JP2017002877A - 移動式クレーン - Google Patents
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Abstract
Description
さて、クレーン作業を行っている移動式クレーンは、クレーン作業と次のクレーン作業との間、エンジンを駆動した状態(アイドリング状態)で待機していることがある。
作業待ち時間において、アイドリング中のエンジンを停止することを目的とする技術が、例えば特許文献1、2に開示されている。
また、特許文献2は、エンジンを動力源として油圧ポンプを作動させ、クレーン操作手段の操作に基づいて上記油圧ポンプの吐出油により油圧アクチュエータを駆動して、ブーム先端から吊下げたワイヤにより吊荷を吊上げ作業するクレーン車のエンジン制御装置において、上記クレーン操作手段の操作の有無を検出するクレーン操作検出手段と、ブーム先端に吊下げられている吊荷の有無を検出する吊荷検出手段と、上記検出手段からの信号に基づきクレーン操作が無い状態と吊荷が無い状態とが同時に予め設定された時間継続したときにエンジンを停止するエンジン停止手段と、を備えている。
特許文献3には、内燃機関の回転を変速して駆動輪に伝達するマニュアル式変速機と、灯火装置とを備える自動二輪車において、前記内燃機関のアイドルストップを指示するアイドルストップスイッチと、前記灯火装置の点灯又は非点灯を検出する灯火装置点灯検出手段と、前記アイドルストップスイッチが操作されると、前記灯火装置点灯検出手段によって前記灯火装置のうちのヘッドライトの点灯が検出された場合は前記内燃機関の停止を禁止させ、前記ヘッドライトの非点灯が検出された場合は前記内燃機関を停止させるアイドルストップ制御部と、を備える自動二輪車が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に開示された技術を用いたオートアイドルストップ機構の場合、移動式クレーンがクレーン作業を行う作業現場では、オートアイドルストップ機構によりエンジンが思わぬところで停止してしまうと、予期せぬ事態が生じてしまう。
このような状況になることを回避するために、「停止条件を厳しくしたオートアイドルストップ機構」を考えることができる。停止条件を厳しくしたオートアイドルストップ機構は、移動式クレーンが作業する現場では十分に作動するものと思われる。
例えば、作業現場では、安全性が確保されているが、停止可能条件を全て満たしていないため、オートアイドルストップ機構が作動しない状況がある。そのような状況においても、アイドルストップ動作を行いたいとの要望がある。
ところが、従来からのオートアイドルストップ機構では、エンジンの回転数が低く、安全が確保されているにも拘わらず、クレーン組み立て中であるが故に、クレーン作業中を意図した停止条件を満たさないことから、エンジンの停止動作が自動的に行われないことがある。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、移動式クレーンの作業状況に応じて、オペレータが手動でエンジン停止することができる手動停止機構を備えた移動式クレーンを提供することを目的とする。
本発明のかかる移動式クレーンは、クレーン作業するための駆動力を発生するエンジンと、前記エンジン及びエンジン付帯装置を起動及び停止させる起動停止手段と、前記起動停止手段とは別に備えられていて、且つオペレータが操作することで駆動中の前記エンジンのみを強制的に停止させる手動停止機構と、を有していることを特徴とする。
好ましくは、第2の停止可能条件のもとで、駆動中の前記エンジンのみを自動的に停止させる自動停止機構が備えられているとよい。
好ましくは、前記手動停止機構は、前記第2の停止可能条件を前記第1の停止可能条件へと変更し、変更後の前記第1の停止条件のもとで、前記自動停止機構により前記エンジンのみを停止する機能を有しているとよい。
本実施形態では、自動停止機構(オートアイドリングストップ機構:AIS)を有する移動式クレーン1に備えられ、且つその移動式クレーン1のエンジンをオペレータが操作して強制的に停止することのできる手動停止機構20(マニュアルアイドルストップ機構:MIS)について説明する。
その前に、本実施形態の手動停止機構20が配備される移動式クレーン1(クローラクレーン)について図を基に説明する。
図1、図2に示すように、クローラクレーン1(以下、単にクレーンということもある)は、上部旋回体3と、上部旋回体3を旋回自在に下から支持するとともに、走行を行う下部走行体2と、を備えている。また、上部旋回体3の幅方向中央の前方には、フック装置7を吊りロープ6を介して吊り下げるブーム5が備えられている。そのブーム5を操作する操作ユニットが内部に配備されたキャブ11(運転室)が、上部旋回体3の幅方向一方側(右側)の前方に搭載されている。
上部旋回体3は、鋼材で形成され、前後方向の長さが、左右方向の幅よりやや長い板状の枠体(ラダーフレーム)である。
一方、上部旋回体3の幅方向中央後側には、起伏ロープ9が掛回されたマスト8と、起伏ロープ9の巻き取りや繰り出しを行うことによりブーム5を起伏させる起伏用ウインチ(図示せず)が配備されている。上部旋回体3の後方には、カウンターウエイト10が配備されている。
図2に示すように、キャブ11は内部が広い空間とされた筐体とされ、キャブ11の前面及び左右側面(搭乗した使用者から見た前、左右)には、搭乗したオペレータの視界を確保するための窓12が設けられている。クレーン操作を行う操作部14(操作ユニット)と、オペレータが着座可能な座席13と、当該内部を冷やすエアコン(図示せず)とが配備されている。
オートアイドルストップ機構(AIS)は、予め設定された停止可能条件(第2の停止可能条件)を満たしたとき、その満たされた停止可能条件のもとで、アイドリング中のエンジンのみを自動的に停止させる機構であり、例えばクレーン1を制御する制御装置内に、プログラムとして組み込まれている。
ここで、オートアイドルストップ機構における停止可能条件について、説明する。
図3は、オートアイドルストップ機構を動作させる際に満たされる必要がある停止可能条件、及び手動停止機構20(詳細は後述)を動作させる際に満たされる必要がある停止可能条件を示す図である。
この第2の停止可能条件としては、例えば、図3中のNo,1〜No,6に示されている条件(AIS必要条件)が挙げられる。
以上述べたように、本実施形態のオートアイドルストップ機構は、第1の停止可能条件基づいて、作業環境に応じて、適切にエンジンのアイドルストップを行っている。
例えば、建築工事現場など、現場の作業状況により、待機時間や待機条件が変則的となる環境では、作業の進捗状況による待ち時間(5分〜30分程度)が発生することがある。この待ち時間について、「どのタイミングで発生するか」、また「どれだけの期間であるか」といった予測をすることは困難であり、オートアイドルストップ機構では、適切にエンジンを停止させることは難しい。
そこで、本実施形態においては、上記の状況下にも対応できるように、オペレータの判断に基づいて、駆動中のエンジンのみを手動で停止させる機構を、クレーン1に備えた。
サブスイッチ20aは、キャブ11内部の操作部14に、起動停止手段17(メインスイッチ)とは別に独立して備えられていて、例えば押しボタンスイッチなどの手動操作可能の機器である。
ところで、メインスイッチ17を使ってエンジンを停止させることも可能と思われるが、メインスイッチ17でエンジンを停止すると、クレーン1の制御系統も停止することとなり、制御装置などの初期設定が消去されてしまう。つまり、メインスイッチ17を使ってアイドルストップすると、エンジン起動毎に制御装置などの初期設定を行わなければならないので、手間がかかるし、作業の状況によっては制御装置などの再設定に時間が掛かるので、現場において作業の遅れが生じてしまう虞がある。
サブスイッチ20aは、制御装置内にプログラムとして組み込まれたマニュアルアイドルストップ機構(MIS)20がエンジン停止可能と判断したとき、すなわち停止可能条件がある一定条件を満たしたとき、その満たされた停止可能条件のもとで、アイドリング中のエンジンのみを手動で停止させることができる機器(押しボタンスイッチ)である。
マニュアルアイドルストップ機構20における停止可能条件は、第1の停止可能条件として設定される。
第1の停止可能条件は、オートアイドルストップ機構を動作させるために必要な第2の停止可能条件(図3中のAIS項目の○印)に加え、クレーン作業の安全性を確保するために必要な最低限の条件、すなわち特定の停止可能条件(MIS必要条件)を必ず含んで、設定される。
このマニュアルアイドルストップ機構20の判断により、手動停止可能となるサブスイッチ20aによれば、オートアイドルストップ機構が動作しない状況下でも、オペレータの判断でアイドリング中のエンジンのみを容易、且つ素早く停止することができる。
次に、マニュアルアイドルストップ機構20のエンジン停止判断手順を、図4に示されているフローチャート図に沿って説明する。
次いで、制御装置や、操作モニタ16などに電力を供給するためのバッテリの充電状況を検出する(STEP2)。バッテリが規定値以上である、つまりバッテリの充電が完了されていると検出された場合、STEP3へ進む(YES)。バッテリが規定値より小さい、つまり充電が不十分であると検出された場合はリターンする(NO)。
そして、特定の停止可能条件(旋回パーキング状態やバッテリ充電状態など、図3中のMIS項目の◎印)、すなわち第1の停止可能条件に基づいて、サブスイッチ20aを有効とするかを判断する(STEP3)。第1の停止可能条件が満たされた場合、サブスイッチ20aを有効とし、STEP4へ進む(YES)。一方、例えば、第1の停止可能条件が満たされていない場合はリターンする(NO)。
なお、クレーン作業を再開する際には、オペレータはキャブ11内に配備されているアクセルペダル21を踏んで、エンジンを再始動させる(オートアイドルストップ機構によりエンジンが停止されている場合も同様である)。また、アクセルペダル21を踏んでも再始動することができるが、操作レバー15に設けられたアクセルグリップ22を操作することでもエンジンを再始動させることができる。
例えば、本発明の手動停止機構20は、単独で機能させることが可能な技術であるので、自動停止機構が備えられていない移動式クレーン1に備えることも可能である。
また、実施形態の説明においては、移動式クレーン1は、自動停止機構(オートアイドリングストップ機構:AIS)を備えるものとされていたが、自動停止機構を有さない移動式クレーンであっても、本願発明の手動停止機構20を採用することができる。
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 旋回手段
5 ブーム
6 吊りロープ
7 フック装置
8 マスト
9 起伏ロープ
10 カウンターウエイト
11 キャブ(運転室)
12 窓
13 座席
14 操作部
15 操作レバー
16 操作モニタ
17 起動停止手段(メインスイッチ)
18 キーシリンダ
19 キー(鍵)
20 手動停止機構
20a サブスイッチ
21 アクセルペダル
22 アクセルグリップ
Claims (4)
- クレーン作業するための駆動力を発生するエンジンと、
前記エンジン及びエンジン付帯装置を起動及び停止させる起動停止手段と、
前記起動停止手段とは別に備えられていて、且つオペレータが操作することで駆動中の前記エンジンのみを強制的に停止させる手動停止機構と、
を有していることを特徴とする移動式クレーン。 - 前記手動停止機構は、第1の停止可能条件のもとでのみ、前記エンジンのみを強制的に停止させる機能を有することを特徴とする請求項1に記載の移動式クレーン。
- 第2の停止可能条件のもとで、駆動中の前記エンジンのみを自動的に停止させる自動停止機構が備えられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動式クレーン。 - 前記手動停止機構は、前記第2の停止可能条件を前記第1の停止可能条件へと変更し、変更後の前記第1の停止条件のもとで、前記自動停止機構により前記エンジンのみを停止する機能を有していることを特徴とする請求項3に記載の移動式クレーン。
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