JP6728975B2 - クレーンにおけるais制御方法 - Google Patents
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Description
さて、クレーン作業を行っている移動式クレーンは、クレーン作業と次のクレーン作業との間、エンジンを駆動した状態(アイドリング状態)で待機していることがある。
作業待ち時間において、アイドリング中のエンジンを停止することを目的とする技術が、例えば特許文献1、2に開示されている。
また、特許文献2は、エンジンを動力源として油圧ポンプを作動させ、クレーン操作手段の操作に基づいて上記油圧ポンプの吐出油により油圧アクチュエータを駆動して、ブーム先端から吊下げたワイヤにより吊荷を吊上げ作業するクレーン車のエンジン制御装置において、上記クレーン操作手段の操作の有無を検出するクレーン操作検出手段と、ブーム先端に吊下げられている吊荷の有無を検出する吊荷検出手段と、上記検出手段からの信号に基づきクレーン操作が無い状態と吊荷が無い状態とが同時に予め設定された時間継続したときにエンジンを停止するエンジン停止手段と、を備えている。
具体的には、所定の停止条件が揃った際に、クレーン側に搭載された制御部は、キャビン内に配備された操作モニタ上に「エンジンストップを行う旨のカウントダウン」を表示するようになる。
キャンセルボタンが押された後、クレーン側に搭載された制御部は、再び、クレーンの稼働状態を検知し、所定の停止条件が揃った際に、自動的にエンジンを停止するためのAIS許可申請を発令するようになる。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、オペレータに煩わしさを感じさせることなく、省エネ効果を最大限に発揮可能なクレーンにおけるAIS制御方法を提供することを目的とする。
本発明のかかるクレーンにおけるAIS制御方法は、駆動力を発生するエンジンが搭載されたクレーンに設けられたAIS機構であって、所定の条件を満たした状況下で、前記エンジンを自動的に停止させるエンジン停止手段と、前記エンジン停止手段により前記エンジンを実際に停止させる前に「予告」を行う予告手段とを有するAIS機構において、現在の作業状態を検知し、検知した作業状態が繁忙状態の場合には、前記予告手段が動作するまでの時間を長くし、検知した作業状態が閑散状態の場合には、予告手段が動作するまでの時間を短くする予告開始変更手段を有することを特徴とする。
好ましくは、前記予告開始変更手段は、前記エンジンの回転数を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されているとよい。
好ましくは、前記クレーンが油圧回路を有するに際しては、前記予告開始変更手段は、前記油圧回路内の油圧ポンプの回転数を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されているとよい。
好ましくは、前記クレーンが電動モータを有するに際しては、前記予告開始変更手段は、前記電動モータの回転数を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されているとよい。
本実施形態にかかるAIS機構(オートアイドリングストップ機構)の詳細を説明する前に、AIS機構を有するクローラクレーン1について図を基に説明する。
図1を参照して、本実施形態によるクローラクレーン1(移動式クレーン)の基本的な構成を説明する。
上部旋回体3は、鋼材で形成され、前後方向の長さが、左右方向の幅よりやや長い板状の枠体(ラダーフレーム)である。
一方、上部旋回体3の幅方向中央後側には、起伏ロープ9が掛回されたマスト8と、起伏ロープ9の巻き取りや繰り出しを行うことによりブーム5を起伏させる起伏用ウインチ(図示せず)が配備されている。上部旋回体3の後方には、カウンターウエイト10が配備されている。
図2に示すように、キャブ11は内部が空間とされた筐体とされ、キャブ11の前面及び左右側面(搭乗した使用者から見た前、左右)には、搭乗したオペレータの視界を確保するための窓12が設けられている。クレーン操作を行う操作部14(操作ユニット)と、オペレータが着座可能な座席13が配備されている。
AIS機構は、主としてエンジンを自動的に停止する機能を有している。このAIS機構が機能することにより、エンジンで消費される燃料量を低減することができると共に、エンジンから外部へ排出される排出ガスを抑制することができる。なお、本実施形態においては、上記したAIS機構が起動されると、操作モニタ16に「AIS動作中」として表示して、AIS機構が動作中であることを伝達するようになっている。
例えば、「組立/分解モードではない」などを判断した上で、例えば、エンジンの回転数が予め定められた条件を満たせば、S2の如く、AIS許可申請を動作させる。
その後、クレーン1側に搭載された制御部に備えられた予告手段は、キャブ11内に配備された操作モニタ16上に「エンジンストップを行う旨のカウントダウン」を表示するようになる。例えば、クレーン1側に搭載された制御部が、10秒後にエンジンストップを行うと判断した場合、操作モニタ16上のカウントダウン表示部19に、「10,9,8・・・」とデクリメントされる数字が表示され、この表示が「0」となった場合に、エンジン停止手段により、エンジンが停止される(図3のS6)。
すなわち、オペレータは、操作モニタ16上に「10,9,8・・・」と表示されはじめ、クレーン1側からのAIS許可申請が発令されると、その表示(許可申請)が心理的な圧迫となったり、煩わしく感じたりして、操作モニタ16上のキャンセルボタン18を押してしまう虞がある。また、オペレータが煩わしく感じないとしても、現在行っている作業でエンジンストップされては困るとオペレータが判断した場合にも、操作モニタ16上のキャンセルボタン18(キャンセル手段)が押され、エンジンストップが解除されることとなる。
そもそも、省エネや環境性能の向上を狙うとすれば、再度、AIS許可申請を行うまでの時間は短い方がよいことは自明である。ところが、キャンセル後に再度、AIS許可申請が発令されるまでの時間が短いと、オペレータは頻繁にAIS許可申請のキャンセル操作をせざるを得なくなり、オペレータは煩わしさを感じるようになる。このように、キャンセル〜再度のAIS許可申請までの時間が一定であると、省エネ効果とオペレータの煩わしさの低減の両方を同時に満たすことが困難となる。
さて、前述した予告開始変更手段は、キャンセルボタン18が押された後に、現在の作業負荷を検知するとしたが、具体的な検出方法は幾つか考えられる。それについて、以下に述べる。
また、エンジンの回転数の平均値(例えば、移動平均値)などを算出し、この平均値が閾値を超えた場合、「高負荷」であると判定してもよい。なお、クレーン1に電動モータが搭載されている場合、電動モータの回転数を利用し、上記した考えを適用して「高負荷」状態を判別してもよい。
さらに、クレーン1が油圧シリンダを有する場合、油圧シリンダの動作回数(例えば、1分間の動作回数)を検出し、その回数がある閾値以上であれば、「高負荷」であると判断してもよい。同じ考え方で、クレーン1を操作する操作レバーの操作回数を用いて「高負荷」を判断してもよい。
以上のように、予告開始変更手段は、現在の作業負荷を検知し、検知した作業負荷が高負荷の場合には、予告手段が動作するまでの時間を長くし、検知した作業負荷が低負荷の場合には、予告手段が動作するまでの時間を短くするようにする。そうすることで、クレーン1の負荷に応じて、許可申請を行うまでの時間を早めたり、遅らせたりすることができ、省エネ効果とオペレータの煩わしさの低減の両方を同時に満たすことが可能となる。
特に、今回開示された各実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
また、本実施形態では、クローラクレーン1を例示して説明を行ったが、本発明のAIS機構の制御方法は、建設機械全般に適用可能である。
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 旋回手段
5 ブーム
6 吊りロープ
7 フック装置
8 マスト
9 起伏ロープ
10 カウンターウエイト
11 キャブ(運転室)
12 窓
13 座席
14 操作部
15 操作レバー
16 操作モニタ
17 アクセルペダル
18 キャンセルボタン(キャンセル手段)
19 カウントダウン表示部
Claims (7)
- 駆動力を発生するエンジンが搭載されたクレーンに設けられたAIS機構であって、
所定の条件を満たした状況下で、前記エンジンを自動的に停止させるエンジン停止手段と、
前記エンジン停止手段により前記エンジンを実際に停止させる前に「予告」を行う予告手段とを有するAIS機構において、
現在の作業状態を検知し、検知した作業状態が繁忙状態の場合には、前記予告手段が動作するまでの時間を長くし、検知した作業状態が閑散状態の場合には、予告手段が動作するまでの時間を短くする予告開始変更手段と、
前記予告手段による予告をキャンセルすると共に、前記エンジン停止手段による前記エンジンの停止を阻止するキャンセル手段とを、有しており、
前記予告開始変更手段は、前記キャンセル手段によるキャンセル動作が発生した後であって前記エンジンが停止する前に、現在の作業状態を検知し、検知した作業状態が繁忙状態の場合には、再び予告手段が動作するまでの時間を長くし、検知した作業状態が閑散状態の場合には、再び予告手段が動作するまでの時間を短くするように構成されていることを特徴とするクレーンにおけるAIS制御方法。 - 前記予告開始変更手段は、前記クレーンを操作する操作レバーの使用頻度を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクレーンにおけるAIS制御方法。
- 前記予告開始変更手段は、前記エンジンの回転数を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のクレーンにおけるAIS制御方法。
- 前記クレーンが油圧回路を有するに際しては、前記予告開始変更手段は、前記油圧回路内の油圧ポンプの吐出圧を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクレーンにおけるAIS制御方法。
- 前記クレーンが油圧回路を有するに際しては、前記予告開始変更手段は、前記油圧回路内の油圧ポンプの回転数を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクレーンにおけるAIS制御方法。
- 前記クレーンが油圧回路を有するに際しては、前記予告開始変更手段は、前記油圧回路内の油圧シリンダの作動頻度を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクレーンにおけるAIS制御方法。
- 前記クレーンが電動モータを有するに際しては、前記予告開始変更手段は、前記電動モータの回転数を基に前記作業状態を検知し、検知した作業状態を基に、前記予告手段が動作するまでの時間を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のクレーンにおけるAIS制御方法。
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