JP2017002257A - アントラキノン化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】色素として使用でき、耐熱性に優れ、かつ汎用性のある有機溶剤等に対する溶解性が良好な染料化合物の提供。【解決手段】式(1)で表されるアントラキノン染料化合物。[R1は各々独立にメチル基、又はエチル基;R2は各々独立に、アルコキシアルキル基、又は環状エーテル構造を含むアルキル基;R2の環状エーテル構造が、五員環エーテル構造であってもよい]【選択図】なし
Description
本発明は、繊維用染色剤、プラスチック樹脂用着色剤、塗料、インク、カラーフィルター等における色素として好ましく利用できる新規なアントラキノン化合物に関する。
アントラキノン系染料は、その色相の鮮明さ、堅牢性、染色性等から、化学繊維の着色用途やプラスチック樹脂着色用途に広く使用されてきた。しかしながら、アントラキノン系染料は一般的に有機溶剤や樹脂に対する溶解性が低く、着色時の染色ムラの発生等の問題を有していた。また、その溶解性の低さ故に使用用途が限定され、アントラキノン系染料本来の利点を活かせる分野への拡大に課題があった。
光、熱、温度等に対して安定であり、堅牢性に優れたアントラキノン化合物については、有機溶剤又はプラスチック樹脂に溶解させるべく数多くが検討されている(例えば、特許文献1〜4参照)。また、例えば、特許文献5、6には、プラスチック樹脂着色用途に使用される耐熱性、耐光性に優れたアントラキノン化合物として、C.I.Solvent Blue 97、C.I.Solvent Blue 104が開示されている。
しかしながら、従来公知のアントラキノン化合物(例えば、特許文献1〜6に開示されたアントラキノン化合物等)は、依然、有機溶剤やプラスチック樹脂等に対する溶解性が不十分であるという問題を有していた。
従って、本発明の目的は、色素として使用でき、耐熱性に優れ、かつ汎用性のある有機溶剤等に対する溶解性が良好な化合物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造を有するアントラキノン化合物が、耐熱性に優れ、かつ汎用性のある有機溶剤等に対する溶解性が良好であり、色素として好ましく使用できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアントラキノン化合物を提供する。
[式中、R1は、同一又は異なって、メチル基、又はエチル基を示す。R2は、同一又は異なって、アルコキシアルキル基、又は環状エーテル構造を含むアルキル基を示す。]
さらに、R2が、五員環エーテル構造を含むアルキル基である前記のアントラキノン化合物を提供する。
さらに、R2が、下記一般式(1a)で表されるアルコキシアルキル基である前記のアントラキノン化合物を提供する。
[式中、R21は、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状アルキレン基を示す。R22は、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状アルキル基を示す。R23は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖状アルキル基を示す。]
また、本発明は、前記のアントラキノン化合物を含む塗料を提供する。
また、本発明は、前記のアントラキノン化合物を含むインクを提供する。
また、本発明は、前記のアントラキノン化合物を含むプラスチック樹脂用着色剤を提供する。
また、本発明は、前記のアントラキノン化合物を含む繊維用染色剤を提供する。
また、本発明は、前記のアントラキノン化合物を含むカラーフィルター用着色組成物を提供する。
本発明のアントラキノン化合物は上記構造を有するため、耐熱性に優れ、なおかつ汎用性のある有機溶剤や樹脂等に対する溶解性が良好である。このため、本発明のアントラキノン化合物は、色素として好ましく使用でき、特に、プラスチック樹脂着色用途(例えば、プラスチック樹脂用着色剤の色素として)、繊維染色用途(例えば、繊維用染色剤の色素として)、インク用途(例えば、インクの色素として)、塗料用途(例えば、塗料の色素として)、カラーフィルター用途に好ましく使用できる。
本発明のアントラキノン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)中、R1は、同一又は異なって、メチル基又はエチル基を示す。
一般式(1)中、R2は、同一又は異なって、アルコキシアルキル基、又は、環状エーテル構造を含むアルキル基を示す。R2としてのアルコキシアルキル基としては、例えば、炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖状アルキル基[例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ウンデシル基、ドデシル基、ラウリル基等]におけるいずれか1つの水素原子がアルコキシ基により置換された基等が挙げられる。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、s−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルコキシ基等が挙げられる。中でも、R2としてのアルコキシアルキル基としては、生産性の観点で、下記一般式(1a)で表される基(アルコキシアルキル基)が好ましい。
一般式(1a)中、R21は、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖状アルキレン基[例えば、メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等]を示す。一般式(1a)中、R22は、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状アルキル基[例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等]を示す。一般式(1a)中、R23は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖状アルキル基[例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基等]を示す。R23としては、水素原子が好ましい(特に、2つのR23が共に水素原子であることが好ましい)。
より具体的には、例えば、一般式(1a)で表される基としては、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−ブトキシプロピル基、3−イソプロポキシプロピル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、4−メトキシブチル基等が挙げられる。特に、生産性の観点から、一般式(1a)で表される基としては、R21が炭素数1又は2の直鎖又は分岐鎖状アルキレン基であり、かつR22が炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状アルキル基であり、かつ2つのR23が共に水素原子であるものが好ましい。
一般式(1)中のR2としての環状エーテル構造を含むアルキル基は、アルキル基における少なくとも1つ(好ましくは1つ)の水素原子が環状エーテル構造(環状エーテル基)により置換された基である。上記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状アルキル基[例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等]等が挙げられる。また、上記環状エーテル構造(環状エーテル基)としては、例えば、テトラヒドロフラン(テトラヒドロフラニル基)、テトラヒドロピラン(テトラヒドロピラニル基)、ジオキサン(ジオキサニル基)、ジオキソラン(ジオキソラニル基)等の五〜八員環エーテル構造が挙げられる。具体的には、環状エーテル構造を含むアルキル基として、テトラヒドロフラン−2−メチル基、テトラヒドロピラン−4−メチル基等が例示される。
中でも、環状エーテル構造を含むアルキル基としては、本発明のアントラキノン化合物が結晶化しやすいために取り扱い性や生産性に優れ、有機溶剤等への溶解性に優れ、なおかつ原料を安価に入手できる点で、五員環エーテル構造(特にテトラヒドロフラン)が好ましい。即ち、R2としての環状エーテル構造を含むアルキル基としては、五員環エーテル構造を含むアルキル基(特に、テトラヒドロフラニル基を含むアルキル基)が好ましい。
本発明のアントラキノン化合物の具体例を以下に示す。但し、本発明のアントラキノン化合物は、以下の具体例には限定されない。
本発明のアントラキノン化合物は周知慣用の方法を利用して製造することができ、その製造方法は特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される化合物をクロロ硫酸(塩化スルホン酸)と反応させてクロロスルホニル化して下記一般式(3)で表される化合物を生成させ、次いで、これを下記一般式(4)で表される化合物と反応させる方法が挙げられる(下記反応式参照)。
[式中、R1、及びR2は、前記に同じ。]
上記一般式(2)で表される化合物は、例えば、C.I.Solvent Blue 97、C.I.Solvent Blue 104等として市販品を入手可能である。一般式(2)で表される化合物とクロロ硫酸との反応におけるクロロ硫酸の使用量は、特に限定されないが、例えば、一般式(2)で表される化合物1重量部に対して3〜100重量部の範囲から適宜選択可能である。また、上記反応における反応温度及び反応時間は、特に限定されないが、例えば、それぞれ0〜100℃、0.5〜10時間の範囲から適宜選択可能である。上記反応は、溶媒の非存在下又は存在下のいずれにおいても進行させることができる。また、上記反応により生成させた一般式(3)で表される化合物は、精製することなく次の反応に用いることもできるし、精製した上で次の反応に用いることもできる。なお、精製には公知乃至慣用の精製手段を利用できる。
上記一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物との反応における一般式(4)で表される化合物の使用量は、特に限定されないが、例えば、一般式(3)で表される化合物1重量部に対して1〜50重量部(特に2〜50重量部)の範囲から適宜選択可能である。また、上記反応における反応温度及び反応時間は、特に限定されないが、例えば、0℃以上(例えば、0〜100℃、特に0〜40℃)、0.5〜10時間の範囲から適宜選択可能である。上記反応は、溶媒の非存在下又は存在下のいずれにおいても進行させることができるが、溶媒(例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン等)の存在下で進行させることが好ましい。また、上記反応により生成させた一般式(1)で表される化合物(本発明のアントラキノン化合物)は、公知乃至慣用の精製手段により精製することができる。
本発明のアントラキノン化合物は、上述のように、耐熱性に優れ、なおかつ汎用性のある有機溶剤等に対する溶解性が良好であるという効果を奏する。なお、本発明のアントラキノン化合物がこのような有利な効果を奏するのは、R2として上述の特定構造(特に、環状エーテル構造を含むアルキル基)を導入することにより、適度な極性が付与されると同時に、有機溶剤や樹脂に対する親和性が向上し、その結果、有機溶剤等に対する溶解性が向上するためと考えられる。本発明のアントラキノン化合物は上述の効果を奏するため、特に、プラスチック樹脂着色用途、繊維染色用途、インク用途、塗料用途、カラーフィルター用途に好ましく使用できる。例えば、本発明のアントラキノン化合物を用いて、該アントラキノン化合物を色素(例えば青色色素)として含むプラスチック樹脂用着色剤、繊維用染色剤、インク、塗料、カラーフィルター用着色組成物等が得られる。これら物品は、本発明のアントラキノン化合物を含むことにより、優れた品質と耐久性とを有する。上記物品はそれぞれ、本発明のアントラキノン化合物のみで構成されたものであってもよいし、さらにその他の慣用の成分(例えば、インクや塗料の場合には、バインダー樹脂や溶剤等;カラーフィルター用着色組成物の場合には、他の色素、重合性化合物、光重合開始剤、溶剤、バインダー樹脂、架橋剤等)を含むものであってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。以下の具体的な合成方法は一例であり、本発明のアントラキノン化合物の製造方法は当該合成方法に限定されない。なお、生成物の同定は、1H−NMRスペクトル測定(溶媒:重クロロホルム)により行った。
実施例1
[化合物(A0)の合成]
攪拌羽根及び温度計を付した500mlフラスコに、クロロ硫酸210mlを加え、10℃以下まで冷却したのち、C.I.Solvent Blue 104(化合物(A))20.0g(42mmol)をゆっくりと添加した。その後、反応液を室温まで昇温し、同温度で6時間攪拌した。次いで、氷水600g中に反応液を滴下し、生成した結晶をろ過、冷水洗浄し、WET結晶を得た。このWET結晶を乾燥させることなく次工程へ用いた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(A0)の合成]
攪拌羽根及び温度計を付した500mlフラスコに、クロロ硫酸210mlを加え、10℃以下まで冷却したのち、C.I.Solvent Blue 104(化合物(A))20.0g(42mmol)をゆっくりと添加した。その後、反応液を室温まで昇温し、同温度で6時間攪拌した。次いで、氷水600g中に反応液を滴下し、生成した結晶をろ過、冷水洗浄し、WET結晶を得た。このWET結晶を乾燥させることなく次工程へ用いた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例2
[化合物(A1)の合成]
攪拌羽根及び温度計を付した500mlフラスコに、テトラヒドロフラン200g、トリエチルアミン12.8g(126mmol)及び3−メトキシプロピルアミン11.3g(126mmol)を加え、10℃以下まで冷却した。次に、ここに、実施例1で得た化合物(A0)をゆっくりと加え、同温度にて1時間攪拌した。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、得られた固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(A1)31.6g(収率96.5%)を得た。ろ別直後の化合物(A1)(粘土状物)の写真を図1に示す。
化合物(A1)の1H−NMRスペクトル測定結果(共鳴ピークのケミカルシフト)を以下に示す。
δ:1.73ppm(4H,m)、2.20ppm(6H,s)、2.53ppm(6H,s)、2.68ppm(6H,s)、3.05ppm(4H,m)、3.26ppm(6H,s)、3.42ppm(4H,t)、5.36ppm(2H,q)、6.43ppm(2H,d)、7.11ppm(2H,d)、7.79ppm(2H,m)、8.41ppm(2H,m)、11.76ppm(2H,d)
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(A1)の合成]
攪拌羽根及び温度計を付した500mlフラスコに、テトラヒドロフラン200g、トリエチルアミン12.8g(126mmol)及び3−メトキシプロピルアミン11.3g(126mmol)を加え、10℃以下まで冷却した。次に、ここに、実施例1で得た化合物(A0)をゆっくりと加え、同温度にて1時間攪拌した。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、得られた固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(A1)31.6g(収率96.5%)を得た。ろ別直後の化合物(A1)(粘土状物)の写真を図1に示す。
化合物(A1)の1H−NMRスペクトル測定結果(共鳴ピークのケミカルシフト)を以下に示す。
δ:1.73ppm(4H,m)、2.20ppm(6H,s)、2.53ppm(6H,s)、2.68ppm(6H,s)、3.05ppm(4H,m)、3.26ppm(6H,s)、3.42ppm(4H,t)、5.36ppm(2H,q)、6.43ppm(2H,d)、7.11ppm(2H,d)、7.79ppm(2H,m)、8.41ppm(2H,m)、11.76ppm(2H,d)
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例3
[化合物(A2)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりにテトラヒドロフルフリルアミン12.8g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶は、ろ過性の良い粉末状の結晶であった。この粉末状結晶を乾燥させ、化合物(A2)33.2g(収率98.5%)を得た。ろ別直後の化合物(A2)(粉末状結晶)の写真を図2に示す。
化合物(A2)の1H−NMRスペクトル測定結果(共鳴ピークのケミカルシフト)を以下に示す。
δ:1.56ppm(2H,m)、1.86ppm(6H,m)、2.20ppm(6H,d)、2.54ppm(6H,d)、2.68ppm(6H,d)、2.83ppm(2H,m)、3.08ppm(2H,m)、3.73ppm(4H,m)、3.92ppm(2H,m)、4.96ppm(2H,m)、6.45ppm(2H,q)、7.11ppm(2H,d)、7.80ppm(2H,m)、8.42ppm(2H,m)、11.76ppm(2H,d)
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(A2)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりにテトラヒドロフルフリルアミン12.8g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶は、ろ過性の良い粉末状の結晶であった。この粉末状結晶を乾燥させ、化合物(A2)33.2g(収率98.5%)を得た。ろ別直後の化合物(A2)(粉末状結晶)の写真を図2に示す。
化合物(A2)の1H−NMRスペクトル測定結果(共鳴ピークのケミカルシフト)を以下に示す。
δ:1.56ppm(2H,m)、1.86ppm(6H,m)、2.20ppm(6H,d)、2.54ppm(6H,d)、2.68ppm(6H,d)、2.83ppm(2H,m)、3.08ppm(2H,m)、3.73ppm(4H,m)、3.92ppm(2H,m)、4.96ppm(2H,m)、6.45ppm(2H,q)、7.11ppm(2H,d)、7.80ppm(2H,m)、8.42ppm(2H,m)、11.76ppm(2H,d)
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例4
[化合物(A3)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりに2−メトキシエチルアミン9.5g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(A3)29.3g(収率93.0%)を得た。ろ別直後の化合物(A3)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(A1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(A3)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりに2−メトキシエチルアミン9.5g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(A3)29.3g(収率93.0%)を得た。ろ別直後の化合物(A3)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(A1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例5
[化合物(A4)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−ブトキシプロピルアミン16.5g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入したが、目的物はろ過不能のタール状物であった。そこで、デカンテーションにより上澄みを除去した後、得られたタール状物を乾燥させ、化合物(A4)32g(収率88.2%)を得た。上澄み除去後の化合物(A4)(タール状物)の写真を図3に示す。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(A4)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−ブトキシプロピルアミン16.5g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入したが、目的物はろ過不能のタール状物であった。そこで、デカンテーションにより上澄みを除去した後、得られたタール状物を乾燥させ、化合物(A4)32g(収率88.2%)を得た。上澄み除去後の化合物(A4)(タール状物)の写真を図3に示す。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例6
[化合物(A5)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−エトキシプロピルアミン13.0g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(A5)32g(収率94.4%)を得た。ろ別直後の化合物(A5)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(A1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(A5)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−エトキシプロピルアミン13.0g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(A5)32g(収率94.4%)を得た。ろ別直後の化合物(A5)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(A1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例7
[化合物(A6)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−イソプロポキシプロピルアミン14.8g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(A6)33g(収率93.8%)を得た。ろ別直後の化合物(A6)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(A1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(A6)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−イソプロポキシプロピルアミン14.8g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(A6)33g(収率93.8%)を得た。ろ別直後の化合物(A6)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(A1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例8
[化合物(B0)の合成]
攪拌羽根及び温度計を付した500mlフラスコに、クロロ硫酸210mlを加え、10℃以下まで冷却したのち、C.I.Solvent Blue 97(化合物(B))20.0g(38mmol)をゆっくりと添加した。その後、反応液を室温まで昇温し、同温度で6時間攪拌した。次いで、氷水600g中に反応液を滴下し、生成した結晶をろ過、冷水洗浄し、WET結晶を得た。このWET結晶を乾燥させることなく次工程へ用いた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(B0)の合成]
攪拌羽根及び温度計を付した500mlフラスコに、クロロ硫酸210mlを加え、10℃以下まで冷却したのち、C.I.Solvent Blue 97(化合物(B))20.0g(38mmol)をゆっくりと添加した。その後、反応液を室温まで昇温し、同温度で6時間攪拌した。次いで、氷水600g中に反応液を滴下し、生成した結晶をろ過、冷水洗浄し、WET結晶を得た。このWET結晶を乾燥させることなく次工程へ用いた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例9
[化合物(B1)の合成]
攪拌羽根及び温度計を付した500mlフラスコに、テトラヒドロフラン200g、トリエチルアミン11.4g(113mmol)及び3−メトキシプロピルアミン10.0g(113mmol)を加え、10℃以下まで冷却した。次に、実施例8で得た化合物(B0)をゆっくりと加え、同温度にて1時間攪拌した。その後、得られた反応液を希塩酸1L中に注入し、得られた固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(B1)29g(収率91.8%)を得た。ろ別直後の化合物(B1)(粘土状物)の写真を図4に示す。
化合物(B1)の1H−NMRスペクトル測定結果(共鳴ピークのケミカルシフト)を以下に示す。
δ:1.15ppm(12H,m)、1.74ppm(4H,m)、2.41ppm(2H,m)、2.53ppm(2H,m)、2.69ppm(6H,s)、2.76ppm(2H,m)、3.06ppm(4H,m)、3.26ppm(6H,d)、3.28ppm(2H,m)、3.42ppm(4H,m)、5.30ppm(2H,q)、6.44ppm(2H,s)、7.14ppm(2H,s)、7.78ppm(2H,q)、8.42ppm(2H,q)、11.86ppm(2H,d)
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(B1)の合成]
攪拌羽根及び温度計を付した500mlフラスコに、テトラヒドロフラン200g、トリエチルアミン11.4g(113mmol)及び3−メトキシプロピルアミン10.0g(113mmol)を加え、10℃以下まで冷却した。次に、実施例8で得た化合物(B0)をゆっくりと加え、同温度にて1時間攪拌した。その後、得られた反応液を希塩酸1L中に注入し、得られた固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(B1)29g(収率91.8%)を得た。ろ別直後の化合物(B1)(粘土状物)の写真を図4に示す。
化合物(B1)の1H−NMRスペクトル測定結果(共鳴ピークのケミカルシフト)を以下に示す。
δ:1.15ppm(12H,m)、1.74ppm(4H,m)、2.41ppm(2H,m)、2.53ppm(2H,m)、2.69ppm(6H,s)、2.76ppm(2H,m)、3.06ppm(4H,m)、3.26ppm(6H,d)、3.28ppm(2H,m)、3.42ppm(4H,m)、5.30ppm(2H,q)、6.44ppm(2H,s)、7.14ppm(2H,s)、7.78ppm(2H,q)、8.42ppm(2H,q)、11.86ppm(2H,d)
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例10
[化合物(B2)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりにテトラヒドロフルフリルアミン11.4g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶は、ろ過性の良い粉末状の結晶であった。この粉末状結晶を乾燥させ、化合物(B2)31g(収率95.1%)を得た。ろ別直後の化合物(B2)(粉末状結晶)の写真を図5に示す。
化合物(B2)の1H−NMRスペクトル測定結果(共鳴ピークのケミカルシフト)を以下に示す。
δ:1.11ppm(6H,t)、1.18ppm(6H,t)、1.58ppm(2H,m)、1.86ppm(6H,m)、2.41ppm(2H,m)、2.53ppm(2H,m)、2.70ppm(6H,s)、2.76ppm(2H,m)、2.90ppm(2H,m)、3.11ppm(2H,m)、3.33ppm(2H,m)、3.70ppm(2H,m)、3.78ppm(2H,m)、3.96ppm(2H,m)、4.88ppm(2H,m)、6.43ppm(2H,q)、7.11ppm(2H,d)、7.78ppm(2H,m)、8.42ppm(2H,m)、11.85ppm(2H,d)
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(B2)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりにテトラヒドロフルフリルアミン11.4g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶は、ろ過性の良い粉末状の結晶であった。この粉末状結晶を乾燥させ、化合物(B2)31g(収率95.1%)を得た。ろ別直後の化合物(B2)(粉末状結晶)の写真を図5に示す。
化合物(B2)の1H−NMRスペクトル測定結果(共鳴ピークのケミカルシフト)を以下に示す。
δ:1.11ppm(6H,t)、1.18ppm(6H,t)、1.58ppm(2H,m)、1.86ppm(6H,m)、2.41ppm(2H,m)、2.53ppm(2H,m)、2.70ppm(6H,s)、2.76ppm(2H,m)、2.90ppm(2H,m)、3.11ppm(2H,m)、3.33ppm(2H,m)、3.70ppm(2H,m)、3.78ppm(2H,m)、3.96ppm(2H,m)、4.88ppm(2H,m)、6.43ppm(2H,q)、7.11ppm(2H,d)、7.78ppm(2H,m)、8.42ppm(2H,m)、11.85ppm(2H,d)
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例11
[化合物(B4)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−ブトキシプロピルアミン14.8g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入したが、目的物はろ過不能のタール状物であった。そこで、デカンテーションにより上澄みを除去した後、得られたタール状物を乾燥させ、化合物(B4)11g(収率63.6%)を得た。上澄み除去後の化合物(B4)(タール状物)の写真を図6に示す。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(B4)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−ブトキシプロピルアミン14.8g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入したが、目的物はろ過不能のタール状物であった。そこで、デカンテーションにより上澄みを除去した後、得られたタール状物を乾燥させ、化合物(B4)11g(収率63.6%)を得た。上澄み除去後の化合物(B4)(タール状物)の写真を図6に示す。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例12
[化合物(B5)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−エトキシプロピルアミン11.7g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(B5)31g(収率95.7%)を得た。ろ別直後の化合物(B5)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(B1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(B5)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−エトキシプロピルアミン11.7g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(B5)31g(収率95.7%)を得た。ろ別直後の化合物(B5)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(B1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
実施例13
[化合物(B6)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−イソプロポキシプロピルアミン13.2g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(B6)24g(収率95.2%)を得た。ろ別直後の化合物(B6)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(B1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(B6)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりに3−イソプロポキシプロピルアミン13.2g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(B6)24g(収率95.2%)を得た。ろ別直後の化合物(B6)(粘土状物)は、ろ別直後の化合物(B1)(粘土状物)と同様の外観を呈していた。
当該実施例において行った反応の概要は、以下の通りである。
比較例1
[化合物(C1)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりにn−ブチルアミン14.8g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(C1)29g(収率92.4%)を得た。
当該比較例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(C1)の合成]
実施例2において3−メトキシプロピルアミンの代わりにn−ブチルアミン14.8g(126mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した固体をろ別した。得られた固体は、ろ過性の良くない粘土状物であった。この粘土状物を乾燥させ、化合物(C1)29g(収率92.4%)を得た。
当該比較例において行った反応の概要は、以下の通りである。
比較例2
[化合物(C2)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりにイソプロピルアミン6.7g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶は、ろ過性の良い粉末状の結晶であった。粉末状結晶を乾燥させ、化合物(C2)27g(収率92.8%)を得た。
当該比較例において行った反応の概要は、以下の通りである。
[化合物(C2)の合成]
実施例9において3−メトキシプロピルアミンの代わりにイソプロピルアミン6.7g(113mmol)を用いたこと以外は実施例9と同様にして、反応を行った。その後、得られた反応液を希塩酸水1L中に注入し、析出した結晶をろ別した。得られた結晶は、ろ過性の良い粉末状の結晶であった。粉末状結晶を乾燥させ、化合物(C2)27g(収率92.8%)を得た。
当該比較例において行った反応の概要は、以下の通りである。
本発明のアントラキノン化合物[実施例2〜7で得られた化合物(A1)〜(A6)、実施例9〜13で得られた化合物(B1)、(B2)、(B4)〜(B6)]の中でも、特に、式(1)中のR2としてテトラヒドロフルフリル基のような五員環エーテル構造を有する化合物[化合物(A2)及び(B2)]は、代わりに鎖状エーテル構造を有する化合物と比較して結晶性が良く、製造の際の作業性及び生産性に著しく優れることが確認された。
[溶解性の評価]
上記で合成した化合物、化合物(A)(C.I.Solvent Blue 104)、及び化合物(B)(C.I.Solvent Blue 97)(これらをそれぞれ、当該溶解性の評価の説明において「染料」と称する)の溶剤に対する溶解性を以下の手順で評価した。
染料と溶剤(表1に示す溶剤)とを、染料の濃度20重量%、10重量%、及び5重量%の3種類の濃度で混合し、それぞれ30±5℃にて超音波を5分間当てた後の状態を確認した。濃度20重量%の場合に染料が溶解状態にあったものを◎(溶解性が極めて良好);濃度20重量%では染料は完全には溶解しないが濃度10重量%の場合に溶解状態にあったものを○(溶解性が良好);濃度20重量%及び10重量%では染料は完全には溶解しないが濃度5重量%の場合に溶解状態にあったものを△(溶解性が不良);濃度20重量%、10重量%、及び5重量%のいずれの場合にも染料が完全には溶解しなかった場合を×(溶解性が極めて不良)として、これらの結果を溶解性の尺度とした。結果を表1に示す。なお、表1中のPGMEAは、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタートである。
上記で合成した化合物、化合物(A)(C.I.Solvent Blue 104)、及び化合物(B)(C.I.Solvent Blue 97)(これらをそれぞれ、当該溶解性の評価の説明において「染料」と称する)の溶剤に対する溶解性を以下の手順で評価した。
染料と溶剤(表1に示す溶剤)とを、染料の濃度20重量%、10重量%、及び5重量%の3種類の濃度で混合し、それぞれ30±5℃にて超音波を5分間当てた後の状態を確認した。濃度20重量%の場合に染料が溶解状態にあったものを◎(溶解性が極めて良好);濃度20重量%では染料は完全には溶解しないが濃度10重量%の場合に溶解状態にあったものを○(溶解性が良好);濃度20重量%及び10重量%では染料は完全には溶解しないが濃度5重量%の場合に溶解状態にあったものを△(溶解性が不良);濃度20重量%、10重量%、及び5重量%のいずれの場合にも染料が完全には溶解しなかった場合を×(溶解性が極めて不良)として、これらの結果を溶解性の尺度とした。結果を表1に示す。なお、表1中のPGMEAは、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタートである。
[耐熱性の評価]
上記で合成した化合物、化合物(A)(C.I.Solvent Blue 104)、及び化合物(B)(C.I.Solvent Blue 97)(これらをそれぞれ、当該耐熱性の評価の説明において「染料」と称する)の耐熱性を以下の耐熱性試験により評価した。
耐熱性試験は、ドイツ工業規格(DIN)53,772:“熱可塑性合成材料における着色剤の試験方法。射出成型による耐熱性の測定”を参考にして実施した。即ち、ポリスチレン(PSジャパン(株)製、HF77)800gに酸化チタン(東京インキ(株)製、PPD 1010 White)4gと染料0.4gとを加え、十分に混合した後、(株)名機製作所製 射出成型機M−50C−SJにて、少なくとも厚さが2.5mm以上の試料プレートを作製した。その際の温度は220℃とし、その温度で4個の試料を作製した。その後、10℃温度を上げ、230℃に到達したときに5枚のプレートを廃棄し、染料を含む溶融液を230℃で5分間滞留させた後、試料プレート4枚(耐熱性試験試料)を作製した。次いで、温度を10℃ずつ上昇させ、10℃毎に同様の操作を行って各温度における試料プレート(耐熱性試験試料)を作製した。
耐熱性の評価方法は、以下のとおりである。即ち、最低試験温度(220℃)で作製した試料プレートと各温度での耐熱性試験試料との比較による色差について、X−Rite社製、分光測色計X−RiteColorPremier 8200にて比色測定を行い、試料間の色差がΔE*a,b=3となる温度を染料の耐熱性の尺度として用いた。結果を表1に示す。なお、ΔE*a,b=3である温度は、最低試験温度(220℃)で作製した試料プレートと各温度での耐熱性試験試料との比較による色差を試験温度に対してプロットしたグラフより算出した。
上記で合成した化合物、化合物(A)(C.I.Solvent Blue 104)、及び化合物(B)(C.I.Solvent Blue 97)(これらをそれぞれ、当該耐熱性の評価の説明において「染料」と称する)の耐熱性を以下の耐熱性試験により評価した。
耐熱性試験は、ドイツ工業規格(DIN)53,772:“熱可塑性合成材料における着色剤の試験方法。射出成型による耐熱性の測定”を参考にして実施した。即ち、ポリスチレン(PSジャパン(株)製、HF77)800gに酸化チタン(東京インキ(株)製、PPD 1010 White)4gと染料0.4gとを加え、十分に混合した後、(株)名機製作所製 射出成型機M−50C−SJにて、少なくとも厚さが2.5mm以上の試料プレートを作製した。その際の温度は220℃とし、その温度で4個の試料を作製した。その後、10℃温度を上げ、230℃に到達したときに5枚のプレートを廃棄し、染料を含む溶融液を230℃で5分間滞留させた後、試料プレート4枚(耐熱性試験試料)を作製した。次いで、温度を10℃ずつ上昇させ、10℃毎に同様の操作を行って各温度における試料プレート(耐熱性試験試料)を作製した。
耐熱性の評価方法は、以下のとおりである。即ち、最低試験温度(220℃)で作製した試料プレートと各温度での耐熱性試験試料との比較による色差について、X−Rite社製、分光測色計X−RiteColorPremier 8200にて比色測定を行い、試料間の色差がΔE*a,b=3となる温度を染料の耐熱性の尺度として用いた。結果を表1に示す。なお、ΔE*a,b=3である温度は、最低試験温度(220℃)で作製した試料プレートと各温度での耐熱性試験試料との比較による色差を試験温度に対してプロットしたグラフより算出した。
表1に示すように、本発明のアントラキノン化合物はいずれも、優れた耐熱性を有し、なおかつ汎用の有機溶剤に対して広く良好な溶解性を有していた。
Claims (8)
- 下記一般式(1)で表されるアントラキノン化合物。
- R2が、五員環エーテル構造を含むアルキル基である請求項1に記載のアントラキノン化合物。
- R2が、下記一般式(1a)で表されるアルコキシアルキル基である請求項1に記載のアントラキノン化合物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアントラキノン化合物を含む塗料。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアントラキノン化合物を含むインク。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアントラキノン化合物を含むプラスチック樹脂用着色剤。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアントラキノン化合物を含む繊維用染色剤。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアントラキノン化合物を含むカラーフィルター用着色組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015120807A JP2017002257A (ja) | 2015-06-16 | 2015-06-16 | アントラキノン化合物 |
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JP2015120807A JP2017002257A (ja) | 2015-06-16 | 2015-06-16 | アントラキノン化合物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020515728A (ja) * | 2017-03-29 | 2020-05-28 | ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハーHuntsman Advanced Materials (Switzerland) Gmbh | セルロースを含む紡織繊維材料の捺染方法 |
-
2015
- 2015-06-16 JP JP2015120807A patent/JP2017002257A/ja active Pending
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JP2020515728A (ja) * | 2017-03-29 | 2020-05-28 | ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハーHuntsman Advanced Materials (Switzerland) Gmbh | セルロースを含む紡織繊維材料の捺染方法 |
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