JP2016539694A - トロンビンとペクチンとを含む乾燥パッド - Google Patents

トロンビンとペクチンとを含む乾燥パッド Download PDF

Info

Publication number
JP2016539694A
JP2016539694A JP2016534192A JP2016534192A JP2016539694A JP 2016539694 A JP2016539694 A JP 2016539694A JP 2016534192 A JP2016534192 A JP 2016534192A JP 2016534192 A JP2016534192 A JP 2016534192A JP 2016539694 A JP2016539694 A JP 2016539694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pectin
pad
thrombin
density
bleeding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016534192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6461957B2 (ja
Inventor
イラン・エレツ
グルマン・ヨタム
エアブリ・ロネン
デケル・エリヤ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omrix Biopharmaceuticals Ltd
Original Assignee
Omrix Biopharmaceuticals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omrix Biopharmaceuticals Ltd filed Critical Omrix Biopharmaceuticals Ltd
Publication of JP2016539694A publication Critical patent/JP2016539694A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6461957B2 publication Critical patent/JP6461957B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L15/00Chemical aspects of, or use of materials for, bandages, dressings or absorbent pads
    • A61L15/16Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons
    • A61L15/22Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons containing macromolecular materials
    • A61L15/28Polysaccharides or their derivatives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L15/00Chemical aspects of, or use of materials for, bandages, dressings or absorbent pads
    • A61L15/16Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons
    • A61L15/38Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons containing enzymes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L15/00Chemical aspects of, or use of materials for, bandages, dressings or absorbent pads
    • A61L15/16Bandages, dressings or absorbent pads for physiological fluids such as urine or blood, e.g. sanitary towels, tampons
    • A61L15/42Use of materials characterised by their function or physical properties
    • A61L15/44Medicaments
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2300/00Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
    • A61L2300/20Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices containing or releasing organic materials
    • A61L2300/252Polypeptides, proteins, e.g. glycoproteins, lipoproteins, cytokines
    • A61L2300/254Enzymes, proenzymes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2300/00Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices
    • A61L2300/40Biologically active materials used in bandages, wound dressings, absorbent pads or medical devices characterised by a specific therapeutic activity or mode of action
    • A61L2300/418Agents promoting blood coagulation, blood-clotting agents, embolising agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Abstract

本発明は、ペクチンと2価の陽イオンとトロンビンとを含む乾燥パッドと、その作製に対するものである。本発明の乾燥パッドにおけるペクチンの密度は、約1%以上〜7%未満(w/v)の範囲であるのが好ましい。本発明によるパッドは、メトキシル含量の少ないペクチンを含む。

Description

本発明は、トロンビン−ペクチンパッド及びその作製に関する。
ペクチンは、植物性物質から抽出される天然の多糖類である。ペクチンは主に、α−(1〜4)グリコシド結合によって鎖状に結合したD−ガラクツロン酸(GalA)という、結合したモノマーの直鎖からなる。これらのGalAモノマーは、エステル化されたカルボキシル基(COOCH)という側鎖を有し、この側鎖は、カルボキシル基(COOH)、ヒドロキシル基(OH)、及びアミノ基(NH)という3つの異なる側鎖で置換でき、様々な特徴を有するペクチンをもたらす[Prade RA et al.Pectins,pectinases and plant−microbe interactions Biotechnol Genet Eng Rev.1999]。側鎖の種類は、特定の酵素(側鎖に基づく)によって促進される化学反応と、溶剤条件(例えば、pHレベル、異なる糖の存在、イオン組成など)によって決まる。
ペクチンには、高メトキシル(HM)ペクチンと低メトキシル(LM)ペクチンという2つの主な種類がある。これらの2つの群の識別は、エステル化されたGalAモノマーとGalAモノマー全体との比率(「エステル化度」−DEという)に基づく。典型的には、市販のHMペクチンのDE値は60〜75%の範囲であり、LMペクチンのDE値は20〜40%である。
ペクチンは、食品業界では例えば増粘剤として、医療業界では例えば丸剤コーティング材として用いられている。
2つの種類のペクチンのゲル形成特性:
pH約3、加熱(75〜80℃の温度)、及び65%以上の濃度での可溶性固形物、例えば多糖類の存在という条件下で、HMペクチン粉末に水を加えると、ゲルが形成される。多糖類を加えると、ペクチンと水の相互作用が低減され、その代わりに、ペクチンと糖の相互作用が生じ、それにより、ゲル化活性に寄与する。HMペクチンと対照的に、LMペクチンは、もっと広いpH範囲(2.5〜6.5)でゲルを形成し、そのゲル形成は、多糖類含有量と温度レベルとは無関係である。LMペクチンは、適切なゲル形成には、2価の陽イオンの存在(例えば、ペクチン0.06g(1gr)当たり約30〜40mgのカルシウム)を必要とする。LMペクチンのゲル化機構は、ヒドロキシル側鎖基とカルボキシル側鎖基との分子内結合の形成を伴う。この構造は「エッグボックス」モデルといい、このモデルでは、カルシウムが構造内に捕捉され、より強固なゲルが形成される。
HMペクチンのタイプは、カルボキシル側鎖基含有率が低く、ゲル形成に必要とされる酸性pHにより、負に帯電したカルボキシル側鎖基が欠如しているので(酸性pHでは水素は放出されない)、正に帯電したカルシウムイオンを加えても、ゲルも形成されず、「エッグボックス」構造が立体的に形成されることもない。
いくつかの文献は、トロンビンを含むか又は含まないペクチンを含む組成物に関する。
米国特許出願公開第2012/0282320号は、出血を止めるための創傷被覆材として使用できる止血用パウダーの組成物に関する。この止血用パウダーは、ペクチン酸銀部分を含む。この明細書によれば、用いるペクチンは、カルシウム塩と反応して、不溶性のペクチン酸カルシウムを生成するように修正もしなければならない。2.3%のペクチン酸銀を含む止血用パウダーの組成物が例示されている。この文献には、凍結乾燥した被覆材とは対照的に、止血用パウダーを用いる方が優れていることが明示的に示されている。
米国特許第7019191号は、布基材と、その基材の上又は基材を貫通して配置された多孔性の水溶性又は水膨潤性ポリマーマトリックスとを含む、凍結乾燥した止血用創傷被覆材と、そのような止血用創傷被覆材を作製する方法とを開示している。多糖類は、水溶性又は水膨潤性ポリマーの(17個の可能性のうちの)考えうる1つの選択肢として列挙されており、ペクチンは、35個の考えうる多糖類のうちの考えうる1つの多糖類として列挙されている。被覆材が、例えばトロンビン、フィブリノゲン、及びフィブリンを保持できることが記載されている。
英国特許第708148号は、止血用調製剤と、その製造プロセスに関する。塩基性のアクリジン誘導体をトロンビン調製剤に加えると、トロンビンの活性が向上することをこの発明者は発見した。この特許は、トロンビン調製剤に含める考えうる選択肢として、ペクチンとペクチン誘導体を開示している。凍結乾燥したペクチン−トロンビン溶液の止血用調製剤が例示されている。この止血用調製剤は、10%のペクチンを含む。
米国特許第4265233号は、血液凝固第XIII因子が固定された創傷治癒材を開示している。この治癒材は、創傷部位での安定化フィブリンの形成を促す。この明細書によれば、トロンビンをその治癒材に、血液凝固第XIII因子とともに固定するのが好ましい。この治癒材は、モノフィラメント、繊維集合体、フィルム、又はスポンジの形態である。ペクチンは、この構造を構成できる(膨大なリストのうちの)1つの選択肢として示されている。この特許は、血液凝固第XIII因子及びトロンビンを各種構造、例えばペクチン構造に結合させることに関する。
米国特許第4292972号は、ハイドロコロイド、ゼラチン、ペクチン、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから形成された医療上有用な止血特性及び付着特性を有する凍結乾燥発泡体スポンジ製品であって、密度が約0.01〜約0.10グラム/ccである発泡体スポンジ製品に関する。そのゼラチンは、最終製品の約20重量%〜約80重量%で存在し、ペクチンとカルボキシメチルセルロースナトリウムはそれぞれ、最終製品の約10重量%〜約50重量%で存在する。この製品は、ハイドロコロイドの水性コロイド分散液を形成し、通気するか又は発泡させ、凍結し、凍結乾燥することによって作製する。
米国特許出願公開第2008/0260810号は、吸収性発泡体と、吸収性織布又は吸収性編み布と、トロンビンと、フィブリノゲンとを含む止血材に関する。この明細書によれば、吸収性発泡体は、生体適合性の水溶性又は水膨潤性ポリマーであってよい。その発泡体を作製するのに用いる好ましい生体適合性の水溶性又は水膨潤性ポリマーとしては、多糖類が挙げられる。ペクチンは、可能性の膨大なリストのうちの考えうる多糖類として示されている。その出願は、酸化再生セルロース布に付着させた(水溶性又は水膨潤性ポリマーとしての)カルボキシメチルセルロース及び(発泡剤/界面活性剤としての)アルブミンと、その発泡体に組み込まれたか又はその発泡体の上に噴霧したトロンビン及びフィブリノゲンとを含む発泡体を例示している。
米国特許第5688923号は、局所塗布用の創傷被覆材を作製するのに有用なカルシウム感受性低メトキシル(LM)ペクチンから構成される多価陽イオン架橋ペクチン繊維組成物に関する。
トロンビンは、可溶性フィブリノゲンの不溶性フィブリンへの変換を触媒するセリンプロテアーゼである。手術では、トロンビン液が、活動性出血部位で内在のフィブリノゲンをフィブリンに変換することによって出血を止める単独の製品としての役割を果たすことが多い。しかしながら、トロンビン液は、滲出した血液によって出血部位から洗い流されることがあるので、トロンビンを単独で用い、効果が弱い場合がある。この課題を克服し、トロンビンを活動性出血部位上に物理的に保つために、トロンビンを含むパッド、スポンジ、又はパッチを用いるのが有益なことがある。
いくつかの文献には、止血用のトロンビンと併せて、動物由来タンパク質(例えばコラーゲン又はゼラチン)から形成された乾燥発泡体スポンジを用いることが示されている。しかしながら、動物源からスポンジを作るのは、費用のかかる手順であり、それに対して、植物性物質からスポンジを作ると、費用が抑えられる。
更に、動物由来物質には、ウイルスなどの感染性物質を伝染させるリスクが存在し得る。
本発明は、当該技術分野のパッドにおけるこれらの欠陥及びその他の欠陥を克服するパッドに対するものである。
本発明は、ペクチンと、2価の陽イオン、例えばカルシウムと、トロンビンとを含む乾燥パッドと、その作製に関する。本発明の乾燥パッドにおけるペクチンの密度は、約1%(w/v)〜7%(w/v)未満の範囲であるのが好ましい。本発明によるパッドは、メトキシル含量が少ないペクチン(本明細書では「LMペクチン」という)を含む。
有益なことに、本発明に従って作製したパッドは、均質であり、液体/血液吸収力が高く、順応性があるので、破断することなく生体器官の形状に適合させるように容易に操作でき、標的組織への付着性が向上し、操作及び取扱い中に損なわれないで済む。パッドの順応性又は適合性により、様々な構造と形状を有する広範な器官の中に当てることができる。
注目すべきことに、本発明に従って作製したパッドは、付着特性が向上している。本発明のパッドは、(例えば、パッド内に存在するトロンビンが、患者の血液に由来するフィブリノゲンに対して及ぼす作用によって、)出血部位におけるフィブリンの形成を促すことによって、止血を増進させるのに用いることができる。
本発明の一実施形態では、乾燥パッド内のペクチン密度は、1%(w/v)超〜7%(w/v)未満である。
本発明の別の実施形態では、乾燥パッド内のペクチン密度は、約1%(w/v)〜約5%(w/v)である。
更なる実施形態では、乾燥パッド内のペクチン密度は、約1%(w/v)〜5%(w/v)未満である。
更に本発明の別の実施形態では、乾燥パッド内のペクチン密度は、約3%(w/v)〜5%(w/v)未満である。
更に本発明の更に別の実施形態では、乾燥パッド内のペクチン密度は、約3%(w/v)である。
本発明の一実施形態では、パッドは、下記の工程によって作製する。
a.LMペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンを用意する工程
b.上記のペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンを混合して、均質なゲル形成を可能にする条件で、ペクチンを約1%(w/v)〜7%(w/v)未満の濃度にする工程
c.ゲルを乾燥させる工程
本発明の一実施形態では、工程bは、まずトロンビンを2価の陽イオンと混合してから、ペクチンを加えることによって行う。
本発明の別の実施形態では、2価の陽イオンはカルシウムである。
本発明は、患者の創傷部出血を低減する方法であって、本発明によるパッドを創傷に当てることによって、創傷部出血を低減することを含む方法にも関する。
一態様では、本発明は、ペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンとを含む改良型の乾燥パッドを提供する。
本発明によると、特定の種類のペクチンを特定の密度で、トロンビンと併せて含む乾燥パッドにより、血液及びその他の流体を吸収して、そのパッドの隙間内に保持し、損傷部位においてフィブリンを形成させることによって出血を止められるようにする改良型の乾燥パッドの形成が可能になることが分かった。
本発明によるパッドは、低メトキシル(LM)ペクチンを約1〜7%(w/v)未満、1%(w/v)超〜7%(w/v)未満、約1%(w/v)〜約5%(w/v)、約1%(w/v)〜5%(w/v)未満、1%(w/v)超〜5%(w/v)未満、約3%(w/v)〜5%(w/v)未満、又は約3%(w/v)の範囲の密度で含む。
本願全体で用いられている、ペクチンの割合の表現(%)は、ペクチンの体積当たりの重量(w/v)を意味する。
例えば、ペクチンを約1〜7%(w/v)未満の範囲の密度で含む乾燥パッドは、約10mg/cm〜70mg/cm未満の範囲である密度のペクチンを意味する。
本明細書で使用するとき、「約」という用語は、±2%を指す。
「改良型の乾燥パッド」という用語は、例えば、出血、例えば軽度出血、中度出血、重度又は激しい出血を効果的に止められるようにし、破断することなく体表の形状に容易に適合する力を有し、標的組織への付着性が向上しており、液体/血液吸収力が高いパッドに関する。「出血を止める」と「止血」という用語は、置き換え可能である。
「液体/血液吸収力が高い」という用語は、例えば、パッドが、その重量の何倍もの血液及びその他の流体を吸収して、その隙間内に保持できるか、及び/又は血液及びその他の流体を迅速に吸収できる、例えば、パッド自体の重量の30倍を30秒以内に吸収できることを意味する。
「止血」という用語は、損傷下血管からの出血を止める、及び/又は血管内に血液を封じ込め続けることに寄与する薬剤の能力を指す。
本発明によるパッドは、その構造を保持したままで、破断せずに、体表の形状に容易に適合する力があり、粘着性があって、標的組織への付着性が向上しており、空隙率が向上しており、それにより、液体/血液のパッド内への効率的な吸収を可能にし、操作及び取扱い中に損なわれないままであることが分かった。
有益なことに、本発明による乾燥パッドは、均質であり、液体/血液吸収力が高く、容易に操作できるとともに、破断することなく、生体器官の形状に適合させることができ、標的組織への付着性が向上しており、操作及び取扱い中に損なわれないで済む。パッドの適合性により、様々な構造と形状を有する広範な器官の中に当てることができる。
「均質」という用語は、パッドのこの文脈においては、トロンビンとペクチンが、乾燥パッド全体に実質的に均一に分散されていることを意味する。有益なことに、パッドの様々な領域の生物学的活性は、大体同じである。
「乾燥」という用語は、乾燥組成物の総重量に対して、液体含有率が3重量%以下(w/w)であるパッドを指す。
有益なことに、ペクチンは、植物由来の多糖類であるので、ペクチンを用いて形成されたパッドは、ウイルス及び/又は未知の病原体の伝染のリスクを最小限にできる。
また、植物から抽出されるペクチンを医薬品で用いるのは有益である。ペクチンは、非免疫原性物質であり、費用効率がよく、安全期間が長い物質でもあるからである。
本発明の一実施形態では、乾燥パッド内の2価の陽イオンは、例えば、0.1〜100mg/cmの密度範囲、例えば4.5〜7.5mg/cmの密度のカルシウムである。本発明の一実施形態では、パッド内のカルシウム密度は、4.5mg/cmである。本発明の別の実施形態では、パッド内のカルシウム密度は、7.5mg/cmである。
パッド内のトロンビンの密度は、10〜1000IU/cmの範囲であることができ、例えば、密度は、約340IU/cm又は680IU/cmであることができる。
典型的には、本発明のパッドは、その生物学的活性を保ったまま、凍結しない温度保管条件(例えば、2〜8℃の温度及び最大で室温、又は37℃未満の温度)で、比較的長い時間にわたって保管できる。「室温」は、約20℃〜約28℃、又は22℃〜約26℃の温度を含むように意図されている。
本発明の一実施形態では、パッドは、2年間、室温で保管できる。
別の態様では、本発明は、本発明による乾燥パッドを作製する方法に関する。
本発明の一実施形態では、この方法は、下記の工程を含む。
a.LMペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンとを用意する工程
b.上記のペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンを混合して、均質なゲル形成を可能にする条件で、ペクチンを約1%(w/v)以上〜7%(w/v)未満の濃度にする工程
c.ゲルを乾燥させる工程
ペクチンの密度は、約1〜7%(w/v)未満、1%(w/v)超〜7%(w/v)未満、約1%(w/v)〜約5%(w/v)、約1%(w/v)〜5%(w/v)未満、1%(w/v)超〜5%(w/v)未満、約3%(w/v)〜5%(w/v)未満、又は約3%(w/v)の範囲であることができる。
いくつかの実施形態では、パッドは、概ね後述のように作製した。第1の工程として、目視確認によって判断した場合に、その溶液が均質になるまで、1300RPMで3〜6時間攪拌しながら、LMペクチン粉末を40〜70℃の再蒸留水(DDW)に溶解することによって、濃度が約1.5〜15%(w/v)(15〜150g/L)の様々なペクチンストック溶液を調製した。pH3.5〜5.5の溶液を得た。次に、0.5MのNaOHを加えて、pHを約7.0にした。次の工程で、ペクチン溶液の安定化のために、ペクチンストック溶液を4℃で一晩(14〜18時間)保管した。次の工程で、トロンビン(EVICEL(登録商標)Fibrin Sealant由来)1.7mLと10.8Mの塩化カルシウム(CaCl)25μLを混合してから、形成された混合物を各ペクチンストック溶液(1.5%、4.5%、7.5%、10.5%、及び15%)3.3mLと混合して、最終ペクチン濃度がそれぞれ約1%、3%、5%、7%、及び10%(w/v)(10〜100g/L)のペクチンゲルを形成した。トロンビンをCaClと混合してから、ペクチンストック溶液と混合するのは、室温(20〜25℃)で行った。トロンビン−CaCl溶液をペクチン溶液と混合するのは、2個のシリンジを用いて行い(下の詳述を参照)、その溶液を2個のシリンジ間で10〜15回移動させた。5mLの最終体積を得、最終混合物を、高さ25m、直径25mmという寸法の凍結乾燥用ガラスカップに入れた。この凍結乾燥用ガラスカップを凍結乾燥機に入れ、凍結乾燥して、水含有率が≦3%の乾燥パッドを形成した。各種の乾燥パッド(凍結乾燥工程後)は、密度約1%、3%、5%、7%、又は10%(w/v)(10〜100mg/cm)のペクチンと、340IU/cmのトロンビンと、7.5mg/cmのカルシウムを含んでいた。乾燥パッドの高さは10〜14mmの範囲で、直径は25mmであった。
別の実施形態では、密度3%(w/v)のペクチン(30mg/cm)を含む乾燥パッドを以下のように作製した。
0.146g(2.25gr)のLMペクチン粉末を48.5mLのDDWに溶解することによって、濃度4.5%(w/v)のペクチンストック溶液を得た。この溶解は、40℃〜70℃で、1300RPMで攪拌しながら、(その溶液が、目視確認によって判断した場合に、均質になるまで)3〜6時間行った。pH3.5〜5.5の溶液を得た。溶解後、ペクチンストック溶液を0.5MのNaOH(約2mL)で滴定して、pHを約7.0にした。
次の工程で、ペクチン溶液の安定化のために、ペクチンストック溶液を4℃で一晩(14〜18時間)保管した。
次の工程で、40mMのCaClを含むトロンビン1.7mLを10.8MのCaCl25μLと混合した(トロンビン溶液中の最終CaCl濃度は67.5mMとなった)。続いて、トロンビン−カルシウム混合溶液(約1.7mL)をペクチンストック溶液(濃度4.5%w/v)3.3mLと混合して、ゲルを形成した。トロンビンをCaClと混合してから、ペクチンストック溶液と混合するのは、室温(20〜25℃)で行った。
混合は、三方活栓によって互いに連結させた2個の5mLシリンジを用いることによって行い、一方のシリンジにはトロンビン−カルシウム溶液を入れ、もう一方のシリンジにはペクチンストック溶液を入れた。これらの溶液は、2個のシリンジ間で10〜15回移動させた。混合後、混合溶液(体積5mL)を凍結乾燥用カップ(上記と同じ寸法)に入れ、針を用いて、ゲルの上面に形成された泡のうち、針の届く泡を消してから、カップを凍結乾燥機に移し、凍結乾燥した。
形成されたパッド内のペクチンの最終密度は、3%(w/v)(30mg/cm)、トロンビンの最終密度は、340IU/cm、カルシウムの最終密度は、7.5mg/cmであった。
凍結乾燥手順後、パッドを閉ざされた区画に、乾燥剤とともに、室温(20〜25℃)で保管した。
いくつかの実施形態では、ペクチン、トロンビン、及び/又はカルシウムの溶液体積を約1〜20倍増大させて、もっと大きいパッド、及び/又はもっと多くのパッドを得る。
液体及びゲル物質においては、約1%(w/v)〜7%(w/v)未満のペクチン濃度は、約10g/L〜70g/L未満の濃度範囲のペクチンを意味する。
「混合する」という用語は、構成成分(例えば、ペクチンと2価の陽イオンとトロンビン)を合わせてブレンドするか又は攪拌することを指す。
「均質なゲル形成を可能にする条件で混合する」という用語は、均一なゲルの形成を可能にする特定の条件(1つ又は複数)、例えば、ある方法(例えば、構成成分の特定の混合順序)、及び/又はある環境(例えば、特定のpH、特定の温度、及び/又は泡の形成を回避する環境)で、構成成分をブレンド又は攪拌することを指す。一実施形態では、このような条件は、最初にトロンビンを2価の陽イオンと混合し、その後でペクチンを加えることを含む。
ゲルとの関連における「均質」と言う用語は、トロンビンとペクチンが、ゲル物質(パッドの乾燥前)全体に実質的に均一に分散されていることを意味する。例えば、ゲルの様々な領域のトロンビンとペクチンの濃度は、大体同じである。均質なゲルは、例えば、2価の陽イオンを含むトロンビン溶液と、ペクチン溶液を十分かつ静かに混合することによって得ることができる。一実施形態では、混合は、互いに連結させた2個のシリンジ(一方のシリンジは、ペクチン溶液を含み、もう一方のシリンジは、トロンビン溶液を含む)を用いることによって行う。
均質なゲルは、例えば、ゲル内における大量の泡及び/若しくは大きな泡の存在を、例えば針を用いて消すことによって、並びに/又は、形成されたゲル上の液体の存在(この存在により、不適切に混合される)を回避することによって得ることができる。混合は、上記の溶液を十分に混合する攪拌装置を用いることによって行うこともできる。
「ゲル」という用語は、半硬質のゼリー状物質であって、液体の分子が固体に分散されているとともに、その固体が連続相であり、その液体が不連続相である物質を指す。典型的には、ゲルは、流動しない実質的に希薄な架橋系である。ゲルは、大部分は液体であるが、その液体内に3次元架橋網目構造が存在することにより、固体の特徴を有する。
LMペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンは、溶液として用意できる。トロンビン溶液中の全固形分は、1mL当たり約1〜45mgであることができる。
本発明の一実施形態では、2価の陽イオンは、トロンビン溶液内に供給する。本発明の別の実施形態では、2価の陽イオンは、別の溶液として用意する。
乾燥工程は、当該技術分野において既知のいずれかの手順であって、熱による手順に敏感な活性成分、例えばトロンビンを分解させたり、又は変性させたりしない手順によって行うことができ、この手順としては、真空乾燥、凍結乾燥、及び室温乾燥のような空気乾燥が挙げられるが、これらに限らない。
一実施形態では、乾燥は、凍結乾燥によって行うことができる。「凍結乾燥」という用語は典型的には、混合物を凍結してから、水の濃度を、例えば昇華によって、生物反応又は化学反応を支えないレベルまで低下させるプロセスを指す。
典型的には、凍結乾燥後に、「固体ケーク」が得られる。「ケーク」、「固体ケーク」、「乾燥組成物」という用語は、凍結乾燥プロセスから生じる多孔性でスポンジ構造のような組成物を指す。
凍結乾燥プロセスの後、形成されたケークが、それ自体の構造を支えていたこと、すなわち、ゲル物質と固体組成物の構造及び体積が実質的に同じであったことが示された。このパラメーターは、パッドを静かに圧迫して、グローブに残ったパッドの割合を評価することによって評価できる。パッドは、有益には、操作及び取扱い中に、その構造を保持して、損なわれないままであるべきである。体の形状に容易に適合できるが、その構造を保持して破断しないことができるというパッドのバランスを保つことが重要である。
本明細書で使用する場合、「乾燥組成物」と「乾燥パッド」という用語は置き換え可能であり、水含有率が約3%以下(w/w)である組成物を指す。
本発明に従って用いるペクチンは、いずれかの植物又はその一部(例えば、種子、葉、柄、花、根、及び/又は茎)から得る(例えば、抽出又は単離する)ことができる。このペクチンは、純度が様々なレベルであることができ、ペクチンに加えて、植物又はその一部から抽出又は単離される他の構成成分も含むことができる。
このペクチンは、エステル化度が約20%〜75%の範囲、アミド化度が約15%〜30%の範囲であることができる。
本発明の一実施形態では、エステル化度は、約26〜27%の範囲である。本発明の別の実施形態では、アミド化度は、約20〜22%の範囲である。
「エステル化度」という用語は、エステル化されたGalAモノマーとGalAモノマー全体との比率を指す。
「アミド化度」という用語は、アミド化されたGalAモノマーとGalAモノマー全体との比率を指す。
本発明の一実施形態では、パッドは、追加の止血剤を含む。「止血剤」という用語は、本明細書で使用する場合、その止血剤が、軽度出血、中度出血、重度又は激しい出血を含め、毛細血管、静脈、又は細動脈の出血を、当業者によって認識されている有効時間内で制御、低減、又は停止する力を指す。止血剤の例としては、プロトロンビン、フィブリン、フィブロネクチン、第X/Xa因子、第VII/VIIa因子、第IX/IXa因子、第XI/XIa因子、第XII/XIIa因子、第XIII因子、第VIII因子、ビトロネクチン、組織因子、フォンビルブランド因子、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター、血小板活性化剤、止血活性を有する合成ペプチド、上記の誘導体、及びこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。
「軽度」という用語は、少量かつ低速度の出血が生じる出血症状を指す。軽度出血では、出血は自力で、又は圧迫によって止まることができ、出血は、圧迫から約10〜20分後に止まるか、又は滲出するか若しくは滴り落ちるほどに治まることができ、及び/あるいは最大で40分間滲出するか若しくは滴り落ちることがある。
軽度出血の例としては、抗凝固剤が処方されず、大静脈又は動脈に損傷が及ばない皮膚のような生体器官上の狭い区域内の損傷による出血が挙げられるが、これらに限らない。典型的には、軽度出血では、止血は、生来の血液凝固機序によって自然に行われる。
「中度」という用語は、遅い出血速度で長時間かけて大量の血液が喪失されるか、又は中度の出血速度で血液が短期間で失われる出血症状を指す。典型的には、中度出血では、出血は、約15分の圧迫で遅くなるか、又は停止するが、圧迫をやめると、再び出血が始まり、及び/又は血液によって数枚の包帯が濡れる場合があるが、出血は速いことも、又は制御不能であることもない。
中度出血の例としては、皮膚のような生体器官上の広い区域内の損傷による出血、又は血液が豊富に供給される器官内で狭い区域が損傷されるケースが挙げられるが、これらに限らない。典型的には、中度出血では、止血を行わないと、数分から数時間で死に至ることがある。「重度又は激しい出血」という用語は、大量かつ高速の出血が生じる出血症状を指す。重度出血では、血液が創傷から噴出し、出血は、圧迫しても止まったり、若しくは遅くなったりせず、及び/又は血液により、包帯が次から次へとすぐに濡れてしまうことが多い。
重度及び激しい出血の例としては、動脈穿刺、肝臓切除、腎臓切除による出血、血友病患者、抗凝固剤を投与されている患者などが挙げられるが、これらに限らない。典型的には、重度又は激しい出血では、止血を行わないと、数秒から数分で死に至ることがある。
パッドが出血を止める有効性は、インビボ動物モデル実験を用いることによって評価できる。例えば、下記の実施例に記載されているような腎出血ラットモデル(重度出血のモデル)と、脾出血ブタモデル(軽度から中度の出血のモデル)。
本発明によると、トロンビンと、1%(w/v)以上〜5%(w/v)未満のLMペクチンとを含む乾燥パッドが、重度出血を効果的に止めることと、トロンビンと、1%(w/v)以上〜7%(w/v)未満のLMペクチンとを含む乾燥パッドが、軽度から中度の出血を効果的に止めることが分かった。
本発明の一実施形態では、乾燥パッドは、トロンビンと、約1%(w/v)〜5%(w/v)未満の密度のLMペクチンとを含み、軽度から重度の出血に用いることができる。
本発明の一実施形態では、乾燥パッドは、軽度から中度の出血用であり、トロンビンと、約1%(w/v)〜7%(w/v)未満の密度のLMペクチンとを含む。
本発明の一実施形態では、乾燥パッドは重度出血用であり、トロンビンと、約1%(w/v)〜5%(w/v)未満の密度のLMペクチンとを含む。
本発明によれば、ペクチンパッドが出血を止める性能は、トロンビン密度を向上させることによって増進でき、例えば、3%(w/v)のペクチンと、340IU/cmのトロンビンとを含むパッドの性能は、パッド内のペクチン密度を680IU/cmのトロンビンまで向上させたら増進したことも分かった。
本発明の一実施形態では、ペクチンパッドの性能を向上させるには、トロンビンの密度を少なくとも2倍向上させることができる。
本発明のパッドは、様々なサイズ及び形状(意図する用途に応じて、正方形、多角形、球形、円錐形、立方体、楕円形、矩形、又は円柱形など)で作製及び提供できる。例えば、本発明のパッドは、5×10cm、10×10cm(幅×長さ)というサイズの矩形形状(いずれも高さは1cm)で作製できる。別の例では、本発明のパッドは、直径が2cm、4cm、又は6cmの円形状(いずれも高さは1cm)で作製できる。
本発明によるパッドは、そのまま出血部位に当てることができ、活動性出血部位において、内在のフィブリノゲンをフィブリンに変換することによって、出血を止めることができる。
本発明のパッドは、所望の部位に当てることができ、パッドと適用部位との界面で凝固が生じて出血が実質的に止まるのに十分な期間、例えば30秒〜4分の範囲の期間、加圧下で保つことができる。
本発明の説明における範囲の開示は、当業者であれば容易に分かる。この開示は、制限的な数字及び値を含め、制限範囲間の連続的な値及び数字の開示を意味する。例えば、約1%(w/v)〜7%(w/v)未満の範囲が示されている場合、少なくとも1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、及び/又は7%(w/v)未満を意味し、1〜6.75%(w/v)など、あらゆる組み合わせの中間の副範囲も含む。例えば、1%(w/v)超〜7%(w/v)未満の範囲が示されている場合、少なくとも1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、及び/又は7%(w/v)未満を意味し、1〜6.75%(w/v)など、あらゆる組み合わせの中間の副範囲も含む。
別の態様では、本発明は、患者の創傷部出血を低減する方法であって、本発明によるパッドを創傷に当てることによって、創傷部出血を低減することを含む方法に関する。
「創傷部出血を低減する」とは、例えば、損傷組織及び/又は器官からの失血を低減、減少、又は解消することを意味する。
「創傷」という用語としては、動脈穿刺、肝臓切除、腎臓切除、皮膚欠損、静脈及び/又は動脈の損傷、手術中に行われる切開などが挙げられるが、これらに限らない。上又は下で引用されている特許出願、特許、及び文献の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
下記の実施例は例示であり、限定するものではない。
材料及び方法
トロンビン:下記の実験では、EVICEL(登録商標)Fibrin Sealant(イスラエルのOmrix Biopharmaceuticals Ltd.製)におけるようなトロンビン構成成分を用いた。
活性成分:ヒトトロンビン(800〜1200IU/mL)
他の成分:40mMの塩化カルシウム(CaCl)、6mg/mLのヒトアルブミン、1g/L(20gr/L)のD−マンニトール、20mMの酢酸ナトリウム、130mMの塩化ナトリウム(NaCl)、注射用水(WFI)。
ペクチン:下記の実験では、以下のような低メトキシルペクチン(LM、2つの異なる種類)と高メトキシル(HM)ペクチンを用いて、トロンビンを含むパッドを作製した。
1.LMペクチン(カタログ#104AS、ジョージア州アトランタのCPkelco)、エステル化度27%、アミド化度20%(本明細書では、「種類1」という)。柑橘類果皮から抽出される。
2.LMペクチン(カタログ#104AS FS、ジョージア州アトランタのCPkelco)、エステル化度26%、アミド化度22%(本明細書では、「種類2」という)。柑橘類果皮から抽出される。
3.HMペクチン(カタログ#76282、イスラエル、レホヴォトのSigma Aldrich)、エステル化度70〜75%。リンゴから抽出される。
いずれのタイプのペクチンも、供給業者から粉末として得た。
表1には、HMペクチンとLMペクチンの特性が列挙されている。
Figure 2016539694
凍結乾燥ゲル物質の凍結乾燥は、下記の表2に示されているサイクルに従って、凍結乾燥機Christ Epsilon 2−8Dを用いて行った。凍結乾燥後に、「固体ケーク」が得られた。「ケーク」、「固体ケーク」、及び「乾燥組成物」という用語は、凍結乾燥プロセスから生じる多孔性でスポンジ構造のような組成物を指す。
典型的には、凍結乾燥プロセスの後、ケークは、それ自体の構造を支持する。すなわち、ゲル物質及び凍結乾燥後に得られる固体物質の構造及び体積は実質的に同じである。
Figure 2016539694
乾燥パッド内の水含有率の定量化:水含有率の測定は、カールフィッシャー容量滴定法(KFT)を用いて行い、この方法は、米国薬局方のアッセイ(USP27,<921>,P.2398〜2399)に基づいている。滴定の前に、凍結乾燥した組成物の入ったバイアルに4mLの乾燥メタノールを加え、そのバイアルを30分間、室温で回転させることによって、凍結乾燥した組成物から水を抽出した。続いて、滴定用に上清3mLを取った。
インビボモデルを用いた、パッドの止血効果の評価
腎出血ラットモデル−重度又は激しい出血のモデル:
インビボ急性腎出血ラットモデルを用いて効果を割り出した。
月齢約3カ月、体重約23g(350gr)のスプラーグドーリーラットをこのモデルで用いた。IP(腹腔内)注射によって投与したペンタール50mg/kgで麻酔導入した。手順を行う間、麻酔の効果をモニタリングし、必要な場合には、ペンタールの追加の注射を行った。
ラットを38℃〜40℃(最適には38.4℃)の一定の体温に保つために、ラットを厚いプラスチックの処置台の上に乗せ、その台の下に、加熱ランプと、サーモプローブに連結した電熱パッドとの両方を置いた(サーモレギュレーター)。
腰傍部開腹のために、ラットの左側腹部を剃毛した。剃毛部位を70%のアルコールで拭いた。サーモプローブをラットの直腸に挿入して、体温をモニタリングした。ラットの方向を変えて、右側背側位になるようにした。ラットの血液中に存在する内因性トロンビンの活性を抑制するために、ヘパリン(ドイツのRotexMedica、#ET3L184−10、200IU/kg)を静脈内にボーラス注射した(投与したヘパリンの濃度は、パッド内に存在するトロンビンに影響を及ぼさなかった)。このモデルを用いることによって、再現性が保たれる。動物は、内因性トロンビンによって体内の凝固機序を活性化できないからである。
左殿部から第12肋骨まで、約1〜2cmの寸法で左側腰傍部の切開を行って、左腎を露出させた。腎臓を腎周囲脂肪から分離した。ラットを再び背臥位にした。柔らかい血管用クランプで腎血管を閉塞した。片腎摘をサジタル方向に行い、腎血管に垂直に腎臓の遠位側半分全体を除去した。残りの腎臓の切断面の水分を拭き取って乾燥した。試験パッドを腎臓の切断面に当てた。重合のために3分間置いてから、腎臓のクランプを解除した。腎臓のクランプを解除後、腎臓の出血の有無を観察した。出血が生じた場合、血液は、1時間でパッド内に吸収された。
ラットが試験期間全体にわたって生存していた場合、パッドを除去して、切断面に当てた後のパッドの重量を、当てる前のパッドの重量から減じることによって、腎臓からの出血を評価した。パッドを除去した直後に、COを用いて、生存しているラット(麻酔下のままである)を安楽死させた。
脾出血ブタモデル−軽度から中度の出血のモデル
下記の点を除き、本質的に、Cole DJ et al.「A pilot study evaluating the efficacy of a fully acetylated poly−N−acetyl glucosamine membrane formulation as a topical hemostatic agent」Surgery.1999 Sep;126(3):510〜7に記載されているように手順を行った。
1−(Cole DJ et al.におけるように脾臓内に切開を作るのではなく)4mmの生検パンチ針を用いて、脾臓内に円形の欠損を作ることによって、創傷を作製した。
2−パッドを当てる手順は、以下のようにして行った。:創傷からの出血を5秒間放置してから、サージカルスポンジで軽く圧をかけることによって、蓄積された血液を除去した。試験する止血材(ペクチン−トロンビンパッド、又はコントロール処置材、すなわち、トロンビン溶液に浸漬したSURGIFOAM(登録商標)Absorbable Gelatin Sponge。正確な調合については、下記の実施例4を参照)を30秒間、直接指で圧迫して当ててから、圧迫せずに60秒間観察した。創傷部が出血し続けたり、又は再度出血した場合には、更なる止血材を加えることなく、すでに当てた止血材を所定の位置に残し、上記のサイクルの圧迫(30秒後に、60秒間観察)を2回目として繰り返した。創傷の作製から、このサイクルを、合わせて5分間、繰り返した。5分以内に止血ができなかった場合には、試験は不成功とした。この実験では、各試験について、パッド/スポンジを出血部位に当ててから止血までの時間(最長5分)を測定し、記録した。
本願全体にわたって用いられているペクチン濃度(%)は、体積当たりの重量(w/v)である。
液体及びゲル物質においては、1% w/vのペクチンは、10g/Lの濃度のペクチンを意味する。
乾燥パッドにおいては、1% w/vのペクチンは、10mg/cmの密度のペクチンを意味する。
実施例1:各種のLMペクチン濃度を用いた、乾燥トロンビン−ペクチンパッドの作製
約1〜10%(w/v)(10〜100mg/cm)のLMペクチンとトロンビンとを含むパッドは概ね、以下のようにして作製した。3%(w/v)(30mg/cm)のLMペクチンを含むパッドの調製については、下で更に詳細に説明する。
第1の工程として、目視確認によって判断した場合に、その溶液が均質になるまで、1300RPMで3〜6時間攪拌しながら、LMペクチン粉末(上記の種類1。下記の表3に列挙されている量)を48.5mLのDDWに40〜70℃で溶解することによって、濃度が約1.5〜15%(w/v)(15〜150g/L)の各種のペクチンストック溶液を調製した。pH3.5〜5.5の溶液を得た。次に、0.5MのNaOHを加えて、pHを約7.0にした(具体的な滴定量は、下記の表3に列挙されている)。
各種のペクチンストック溶液を調製するのに用いた具体的なペクチン粉末重量と、NaOHの滴定量は、下記の表3に定められている。
Figure 2016539694
次の工程で、ペクチン溶液の安定化のために、ペクチンストック溶液を4℃で一晩(14〜18時間)保管した。
次の工程で、トロンビン(上記のEVICEL(登録商標)Fibrin Sealant)1.7mLと、10.8Mの塩化カルシウム(CaCl)25μLを混合してから、形成された混合物を各ペクチンストック溶液(1.5%、4.5%、7.5%、10.5%、及び15%)3.3mLと混合して、最終ペクチン濃度がそれぞれ約1%、3%、5%、7%、及び10%(w/v)(10〜100g/L)のペクチンゲルを形成した。トロンビンをCaClと混合してから、ペクチンストック溶液と混合するのは、室温(20〜25℃)で行った。トロンビン−CaCl溶液をペクチン溶液と混合するのは、2個のシリンジ(下記の詳述を参照)を用いて行い、その溶液を2個のシリンジ間で10〜15回移動させた。5mLの最終体積を得、最終混合物を、高さ25mm、直径25mmという寸法の凍結乾燥用ガラスカップに入れた。この凍結乾燥用ガラスカップを凍結乾燥機に入れ、上記の表2に従って凍結乾燥して、カールフィッシャー滴定法によって測定した場合の水含有率が≦3%の乾燥パッドを形成した。
これらの各種の乾燥パッド(凍結乾燥工程後)は、密度約1%、3%、5%、7%、又は10%(w/v)(10〜100mg/cm)のペクチンと、340IU/cmのトロンビンと、7.5mg/cmのカルシウムとを含んでいた。乾燥パッドの高さは10〜14mmの範囲、直径は25mmであった。
密度3%(w/v)のペクチン(30mg/cm)を含む乾燥パッドの調製方法の詳細
0.146g(2.25gr)のLMペクチン粉末(上記の種類1)を48.5mLのDDWに溶解することによって、濃度4.5%(w/v)のペクチンストック溶液を得た。この溶解は、40℃〜70℃で、(目視確認によって判断した場合に、その溶液が均質になるまで)1300RPMで3〜6時間攪拌しながら行った。pH3.5〜5.5の溶液を得た。溶解後、ペクチンストック溶液を0.5MのNaOH(約2mL)で滴定して、pHを約7.0にした。
次の工程で、ペクチン溶液の安定化のために、ペクチンストック溶液を4℃で一晩(14〜18時間)保管した。
次の工程で、40mMのCaClを含むトロンビン1.7mLを10.8MのCaCl25μLと混合した(トロンビン溶液中の最終CaCl濃度67.5mMを得た)。続いて、トロンビン−カルシウム混合溶液(約1.7mL)をペクチンストック溶液(濃度4.5% w/v)3.3mLと混合して、ゲルを形成した。トロンビンをCaClと混合してから、ペクチンストック溶液と混合するのは、室温(20〜25℃)で行った。
混合は、三方活栓(カタログ1097、インド、ハリヤナ州のIlif)によって互いに連結させた2個の5mLシリンジを用いることによって行い、一方のシリンジにはトロンビン溶液を入れ、もう一方のシリンジにはペクチンストック溶液を入れた。溶液は、2個のシリンジ間で10〜15回移動させた。混合後、混合溶液(体積5mL)を凍結乾燥用カップ(上記の寸法を参照)に入れ、針を用いて、ゲルの上面に形成された泡のうち、針の届く泡を消してから、カップを凍結乾燥機に移し、上記の表2に従って凍結乾燥した。
形成されたパッド内のペクチンの最終密度は、3%(w/v)(30mg/cm)、トロンビンの最終密度は、340IU/cm、カルシウムの最終密度は、7.5mg/cmであった。
3%(w/v)(30mg/cm)のLMペクチン(種類1)と、7.5mg/cmのカルシウムとを含むパッド(トロンビンは含まない)を作製し、下記の実験/測定におけるコントロールとした。このコントロールパッドは、1.7mLのトロンビン溶液の代わりに、トロンビンバッファー構成成分(6mg/mLのヒトアルブミンと、20mMの酢酸ナトリウムと、1g/L(20gr/L)のD−マンニトールと、130mMのNaClと、40mMのCaClとを含む注射用水1.7mL)を用いた以外は、3%(w/v)のLMペクチンと、340IU/cmのトロンビンと、7.5mg/cmとを含むパッドと同じ方法で作製した。
凍結乾燥手順の後、止血効果を評価するとともに、特定のパラメーターについて目視検査するまでは、パッドを閉ざされた区画に、乾燥剤とともに、室温(20〜25℃)で保管した(Sorb−It、#4243、ドイツ、ミュンヘンのSud−Chemie)。
下記のパラメーターについての目視検査は、上記の調製済みゲルに対して行った(2個のシリンジの中身を混合して、その中身を凍結乾燥用カップに注入した後、かつ、その凍結乾燥を行う前)。
いずれのパラメーターのランク付けも、1〜5の段階で行い(1が低く、5が高い)、いずれの評価も定性的であり、ランク付けは、他のゲル調製物との比較で判断し、各パラメーターの最適値は、括弧内に示されている。
−発泡スジ(1)−このパラメーターを評価するときには、形成されたゲル内の泡の量とサイズの両方を検討した。ゲル調製物内に大量の泡又は大きい泡が存在するのは望ましくない。泡のせいで、ゲル内に不均質に分布された大きい空洞を有する乾燥パッドとなり、止血と乾燥パッドの堅固さに悪影響が及ぶことがあるからである。
−ゲル上の液体(1)−このパラメーターは、ゲルの入ったカップを傾け、ゲル上の液体量を視覚評価することによって評価した。形成されたゲル上に液体が存在することは望ましくない。ゲルの均質性が低いこと、ひいては、凍結乾燥後のパッドの均質性が低いことを指すからである。
−粘着性(4〜5)−このパラメーターは、ニトリルグローブでゲルに触れて、ゲルのグローブへの密着性を定性的に評価することによって評価した。高い値の粘着性が望ましい。乾燥後に得られる乾燥パッドの表面への密着性が高いことを示すからである。
−剛性(3〜4)−このパラメーターは、ゲルを静かに手で圧迫することによって評価した。3〜4の値が望ましい。乾燥後に得られる乾燥パッドの剛性が、その構造を保つのに十分であるが、剛性が高過ぎないので、生体器官の形状に適合するように操作及び適応させることができることを示すからである。
各種ゲルの目視確認の結果は、下記の表4に示されている。
Figure 2016539694
目視検査は、乾燥パッド(凍結乾燥後)についても行った。凍結乾燥後、「固体ケーク」/「ケーク」が得られた。「固体ケーク」は、凍結乾燥プロセスから生じる多孔性のスポンジ構造のような組成物を指す。以下のパラメーターを評価した。いずれのパラメーターのランク付けも、1(低い)〜5(高い)の段階で行い、いずれの評価も定性的であり、ランク付けは、他のゲル調製物との比較で判断し、各パラメーターの最適値は、括弧内に示されている。
−脆さ(1)−このパラメーターは、各パッドを静かに圧迫し、グローブに残った、パッドの一部を評価することによって評価した。パッドは、有益には、操作及び取扱い中に、その構造を保持して、損なわれないままであるべきである。
−発泡性(3)−このパラメーターは、パッドの発泡体のような構造に関し、パッドに静かに圧を加え、(パッドを圧迫する力/パッドを圧迫することに対する耐性に基づき)パッド内の空洞を評価することによって評価した。3という値は、血液をケーク(上記の「ケーク」の説明を参照)から逃がすことなく、液体/血液を吸収できる空隙率を有するパッドを示す。
−粘着性(4〜5)−ゲル調製物に関して上記したように評価した。粘着性のあるパッドの方が、標的組織にしっかり付着する。
−剛性/こわさ(3)−このパラメーターは、パッドを静かに手で圧迫し、圧に対する耐性を評価することによって評価した。3という値は、容易に体の形状に適合できるが、その構造を保持して破断しないことができるというパッドのバランスを示している。
また、乾燥パッド組成物中の全固形分を、パッドの体積(乾燥パッドを作製するのに用いたゲル物質体積。パッドの体積と実質的に同じである。約5mL)で除することによって、各乾燥パッドの密度を数学的に計算した。
トロンビン構成成分溶液中の全固形分は、1mL当たり約40mgである。
各種の乾燥パッドの目視確認の結果と、密度の計算結果は、下記の表5に示されている。
Figure 2016539694
結果から、ゲルの物理的特徴(表4)によれば、LMペクチン濃度7%(w/v)のゲルの方が、他のゲルと比べて優れていることが示されている。
驚くべきことに、乾燥パッドの物理的特徴(表5)から、LMペクチン密度が7%及び10%(w/v)のペクチンパッドは、ペクチン密度の低いパッドよりも劣っていることが示された。ペクチン密度が3%及び5%(w/v)のLMペクチンを有するゲル/パッドは、最適な特徴を有していた。
上記の調製方法では、トロンビン−ペクチンゲルは、まず、トロンビンをCaClと混合してから、ペクチン溶液と組み合わせて混合するという手順順序に従って形成した。
混合の順序を変えて、まずCaClをペクチン溶液と混合するときには(そして、その後にトロンビン溶液と混合するときには)、すぐにゲル化が行われる。このようなゲル化の早期開始により、ゲルドロップが生成されたので、ペクチンゲル内の均質性が失われ、次の工程で、トロンビン溶液との混合が不十分となった。
これらの結果から、均質なパッドを形成するには、まず、カルシウムをトロンビン溶液と混合し、次の工程で、ペクチン溶液を加えるのが有益であることが示されている。
また、種類1のLMペクチンの場合と同様の方法で、種類2のLMペクチン(上で定義されているようなもの)からパッドを作製した。ゲルとパッドの目視検査を、上で定めたパラメーターについて行った。得られた結果と結論は、種類1のLMペクチンの場合と同様であった。
実施例2:各種のHMペクチン濃度を用いた、乾燥トロンビン−ペクチンパッドの作製
0.66〜5.33%(w/v)(6.6〜53.3mg/cm)のHMペクチンとトロンビンとを含むパッドを以下のようにして作製した。
第1の工程として、濃度8%(w/v)(80g/L)のHMペクチンを有するペクチンストック溶液を以下のようにして調製した。50mMの炭酸水素ナトリウムバッファー(カタログ#31437、イスラエル、レホヴォトのSigma Aldrich)100mLをミキサーボウルに入れ、ペクチンが完全に溶解し(目視観察する)、塊のない均質なペースト状溶液が形成されるまで、ミキサー(カタログ:K5SSWH 325ワット、ミシガン州セントジョーゼフのKitchenAid)を280RPMの速度で、約30分間、室温(20〜25℃)で用いることによって混合中に、HMペクチン(上記の材料及び方法の項に記載されているようなもの)0.5g(8gr)を少しずつ加えた。このペースト状溶液のpHは約3.0であった。
次の工程で、下記の表6に示されている体積(総体積は30mL)で、8%のHMペクチンストック溶液を50mMの炭酸水素ナトリウムで溶解することによって、このペースト状溶液を用いて、様々なペクチン濃度(1%、2%、4%、6%、及び7%(w/v)(10〜70g/L))を形成した。
Figure 2016539694
次の工程で、トロンビン溶液(材料及び方法の項に記載されているようなもの)を、この各種ペクチン溶液(8%ペクチンストック溶液を含む)に1:2の比率[トロンビン溶液15mLと、ペクチン溶液30mL]で加えた。HMペクチンは、ゲル化に糖を必要とするので、(トロンビン構成成分中のマンニトール濃度は、ゲル物質を形成させるには不十分であった)、形成された溶液は液体状で、ゲル状ではなかった。形成された溶液は、粘性があり、一部のみが均質であったことが観察された。
得られた混合物5mLを凍結乾燥用ガラスカップ(高さ25mm、直径25mm)に入れ、表2に記載されている凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。この各種の乾燥パッドにおける最終ペクチン密度は、0.66%、1.33%、2.66%、4%、4.66%、5.33%(w/v)(6.6〜53.3mg/cm)であり、トロンビン密度は333IU/cmであり、カルシウム密度は1.48mg/cmであった。乾燥パッドの高さは9〜10mmの範囲、直径は25mmであった。
凍結乾燥手順の後、止血効果と、脆さ、発泡性、粘着性、及び剛性(実施例1におけるような上記のランク付けを使用)という特徴とを評価するまでは、パッドを閉ざされた区画に、乾燥剤とともに、室温(20〜25℃)で保管した(Sorb−It、#4243、ドイツ、ミュンヘンのSud−Chemie)。これらのパッドでは、目視検査は、乾燥パッドにおいてのみ行った。
また、LMペクチンパッドについて記載したように、各乾燥パッドの密度を数学的に計算した(ゲル物質体積は5mLであった)。
密度と各検査パラメーターの値は、下記の表7に示されている。
Figure 2016539694
結果から、パッド内のHMペクチン密度が、上記の試験特徴に対して影響を及ぼさなかった(全てのパッドにおいて、同じランク付けがなされた)ことが示されている。
これらのパッドが不均質で、固体結晶を含んでいた(目視観察)ことも示された。
これらの結果から、HMペクチンを含むとともに、上記の条件下で作製したパッドは、吸収品質が悪くなり、操作が容易でなく、生体器官の形状に適合せず、標的組織に効率的には付着しないので、出血を止めるには効率的でないことが暗示されている。
実施例3:HM及びLMペクチン−トロンビンパッドの急性腎出血ラットモデルにおけるインビボでの止血効果
下記の実施例は、重度出血モデルにおいて、実施例1及び2に従って作製したトロンビン−ペクチンパッドの止血効果を測定するのを目的としていた。評価は、上記のインビボ急性腎出血ラットモデルを用いて行った。
LMペクチン密度が1%、3%、5%、7%、及び10%(w/v)の乾燥パッドを試験し、HMペクチン密度が0.66%、1.33%、2.66%、及び4.66%(w/v)のパッドを試験した。
LMペクチンパッドにおけるカルシウム密度は7.5mg/cm、トロンビン密度は340IU/cmであった。
HMペクチンパッドにおけるカルシウム密度は1.48mg/cm、トロンビン密度は333IU/cmであった。
この実験では、3%(w/v)のLMペクチンと、7.5mg/cmのカルシウムとを含むパッド(トロンビンは含まない)であって、実施例1で詳述したようにして作製したパッドの性能を試験した。
止血面で効率的なパッドは、失血を約0.3g(4gr)以下にするパッドとした。
各種のペクチンパッドを用いたときの失血の結果及び平均値は、下記の表8(LMペクチンを含むパッド)及び表9(HMペクチンを含むパッド)に示されている。
Figure 2016539694
Figure 2016539694
結果から、1%及び3%(w/v)のLMペクチン(種類1及び2の両方)を含むパッドの失血の平均は、0.3g(4gr)未満と、許容可能であったことが示されている(表8を参照)。
また、結果から、3%(w/v)のLMペクチンを含むとともに、トロンビンを含まないパッドの失血は多く、許容不能であったことも示されている(表8を参照)。
許容可能な失血効果を示したHMペクチンパッドはなく、いずれも、失血が多く、許容不能であった(表9を参照)。
これらの結果から、重度出血を効果的に止めることのできるパッドを得るには、ペクチンパッドは、有益には、トロンビンと、1%(w/v)以上〜5%(w/v)未満のLMペクチンとを含むべきであることが示されている。
実施例4:LMペクチン−トロンビンパッドの脾出血ブタモデルにおけるインビボでの止血効果
上記の実施例から、トロンビンと、1及び3%(w/v)の密度のLMペクチンとを含むパッドが、重度出血を効果的に止めたことが示された。以下の例は、各種のトロンビン−LMペクチンパッドが、軽度から中度の出血を止める効果を評価するのを目的とした。
この例では、脾出血ブタモデルを上記のように使用した。上で示したように、各試験において、止血までの時間(最長5分)を記録した。成功とされる許容可能な基準は、300秒以内の止血時間である。
試験パッドは、1〜5%(w/v)の範囲の密度のペクチンと、340及び680IU/cmの密度のトロンビンと、4.5及び7.5mg/cmの密度のカルシウムとを含んでいた。
パッドは、以下のようにして作製した。
0.3g(5gr)のLMペクチン粉末(上記の種類1)を40mLのDDWに溶解することによって、10%(w/v)ペクチン溶液を調製した。ペクチン粉末をDDWに少しずつ加え、40℃〜70℃の温度で、1300RPMで、3〜6時間攪拌しながら溶解工程を行った。溶解後、得られた溶液のpHは5.0であったので、0.5MのNaOH約2mLで滴定を行って、pHを約7.0にした。次の工程で、DDWを溶液に加え、最終体積を50mLにした。安定化のために、ペクチンストック溶液を4℃で一晩(14〜18時間)保管した。
続いて、40mMのCaClを含むトロンビン溶液を2.7MのCaCl25μLと混合した(トロンビン溶液内における最終カルシウム濃度は27mMであった)。続いて、トロンビン−カルシウム溶液をDDWと混合した(各パッドにおけるトロンビン溶液とDDWの体積は、下記の表10を参照)。
続いて、上記の溶液をペクチンストック溶液と混合して、ペクチン−トロンビンゲルを形成した(各パッドにおける10%w/vのペクチンストック溶液の体積は、下記の表10を参照)。混合は、実施例1に記載されているように、室温で行った。
Figure 2016539694
2個のシリンジ内で混合した後、その溶液(約5mL)を凍結乾燥用カップ(上記の寸法を参照)に移し、凍結乾燥機に入れ、表2に記載されているサイクルに従って凍結乾燥した。
最終のペクチン、トロンビン、及びカルシウムの密度は、表11に列挙されている。乾燥パッドの寸法は、高さが8〜12mmの範囲、直径が25mmであった。
Figure 2016539694
ポジティブコントロールとして、SURGIFOAM(登録商標)Absorbable Gelatin Spongeをトロンビンとともに用いた(下記のように作製)。SURGIFOAM(登録商標)スポンジは、出血面に当てることによって止血するための無菌の水不溶性かつ順応性のブタゼラチン吸収性スポンジである。このスポンジの外観は灰白色であり、多孔性である。この実験では、使用前に、SURGIFOAM(登録商標)(高さ10mm)を20×30mmのサイズに切断し、2mLのトロンビン溶液(フィブリンシーラントEVICEL(登録商標)におけるようなトロンビ構成成分を、トロンビン構成成分1mLに対して生理食塩水4mLとなるように希釈したもの)で飽和させた。この飽和スポンジを当てる前に、グローブをはめた指の間でスポンジを絞って気泡をなくし、上記のモデルにおいて詳述されている手順に従って当てた。
各種のペクチンパッド及びコントロール処置材(トロンビンを含むSURGIFOAM(登録商標))を用いたときに止血が得られるまでの平均時間は、下記の表12に示されている。上述のように、許容可能な止血時間は300秒以内である。
Figure 2016539694
結果から、このモデルにおいて、全ての試験パッドが出血を効果的に止めたこと、すなわち、止血時間が300秒以内であったことが示されている。
また、結果から、臨床現場において現在、標準的な手術手順材であるコントロール処置材(トロンビンを含むSURGIFOAM(登録商標))の結果と同様に、3%(w/v)のペクチンとともに、680IU/cmのトロンビンを含むパッドでも最適な結果が得られ、止血時間が30秒であったことも示されている。
これらの結果から、トロンビン密度を向上させることによって、ペクチンパッドの性能を増進できることが示されており、例えば、3%(w/v)のペクチンと340IU/cmのトロンビンとを含むパッドの性能と、3%(w/v)のペクチンと680IU/cmのトロンビンとを含むパッドの性能との比較を参照されたい。
〔実施の態様〕
(1) 1%(w/v)以上〜7%(w/v)未満の範囲の密度のペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンと、を含む乾燥パッドであって、前記ペクチンが低メトキシル(LM)ペクチンである、パッド。
(2) 前記ペクチン密度が1%(w/v)超〜7%(w/v)未満である、実施態様1に記載のパッド。
(3) 前記ペクチン密度が約1%(w/v)〜約5%(w/v)である、実施態様1に記載のパッド。
(4) 前記ペクチン密度が約1%(w/v)〜5%(w/v)未満である、実施態様1に記載のパッド。
(5) 前記ペクチン密度が約3%(w/v)〜5%(w/v)未満である、実施態様1〜4のいずれかに記載のパッド。
(6) 前記ペクチン密度が約3%(w/v)である、実施態様1〜5のいずれかに記載のパッド。
(7) 前記2価の陽イオンがカルシウムである、実施態様1〜6のいずれかに記載のパッド。
(8) 低メトキシル(LM)ペクチンと、トロンビンと、を含む乾燥パッドを作製する方法であって、
a.LMペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンとを用意する工程と、
b.前記ペクチンと、前記2価の陽イオンと、前記トロンビンとを混合して、均質なゲル形成を可能にする条件下で、ペクチンを1%(w/v)以上〜7%(w/v)未満の濃度にする工程と、
c.前記ゲルを乾燥させる工程と、を含む方法。
(9) 最初にトロンビンを前記2価の陽イオンと混合してから、ペクチンを加えることによって工程bを行う、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記2価の陽イオンがカルシウムである、実施態様9に記載の方法。
(11) 患者の創傷部出血を低減する方法であって、実施態様1〜7のいずれかに記載のパッドを前記創傷部に当てることによって、前記創傷部出血を低減することを含む、方法。

Claims (11)

  1. 1%(w/v)以上〜7%(w/v)未満の範囲の密度のペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンと、を含む乾燥パッドであって、前記ペクチンが低メトキシル(LM)ペクチンである、パッド。
  2. 前記ペクチン密度が1%(w/v)超〜7%(w/v)未満である、請求項1に記載のパッド。
  3. 前記ペクチン密度が約1%(w/v)〜約5%(w/v)である、請求項1に記載のパッド。
  4. 前記ペクチン密度が約1%(w/v)〜5%(w/v)未満である、請求項1に記載のパッド。
  5. 前記ペクチン密度が約3%(w/v)〜5%(w/v)未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパッド。
  6. 前記ペクチン密度が約3%(w/v)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパッド。
  7. 前記2価の陽イオンがカルシウムである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパッド。
  8. 低メトキシル(LM)ペクチンと、トロンビンと、を含む乾燥パッドを作製する方法であって、
    a.LMペクチンと、2価の陽イオンと、トロンビンとを用意する工程と、
    b.前記ペクチンと、前記2価の陽イオンと、前記トロンビンとを混合して、均質なゲル形成を可能にする条件下で、ペクチンを1%(w/v)以上〜7%(w/v)未満の濃度にする工程と、
    c.前記ゲルを乾燥させる工程と、を含む方法。
  9. 最初にトロンビンを前記2価の陽イオンと混合してから、ペクチンを加えることによって工程bを行う、請求項8に記載の方法。
  10. 前記2価の陽イオンがカルシウムである、請求項9に記載の方法。
  11. 患者の創傷部出血を低減する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパッドを前記創傷部に当てることによって、前記創傷部出血を低減することを含む、方法。
JP2016534192A 2013-11-26 2014-10-21 トロンビンとペクチンとを含む乾燥パッド Expired - Fee Related JP6461957B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361908877P 2013-11-26 2013-11-26
IL229645 2013-11-26
IL229645A IL229645A0 (en) 2013-11-26 2013-11-26 A dry bandage containing thrombin and pectin
US61/908,877 2013-11-26
PCT/IL2014/000055 WO2015079433A1 (en) 2013-11-26 2014-10-21 Dry pad comprising thrombin and pectin

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016539694A true JP2016539694A (ja) 2016-12-22
JP6461957B2 JP6461957B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=50436430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016534192A Expired - Fee Related JP6461957B2 (ja) 2013-11-26 2014-10-21 トロンビンとペクチンとを含む乾燥パッド

Country Status (9)

Country Link
US (1) US11484623B2 (ja)
EP (1) EP3074055B1 (ja)
JP (1) JP6461957B2 (ja)
CN (2) CN105764537A (ja)
AU (1) AU2014356002B2 (ja)
CA (1) CA2931481A1 (ja)
ES (1) ES2741015T3 (ja)
IL (2) IL229645A0 (ja)
WO (1) WO2015079433A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505414A (ja) * 2007-12-04 2011-02-24 アピトープ テクノロジー (ブリストル) リミテッド Fviiiペプチドおよび血友病を寛容化することにおけるその使用
JP2021503894A (ja) * 2017-11-21 2021-02-15 コーニング インコーポレイテッド 細胞培養のための溶解可能な発泡足場及びその製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10159720B2 (en) 2015-12-08 2018-12-25 Omrix Biopharmaceuticals Ltd Thrombin microcapsules, preparation and uses thereof
IL242984A0 (en) * 2015-12-08 2016-02-29 Omrix Biopharmaceuticals Ltd Thrombin microcapsules, their preparation and how to use them

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB708148A (en) * 1950-12-18 1954-04-28 Hoechst Ag Hemostatic preparations and process for the manufacture thereof
JP2000504772A (ja) * 1996-02-15 2000-04-18 ハーキュリーズ・インコーポレイテッド ペクチン繊維
JP2000510357A (ja) * 1996-04-04 2000-08-15 イムノ・アクチエンゲゼルシャフト コラーゲンを基にした止血スポンジ
JP2003531682A (ja) * 2000-04-28 2003-10-28 フジオメッド インコーポレイテッド ポリ酸及びポリアルキレンオキシドの止血性組成物、並びにその使用方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4265233A (en) 1978-04-12 1981-05-05 Unitika Ltd. Material for wound healing
US4292972A (en) 1980-07-09 1981-10-06 E. R. Squibb & Sons, Inc. Lyophilized hydrocolloio foam
US4813942A (en) * 1987-03-17 1989-03-21 Bioderm, Inc. Three step wound treatment method and dressing therefor
US6290565B1 (en) 1999-07-21 2001-09-18 Nearlife, Inc. Interactive game apparatus with game play controlled by user-modifiable toy
DE10393059D2 (de) * 2002-05-09 2005-05-04 Hemoteq Gmbh Verbindungen und Verfahren zur hemokompatiblen Beschichtung von Oberflächen
US20040101546A1 (en) * 2002-11-26 2004-05-27 Gorman Anne Jessica Hemostatic wound dressing containing aldehyde-modified polysaccharide and hemostatic agents
GB2393120A (en) * 2002-09-18 2004-03-24 Johnson & Johnson Medical Ltd Compositions for wound treatment
US7019191B2 (en) 2003-03-25 2006-03-28 Ethicon, Inc. Hemostatic wound dressings and methods of making same
US7210999B2 (en) 2003-04-09 2007-05-01 Ken Forsse Interactive binder and platform system
ATE459379T1 (de) * 2003-09-08 2010-03-15 Fmc Biopolymer As Gel-schaum auf biopolymer-basis
ES2530989T3 (es) 2004-10-20 2015-03-09 Ethicon Inc Hemostático absorbible
DE102007011606A1 (de) * 2007-03-02 2008-09-04 Carl Freudenberg Kg Faser-Wirrgelege
CN101970021B (zh) * 2008-03-03 2015-01-28 奥姆里克斯生物药品有限公司 包含活性成分的明胶海绵、其制备及用途
NZ600812A (en) * 2010-01-08 2014-08-29 Profibrix Bv Dry powder fibrin sealant
US20120282320A1 (en) * 2011-05-05 2012-11-08 George H. Scherr Trust Hemostatic dressing
CN102526795A (zh) * 2012-02-15 2012-07-04 中国人民解放军广州军区武汉总医院 壳聚糖基止血海绵及其制备方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB708148A (en) * 1950-12-18 1954-04-28 Hoechst Ag Hemostatic preparations and process for the manufacture thereof
JP2000504772A (ja) * 1996-02-15 2000-04-18 ハーキュリーズ・インコーポレイテッド ペクチン繊維
JP2000510357A (ja) * 1996-04-04 2000-08-15 イムノ・アクチエンゲゼルシャフト コラーゲンを基にした止血スポンジ
JP2003531682A (ja) * 2000-04-28 2003-10-28 フジオメッド インコーポレイテッド ポリ酸及びポリアルキレンオキシドの止血性組成物、並びにその使用方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505414A (ja) * 2007-12-04 2011-02-24 アピトープ テクノロジー (ブリストル) リミテッド Fviiiペプチドおよび血友病を寛容化することにおけるその使用
JP2021503894A (ja) * 2017-11-21 2021-02-15 コーニング インコーポレイテッド 細胞培養のための溶解可能な発泡足場及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US11484623B2 (en) 2022-11-01
CA2931481A1 (en) 2015-06-04
CN105764537A (zh) 2016-07-13
ES2741015T3 (es) 2020-02-07
CN114306715A (zh) 2022-04-12
JP6461957B2 (ja) 2019-01-30
EP3074055B1 (en) 2019-06-19
AU2014356002B2 (en) 2017-07-13
IL245424A0 (en) 2016-06-30
US20150147312A1 (en) 2015-05-28
IL245424B (en) 2021-02-28
IL229645A0 (en) 2014-03-31
EP3074055A1 (en) 2016-10-05
AU2014356002A1 (en) 2016-05-19
WO2015079433A1 (en) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6235104B2 (ja) 止血組成物
CN101854960B (zh) 明胶-转谷氨酰胺酶止血敷料和密封材料
US8475812B2 (en) Gelatin sponge comprising an active ingredient, its preparation and use
CN101455857B (zh) 生物相容性变性淀粉海绵
JP5719355B2 (ja) 止血スポンジ
RU2646728C1 (ru) Гемостатическое биологически абсорбируемое устройство с полиэтиленгликолем в качестве связующего вещества
US20180036338A1 (en) Flowable hemostatic composition
JP6968870B2 (ja) 止血組成物及びその作製方法
TW200408415A (en) Hemostatic wound dressing containing aldehyde-modified polysaccharide and hemostatic agents
US20060134185A1 (en) Self-adhesive reabsorbable hemostyptic
JPWO2004064878A1 (ja) 止血用材料
JP6461957B2 (ja) トロンビンとペクチンとを含む乾燥パッド
US20130096082A1 (en) Hemostatic compositions
WO2012122044A2 (en) Flowable collagen-based hemostat and methods of use
JP2021513431A (ja) 止血組成物の製造方法
CN112300418A (zh) 一种可粘附高效止血微球及其制备方法
CN115605234A (zh) 止血糊剂及其用途
CN105126153A (zh) 一种含有凝血酶的复合止血膜及其制备方法
KR101865160B1 (ko) 조직 접착용 시트 제제
US11311643B2 (en) Fibrin and/or dialdehyde starch hydrolysate materials, and preparation and use thereof
KR102519771B1 (ko) 음이온 교환제 및 칼슘 염을 포함하는 지혈 조성물
CN106073992A (zh) 可吸收性复合伤口缓冲敷料
CN117771417A (zh) 一种含重组人凝血酶的生物可降解止血粉及其制备方法和用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6461957

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees