JP2016537254A - 車両用のガラスワイパ装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、車両用、特に自動車用のガラスワイパ装置(2;28,30;78)に関する。ガラスワイパ装置(2;28,30;78)は、細長い上部分(10)を有し、上部分(10)の少なくとも一部は可撓性に形成されている。ガラスワイパ装置(2;28,30;78)はさらに、少なくとも一部が可撓性である細長い下部分(12)を有する。さらに、前記上部分(10)と前記下部分(12)とを接続する複数の接続要素(18)も設けられており、当該接続要素(18)は、前記ガラスワイパ装置(2;28,30;78)の長手方向(8)において互いに離間されており、かつ、ジョイント(20;122)を用いて当該下部分(12)に固定されており、および/または弾性変形可能である。さらに、前記上部分(10)と前記下部分(12)と前記接続要素(18)と前記ジョイント(20;122)とから成る群から選択された少なくとも1つの要素に設けられたコーティング(50)も設けられている。本発明はさらに、上述のガラスワイパ装置(2;28,30;78)の製造方法にも関する。

Description

本発明は車両用のガラスワイパ装置に関し、さらに、特にワイパブレードに関し、かつ、かかるガラスワイパ装置の製造方法に関する。ここで、車両は特に自動車である。
従来技術
ガラスワイパ装置は典型的には、自動車のガラス等の表面にてワイパブレードを動かすワイパアームまたはワイパレバーを有する。かかるガラスワイパ装置では、上側反転位置と下側反転位置との間でワイパブレードを動かす。特に、曲率変化が大きいフロントガラス上では、ワイパブレードはガラスとの接触を失いやすい。このことにより、特に湾曲がきついガラスの場合には、ワイパブレードが払拭領域を捉えることができないか、又は曇りが形成され得る。
払拭動作を多くのパラメータに合わせて、たとえばガラス上の降雨量、ガラス上に雪荷重が生じる場合にはその雪荷重、車速、ひいてはこれに伴ってワイパアームにかかる風圧等に合わせて最適化しなければならないので、フロントガラスにかかるワイパアームの圧力を適宜調整することにより曇りの形成を確実に防止することは、簡単に行うことができない。よって、ガラスワイパ装置をさらに改善してほしいとの要請が存在する。
重要な点は、低温時にガラスワイパ装置が氷結し、および/またはフロントガラスに付着し、特に凍結して固着してしまうのを回避すべき、ということである。氷結はたとえば、温度が急激に低下した場合に生じ、特に、車両の運転中であっても生じ得る。このことは、セーフティ上大きなリスクをはらんでいる。
氷結はたとえば、ガラスの加熱によって解消することができる。しかしこのことは、エネルギーの観点において不利であり、また、着氷の問題を先送りしただけでもある。つまり、生成された熱により氷又は雪は溶けるが、水が形成され、かかる水は周囲温度が0℃を下回ると直ちに凍結して戻るという傾向にある。また、加熱電流が弱まると直ちに、再び凍結して固着するおそれが生じ、特に、上述のように水が生成されることにより凍結して固着するおそれが更に高まる。
ガラスワイパ装置の改善については、更に考慮しなければならない多数の境界条件が存在し、これは、機能的安全の改善の観点においてだけではない。かかる境界条件には、製造時のコスト要因又は製造コスト、材料コストが含まれ、また、ガラスワイパ装置の特性、特に多岐にわたる条件下での機能ならびに多数の条件下における長寿命性も含まれる。これについては、車両用のワイパ装置の場合、コストにかかる負担が常に増大し続けており、かつ車両は多くの気候条件において使用され得るので、たとえば極端な温度値が長期間および/または大きな変動を伴って生じることを考慮しなければならない。
発明の開示
本発明の課題は、特に氷点を下回る温度の場合でも、十分に曇りを無くして確実に車両のガラスを払拭することを保証できるガラスワイパ装置を実現することである。
前記課題は、請求項1記載の構成を有するガラスワイパ装置によって、又は、方法発明に係る独立請求項に記載の特徴を有する方法によって解決される。
本発明の1つの実施形態では、車両用のガラスワイパ装置、特に自動車用のガラスワイパ装置を開示する。ガラスワイパ装置は上部分を、特に細長い上部分を有し、この上部分の少なくとも一部は可撓性に形成されている。さらに、少なくとも一部が可撓性に形成された下部分、特に細長い下部分も設けられている。上部分と下部分とを接続する複数の接続要素が、ガラスワイパ装置の長手方向において互いに離間して設けられている。接続要素はジョイントを用いて、特に回転ジョイントを用いて下部分に取り付けられており、および/または弾性変形可能である。上部分、下部分、接続要素およびジョイントから成る群から選択された少なくとも1つの要素は、コーティングを備えている。
本発明の他の1つの実施形態は、車両用のガラスワイパ装置、特に自動車用のガラスワイパ装置に関するものであり、ガラスワイパ装置は上部分を、特に細長い上部分を有し、この上部分の少なくとも一部は可撓性に形成されており、さらに、少なくとも一部が可撓性に形成された下部分、特に細長い下部分も設けられている。上部分と下部分とを接続する複数の接続要素が、ガラスワイパ装置の長手方向に互いに離間して設けられている。接続要素はジョイントを用いて、特に回転ジョイントを用いて下部分に取り付けられており、および/または弾性変形可能である。ガラスワイパ装置は、当該ガラスワイパ装置の表面上における結氷を低減するように構成されたコーティングを有する。
他の1つの実施形態では、ガラスワイパ装置の製造方法を開示しており、特に、本願にて記載されているいずれかの実施形態のガラスワイパ装置の製造方法を開示している。当該製造方法は、少なくとも一部が可撓性である上部分と、少なくとも一部が可撓性である下部分と、ガラスワイパ装置の長手方向に互いに離間されている複数の接続要素とを具備する構造体を、特にラバー構造体を製造するステップを含み、当該接続要素はジョイントを用いて下部分に取り付けられており、および/または、弾性変形可能であり、当該製造方法はさらに、上部分、下部分、接続要素およびジョイントから成る群から選択された少なくとも1つの要素にコーティングを施すステップを含む。
従属請求項、図面および本願明細書から、本発明の有利な実施形態および具体的な側面が明らかである。
発明の利点
本発明およびその実施形態により、ガラスワイパ装置を氷、汚染、研磨性粒子または強い紫外線から保護できるという利点が奏される。強い紫外線は、特に一部のプラスチック材料の場合に問題となる。よって、ガラスワイパ装置の好適には弾性の特性の観点と、これに伴う(好適に使用可能な)プラスチック材料の観点とにおいて、UV保護は非常に好適である。まず第一に、コーティングはたとえば、結氷を低減するコーティングの目的を果たすことができるものであり、当該目的を果たすため、結氷が大きく発生する各要素に設けることができる。
これについては本発明は、たとえばワイパブレードにコーティングを施すのではなく、ガラスワイパ装置のフレキシブル部品にコーティングを施すのが有利であるとの認識に基づいている。ガラスワイパ装置上に氷層が形成されると、ガラスワイパ装置の弾性が低下してしまうからである。まさに、ジョイントを用いて下部分および/または上部分に取り付けられおよび/または弾性変形可能である接続要素を備えたガラスワイパ装置においてこそ、各部品又は各要素の弾性を維持することが有益である。よって、ガラスワイパ装置の表面上における結氷を低減する手段は、ガラスワイパ装置の可動性又は弾性を維持する手段であるともいえる。具体的には、本発明のコーティングにより、ガラスワイパ装置が低温の場合でも良好な結果を達成できる(すなわち、ガラスの曇りを無くせる)ことが保証される。
上述のコーティングのおかげで、低温の場合であっても、ガラスワイパ装置がガラスの湾曲に特に良好に密着することを保証することができる。このように湾曲に良好に密着することにより、ガラスを特に良好かつ正確に払拭できることが保証される。ガラスの払拭されない領域と、ガラス上における曇り形成とを、大幅に回避することができる。コーティングされた本発明のガラスワイパ装置の構造的構成により、ガラスにおいて生じる曲率変化にガラスワイパ装置を正確に合わせることができるという利点が奏される。ガラスの曲率がきつく、曲率変化が大きい場合でも、ガラスワイパ装置にかかる接触圧、特にガラスワイパ装置の下部分にかかる接触圧を十分に均一にすることができる。従来のガラスワイパ装置に比して、本発明のコーティングされたガラスワイパ装置では、上部分および/または下部分を払拭対象のガラスの湾曲に予め合わせて調整する必要、又は、結氷を回避するためにガラス又はガラスワイパ装置を加熱する必要がなくなるという利点が奏される。本発明のガラスワイパ装置では、氷点を下回る温度の場合にも、迅速かつ難なく、大幅に自動的に、ガラスの湾曲に合わせることができる。よって、1つの同じガラスワイパ装置を、使用場所に十分に依存せずに多数の車両に使用することができ、具体的にはたとえば、カナダまたはスカンジナビアまたはシベリアの市場用の車両にも使用することができる。
好適にはコーティングは、接続要素と下部分との間においてねじり運動を阻害しないように、またはかかるねじり運動の阻害を認識できない程度となるように設けられる。このことにより、コーティングを施しても下部分の高いフレキシビリティおよび密着性能が保証される。その際には一実施形態では、他のジョイントを用いて上部分にも同様に接続要素を固定することができる。このことにより、払拭対象のガラスへのガラスワイパ装置の密着性能がさらに改善されることが保証され、特に、ガラスへの押付圧を高くし、ひいては、洗浄作用および払拭作用を特に良好にすることができる。特に好適には、ガラスワイパ装置は、接続要素と上部分との間においても同様にねじり運動が可能となるように構成されている。好適には、ジョイントはヒンジである。本発明のコーティングが施されたガラスワイパ装置は、特に、上部分および下部分が梁状となるように構成されている。また好適には、上部分および下部分の少なくとも一部を曲げ弾性とすることもできる。本発明の一実施形態では、上部分と下部分とは相対的に変位可能である。他の1つの実施形態では、上部分は下部分に対向するように配置される。接続要素は、上部分および下部分の互いに対向する内側面に固定されている。特に有利には、接続要素を曲げに対し剛性をもつように構成される。
上部分と下部分とが「フィンレイ」原理に従って互いに相対運動できるように、接続要素を弾性とし、又は弾性変形可能とすることができる。接続要素を弾性とすることにより、ジョイントを用いて接続要素を上部分又は下部分に固定することを不要とすることができる。
本発明の1つの実施形態では、コーティングがガラスワイパ装置の表面上における結氷を低減するための特殊な構成となっている。コーティングは特に、防氷コーティングとすることができる。かかるコーティングにより、ガラスワイパ装置の機能安全性を改善することができる。確かに、必ずしも特殊な防氷コーティングとして構成されていないコーティングを用いても、結氷の傾向を低減することができるが、防氷コーティングは結氷を特に効果的に低減することができ、またはほぼ回避することもできる。
防氷コーティングはたとえば、少なくとも下部分に設けられたときに、特に効果を発揮する。その理由の1つは、下部分は車両ガラス付近に位置しており、車両ガラスは低温物質又は低温材料として表面上に水分形成を促進するからであり、もう1つの理由は、下部分は、ガラスワイパ装置によって払拭される水とも、強く接触するからである。
コーティングはたとえば、少なくともジョイントに(も)設けることができる。これにより、特に強い相対運動が生じる領域又は生じる可能性がある領域においてガラスワイパ装置の表面上に氷が形成されることがないこと、又は結氷が低減することを、保証することができる。ジョイントに(も)被着されたコーティングにより、ガラスワイパ装置がフレキシブルのままであることを特に効果的に保証することができる。
好適には、コーティングは少なくとも下部分にのみ設けられ、または下部分とジョイントとに設けられ、これに代えて、接続要素および/または上部分にも設けられる。かかる構成により、ガラスワイパ装置が凍結によりガラスに固着する確率を低減することができる。接続要素および/または上部分にコーティングを設けると、さらに、特に低温時にもガラスワイパ装置の可動性を維持するという点において改善を達成することもできる。これらの個別の部品間に氷が形成された場合であっても、この氷が当該部品に付着することなく、当該部品の相互間の相対位置が「凍結」することがなくなる。むしろ、部品は互いに相対運動可能に維持される。
他の1つの実施形態では、コーティングは少なくとも部分的に、ナノテクスチャ加工表面を有する。具体的にはコーティングは、結氷を十分に防止する材料から成ることができ、さらに、汚染のリスクも低減しおよび/または氷結のリスクをさらに低減できるナノテクスチャを有する表面も有することができる。かかる構成により、氷膜の形成又は汚れまたは他の不純物の付着を十分に回避することができ、これにより、ガラスワイパ装置が非常に高汚染の環境中にて、または特に低温で用いられる場合でも、コーティングの機能が保証される。
他の1つの実施形態では、コーティングの表面エネルギーは30mJ/m未満であり、好適には25mJ/m未満であり、特に好適には20mJ/m未満である。
他の1つの実施形態では、コーティングの層厚は0.02mmから1.0mmまでであり、特に0.05mmから0.2mmまでである。
他の1つの実施形態では、コーティングの少なくとも一部は、ガラスワイパ装置の表面上に被着された膜によって、特に自己接着性ポリウレタン膜によって構成されている。かかる構成により、より大きな平坦面上にて、比較的狭い許容誤差範囲内に規定された層厚のコーティングを簡単に設けることができる。また、ガラスワイパ装置の材料を阻害する可能性のある手法に、たとえば表面のナノテクスチャ加工手法に、ガラスワイパ装置全体をさらす必要なく、コーティングに特定の表面特性を付与することもできる。
1つの変形例では、上部分と下部分とは、特にガラスワイパ装置の端部領域において、外側接続位置にて互いに固定的に接続されている。この外側接続位置は、特に、外側からガラスワイパ装置の長手方向において内側に向かう方向で見て、接続要素より前方に設けられている。かかる構成により、ガラスワイパ装置の特に良好な安定性を保証できるという利点が奏される。さらに、ガラス湾曲に密着する性能とフレキシビリティとを特に高くすることができ、ガラスにかかる下部分の押付圧が均一になる。1つの有利な実施形態では、上部分と下部分とが楔形を成すように、上部分と下部分とを外側接続位置において互いに接続することができる。上部分と下部分とは、とりわけその端部において互いに接続されている。他の実施形態では、1つまたは複数の第1の接続要素と、1つまたは複数の第2の接続要素とを、以下のように設けることができる。第2の接続要素に対する第1の接続要素の配置は、当該第1の接続要素が第2の接続部分に対して相対的に、上部分と下部分との接続位置の方向に配置されるように、すなわち、上述の楔形の先端の方向又は外側に配置されるようにされる。ここで、第1の接続要素は第2の接続要素より短い。たとえば、接続要素のうち少なくとも70%または少なくとも50%の接続要素が、外側に向かう方向に、すなわち上部分と下部分との接続位置の方向に短くなっていくようにすることができる。
他の変形例では、下部分は無荷重状態では凸形である。すなわち、中間部分が上部分から離反していく方向に突出する湾曲を有する。当該他の変形例は、他の変形例又は実施形態と組み合わせることが可能である。ここで記載されている実施形態のガラスワイパ装置は典型的には、ガラスと接触すると、下部分は上述の凸形状から、ガラスに対応した凹形状をとり、ガラスに密着することができる。
ある変形例では、各接続要素の長手軸線は下部分との間に、65°から115°までの間の角度、特に75°から105°までの角度を成して延在する。かかる変形例により、下部分にかかる力が上部分に特に良好に伝わることを保証できるという利点が奏される。典型的には、上述の各角度は、長手方向において変えることができる。
ある変形例では、各2つの隣接する接続要素間の距離は50mm未満であり、特に30mm未満である。かかる変形例により、ガラスワイパ装置の特に高いフレキシビリティ、とりわけ下部分の特に高いフレキシビリティが保証され、かつ、払拭対象のガラスの曲率および曲率変化に良好に適合することが保証される。
他の1つの有利な変形例では、可撓性のガラスワイパリップが、下部分の、上部分とは反対側の面に取り付けられる。かかる変形例により、ガラスワイパ装置の機能性が特に高くなるという利点が奏される。
他の1つの変形例では、上部分と下部分との間にスペースが設けられており、このスペース内に、当該スペースに侵入する空気流に影響を及ぼすためのスポイラが配置されている。かかる構成により、ガラスの正確な払拭をさらに改善できるという利点が奏される。たとえばスポイラは、まさに車両の速度が高速である場合に風の押上力を相殺するように構成することができる。そうしないと、この風押上力は、ガラスにかかるガラスワイパ装置の押付圧を低減してしまうからである。さらに、風の押上げを利用してガラスワイパ装置を下方向に向かってガラスの方向に押しつけるように、スポイラを構成することもできる。ガラスワイパ装置の押付圧は増大し、ガラスワイパ装置がガラスの湾曲に特に正確に密着することが保証される。
他の1つの変形例では、下部分の少なくとも可撓性の一部が、0.005kN/mmから0.5kN/mmまでの間の範囲内、特に0.01kN/mmから0.1kN/mmまでの範囲内である弾性率を有する材料を用いて形成されている。このことにより、下部分を特に高い曲げ性能かつフレキシブルにすることができる。
他の1つの変形例では、本発明のコーティングが施されたガラスワイパ装置は、いわゆる鰭条(フィンレイ)原理に従った構成となるようにされている。この鰭条原理は、特定の魚のひれの構造から導出されたものである。この鰭条原理により、ガラスワイパ装置の下部分にかかる加圧力が生じたとき、この下部分と、好適にはガラスワイパ装置の上部分も、当該加圧力の方向に反ることなく、その逆方向に、すなわち加圧力が来た方向に湾曲する。
他の複数の実施形態では、上部分および下部分はジョイントを用いて、又は別のジョイントを用いて、接続要素に接続されている。上部分および下部分に設けられたジョイントにより、フィンレイ原理に従った動きが可能となり、これにより、ガラスワイパ装置又はワイパリップがガラスに特に良好に密着することができる。
1つの変形例では、上述のジョイントおよび/または上部分との別のジョイントは、第1のジョイント部分および第2のジョイント部分を有することができる。たとえば、第1のジョイント部分を円柱形または球形とし、第2のジョイント部分は当該第1のジョイント部分を収容するためのアンダーカットを有することができる。かかるジョイントのツーピース構成により、たとえばクリープ挙動等のジョイント特性に有利な影響を及ぼす数多くの手段が得られる。温度変動が大きい場合および/または周囲温度が長期間にわたって高い場合でも、高信頼性又は長寿命のジョイント特性を実現できるように、材料を選定することができる。
他の1つの実施形態では、ジョイントはフィルムヒンジとすることができる。たとえば、フィルムヒンジを接続要素および/または下部分と一体に形成することができる。とりわけ、接続要素と上部分と下部分とジョイントとを一体に形成することができる。ジョイントをフィルムヒンジとする構成により、製造を簡単かつ低コストにすることができる。適切な構成にすると、ワイパブレード又はガラスワイパ装置を工具加工により形成すること、または、その広い範囲を工具加工により形成することができる。
「フィルムヒンジ」とは好適には、単独部品として構成されたジョイントであって、材料厚さ又は肉厚を部分的に薄くすることにより可動性(特に少なくとも1つの自由度)を実現したジョイントを指す。かかる場合、ジョイントの可動性は、使用される材料の弾性および/または材料厚さ又は肉厚を介して調整することができる。
ある変形例では、フィルムヒンジの厚さを0.1mmから0.8mmまでとすることができ、特に0.2mmから0.4mmまでとすることができる。フィルムヒンジのかかる厚さにより、曲げ剛性を所定の値以下とすることができ、その上、ワイパブレードの適切な特性で、たとえばジョイントの十分な耐クリープ性で、射出成形法での製造を行うことができる。
他の1つの実施形態では、フィルムヒンジは、POM、PAおよびTPEから成る群に属する材料製とすることができる。このようなフィルムヒンジの材料選定により、特に当該ヒンジの上述の厚さと相俟って、曲げ剛性を所定の値以下とすることができ、その上、ワイパブレードの適切な特性で、たとえばジョイントの十分な耐クリープ性で、射出成形法での製造を行うことができる。
ある変形例では、第1のジョイント部分と第2のジョイント部分とを互いに挟み込みによって装着することができ、または、第1のジョイント部分と第2のジョイント部分とを2材料射出成形法によって作製することができる。挟み込みにより装着されたジョイントにより、たとえば曲げ剛性および/またはクリープ挙動等のジョイント特性に有利な影響を及ぼす数多くの手段が得られる。温度変動が大きい場合および/または周囲温度が長期間にわたって高い場合でも、高信頼性又は長寿命のジョイント特性を実現できるように、材料を選定することができる。さらに、比較的複雑な使用分野にも対応した高信頼性のワイパ装置を実現することもできる。2材料射出成形法によっても、比較的複雑な使用分野に対応したジョイント態様を実現することができる。しかし、工具加工されたツーピース構成のジョイントを有するワークによる製造の利点は、2材料射出成形された球形ジョイント又は円柱形ジョイントを製造するための材料の選定にかかる制限を、解消できることである。
ある変形例では、ガラスワイパ装置はさらに、下部分に設けられたワイパリップも有することができる。このワイパリップとジョイントとは、少なくとも部分的に同一材料を含むようにされたものである。かかる構成により、双方とも材料選定に厳しい要求(弾性、曲げ剛性、耐クリープ性)が課されるジョイントおよびワイパリップのために、高価な材料を使用することができる。しかし、ワイパ装置の他の部品の作製には他の材料も用いられるので、製造コストは依然として抑えられる。さらに、ガラスワイパ装置を2材料法で製造することもできる。
ある実施態様では、接続要素は弾性変形可能であり、3000MPa以下の弾性率を、特に2MPaから2000MPaまでの弾性率を、特に10MPaから500MPaまでの弾性率を有する。かかる接続要素により、ガラスワイパ装置がコーティングされていても、良好な弾性を有するガラスワイパ装置を実現することができる。
他の1つの実施形態では、上部分と下部分と接続要素とは一体に形成されている。上部分と下部分と接続要素とは、開口を有するラバー構造体によって一体に形成することができる。このことにより、各個別部品間に、特に各ジョイント部分間に相対運動が生じるのを回避することができる。その境界面が相対運動を生じると、非常に低い温度でかかる境界面が凍結する可能性があり、しばしば、境界面から氷を除去するのが面倒になることが多いという欠点が生じる。一体構成とすると、コーティングをガラスワイパ装置全体の表面に設けることができるという利点が奏される。上述のラバー構造体はたとえば、EPDMまたはTPEから成る群から選択された材料から作製することができる。
上掲の課題は、既に述べたように、方法発明に係る独立請求項に記載の特徴を有する方法によっても解決される。
本発明の方法のある実施形態では、構造体のコーティングをプラズマ処理によって行い、および/または、当該コーティングは、構造体の表面に膜を接着することを含む。換言すると「コーティング」とは、膜を被着すること、特に接着することを指すことができる。コーティングの上述の変形例は双方とも、たとえば、ガラスワイパ装置の各部品又は各部分にどの程度接近しやすいかに依存して使用することができる。好適なのは、ジョイントにプラズマ処理によってコーティングを施すことである。その理由は特に、ジョイントは典型的には大きな平坦面を有さず、どちらかというとジョイントには接近しにくいこと、および、ジョイントは比較的大きく動くことである。プラズマコーティングは、表面から剥離することなく、上述の動きに特に良好に耐え得ることが判明した。動き又は相対運動が比較的小さい領域も、膜を用いたコーティングに非常に適している。
本方法の1つの実施形態では、構造体を作製することは、ラバー構造体の射出成形を含む。かかる射出成形により、構造体全体を比較的簡単に作製することができる。
図面に本発明の実施例を示しており、以下、これらの実施例を詳細に説明する。
本発明のある実施例の、ワイパブレードの形態のコーティングされたガラスワイパ装置の概略図と、コーティングされていない状態のワイパブレードの1つの接続要素の細部図(左側の細部図)と、本発明のコーティングが施された状態のワイパブレードの1つの接続要素の細部図(右側の細部図)である。 下部分のみにコーティングが施された、本発明のある実施例のワイパブレードの形態のコーティングされたガラスワイパ装置の概略的な細部図である。 本発明によりコーティングを施すことが可能であり、しかもワイパブレードの形態である、ある実施例の基本状態のガラスワイパ装置の概略図である。 ガラスに密着した状態の、図2Aのワイパブレードの概略図である。 本発明によりコーティングを施すことが可能であり、しかもワイパブレードをワイパアームに組み付けた形態である、他のある実施例の基本状態のガラスワイパ装置の概略図である。 図3Aのワイパアームにワイパブレードを組み付けたものがガラスに密着した状態の概略図である。 図3Aのワイパブレードの一部の概略図である。 図3Bのワイパブレードの一部の概略図である。 本発明によりコーティングを施すことが可能であり、しかもスポイラが組み付けられた、他のある実施例のガラスワイパ装置の概略図である。 図5Aのガラスワイパ装置の断面を示す概略図である。 コーティングが施された、本発明のある実施例のワイパブレードの形態のガラスワイパ装置の一部を示す概略図である。 コーティングが施された本発明のある実施例のワイパブレードの形態のガラスワイパ装置のジョイントを示す概略図であり、当該ジョイントとしてフィルムヒンジが用いられる。 コーティングが施された又はコーティングを施すことができる本発明のある実施例のワイパブレードの形態のガラスワイパ装置のジョイントを示す概略図であり、当該1つのジョイントを構成するために第1のジョイント部分と第2のジョイント部分とが用いられる。 コーティングが施された本発明のある実施例のワイパブレードの形態のガラスワイパ装置のジョイントを示す概略図であり、当該1つのジョイントを構成するために、2材料射出成形法により製造された第1のジョイント部分と第2のジョイント部分とが用いられる。 本発明のガラスワイパ装置の製造の実施形態を図解するためのフローチャートである。
本発明の実施形態
以下、特記しない限り、同一要素および同機能の要素には同一の符号を使用する。
図1Aは、本発明のある実施例のガラスワイパ装置の概略図である。本実施例では、ガラスワイパ装置はワイパブレード2である。通常、ワイパブレード2はガラスワイパアームに取り付けられており、このガラスワイパアームは、払拭を行うためにモータによって駆動されるものである。ワイパブレード2は、細長い上部分10と、同様に細長い下部分12とを有する。
「上部分10」および「下部分12」は双方とも、機能の観点において「可撓性の梁」をいい、または、図1Aの実施例のようにそれぞれ一部品として形成された可撓性の梁とすることもできる。これにより、特に安定的な構造を達成することができる。上部分10および下部分12は、互いに対向するように配置されている。上部分10と下部分12とは、接続要素18によって互いに接続されている。接続要素18はジョイント20を用いて、上部分10および下部分12の互いに対向する長辺内側面に固定されている。ジョイント20はここでは、それぞれ一種のヒンジとして形成されている。とりわけ、ジョイント20はフィルムヒンジとすることができる。このことが特に有利であるのは、上部分10、下部分12および/または接続要素18がプラスチック材料から作製されている場合、または、適切なプラスチック材料によって被覆されている場合である。
接続要素18はワイパブレード2の長手方向において互いに離間されている。各2つの隣接する接続要素18間の距離は、少なくとも近似的に等しい。しかし、各距離を異なって選択することもできる。上部分10と下部分12との間の距離は特に、接続要素18の長さによって決定される。ジョイントを使用する場合、接続要素18を曲げ剛性に形成することができる。
ワイパブレード2はコーティング50を有する。コーティング50は好適には、ワイパブレード20の氷結を低減するように構成されたものである。コーティング50は特に、防氷コーティングとすることができる。好適には、コーティング50はナノテクスチャ加工されたコーティングである。好適には、コーティング50の表面エネルギーは30mJ/m未満であり、特に20mJ/m未満である。
コーティング50はたとえば、プラズマ処理により成膜されたコーティングとすることができる。また、コーティング50を接着フィルムの形態とすることもでき、たとえば、自己接着ポリウレタンフィルムの形態とすることもできる。この自己接着ポリウレタンフィルムは、好適にはプラズマ処理により形成されたものである。また、コーティング50の一部を、プラズマ処理により成膜されたコーティングによって構成し、一部をフィルムによって構成することも可能である。好適には、上述のフィルムは少なくとも、ワイパブレード2の十分に平坦な面に、具体的にはたとえば上部分20の上面および/または下部分12の下面に設けられ、または、接続要素18の側面にも設けられる。
好適には、コーティング50はワイパブレード2全体を、つまり上部分10と下部分12と接続要素18とジョイント20とを覆う。換言すると、コーティング50をワイパブレード2の表面全部に設けるのが有利である、ということである。
ジョイント20はコーティング50によってブロックされず、逆に、コーティング50は特に、フィルムヒンジとして設けられたジョイント20の可動性を保証するものである。これによって冬期でも、低温時や氷結のおそれがある場合にジョイント20又はフィルムヒンジを可動に維持することができる。
ワイパブレード2はたとえば、リアガラスを払拭するように設けられるワイパブレードとすることができる。ワイパブレード2をフロントガラス用とすることも、同様に可能である。しかし、リアガラス用に使用するのが有利であると考えられる。その理由は特に、リアガラスワイパが使用される頻度は少なく、リアガラスワイパの方が着氷しやすい傾向にあるからである。
図1Bはワイパブレード2の細部図であり、このワイパブレード2の下部分12にのみコーティングが施されている。これに代えて、コーティング50を、直接被着された層または膜とすることもできる。膜は、下面12に比較的に簡単に設けることができる。というのも、下面12は十分に平坦に形成されており、また、少なくともワイパリップ80を下面12に取り付ける前は、下面12に接近しやすいからである。
図2Aは、ある実施例のガラスワイパ装置の概略図である。本実施例では、ガラスワイパ装置はワイパブレード2である。このワイパブレード2は車両のガラス4を払拭するためのものであり、この車両はたとえば自動車であり、特に乗用車である。通常、ワイパブレード2は、払拭を行うためにモータによって駆動されるガラスワイパアームに取り付けられている。こうするために、ワイパブレード2はホルダ6を備えており、このホルダ6でワイパブレード2をガラスワイパアームに固定することができる。図2Aではワイパブレード2は、少なくとも部分的にガラス4から浮いている基本状態となっている。ワイパブレード2は長手方向8を有し、細長い上部分10と、同様に細長い下部分12とを有する。上部分10および下部分12の長手方向は、実質的に、ワイパブレード2の長手方向8に相当する。
上部分10および下部分12は双方とも可撓性の梁であるか、または、図2Aの実施例のようにそれぞれ一部品として形成された可撓性の梁とすることもできる。これにより、特に安定的な構造を達成することができる。また、上部分10の一部のみおよび/または下部分12の一部のみを可撓性とすることも、同様に可能である。これに代えて、上部分8をツーピース形とすることも可能である。その際には、ツーピース構造の上部分8の2つの各部分の一端をホルダ6に固定する。多くの実施形態では、弾性率が0.005kN/mmから0.5kN/mmまでの間の範囲内、特に0.01kN/mmから0.1kN/mmまでの範囲内である材料を、上部分10および/または下部分12に使用する。当該実施形態は、ここで開示している他の実施形態と組み合わせることができる。これにより、上部分10および下部分12の適切な曲げ性能を達成することができる。このようにすると、上部分10および下部分12の適切な構成の断面とも相俟って、最適な曲げ剛性を達成することができる。上部分10および下部分12は、互いに対向するように配置されている。上部分10の両端はそれぞれ、外側の接続位置14および16において下部分12の各端部に固定的に接続されている。それ以外の場所では、上部分10と下部分12とは互いに離間されている。
接続要素18はジョイントを用いて、特に回転ジョイント20を用いて、上部分10および下部分12の互いに対向する長辺内側面に固定されている。ジョイント20はここではヒンジである。とりわけ、ジョイント20はフィルムヒンジとすることができる。このことが特に有利であるのは、上部分10、下部分12および/または接続要素18がプラスチック材料から作製されている場合、または、適切なプラスチック材料によって被覆されている場合である。
本願にて記載されている典型的な実施形態では、ジョイントは、以下のものから成る群から選択されたものである:
ヒンジ
フィルムヒンジ
ねじれ軸に沿った剛性をより小さくするための材料のテーパ部
回転軸を有するジョイント
上部分を接続要素に接続するための、または、下部分を接続要素に接続するための手段であって、当該下部分を上部分に対して長手方向において変位させることができる手段、等。
かかる実施形態は、本願にて記載されている他の実施形態と組み合わせることができる。
接続要素18はワイパブレード2の長手方向において互いに離間されている。その間隔は好適には50mm未満であり、特に30mm未満である。本実施例では、各2つの接続要素18間の間隔を代表して間隔22を示している。特にワイパブレード2が基本状態になっているときに、接続要素18の各長手軸線が下部分12との間に、55°から125°までの間、特に75°から105°までの間の角度26を成して延在するように、接続要素18は下部分12に固定される。特に有利なのは、上記角度が長手方向8において変化することである。本実施例では、接続要素18を上部分10に固定する場合についても、上述のことが同様に当てはまる。図2Aには、接続要素18の長手軸線については一例として長手軸線24を示しており、各接続要素18と下部分12との間の各角度については一例として角度26を示している。上部分10と下部分12との間の距離は特に、接続要素18の長さによって決定される。接続要素18の各長さ、又は、上部分と下部分との距離は、両外側接続位置14,16から、たとえば上部分10に取り付けられたホルダ6の起点となる場所まで増大していく。かかる構成により、図2Aに示されたワイパブレード2の側面図を見ると、上部分10と下部分12とは、2つの楔の先端がそれぞれ反対方向を指している2重楔を成す。接続要素は曲げ剛性となるように形成することができる。
図2Aに示されたワイパブレード2には、上部分10と、下部分12と、接続要素18と、ジョイント20とから成る群から選択された少なくとも1つの要素にコーティング(図示されていない)を施すことができる。
図2Bは、ガラス4に密着した状態の、図2Aのワイパブレード2の概略図である。ガラス4は湾曲を有しているので、ワイパブレード2がガラス4に当接すると下部分12に接触加圧力がかかる。上部分10および下部分12は可撓性の梁であり、接続要素12は上部分10および下部分12に回転可能に取り付けられているので、上部分10と下部分12とは相対的に変位可能となっている。下方から下部分12にかかる加圧力により、ワイパブレード2は、当該加圧力が来た方向に曲がり、ガラス4の湾曲にぴったり密着する。
本願にて記載されている実施形態の構成により、下部分に(ガラス4によって)力が作用した場合、当該力が来た方向に当該下部分が曲がる。このことは、上部分10と下部分12とを接続位置14および/または16において接続することと、形状と、接続要素と上部分又は下部分との接続部に設けられたジョイントとによって実現される。
図2Bでは、ワイパブレード2とガラス4との間に小さい間隔が存在しているのが示されているが、この間隔はガラス4とワイパブレード2とを明確に示すためだけのものであり、実際には、ワイパブレード2がガラス4に当接すると、この間隔の大部分が無くなることとなる。さらに大抵のワイパブレードの場合、下部分12の、上部分10とは反対側の下面に、払拭のためにガラス4上に載せられるラバーリップが設けられている。概観しやすくするため、このラバーリップは図示されていない。
上述の構成のガラスワイパ装置、たとえばガラスワイパアーム、またはガラスワイパブレードを備えたガラスワイパアームは、自動車のガラスへの密着を改善できるという利点を奏する。従来のガラスワイパブレードでは、その上部分は通常剛性となっている。すなわち、上部分は可撓性になっていない。
ここで記載された実施形態のガラスワイパ装置は、特定の魚の尾びれの作用を利用したものであり、かかる魚の尾びれは、側方にて加圧されると加圧方向に反れずにその逆方向に湾曲する。すなわち、圧力が来た方向に湾曲する。この原理は「鰭条原理」または「フィンレイ」原理とも称される。
図2Aおよび2Bに示されているワイパブレード2の長手方向8は、実質的に、接続位置14と16との間に延在している。この構成は、フロントガラスワイパに使用されることが多い。しかし上述の構成に代えて、ガラスワイパ装置が有する接続位置を1つのみとすることも可能である。このことは、図2Aおよび2Bに相当するガラスワイパ装置を半分にしたものに相当し、たとえば、ホルダ6の位置に回転軸が設けられる。かかる構成は、リアガラスワイパに使用されることが多い。このことの一例を、特に図3Aおよび3Bに示している。各個別の実施形態にて記載されているようなオプションの構成および詳細は、一般的に両変形例のガラスワイパ装置の配置構成に用いることができる。
図3Aは、他の実施例の、基本状態にあるガラスワイパ装置の概略図である。同図ではガラスワイパ装置は、ワイパアームにワイパブレード28を組み付けたものであり、このワイパブレード28は固定部品30に取り付けられている。固定部品30はワイパモータ32に接続されており、このワイパモータ32は、ガラス4を払拭するように固定部品30を駆動するものである。ワイパブレード28は楔形に形成されており、上部分10の一端は外側接続位置34において下部分12の一端に固定的に接続されている。上部分10および下部分12の各他端は、固定部品30に固定されている。基本的構成と、特に接続要素18の固定とに関しては、図3Aのガラスワイパ装置は基本的に図2Aのガラスワイパ装置に相当する。
図3Aに示されたガラスワイパ装置には、上部分10と、下部分12と、接続要素18と、ジョイント20とから成る群から選択された少なくとも1つの要素にコーティング(図示されていない)を施すことができる。
図3Bは、図3Aのワイパアーム30をワイパブレード28に組み付けたものがガラス4に密着した状態の概略図である。同図でも、下方のガラス4の方向からワイパブレード28の下部分12に加圧力がかかることにより、下部分12および上部分10はガラス4の方向に曲がる。
図2Aおよび図3Aでは双方とも、ワイパブレードはガラスに密着した状態となっておらず、下部分12が実質的に直線となっているのが示されている。さらに他の実施形態では、下部分は無荷重状態では凸形である。すなわち、中間部分が上部分から離反していく方向に突出する湾曲を有する。当該他の実施形態は、他の実施形態と組み合わせることが可能である。さらに他の実施形態では、下部分は無荷重状態では、少なくとも1つの部分では凸形であり、少なくとも1つの他の部分では凹形である。当該他の実施形態は、他の実施形態と組み合わせることが可能である。ここで記載されている実施形態のガラスワイパ装置は典型的には、ガラスと接触すると、下部分は上述の凸形状から、ガラスに対応してガラスに密着する凹形状をとることができる。
図4Aは、図3Aに示された実施例のワイパブレード28の一部を示す概略図である。同図では、ワイパブレード28は基本状態にある。同図では、ワイパブレード28の左端領域が示されており、この左端領域において、上部分10の一端および下部分12の一端が固定部品30に固定されている。図4Aは、固定部品30からワイパブレード28への移行部分から、最初の2つの接続要素18を示しており、これら2つの接続要素18は2つのワイパブレード要素36および38を区切っている。接続要素18はジョイント20を介して、上部分10と下部分12とに固定されている。
図4Bは、図3Bに示された実施例の、ガラス4に密着しているワイパブレード28の一部を示す概略図である。下方のガラスの方向から、加圧力が下部分12に加わる。図4Bでは、この加圧力を代表して加圧力40が示されている。この加圧力40が、ワイパブレード要素36の下部分12の湾曲や曲げを引き起こす。これにより、第1の接続要素18のジョイント20は左方向に距離sだけ変位する。第2のワイパブレード要素38は下方向に向かって、加圧力40が来た方向に曲がり、ガラスに密着する。その際、第1のワイパブレード要素36と第2のワイパブレード要素38との間に角度42が生じる。さらに追加の加圧力も形成され、これは、第2のワイパブレード要素38の下部分12に作用するものであり、第2のワイパブレード要素38が下方向にさらに曲がるのを阻止する。右隣のワイパブレード要素へ、ワイパブレード28の端部に至るまで、連鎖反応が生じる。
図5Aは、スポイラ76が組み付けられた、ある実施例のガラスワイパ装置の概略図である。ガラスワイパ装置はワイパブレード78を有し、ガラスを払拭するため、当該ワイパブレード78の下部分12にラバーリップ80が取り付けられている。スポイラ76は、上部分10と下部分12との間に形成されているスペース内に組み付けられている。スポイラ76は、このスペース内に侵入する空気流に影響を及ぼすためのものである。スポイラ76は、ワイパブレード78の下部分12に設けられた斜面部として実現されている。スポイラ76はたとえば、適切なワイパブレード構造、たとえば板金製のワイパブレード構造の周部にラバーを射出成形したものから作製することができる。
図5Aに示されたガラスワイパ装置には、上部分10と、下部分12と、接続要素18と、ジョイント20とから成る群から選択された少なくとも1つの要素にコーティング(図示されていない)を施すことができる。
図5Bは、図5Aのワイパブレード78の断面の概略図である。
図6は、ガラスワイパ装置のワイパブレード2の一部を示す概略図である。ワイパブレード2は、たとえば自動車等、特に乗用車である車両のガラス4を払拭するためのものである。本発明の実施形態では、ワイパブレード2はフィンレイ(Fin-Ray)型ワイパである。
上部分10および下部分12に接続要素18が配置されており、これは、ジョイント20を用いて当該上部分および下部分に接続されている。本発明の典型的な実施形態では、フィンレイ型ワイパにて、特に自動車において使用するために、有利に適したジョイント群が設けられている。
他の典型的な実施形態では、図6に示されたワイパブレード2の下部分12にワイパリップを設けることができる。このワイパリップは、車両のガラスを洗浄するために当該ガラス上を払拭するものである。たとえば図6を参照して説明した、工具により作製されたワイパブレードの場合、有利な実施形態では、ワイパリップを単独部品として設けることができる。
たとえば、上述のリップは、ワイパブレードと同一の材料から成ることができる。リップは他の材料から成ることができる。その際には、2材料射出成形法が用いられる。または、爆発加工によってリップを形成することも可能である。これに代えて、ワイパブレードの下部分12に、ワイパリップを通せるように収容部を設けることも可能である。このことにより、ワイパブレードを交換するためにワイパリップのみを交換すればよくなり、それにより材料削減が可能になるという利点が奏される。
図6中に示されたガラスワイパ装置上にはコーティング50が被着されており、しかも上部分10に被着されている。また、コーティング50を、プラズマ処理により成膜された層とし、および/または、少なくともコーティング50の一部をフィルムによって実現することも可能である。コーティングは、下部分12と、接続要素18と、ジョイント20とから成る群から選択された少なくとも1つの他の要素に設けることもできる。
以降の図は、上述のジョイントの複数の異なる変形形態を示す。特に、図7ないし図9は、図6に示された一部90を示している。典型的な実施形態では、ジョイントの構成は、自由度が存在するようになっている。具体的には、ジョイントは典型的にはヒンジである。
図7に、特に有利な実施形態のジョイント20を示す。下部分12と接続要素18との間にフィルムヒンジ122が設けられている。これにより、角度120によって示されているような自由度での運動を実現することができる。
ジョイント20はコーティング50によって、たとえば完全に被覆されている。コーティング50はジョイント20全体を覆う。コーティング50は、下部分12および(各)接続要素18の双方に設けられている。コーティング50は接続要素18から下部分12の上面に至るまで連続的に、すなわち切れ目無しで延在している。(各)接続要素18の少なくとも1面と、下部分12の上面との双方を、1つの一続きのコーティング50が覆う。かかる構成により、ガラスワイパ装置の、湿度や汚れを強く受ける領域において、結氷が特に有効に防止され、または一般的に硬化(可動性又は弾性の低下)が特に有効に防止されることを保証することができる。
上記構成に代えて、ガラスワイパ装置の表面上に直接被着される層によって、および/または膜によって、コーティング50を構成することも可能である。
典型的な実施形態ではワイパブレードは、下部分12、上部分10、接続要素18および複数のヒンジ又はジョイント20といった構成要素と一体に形成することができる。当該実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができる。たとえば、全てのジョイント20を下部分12および上部分10と一体に形成することができる。かかる一体形成は、たとえば射出成形法によって行うことができる。
よって、ジョイントがフィルムヒンジによって実現される実施形態により、フィンレイ型ワイパ用のジョイントを実現するための非常に簡単な手段が実現される。ワイパブレード2は単独部品として、特に工具による加工品として実現することができる。典型的な実施形態では、フィルムヒンジは高い延性を有するものである。この高い延性はたとえば、PP、PE、POMおよびPAの群から選択された材料により実現することができる。
本発明の実施形態のジョイント又はヒンジにおける曲げ剛性は、75Nmm/rad以下とすることができ、たとえば15Nmm/radから35Nmm/radまでとすることができる。ツーピース構成のジョイントの場合(たとえば図8Aから図9までを参照のこと)、かかる曲げ剛性の実現が特に容易になる。図7を参照して説明した実施形態の場合、すなわちフィルムヒンジの場合、適切な材料選定と適切な成形とを実現することができる。その際には、フィルムヒンジが特に薄いと、材料のクリープ挙動により永久変形が生じてしまい、これがフィルムヒンジの機能を阻害してしまうことを考慮すべきである。たとえば、非常に高い温度が特定の期間にわたって作用する場合、材料が「そこから流動」して、ヒンジの機能が永久変化又は永久劣化してしまうことがある。さらに、フィルムヒンジの曲げ剛性は、特定の数値範囲内でなければならない。最後に、材料の寸法は、たとえば射出成形法等の製法を使用しやすいような寸法としなければならない。たとえば、射出成形法では、ワークの非常に細い領域、または、非常に細い領域の後方に位置するワークの領域に十分に充填することができない。このことによっても、材料の寸法が制限されてしまう。
複数の実施形態では、上部分と下部分とフィルムヒンジとを有するワイパブレードを実現する原材料となる材料の弾性率は、300MPaから1600MPaまでとすることができる。かかる実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができる。有利なのは、1000MPa以下の弾性率である。しかし、弾性率が比較的小さい場合には、材料のクリープ特性が良好であること、すなわち材料のクリープが小さいことが保証されるように留意しなければならない。
他の典型的な実施形態では、接続要素18の幅が1mmから3mmまでのヒンジ領域外、たとえば1.5mmとなるように、かつ、当該幅が0.1mmから0.8mmまでのフィルムヒンジの範囲内、たとえば0.3mmとなるように、フィルムヒンジ、特に接続要素18と一体に形成されたフィルムヒンジを実現することができる。かかる実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができる。
図8Aは、本発明の実施形態のジョイントの他の変形例を示す。同図では、図6に示された一部90のジョイントが示されている。ワイパブレード2の下部分12又は上部分10に設けられる他のジョイントも、同様の構成とすることができる。図8Aは、ジョイント部分102を備えた下部分12を示しており、このジョイント部分102は円柱形に、又は、アンダーカットが設けられた中空円筒として実現されたものである。これに対応するジョイント部分104が、接続要素18に設けられている。この対応するジョイント部分104は、接続要素18に設けられた円柱部、または、接続要素18と一体に形成された円柱部である。ジョイント部分102すなわちアンダーカットを有する中空円筒部も、ワイパブレード2の下部分12と一体に形成することができる。
上述のようにして、ジョイント20により、接続要素18は角度範囲120で運動することができる。このことは補助線121によっても示されている。典型的な実施形態では、接続要素18は円柱部104の回転軸線に沿って延在することができる。ジョイント20は、第1のジョイント部分102と第2のジョイント部分104とを有する。
ジョイント20にはコーティング50が設けられている。このコーティング50は下部分12の表面上に、すなわち下部分12の上面および下面の双方に設けられており、かつ、接続要素18の表面上にも設けられている。コーティング50は第2のジョイント部分又は円柱部104の表面上にも設けることができ、また、アンダーカットを有する中空円筒の表面又は第1のジョイント部分102の表面にコーティング50を設けることもできる。具体的には、両ジョイント部分102,104の摩擦面または接触面にもコーティングすることができる。かかるコーティングにより、極度に小さい水分分子が両ジョイント部分102,104間の小さいギャップ内にも集まってジョイント20を凍結又はブロックするリスクが低減する。このことにより、氷点を越えるようにガラスワイパ装置全体を加熱する必要なく、ジョイント20が境界面102,104に凍結して固着し、ジョイント20から氷を除去できなくなるという状況を回避することができる。好適には上述のコーティング50は、少なくともジョイント部分102,104の領域では、プラズマ処理によって成膜されたコーティングである。これに代えて、平坦な面に膜を用いてコーティングすることも可能である。
図8Bは、本発明の実施形態のジョイントのある変形例を示す図であり、図8Bは図8Aに類似する構成となっている。図8Bに示された実施形態は、図8Aとの相違点として、円柱形として形成されたジョイント部分102Cと、アンダーカットを有する中空円筒として形成されたジョイント部分104Cとを有する。既に説明したように、ジョイント部分102Cをワイパアーム2の下部分12と一体に形成することができ、または、下部分12に取り付けることができる。同様に、ジョイント部分104Cを、すなわちアンダーカットを有する中空円筒部を、接続要素18と一体に形成することができ、または接続要素18に取り付けることができる。
ジョイント20には、図8Aに示された実施例と同様、コーティング(図示されていない)を設けることができる。コーティングはたとえば下部分12に設けることができ、および/または接続要素18に設けることができる。また、コーティングをジョイント部分104Cに(択一的に、外周面および/または内周面に)、および/またはジョイント部分102Cに設けることもできる。かかる構成により、コーティングによって特に、図8Aを参照して説明した利点を奏することができる。
図8Aおよび8Bでは、下部分12を挟むように接続要素18を装着することができる。かかる装着は、個別部品が完成した状態で行うことができ、また、ワークを製造するための工具内において当該ワークが未だ高温である状態において当該装着を行うこともできる。
図9は、第1のジョイント部分112と第2のジョイント部分114とを有するジョイントを実現した他の1つの実施形態を示す。図9では、たとえば図8Aまたは図8Bにも示されているように、ジョイント部分が円柱形のジョイント部分となっているのが示されている。
コーティング50は下部分12の表面上に、すなわち下部分12の上面に設けられており、かつ、接続要素18の表面上にも設けられている。両ジョイント部分112,114の摩擦面または接触面にはコーティングされていない。具体的にはコーティング50は、両ジョイント部分112,114が互いに接触する領域まで接している。ジョイント20の、両ジョイント部分112,114が相対運動する領域は、コーティングされない。かかる実施形態により、特に大きい平坦面が得られるので、特に好適には膜をコーティングとして使用することができる。これに代えて、両ジョイント部分112,114の摩擦面または接触面にもコーティングすることができ、特に、ジョイント部分112,114の表面に直接被着される層を用いてコーティングすることができる。
図9を参照して説明した実施形態では、両ジョイント部分のうち一方を、他のジョイント部分の周面外被より多く収縮する第1の材料を射出成形することにより、工具により作製されたジョイントとなっている。たとえば、接続要素18に設けられるジョイント部分114をPOMから射出成形することができ、下部分12に設けられるジョイント部分112をPAから射出成形することができる。こうすることにより、ワークが冷却したときに、相応のジョイントが得られる。よって本発明の実施形態では、ジョイントを2C射出成形法(2材料射出成形法)により製造することも可能である。
図7から図9の各図には、各ジョイント20が設けられた下部分12の一部のみを示しているが、ワイパブレードの実施形態では、これに相当するジョイントが下部分12の他の位置と、上部分10の複数の位置とにも設けられる。さらに他の実施形態では、本願にて記載されたジョイントの変形形態のうち複数を組み合わせて1つのワイパブレードに設けることも可能である。当該他の実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができる。たとえば、ワイパブレードの長手方向の第1の部分に、ある実施形態のジョイントを使用し、かつ、当該ワイパブレードの長手方向の第2の部分に、他のある実施形態のジョイントを使用することが可能である。
ここで記載されている実施形態では、大抵、ガラスワイパ装置に回転ジョイントが設けられた構成が記載されており、かかる構成はたとえば、比較的剛性の接続要素を併用する。他の実施形態では、上部分(10)と下部分(12)と接続要素(18)とを一体に形成することができる。その際には特に、開口を有するラバー構造体により、上部分(10)と下部分(12)と接続要素とを一体に形成する。かかる構成では、接続要素は弾性変形可能である。
図10は、ガラスワイパ装置の製造方法を詳解するための概略的なフローチャートであり、このガラスワイパ装置はたとえば、図7,8A,8Bおよび図9を参照して説明したようなガラスワイパ装置である。本方法は、少なくとも一部が可撓性である、とりわけ細長い上部分を作製すること、少なくとも一部が可撓性である、とりわけ細長い下部分を作製すること、および、当該上部分と当該下部分とを接続する複数の接続要素を作製すること、を含む(ステップ1402を参照のこと)。本方法はさらに、上部分と下部分と接続要素とジョイントとから成る群から選択された少なくとも1つの要素にコーティングを被覆すること、も含む(ステップ1404を参照のこと)。
ステップ1402は、たとえば上記にて2材料射出成形法として記載したような単一工程プロセスを含むことができる。図10は、他の変形例を説明するためにも役立つ。かかる変形例では、本方法のステップ1402は、
第1のジョイント部分を有する、少なくとも一部が可撓性の上部分を作製することと、
第1のジョイント部分を有する、少なくとも一部が可撓性の下部分を作製することと、
上部分と下部分とを接続する複数の接続要素であって、それぞれ第2のジョイント部分を有する複数の接続要素を作製することと
を含むことも可能である。
さらに、本方法のステップ1402は、
アンダーカットの領域において中空円筒部112の開口を拡大するように上部分および/または下部分を曲げて拡げること
も含むことができる。このようにして接続要素18を挿入することができ、接続要素18を挿入すると、アンダーカットが円柱部114を囲うように上部分又は下部分の曲げが小さくなる。このようにして、ワイパブレードの一端から当該ワイパブレードの反対側の端部まで複数の接続要素を挿入することができる。とりわけこのことは、ガラスワイパ装置の組立てを行うために、上部分および下部分の双方によって行うことが可能である。これに代えて、かかる組立てをコーティングの被着前および/または被着後に行うこともできる。
本発明の典型的な実施形態では、ジョイント(図6の符号20を参照のこと)又はジョイント20は、ヒンジである。かかる実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができる。つまり、2つの平面が相互に回転可能に接続される。換言すると、自由度を有するジョイントまたはベアリングが実現される。
たとえば、ステップ1402において、少なくとも一部が可撓性である上部分と、少なくとも一部が可撓性である下部分と、ガラスワイパ装置の長手方向において互いに離間された複数の接続要素とを有する、一体形のワイパブレードを作製する。かかる一体形成は、たとえば射出成形法によって行うことができる。
図8Aおよび8Bに示されたジョイント、すなわち、ツーピース構成のジョイントまたはヒンジの場合、特に良好なクリープ挙動を実現することができ、たとえば高い耐クリープ性を実現することができる。その材料は、特に高温時にジョイントの永久変形が生じないように選定することができる。このことにより、ワイパブレード2の長寿命性を改善することができる。特に、2材料射出成形法を用いずに作製されるツーピース形ジョイントの場合、円柱部または球体部を、又は、それぞれアンダーカットが設けられた中空円筒部または中空球体部を、同一材料から作製することができる。このことにより、温度変動がジョイントの機能を阻害する程度が非常に僅かとなる。
ジョイントをツーピース構成とすることは、場合によっては、製造コストが高騰しやすいことに繋がるが(ジョイントをクリッピングしなければならない)、特に比較的複雑な使用分野、又は、比較的厳しい要求が課される用途では、かかるツーピース構成は有利な実施形態となり得る。たとえば、リアガラスワイパよりもフロントガラスワイパの方が、より厳しい要求が課される。
使用可能な材料に関しては、剛性又は比較的剛性のリブ又は剛性の接続要素と、下部分と上部分とを、たとえばプラスチックから作製することができる。これはたとえば、繊維強化プラスチックとすることができる。ワイパリップのラバー成形品は、リブ等とは異なり、たとえばラバー状材料から作製することができる。これら2つの異なる材料は、たとえば2材料射出成形法で提供することができる。典型的な実施形態では、ラバー状材料として熱可塑性エラストマ(TPE)を用いることができる。典型的な材料は、TPE(熱可塑性エラストマ)TPE‐S、TPE‐O、TPE‐UおよびTPE‐Aから成る群から選択したものとすることができる。
また、同一の射出成形工具で、ワイパリップのラバー成形品および/またはたとえば表面のスタイリングを作製することもできる。射出成形工具がこのように削減することにより、製造コストを削減することができる。
ここで記載している実施形態では、車両ガラス用のフィンレイ型ワイパが特に製造しやすくなり、および/または、多数の異なる使用分野に応じて製造することができる。使用条件を考慮した適切な曲げ剛性を有するジョイント又は回転ジョイントが実現される。

Claims (10)

  1. 車両用、特に自動車用のガラスワイパ装置(2;28,30;78)であって、
    少なくとも一部が可撓性である細長い上部分(10)と、
    少なくとも一部が可撓性である細長い下部分(12)と、
    前記上部分(10)と前記下部分(12)とを接続する複数の接続要素(18)であって、前記ガラスワイパ装置(2;28,30;78)の長手方向(8)において互いに離間されて配置されており、かつ、ジョイント(20;122)を用いて当該下部分(12)に固定されており、および/または弾性変形可能である接続要素(18)と、
    前記上部分(10)と前記下部分(12)と前記接続要素(18)と前記ジョイント(20;122)とから成る群から選択された少なくとも1つの要素に設けられたコーティング(50)と
    を有することを特徴とするガラスワイパ装置(2;28,30;78)。
  2. 前記コーティング(50)は、前記ガラスワイパ装置の表面上における結氷を低減するように構成されている、
    請求項1記載のガラスワイパ装置。
  3. 前記コーティング(50)は少なくとも部分的に、ナノテクスチャ加工表面を有する、
    請求項1または2記載のガラスワイパ装置。
  4. 前記コーティング(50)は、30mJ/m未満の表面エネルギーを有し、好適には25mJ/m未満、特に好適には20mJ/m未満の表面エネルギーを有する、
    請求項1から3までのいずれか1項記載のガラスワイパ装置。
  5. 前記コーティング(50)は、0.02mmから1.0mmまでの層厚を有する、
    請求項1から4までのいずれか1項記載のガラスワイパ装置。
  6. 前記コーティング(50)の少なくとも一部は、前記ガラスワイパ装置の表面上に被着された膜によって、特に自己接着性ポリウレタン膜によって構成されている、
    請求項1から5までのいずれか1項記載のガラスワイパ装置。
  7. 前記ジョイント(20;122)の曲げ剛性は、75Nmm/rad以下である、
    請求項1から6までのいずれか1項記載のガラスワイパ装置。
  8. 前記ジョイントはフィルムヒンジ(122)として形成されている、
    請求項1から7までのいずれか1項記載のガラスワイパ装置。
  9. ガラスワイパ装置の、特に、請求項1から8までのいずれか1項記載のガラスワイパ装置の製造方法であって、
    少なくとも一部が可撓性である上部分(10)と、
    少なくとも一部が可撓性である下部分(12)と、
    前記ガラスワイパ装置(2;28,74;78;90;108)の長手方向(8)において互いに離間されて配置されている複数の接続要素(18)であって、ジョイント(20;122)を用いて前記下部分(12)に固定されており、および/または、弾性変形可能である接続要素(18)と
    を具備する構造体を、特にラバー構造体を製造するステップと、
    コーティング(50)を用いて、前記上部分(10)と前記下部分(12)と前記接続要素(18)と前記ジョイント(20;122)とから成る群から選択された少なくとも1つの要素の被覆を行うステップと
    を有することを特徴とする製造方法。
  10. 前記構造体の前記被覆をプラズマ処理によって行い、および/または、当該被覆は、当該構造体の表面に膜を接着することを含む、
    請求項9記載の製造方法。
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