JP2017001228A - 複写シート、および複写シートを用いた真贋判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不正行為を行うことがより困難な複写シート、および複写シートを用いた真贋判定方法を提供する。
【解決手段】複数の基材を有し、一方の基材である第1基材4にかけられた圧力に従い、他方の基材である第2基材7に発色を行う複写シート1であって、第1基材4の第2基材7と対向する面にマイクロカプセル層5、第2基材7の第1基材4と対向する面に顕色剤層8を形成し、第1基材4の第2基材7と対向する面には、第1基材4の第2基材7を重ねた際に顕色剤層8に重なる位置に、単位複写シートごとに異なる態様でインクジェットインクによるインク層6のパターンを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノーカーボン紙等を用いた複写シートに関し、特に偽造や改ざん等の不正行為の防止に効果的な複写シートに関する。
従来、複写用紙として、カーボンインキを用いないノーカーボン紙が用いられている。ノーカーボン紙には、一般に、上用紙、中用紙、下用紙の3種類が存在し、上用紙の表面に記載した内容が、中用紙、下用紙の表面にそれぞれ複写される。
ノーカーボン紙は、例えば、上用紙が支店控、中用紙が領収書、下用紙が入金連絡票等の3枚綴りの帳票等として広く使用されている。ノーカーボン紙においては、上用紙、中用紙の下面に、発色剤として無色又は淡色の発色性色素と共に不揮発性オイルを内包するマイクロカプセルを有する水系又は非水系の分散塗液を塗工して、マイクロカプセル層を形成する。一方、中用紙、下用紙の上面に、発色剤と化学反応して発色剤の構造を変化させることで発色させる顕色剤を含有する塗液を塗工し、顕色剤層を形成する。そして、上用紙の上面からの筆圧によりマイクロカプセルが破壊し、内包されたオイルが発色剤のキャリヤーとして作用して顕色剤層へ転移し、そこで発色剤が化学反応して発色し、筆圧を加えたパターンに応じた色像を形成させるものである。
従来のノーカーボン紙は、上側の用紙だけ別の組のものを使用し、その下面に形成されたマイクロカプセル層のマイクロカプセルを破壊して、下側の用紙の顕色剤と反応させて発色させれば、容易に同じ色相の色像が得られる。したがって、下側の用紙においては、公正な使用により複写された内容と、不正な手法により発色が行われた内容の区別ができなかった。これを解決するため、出願人は、上側の用紙の下面に、複写用紙の一組と、複写用紙の他の組により異なる色相の色像を生じ得るインク層をパターン状に形成した複写用紙を提案している(特許文献1参照)。
特許第3908283号公報
上記特許文献1に記載の技術により、不正行為を行うことは以前に比べて困難になった。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、不正行為を行おうとする者が、パターン形状の情報を知っていた場合には、同様のパターン形状の色像を巧妙に作成することは不可能ではない。
そこで、本発明は、不正行為を行うことがより困難な複写シート、および複写シートを用いた真贋判定方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、
一方の面にマイクロカプセル層が形成された第1基材と、前記第1基材のマイクロカプセル層が形成された面と対向する側に顕色剤層が形成された第2基材とを少なくとも備えた感圧式の複写シートであって、
前記複写シートは、第1基材、第2基材をそれぞれ少なくとも1枚以上有する組を単位複写シートとしており、
前記単位複写シートを構成する第1基材のマイクロカプセル層が形成された面のうち、前記顕色剤層と重なる位置の少なくとも一部に、前記単位複写シートごとに異なる態様でインクジェットインクによるパターンが形成されていることを特徴とする複写シートを提供する。
本発明の複写シートによれば、一方の面にマイクロカプセル層が形成された第1基材と、前記第1基材のマイクロカプセル層が形成された面と対向する側に顕色剤層が形成された第2基材とを少なくとも備えた感圧式の複写シートであって、前記複写シートは、第1基材、第2基材をそれぞれ少なくとも1枚以上有する組を単位複写シートとしており、前記単位複写シートを構成する第1基材のマイクロカプセル層が形成された面のうち、前記顕色剤層と重なる位置の少なくとも一部に、前記単位複写シートごとに異なる態様でインクジェットインクによるパターンが形成されているので、全ての第1基材におけるパターンの態様が異なるため、不正行為を行うことが困難となる。
また、本発明に係る複写シートは、前記インクジェットインクによるパターンは、インクジェット減感インクにより形成されていることを特徴とする。
本発明の複写シートによれば、顕色剤層に重なる位置における単位複写シートごとに異なる態様のインクジェットインクによるパターンが、インクジェット減感インクにより形成されているので、比較的コストを抑えながら効率的にパターンの形成を行うことが可能となる。
また、本発明に係る複写シートは、前記インクジェットインクによるパターンは、インクジェット発色剤インクにより形成されていることを特徴とする。
本発明の複写シートによれば、顕色剤層に重なる位置における単位複写シートごとに異なる態様のインクジェットインクによるパターンが、インクジェット発色剤インクにより形成されているので、比較的コストを抑えながら効率的にパターンの形成を行うことが可能となる。
また、本発明に係る複写シートは、前記インクジェットインクによるパターンは、基準位置からの距離を定めた帯状のものであることを特徴とする。
本発明の複写シートによれば、インクジェットインクによるパターンが、基準位置からの距離を定めた帯状のものであるので、明確な基準により真贋判定を行うことが可能となる。
また、本発明に係る複写シートは、前記第2基材には、前記単位複写シートごとに異なる態様を示す情報を表現した蛍光インク層が形成されていることを特徴とする。
本発明の複写シートによれば、第2基材には、単位複写シートごとに異なる態様を示す情報が、蛍光インク層で形成されているので、蛍光発光させて可視化することにより、真贋判定を行うための基準を容易に取得することが可能となる。
また、本発明では、
一方の面にマイクロカプセル層が形成された第1基材と、前記第1基材のマイクロカプセル層が形成された面と対向する側に顕色剤層が形成された第2基材とを少なくとも備えた感圧式の複写シートにおいて、前記第2基材の真贋判定を行う方法であって、
前記第2基材の所定の位置に紫外線を照射するステップと、
前記紫外線の照射により発光された記録情報を取得するステップと、
前記記録情報で特定される態様で、前記第2基材上に所定のパターンが形成されているかを確認するステップと、
を有することを特徴とする複写シートの真贋判定方法を提供する。
本発明の複写シートの真贋判定方法によれば、一方の面にマイクロカプセル層が形成された第1基材と、前記第1基材のマイクロカプセル層が形成された面と対向する側に顕色剤層が形成された第2基材とを少なくとも備えた感圧式の複写シートにおいて、第2基材の真贋判定を行う方法として、第2基材の所定の位置に紫外線を照射するステップと、紫外線の照射により発光された記録情報を取得するステップと、記録情報で特定される態様で、第2基材上に所定のパターンが形成されているかを確認するステップと、を有するようにしたので、複写シートに対して不正行為が行われたか否かを容易かつ確実に判定することが可能となる。
本発明によれば、不正行為を行うことがより困難な複写シートを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る複写シートを示す図である。 本発明の一実施形態に係る複写シートの製造方法を示すフローチャートである。 金額複写欄への複写後の第2基材を示す図である。 本発明の一実施形態に係る複写シートの真贋判定方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<1.複写シートの構成>
本実施形態では、複写シートとして、上用紙と下用紙の2枚構成の複写シートについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る複写シートを示す図である。図1において、1は複写シート、2は上用紙、3は下用紙、4は第1基材、5はマイクロカプセル層、6はインク層、7は第2基材、8は顕色剤層、9は蛍光インク層である。
また、図1のうち、図1(a)は複写シートの断面図、図1(b)は上用紙2を下用紙3側から見た状態の平面図、図1(c)は下用紙3を上用紙2側から見た状態の平面図である。上用紙2を構成する第1基材4、下用紙3を構成する第2基材7の2つの基材において、正確には上下の区別はないが、説明の便宜上、本明細書では、筆記を行う側の第1基材4は上側基材、筆記の圧力によりインキが転移されて発色を行う側の第2基材7は下側基材としての役割を果たす。また、各基材の2つの面においても、厳密に上下の区別はないが、説明の便宜上、本明細書では、第1基材4については、筆記が行われる面を上面、マイクロカプセル層5およびインク層6が形成された面を下面と呼び、第2基材7については、第1基材4の下面と対向し、顕色剤層8が形成された面を上面、他方の面を下面と呼ぶことにする。
第1基材4、第2基材7としては、公知の様々な紙やフィルムを用いることができる。例えば、上質紙、中質紙、下級紙、色上質紙等の非塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の塗工紙、エンボス紙、キャストコート紙、クラフト紙等から適宜選択して使用することができる。第1基材4と第2基材7は同一の素材であってもよいし、異なる素材であってもよい。
マイクロカプセル層5としては、公知の様々な手法により形成することができる。具体的には、発色剤をマイクロカプセルに内包してカプセル化することによりカプセル顔料とし、そのカプセル顔料をインキのビヒクル中に分散させて、インキを調整し、印刷することにより形成する。発色剤としては公知の無色又は淡色の電子供与性呈色性有機化合物、例えば、トリフェニルメタンフタリド類、ロイコオーラミン類、スピロピラン類、フルオラン類等が使用できる。代表的な化合物はクリスタルバイオレットラクトン即ち3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドである。通常、発色剤はアリルメタン類、アルキルナフタレン類、ジフェニール類等の芳香族低揮発性溶剤に溶解されて、アラビアゴムとゼラチン等の壁剤によりマイクロカプセル化されて用いられる。カプセル化の方法は、界面重合法、界面重縮合法、インサイチュー法、コアセルベート法等、公知のカプセル化方法が適用でき、そのカプセルの大きさは、平均粒径で、0.5μmから10μm程度のものが用いられる。オフセット印刷用のインキの場合、インキのブランケット胴からの転写性等により、より微小化されたカプセルが使用される。
インク層6は、減感性を有する減感インクにより所定形状のパターンが所定の態様で形成されるものであり、インクジェット方式のインクジェット減感インクを印刷後、乾燥させることにより形成される。第1基材4、第2基材7をそれぞれ少なくとも1枚以上有する組を単位複写シートとするとき、インク層6で表現されるパターンの態様は、単位複写シートごとに異なっている必要があるため、インクジェット方式で印刷して形成する必要がある。インクジェット減感インクとしては、浸透剤、乾燥防止剤、pH調整剤、防腐剤等を含有する公知の様々なものを用いることができる。インクジェット減感インクは、水溶性であることが好ましい。インクジェット減感インクは、通常の着色用インクに含有されている着色剤に代えて公知の減感剤を含有するものである。
顕色剤層8は、顕色剤が塗布された層であり、マイクロカプセル層5、インク層6と対向させておくことにより複写構造として機能する。顕色剤層8を形成する顕色剤としては、通常、フェノール性水酸基を有する化合物、例えば、パラフェニールフェノール、3,5−ジブチルサリチル酸亜鉛等が用いられる。顕色剤は揮発性有機溶剤に溶解して印刷インキとするか、ないしはマイクロカプセル化した状態で印刷インキとして、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等の方法で塗布される。
蛍光インク層9は、蛍光インクにより所定の情報が印刷された層である。所定の情報としては、インク層6により表現されるパターンの態様を特定する情報が記録されている。蛍光インク層9は、目視による視認が困難なように形成される。そのため、蛍光インク層9には、可視光下では視認不能であり、ブラックライト等により紫外線を照射することにより、蛍光発光する蛍光インクが用いられる。蛍光インク層9も、インク層6と同様、単位複写シートごとに異なっている必要があるため、インクジェット方式で印刷して形成する必要がある。インクジェット方式の蛍光インクであるインクジェット蛍光インクとしては、浸透剤、乾燥防止剤、pH調整剤、防腐剤等を含有する公知の様々なものを用いることができる。インクジェット蛍光インクは、水溶性であることが好ましい。インクジェット蛍光インクは、可視光を表現する着色用インクに含有されている着色剤に代えて公知の蛍光顔料を含有するものである。
<2.複写シートの製造>
次に、本実施形態に係る複写シートの製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係る複写シートの製造方法を示すフローチャートである。まず、顕色剤層が全面に塗布されている市販のノーカーボンボトム紙(下用紙)に対してオフセット印刷機を使用し、第2基材7の上面に絵柄(文字・罫線など)の印刷を行う(S1)。絵柄インキとしては、公知の種々のものを適宜使用することができる。本実施形態では、絵柄インキとしてDICグラフィックス社製NSインキ(酸化重合タイプ)、またはDICグラフィックス社製UV BF SGインキ(UV硬化タイプ)を使用している。ノーカーボンボトム紙に塗布されている顕色剤としては、富士フィルムビジネスサプライ製感圧紙専用UVスポットインキSDU−201等を用いることができる。
次に、第1基材4にマイクロカプセル層5を形成する(S2)。具体的には、まず、フレキソ印刷機を使用し、第1基材4の下面に、発色剤を含有したマイクロカプセルを塗布する。発色剤としては、三菱製紙社製「水性CBインキブルー」を使用することができる。さらに、マイクロカプセルを塗布した部分を乾燥させる。これにより、マイクロカプセル層5が形成される。事前にマイクロカプセル層が全面に塗布されている市販のノーカーボントップ紙(上用紙)を用いる場合は、この工程は省略される。さらに、断裁機でA4サイズなどのインクジェットプリンタで印刷できるサイズに断裁する(S3)。
次に、インクジェットプリンタを使用し、第1基材4の下面に、インク層6を形成する(S4)。具体的には、第1基材4の下面の所定の位置にインクジェットインクを印刷し、乾燥させる。上述のように、インク層6は、断裁された各第1基材4ごとに異なる態様でパターンが形成される。図1(a)に示したように、インク層6は、マイクロカプセル層5に重ねて形成される。上述のように、インク層6を形成するためのインクジェットインクとしては、減感性を有するインクジェット減感インクを用いることができる。
続いて、インクジェットプリンタを使用し、第2基材7の上面に、蛍光インク層9を形成する(S5)。具体的には、第2基材7の上面の所定の位置にインクジェット蛍光インクを印刷し、乾燥させる。上述のように、蛍光インク層9は断裁された各第2基材7ごとに異なり、各第1基材4に対応する可変情報である。これにより、図1に示したような本実施形態に係る複写シートが得られる。連続用紙に対応したインクジェットプリンタを用いる場合は、上用紙2、下用紙3として、連続用紙を用いることができる。この場合、ステップS3において断裁は、行わず、蛍光インク層9の形成後に、断裁機でA4サイズなどに断裁する。
図1では示していないが、当然のことながら、実際には、第1基材4と第2基材7は、所定の箇所で接着されて、1つの複写シートとして綴じられることになる。したがって、蛍光インク層9の印刷後、最後に、第1基材4と第2基材7を接着する(S6)。具体的には、第1基材4の上面の所定の箇所に接着剤を塗布し、第2基材7と接着する。所定の箇所としては、第1基材4への記入時まで、第1基材4と第2基材7を固定でき、記入内容の第2基材7への複写後に、第1基材4と第2基材7を容易に分離することができる箇所であれば、どこであってもよい。例えば、記入欄と遠い側の一辺に沿って、その一辺の端部付近に帯状(2〜3mm程度と幅が狭いため、「線状」、「ライン状」とも表現できる。)に接着剤を塗布し、接着を行う。
例えば、図1(b)の例では、図面左側の一辺に沿って、図面上下方向に渡って、左側の一辺に平行に帯状に接着剤を塗布する。帯状に接着剤を塗布する場合、上述のように端部から少しだけ離れた端部付近に塗布してもよいし、完全に端部に塗布するようにしてもよい。端部から少しだけ離れた端部付近とする場合、塗布されていない端部が接着されていることによる不都合がないように、端部から離す距離を5mm以下にすることが好ましい。
<3.実施例>
次に、実施例について説明する。実施例として、以下のものを用いた。
上用紙2(第1基材4+マイクロカプセル層5)・・・三菱製紙社製「三菱NCR紙スーパー 上用紙」
下用紙3(第2基材7+顕色剤層8)・・・三菱製紙社製「三菱NCR紙スーパー 下用紙」
インク層6・・・ミヤコシ社製「減感インク」
蛍光インク層9・・・DICグラフィックス社製「Dai Cure UV無色蛍光メジウム」
上記実施例により作成された複写シートは、蛍光インク層9が可視光下で視認不能であるため、見た目には、従来の複写シートと同じものとなった。
<4.複写シートの使用>
次に、製造された複写シートの使用方法について説明する。まず、第1基材4と第2基材7が綴じられた状態の複写シートにおいて、第1基材4の金額記入欄に筆圧を加えながら記入を行う。すると、マイクロカプセル層5のカプセルのうち、記入による圧力を受けたカプセルが破裂して発色剤が流れ出し、顕色剤層8の顕色剤と反応して発色する。並行して、インク層6のうち、記入による圧力を受けた減感インクが第1基材4側から第2基材7側に転移する。第2基材7側に転移した減感インクは、顕色剤層8の顕色剤の発色を抑える。このため、第2基材7において減感インクが転移した部分は、ほとんど発色せず、発色したとしても、第2基材7自体の色と区別が困難な程度にしか、発色しない。このようにして、記入内容が第2基材7の複写欄に複写される。
図3は、複写欄の一例である金額複写欄への複写後の第2基材7を示す図である。このうち、図3(a)は、金額複写欄を拡大して示した図、図3(b)は、金額複写欄を含む第2基材7の上面側平面図である。図3(b)は、図1(c)の状態を、より具体的に示したものである。図3(a)に示すように、金額複写欄10における6つの欄に「¥」マークと5桁の各数字の計6文字が複写されている。各欄において、発色した文字には、左辺に沿う方向(図面上下方向)に、帯状の発色していない部分(第2基材7と同色の部分)が存在する。これは、減感インキの作用により、発色が抑えられた部分である。従って、インク層6に形成されたパターンが帯状のものであることを示している。帯状のパターンといっても、図3の例では、帯の幅が0.1〜0.2mm程度であるため、「線状」ということもできる。図3(a)に示すように、複写された文字には、左辺に沿う方向(図面上下方向)に、第2基材7と同色の帯状のパターンが入るため、真贋判定者は、帯状のパターンの位置により真贋を判定するタイプのものであることに気が付く。
<5.真贋の判定>
次に、複写シート(第2基材7)の真贋判定方法について具体的に説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る複写シートの真贋判定方法を示すフローチャートである。真贋判定者は、事前に蛍光インク層9の形成位置を知っているので、その位置にブラックライトを用いて、紫外線を照射する(ステップS11)。すると、紫外線に励起されて蛍光インク層9内の蛍光物質が可視光を発光する。図3(b)では、蛍光インク層9が可視光を発光した状態を示している。図3(b)の例では、蛍光インク層9が「TL/2.0/4.0」という記録情報を発光している。「TL」は「縦のライン」すなわち左辺に沿う方向(図面上下方向)に延びる線を意味する。また、「2.0」「4.0」は、「縦のライン」の形成位置をmm単位で示している。具体的には、金額複写欄10の各文字の複写欄の左端を基準位置として、基準位置からの距離で「縦のライン」(実際には幅0.1〜0.2mm程度の帯状パターン)の形成位置を示している。基準位置は、各文字入力欄の左端に限らず、適宜設定することができる。したがって、真贋判定者は、金額複写欄10の各文字入力欄の左端から2.0mmの位置と4.0mmの位置に帯状パターンが形成されているべきであることを知ることができる(ステップS12)。
次に、真贋判定者は、定規などを用いて、金額入力欄の左端から帯状パターンまでの距離を測定する。測定の結果、蛍光インク層9の発光による情報が示す位置に帯状パターンが形成されているかどうかを確認する(ステップS13)。蛍光インク層9の発光による情報が示す位置に縦のラインが形成されていれば、本物であると判定することができる。図3の例では、左端から2.0mmの位置と4.0mmの位置に帯状パターンが形成されていれば、第2基材7の金額複写欄10に複写された内容は正当なもの、すなわち第2基材7が本物であることを知ることができる(ステップS14)。
次に、本実施形態に係る複写シートを用いて金額複写欄10の改ざんが行われた場合について考えてみる。本実施形態に係る複写シートは、1組の第1基材4と第2基材7である単位複写シートごとに、インク層6のパターンの態様と、蛍光インク層9の形成情報が異なっている。このような複写シートを用いて、数字の改ざんを行おうとして、ある組から取得した第1基材4を、他の組から取得した第2基材7に重ねた状態で、金額記入欄に筆記を行ったものとする。すると、第1基材4に塗布されたインク層6の位置に対応する第2基材7の位置に、発色しない部分が生じる。
このような改ざんされた第2基材7の真贋判定を行う場合、真贋判定者は、事前に蛍光インク層9の形成位置を知っているので、その位置にブラックライトを用いて、紫外線を照射する(ステップS11)。すると、蛍光インク層9が「TL/・・・/・・・」という情報を発光することになる。したがって、真贋判定者は、金額複写欄10の各文字複写欄の左端から・・・mmの位置と・・・mmの位置に「縦のライン」が形成されていることを知ることができる(ステップS12)。真贋判定者は、定規などを用いて、金額複写欄10の左端から「縦のライン」までの距離を測定する。測定の結果、左端から・・・mmの位置と・・・mmの位置に形成されているかどうかを確認する(ステップS13)。しかし、本実施形態に係る複写シートは、1組の第1基材4と第2基材7を含む単位複写シートごとに、インク層6のパターンと、蛍光インク層9の形成情報が異なっているので、異なる組から取得された第1基材4によるパターンの形成位置と、第2基材7に表示された情報は一致しない。そのため、真贋判定者は、第2基材7の金額複写欄10に複写された内容は不正なもの、すなわち改ざんされたものであることを知ることができる(ステップS15)。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、インク層6の形成のために、減感インクを用いたが、減感インクに代えて発色剤インクを用いるようにしてもよい。発色剤インクを用いる場合であっても、インクジェットプリンタにより印刷可能なインクジェット発色剤インクを用いる。インクジェットプリンタを用いることにより、単位複写シートごとに異なる態様でパターンを印刷することができる。
この場合、発色剤としては、特開平6−40147号公報に使用されている様な発色剤を含有したインクにより形成した発色剤インク層が挙げられる。この発色剤を含有したインクは、ノーカーボン複写用紙に用いられている従来公知の発色剤を、樹脂、溶剤等のビヒクルに直接含有させたインクである。すなわち、発色剤を酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ等の白色顔料と共に、植物油、鉱物油、樹脂等からなる従来公知のインクジェット用ビヒクルに加えてインクジェット用の発色剤インクとしたものが使用できる。また、ビヒクルに代えて、紫外線硬化性樹脂と光重合開始剤、光増感剤等からなる従来公知の紫外線硬化性樹脂組成物を使用した、紫外線硬化型の発色剤インクも使用できる。後者は前者に比べ、印刷後の乾燥が早い点で好ましい。
また、上記実施形態では、インク層6を上下方向に沿った帯状のパターンで形成するようにしたが、他の形態のパターンであってもよい。例えば、左右方向に沿った帯状のパターンであってもよいし、所定の大きさのスポット(小区域)状であってもよい。
また、上記実施形態では、第1基材4を含む上用紙2、第2基材7を含む下用紙3の2枚で構成される複写シートについて説明したが、その一方の面に顕色剤層8および蛍光インク層9を有し、他方の面にマイクロカプセル層5およびインク層6を有する中用紙を1枚以上備えた、3枚以上の構造の複写シートであってもよい。
1・・・複写シート(単位複写シート)
2・・・上用紙
3・・・下用紙
4・・・第1基材
5・・・マイクロカプセル層
6・・・インク層
7・・・第2基材
8・・・顕色剤層
9・・・蛍光インク層
10・・・金額複写欄

Claims (6)

  1. 一方の面にマイクロカプセル層が形成された第1基材と、前記第1基材のマイクロカプセル層が形成された面と対向する側に顕色剤層が形成された第2基材とを少なくとも備えた感圧式の複写シートであって、
    前記複写シートは、第1基材、第2基材をそれぞれ少なくとも1枚以上有する組を単位複写シートとしており、
    前記単位複写シートを構成する第1基材のマイクロカプセル層が形成された面のうち、前記顕色剤層と重なる位置の少なくとも一部に、前記単位複写シートごとに異なる態様でインクジェットインクによるパターンが形成されていることを特徴とする複写シート。
  2. 前記インクジェットインクによるパターンは、インクジェット減感インクにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複写シート。
  3. 前記インクジェットインクによるパターンは、インクジェット発色剤インクにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複写シート。
  4. 前記インクジェットインクによるパターンは、基準位置からの距離を定めた帯状のものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の複写シート。
  5. 前記第2基材には、前記単位複写シートごとに異なる態様を示す情報を表現した蛍光インク層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の複写シート。
  6. 一方の面にマイクロカプセル層が形成された第1基材と、前記第1基材のマイクロカプセル層が形成された面と対向する側に顕色剤層が形成された第2基材とを少なくとも備えた感圧式の複写シートにおいて、前記第2基材の真贋判定を行う方法であって、
    前記第2基材の所定の位置に紫外線を照射するステップと、
    前記紫外線の照射により発光された記録情報を取得するステップと、
    前記記録情報で特定される態様で、前記第2基材上に所定のパターンが形成されているかを確認するステップと、
    を有することを特徴とする複写シートの真贋判定方法。
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