位V4(V3>V4とする)の2種類の電位をとるデジタル信号であってもよい。例えば、電位V3を高電源電位とし、電位V4を低電源電位とすることができる。信号Bは、アナログ信号であってもよい。
信号Aと信号Bが共にデジタル信号である場合、信号Bは、信号Aと同じデジタル値を持つ信号であってもよい。この場合、トランジスタのオン電流を向上し、トランジスタを有する回路の動作速度を向上できる場合がある。このとき、信号Aにおける電位V1及び電位V2は、信号Bにおける電位V3及び電位V4と、異なっていても良い。例えば、信号Bが入力されるゲートに対応するゲート絶縁膜が、信号Aが入力されるゲートに対応するゲート絶縁膜よりも厚い場合、信号Bの電位振幅(V3−V4)を、信号Aの電位振幅(V1−V2)より大きくしても良い。そうすることで、トランジスタの導通状態または非導通状態に対して、信号Aが与える影響と、信号Bが与える影響と、を同程度とすることができる場合がある。
信号Aと信号Bが共にデジタル信号である場合、信号Bは、信号Aと異なるデジタル値を持つ信号であってもよい。この場合、トランジスタの制御を信号Aと信号Bによって別々に行うことができ、より高い機能を実現できる場合がある。例えば、トランジスタがnチャネル型である場合、信号Aが電位V1であり、かつ、信号Bが電位V3である場合のみ導通状態となる場合や、信号Aが電位V2であり、かつ、信号Bが電位V4である場合のみ非導通状態となる場合には、一つのトランジスタでNAND回路やNOR回路等の機能を実現できる場合がある。また、信号Bは、しきい値電圧VthAを制御するための信号であってもよい。例えば、信号Bは、トランジスタを有する回路が動作している期間と、当該回路が動作していない期間と、で電位が異なる信号であっても良い。信号Bは、回路の動作モードに合わせて電位が異なる信号であってもよい。この場合、信号Bは信号Aほど頻繁には電位が切り替わらない場合がある。
信号Aと信号Bが共にアナログ信号である場合、信号Bは、信号Aと同じ電位のアナログ信号、信号Aの電位を定数倍したアナログ信号、または、信号Aの電位を定数だけ加算もしくは減算したアナログ信号等であってもよい。この場合、トランジスタのオン電流が向上し、トランジスタを有する回路の動作速度を向上できる場合がある。信号Bは、信号Aと異なるアナログ信号であってもよい。この場合、トランジスタの制御を信号Aと信号Bによって別々に行うことができ、より高い機能を実現できる場合がある。
信号Aがデジタル信号であり、信号Bがアナログ信号であってもよい。または信号Aがアナログ信号であり、信号Bがデジタル信号であってもよい。
トランジスタの両方のゲート電極に固定電位を与える場合、トランジスタを、抵抗素子と同等の素子として機能させることができる場合がある。例えば、トランジスタがnチャネル型である場合、固定電位Vaまたは固定電位Vbを高く(低く)することで、トランジスタの実効抵抗を低く(高く)することができる場合がある。固定電位Va及び固定電位Vbを共に高く(低く)することで、一つのゲートしか有さないトランジスタによって得られる実効抵抗よりも低い(高い)実効抵抗が得られる場合がある。
<1−5.半導体装置の構成要素>
次に、図1(A)(B)(C)に示す半導体装置の構成要素の詳細について説明する。
[基板]
基板102としては、様々な基板を用いることができ、特定のものに限定されることはない。基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板またはシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、または基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、またはソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の合成樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、または紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、またはSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、または形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、または回路の高集積化を図ることができる。
また、基板102として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタを形成してもよい。または、基板102とトランジスタの間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板102より分離し、他の基板に転載するのに用いることができる。その際、トランジスタを耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成、または基板上にポリイミド等の有機樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
トランジスタが転載される基板の一例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、またはゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、または薄型化を図ることができる。
[第1のゲート絶縁膜]
絶縁膜104としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、印刷法、塗布法等を適宜用いて形成することができる。また、絶縁膜104としては、例えば、酸化物絶縁膜または窒化物絶縁膜を単層または積層して形成することができる。なお、酸化物半導体膜108との界面特性を向上させるため、絶縁膜104において少なくとも酸化物半導体膜108と接する領域は酸化物絶縁膜で形成することが好ましい。また、絶縁膜104として加熱により酸素を放出する酸化物絶縁膜を用いることで、加熱処理により絶縁膜104に含まれる酸素を、酸化物半導体膜108に移動させることが可能である。
絶縁膜104の厚さは、50nm以上、または100nm以上3000nm以下、または200nm以上1000nm以下とすることができる。絶縁膜104を厚くすることで、絶縁膜104の酸素放出量を増加させることができると共に、絶縁膜104と酸化物半導体膜108との界面における界面準位、並びに酸化物半導体膜108のチャネル領域108iに含まれる酸素欠損を低減することが可能である。
絶縁膜104として、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn酸化物などを用いればよく、単層または積層で設けることができる。本実施の形態では、絶縁膜104として、窒化シリコン膜と、酸化窒化シリコン膜との積層構造を用いる。このように、絶縁膜104を積層構造として、下層側に窒化シリコン膜を用い、上層側に酸化窒化シリコン膜を用いることで、酸化物半導体膜108中に効率よく酸素を導入することができる。
[酸化物半導体膜]
酸化物半導体膜108、及び酸化物半導体膜112は、先に示す材料を用いることができる。また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜112のいずれか一方または双方は、In−M−Zn酸化物(MはAl、Ga、Y、またはSn)等の金属酸化物で形成される。また、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜112として、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物を用いてもよい。とくに、酸化物半導体膜108と、酸化物半導体膜112とは、同じ構成元素からなる金属酸化物で形成されると、製造コストを低減できるため好ましい。
なお、酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜112がIn−M−Zn酸化物の場合、InとMの原子数比率は、In及びMの和を100atomic%としたときInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、またはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。
酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜112は、エネルギーギャップが2eV以上、または2.5eV以上、または3eV以上であると好ましい。
酸化物半導体膜108の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上60nm以下である。また、酸化物半導体膜112の厚さは、5nm以上500nm以下、好ましくは10nm以上300nm以下、さらに好ましくは20nm以上100nm以下である。
酸化物半導体膜108、及び酸化物半導体膜112がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:1.5、In:M:Zn=2:1:2.3、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:7等が好ましい。なお、成膜される酸化物半導体膜108、及び酸化物半導体膜112の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%程度変動することがある。例えば、スパッタリングターゲットとして、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1を用いる場合、成膜される酸化物半導体膜原子数比は、In:Ga:Zn=4:2:3近傍となる場合がある。
また、酸化物半導体膜108、及び酸化物半導体膜112において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損が増加し、n型となる場合がある。このため、酸化物半導体膜108、特にチャネル領域108iにおいて、シリコンあるいは炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、または2×1017atoms/cm3以下とすることができる。この結果、トランジスタは、しきい値電圧がプラスとなる電気特性(ノーマリーオフ特性ともいう。)を有する。
また、チャネル領域108iにおいて、二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、または2×1016atoms/cm3以下とすることができる。アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、チャネル領域108iのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。この結果、トランジスタは、しきい値電圧がプラスとなる電気特性(ノーマリーオフ特性ともいう。)を有する。
また、チャネル領域108iに窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型となる場合がある。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体膜を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、チャネル領域108iにおいて、窒素はできる限り低減されていることが好ましい。例えば、二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度を、5×1018atoms/cm3以下とすればよい。
また、チャネル領域108iにおいて、不純物元素を低減することで、酸化物半導体膜のキャリア密度を低減することができる。このため、チャネル領域108iにおいては、キャリア密度を1×1017個/cm3以下、または1×1015個/cm3以下、または1×1013個/cm3以下、または1×1011個/cm3以下とすることができる。
チャネル領域108iとして、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜を用いることで、さらに優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができる。ここでは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。あるいは、真性、または実質的に真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる場合がある。従って、当該酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、しきい値電圧がプラスとなる電気特性(ノーマリーオフ特性ともいう。)になりやすい。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、オフ電流が著しく小さい特性を得ることができる。従って、当該酸化物半導体膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる場合がある。
また、ソース領域108s、及びドレイン領域108dは、不純物元素を有する。ソース領域108s、及びドレイン領域108dが不純物元素を有することで、キャリア密度が高くなる。また、酸化物半導体膜112は、絶縁膜116と接する。酸化物半導体膜112が絶縁膜116と接することで、絶縁膜116から酸化物半導体膜112に水素及び窒素のいずれか一方または双方が添加されるため、キャリア密度が高くなる。
また、酸化物半導体膜108、及び酸化物半導体膜112のいずれか一方または双方は、非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、後述するCAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、後述する微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
なお、酸化物半導体膜108が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、及び単結晶構造の領域の二種以上を有する単層膜、あるいはこの膜が積層された構造であってもよい。また、酸化物半導体膜112が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、及び単結晶構造の領域の二種以上を有する単層膜、あるいはこの膜が積層された構造であってもよい。
なお、酸化物半導体膜108において、チャネル領域108iと、ソース領域108s及びドレイン領域108dとの結晶性が異なる場合がある。具体的には、酸化物半導体膜108において、チャネル領域108iよりもソース領域108s及びドレイン領域108dの方が、結晶性が低い場合がある。これは、ソース領域108s及びドレイン領域108dに不純物元素が添加された際に、ソース領域108s及びドレイン領域108dにダメージが入ってしまい、結晶性が低下するためである。
[第2のゲート絶縁膜]
絶縁膜110は、酸化物絶縁膜または窒化物絶縁膜を単層または積層して形成することができる。なお、酸化物半導体膜108との界面特性を向上させるため、絶縁膜110において少なくとも酸化物半導体膜108と接する領域は酸化物絶縁膜を用いて形成することが好ましい。絶縁膜110として、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn酸化物などを用いればよく、単層または積層で設けることができる。
また、絶縁膜110として、酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する絶縁膜を設けることで、酸化物半導体膜108からの酸素の外部への拡散と、外部から酸化物半導体膜108への水素、水等の侵入を防ぐことができる。酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する絶縁膜としては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等がある。
また、絶縁膜110として、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSixOyNz)、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAlxOyNz)、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどのhigh−k材料を用いることでトランジスタのゲートリークを低減できる。
また、絶縁膜110として、加熱により酸素を放出する酸化物絶縁膜を用いることで、加熱処理により絶縁膜110に含まれる酸素を、酸化物半導体膜108に移動させることが可能である。
絶縁膜110の厚さは、5nm以上400nm以下、または5nm以上300nm以下、または10nm以上250nm以下とすることができる。
[第1の絶縁膜]
絶縁膜116は、窒素または水素のいずれか一方または双方を有する。絶縁膜116としては、例えば、窒化物絶縁膜が挙げられる。該窒化物絶縁膜としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等を用いて形成することができる。絶縁膜116に含まれる水素濃度は、1×1022atoms/cm3以上であると好ましい。また、絶縁膜116は、酸化物半導体膜112と接する。したがって、絶縁膜116と接する酸化物半導体膜112中の水素濃度が高くなり、酸化物半導体膜112のキャリア密度を高めることができる。
[第2の絶縁膜]
絶縁膜118としては、酸化物絶縁膜または窒化物絶縁膜を単層または積層して形成することができる。絶縁膜118として、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn酸化物などを用いればよく、単層または積層で設けることができる。
また、絶縁膜118としては、外部からの水素、水等のバリア膜として機能する膜であることが好ましい。
絶縁膜118の厚さは、30nm以上500nm以下、または100nm以上400nm以下とすることができる。
[導電膜]
導電膜120a、120bとしては、スパッタリング法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、熱CVD法等を用いて形成することができる。また、導電膜120a、120bとしては、例えば、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、ニッケル、鉄、コバルト、タングステンから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、マンガン、ジルコニウムのいずれか一または複数から選択された金属元素を用いてもよい。また、導電膜120a、120bは、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、マンガンを含む銅膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、マンガンを含む銅膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造、マンガンを含む銅膜上に銅膜を積層し、さらにその上にマンガンを含む銅膜を形成する三層構造等がある。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた一または複数を組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。
また、導電膜120a、120bは、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを含むインジウム錫酸化物(In−Sn−Si酸化物:ITSOともいう)等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
導電膜120a、120bの厚さとしては、30nm以上500nm以下、または100nm以上400nm以下とすることができる。
<1−6.半導体装置の構成例2>
次に、図1(A)(B)(C)に示す半導体装置と異なる構成について、図3(A)(B)(C)を用いて説明する。
図3(A)は、トランジスタ150Bの上面図であり、図3(B)は図3(A)の一点鎖線X1−X2間の断面図であり、図3(C)は図3(A)の一点鎖線Y1−Y2間の断面図である。
トランジスタ150Bは、先に示すトランジスタ150Aと、層108_3の構成が異なる。それ以外の構成については、トランジスタ150Aと同様の構成であり、同様の効果を奏する。
トランジスタ150Bが有する層108_3は、第2のゲート電極として機能する酸化物半導体膜112と、上面図において、同様の形状を有する。すなわち、層108_3と、酸化物半導体膜112とは、同じマスクを用いて形成されている。例えば、層108_3を形成したのち、酸化物半導体膜112と同じマスクを用いて、層108_3を加工することで、トランジスタ150Bの構造とすることができる。
<1−7.半導体装置の構成例3>
次に、図1(A)(B)(C)、図2(A)(B)(C)、及び図3(A)(B)(C)に示す半導体装置と異なる構成について、図4(A)(B)(C)、図5(A)(B)(C)、及び図6(A)(B)(C)を用いて説明する。
図4(A)は、トランジスタ160の上面図であり、図4(B)は図4(A)の一点鎖線X1−X2間の断面図であり、図4(C)は図4(A)の一点鎖線Y1−Y2間の断面図である。図5(A)は、トランジスタ160Aの上面図であり、図5(B)は図5(A)の一点鎖線X1−X2間の断面図であり、図5(C)は図5(A)の一点鎖線Y1−Y2間の断面図である。図6(A)は、トランジスタ160Bの上面図であり、図6(B)は図6(A)の一点鎖線X1−X2間の断面図であり、図6(C)は図6(A)の一点鎖線Y1−Y2間の断面図である。
トランジスタ160、160A、160Bは、それぞれ先に示すトランジスタ150、150A、150Bと、絶縁膜117を有する点が異なる。それ以外の構成については、先に示すトランジスタと同様であり、同様の効果を奏する。
絶縁膜117は、絶縁膜116に用いる材料を用いて形成することができる。例えば、絶縁膜117を酸化物半導体膜112上に形成することで、不純物元素の添加処理の際に、酸化物半導体膜112の下方に位置する絶縁膜110、及びチャネル領域108iに拡散する不純物を抑制することができる。
このように、本発明の一態様のトランジスタにおいては、先に説明するトランジスタを適宜組み合わせて用いてもよい。
<1−8.半導体装置の作製方法>
次に、図1に示すトランジスタ150の作製方法の一例について、図9乃至図12を用いて説明する。なお、図9乃至図12は、トランジスタ150の作製方法を説明するチャネル長(L)方向、及びチャネル幅(W)方向の断面図である。
まず、基板102上に導電膜106を形成する。次に、基板102、及び導電膜106上に絶縁膜104を形成し、絶縁膜104上に酸化物半導体膜を形成する。その後、当該酸化物半導体膜を島状に加工することで、層108_2を形成する(図9(A)参照)。
本実施の形態においては、導電膜106として、厚さ100nmのタングステン膜をスパッタリング法により形成する。
絶縁膜104としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、印刷法、塗布法等を適宜用いて形成することができる。本実施の形態においては、絶縁膜104として、PECVD装置を用い、厚さ400nmの窒化シリコン膜と、厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜とを形成する。
また、絶縁膜104を形成した後、絶縁膜104に酸素を添加してもよい。絶縁膜104に添加する酸素としては、酸素ラジカル、酸素原子、酸素原子イオン、酸素分子イオン等がある。また、添加方法としては、イオンドーピング法、イオン注入法、プラズマ処理法等がある。また、絶縁膜上に酸素の脱離を抑制する膜を形成した後、該膜を介して絶縁膜104に酸素を添加してもよい。
上述の酸素の脱離を抑制する膜として、インジウム、亜鉛、ガリウム、錫、アルミニウム、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、ニッケル、鉄、コバルト、タングステンから選ばれた金属元素、上述した金属元素を成分とする合金、上述した金属元素を組み合わせた合金、上述した金属元素を有する金属窒化物、上述した金属元素を有する金属酸化物、上述した金属元素を有する金属窒化酸化物等の導電性を有する材料を用いて形成することができる。
また、プラズマ処理で酸素の添加を行う場合、マイクロ波で酸素を励起し、高密度な酸素プラズマを発生させることで、絶縁膜104への酸素添加量を増加させることができる。
層108_2としては、スパッタリング法、塗布法、パルスレーザー蒸着法、レーザーアブレーション法、熱CVD法等により形成することができる。なお、層108_2への加工には、酸化物半導体膜上にリソグラフィ工程によりマスクを形成した後、該マスクを用いて酸化物半導体膜の一部をエッチングすること形成することができる。また、印刷法を用いて、素子分離された層108_2を、絶縁膜104上に直接形成してもよい。
スパッタリング法で酸化物半導体膜を形成する場合、プラズマを発生させるための電源装置は、RF電源装置、AC電源装置、DC電源装置等を適宜用いることができる。また、酸化物半導体膜を形成する場合のスパッタリングガスは、希ガス(代表的にはアルゴン)、酸素、希ガス及び酸素の混合ガスを適宜用いる。なお、希ガス及び酸素の混合ガスの場合、希ガスに対して酸素のガス比を高めることが好ましい。
なお、酸化物半導体膜を形成する際に、例えば、スパッタリング法を用いる場合、基板温度を150℃以上750℃以下、または150℃以上450℃以下、または200℃以上350℃以下として、酸化物半導体膜を成膜することで、結晶性を高めることができるため好ましい。
なお、本実施の形態においては、層108_2として、スパッタリング装置を用い、スパッタリングターゲットとしてIn−Ga−Zn金属酸化物(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いて、膜厚30nmの酸化物半導体膜を成膜する。
また、層108_2を形成した後、加熱処理を行い、層108_2の脱水素化または脱水化をしてもよい。加熱処理の温度は、代表的には、150℃以上基板歪み点未満、または250℃以上450℃以下、または300℃以上450℃以下である。
加熱処理は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン等の希ガス、または窒素を含む不活性ガス雰囲気で行うことができる。または、不活性ガス雰囲気で加熱した後、酸素雰囲気で加熱してもよい。なお、上記不活性雰囲気及び酸素雰囲気に水素、水などが含まれないことが好ましい。処理時間は3分以上24時間以下とすればよい。
該加熱処理は、電気炉、RTA装置等を用いることができる。RTA装置を用いることで、短時間に限り、基板の歪み点以上の温度で熱処理を行うことができる。そのため加熱処理時間を短縮することができる。
酸化物半導体膜を加熱しながら成膜する、または酸化物半導体膜を形成した後、加熱処理を行うことで、酸化物半導体膜において、二次イオン質量分析法により得られる水素濃度を5×1019atoms/cm3以下、または1×1019atoms/cm3以下、5×1018atoms/cm3以下、または1×1018atoms/cm3以下、または5×1017atoms/cm3以下、または1×1016atoms/cm3以下とすることができる。
なお、層108_2を形成する工程において、積層構造の酸化物半導体膜を形成し、当該積層構造の酸化物半導体膜を島状に加工し、層108_1と、層108_2と、を形成することで、先に説明したトランジスタ150Aを形成することができる。
次に、絶縁膜104、層108_2上に層108_3、及び絶縁膜110_0を形成する(図9(B)参照)。
層108_3としては、層108_2の側面を覆うように形成する。なお、層108_3としては、先に記載の層108_2と、同様の材料及び同様の手法にて形成することができる。
本実施の形態においては、層108_3として、スパッタリング装置を用い、スパッタリングターゲットとしてIn−Ga−Zn金属酸化物(In:Ga:Zn=1:3:4[原子数比])を用いて、膜厚5nmの酸化物半導体膜を成膜する。
また、絶縁膜110_0としては、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を、PECVD法を用いて形成することができる。この場合、原料ガスとしては、シリコンを含む堆積性気体及び酸化性気体を用いることが好ましい。シリコンを含む堆積性気体の代表例としては、シラン、ジシラン、トリシラン、フッ化シラン等がある。酸化性気体としては、酸素、オゾン、一酸化二窒素、二酸化窒素等がある。
また、絶縁膜110_0として、堆積性気体に対する酸化性気体を20倍より大きく100倍未満、または40倍以上80倍以下とし、処理室内の圧力を100Pa未満、または50Pa以下とするPECVD法を用いることで、欠陥量の少ない酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
また、絶縁膜110_0として、PECVD装置の真空排気された処理室内に載置された基板を280℃以上400℃以下に保持し、処理室に原料ガスを導入して処理室内における圧力を20Pa以上250Pa以下、さらに好ましくは100Pa以上250Pa以下とし、処理室内に設けられる電極に高周波電力を供給する条件により、絶縁膜110_0として、緻密である酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
また、絶縁膜110_0を、マイクロ波を用いたプラズマCVD法を用いて形成してもよい。マイクロ波とは300MHzから300GHzの周波数域を指す。マイクロ波において、電子温度が低く、電子エネルギーが小さい。また、供給された電力において、電子の加速に用いられる割合が少なく、より多くの分子の解離及び電離に用いられることが可能であり、密度の高いプラズマ(高密度プラズマ)を励起することができる。このため、被成膜面及び堆積物へのプラズマダメージが少なく、欠陥の少ない絶縁膜110_0を形成することができる。
また、絶縁膜110_0を、有機シランガスを用いたCVD法を用いて形成することができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)などのシリコン含有化合物を用いることができる。有機シランガスを用いたCVD法を用いることで、被覆性の高い絶縁膜110_0を形成することができる。
本実施の形態では絶縁膜110_0として、PECVD装置を用い、厚さ100nmの酸化窒化シリコン膜を形成する。
次に、絶縁膜110_0上の所望の位置に、リソグラフィによりマスクを形成した後、絶縁膜110_0、層108_3、及び絶縁膜104の一部をエッチングすることで、導電膜106に達する開口部143を形成する(図9(C)参照)。
開口部143の形成方法としては、ウエットエッチング法及び/またはドライエッチング法を適宜用いることができる。本実施の形態においては、ドライエッチング法を用い、開口部143を形成する。
次に、開口部143を覆うように、絶縁膜110_0上に酸化物半導体膜112_0を形成する。なお、酸化物半導体膜112_0の形成時において、酸化物半導体膜112_0から絶縁膜110_0中に酸素が添加される(図9(D)参照)。
なお、図9(D)において、絶縁膜110_0中に添加される酸素を矢印で模式的に表している。また、開口部143を覆うように、酸化物半導体膜112_0を形成することで、導電膜106と、酸化物半導体膜112_0とが電気的に接続される。
酸化物半導体膜112_0の形成方法としては、スパッタリング法を用い、形成時に酸素ガスを含む雰囲気で形成すると好ましい。形成時に酸素ガスを含む雰囲気で酸化物半導体膜112_0を形成することで、絶縁膜110_0中に酸素を好適に添加することができる。
なお、図9(D)において、絶縁膜110_0中に添加される酸素を矢印で模式的に表している。また、酸化物半導体膜112_0としては、先に記載の層108_2と同様の材料を用いることができる。
本実施の形態においては、酸化物半導体膜112_0として、スパッタリング装置を用い、スパッタリングターゲットとしてIn−Ga−Zn金属酸化物(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いて、膜厚100nmの酸化物半導体膜を成膜する。
次に、酸化物半導体膜112_0上の所望の位置に、リソグラフィ工程によりマスク140を形成する(図10(A)参照)。
次に、マスク140上から、エッチングを行い、酸化物半導体膜112_0を加工したのち、マスク140を除去することで、島状の酸化物半導体膜112を形成する(図10(B)参照)。
酸化物半導体膜112_0の加工としては、例えば、ウエットエッチング法、またはドライエッチング法を用いて行えばよい。本実施の形態においては、酸化物半導体膜112_0の加工としては、ドライエッチング法を用いて行う。
次に、絶縁膜110、及び酸化物半導体膜112上から、不純物元素145の添加を行う(図10(C)参照)。
不純物元素145の添加方法としては、イオンドーピング法、イオン注入法、プラズマ処理法等がある。プラズマ処理法の場合、添加する不純物元素を含むガス雰囲気にてプラズマを発生させて、プラズマ処理を行うことによって、不純物元素を添加することができる。上記プラズマを発生させる装置としては、ドライエッチング装置、アッシング装置、プラズマCVD装置、高密度プラズマCVD装置等を用いることができる。
なお、不純物元素145の原料ガスとして、B2H6、PH3、CH4、N2、NH3、AlH3、AlCl3、SiH4、Si2H6、F2、HF、H2及び希ガスの一以上を用いることができる。または、希ガスで希釈されたB2H6、PH3、N2、NH3、AlH3、AlCl3、F2、HF、及びH2の一以上を用いることができる。希ガスで希釈されたB2H6、PH3、N2、NH3、AlH3、AlCl3、F2、HF、及びH2の一以上を用いて不純物元素145を層108_2及び酸化物半導体膜112に添加することで、希ガス、水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、及び塩素の一以上を層108_2及び酸化物半導体膜112に添加することができる。
または、希ガスを添加した後、B2H6、PH3、CH4、N2、NH3、AlH3、AlCl3、SiH4、Si2H6、F2、HF、及びH2の一以上を層108_2及び酸化物半導体膜112に添加してもよい。
または、B2H6、PH3、CH4、N2、NH3、AlH3、AlCl3、SiH4、Si2H6、F2、HF、及びH2の一以上を添加した後、希ガスを層108_2及び酸化物半導体膜112に添加してもよい。
不純物元素145の添加は、加速電圧、ドーズ量などの注入条件を適宜設定して制御すればよい。例えば、イオン注入法でアルゴンの添加を行う場合、加速電圧10kV以上100kV以下、ドーズ量は1×1013ions/cm2以上1×1016ions/cm2以下とすればよく、例えば、1×1014ions/cm2とすればよい。また、イオン注入法でリンイオンの添加を行う場合、加速電圧30kV、ドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とすればよく、例えば、1×1015ions/cm2とすればよい。
また、本実施の形態においては、マスク140を除去してから、不純物元素145を添加する構成について例示したが、これに限定されず、例えば、マスク140を残したままの状態で不純物元素145の添加を行ってもよい。
また、本実施の形態においては、不純物元素145として、ドーピング装置を用いて、リンイオンを酸化物半導体膜108及び酸化物半導体膜112に添加する。ただし、これに限定されず、例えば、不純物元素145を添加する工程を行わなくてもよい。
なお、不純物元素145を添加することで、層108_2と、層108_3には、ソース領域108s、及びドレイン領域108dが形成される。また、酸化物半導体膜112と重なる層108_2、及び層108_3には、チャネル領域108iが形成される。これにより、本発明の一態様の酸化物半導体膜108が形成される(図10(C)参照)。
このように、酸化物半導体膜108は、酸化物半導体膜112が重畳するチャネル領域108iと、チャネル領域108iと接して設けられるソース領域108sと、チャネル領域108iと接して設けられるドレイン領域108dと、を有し、チャネル領域108iは、層108_2と、層108_2の上面と接し、且つ層108_2のチャネル幅方向の側面を覆う層108_3と、を有する構造となる。
なお、絶縁膜110を設けずに、酸化物半導体膜108の表面に不純物元素145を添加する構成の場合、不純物元素145の添加の際のダメージにより、ソース領域108s及びドレイン領域108dの結晶性が低下する場合がある。一方で、ソース領域108sと、ドレイン領域108dとを形成する際に、絶縁膜110を介して不純物元素145を添加することで、不純物元素145の添加の際のダメージを抑制し、ソース領域108s及びドレイン領域108dの結晶性の低下を抑制することができる。
次に、絶縁膜110、及び酸化物半導体膜112上に絶縁膜116を形成する(図11(A)参照)。
なお、絶縁膜116としては、絶縁膜116に用いることのできる材料を選択することで形成できる。本実施の形態においては、絶縁膜116として、PECVD装置を用い、厚さ100nmの窒化シリコン膜を形成する。
絶縁膜116として、窒化シリコン膜を用いることで、絶縁膜116に接する酸化物半導体膜112中に窒化シリコン膜中の水素が入り込み、酸化物半導体膜112のキャリア密度を高めることができる。
次に、絶縁膜116上に絶縁膜118を形成する(図11(B)参照)。
絶縁膜118としては、絶縁膜118に用いることのできる材料を選択することで形成できる。本実施の形態においては、絶縁膜118として、PECVD装置を用い、厚さ300nmの酸化窒化シリコン膜を形成する。
次に、絶縁膜118の所望の位置に、リソグラフィによりマスクを形成した後、絶縁膜118、絶縁膜116、絶縁膜110、及び層108_3の一部をエッチングすることで、ソース領域108sに達する開口部141aと、ドレイン領域108dに達する開口部141bと、を形成する(図11(C)参照)。
絶縁膜118、絶縁膜116、絶縁膜110、及び層108_3をエッチングする方法としては、ウエットエッチング法及び/またはドライエッチング法を用いることができる。本実施の形態においては、ドライエッチング法を用い、絶縁膜118、絶縁膜116、絶縁膜110、及び層108_3を加工する。
次に、開口部141a、141bを覆うように、絶縁膜118上に導電膜120を形成する(図12(A)参照)。
導電膜120としては、導電膜120a、120bに用いることのできる材料を選択することで形成できる。本実施の形態においては、導電膜120として、スパッタリング装置を用い、厚さ50nmのチタン膜と、厚さ400nmのアルミニウム膜と、厚さ100nmのチタン膜の積層膜を形成する。
次に、導電膜120上の所望の位置に、リソグラフィ工程によりマスクを形成した後、導電膜120の一部をエッチングすることで、導電膜120a、120bを形成する(図12(B)参照)。
導電膜120の加工方法としては、ウエットエッチング法及び/またはドライエッチング法を用いることができる。本実施の形態では、ドライエッチング法を用い、導電膜120を加工し、導電膜120a、120bを形成する。
以上の工程により、図1に示すトランジスタ150を作製することができる。
なお、トランジスタ150を構成する膜(絶縁膜、酸化物半導体膜、導電膜等)または層は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、ALD(原子層成膜)法を用いて形成することができる。あるいは、塗布法や印刷法で形成することができる。成膜方法としては、スパッタリング法、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法が代表的であるが、熱CVD法でもよい。熱CVD法の例として、MOCVD(有機金属化学堆積)法が挙げられる。
熱CVD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、原料ガスと酸化剤を同時にチャンバー内に送り、基板近傍または基板上で反応させて基板上に堆積させることで成膜を行う。このように、熱CVD法は、プラズマを発生させない成膜方法であるため、プラズマダメージにより欠陥が生成されることが無いという利点を有する。
また、ALD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、反応のための原料ガスをチャンバーに導入・反応させ、これを繰り返すことで成膜を行う。原料ガスと一緒に不活性ガス(アルゴン、或いは窒素など)をキャリアガスとして導入しても良い。例えば2種類以上の原料ガスを順番にチャンバーに供給してもよい。その際、複数種の原料ガスが混ざらないように第1の原料ガスの反応後、不活性ガスを導入し、第2の原料ガスを導入する。あるいは、不活性ガスを導入する代わりに真空排気によって第1の原料ガスを排出した後、第2の原料ガスを導入してもよい。第1の原料ガスが基板の表面に吸着・反応して第1の層を成膜し、後から導入される第2の原料ガスが吸着・反応して、第2の層が第1の層上に積層されて薄膜が形成される。このガス導入順序を制御しつつ所望の厚さになるまで複数回繰り返すことで、段差被覆性に優れた薄膜を形成することができる。薄膜の厚さは、ガス導入を繰り返す回数によって調節することができるため、精密な膜厚調節が可能であり、微細なFETを作製する場合に適している。
MOCVD法などの熱CVD法は、上記記載の導電膜、絶縁膜、酸化物半導体膜、金属酸化膜などの膜を形成することができ、例えば、In−Ga−Zn−O膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム(In(CH3)3)、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)、及びジメチル亜鉛を用いる(Zn(CH3)2)。これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウム(Ga(C2H5)3)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(Zn(C2H5)2)を用いることもできる。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒とハフニウム前駆体を含む液体(ハフニウムアルコキシドや、テトラキスジメチルアミドハフニウム(TDMAH、Hf[N(CH3)2]4)やテトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどのハフニウムアミド)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O3)の2種類のガスを用いる。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体を含む液体(トリメチルアルミニウム(TMA、Al(CH3)3)など)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてH2Oの2種類のガスを用いる。他の材料としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化シリコン膜を形成する場合には、ヘキサクロロジシランを被成膜面に吸着させ、酸化性ガス(O2、一酸化二窒素)のラジカルを供給して吸着物と反応させる。
例えば、ALDを利用する成膜装置によりタングステン膜を成膜する場合には、WF6ガスとB2H6ガスを順次導入して初期タングステン膜を形成し、その後、WF6ガスとH2ガスとを用いてタングステン膜を形成する。なお、B2H6ガスに代えてSiH4ガスを用いてもよい。
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化物半導体膜、例えばIn−Ga−Zn−O膜を成膜する場合には、In(CH3)3ガスとO3ガスを用いてIn−O層を形成し、その後、Ga(CH3)3ガスとO3ガスとを用いてGaO層を形成し、更にその後Zn(CH3)2ガスとO3ガスとを用いてZnO層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらのガスを用いてIn−Ga−O層やIn−Zn−O層、Ga−Zn−O層などの混合化合物層を形成しても良い。なお、O3ガスに変えてAr等の不活性ガスで水をバブリングして得られたH2Oガスを用いても良いが、Hを含まないO3ガスを用いる方が好ましい。
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、酸化物半導体の構造等について、図13乃至図17を参照して説明する。
<2−1.酸化物半導体の構造>
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(c−axis−aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体と、に分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体およびnc−OSなどがある。
非晶質構造は、一般に、等方的であって不均質構造を持たない、準安定状態で原子の配置が固定化していない、結合角度が柔軟である、短距離秩序は有するが長距離秩序を有さない、などといわれている。
逆の見方をすると、安定な酸化物半導体を完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体とは呼べない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体とは呼べない。一方、a−like OSは、等方的でないが、鬆(ボイドともいう。)を有する不安定な構造である。不安定であるという点では、a−like OSは、物性的に非晶質酸化物半導体に近い。
<2−2.CAAC−OS>
まずは、CAAC−OSについて説明する。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一種である。
CAAC−OSをX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析した場合について説明する。例えば、空間群R−3mに分類されるInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図13(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSでは、結晶がc軸配向性を有し、c軸がCAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)、または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。なお、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、空間群Fd−3mに分類される結晶構造に起因する。そのため、CAAC−OSは、該ピークを示さないことが好ましい。
一方、CAAC−OSに対し、被形成面に平行な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。そして、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図13(B)に示すように明瞭なピークは現れない。一方、単結晶InGaZnO4に対し、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図13(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、CAAC−OSの被形成面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図13(D)に示すような回折パターン(制限視野電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図13(E)に示す。図13(E)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、プローブ径が300nmの電子線を用いた電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図13(E)における第1リングは、InGaZnO4の結晶の(010)面および(100)面などに起因すると考えられる。また、図13(E)における第2リングは(110)面などに起因すると考えられる。
また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像であってもペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない場合がある。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
図14(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面の高分解能TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって観察することができる。
図14(A)より、金属原子が層状に配列している領域であるペレットを確認することができる。ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあることがわかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。ペレットは、CAAC−OSの膜を被形成面または上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面または上面と平行となる。
また、図14(B)および図14(C)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図14(D)および図14(E)は、それぞれ図14(B)および図14(C)を画像処理した像である。以下では、画像処理の方法について説明する。まず、図14(B)を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理することでFFT像を取得する。次に、取得したFFT像において原点を基準に、2.8nm−1から5.0nm−1の間の範囲を残すマスク処理する。次に、マスク処理したFFT像を、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理することで画像処理した像を取得する。こうして取得した像をFFTフィルタリング像と呼ぶ。FFTフィルタリング像は、Cs補正高分解能TEM像から周期成分を抜き出した像であり、格子配列を示している。
図14(D)では、格子配列の乱れた箇所を破線で示している。破線で囲まれた領域が、一つのペレットである。そして、破線で示した箇所がペレットとペレットとの連結部である。破線は、六角形状であるため、ペレットが六角形状であることがわかる。なお、ペレットの形状は、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が多い。
図14(E)では、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を点線で示し、格子配列の向きの変化を破線で示している。点線近傍においても、明確な結晶粒界を確認することはできない。点線近傍の格子点を中心に周囲の格子点を繋ぐと、歪んだ六角形が形成できる。即ち、格子配列を歪ませることによって結晶粒界の形成を抑制していることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子間の結合距離が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
以上に示すように、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のペレット(ナノ結晶)が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。よって、CAAC−OSを、CAA crystal(c−axis−aligned a−b−plane−anchored crystal)と称することもできる。
CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、逆の見方をするとCAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。例えば、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
不純物および酸素欠損の少ないCAAC−OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体である。具体的には、8×1011個/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010個/cm3未満であり、1×10−9個/cm3以上のキャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC−OSは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
<2−3.nc−OS>
次に、nc−OSについて説明する。
nc−OSをXRDによって解析した場合について説明する。例えば、nc−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、配向性を示すピークが現れない。即ち、nc−OSの結晶は配向性を有さない。
また、例えば、InGaZnO4の結晶を有するnc−OSを薄片化し、厚さが34nmの領域に対し、被形成面に平行にプローブ径が50nmの電子線を入射させると、図15(A)に示すようなリング状の回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)が観測される。また、同じ試料にプローブ径が1nmの電子線を入射させたときの回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)を図15(B)に示す。図15(B)より、リング状の領域内に複数のスポットが観測される。したがって、nc−OSは、プローブ径が50nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認されないが、プローブ径が1nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認される。
また、厚さが10nm未満の領域に対し、プローブ径が1nmの電子線を入射させると、図15(C)に示すように、スポットが略正六角状に配置された電子回折パターンを観測される場合がある。したがって、厚さが10nm未満の範囲において、nc−OSが秩序性の高い領域、即ち結晶を有することがわかる。なお、結晶が様々な方向を向いているため、規則的な電子回折パターンが観測されない領域もある。
図15(D)に、被形成面と略平行な方向から観察したnc−OSの断面のCs補正高分解能TEM像を示す。nc−OSは、高分解能TEM像において、補助線で示す箇所などのように結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下の大きさであり、特に1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体(fine crystalline oxide semiconductor)と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
このように、nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
なお、ペレット(ナノ結晶)間で結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<2−4.a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。
図16に、a−like OSの高分解能断面TEM像を示す。ここで、図16(A)は電子照射開始時におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図16(B)は4.3×108e−/nm2の電子(e−)照射後におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図16(A)および図16(B)より、a−like OSは電子照射開始時から、縦方向に延伸する縞状の明領域が観察されることがわかる。また、明領域は、電子照射後に形状が変化することがわかる。なお、明領域は、鬆または低密度領域と推測される。
鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。以下では、a−like OSが、CAAC−OSおよびnc−OSと比べて不安定な構造であることを示すため、電子照射による構造の変化を示す。
試料として、a−like OS、nc−OSおよびCAAC−OSを準備する。いずれの試料もIn−Ga−Zn酸化物である。
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料は、いずれも結晶部を有する。
なお、InGaZnO4の結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、以下では、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnO4の結晶部と見なした。なお、格子縞は、InGaZnO4の結晶のa−b面に対応する。
図17は、各試料の結晶部(22箇所から30箇所)の平均の大きさを調査した例である。なお、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図17より、a−like OSは、TEM像の取得などに係る電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。図17より、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(初期核ともいう。)が、電子(e−)の累積照射量が4.2×108e−/nm2においては1.9nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×108e−/nm2までの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。図17より、電子の累積照射量によらず、nc−OSおよびCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.3nm程度および1.8nm程度であることがわかる。なお、電子線照射およびTEMの観察は、日立透過電子顕微鏡H−9000NARを用いた。電子線照射条件は、加速電圧を300kV、電流密度を6.7×105e−/(nm2・s)、照射領域の直径を230nmとした。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られない。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満となる。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満となる。単結晶の密度の78%未満となる酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnO4の密度は6.357g/cm3となる。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm3以上5.9g/cm3未満となる。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は5.9g/cm3以上6.3g/cm3未満となる。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態または他の実施例に示す構成と適宜、組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、先の実施の形態で例示したトランジスタを有する表示装置の一例について、図18乃至図20を用いて以下説明を行う。
図18は、表示装置の一例を示す上面図である。図18に示す表示装置700は、第1の基板701上に設けられた画素部702と、第1の基板701に設けられたソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706と、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706を囲むように配置されるシール材712と、第1の基板701に対向するように設けられる第2の基板705と、を有する。なお、第1の基板701と第2の基板705は、シール材712によって封止されている。すなわち、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706は、第1の基板701とシール材712と第2の基板705によって封止されている。なお、図18には図示しないが、第1の基板701と第2の基板705の間には表示素子が設けられる。
また、表示装置700は、第1の基板701上のシール材712によって囲まれている領域とは異なる領域に、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びゲートドライバ回路部706と、それぞれ電気的に接続されるFPC端子部708(FPC:Flexible printed circuit)が設けられる。また、FPC端子部708には、FPC716が接続され、FPC716によって画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706に各種信号等が供給される。また、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びFPC端子部708には、信号線710が各々接続されている。FPC716により供給される各種信号等は、信号線710を介して、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びFPC端子部708に与えられる。
また、表示装置700にゲートドライバ回路部706を複数設けてもよい。また、表示装置700としては、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706を画素部702と同じ第1の基板701に形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、ゲートドライバ回路部706のみを第1の基板701に形成しても良い、またはソースドライバ回路部704のみを第1の基板701に形成しても良い。この場合、ソースドライバ回路またはゲートドライバ回路等が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を、第1の基板701に実装する構成としても良い。なお、別途形成した駆動回路基板の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG(Chip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法などを用いることができる。
また、表示装置700が有する画素部702、ソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706は、複数のトランジスタを有しており、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタを適用することができる。
また、表示装置700は、様々な素子を有することが出来る。該素子の一例としては、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子、LEDなど)、発光トランジスタ素子(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)ディスプレイ(例えば、グレーティングライトバルブ(GLV)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、デジタル・マイクロ・シャッター(DMS)素子、インターフェアレンス・モジュレーション(IMOD)素子など)、圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。
また、EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク素子又は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
なお、表示装置700における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、Rの画素とGの画素とBの画素とW(白)の画素の四画素から構成されてもよい。または、ペンタイル配列のように、RGBのうちの2色分で一つの色要素を構成し、色要素よって、異なる2色を選択して構成してもよい。またはRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加してもよい。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、開示する発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
また、バックライト(有機EL素子、無機EL素子、LED、蛍光灯など)に白色発光(W)を用いて表示装置をフルカラー表示させるために、着色層(カラーフィルタともいう。)を用いてもよい。着色層は、例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、イエロー(Y)などを適宜組み合わせて用いることができる。着色層を用いることで、着色層を用いない場合と比べて色の再現性を高くすることができる。このとき、着色層を有する領域と、着色層を有さない領域と、を配置することによって、着色層を有さない領域における白色光を直接表示に利用しても構わない。一部に着色層を有さない領域を配置することで、明るい表示の際に、着色層による輝度の低下を少なくでき、消費電力を2割から3割程度低減できる場合がある。ただし、有機EL素子や無機EL素子などの自発光素子を用いてフルカラー表示する場合、R、G、B、Y、Wを、それぞれの発光色を有する素子から発光させても構わない。自発光素子を用いることで、着色層を用いた場合よりも、さらに消費電力を低減できる場合がある。
また、カラー化方式としては、上述の白色発光からの発光の一部をカラーフィルタを通すことで赤色、緑色、青色に変換する方式(カラーフィルタ方式)の他、赤色、緑色、青色の発光をそれぞれ用いる方式(3色方式)、または青色発光からの発光の一部を赤色や緑色に変換する方式(色変換方式、量子ドット方式)を適用してもよい。
本実施の形態においては、表示素子として液晶素子及びEL素子を用いる構成について、図19及び図20を用いて説明する。なお、図19は、図18に示す一点鎖線Q−Rにおける断面図であり、表示素子として液晶素子を用いた構成である。また、図20は、図18に示す一点鎖線Q−Rにおける断面図であり、表示素子としてEL素子を用いた構成である。
まず、図19及び図20に示す共通部分について最初に説明し、次に異なる部分について以下説明する。
<3−1.表示装置の共通部分に関する説明>
図19及び図20に示す表示装置700は、引き回し配線部711と、画素部702と、ソースドライバ回路部704と、FPC端子部708と、を有する。また、引き回し配線部711は、信号線710を有する。また、画素部702は、トランジスタ750及び容量素子790を有する。また、ソースドライバ回路部704は、トランジスタ752を有する。
トランジスタ750及びトランジスタ752は、先に示すトランジスタ150と同様の構成である。なお、トランジスタ750及びトランジスタ752の構成については、先の実施の形態に示す、その他のトランジスタを用いてもよい。
本実施の形態で用いるトランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有する。該トランジスタは、オフ電流を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
また、本実施の形態で用いるトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを液晶表示装置に用いることで、画素部のスイッチングトランジスタと、駆動回路部に使用するドライバトランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、別途駆動回路として、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、半導体装置の部品点数を削減することができる。また、画素部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
容量素子790は、トランジスタ750が有する第1の酸化物半導体膜と、同一の酸化物半導体膜を加工する工程を経て形成される下部電極と、トランジスタ750が有するソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と、同一の導電膜を加工する工程を経て形成される上部電極と、を有する。また、下部電極と上部電極との間には、トランジスタ750が有する第2の絶縁膜として機能する絶縁膜、及び第3の絶縁膜として機能する絶縁膜と、同一の絶縁膜を形成する工程を経て形成される絶縁膜が設けられる。すなわち、容量素子790は、一対の電極間に誘電体として機能する絶縁膜が挟持された積層型の構造である。
また、図19及び図20において、トランジスタ750、トランジスタ752、及び容量素子790上に平坦化絶縁膜770が設けられている。
平坦化絶縁膜770としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等の耐熱性を有する有機材料を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜770を形成してもよい。また、平坦化絶縁膜770を設けない構成としてもよい。
また、信号線710は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同じ工程を経て形成される。なお、信号線710は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極と異なる工程を経て形成された導電膜、例えば、ゲート電極として機能する酸化物半導体膜と同じ工程を経て形成される酸化物半導体膜を用いてもよい。信号線710として、例えば、銅元素を含む材料を用いた場合、配線抵抗に起因する信号遅延等が少なく、大画面での表示が可能となる。
また、FPC端子部708は、接続電極760、異方性導電膜780、及びFPC716を有する。なお、接続電極760は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同じ工程を経て形成される。また、接続電極760は、FPC716が有する端子と異方性導電膜780を介して、電気的に接続される。
また、第1の基板701及び第2の基板705としては、例えばガラス基板を用いることができる。また、第1の基板701及び第2の基板705として、可撓性を有する基板を用いてもよい。該可撓性を有する基板としては、例えばプラスチック基板等が挙げられる。
また、第1の基板701と第2の基板705の間には、構造体778が設けられる。構造体778は、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の基板701と第2の基板705の間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられる。なお、構造体778として、球状のスペーサを用いていても良い。
また、第2の基板705側には、ブラックマトリクスとして機能する遮光膜738と、カラーフィルタとして機能する着色膜736と、遮光膜738及び着色膜736に接する絶縁膜734が設けられる。
<3−2.液晶素子を用いる表示装置の構成例>
図19に示す表示装置700は、液晶素子775を有する。液晶素子775は、導電膜772、導電膜774、及び液晶層776を有する。導電膜774は、第2の基板705側に設けられ、対向電極としての機能を有する。図19に示す表示装置700は、導電膜772と導電膜774に印加される電圧によって、液晶層776の配向状態が変わることによって光の透過、非透過が制御され画像を表示することができる。
また、導電膜772は、トランジスタ750が有するソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜に接続される。導電膜772は、平坦化絶縁膜770上に形成され画素電極、すなわち表示素子の一方の電極として機能する。また、導電膜772は、反射電極としての機能を有する。図19に示す表示装置700は、外光を利用し導電膜772で光を反射して着色膜736を介して表示する、所謂反射型のカラー液晶表示装置である。
導電膜772としては、可視光において透光性のある導電膜、または可視光において反射性のある導電膜を用いることができる。可視光において透光性のある導電膜としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。可視光において反射性のある導電膜としては、例えば、アルミニウム、または銀を含む材料を用いるとよい。本実施の形態においては、導電膜772として、可視光において、反射性のある導電膜を用いる。
また、図19に示す表示装置700においては、画素部702の平坦化絶縁膜770の一部に凹凸が設けられている。該凹凸は、例えば、平坦化絶縁膜770を樹脂膜で形成し、該樹脂膜の表面に凹凸を設けることで形成することができる。また、反射電極として機能する導電膜772は、上記凹凸に沿って形成される。したがって、外光が導電膜772に入射した場合において、導電膜772の表面で光を乱反射することが可能となり、視認性を向上させることができる。
なお、図19に示す表示装置700は、反射型のカラー液晶表示装置について例示したが、これに限定されない、例えば、導電膜772を可視光において、透光性のある導電膜を用いることで透過型のカラー液晶表示装置としてもよい。透過型のカラー液晶表示装置の場合、平坦化絶縁膜770に設けられる凹凸については、設けない構成としてもよい。
なお、図19において図示しないが、導電膜772、774の液晶層776と接する側に、それぞれ配向膜を設ける構成としてもよい。また、図19において図示しないが、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設けてもよい。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
表示素子として液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性であるため配向処理が不要である。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。また、ブルー相を示す液晶材料は、視野角依存性が小さい。
また、表示素子として液晶素子を用いる場合、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
また、ノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置としてもよい。垂直配向モードとしては、いくつか挙げられるが、例えば、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASVモードなどを用いることができる。
<3−3.発光素子を用いる表示装置>
図20に示す表示装置700は、発光素子782を有する。発光素子782は、導電膜784、EL層786、及び導電膜788を有する。図20に示す表示装置700は、発光素子782が有するEL層786が発光することによって、画像を表示することができる。
また、導電膜784は、トランジスタ750が有するソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜に接続される。導電膜784は、平坦化絶縁膜770上に形成され画素電極、すなわち表示素子の一方の電極として機能する。導電膜784としては、可視光において透光性のある導電膜、または可視光において反射性のある導電膜を用いることができる。可視光において透光性のある導電膜としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。可視光において反射性のある導電膜としては、例えば、アルミニウム、または銀を含む材料を用いるとよい。
また、図20に示す表示装置700には、平坦化絶縁膜770及び導電膜784上に絶縁膜730が設けられる。絶縁膜730は、導電膜784の一部を覆う。なお、発光素子782はトップエミッション構造である。したがって、導電膜788は透光性を有し、EL層786が発する光を透過する。なお、本実施の形態においては、トップエミッション構造について、例示するが、これに限定されない。例えば、導電膜784側に光を射出するボトムエミッション構造や、導電膜784及び導電膜788の双方に光を射出するデュアルエミッション構造にも適用することができる。
また、発光素子782と重なる位置に、着色膜736が設けられ、絶縁膜730と重なる位置、引き回し配線部711、及びソースドライバ回路部704に遮光膜738が設けられている。また、着色膜736及び遮光膜738は、絶縁膜734で覆われている。また、発光素子782と絶縁膜734の間は封止膜732で充填されている。なお、図20に示す表示装置700においては、着色膜736を設ける構成について例示したが、これに限定されない。例えば、EL層786を塗り分けにより形成する場合においては、着色膜736を設けない構成としてもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、且つ書き込み回数にも制限が無い半導体装置の回路構成の一例について図21を用いて説明する。
<4−1.回路構成>
図21は、半導体装置の回路構成を説明する図である。図21において、第1の配線(1st Line)と、p型トランジスタ1280aのソース電極またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続されている。また、p型トランジスタ1280aのソース電極またはドレイン電極の他方と、n型トランジスタ1280bのソース電極またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続されている。また、n型トランジスタ1280bのソース電極またはドレイン電極の他方と、n型トランジスタ1280cのソース電極またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続されている。
また、第2の配線(2nd Line)と、トランジスタ1282のソース電極またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続されている。また、トランジスタ1282のソース電極またはドレイン電極の他方と、容量素子1281の電極の一方及びn型トランジスタ1280cのゲート電極とは、電気的に接続されている。
また、第3の配線(3rd Line)と、p型トランジスタ1280a及びn型トランジスタ1280bのゲート電極とは、電気的に接続されている。また、第4の配線(4th Line)と、トランジスタ1282のゲート電極とは、電気的に接続されている。また、第5の配線(5th Line)と、容量素子1281の電極の他方及びn型トランジスタ1280cのソース電極またはドレイン電極の他方とは、電気的に接続されている。また、第6の配線(6th Line)と、p型トランジスタ1280aのソース電極またはドレイン電極の他方及びn型トランジスタ1280bのソース電極またはドレイン電極の一方とは、電気的に接続されている。
なお、トランジスタ1282は、酸化物半導体(OS:Oxide Semiconductor)により形成することができる。したがって、図21において、トランジスタ1282に「OS」の記号を付記してある。なお、トランジスタ1282を酸化物半導体以外の材料により形成してもよい。
また、図21において、トランジスタ1282のソース電極またはドレイン電極の他方と、容量素子1281の電極の一方と、n型トランジスタ1280cのゲート電極と、の接続箇所には、フローティングノード(FN)を付記してある。トランジスタ1282をオフ状態とすることで、フローティングノード、容量素子1281の電極の一方、及びn型トランジスタ1280cのゲート電極に与えられた電位を保持することができる。
図21に示す回路構成では、n型トランジスタ1280cのゲート電極の電位が保持可能という特徴を生かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
<4−2.情報の書き込み及び保持>
まず、情報の書き込み及び保持について説明する。第4の配線の電位を、トランジスタ1282がオン状態となる電位にして、トランジスタ1282をオン状態とする。これにより、第2の配線の電位がn型トランジスタ1280cのゲート電極、及び容量素子1281に与えられる。すなわち、n型トランジスタ1280cのゲート電極には、所定の電荷が与えられる(書き込み)。その後、第4の配線の電位を、トランジスタ1282がオフ状態となる電位にして、トランジスタ1282をオフ状態とする。これにより、n型トランジスタ1280cのゲート電極に与えられた電荷が保持される(保持)。
トランジスタ1282のオフ電流は極めて小さいため、n型トランジスタ1280cのゲート電極の電荷は長時間にわたって保持される。
<4−3.情報の読み出し>
次に、情報の読み出しについて説明する。第3の配線の電位をLowレベル電位とした際、p型トランジスタ1280aがオン状態となり、n型トランジスタ1280bがオフ状態となる。この時、第1の配線の電位は第6の配線に与えられる。一方、第3の配線の電位をHighレベル電位とした際、p型トランジスタ1280aがオフ状態となり、n型トランジスタ1280bがオン状態となる。この時、フローティングノード(FN)に保持された電荷量に応じて、第6の配線は異なる電位をとる。このため、第6の配線の電位をみることで、保持されている情報を読み出すことができる(読み出し)。
また、トランジスタ1282は、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いるため、極めてオフ電流が小さいトランジスタである。酸化物半導体を用いたトランジスタ1282のオフ電流は、シリコン半導体などで形成されるトランジスタの10万分の1以下のオフ電流であるため、トランジスタ1282のリークによる、フローティングノード(FN)に蓄積される電荷の消失を無視することが可能である。つまり、酸化物半導体を用いたトランジスタ1282により、電力の供給が無くても情報の保持が可能な不揮発性の記憶回路を実現することが可能である。
また、このような回路構成を用いた半導体装置を、レジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、記憶装置全体、もしくは記憶装置を構成する一または複数の論理回路において、待機状態のときに短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を抑えることができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置に用いることのできる画素回路の構成について、図22(A)を用いて以下説明を行う。
<5−1.画素回路の構成>
図22(A)は、画素回路の構成を説明する図である。図22(A)に示す回路は、光電変換素子1360、トランジスタ1351、トランジスタ1352、トランジスタ1353、及びトランジスタ1354を有する。
光電変換素子1360のアノードは配線1316に接続され、カソードはトランジスタ1351のソース電極またはドレイン電極の一方と接続される。トランジスタ1351のソース電極またはドレイン電極の他方は電荷蓄積部(FD)と接続され、ゲート電極は配線1312(TX)と接続される。トランジスタ1352のソース電極またはドレイン電極の一方は配線1314(GND)と接続され、ソース電極またはドレイン電極の他方はトランジスタ1354のソース電極またはドレイン電極の一方と接続され、ゲート電極は電荷蓄積部(FD)と接続される。トランジスタ1353のソース電極またはドレイン電極の一方は電荷蓄積部(FD)と接続され、ソース電極またはドレイン電極の他方は配線1317と接続され、ゲート電極は配線1311(RS)と接続される。トランジスタ1354のソース電極またはドレイン電極の他方は配線1315(OUT)と接続され、ゲート電極は配線1313(SE)に接続される。なお、上記接続は全て電気的な接続とする。
なお、配線1314には、GND、VSS、VDDなどの電位が供給されていてもよい。ここで、電位や電圧は相対的なものである。そのため、GNDの電位の大きさは、必ずしも、0ボルトであるとは限らないものとする。
光電変換素子1360は受光素子であり、画素回路に入射した光に応じた電流を生成する機能を有する。トランジスタ1353は、光電変換素子1360による電荷蓄積部(FD)への電荷蓄積を制御する機能を有する。トランジスタ1354は、電荷蓄積部(FD)の電位に応じた信号を出力する機能を有する。トランジスタ1352は、電荷蓄積部(FD)の電位のリセットする機能を有する。トランジスタ1352は、読み出し時に画素回路の選択を制御する機能を有する。
なお、電荷蓄積部(FD)は、電荷保持ノードであり、光電変換素子1360が受ける光の量に応じて変化する電荷を保持する。
なお、トランジスタ1352とトランジスタ1354とは、配線1315と配線1314との間で、直列接続されていればよい。したがって、配線1314、トランジスタ1352、トランジスタ1354、配線1315の順で並んでもよいし、配線1314、トランジスタ1354、トランジスタ1352、配線1315の順で並んでもよい。
配線1311(RS)は、トランジスタ1353を制御するための信号線としての機能を有する。配線1312(TX)は、トランジスタ1351を制御するための信号線としての機能を有する。配線1313(SE)は、トランジスタ1354を制御するための信号線としての機能を有する。配線1314(GND)は、基準電位(例えばGND)を設定する信号線としての機能を有する。配線1315(OUT)は、トランジスタ1352から出力される信号を読み出すための信号線としての機能を有する。配線1316は電荷蓄積部(FD)から光電変換素子1360を介して電荷を出力するための信号線としての機能を有し、図22(A)の回路においては低電位線である。また、配線1317は電荷蓄積部(FD)の電位をリセットするための信号線としての機能を有し、図22(A)の回路においては高電位線である。
次に、図22(A)に示す各素子の構成について説明する。
<5−2.光電変換素子>
光電変換素子1360には、セレンまたはセレンを含む化合物(以下、セレン系材料とする)を有する素子、あるいはシリコンを有する素子(例えば、pin型の接合が形成された素子)を用いることができる。また、酸化物半導体を用いたトランジスタと、セレン系材料を用いた光電変換素子とを組み合わせることで信頼性を高くすることができるため好ましい。
<5−3.トランジスタ>
トランジスタ1351、トランジスタ1352、トランジスタ1353、およびトランジスタ1354は、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどのシリコン半導体を用いて形成することも可能であるが、酸化物半導体を用いたトランジスタで形成することが好ましい。酸化物半導体でチャネル形成領域を形成したトランジスタは、極めてオフ電流が低い特性を示す特徴を有している。また、酸化物半導体でチャネル形成領域を形成したトランジスタとしては、例えば、実施の形態1に示すトランジスタを用いることができる。
特に、電荷蓄積部(FD)と接続されているトランジスタ1351、及びトランジスタ1353のリーク電流が大きいと、電荷蓄積部(FD)に蓄積された電荷が保持できる時間が十分でなくなる。したがって、少なくとも当該二つのトランジスタに酸化物半導体を用いたトランジスタを使用することで、電荷蓄積部(FD)からの不要な電荷の流出を防止することができる。
また、トランジスタ1352、及びトランジスタ1354においても、リーク電流が大きいと、配線1314または配線1315に不必要な電荷の出力が起こるため、これらのトランジスタとして、酸化物半導体でチャネル形成領域を形成したトランジスタを用いることが好ましい。
また、図22(A)において、ゲート電極が一つの構成のトランジスタについて例示したが、これに限定されず、例えば、複数のゲート電極を有する構成としてもよい。複数のゲート電極を有するトランジスタとしては、例えば、チャネル形成領域が形成される半導体膜重なる、第1のゲート電極と、第2のゲート電極(バックゲート電極ともいう)と、有する構成とすればよい。バックゲート電極としては、例えば、第1のゲート電極と同じ電位、フローティング、または第1のゲート電極と異なる電位を与えればよい。
<5−4.回路動作のタイミングチャート>
次に、図22(A)に示す回路の回路動作の一例について図22(B)に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図22(B)では簡易に説明するため、各配線の電位は、二値変化する信号として与える。ただし、各電位はアナログ信号であるため、実際には状況に応じて二値に限らず種々の値を取り得る。なお、図22(B)に示す信号1401は配線1311(RS)の電位、信号1402は配線1312(TX)の電位、信号1403は配線1313(SE)の電位、信号1404は電荷蓄積部(FD)の電位、信号1405は配線1315(OUT)の電位に相当する。なお、配線1316の電位は常時”Low”、配線1317の電位は常時”High”とする。
時刻Aにおいて、配線1311の電位(信号1401)を”High”、配線1312の電位(信号1402)を”High”とすると、電荷蓄積部(FD)の電位(信号1404)は配線1317の電位(”High”)に初期化され、リセット動作が開始される。なお、配線1315の電位(信号1405)は、”High”にプリチャージしておく。
時刻Bにおいて、配線1311の電位(信号1401)を”Low”とするとリセット動作が終了し、蓄積動作が開始される。ここで、光電変換素子1360には逆方向バイアスが印加されるため、逆方向電流により、配電荷蓄積部(FD)(信号1404)が低下し始める。光電変換素子1360は、光が照射されると逆方向電流が増大するので、照射される光の量に応じて電荷蓄積部(FD)の電位(信号1404)の低下速度は変化する。すなわち、光電変換素子1360に照射する光の量に応じて、トランジスタ1354のソースとドレイン間のチャネル抵抗が変化する。
時刻Cにおいて、配線1312の電位(信号1402)を”Low”とすると蓄積動作が終了し、電荷蓄積部(FD)の電位(信号1404)は一定となる。ここで、当該電位は、蓄積動作中に光電変換素子1360が生成した電荷量により決まる。すなわち、光電変換素子1360に照射されていた光の量に応じて変化する。また、トランジスタ1351およびトランジスタ1353は、酸化膜半導体でチャネル形成領域を形成したオフ電流が極めて低いトランジスタで構成されているため、後の選択動作(読み出し動作)を行うまで、電荷蓄積部(FD)の電位を一定に保つことが可能である。
なお、配線1312の電位(信号1402)を”Low”とする際に、配線1312と電荷蓄積部(FD)との間における寄生容量により、電荷蓄積部(FD)の電位に変化が生じることがある。当該電位の変化量が大きい場合は、蓄積動作中に光電変換素子1360が生成した電荷量を正確に取得できないことになる。当該電位の変化量を低減するには、トランジスタ1351のゲート電極−ソース電極(もしくはゲート電極−ドレイン電極)間容量を低減する、トランジスタ1352のゲート容量を増大する、電荷蓄積部(FD)に保持容量を設ける、などの対策が有効である。なお、本実施の形態では、これらの対策により当該電位の変化を無視できるものとしている。
時刻Dに、配線1313の電位(信号1403)を”High”にすると、トランジスタ1354が導通して選択動作が開始され、配線1314と配線1315が、トランジスタ1352とトランジスタ1354とを介して導通する。そして、配線1315の電位(信号1405)は、低下していく。なお、配線1315のプリチャージは、時刻D以前に終了しておけばよい。ここで、配線1315の電位(信号1405)が低下する速さは、トランジスタ1352のソース電極とドレイン電極間の電流に依存する。すなわち、蓄積動作中に光電変換素子1360に照射されている光の量に応じて変化する。
時刻Eにおいて、配線1313の電位(信号1403)を”Low”にすると、トランジスタ1354が遮断されて選択動作は終了し、配線1315の電位(信号1405)は、一定値となる。ここで、一定値となる値は、光電変換素子1360に照射されていた光の量に応じて変化する。したがって、配線1315の電位を取得することで、蓄積動作中に光電変換素子1360に照射されていた光の量を知ることができる。
より具体的には、光電変換素子1360に照射されている光が強いと、電荷蓄積部(FD)の電位、すなわちトランジスタ1352のゲート電圧は低下する。そのため、トランジスタ1352のソース電極−ドレイン電極間に流れる電流は小さくなり、配線1315の電位(信号1405)はゆっくりと低下する。したがって、配線1315からは比較的高い電位を読み出すことができる。
逆に、光電変換素子1360に照射されている光が弱いと、電荷蓄積部(FD)の電位、すなわち、トランジスタ1352のゲート電圧は高くなる。そのため、トランジスタ1352のソース電極−ドレイン電極間に流れる電流は大きくなり、配線1315の電位(信号1405)は速く低下する。したがって、配線1315からは比較的低い電位を読み出すことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示装置について、図23を用いて説明を行う。
<6.表示装置の回路構成>
図23(A)に示す表示装置は、表示素子の画素を有する領域(以下、画素部502という)と、画素部502の外側に配置され、画素を駆動するための回路を有する回路部(以下、駆動回路部504という)と、素子の保護機能を有する回路(以下、保護回路506という)と、端子部507と、を有する。なお、保護回路506は、設けない構成としてもよい。
駆動回路部504の一部、または全部は、画素部502と同一基板上に形成されていることが望ましい。これにより、部品数や端子数を減らすことが出来る。駆動回路部504の一部、または全部が、画素部502と同一基板上に形成されていない場合には、駆動回路部504の一部、または全部は、COGやTAB(Tape Automated Bonding)によって、実装することができる。
画素部502は、X行(Xは2以上の自然数)Y列(Yは2以上の自然数)に配置された複数の表示素子を駆動するための回路(以下、画素回路501という)を有し、駆動回路部504は、画素を選択する信号(走査信号)を出力する回路(以下、ゲートドライバ504aという)、画素の表示素子を駆動するための信号(データ信号)を供給するための回路(以下、ソースドライバ504b)などの駆動回路を有する。
ゲートドライバ504aは、シフトレジスタ等を有する。ゲートドライバ504aは、端子部507を介して、シフトレジスタを駆動するための信号が入力され、信号を出力する。例えば、ゲートドライバ504aは、スタートパルス信号、クロック信号等が入力され、パルス信号を出力する。ゲートドライバ504aは、走査信号が与えられる配線(以下、走査線GL_1乃至GL_Xという)の電位を制御する機能を有する。なお、ゲートドライバ504aを複数設け、複数のゲートドライバ504aにより、走査線GL_1乃至GL_Xを分割して制御してもよい。または、ゲートドライバ504aは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、ゲートドライバ504aは、別の信号を供給することも可能である。
ソースドライバ504bは、シフトレジスタ等を有する。ソースドライバ504bは、端子部507を介して、シフトレジスタを駆動するための信号の他、データ信号の元となる信号(画像信号)が入力される。ソースドライバ504bは、画像信号を元に画素回路501に書き込むデータ信号を生成する機能を有する。また、ソースドライバ504bは、スタートパルス、クロック信号等が入力されて得られるパルス信号に従って、データ信号の出力を制御する機能を有する。また、ソースドライバ504bは、データ信号が与えられる配線(以下、データ線DL_1乃至DL_Yという)の電位を制御する機能を有する。または、ソースドライバ504bは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、ソースドライバ504bは、別の信号を供給することも可能である。
ソースドライバ504bは、例えば複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。ソースドライバ504bは、複数のアナログスイッチを順次オン状態にすることにより、画像信号を時分割した信号をデータ信号として出力できる。また、シフトレジスタなどを用いてソースドライバ504bを構成してもよい。
複数の画素回路501のそれぞれは、走査信号が与えられる複数の走査線GLの一つを介してパルス信号が入力され、データ信号が与えられる複数のデータ線DLの一つを介してデータ信号が入力される。また。複数の画素回路501のそれぞれは、ゲートドライバ504aによりデータ信号のデータの書き込み及び保持が制御される。例えば、m行n列目の画素回路501は、走査線GL_m(mはX以下の自然数)を介してゲートドライバ504aからパルス信号が入力され、走査線GL_mの電位に応じてデータ線DL_n(nはY以下の自然数)を介してソースドライバ504bからデータ信号が入力される。
図23(A)に示す保護回路506は、例えば、ゲートドライバ504aと画素回路501の間の配線である走査線GLに接続される。または、保護回路506は、ソースドライバ504bと画素回路501の間の配線であるデータ線DLに接続される。または、保護回路506は、ゲートドライバ504aと端子部507との間の配線に接続することができる。または、保護回路506は、ソースドライバ504bと端子部507との間の配線に接続することができる。なお、端子部507は、外部の回路から表示装置に電源及び制御信号、及び画像信号を入力するための端子が設けられた部分をいう。
保護回路506は、自身が接続する配線に一定の範囲外の電位が与えられたときに、該配線と別の配線とを導通状態にする回路である。
図23(A)に示すように、画素部502と駆動回路部504にそれぞれ保護回路506を設けることにより、ESD(Electro Static Discharge:静電気放電)などにより発生する過電流に対する表示装置の耐性を高めることができる。ただし、保護回路506の構成はこれに限定されず、例えば、ゲートドライバ504aに保護回路506を接続した構成、またはソースドライバ504bに保護回路506を接続した構成とすることもできる。あるいは、端子部507に保護回路506を接続した構成とすることもできる。
また、図23(A)においては、ゲートドライバ504aとソースドライバ504bによって駆動回路部504を形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、ゲートドライバ504aのみを形成し、別途用意されたソースドライバ回路が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を実装する構成としても良い。
また、図23(A)に示す複数の画素回路501は、例えば、図23(B)に示す構成とすることができる。
図23(B)に示す画素回路501は、液晶素子570と、トランジスタ550と、容量素子560と、を有する。トランジスタ550に先の実施の形態に示すトランジスタを適用することができる。
液晶素子570の一対の電極の一方の電位は、画素回路501の仕様に応じて適宜設定される。液晶素子570は、書き込まれるデータにより配向状態が設定される。なお、複数の画素回路501のそれぞれが有する液晶素子570の一対の電極の一方に共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。また、各行の画素回路501の液晶素子570の一対の電極の一方に異なる電位を与えてもよい。
例えば、液晶素子570を備える表示装置の駆動方法としては、TNモード、STNモード、VAモード、ASM(Axially Symmetric Aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、MVAモード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、IPSモード、FFSモード、又はTBA(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いてもよい。また、表示装置の駆動方法としては、上述した駆動方法の他、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。ただし、これに限定されず、液晶素子及びその駆動方式として様々なものを用いることができる。
m行n列目の画素回路501において、トランジスタ550のソース電極またはドレイン電極の一方は、データ線DL_nに電気的に接続され、他方は液晶素子570の一対の電極の他方に電気的に接続される。また、トランジスタ550のゲート電極は、走査線GL_mに電気的に接続される。トランジスタ550は、オン状態またはオフ状態になることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子560の一対の電極の一方は、電位が供給される配線(以下、電位供給線VL)に電気的に接続され、他方は、液晶素子570の一対の電極の他方に電気的に接続される。なお、電位供給線VLの電位の値は、画素回路501の仕様に応じて適宜設定される。容量素子560は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
例えば、図23(B)の画素回路501を有する表示装置では、例えば、図23(A)に示すゲートドライバ504aにより各行の画素回路501を順次選択し、トランジスタ550をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路501は、トランジスタ550がオフ状態になることで保持状態になる。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、図23(A)に示す複数の画素回路501は、例えば、図23(C)に示す構成とすることができる。
また、図23(C)に示す画素回路501は、トランジスタ552、554と、容量素子562と、発光素子572と、を有する。トランジスタ552及びトランジスタ554のいずれか一方または双方に先の実施の形態に示すトランジスタを適用することができる。
トランジスタ552のソース電極及びドレイン電極の一方は、データ信号が与えられる配線(以下、信号線DL_nという)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ552のゲート電極は、ゲート信号が与えられる配線(以下、走査線GL_mという)に電気的に接続される。
トランジスタ552は、オン状態またはオフ状態になることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子562の一対の電極の一方は、電位が与えられる配線(以下、電位供給線VL_aという)に電気的に接続され、他方は、トランジスタ552のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
容量素子562は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ554のソース電極及びドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続される。さらに、トランジスタ554のゲート電極は、トランジスタ552のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子572のアノード及びカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、トランジスタ554のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子572としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともいう)などを用いることができる。ただし、発光素子572としては、これに限定されず、無機材料からなる無機EL素子を用いても良い。
なお、電位供給線VL_a及び電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。
図23(C)の画素回路501を有する表示装置では、例えば、図23(A)に示すゲートドライバ504aにより各行の画素回路501を順次選択し、トランジスタ552をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路501は、トランジスタ552がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、書き込まれたデータ信号の電位に応じてトランジスタ554のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、発光素子572は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明したトランジスタの適用可能な回路構成の一例について、図24乃至53を用いて説明する。
なお、本実施の形態においては、先の実施の形態で説明した酸化物半導体を有するトランジスタを、OSトランジスタと呼称して以下説明を行う。
<7.インバータ回路の構成例>
図24(A)には、駆動回路が有するシフトレジスタやバッファ等に適用することができるインバータの回路図を示す。インバータ800は、入力端子INの論理を反転した信号を出力端子OUTに出力する。インバータ800は、複数のOSトランジスタを有する。信号SBGは、OSトランジスタの電気特性を可変するための信号である。
図24(B)は、インバータ800の一例となる回路図である。インバータ800は、OSトランジスタ810、およびOSトランジスタ820を有する。インバータ800は、nチャネル型で作製することができ、所謂単極性の回路構成とすることができる。そのため、CMOSインバータと比較して、低コストで作製することが可能である。
OSトランジスタ810、820は、フロントゲートとして機能する第1ゲートと、バックゲートとして機能する第2ゲートと、ソースまたはドレインの一方として機能する第1端子、ソースまたはドレインの他方として機能する第2端子を有する。
OSトランジスタ810の第1ゲートは、第2端子に接続される。OSトランジスタ810の第2ゲートは、信号SBGを伝える配線に接続される。OSトランジスタ810の第1端子は、電圧VDDを与える配線に接続される。OSトランジスタ810の第2端子は、出力端子OUTに接続される。
OSトランジスタ820の第1ゲートは、入力端子INに接続される。OSトランジスタ820の第2ゲートは、入力端子INに接続される。OSトランジスタ820の第1端子は、出力端子OUTに接続される。OSトランジスタ820の第2端子は、電圧VSSを与える配線に接続される。
図24(C)は、インバータ800の動作を説明するためのタイミングチャートである。図24(C)のタイミングチャートでは、入力端子INの信号波形、出力端子OUTの信号波形、信号SBGの信号波形、およびOSトランジスタ810(FET810)のしきい値電圧の変化について示している。
信号SBGはOSトランジスタ810の第2ゲートに与えることで、OSトランジスタ810のしきい値電圧(VTH)を制御することができる。
信号SBGは、VTHをマイナスシフトさせるための電圧VBG_A、VTHをプラスシフトさせるための電圧VBG_Bを有する。第2ゲートに電圧VBG_Aを与えることで、OSトランジスタ810はしきい値電圧VTH_Aにマイナスシフトさせることができる。また、第2ゲートに電圧VBG_Bを与えることで、OSトランジスタ810は、しきい値電圧VTH_Bにプラスシフトさせることができる。
つまりOSトランジスタ810は、図25(A)に示すグラフのように、第2ゲートの電圧を大きくすることで、破線840で表される曲線にシフトさせることができる。また第2ゲートの電圧を小さくすることで、実線841で表される曲線にシフトさせることができる。
しきい値電圧VTH_Bにプラスシフトさせることで、OSトランジスタ810は電流が流れにくい状態とすることができる。図25(B)に図示するように、このとき流れる電流IBを極めて小さくすることができる。そのため、入力端子INに与える信号がハイレベルでOSトランジスタ820はオン状態(ON)のとき、出力端子OUTの電圧の上昇を急峻に行うことができる。したがって、図24(C)に示すタイミングチャートにおける出力端子の信号波形831を急峻な変化にすることができる。また電圧VDDを与える配線と、電圧VSSを与える配線との間に流れる貫通電流を少なくすることができるため、低消費電力での動作を行うことができる。
また、しきい値電圧VTH_Aにマイナスシフトさせることで、OSトランジスタ810は電流が流れやすい状態とすることができる。図25(C)に図示するように、このとき流れる電流IAを少なくとも電流IBよりも大きくすることができる。そのため、入力端子INに与える信号がローレベルでOSトランジスタ820はオフ状態(OFF)のとき、出力端子OUTの電圧の下降を急峻に行うことができる。したがって、図24(C)に示すタイミングチャートにおける出力端子の信号波形832を急峻な変化にすることができる。
なお、信号SBGによるOSトランジスタ810のVTH制御は、OSトランジスタ820の状態が切り替わる以前、すなわち時刻T1やT2よりも前に行うことが好ましい。例えば、図24(C)に図示するように、入力端子INに与える信号がハイレベルに切り替わる時刻T1よりも前に、しきい値電圧VTH_Aから、しきい値電圧VTH_BにOSトランジスタ810のしきい値電圧を切り替えることが好ましい。また、図24(C)に図示するように、入力端子INに与える信号がローレベルに切り替わる時刻T2よりも前に、しきい値電圧VTH_Bからしきい値電圧VTH_AにOSトランジスタ810のしきい値電圧を切り替えることが好ましい。
なお、図24(C)のタイミングチャートでは、入力端子INに与える信号に応じて信号SBGを切り替える構成を示したが、別の構成としてもよい。例えば、しきい値電圧を制御するための電圧は、フローティング状態としたOSトランジスタ810の第2ゲートに保持させる構成としてもよい。当該構成を実現可能な回路構成の一例について、図26(A)に示す。
図26(A)では、図24(B)で示した回路構成に加えて、OSトランジスタ850を有する。OSトランジスタ850の第1端子は、OSトランジスタ810の第2ゲートに接続される。またOSトランジスタ850の第2端子は、電圧VBG_B(あるいは電圧VBG_A)を与える配線に接続される。OSトランジスタ850の第1ゲートは、信号SFを与える配線に接続される。OSトランジスタ850の第2ゲートは、電圧VBG_B(あるいは電圧VBG_A)を与える配線に接続される。
図26(A)の動作について、図26(B)のタイミングチャートを用いて説明する。
図24(C)と同様に、OSトランジスタ810のしきい値電圧を制御するための電圧は、入力端子INに与える信号がハイレベルに切り替わる時刻T3よりも前に、OSトランジスタ810の第2ゲートに与える構成とする。信号SFをハイレベルとしてOSトランジスタ850をオン状態とし、ノードNBGにしきい値電圧を制御するための電圧VBG_Bを与える。
ノードNBGが電圧VBG_Bとなった後は、OSトランジスタ850をオフ状態とする。OSトランジスタ850は、オフ電流が極めて小さいため、オフ状態にし続けることで、一旦ノードに保持させたしきい値電圧VTH_Aを保持することができる。そのため、OSトランジスタ850の第2ゲートに電圧VBG_Bを与える動作の回数が減るため、電圧VBG_Bの書き換えに要する分の消費電力を小さくすることができる。
なお、図24(B)および図26(A)の回路構成では、OSトランジスタ810の第2ゲートに与える電圧を外部からの制御によって与える構成について示したが、別の構成としてもよい。例えば、しきい値電圧を制御するための電圧を、入力端子INに与える信号を基に生成し、OSトランジスタ810の第2ゲートに与える構成としてもよい。当該構成を実現可能な回路構成の一例について、図27(A)に示す。
図27(A)では、図24(B)で示した回路構成において、入力端子INとOSトランジスタ810の第2ゲートとの間にCMOSインバータ860を有する。CMOSインバータ860の入力端子は、入力端子INに接続される。CMOSインバータ860の出力端子は、OSトランジスタ810の第2ゲートに接続される。
図27(A)の動作について、図27(B)のタイミングチャートを用いて説明する。図27(B)のタイミングチャートでは、入力端子INの信号波形、出力端子OUTの信号波形、CMOSインバータ860の出力波形IN_B、およびOSトランジスタ810(FET810)のしきい値電圧の変化について示している。
入力端子INに与える信号の論理を反転した信号である出力波形IN_Bは、図24(C)と同様に、OSトランジスタ810のしきい値電圧を制御できる。したがって、電圧が異なるものの、図25(A)乃至図25(C)で説明したように、OSトランジスタ810のしきい値電圧を制御できる。例えば、図27(B)における時刻T4となるとき、入力端子INに与える信号がハイレベルでOSトランジスタ820はオン状態となる。このとき、出力波形IN_Bはローレベルとなる。そのため、OSトランジスタ810は電流が流れにくい状態とすることができ、出力端子OUTの電圧の上昇を急峻に行うことができる。
また、図27(B)における時刻T5となるとき、入力端子INに与える信号がローレベルでOSトランジスタ820はオフ状態となる。このとき、出力波形IN_Bはハイレベルとなる。そのため、OSトランジスタ810は電流が流れやすい状態とすることができ、出力端子OUTの電圧の上昇を急峻に行うことができる。
以上説明したように本実施の形態の構成では、OSトランジスタを有するインバータにおける、バックゲートの電圧を入力端子INの信号の論理にしたがって切り替える。当該構成とすることで、OSトランジスタのしきい値電圧を制御することができる。OSトランジスタのしきい値電圧の制御を入力端子INに与える信号に併せて制御することで、出力端子OUTの電圧の変化を急峻にすることができる。また、電源電圧を与える配線間の貫通電流を小さくすることができる。そのため、低消費電力化を図ることができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置について図28を用いて説明する。
<8.入出力装置の構成例>
本発明の一態様の入出力装置は、画像を表示する機能と、タッチセンサとしての機能と、を有する、インセル型のタッチパネルである。
本発明の一態様の入出力装置が有する表示素子に限定は無い。液晶素子、MEMS(Micro Electro Mechanical System)を利用した光学素子、有機EL(Electro Luminescence)素子や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子、電気泳動素子など、様々な素子を、表示素子として適用することができる。
本実施の形態では、横電界方式の液晶素子を用いた透過型の液晶表示装置を例に挙げて説明する。
本発明の一態様の入出力装置が有する検知素子(センサ素子ともいう)に限定は無い。指やスタイラスなどの被検知体の近接又は接触を検知することのできる様々なセンサを、検知素子として適用することができる。
例えばセンサの方式としては、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。
本実施の形態では、静電容量方式の検知素子を有する入出力装置を例に挙げて説明する。
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検出が可能となるため好ましい。
インセル型のタッチパネルとしては、代表的にはセミインセル型と、フルインセル型とがある。セミインセル型は、表示素子を支持する基板と対向基板の両方又は対向基板のみに、検知素子を構成する電極等が設けられた構成をいう。一方、フルインセル型は、表示素子を支持する基板のみに、検知素子を構成する電極等を設けた構成をいう。本発明の一態様の入出力装置は、フルインセル型のタッチパネルである。フルインセル型のタッチパネルは、対向基板の構成を簡略化できるため、好ましい。
また、本発明の一態様の入出力装置は、表示素子を構成する電極が、検知素子を構成する電極を兼ねるため、作製工程を簡略化でき、かつ、作製コストを低減でき、好ましい。
また、本発明の一態様を適用することで、別々に作製された表示パネルと検知素子とを貼り合わせる構成や、対向基板側に検知素子を作製する構成に比べて、入出力装置を薄型化もしくは軽量化することができる、又は、入出力装置の部品点数を少なくすることができる。
また、本発明の一態様の入出力装置は、画素を駆動する信号を供給するFPCと、検知素子を駆動する信号を供給するFPCの両方を、一方の基板側に配置する。これにより、電子機器に組み込みやすく、また、部品点数を削減することが可能となる。なお、一つのFPCにより、画素を駆動する信号と検知素子を駆動する信号が供給されてもよい。
以下では、本発明の一態様の入出力装置の構成について説明する。
[入出力装置の断面構成例1]
図28(A)に、入出力装置の隣り合う2つの副画素の断面図を示す。図28(A)に示す2つの副画素はそれぞれ異なる画素が有する副画素である。
図28(A)に示すように、入出力装置は、基板211上に、トランジスタ201a、トランジスタ203a、及び液晶素子207a等を有する。また基板211上には、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層215、絶縁層219等の絶縁層が設けられている。
例えば、赤色を呈する副画素、緑色を呈する副画素、及び青色を呈する副画素によって1つの画素が構成されることで、表示部ではフルカラーの表示を行うことができる。なお、副画素が呈する色は、赤、緑、及び青に限られない。画素には、例えば、白、黄、マゼンタ、又はシアン等の色を呈する副画素を用いてもよい。
副画素が有するトランジスタ201aには、上記実施の形態で例示したトランジスタを適用することができる。
液晶素子207aは、FFS(Fringe Field Switching)モードが適用された液晶素子である。液晶素子207aは、導電膜251、導電膜252、及び液晶249を有する。導電膜251と導電膜252との間に生じる電界により、液晶249の配向を制御することができる。導電膜251は、画素電極として機能することができる。導電膜252は、共通電極として機能することができる。
導電膜251及び導電膜252に、可視光を透過する導電性材料を用いることで、入出力装置を、透過型の液晶表示装置として機能させることができる。また、導電膜251に、可視光を反射する導電性材料を用い、導電膜252に可視光を透過する導電性材料を用いることで、入出力装置を、反射型の液晶表示装置として機能させることができる。
可視光を透過する導電性材料としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などが挙げられる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。
導電膜251に酸化物導電膜を用いることが好ましい。また、導電膜252に酸化物導電膜を用いることが好ましい。酸化物導電膜は、酸化物半導体膜223に含まれる金属元素を一種類以上有することが好ましい。例えば、導電膜251は、インジウムを含むことが好ましく、In−M−Zn酸化物(MはAl、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、Sn又はHf)膜であることがさらに好ましい。同様に、導電膜252は、インジウムを含むことが好ましく、In−M−Zn酸化物膜であることがさらに好ましい。
なお、導電膜251と導電膜252のうち、少なくとも一方を、酸化物半導体を用いて形成してもよい。上述の通り、同一の金属元素を有する酸化物半導体を、入出力装置を構成する層のうち2層以上に用いることで、製造装置(例えば、成膜装置、加工装置等)を2以上の工程で共通で用いることが可能となるため、製造コストを抑制することができる。
例えば、絶縁膜253に水素を含む窒化シリコン膜を用い、導電膜251に酸化物半導体を用いると、絶縁膜253から供給される水素によって、酸化物半導体の導電率を高めることができる。
可視光を反射する導電性材料としては、例えば、アルミニウム、銀、又はこれらの金属材料を含む合金等が挙げられる。
画素電極として機能する導電膜251は、トランジスタ203aのソース又はドレインと電気的に接続される。
導電膜252は、櫛歯状の上面形状(平面形状ともいう)、又はスリットが設けられた上面形状を有する。導電膜251と導電膜252の間には、絶縁膜253が設けられている。導電膜251は、絶縁膜253を介して導電膜252と重なる部分を有する。また、導電膜251と着色膜241とが重なる領域において、導電膜251上に導電膜252が配置されていない部分を有する。
絶縁膜253上には、導電膜255が設けられている。導電膜255は、導電膜252と電気的に接続されており、導電膜252の補助配線として機能することができる。共通電極と電気的に接続する補助配線を設けることで、共通電極の抵抗に起因する電圧降下を抑制することができる。また、このとき、金属酸化物を含む導電膜と、金属を含む導電膜の積層構造とする場合には、ハーフトーンマスクを用いたパターニング技術により形成すると、工程を簡略化できるため好ましい。
導電膜255は、導電膜252よりも抵抗値の低い膜とすればよい。導電膜255は、例えば、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、銀、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。
入出力装置の使用者から視認されないよう、導電膜255は、遮光膜243等と重なる位置に設けられることが好ましい。
着色膜241は、液晶素子207aと重なる部分を有する。遮光膜243は、トランジスタ201a、203aのうち、少なくとも一方と重なる部分を有する。
絶縁膜245は、着色膜241や遮光膜243等に含まれる不純物が液晶249に拡散することを防ぐオーバーコートとしての機能を有することが好ましい。絶縁膜245は、不要であれば設けなくてもよい。
なお、基板211及び基板261の液晶249と接する表面には、配向膜が設けられていてもよい。配向膜は、液晶249の配向を制御することができる。例えば、図28(A)において、導電膜252を覆う配向膜を形成してもよい。また、図28(A)において、絶縁膜245と液晶249の間に、配向膜を有していてもよい。また、絶縁膜245が、配向膜としての機能と、オーバーコートとしての機能の双方を有していてもよい。
また、入出力装置は、スペーサ247を有する。スペーサ247は、基板211と基板261との距離が一定以上近づくことを防ぐ機能を有する。
図28(A)では、スペーサ247は、絶縁膜253上及び導電膜252上に設けられている例を示すが、本発明の一態様はこれに限られない。スペーサ247は、基板211側に設けられていてもよいし、基板261側に設けられていてもよい。例えば、絶縁膜245上にスペーサ247を形成してもよい。また、図28(A)では、スペーサ247が、絶縁膜253及び絶縁膜245と接する例を示すが、基板211側又は基板261側のいずれかに設けられた構造物と接していなくてもよい。
スペーサ247として粒状のスペーサを用いてもよい。粒状のスペーサとしては、シリカなどの材料を用いることもできるが、樹脂やゴムなどの弾性を有する材料を用いることが好ましい。このとき、粒状のスペーサは上下方向に潰れた形状となる場合がある。
基板211及び基板261は、図示しない接着層によって貼り合わされている。基板211、基板261、及び接着層に囲まれた領域に、液晶249が封止されている。
なお、入出力装置を、透過型の液晶表示装置として機能させる場合、偏光板を、表示部を挟むように2つ配置する。偏光板よりも外側に配置されたバックライトからの光は偏光板を介して入射される。このとき、導電膜251と導電膜252の間に与える電圧によって液晶249の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板を介して射出される光の強度を制御することができる。また、入射光は着色膜241によって特定の波長領域以外の光が吸収されるため、射出される光は例えば赤色、青色、又は緑色を呈する光となる。
また、偏光板に加えて、例えば円偏光板を用いることができる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。円偏光板により、入出力装置の表示の視野角依存を低減することができる。
なお、ここでは液晶素子207aとしてFFSモードが適用された素子を用いたが、これに限られず様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えば、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
また、入出力装置にノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置を適用してもよい。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASVモードなどを用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶又はネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
また、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶249に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
ここで、基板261よりも上部に、指又はスタイラスなどの被検知体が直接触れる基板を設けてもよい。またこのとき、基板261と当該基板との間に偏光板又は円偏光板を設けることが好ましい。その場合、当該基板上に保護層(セラミックコート等)を設けることが好ましい。保護層は、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの無機絶縁材料を用いることができる。また、当該基板に強化ガラスを用いてもよい。強化ガラスは、イオン交換法や風冷強化法等により物理的、又は化学的な処理が施され、その表面に圧縮応力を加えたものを用いることができる。
図28(A)では、左の副画素が有する導電膜252と、右の副画素が有する導電膜252との間に形成される容量を利用して、被検知体の近接又は接触等を検知することができる。すなわち本発明の一態様の入出力装置において、導電膜252は、液晶素子の共通電極と、検知素子の電極と、の両方を兼ねる。
このように、本発明の一態様の入出力装置では、液晶素子を構成する電極が、検知素子を構成する電極を兼ねるため、作製工程を簡略化でき、かつ作製コストを低減できる。また、入出力装置の薄型化、軽量化を図ることができる。
導電膜252は、補助配線として機能する導電膜255と電気的に接続されている。導電膜255を設けることで、検知素子の電極の抵抗を低減させることができる。検知素子の電極の抵抗の抵抗が低下することで、検知素子の電極の時定数を小さくすることができる。検知素子の電極の時定数が小さいほど、検出感度を高めることができ、さらには、検出の精度を高めることができる。
また、検知素子の電極と信号線との間の容量が大きすぎると、検知素子の電極の時定数が大きくなる場合がある。そのため、トランジスタと検知素子の電極との間に、平坦化機能を有する絶縁膜を設け、検知素子の電極と信号線との間の容量を削減することが好ましい。例えば、図28(A)では、平坦化機能を有する絶縁膜として絶縁層219を有する。絶縁層219を設けることで、導電膜252と信号線との容量を小さくすることができる。これにより、検知素子の電極の時定数を小さくすることができる。前述の通り、検知素子の電極の時定数が小さいほど、検出感度を高めることができ、さらには、検出の精度を高めることができる。
例えば、検知素子の電極の時定数は、0秒より大きく1×10−4秒以下、好ましくは0秒より大きく5×10−5秒以下、より好ましくは0秒より大きく5×10−6秒以下、より好ましくは0秒より大きく5×10−7秒以下、より好ましくは0秒より大きく2×10−7秒以下であるとよい。特に、時定数を1×10−6秒以下とすることで、ノイズの影響を抑制しつつ高い検出感度を実現することができる。
[入出力装置の断面構成例2]
図28(B)に、図28(A)とは異なる、隣り合う2つの画素の断面図を示す。図28(B)に示す2つの副画素はそれぞれ異なる画素が有する副画素である。
図28(B)に示す構成例2は、導電膜251、導電膜252、絶縁膜253、及び導電膜255の積層順が、図28(A)に示す構成例1と異なる。なお、構成例2において、構成例1と同様の部分に関しては、上記を参照することができる。
具体的には、構成例2は、絶縁層219上に導電膜255を有し、導電膜255上に導電膜252を有し、導電膜252上に絶縁膜253を有し、絶縁膜253上に導電膜251を有する。
図28(B)に示す液晶素子207bのように、上層に設けられ、櫛歯状又はスリット状の上面形状を有する導電膜251を画素電極とし、下層に設けられる導電膜252を共通電極として用いることもできる。その場合にも、導電膜251がトランジスタ203aのソース又はドレインと電気的に接続されればよい。
図28(B)では、左の副画素が有する導電膜252と、右の副画素が有する導電膜252との間に形成される容量を利用して、被検知体の近接又は接触等を検知することができる。すなわち本発明の一態様の入出力装置において、導電膜252は、液晶素子の共通電極と、検知素子の電極と、の両方を兼ねる。
なお、構成例1(図28(A))では、検知素子の電極と共通電極を兼ねる導電膜252が、画素電極として機能する導電膜251よりも表示面側(被検知体に近い側)に位置する。これにより、導電膜251が導電膜252よりも表示面側に位置する構成例2よりも、構成例1では、検出感度が向上する場合がある。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示モジュール及び電子機器について、図29及び図30を用いて説明を行う。
<9−1.表示モジュール>
図29に示す表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8003に接続されたタッチパネル8004、FPC8005に接続された表示パネル8006、バックライト8007、フレーム8009、プリント基板8010、バッテリ8011を有する。
本発明の一態様の半導体装置は、例えば、表示パネル8006に用いることができる。
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチパネル8004及び表示パネル8006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル8006に重畳して用いることができる。また、表示パネル8006の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル8006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
バックライト8007は、光源8008を有する。なお、図29において、バックライト8007上に光源8008を配置する構成について例示したが、これに限定さない。例えば、バックライト8007の端部に光源8008を配置し、さらに光拡散板を用いる構成としてもよい。なお、有機EL素子等の自発光型の発光素子を用いる場合、または反射型パネル等の場合においては、バックライト8007を設けない構成としてもよい。
フレーム8009は、表示パネル8006の保護機能の他、プリント基板8010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板8010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ8011による電源であってもよい。バッテリ8011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール8000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
<9−2.電子機器>
図30(A)乃至図30(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有することができる。
図30(A)乃至図30(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図30(A)乃至図30(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図30(A)乃至図30(H)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図30(A)乃至図30(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図30(A)は、テレビジョン装置9100を示す斜視図である。テレビジョン装置9100は、表示部9001を大画面、例えば、50インチ以上、または100インチ以上の表示部9001を組み込むことが可能である。
図30(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
図30(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図30(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図30(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図30(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図30(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図30(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。ただし、本発明の一態様の半導体装置は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
102 基板
104 絶縁膜
106 導電膜
108 酸化物半導体膜
108_1 層
108_2 層
108_3 層
108d ドレイン領域
108i チャネル領域
108s ソース領域
110 絶縁膜
110_0 絶縁膜
112 酸化物半導体膜
112_0 酸化物半導体膜
116 絶縁膜
117 絶縁膜
118 絶縁膜
120 導電膜
120a 導電膜
120b 導電膜
140 マスク
141a 開口部
141b 開口部
143 開口部
145 不純物元素
150 トランジスタ
150A トランジスタ
150B トランジスタ
160 トランジスタ
160A トランジスタ
160B トランジスタ
170 トランジスタ
201a トランジスタ
203a トランジスタ
207a 液晶素子
207b 液晶素子
211 基板
212 絶縁層
213 絶縁層
215 絶縁層
219 絶縁層
223 酸化物半導体膜
241 着色膜
243 遮光膜
245 絶縁膜
247 スペーサ
249 液晶
251 導電膜
252 導電膜
253 絶縁膜
255 導電膜
261 基板
501 画素回路
502 画素部
504 駆動回路部
504a ゲートドライバ
504b ソースドライバ
506 保護回路
507 端子部
550 トランジスタ
552 トランジスタ
554 トランジスタ
560 容量素子
562 容量素子
570 液晶素子
572 発光素子
700 表示装置
701 基板
702 画素部
704 ソースドライバ回路部
705 基板
706 ゲートドライバ回路部
708 FPC端子部
710 信号線
711 配線部
712 シール材
716 FPC
730 絶縁膜
732 封止膜
734 絶縁膜
736 着色膜
738 遮光膜
750 トランジスタ
752 トランジスタ
760 接続電極
770 平坦化絶縁膜
772 導電膜
774 導電膜
775 液晶素子
776 液晶層
778 構造体
780 異方性導電膜
782 発光素子
784 導電膜
786 EL層
788 導電膜
790 容量素子
800 インバータ
810 OSトランジスタ
820 OSトランジスタ
831 信号波形
832 信号波形
840 破線
841 実線
850 OSトランジスタ
860 CMOSインバータ
1280a p型トランジスタ
1280b n型トランジスタ
1280c n型トランジスタ
1281 容量素子
1282 トランジスタ
1311 配線
1312 配線
1313 配線
1314 配線
1315 配線
1316 配線
1317 配線
1351 トランジスタ
1352 トランジスタ
1353 トランジスタ
1354 トランジスタ
1360 光電変換素子
1401 信号
1402 信号
1403 信号
1404 信号
1405 信号
8000 表示モジュール
8001 上部カバー
8002 下部カバー
8003 FPC
8004 タッチパネル
8005 FPC
8006 表示パネル
8007 バックライト
8008 光源
8009 フレーム
8010 プリント基板
8011 バッテリ
9000 筐体
9001 表示部
9003 スピーカ
9005 操作キー
9006 接続端子
9007 センサ
9008 マイクロフォン
9050 操作ボタン
9051 情報
9052 情報
9053 情報
9054 情報
9055 ヒンジ
9100 テレビジョン装置
9101 携帯情報端末
9102 携帯情報端末
9200 携帯情報端末
9201 携帯情報端末

Claims (9)

  1. トランジスタを有する半導体装置であって、
    前記トランジスタは、
    第1のゲート電極と、
    前記第1のゲート電極上の第1のゲート絶縁膜と、
    前記第1のゲート絶縁膜上の第1の酸化物半導体膜と、
    前記第1の酸化物半導体膜上の第2のゲート絶縁膜と、
    前記第2のゲート絶縁膜上の第2の酸化物半導体膜と、を有し、
    前記第1の酸化物半導体膜は、
    前記第2の酸化物半導体膜が重畳するチャネル領域と、
    前記チャネル領域に接して設けられるソース領域と、
    前記チャネル領域に接して設けられるドレイン領域と、を有し、
    前記チャネル領域は、
    第1の層と、
    前記第1の層の上面と接し、且つ前記第1の層のチャネル幅方向の側面を覆う第2の層と、を有し、
    前記第2の酸化物半導体膜は、
    前記第1の酸化物半導体膜よりもキャリア密度が高い、
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. トランジスタを有する半導体装置であって、
    前記トランジスタは、
    第1のゲート電極と、
    前記第1のゲート電極上の第1のゲート絶縁膜と、
    前記第1のゲート絶縁膜上の第1の酸化物半導体膜と、
    前記第1の酸化物半導体膜上の第2のゲート絶縁膜と、
    前記第2のゲート絶縁膜上の第2の酸化物半導体膜と、を有し、
    前記第1の酸化物半導体膜は、
    前記第2の酸化物半導体膜が重畳するチャネル領域と、
    前記チャネル領域に接して設けられるソース領域と、
    前記チャネル領域に接して設けられるドレイン領域と、を有し、
    前記第1の酸化物半導体膜は、
    前記第2の酸化物半導体膜が重畳するチャネル領域と、
    前記第2の絶縁膜が接するソース領域と、
    前記第2の絶縁膜が接するドレイン領域と、を有し、
    前記チャネル領域は、
    第1の層と、
    前記第1の層の上面と接し、且つ前記第1の層のチャネル幅方向の側面を覆う第2の層と、
    前記第1の層の下面と接する第3の層と、を有し、
    前記第2の酸化物半導体膜は、
    前記第1の酸化物半導体膜よりもキャリア密度が高い、
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記トランジスタは、さらに、
    前記第2の酸化物半導体膜上の絶縁膜と、
    前記絶縁膜に設けられた開口部を介して、前記ソース領域に接続するソース電極と、
    前記絶縁膜に設けられた開口部を介して、前記ドレイン領域に接続するドレイン電極と、を有する、
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記ソース領域及び前記ドレイン領域は、
    水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、または希ガスの1以上を有する、
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記第1の酸化物半導体膜、及び前記第2の酸化物半導体膜のいずれか一方または双方は、
    Inと、Znと、M(MはAl、Ga、Y、またはSn)と、を有する、
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記第1の酸化物半導体膜、及び前記第2の酸化物半導体膜のいずれか一方または双方は、
    結晶部を有し、前記結晶部は、c軸配向性を有する、
    ことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1乃至請求項6に記載のいずれか一つの半導体装置と、
    表示素子と、
    を有することを特徴とする表示装置。
  8. 請求項7に記載の表示装置と、
    タッチセンサと、
    を有することを特徴とする表示モジュール。
  9. 請求項1乃至請求項6に記載のいずれか一つの半導体装置、請求項7に記載の表示装置、または請求項8に記載の表示モジュールと、
    操作キーまたはバッテリと、を
    有することを特徴とする電子機器。
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