JP2016536401A - ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー組成物からのチオフェノールの除去方法 - Google Patents

ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー組成物からのチオフェノールの除去方法 Download PDF

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Abstract

ポリ(アリーレンスルフィド)組成物および極性有機化合物を含む反応生成組成物を、C4〜C30α,β−不飽和ケトン、C4〜C30α,β−不飽和エステル、C4〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触させることであり、極性有機化合物は、約1重量%以上のチオフェノールを含み、接触後、極性有機化合物は、約1重量%未満のチオフェノールを含む。極性有機化合物および約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物を、C4〜C30α,β−不飽和ケトン、C4〜C30α,β−不飽和エステル、C4〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触させて、極性有機化合物および約1重量%未満のチオフェノールを含む組成物を形成することを含む方法。【選択図】なし

Description

本開示は、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー組成物からチオフェノールを除去する方法に関する。さらに具体的には、本開示は、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)を用いて、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー組成物からチオフェノールを除去する方法に関する。
ポリ(フェニレンスルフィド)およびその誘導体等のポリマーは、多種多様な物品を製造するために使用される。特定の用途での特定のポリマーの使用は、ポリマーが呈する物理的および/または機械的特性のタイプに応じて決まり、そのような特性は、一般に、特定のポリマーを製造するのに用いる方法に起因し、例えば、ポリマーを製造する際の反応条件に起因する。従って、これらのポリマーを製造する方法を開発し、かつ改善する必要性が継続して存在している。
本開示は、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物および約1重量%以上のチオフェノールを含む極性有機化合物を含む反応生成組成物を、C〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触させることを含むプロセスであり、接触後、極性有機化合物は、約1重量%未満のチオフェノールを含む。
本開示はまた、極性有機化合物および約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物を、C〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触させて、極性有機化合物および約1重量%未満のチオフェノールを含む組成物を形成することを含むプロセスである。
本開示は、チオフェノールを含む組成物を処理し、その中のチオフェノールの量を削減する方法である。一実施形態において、チオフェノールを含む組成物は、ポリマー、重合反応の1種または複数の成分または反応物、および/または重合反応生成物(例えば、廃出物)を含む。一実施形態において、チオフェノールを含む組成物は、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを含む。一実施形態において、チオフェノールを含む組成物は、ポリ(アリーレンスルフィド)重合反応生成物、例えば、ポリ(アリーレンスルフィド)重合反応器からの廃出流である。一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)重合反応生成物は、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー、極性有機化合物、およびチオフェノールを含む。一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)重合反応生成物は、その中のチオフェノールの量を削減する処理の前に、処理と同時におよび/または処理に続いて、1つまたは複数の分離段階を経てもよい。例えば、ポリ(アリーレンスルフィド)重合反応生成物は、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーおよび/または極性有機化合物を分離するための分離段階を経てもよく、チオフェノールが、処理前に、分離したポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー、分離した極性有機化合物、またはその両方に存在してもよい。本開示の目的上、チオフェノールを含む組成物の処理は、ポリ(アリーレンスルフィド)重合反応生成物および/またはそれらの成分(例えば、分離したポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーおよび/または極性有機化合物)の処理を含むが、これに限定されず、本明細書で総称してポリ(アリーレンスルフィド)組成物の処理と称されることを理解されるであろう。
一実施形態において、本開示の方法は、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)を用いてポリ(アリーレンスルフィド)組成物を処理して、その中のチオフェノールの濃度を下げることを含む。本開示は、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)を用いてポリ(アリーレンスルフィド)組成物を処理しその中のチオフェノールの濃度を下げることに照らして詳細に考察するが、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)を用いて、チオフェノールを含む他の組成物を処理し、その中のチオフェノールの濃度を下げてもよいことを理解されたい。一実施形態において、そのような方法が、望ましい特性(例えば、分子量)を有するポリマー(例えば、ポリ(フェニレンスルフィド))をもたらす結果となる。
本明細書で用いる用語をより明白に定義するために、以下の定義を提供する。特に明記しない限り、以下の定義は、本開示に適用できる。ある用語を本開示に用いるが本明細書においてその用語を特に定義していないならば、IUPAC Compendium of Chemical Terminology,2nd Ed(1997)からの定義が、本明細書に適用されるいかなる他の開示も定義にも矛盾しなく、その定義を適用するいかなる特許請求の範囲を不明瞭にも不可能にもしない限り、その定義が適用され得る。参照により本明細書に組み込まれる任意の文献が提供する任意の定義または用法が、本明細書に提供される定義または用法と矛盾する限りにおいて、本明細書に提供される定義または用法が優先される。
周期律表の元素の族は、Chemical and Engineering News,63(5),27,1985で公開される元素の周期律表の版に示される番号付け体系を用いて表される。場合によっては、族に割り当てられた慣用名、例えば、第1族元素に対してはアルカリ土類金属(またはアルカリ金属)、第2族元素に対してはアルカリ土類金属(またはアルカリ金属)、第3〜12族元素に対しては遷移金属、および第17族元素に対してはハロゲンを使用して元素の族を表してもよい。
化学「基」は、その基が、参考化合物または「親」化合物から形式上どのように誘導されるかに基づいて、例えば、その基が文字通りにこの手法で合成されないとしても、その基を作り出すために親化合物から形式的には除去される水素原子の数により表される。これらの基は、置換基として、または金属原子に配位または結合して、利用され得る。例として、「アルキル基」は、アルカンから2個の水素原子を除去することにより形式的には誘導され得、「アルキレン基」は、アルカンから2個の水素原子を除去することにより形式的には誘導され得る。さらに、より一般的な用語を使用して、親化合物から任意の数(1個または複数個)の水素原子を除去することにより形式的には誘導される様々な基を包含でき、この例において、その基は、「アルカン基」と表され、「アルキル基」、「アルキレン基」を包含でき、物質は、状況の必要に応じて、アルカンから除去される3個以上の水素原子を有する。全体にわたって、置換基、配位子または他の化学的部分が、特定の「基」を構成することがある本開示は、その基が記載されるように使用される場合、化学的構造および結合に関する既知の規則に従うことを含意する。「により誘導される」、「から誘導される」、「により形成される」または「から形成される」とある基を説明する場合、そのような用語は、特に明記しない限り、または文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本来の意味で用いられ、任意の特定の合成方法または手順を示すことを意図するものではない。
基を説明するのに用いる場合、例えば、特定の基の置換類似体を指す場合の用語「置換される」は、その基の水素を形式的には置換する、任意の非水素部分を説明することを意図し、非限定であることを意図する。非水素部分がその基内の水素を置換していない元の基を指す、「未置換の」としてまたは「非置換の」等と同等の用語により、本明細書において1個または複数の基を指すこともある。「置換される」は、非限定であり、無機置換基または有機置換基を含むことを意図する。
特に明記しない限り、炭素原子の数が特定されない任意の炭素含有基は、適切な化学的慣習に従い、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、または30個の炭素原子、または、これらの値の任意の範囲または範囲の組み合わせを有することができる。例えば、特に明記しない限り、任意の炭素含有基は、1〜30個の炭素原子、1〜25個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、1〜15個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜5個の炭素原子等を有することができる。さらに、他の識別名または認定語を用いて、特定の置換基の有無、特定の位置化学および/もしくは立体化学、または構造もしくは骨格に内在する分岐の有無を示してもよい。
本開示内において、有機命名法の標準規則が優先する。例えば、置換化合物または置換基を言及する際に、置換の様式に関して言及され、示される基が示される位置に位置決めされ、他の全ての非表示の位置が水素であることを表す。例えば、4−置換フェニル基に関しての言及は、4位に位置する非水素置換基と2、3、5、および6位に位置する水素が存在することを表す。別の例として、3−置換ナフサ−2−イルに関しての言及は、3位に位置する非水素置換基と1、4、5、6、7および8位に位置する水素が存在することを表す。示される位置とは別の位置に置換を有する化合物または基に関しての言及は、包含する語または他の別の語を用いて述べる。例えば、4位に置換基を含むフェニル基に関しての言及は、4位に非水素原子を有する基と、2、3、5、および6位に水素または任意の非水素基について述べる。
用語「オルガニル基」は、IUPACが規定した定義、「官能型にかかわらず、炭素原子1個に一価の遊離原子価を有する有機置換基」に従って本明細書で使用される。同様に、「オルガニレン基」は、官能型にかかわらず、有機化合物から2個の水素原子を除去、1個の炭素原子から2個の水素原子を除去するか、または2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子を除去するかのいずれかにより誘導される有機基を指す。「有機基」は、有機化合物の炭素原子から1個または複数個の水素原子を除去することにより形成された一般基を表す。従って、「オルガニル基」、「オルガニレン基」および「有機基」は、有機官能基および/または炭素と水素以外の原子を含有できる、つまり、官能基および/または炭素および水素とは別の原子を含むことができる有機基を含有することができる。例えば、炭素と水素以外の原子の非限定な例として、ハロゲン、酸素、窒素、リン等が挙げられる。官能基の非限定な例として、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、スルフィド、アミン、およびホスフィン等が挙げられる。一態様において、除去されて「オルガニル基」、「オルガニレン基」、または「有機基」を形成する水素原子は、官能基、例えば、とりわけ可能性のあるアシル基(−C(O)R)、ホルミル基(−C(O)H)、カルボキシ基(−C(O)OH)、ヒドロカルボキシカルボニル基(−C(O)OR)、シアノ基(−C≡N)、カルバモイル基(−C(O)NH)、N−ヒドロカルビルカルバモイル基(−C(O)NHR)、またはN,N’−ジヒドロカルビルカルバモイル基(−C(O)NR))に属する炭素原子に結合できる。別の一態様において、除去されて「オルガニル基」、「オルガニレン基」、または「有機基」を形成する水素原子は、官能基、例えば、−CHC(O)CH、−CHNRに属さずかつ官能基から離れた炭素原子に結合できる。「オルガニル基」、「オルガニレン基」、または「有機基」は、環式もしくは非環式を含めて脂肪族でも芳香族であり得る。「オルガニル基」、「オルガニレン基」、および「有機基」は、またヘテロ原子−含有環、ヘテロ原子−含有環系、芳香族複素環、および芳香族複素環系も包含する。「オルガニル基」、「オルガニレン基」、および「有機基」は、特に明記しない限り、直鎖でも分岐でもあり得る。最後に、「オルガニル基」、「オルガニレン基」、または「有機基」の定義は、それぞれ「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、「炭化水素基」、ならびに「アルキル基」、「アルキレン基」、および「アルカン基」をそれぞれ構成員として含むことに留意されたい。
用語「炭化水素」は、本明細書および特許請求の範囲に使用する際は常に、炭素と水素のみを含有する化合物を指す。他の識別名を用いて、炭化水素中の特定の基の存在を示す(例えば、ハロゲン化炭化水素は、炭化水素中の同等数の水素原子と置換する1個または複数個のハロゲン原子の存在を示す)ことができる。用語「ヒドロカルビル基」は、IUPACが規定した定義、「炭化水素(すなわち、炭素と水素のみを含有する基)から1個の水素原子を除去することにより形成される一価の基」に従って本明細書で使用される。同様に、「ヒドロカルビル基」は、炭化水素から2個の水素原子を除去、1個の炭素原子から2個の水素原子を除去するか、または2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子を除去するかのいずれかにより形成される基を指す。従って、本明細書で使用する専門用語に従って、「炭化水素基」は、炭化水素から1個または複数個の水素原子(特定の基の必要に応じて)を除去することにより形成される一般基を指す。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、非環式でも環式の基でもあり得、および/または直鎖でも分岐でもあり得る。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、炭素と水素のみを含有する、環、環系、芳香環、および芳香環系を含み得る。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、例として、それぞれ構成員として他の基のうちでもとりわけ、アリール、アリーレン、アレーン基、アルキル、アルキレン、アルカン基、シクロアルキル、シクロアルキレン、シクロアルカン基、アラルキル、アラルキレン、およびアラルカン基を含む。
用語「アルカン」は、本明細書および特許請求の範囲において使用する際は常に、飽和炭化水素化合物を示す。他の識別名を用いて、アルカン中の特定の基の存在を示す(例えば、ハロゲン化アルカンは、アルカン中の同等数の水素原子と置換する1個または複数個のハロゲン原子の存在を示す)ことができる。用語「アルキル基」は、IUPACが規定した定義、「アルカンから1個の水素原子を除去することにより形成される一価の基」に従って本明細書で使用される。同様に、「アルキレン基」は、炭化水素から2個の水素原子を除去、1個の炭素原子から2個の水素原子を除去するか、または2個の異なる炭素原子から1個の水素原子を除去するかのいずれかにより形成される基を指す。「アルカン基」は、アルカンから1個または複数個の水素原子(特定の基の必要に応じて)を除去することにより形成される基を指す一般的な用語である。「アルキル基」、「アルキレン基」、および「アルカン基」は、非環式でも環式の基でもあり得、および/または直鎖でも分岐でもあり得る。
「シクロアルカン」は、側鎖の有無にかかわらず飽和環式炭化水素、例えば、シクロブタンである。他の識別名を用いて、シクロアルカン中の特定の基の存在を示す(例えば、ハロゲン化シクロアルカンは、シクロアルカン中の同等数の水素原子と置換する1個または複数個のハロゲン原子の存在を示す)ことができる。1個または複数個の環内二重結合または環内三重結合を有する不飽和環式炭化水素は、それぞれ、シクロアルケンおよびシクロアルキンと呼ばれる。1個のみ、2個のみ、および3個のみの環内二重結合または環内三重結合を有するシクロアルケンおよびシクロアルキンは、それぞれ、シクロアルケンまたはシクロアルキンの名称に、用語「モノ」、「ジ」、および「トリ」を使用して、識別され得る。シクロアルケンおよびシクロアルキンは、さらに、環内二重結合または環内三重結合の位置をさらに同定できる。他の識別名を用いて、シクロアルカン中の特定の基の存在を示す(例えば、ハロゲン化シクロアルカンは、シクロアルカン中の同等数の水素原子と置換する1個または複数個のハロゲン原子の存在を示す)ことができる。
「シクロアルキル基」は、環炭素原子から1個の水素原子を除去することにより、シクロアルカンから誘導される一価の基である。例えば、1−メチルシクロプロピル基および2−メチルシクロプロピル基を以下に例示する。
同様に、「シクロアルキレン基」は、そのうちの少なくとも1つは環炭素である、シクロアルカンから2個の水素原子を除去することにより誘導される基を指す。従って、「シクロアルキレン」基は、2個の水素原子が同一の環炭素から形式的には除去されるシクロアルカンから誘導される基と、2個の水素原子が2個の異なる環炭素から形式的には除去されるシクロアルカンから誘導される基と、第一水素原子が環炭素から形式的に除去され第二水素原子が環炭素ではない炭素原子から形式的には除去されるシクロアルカンから誘導される基のどちらも含む。「シクロアルカン基」は、シクロアルカンから、1個または複数個の水素原子を除去する(特定の基の必要に応じて、少なくともそのうちの1個は、環炭素である)ことにより形成される一般基を指す。本明細書で提供される定義に従って、一般のシクロアルカン基(シクロアルキル基およびシクロアルキレン基を含む)は、シクロアルカンの環炭素原子に結合する0個、1個または複数個のヒドロカルビル置換基を有する、炭化水素基の基構成員であるシクロアルカン基(例えば、メチルシクロプロピル基)を含むことに留意されたい。しかしながら、特定数のシクロアルカンの環炭素原子を有するシクロアルカン基(例えば、とりわけシクロペンタン基またはシクロヘキサン基)について述べる際に、規定数のシクロアルカンの環炭素原子を有するシクロアルカン基の基本名称は、未置換のシクロアルカン基を指す。従って、特定数の環炭素原子を有する置換シクロアルカン基(例えば、とりわけ置換シクロペンタン基または置換シクロヘキサン基)は、シクロアルカン基の環炭素原子に結合する、1個または複数個の置換基(置換基のうちとりわけハロゲン、ヒドロカルビル基、または炭化水素基を含む)を有するそれぞれの基を指す。規定数のシクロアルカンの環炭素原子を有する置換シクロアルカン基が、炭化水素基の基構成員(またはシクロアルカン基の一般基の構成員)である場合、規定数のシクロアルカンの環炭素原子を有する置換シクロアルカン基の各置換基は、ヒドロカルビル置換基に限定される。炭化水素基の構成員(またはシクロアルカン基の一般基の構成員)として利用でき、特定な数の環炭素原子を有する、一般基、特定の基、および/または個々の置換シクロアルカン基を容易に識別し選択できる。
芳香族化合物は、ヒュッケル(4n+2)則に従い、(4n+2)個のパイ電子(nは、1〜5の整数である)を含有する、環状の共役二重結合系を含有する化合物である。芳香族化合物は、「アレーン」(芳香族炭化水素化合物)および「ヘタレーン」とも称する「ヘテロアレーン」(環状の共役二重結合系の1個または複数個のメチン(−C=)炭素原子を、芳香族系の特徴である継続的なパイ電子系およびヒュッケル則(4n+2)に対応する平面外のパイ電子数を維持するような方法で、三価または二価のヘテロ原子で置換することにより、アレーンから形式的には誘導される芳香族複素環化合物を含む。アレーン化合物およびヘテロアレーン化合物は、芳香族化合物の基の互いに排他的な構成員であるが、アレーン基およびヘテロアレーン基の両方を有する化合物は、一般にヘテロアレーン化合物とみなされる。芳香族化合物、アレーン、およびヘテロアレーンは、特に明記しない限り、単環式(例えば、ベンゼン、トルエン、フラン、ピリジン、メチルピリジン)でも多環式でもあり得る。多環式芳香族化合物、アレーン、およびヘテロアレーンは、特に明記しない限り、芳香環が縮合し得る化合物(例えば、ナフタレン、ベンゾフラン、およびインドール)と、芳香族基が別個で単結合により結合し得る化合物(例えば、ビフェニル、または4−フェニルピリジン)と、または芳香族基が連結原子を含有する基により結合される化合物(例えば、連結基のうちでとりわけ、ジフェニルメタン中の炭素−メチレン基、酸素−ジフェニルエーテル、窒素−トリフェニルアミン)とを含む。本明細書に開示される、用語「置換される」は、非水素部分が化合物中の水素を形式的には置換する、芳香族基、アレーン、またはヘテロアレーンを説明するのに使用されるが、非限定であることを意図する。
「芳香族基」は、芳香族化合物から、1個または複数個の水素原子を除去する(特定の基の必要に応じて、少なくともそのうちの1個は、芳香環炭素原子からである)ことにより形成される一般基を指す。一価の「芳香族基」に関して、除去される水素原子は、芳香環炭素からであることが求められる。芳香族化合物から複数の水素原子を除去することにより形成される「芳香族基」に関して、少なくとも1個の水素原子は、芳香族炭化水素環の炭素からであることが求められる。その上、「芳香族基」は、芳香環もしくは環系(例えば、フェン−1,4−イレン、ピリジン−2,3−イレン、ナフサ−1,2−イレン、およびベンゾフラン−2,3−イレン)の同一の環から除去された水素原子、環系(例えば、ナフサ−1,8−イレンおよびベンゾフラン−2,7−イレン)の2個の異なる環から除去された水素原子、または2個の独立した芳香環もしくは環系(例えば、ビス(フェン−4−イレン)メタン)から除去された水素原子を有することができる。
アレーンは、側鎖の有無にかかわらず、芳香族炭化水素(例えば、とりわけベンゼン、トルエン、またはキシレン)である。「アリール基」は、アレーンの芳香環炭素から水素原子を形式的に除去することにより誘導される基である。アレーンは、単独の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン、またはトルエン)を含有し、縮合芳香環(例えば、ナフタレンまたはアントラセン)を含有し、および/または単結合を介して共有結合している1個または複数個の独立した芳香環(例えば、ビフェニル)または非芳香族の炭化水素基(例えば、ジフェニルメタン)を含有できることに留意されたい。「アリール基」の一例は、オルト−トリル(o−トリル)であり、その構造をここに示す。
同様に、「アリーレン基」は、アレーンから2個の水素原子を除去する(少なくともそのうちの1個は、芳香環炭素からである)ことにより形成される基を指す。「アレーン基」は、アレーンから1個または複数個の水素原子を除去する(特定の基の必要に応じて、少なくともそのうちの1個は、芳香環炭素からである)ことにより形成される一般基を指す。しかしながら、基が、別々の異なるアレーンおよびヘテロアレーンの環または環系(例えば、7−フェニルベンゾフラン中のフェニルおよびベンゾフラン部分)を含有する場合、その分類は、そこから水素原子が除去された特定の環または環系に応じて変わり、すなわち、除去された水素が、芳香族炭化水素環または環系の炭素原子(例えば、6−フェニルベンゾフランのフェニル基中の2位の炭素原子)に由来するならば、置換アレーン基であり、除去された水素炭素が芳香族複素環または環系の炭素原子(例えば、6−フェニル−ベンゾフランのベンゾフラン基の2位または7位の炭素原子)に由来するならば、ヘテロアレーン基である。本明細書で提供される定義に従って、一般のアレーン基(アリール基およびアリーレン基を含む)は、芳香族炭化水素環または環系の炭素原子上に位置する炭化水素基の基構成員である、0個、1個または複数個のヒドロカルビル置換基を有するアレーン基(例えば、とりわけトルエン基またはキシレン基)を含むことに留意されたい。しかしながら、フェニル基(またはフェニレン基)および/またはナフチル基(またはナフチレン基)は、特定の未置換アレーン基を表す。従って、置換フェニル基または置換ナフチル基は、芳香族炭化水素環または環系の炭素原子上に位置する、1個または複数個の置換基(とりわけハロゲン、ヒドロカルビル基、またはヒドロカルボキシ基を含む)を有するそれぞれのアレーン基を表す。置換フェニル基および/または置換ナフチル基が、炭化水素基の基構成員(またはアレーン基の一般基の構成員)であるならば、各置換基は、ヒドロカルビル置換基に限定される。当業者ならば、炭化水素基の基構成員(またはアレーン基の一般基の構成員)として利用され得る、一般のフェニル基および/またはナフチル基、特定のフェニル基および/またはナフチル基、および/または個々の置換フェニル基または置換ナフチル基を容易に識別し選択できる。
特許請求の範囲の移行語または移行句に関して、「含む(including)」、「含有する」、「有する」、または「特徴とする」と同義である暫定用語「含む(comprising)」は、包括的であり、または限定されることなく、追加の記載されていない要素または方法段階を除外しない。移行句「からなる」は、特許請求の範囲に特定されていない任意の要素、段階、または原料を除外する。移行句「から本質的になる」は、特定された物質または段階、および特許請求された発明の基本的で新規な特徴に物質的に影響を及ぼさないものに、特許請求の範囲を限定する。用語「から本質的になる」は、「からなる」のような閉鎖的な用語と、「含む」のような完全に開放的な用語との中間の立場を取る。逆に説明が欠如しているため、化合物または組成物を記載する場合、「から本質的になる」は、「含む」と解釈されず、記載される成分(その用語が適用される組成物または方法を有意に変えない物質を含む)を記載することを意図する。例えば、物質Aから本質的になる供給原料は、商用に生産されるかまたは市販されている、記載の化合物または組成物の試料の中に、通常存在する不純物を含み得る。特許請求の範囲が、異なる特質および/または特質部類(例えば、とりわけ可能性のある、方法段階、供給原料特質、および/または生成物特質)を含む場合、暫定用語の、含む、から本質的になる、および、からなるは、それに対して利用される特質部類に対してのみに適用され、特許請求の範囲内の異なる特質について利用される、異なる暫定用語または句を有することが可能である。例えば、一方法は、いくつかの記載された段階(および他の記載されていない段階)を含み得るが、特定の段階からなる、または代替的に特定の段階から本質的になる触媒系調製を利用できるが、記載される成分および他の記載されていない成分を含む触媒系を利用できる。
様々な成分および/または段階を「含む」(または他の広義語)という用語で、組成物および方法を説明するが、様々な成分および/または段階「から本質的になる」または「からなる」等の狭義語を用いて、組成物および方法を同様に、説明できる。
特許請求の範囲の任意の要素に対する、用語「任意選択に」の使用は、対象要素が必要とされるか、または代替的に必要とされないことを意味することを意図する。二者択一は、両方とも、請求項の範囲内であることを意図する。
特に明記しない限り、用語「a」、「an」、および「the」は、複数の二者択一、例えば、少なくとも1つを含むことを意図する。本明細書に開示されるいかなる特定の化合物または基に関しても、付与されるいかなる名称または構造も、特に明記しない限り、特定の置換基の組から起こり得る、全ての配座異性体、位置異性体、および立体異性体を包含することを意図する。例えば、ペンタンの一般の記載は、n−ペンタン、2−メチル−ブタン、および2,2−ジメチルプロパンを含み、ブチル基の一般の記載は、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソ−ブチル基、およびt−ブチル基を含む。名称または構造もまた、特に明記しない限り、当業者にならば分かることだが、全てのエナンチオマー、ジアステレオマー、およびエナンチオマー体またはラセミ体のどちらかの他の光学異性体、同様に立体異性体の混合物を包含する。
用語「室温」または「周囲温度」は、外部熱も冷却源も反応容器に直接加えられることがない15℃〜35℃の任意の温度を説明するために本明細書で使用される。従って、用語「室温」および「周囲温度」は、外部熱も冷却源も反応容器に直接加えられることがない、個々の温度ならびに任意のおよび全ての範囲、部分的な範囲、および15℃〜35℃の温度の部分的な範囲の組み合わせを包含する。用語「大気圧」は、いかなる外部圧力の修正手段も利用しない、地球の空気圧を説明するために本明細書で使用される。一般的に、極端な地上高度で実施されない限り、「大気圧」は、約1気圧(代替的に約14.7psiまたは約101kPa)である。
最小値として提供される本開示内の特質は、本明細書に開示される特質に対して、任意の記載された最小値の「少なくとも」または「以上」と代替的に表現されることができる。最大値として提供される本開示内の特質は、本明細書に開示される特質に関して、任意の記載された最大値の「以下」と代替的に表現されることができる。
本明細書に開示される実施形態は、用語「または」が範囲を定める実施形態の特定の特質を満たすのに適切であると列記される材料を提供してもよい。例えば、開示される対象の特定の特質は、以下のように開示されてもよい:特質Xは、A、B、またはCであり得る。各特質に対して、その記載はまた、二者択一の列挙として表現され得ると考えられ、その結果、「特質XはAであり、代替的にBであり、または代替的にCである」という記載も、その記載が明記されるか否かにかかわらず、本開示の実施形態である。
一実施形態において、本明細書に開示されるポリマーは、ポリ(アリーレンスルフィド)(PAS)ポリマーである。一実施形態において、ポリマーは、ポリ(アリーレンスルフィド)を含み得る。他の実施形態において、ポリマーは、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)を含み得る。本明細書で使用される「ポリ(アリーレンスルフィド)」または「PAS」の使用には、用語「ポリ(フェニレンスルフィド)」および「PPS」が含まれる。本明細書において、ポリマーは、重合反応の生成物として回収される物質と、ポリマーおよび1種または複数種の添加剤を含む高分子組成物の両方を指す。一実施形態において、モノマー(例えば、p−ジクロロベンゼン)を本明細書に開示される方法論を用いて重合して、本明細書に開示される型のポリマーを製造してもよい。一実施形態において、ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーを含んでもよい。本明細書に開示されるポリマー中に微量のコモノマーを存在してもよく、そのポリマーを依然としてホモポリマーとみなしてもよいと理解される。本明細書において、微量のコモノマーは、明細書に開示されるポリマーの特性に殆ど影響を与えない量を指す。例えば、コモノマーは、ポリマーの総重量を基準として、約1.0重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、または約0.01重量%未満の量で存在できる。
一般的に、ポリ(アリーレンスルフィド)は、−(Ar−S)−繰り返し単位を含むポリマーであり、ここでArは、アリーレン基である。特に明記しない限り、ポリ(アリーレンスルフィド)のアリーレン基は、置換されても置換されなくてもよく、代替的に置換され、または代替的に未置換であり得る。さらに、特に明記しない限り、ポリ(アリーレンスルフィド)は、ポリマーにおいてスルフィド結合の任意の異性体関係を含むことができ、例えば、アリーレン基がフェニレン基である場合、スルフィド結合は、オルト、メタ、パラ、またはそれらの組み合わせであり得る。
一態様において、ポリ(アリーレンスルフィド)は、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70モルパーセントの−(Ar−S)−単位を含有できる。一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)は、50、70、80、90、95、99、または100モルパーセントまでの−(Ar−S)−単位を含有できる。いくつかの実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)は、本明細書に開示される任意の最低モルパーセントの−(Ar−S)−単位から本明細書に開示される任意の最大モルパーセントまでの−(Ar−S)−単位、例えば、5〜99モルパーセント、30〜70モルパーセント、70〜95モルパーセントの−(Ar−S)−単位を含有できる。ポリ(アリーレンスルフィド)単位の他の範囲は、本開示から容易に明らかである。100パーセント未満の−(Ar−S)−を含有するポリ(アリーレンスルフィド)は、1つまたは複数の以下の構造を有する単位をさらに含むことができ、式中、本開示にわたって使用される()は、ポリマー鎖または末端基の連続部を表す。
一実施形態において、アリーレンスルフィド単位は、式Iにより表すことができる。
式Iを有するアリーレンスルフィド単位内で、アリーレンスルフィド単位の硫黄原子の位置と次のアリーレンスルフィド単位の位置の関係は、オルト、メタ、パラ、またはそれらの任意の組み合わせであり得ることを理解されたい。一般的に、R、R、RおよびR自体は、互いに独立し、本明細書に記載される任意の基であり得る。
一実施形態において、R、R、RおよびRは、独立して水素または置換基であり得る。いくつかの実施形態において、各置換基は、独立してオルガニル基、オルガノカルボキシ基、またはオルガノチオ基、代替的にオルガニル基またはオルガノカルボキシ基、代替的にオルガニル基またはオルガノチオ基、代替的にオルガニル基、代替的にオルガノカルボキシ基、または代替的にもしくはオルガノチオ基であり得る。他の実施形態において、各置換基は、独立してヒドロカルビル基、ヒドロカルボキシ基、またはヒドロカルビルチオ基、代替的にヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にヒドロカルビル基もしくはヒドロカルビルチオ基、代替的にヒドロカルビル基、代替的にヒドロカルボキシ基、または代替的にもしくはヒドロカルビルチオ基であり得る。さらに他の実施形態において、各置換基は、独立してアルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基、代替的にアルキル基もしくはアルコキシ基、代替的にアルキル基もしくはアルキルチオ基、代替的にアルキル基、代替的にアルコキシ基、または代替的にもしくはアルキルチオ基であり得る。
一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各オルガニル基は、独立してC〜C20オルガニル基、代替的にC〜C10オルガニル基、または代替的にC〜Cオルガニル基であり得る。一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各オルガノカルボキシ基は、独立してC〜C20オルガノカルボキシ基、代替的にC〜C10オルガノカルボキシ基、または代替的にC〜Cオルガノカルボキシ基であり得る。一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各オルガノチオ基は、独立してC〜C20オルガノチオ基、代替的にC〜C10オルガノチオ基、または代替的にC〜Cオルガノチオ基であり得る。一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各ヒドロカルビル基は、独立してC〜C20ヒドロカルビル基、代替的にC〜C10ヒドロカルビル基、または代替的にC〜Cヒドロカルビル基であり得る。一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各ヒドロカルボキシ基は、独立してC〜C20ヒドロカルボキシ基、代替的にC〜C10ヒドロカルボキシ基、または代替的にC〜Cヒドロカルボキシ基であり得る。一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各ヒドロカルビル基は、独立してC〜C20ヒドロカルビルチオ基、代替的にC〜C10ヒドロカルビルチオ基、または代替的にC〜Cヒドロカルビルチオ基であり得る。一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各アルキル基は、独立してC〜C20アルキル基、代替的にC〜C10アルキル基、または代替的にC〜Cアルキル基であり得る。一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各アルコキシ基は、独立してC〜C20アルコキシ基、代替的にC〜C10アルコキシ基、または代替的にC〜Cアルコキシ基であり得る。一実施形態において、R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各アルコキシ基は、独立してC〜C20アルキルチオ基、代替的にC〜C10アルキルチオ基、または代替的にC〜Cアルキルチオ基であり得る。
いくつかの実施形態において、各非水素R、R、Rおよび/またはRは、独立してアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、または置換アラルキル基であり得る。他の実施形態において、各非水素R、R、Rおよび/またはRは、独立してアルキル基もしくは置換アルキル基、代替的にシクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、代替的にアリール基もしくは置換アリール基、または代替的にアラルキル基もしくは置換アラルキル基であり得る。さらに他の実施形態において、各非水素R、R、Rおよび/またはRは、独立してアルキル基、代替的に置換アルキル基、代替的にシクロアルキル基、代替的に置換シクロアルキル基、代替的にアリール基、代替的に置換アリール基、代替的にアラルキル基、または代替的に置換アラルキル基であり得る。一般的に、Rとして利用できるアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、および置換アラルキル基は、任意のオルガニル基またはヒドロカルビル基と同数の、Rの構成要員である炭素原子を有することができる。
一実施形態において、各非水素R、R、Rおよび/またはRは、独立してメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、またはデシル基。いくつかの実施形態において、各非水素R、R、Rおよび/またはRは、独立してメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基,n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、sec−ペンチル基、またはネオペンチル基、代替的にメチル基、エチル基、イソ−プロピル基、tert−ブチル基、またはネオペンチル基、代替的にメチル基、代替的にエチル基、代替的にn−プロピル基、代替的にイソ−プロピル基、代替的にtert−ブチル基、または代替的にネオペンチル基であり得る。いくつかの実施形態において、開示したいずれのアルキル基も、置換され得る。置換アルキル基に対する置換基は、独立して本明細書に開示され、非水素R、R、Rおよび/またはRとして利用できる置換アルキル基をさらに説明するのに限定されることなく利用され得る。
一態様において、非水素R、R、Rおよび/またはRとして利用できる各シクロアルキル基(置換もしくは未置換)は、独立してC〜C20シクロアルキル基(置換もしくは未置換)、代替的にC〜C15シクロアルキル基(置換もしくは未置換)、または代替的にC〜C10シクロアルキル基(置換もしくは未置換)であり得る。一実施形態において、各非水素R、R、Rおよび/またはRは、独立してシクロブチル基、置換シクロブチル基、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、置換シクロヘプチル基、シクロオクチル基、または置換シクロオクチル基であり得る。他の実施形態において、各非水素R、R、Rおよび/またはRは、独立してシクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、または置換シクロヘキシル基、代替的にシクロペンチル基もしくは置換シクロペンチル基、または代替的にシクロヘキシル基もしくは置換シクロヘキシル基であり得る。さらなる実施形態において、各非水素R、R、Rおよび/またはRは、独立してシクロペンチル基、代替的に置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、または代替的に置換シクロヘキシル基であり得る。置換シクロアルキル基に対する置換基は、独立して本明細書に開示され、非水素R基として利用できる置換シクロアルキル基をさらに説明するのに限定されることなく利用され得る。置換シクロアルキル基に対する置換基(一般的もしくは特定の)は、独立して本明細書に開示され、非水素R、R、Rおよび/またはRとして利用できる置換シクロアルキル基をさらに説明するのに限定されることなく利用され得る。
一態様において、非水素R、R、Rおよび/またはRとして利用できるアリール基(置換もしくは未置換)は、独立してC〜C20アリール基(置換もしくは未置換)、代替的にC〜C15アリール基(置換もしくは未置換)、または代替的にC〜C10アリール基(置換もしくは未置換)であり得る。一実施形態において、各R、R、Rおよび/またはRは、独立してフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、または置換ナフチル基であり得る。一実施形態において、各R、R、Rおよび/またはRは、独立してフェニル基もしくは置換フェニル基、代替的にナフチル基もしくは置換ナフチル基、代替的にフェニル基もしくはナフチル基、または代替的に置換フェニル基もしくは置換ナフチル基であり得る。
一実施形態において、非水素のR、R、Rおよび/またはRとして利用できる各置換フェニル基は、独立して2−置換フェニル基、3−置換フェニル基、4−置換フェニル基、2,4−ジ置換フェニル基、2,6−ジ置換フェニル基、3,5−ジ置換フェニル基、または2,4,6−トリ置換フェニル基であり得る。他の実施形態において、非水素のR、R、Rおよび/またはRとして利用できる各置換フェニル基は、独立して2−置換フェニル基、4−置換フェニル基、2,4−ジ置換フェニル基、または2,6−ジ置換フェニル基、代替的に3−置換フェニル基もしくは3,5−ジ置換フェニル基、代替的に2−置換フェニル基もしくは4−置換フェニル基、代替的に2,4−ジ置換フェニル基もしくは2,6−ジ置換フェニル基、代替的に2−置換フェニル基、代替的に3−置換フェニル基、代替的に4−置換フェニル基、代替的に2,4−ジ置換フェニル基、代替的に2,6−ジ置換フェニル基、代替的に3,5−ジ置換フェニル基、または代替的に2,4,6−トリ置換フェニル基であり得る。置換フェニル基(一般的もしくは特定の)に対する置換基は、独立して本明細書に開示され、非水素のR、R、Rおよび/またはRとして利用できる置換フェニル基をさらに説明するのに限定されることなく利用され得る。
本開示に使用するのに適切である好適なポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーの非限定の例として、ポリ(2,4−トルエンスルフィド)、ポリ(4,4’−ビフェニレンスルフィド)、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、ポリ(オルト−フェニレンスルフィド)、ポリ(メタ−フェニレンスルフィド)、ポリ(キシレンスルフィド)、ポリ(エチルイソプロピルフェニレンスルフィド)、ポリ(テトラメチルフェニレンスルフィド)、ポリ(ブチルシクロヘキシルフェニレンスルフィド)、ポリ(ヘキシルドデシルフェニレンスルフィド)、ポリ(オクタデシルフェニレンスルフィド)、ポリ(フェニルフェニレンスルフィド)、ポリ(トリルフェニレンスルフィド)、ポリ(ベンジルフェニレンスルフィド)、ポリ[オクチル−4−(3−メチルシクロペンチル)フェニレンスルフィド]、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーは、ポリ(フェニレンスルフィド)またはPPSを含む。一態様において、PPSは、少なくとも約70、80、90、または95モルパーセントのパラ−フェニレンスルフィド単位を含むポリマーである。別の一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)は、約50、70、80、90、95、または99モルパーセントまでのパラ−フェニレンスルフィド単位を含有できる。いくつかの実施形態において、PPSは、本明細書に開示される任意の最小モルパーセントのパラ−フェニレンスルフィド単位から本明細書に開示される任意の最大モルパーセントのパラ−フェニレンスルフィド単位まで、例えば、約70〜約99モルパーセント、代替的に約70〜約95モルパーセント、または代替的に約80〜約95モルパーセントの−(Ar−S)−単位を含有できる。パラ−フェニレンスルフィド単位に適切な他の範囲は、本開示により当業者には容易に明らかであろう。パラ−フェニレンスルフィド単位の構造は、式IIにより表され得る。
一実施形態において、PPSは、オルト−フェニレンスルフィド基、メタ−フェニレンスルフィド基、置換フェニレンスルフィド基、フェニレンスルホン基、置換フェニレンスルフィド基、または以下の構造を有する基から選択される約30、20、10、または5モルパーセントまでの1種または複数種の単位を含むことができる。
他の実施形態において、PPSは、1種または複数種の以下の構造
[式中、R’およびR”は、独立して、ポリ(アリーレンスルフィド)に対して本明細書に開示される任意のアリーレン置換基から選択できる]を有する約30、20、10、または5モルパーセントまでの単位を含むことができる。他の実施形態において、PPSは、1種または複数種の以下の構造
[式中、R’およびR”は、独立して、ポリ(アリーレンスルフィド)に対して本明細書に開示される任意のアリーレン置換基から選択できる]を有する約30、20、10、または5モルパーセントまでの単位を含むことができる。他の実施形態において、PPSは、1種または複数種の以下の構造
を有する約30、20、10、または5モルパーセントまでの単位を含むことができる。PPSの分子構造は、耐熱性結晶格子を容易に形成して、PPSに約265℃〜約315℃の範囲の高い結晶融点を有する半結晶性モルホロジーを付与できる。その分子構造のため、PPSはまた、燃焼中に炭になり、材料を本質的に耐燃性にする傾向があり得る。さらに、PPSは、通常、約200℃未満の温度で溶媒に溶解しないことがある。
PPSは、The Woodlands,TexasのChevron Phillips Chemical Company LPにより製造され、商品名Ryton(登録商標)PPSで販売されている。ポリ(フェニレンスルフィド)の他の製造業者として、とりわけTicona、東レ、および大日本インキ化学工業が挙げられる。
一般的に、ポリ(アリーレンスルフィド)は、2つのハロゲンを有する少なくとも1種のハロゲン化芳香族化合物、硫黄化合物、および極性有機化合物を接触させてポリ(アリーレンスルフィド)を形成することにより、製造され得る。一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)を製造するプロセスは、ポリ(アリーレンスルフィド)を回収することをさらに備えることができる。いくつかの実施形態において、ポリアリーレンスルフィドは、ポリ(アリーレンスルフィド)を製造できる重合条件下で形成され得る。一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)は、3個以上のハロゲン原子を有するハロゲン化芳香族化合物(例えば、とりわけ1,2,4,−トリクロロベンゼン)の存在下で製造され得る。
同様に、PPSは、少なくとも1種のパラ−ジハロベンゼン化合物、硫黄化合物、極性有機化合物を接触させてPPSを形成することにより、製造され得る。一実施形態において、PPSを製造するプロセスは、PPSを回収することをさらに備えることができる。いくつかの実施形態において、PPSは、PPSを形成できる重合条件下で形成され得る。PPSを製造する場合、製造したPPSがPPSの所望の特色に適合する限り、他のジハロ芳香族化合物も、存在可能である。例えば、一実施形態において、PPSは、置換パラ−ジハロベンゼン化合物および/または3個以上のハロゲン原子を有するハロゲン化芳香族化合物(例えば、とりわけ1,2,4−トリクロロベンゼンもしくは置換もしくは置換1,2,4−トリクロロベンゼンまたは置換1,2,4−トリクロロベンゼン)を利用して、調製され得る。PPSの製造方法は、米国特許第3,919,177号明細書、米国特許第3,354,129号明細書、米国特許第4,038,261号明細書、米国特許第4,038,262号明細書、米国特許第4,038,263号明細書、米国特許第4,064,114号明細書、米国特許第4,116,947号明細書、米国特許第4,282,347号明細書、米国特許第4,350,810号明細書、および米国特許第4,808,694号明細書にさらに詳細に記載されており、その各々は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)を製造するのに採用できる、2つのハロゲンを有するハロゲン化芳香族化合物は、式IIIにより表され得る。
一実施形態において、XおよびXは、独立してハロゲンであり得る。いくつかの実施形態において、各XおよびXは、独立してフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、代替的に塩素、臭素、もしくはヨウ素、代替的に塩素、代替的に臭素、または代替的にヨウ素であり得る。R、R、RおよびRは、式Iを有するポリ(アリーレンスルフィド)に関して本明細書に既に記載されている。これらのR、R、RおよびRの記載の任意の態様および/または実施形態は、式IIIにより表される2つのハロゲンを有するハロゲン化芳香族化合物を説明するのに限定されることなく利用され得る。ポリ(アリーレンスルフィド)を製造するために、ハロゲンXおよびXの位置関係は、オルト、メタ、パラ、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的にオルト、代替的にメタ、または代替的にパラであり得ることを理解されたい。ポリ(アリーレンスルフィド)を製造するのに利用できる、2つのハロゲンを有するハロゲン化芳香族化合物の例として、ジクロロベンゼン(オルト、メタ、および/またはパラ)、ジブロモベンゼン(オルト、メタ、および/またはパラ)、ジヨードベンゼン(オルト、メタ、および/またはパラ)、クロロブロモベンゼン(オルト、メタ、および/またはパラ)、クロロヨードベンゼン(オルト、メタ、および/またはパラ)、ブロモヨードベンゼン(オルト、メタ、および/またはパラ)、ジクロロトルエン、ジクロロキシレン、エチルイソプロピルジブロモベンゼン、テトラメチルジクロロベンゼン、ブチルシクロヘキシルジブロモベンゼン、ヘキシルドデシルジクロロベンゼン、オクタデシルジヨードベンゼン、フェニルクロロブロモベンゼン、トリルジブロモベンゼン、ベンジルジクロロベンゼン、オクチルメチルシクロペンチルジクロロベンゼン、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
ポリ(フェニレンスルフィド)を製造するのに利用できるパラ−ジハロベンゼン化合物は、任意のパラ−ジハロベンゼン化合物であり得る。一実施形態において、PPSの合成に使用できるパラ−ジハロベンゼンは、p−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、1−クロロ−4−ブロモベンゼン、1−クロロ−4−ヨードベンゼン、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得るまたはから本質的になり得る。いくつかの実施形態において、PPSの合成に使用できるパラ−ジハロベンゼンは、p−ジクロロベンゼンを含み得るまたはから本質的になり得る。
いくつかの実施形態において、PPSの合成は、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1−エチル−4−イソプロピル−2,5−ジブロモベンゼン、1,2,4,5−テトラメチル−3,6−ジクロロベンゼン、1−ブチル−4−シクロヘキシル−2,5−ジブロモベンゼン、1−ヘキシル−3−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼン、1−オクタデシル−2,5−ジヨードベンゼン、1−フェニル−2−クロロ−5−ブロモベンゼン、1−(p−トリル)−2,5−ジブロモベンゼン、1−ベンジル−2,5−ジクロロベンゼン、1−オクチル−4−(3−メチルシクロペンチル)−2,5−ジクロロベンゼン、またはそれらの組み合わせをさらに含み得る。
理論に限定されることを望むものではないが、ポリ(アリーレンスルフィド)の合成に採用できる硫黄供給源として、チオスルファート、チオ尿素、チオアミド、単体硫黄、チオカルバマート、金属二硫化物およびオキシスルフィド、チオカルボナート、有機メルカプタン、有機メルカプチド、有機硫化物、アルカリ金属硫化物およびアルカリ金属二硫化物、硫化水素、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。一実施形態において、アルカリ金属硫化物を硫黄供給源として用いることができる。本開示に使用するのに適切なアルカリ金属硫化物は、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム(NaSH)、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、またはそれらの任意の組み合わせを含み得るまたはから本質的になり得る。いくつかの実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)の合成に採用できるアルカリ金属硫化物は、アルカリ金属硫化物の水和物またはアルカリ金属硫化物の水溶液、代替的に含水アルカリ金属硫化物、または代替的にアルカリ金属硫化物の水溶液であり得る。アルカリ金属硫化物の水溶液は、任意の適切な方法論により調製できる。一実施形態において、アルカリ金属硫化物の水溶液は、アルカリ金属水酸化物とアルカリ金属二硫化物との水中での反応により調製され得、または代替的にアルカリ金属水酸化物と硫化水素(HS)との水中での反応により調製され得る。本開示に使用するのに適切な他の硫黄供給源は、米国特許第3,919,177号明細書にさらに詳細に記載されており、それは、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)を調製するプロセスは、アルカリ金属二硫化物を含み得るまたはから本質的になり得る硫黄供給源を利用できる。このような実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)調製のための反応混合物は、塩基を含み得る。このような実施形態において、水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ金属水酸化物を利用できる。このような実施形態において、重合反応を停止させる前に、反応混合物のアルカリ度を下げるのが望ましい。理論に限定されることを望むものではないが、反応混合物のアルカリ度を下げることは、結果として、削減した量の灰が原因となるポリマー構造を形成することになり得る。反応混合物のアルカリ度は、任意の適切な方法論により、例えば重合反応を停止させる前に、酸性溶液を添加することにより、下がり得る。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)の製造に使用するのに適切な硫黄供給源は、硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を水溶液で混ぜ合わせた後に脱水することにより(または代替的にアルカリ金属水酸化物を硫化水素(HS)と混ぜ合わせることにより)調製できる。この手法におけるNaSの生成は、以下の反応式に従って、NaSおよび水(HO)と、NaSHおよびNaOHとの間の平衡反応であるとみなされ得る。
得られる硫黄供給源は、硫化ナトリウム(NaS)と呼ばれ得る。別の一実施形態において、NaSの生成は、極性有機溶媒、例えば、本明細書に開示されるうちでとりわけN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の存在下で実施できる。理論に限定されるものではないが、水とN−メチル−2−ピロリドンの存在下でNaSHとNaOHを反応させることにより硫黄化合物(例えば、硫化ナトリウム)を調製する場合、N−メチル−2−ピロリドンはまた、水酸化ナトリウム(例えば、水性水酸化ナトリウム)と反応して硫化水素ナトリウムとナトリウムN−メチル−4−アミノブタノアート(SMAB)を含有する混合物を生成できる。化学量論的に、全体の反応平衡は、以下の反応式に従っているようである。
しかしながら、この反応式は、単純化されており、実際は、NaS、HO、NaOH、およびNaSH間の平衡、並びに水酸化ナトリウムによるNMPの水が媒介する開環は、かなり複雑であり得ることに留意されたい。
ポリ(アリーレンスルフィド)の調製に利用できる極性有機化合物は、重合中に、ジハロ芳香族化合物、硫黄供給源、および増大するポリ(アリーレンスルフィド)を溶液中に保持するように機能し得る極性有機化合物を含むことができる。一態様において、極性有機化合物は、アミド、ラクタム、スルホン、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的にアミド、代替的にラクタム、または代替的にスルホンを含み得るまたはから本質的になり得る。一実施形態において、極性有機化合物は、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、N,N’−エチレンジピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピロリドン、カプロラクタム、N−エチルカプロラクタム、スルホラン、N,N’−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、低分子量のポリアミド、またはそれらの組み合わせを含み得るまたはから本質的になり得る。一実施形態において、極性有機化合物は、N−メチル−2−ピロリドンを含み得るまたはから本質的になり得る。本開示に使用するのに適切なさらなる極性有機化合物は、D.R.FaheyおよびJ.F.Geibel、Polymetic Materials Encyclopedia、Vol.8(Boca Raton,CRC Press,1996)、6506−6515頁にさらに詳細に記載されており、それは、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)を調製するプロセスは、1種または複数種の追加の試薬を採用できる。例えば、アルカリ金属カルボン酸塩、ハロゲン化リチウム、または水等の分子量変性剤または増強剤を重合中に添加できるまたは生成できる。一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)調製のための反応混合物は、アルカリ金属カルボン酸塩をさらに含み得る。
採用できるアルカリ金属カルボン酸塩として、限定することなく、一般式R’COM(式中、R’は、C〜C20のヒドロカルビル基、C〜C20のヒドロカルビル基、またはC〜Cのヒドロカルビル基であり得る)を有するアルカリ金属カルボン酸塩が挙げられる。いくつかの実施形態において、R’は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、または代替的にアルキル基であり得る。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、本明細書に開示される(例えば、R、R、RおよびRまたは置換基の選択肢として)。これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、限定されることなく、式R’COMを有するアルカリ金属カルボン酸塩のR’をさらに説明するのに利用され得る。一実施形態において、Mは、アルカリ金属であり得る。いくつかの実施形態において、アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、またはセシウム、代替的にリチウム、代替的にナトリウム、または代替的にカリウムを含み得るまたはから本質的になり得る。アルカリ金属カルボン酸塩は、水和物として、または代替的に溶液もしくは水中での分散物として採用され得る。一実施形態において、アルカリ金属カルボン酸塩は、酢酸ナトリウム(NaOAcもしくはNaC)を含み得るまたはから本質的になり得る。
ポリ(アリーレンスルフィド)を製造する一般的な条件は、米国特許第5,023,315号明細書、米国特許第5,245,000号明細書、米国特許第5,438,115号明細書、および米国特許第5,929,203号明細書に概して記載されており、その各々は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。本開示および本明細書に参照により組み込まれる開示において、「急冷」停止プロセスを用いて製造される物質に対して、具体的な言及をすることができるが、他のプロセス(例えば、「フラッシュ」停止プロセス)がポリ(アリーレンスルフィド)の調製に採用され得ることを企図する。急冷停止プロセス以外のプロセスから得られるポリ(アリーレンスルフィド)が、本開示の方法および組成物に適切に採用され得ることを企図する。
一般的に、ポリ(アリーレンスルフィド)を製造する重合プロセスに採用する反応物の比率は、大きく変わり得る。しかしながら、2つのハロゲンを有するハロゲン化芳香族化合物と硫黄化合物との典型的な当量比は、約0.8〜約2、代替的に約0.9〜約1.5、または代替的に約0.95〜約1.3の範囲であり得る。反応物として任意選択で採用するポリハロ置換の芳香族化合物の量は、所望のポリ(アリーレンスルフィド)のメルトフローを付与するように所望の分岐度を実現する任意の量であり得る。一般的に、2つのハロゲンを有するハロゲン化芳香族化合物1モル当たり約0.02モルまでのポリハロ置換芳香族化合物が採用され得る。アルカリ金属カルボン酸塩が分子量変性剤として採用されるならば、アルカリ金属カルボン酸塩とジハロ芳香族化合物とのモル比は、約0.02〜約4、代替的に約0.05〜約3、または代替的に約0.1〜約2の範囲内であり得る。
ポリ(アリーレンスルフィド)を調製するプロセスに採用する極性有機化合物の量は、重合中に広範囲にわたって変わり得る。しかしながら、極性有機化合物と硫黄化合物とのモル比は、通常は、約1〜約10の範囲内である。水酸化ナトリウム等の塩基が、重合反応混合物と接触すると、そのモル比は、一般的に、硫黄化合物1モル当たり約0.5〜約4モルの範囲である。
反応混合物の成分は、互いに任意の順序で接触できる。いくらかの水は、反応物と共に導入され得るが、重合の前に除去され得る。ある場合に、脱水プロセスにおいて水を除去できる。例えば、かなりの量の水(例えば、硫黄化合物1モル当たり約0.3モルを超える水)が存在する場合に、水は脱水プロセスにおいて除去され得る。重合を実施できる温度は、約170℃(347°F)〜約450℃(617°F)の範囲内、または代替的に約200℃(392°F)〜約285℃(545°F)の範囲内であり得る。反応時間は、反応温度に幾分応じてかなり変わり得るが、一般的に約10分〜約3日の範囲内、または代替的に約1時間〜約8時間の範囲内である。反応器の圧力は、ほぼ液相に重合反応混合物を維持するのに十分なだけ必要とされる。このような圧力は、約0psig〜約400psigの範囲、代替的に約30psig〜約300psigの範囲、代替的に約100psig〜約250psigの範囲であり得るであろう。
実質的な重合が起こる温度より低い温度まで反応混合物を冷却する(熱を取り除く)ことにより、重合を停止できる。ある場合において、約235℃未満の温度でポリ(アリーレンスルフィド)が溶液から析出し得るため、反応混合物を冷却することにより、ポリ(アリーレンスルフィド)の回収プロセスも開始する。重合の特質(そのうちでとりわけ温度、溶媒、および水の分量)および反応混合物を冷却するのに採用する方法に応じて、ポリ(アリーレンスルフィド)は、約235℃〜約185℃の範囲の温度で反応溶液から析出し始め得る。一般的に、ポリ(アリーレンスルフィド)の析出が、さらなる重合を妨げ得る。
ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物は、様々な方法を用いて、冷却され得る。一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物から溶媒(例えば、極性有機化合物、水、またはそれらの組み合わせ)のフラッシュ蒸発により、重合を停止できる。溶媒のフラッシュ蒸発を利用して反応を停止させるポリ(アリーレンスルフィド)を調製するプロセスは、フラッシュ停止プロセスと称され得る。他の実施形態において、1)水、2)極性有機化合物、または3)水と極性有機化合物の組み合わせ(代替的に水、または代替的に極性有機化合物)を含む液体またはから本質的になる液体をポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物に添加して、ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物を冷却することにより、重合を停止させることができる。さらに他の実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物への水または極性有機化合物以外の溶媒によって、ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物を冷却することにより重合を停止させることができる。水、極性有機化合物、および/または他の溶媒の添加を利用して反応を停止させる、ポリ(アリーレンスルフィド)を調製するプロセスは、急冷停止プロセスと称され得る。リアクタージャケットまたはコイルを用いることにより、反応混合物の冷却を促進できる。重合を停止させる別の方法として、反応混合物を重合抑制化合物に接触させることが挙げられ得る。重合の停止が、重合成分の完全な反応が起こったことを示唆しないことに留意されたい。さらに、重合の停止が、反応物のさらなる重合が起こり得ないことを示唆すると意味していない。一般的に、経済的理由により、重合がほぼ完結した時点で、またはさらなる反応によりポリマーの分子量が著しく増大しなくなるとされる時点で、停止(およびポリ(アリーレンスルフィド)の回収)が、開始され得る。
一旦ポリ(アリーレンスルフィド)が溶液から析出すると、固体の析出物を液体から分離できる任意のプロセスにより、粒状のポリ(アリーレンスルフィド)を反応混合物のスラリーから回収できる。ポリ(アリーレンスルフィド)を製造するプロセスは、副産物のアルカリ金属ハライドを形成し得ることに留意されたい。副産物のアルカリ金属ハライドは、ポリ(アリーレンスルフィド)を回収するのに用いるプロセス段階中に除去できる。反応混合物のスラリーからポリ(アリーレンスルフィド)を回収するのに利用され得る手順として、i)濾過、ii)ポリ(アリーレンスルフィド)を液体(例えば、水)で洗浄、またはiii)反応混合物を液体(例えば、水)で希釈した後、濾過し、ポリ(アリーレンスルフィド)を液体(例えば、水)で洗浄することが挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、非限定の実施形態において、反応混合物のスラリーを濾過して、析出したポリ(アリーレンスルフィド)を回収し、回収した析出物(ポリ(アリーレンスルフィドと副産物のアルカリ金属ハライドを含有する)を液体(例えば、水)中で懸濁して、続いて濾過してアルカリ金属ハライド副産物(および/または他の液体に可溶の不純物)を除去できる。一般的に、ポリ(アリーレンスルフィド)を液体で懸濁した後、濾過してポリ(アリーレンスルフィド)を回収する段階は、所望のレベルのポリ(アリーレンスルフィド)純度を得るのに必要な回数だけ起こり得る。
一実施形態において、重合プロセスの終わりに、極性有機化合物を回収することもできる。例えば、濾過により、ポリ(アリーレンスルフィド)を回収しているならば、濾液(例えば、濾過プロセスでの液相)は、極性有機化合物を含み得る。このような濾液に液体−液体での抽出プロセスを施して、極性有機化合物を回収することができる。例えば、極性有機化合物がNMPである場合、濾液をアルコール(例えば、1−ヘキサノール)で処理して、アルコール(例えば、1−ヘキサノール)を含む相中にNMPを回収できる。ポリ(アリーレンスルフィド)を製造する続いての重合プロセスで、回収したNMPをリサイクル/再利用できる。
一態様において、本明細書に記載されるポリ(アリーレンスルフィド)は、溶融処理により、さらに処理され得る。一実施形態において、溶融処理は、概して、ポリ(アリーレンスルフィド)を柔軟な状態または「成形可能な状態」にし得る任意のプロセス、段階であり得る。一実施形態において、溶融処理は、プロセスを施される少なくとも一部のポリマー組成物または混合物が溶融形態である段階であり得る。いくつかの実施形態において、少なくとも一部のポリマー組成物または混合物を溶融することにより、溶融処理を実施できる。いくつかの実施形態において、外部から印加した熱を用いて、溶融処理段階を実施できる。他の実施形態において、溶融処理段階自体が、混合物、ポリマー、またはポリマー組成物を溶融(または部分的に溶融)するのに必要な熱を生み出すことができる。一実施形態において、溶融処理段階は、押出プロセス、溶融混錬プロセス、または成形プロセスであり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の任意の方法の溶融処理段階は、押出プロセス、代替的に溶融混錬プロセス、または代替的に成形プロセスであり得る。本明細書に記載される任意のプロセスが、複数の溶融処理段階を採用する場合、その各溶融プロセス段階は、互いに他の段階から独立しているため、各々の溶融処理段階は、同一の溶融処理方法を用いることも異なる溶融処理方法を用いることも可能であることに留意されたい。他の溶融処理方法は、当業者には公知であり、溶融処理段階として利用できる。
ポリ(アリーレンスルフィド)は、多様な範囲の用途および業界の様々な構成部品または製品に形成または成形され得る。例えば、ポリ(アリーレンスルフィド)は、様々なプロセス、機器、および操作において、加熱されて、所望の形状および複合材に成形され得る。例えば、ポリ(アリーレンスルフィド)に加熱、混ぜ合わせ、射出成形、吹込成形、精密成形、インフレーション成形、押出成形等を施すことができる。さらに、本明細書に記載するような添加剤をポリ(アリーレンスルフィド)内にブレンドまたは混ぜ合わせることができる。このような技法の産出物として、例えば、ポリ(アリーレンスルフィド)を含むポリマー中間体または複合材、およびポリ(アリーレンスルフィド)から形成される工業製品の構成部品または部品等が挙げられ得る。これらの製造構成部品は、使用者に直接販売または送付され得る。一方、構成部品は、例えば、特性のうちとりわけ伝導性、高強度、および高い弾性率を有するポリマーを必要とすることがある、生産企業、消費者、自動車業界、航空宇宙業界、ソーラーパネル業界、および電気/電子業界において、最終製品にさらに加工または組み立てられ得る。最終製品のいくつかの例として、限定されることなく、合成繊維、織物、石炭ボイラー用の濾布、抄紙用フェルト、電気絶縁体、機能膜、ガスケット、および包装材料が挙げられる。
一実施形態において、本開示の方法は、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させてその中のチオフェノールの濃度を低下させることを含む。本明細書において本開示の目的上、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物中に存在するチオフェノールの濃度または量は、「遊離チオフェノール」の量、例えば、未反応のチオフェノールまたはチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と反応しなかったチオフェノールの量を指す。一実施形態において、処理前のポリ(アリーレンスルフィド)組成物は、測定可能な量のチオフェノールまたは遊離チオフェノールを含む。このような一実施形態において、処理(例えば、チオフェノール除去剤との反応)中、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物のかなりの量の遊離チオフェノールが、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と反応して、例えば結合したチオフェノール、共有結合したチオフェノール、封鎖されたチオフェノール等を含む反応生成物等のチオフェノール反応生成物を形成する場合がある。このようなチオフェノール反応生成物は、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物から除去されても除去されなくてもよい。本明細書において本開示の目的上、チオフェノール反応生成物に変換したチオフェノールの量は、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物から「除去された」とみなされ、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物からチオフェノール反応生成物の物理的除去にかかわりなく、その中で低下したチオフェノール濃度または量を有すると考えられる。さらに、本明細書において本開示の目的上、用語チオフェノール「の量を削減する」および/または「の濃度を下げる」は、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物からのチオフェノール反応生成物の物理的除去を必ずしも意味しない。本開示の方法は、物理的にかまたは化学反応(例えば、チオフェノール除去剤との反応)によるかどちらかで、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物からかなりの量のチオフェノールを除去することを備え、これらの方法は、いずれかのチオフェノール反応生成物がポリ(アリーレンスルフィド)組成物から除去されるかどうかにかかわらず、総称してチオフェノールの「濃度の低下」または「量の削減」と呼ばれる。本明細書において本開示の目的上、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物中でのチオフェノールの%低下は、式1
[式中、cTiは、処理前のポリ(アリーレンスルフィド)組成物中のチオフェノールの濃度またはポリ(アリーレンスルフィド)組成物中のチオフェノールの初期の濃度であり、cTfは、処理済みのポリ(アリーレンスルフィド)組成物中のチオフェノールの濃度またはポリ(アリーレンスルフィド)組成物中のチオフェノールの最終濃度である]に基づいて算出されてよい。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物は、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー、極性有機化合物、およびチオフェノールを含む。一実施形態において、本開示の方法は、ポリ(アリーレンスルフィド)重合反応の完了の際に、バッチ重合反応器内で、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させることを含む。代替的な一実施形態において、本開示の方法は、ポリ(アリーレンスルフィド)の重合反応が進行している間に、バッチ重合反応器内で、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させることを含む。別の一実施形態において、本開示の方法は、例えば、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)を重合反応器の供給流の1つに同時供給することによる等、連続重合反応器内でポリ(アリーレンスルフィド)組成物をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させることを含む。さらに別の実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物を含む流体の流れ(例えば、放出流)は、重合反応器から回収され、このような流体の流れは、例えば連続またはバッチ方式において、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物と接触される。いくつかの実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物は、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触する前に、重合反応器から取り出され、保存され得る。
理論に限定されることを望むものではないが、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)が、極性有機化合物および粒状ポリマーを含む組成物と接触する場合、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)が、極性有機化合物(例えば、NMP)に存在するチオフェノールと反応して優先的にチオフェノールを除去できると思われる。
代替的な一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物の1種または複数種の成分の1つまたは複数の分離段階が、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物中のチオフェノールの量を削減する処理の前に、処理と同時におよび/または処理に続いて、実施され得る。一実施形態において、任意の適切な分離方法を用いることにより、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを極性有機化合物から分離できる。本開示に使用するのに適切な分離方法の非限定の例として、反応器の生成物から極性有機化合物(例えば、NMP)をフラッシングまたはスクリーニングで取り除きポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを回収すること;溶媒を蒸発(例えば、フラッシング)させてポリマーから溶媒を除去すること;およびデカンテーション、濾過、遠心分離等の分離技法による、液相としての極性有機化合物(例えば、NMP)から、固相としてのポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーの固体−液体分離が挙げられる。
当業者が理解するように、本開示の方法に適合する任意の処理および分離シーケンスを使用できる。処理および分離シーケンスの非限定の例として、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物の1種または複数種の成分を分離した後、分離した成分を処理することと、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物を処理した後、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物の1種または複数種の成分を分離すること等が挙げられる。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と最初に接触させた後、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物の1種または複数種の成分を分離することができる。例えば、重合反応器内でポリ(アリーレンスルフィド)組成物をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させた後、反応器内に処理済みのポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを残して、処理済みの極性有機化合物(例えば、NMP)を反応器からフラッシュすることができる。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物の1種または複数種の成分を最初に分離した後、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させることができる。一実施形態において、分離容器中でまたは分離容器の下流で、例えば分離されたポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーおよび/または分離された極性有機化合物(例えば、NMP)等の分離した成分をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させることができる。別の一実施形態において、成分(例えば、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーと極性有機化合物(例えば、NMP))を重合反応器から取り出して、任意選択で保存して、2種以上の流れ(例えば、分離されたPPSポリマー流と分離されたNMP溶媒流)に分離した後、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させることができる。
一実施形態において、分離処理済みのポリ(アリーレンスルフィド)組成物の成分(例えば、分離処理済みのポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーおよび/または分離処理済みの極性有機化合物(例えば、NMP))をさらに保存できるおよび/または任意の適切な用途に使用できる。例えば、分離処理した有機極性化合物(例えば、NMP)をさらに保存して、任意の適切な用途に使用できるおよび/または本明細書に既に記載した、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを製造するプロセスでリサイクル/再利用できる。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを製造するための重合条件が、重合プロセス中に望ましくない量のチオフェノールが製造されるような条件であり得る。このような重合条件の一例は、化学量論比よりも小さい、ハロゲン化芳香族化合物(例えば、ジクロロベンゼン)と硫黄化合物とのモル比であるが、これに限定されない。このような化学量論比よりも小さいモル比は、例えば、反応器への反応物の不規則な装填量または過度な反応時間等の非常に多くの原因があり、それらが、2つのハロゲンを有するハロゲン化芳香族化合物を非反応性の種に変換し得る副反応の原因となり得る。理論に限定されることを望むものではないが、チオフェノールは、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを製造するための重合反応中に連鎖停止剤として作用できるため、同様の条件下であるがチオフェノールの不在下で取得されるポリマーに対してよりも短いポリマー鎖と小さい分子量を有するポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを導くこととなる。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを調製するプロセスは、ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー、極性有機化合物(例えば、NMP)、およびチオフェノールを含むポリ(アリーレンスルフィド)組成物を製造し得る。チオフェノールは、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物中に望ましくない量で存在することもある。望ましくない量のチオフェノールは、極性有機化合物(例えば、NMP)の総重量を基準として、約1重量%以上、代替的に約5重量%超、代替的に約10重量%超、代替的に約15重量%超、代替的に約20重量%超、代替的に約25重量%超、代替的に約30重量%超、または代替的に約35重量%超の量でポリ(アリーレンスルフィド)組成物中に存在する任意の量のチオフェノールであり得る。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物は、本明細書に既に記載したように、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触できる。このような一実施形態において、処理済みのポリ(アリーレンスルフィド)組成物は、極性有機化合物(例えば、NMP)の総重量を基準として、約1重量%未満、代替的に約0.5重量%未満、代替的に約0.1重量%未満、代替的に約0.05重量%未満、代替的に約0.01重量%未満、または代替的に約0.005重量%未満の量で、許容量のチオフェノールを含み得る。一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)と接触させることにより、結果として、約85%のチオフェノールの削減、代替的に約95%のチオフェノールの削減、または代替的に約99%のチオフェノールの削減となる。
一実施形態において、チオフェノール除去剤は、炭素−炭素二重結合を有する化合物を含む。このような一実施形態において、チオフェノール除去剤として利用できる炭素−炭素二重結合を有する化合物は、α,β−不飽和エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和ケトン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態において、チオフェノール除去剤は、α,β−不飽和エステル、α,β−不飽和アミド、α,β−不飽和ケトン、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的に、α,β−不飽和エステル、代替的にα,β−不飽和アミド、または代替的にα,β−不飽和ケトンを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
理論に限定されることを望むものではないが、チオフェノール除去剤は、チオール−エン型の反応においてチオフェノールを結合させることにより、チオフェノールを除去できる。さらに、理論に限定されることを望むものではないが、チオール−エン反応は、炭素−炭素の二重または三重結合に対するS−H結合の付加反応と概して定義され得る。
一実施形態において、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物をチオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)で処理することにより、結果としてチオール−エン反応生成物またはチオフェノール反応生成物になり得る。このような一実施形態において、チオール−エン反応生成物またはチオフェノール反応生成物は、当業者が理解するように、任意の適切な方法論(例えば、分離、濾過、抽出等)を用いて、本開示の助力で処理済みのポリ(アリーレンスルフィド)組成物から除去され得る。
一実施形態において、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)は、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物中に存在するチオフェノール1当量当たり、少なくとも1化学当量のチオフェノール除去剤、代替的に少なくとも1.5化学当量のチオフェノール除去剤、または代替的に少なくとも2化学当量のチオフェノール除去剤の化学量論比で、チオフェノールを含むポリ(アリーレンスルフィド)組成物と接触できる。
一実施形態において、チオフェノール除去剤(例えば、α,β−不飽和化合物)は、約200℃以下、代替的に約20℃〜約200℃、代替的に約20℃〜約150℃、代替的に約20℃〜約100℃、または代替的に約20℃〜約50℃の温度で、チオフェノールを含むポリ(アリーレンスルフィド)組成物と接触できる。
一実施形態において、α,β−不飽和エステル、α,β−不飽和アミドまたはα,β−不飽和ケトンは、炭素−炭素二重結合に結合する少なくとも1つのエステル基、1つのアミド基、または1つのケトン基、代替的に炭素−炭素二重結合に結合する少なくとも2つのエステル基、アミド基、またはケトン基を有することができる。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和エステル、α,β−不飽和アミド、またはα,β−不飽和ケトンは、炭素−炭素二重結合に結合する1つだけのエステル基、アミド基、またはケトン基を有し、代替的に炭素−炭素二重結合に結合する2つだけのエステル基、アミド基、またはケトン基を有する。
一実施形態において、α,β−不飽和エステルは、C〜C30α,β−不飽和エステル、代替的にC〜C20α,β−不飽和エステル、代替的に、または代替的にC10〜C15α,β−不飽和エステルであり得る。α,β−不飽和エステルが、炭素−炭素二重結合に結合する1つだけのエステル基を有する場合、化合物は、アクリレートであり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和エステル化合物は、構造A1
[式中、指定されていない原子価は、構造A1の残部を表す]を有する基を含むことができる。一態様において、A1基のR21、R22、およびR23は、H、オルガニル基、またはヒドロカルビル基、代替的にHまたはオルガニル基、または代替的にHまたはヒドロカルビル基であり得る。オルガニル基およびヒドロカルビル基は、既に本明細書において説明されており、限定されることなく、チオフェノール除去剤として利用できるα,β−不飽和エステル化合物に存在可能である構造A1を含むα,β−不飽和エステルのR21、R22、およびR23をさらに説明するために、利用され得る。いくつかの特定の非限定の実施形態において、R21,R22、およびR23は、Hであり(アクリレート)、R21、R22は、Hであり、およびR21,R22、およびR23は、メチル基であり(メタクリレート)、またはそれらの組み合わせであり、代替的にR21,R22、およびR23は、Hであり(アクリレート)、または代替的にR21,R22は、Hであり、およびR23は、メチル基である(メタクリレート)。α,β−不飽和エステル分子が、2つ以上のA1基を含む場合、追加のA1基は、R21,R22、R23、または指定されていない酸素原子価内に位置され得る。いくつかの特定の実施形態において、α,β−不飽和エステル分子が、2つ以上のA1基を含む場合、追加のA1基は、指定されていない酸素原子価内に位置できる。
本明細書に記載される様々な態様および実施形態は、置換基(substituents)または置換基(substituent groups)を示す。一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の各R21、R22、およびR23置換基は、独立して、ハライド、ヒドロカルビル基、またはヒドロカルボキシ基、代替的にハライドまたはヒドロカルビル基、代替的にハライドまたはヒドロカルボキシ基、代替的にヒドロカルビル基またはヒドロカルボキシ基、代替的にハライド、代替的にヒドロカルビル基、または代替的にヒドロカルボキシ基であり得る。いくつかの実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の各R21、R22、およびR23置換基は、独立して、ハライド、C〜C10ヒドロカルビル基、またはC〜C10ヒドロカルボキシ基、代替的にハライドまたはC〜C10ヒドロカルビル基、代替的にハライドまたはC〜C10ヒドロカルボキシ基、代替的にC〜C10ヒドロカルビル基またはC〜C10ヒドロカルボキシ基、代替的にハライド、代替的にC〜C10ヒドロカルビル基、または代替的にC〜C10ヒドロカルボキシ基であり得る。他の実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の各R21、R22、およびR23置換基は、独立して、ハライド、C〜Cヒドロカルビル基、またはC〜Cヒドロカルボキシ基、代替的にハライドまたはC〜Cヒドロカルビル基、代替的にハライドまたはC〜Cヒドロカルボキシ基、代替的にC〜Cヒドロカルビル基またはC〜Cヒドロカルボキシ基、代替的にハライド、代替的にC〜Cヒドロカルビル基、または代替的にC〜Cヒドロカルボキシ基であり得る。
一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のハライド置換基は、フルオリド、クロリド、ブロミド、またはヨージド、代替的にフルオリドまたはクロリドであり得る。いくつかの実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のハライド置換基は、フルオリド、代替的にクロリド、代替的にブロミド、または代替的にヨージドであり得る。
一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のヒドロカルビル置換基は、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基、代替的にアルキル基、代替的にアリール基、または代替的にアラルキル基であり得る。一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアルキル置換基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、tert−ペンチル基、3−メチル−1−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、またはneo−ペンチル基、代替的にメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、またはneo−ペンチル基、代替的にメチル基、代替的にエチル基、代替的にイソプロピル基、代替的にtert−ブチル基、または代替的にneo−ペンチル基であり得る。一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアリール置換基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、または2,4,6−トリメチルフェニル基、代替的にフェニル基、代替的にトリル基、代替的にキシリル基、または代替的に2,4,6−トリメチルフェニル基であり得る。一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアラルキル置換基は、ベンジル基またはエチルフェニル基(2−フェニルエタ−1−イルまたは1−フェニルエタ−1−イル)、代替的にベンジル基、代替的にエチルフェニル基、代替的に2−フェニルエタ−1−イル基、または代替的に1−フェニルエタ−1−イル基であり得る。
一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のヒドロカルボキシ置換基は、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはアラルコキシ基、代替的にアルコキシ基、代替的にアリールオキシ基、またはアラルコキシ基であり得る。一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアルコキシ置換基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、2−ペントキシ基、3−ペントキシ基、2−メチル−1−ブトキシ基、tert−ペントキシ基、3−メチル−1−ブトキシ基、3−メチル−2−ブトキシ基、またはneo−ペントキシ基、代替的にメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、またはneo−ペントキシ基、代替的にメトキシ基、代替的にエトキシ基、代替的にイソプロポキシ基、代替的にtert−ブトキシ基、または代替的にneo−ペントキシ基であり得る。一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアリールオキシ置換基は、フェノキシ基、トロキシ基、キシロキシ基、または2,4,6−トリメチルフェノキシ基、代替的にフェノキシ基、代替的にトロキシ基、代替的にキシロキシ基、または代替的に2,4,6−トリメチルフェノキシ基であり得る。一実施形態において、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアラルコキシ置換基は、ベンゾキシ基であり得る。
一実施形態において、α,β−不飽和エステル組成物は、構造A1を有する少なくとも2つのα,β−不飽和エステル基を有するα,β−不飽和エステルを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和エステル組成物は、構造A1を有する少なくとも3つのα,β−不飽和エステル基を有するα,β−不飽和エステルを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和エステル組成物は、構造A1を有するα,β−不飽和エステル分子の混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。α,β−不飽和エステル組成物が、α,β−不飽和エステル分子の混合物を含む、から本質的になる、またはからなる場合、α,β−不飽和エステル分子は、α,β−不飽和エステル1分子当たり少なくとも平均1.5の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基、代替的にα,β−不飽和エステル1分子当たり少なくとも平均2の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基;代替的にα,β−不飽和エステル1分子当たり少なくとも平均2.5の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基;または代替的にα,β−不飽和エステル1分子当たり少なくとも平均3の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基を有することができる。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和エステル分子は、α,β−不飽和エステル1分子当たり平均1.5〜12の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基;代替的にα,β−不飽和エステル1分子当たり平均1.5〜9の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基、代替的にα,β−不飽和エステル1分子当たり平均2〜7の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基、代替的にα,β−不飽和エステル1分子当たり平均2〜5の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基、または代替的にα,β−不飽和エステル1分子当たり平均2〜4の、構造A1を有するα,β−不飽和エステル基を有することができる。
α,β−不飽和エステル組成物を含むα,β−不飽和エステルは、アルコールまたは多価アルコール(またはポリオール)とα,β−不飽和カルボン酸のエステルとして説明され得る。この説明は、アルコールまたはポリオールをα,β−不飽和カルボン酸と接触させることにより不飽和エステルを調製することを意味するように思われるが、α,β−不飽和エステルは、方法のうちとりわけアルコールまたはポリオールとα,β−不飽和カルボン酸との反応、アルコールまたはポリオールとα,β−不飽和カルボン酸無水物との反応、単純なα,β−不飽和エステルとアルコールまたはポリオールとのエステル交換反応、アルコールまたはポリオールとα,β−不飽和カルボン酸ハライドとの反応をはじめとする多数の方法により調製され得ることを当業者ならば分かるであろう。従って、α,β−不飽和エステルを説明する手法は、α,β−不飽和エステルを製造できる方法を限定しない。アルコールまたはポリオール成分は、任意の脂肪族アルコールまたはポリオール、脂環式アルコールまたはポリオール、または芳香族アルコールまたはポリオールを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。α,β−不飽和エステル成分のα,β−不飽和部分は、構造A1を有する酸誘導体から誘導されることができ、構造A1において、任意のα,β−不飽和酸または指定されていない原子価は、水素、−OR’基(式中、R’は、HまたはC〜C20オルガニル基から選択される)、またはハライド原子であり得る。
一実施形態において、アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とのエステルと説明されるα,β−不飽和エステル組成物のアルコールは、1個のアルコール基を含み得る。一実施形態において、アルコールとα,β−不飽和酸とのエステルと説明されるα,β−不飽和エステル組成物のアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、イソオクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、脂肪アルコール等、またはそれらの組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。本開示に使用するのに適切な脂肪アルコールの非限定の例として、限定することなく、カプリルアルコール(すなわち、1−オクタノール)、2−エチルヘキサノール(すなわち、2−オクタノール)、ペラルゴンアルコール(すなわち、1−ノナノール)、カプリンアルコール(すなわち、1−デカノール)、ウンデシルアルコール(すなわち、1−ウンデカノール)、ラウリルアルコール(すなわち、1−ドデカノール)、トリデシルアルコール(すなわち、1−トリデカノール)、ミリスチルアルコール(すなわち、1−テトラデカノール)、ペンタデシルアルコール(すなわち、1−ペンタデカノール)、セチルアルコール(すなわち、1−ヘキサデカノール)、パルミトレオイルアルコール(すなわち、シス−9−ヘキサデセン−1−オール)、ヘプタデシルアルコール(すなわち、1−n−ヘプタデカノール、ヘプタデカノール)、ステアリルアルコール(すなわち、1−オクタデカノール)、イソステアリルアルコール(すなわち、16−メチルヘプタデカン−1−オール)、エライジルアルコール(すなわち、9E−オクタデセン−1−オール)、オレイルアルコール(すなわち、シス−9−オクタデセン−1−オール)、リノレイルアルコール(すなわち、9Z,12Z−オクタデカジエン−1−オール)、エライドリノレイルアルコール(すなわち、9E,12E−オクタデカジエン−1−オール)、リノレニルアルコール(すなわち、9Z,12Z,15Z−オクタデカトリエン−1−オール)、エライドリノレニルアルコール(すなわち、9E,12E,15−E−オクタデカトリエン−1−オール)、リシノレイルアルコール(すなわち、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン−1−オール)、ノナデシルアルコール(すなわち、1−ノナデカノール)、アラキジルアルコール(すなわち、1−エイコサノール)、ヘンエイコシルアルコール(すなわち、1−ヘンエイコサノール)、ベヘニルアルコール(すなわち、1−ドコサノール)、エルシルアルコール(すなわち、シス−13−ドコセン−1−オール)、リグノセリルアルコール(すなわち、1−テトラコサノール)、セリルアルコール(すなわち、1−ヘキサコサノール)、1−ヘプタコサノール、モンタニルアルコールもしくはクルイチルアルコール(すなわち、1−オクタコサノール)、1−ノナコサノール、ミリシルアルコールもしくはメリシルアルコール(すなわち、1−トリアコンタノール)、1−ドトリアコンタノール、ゲジルアルコール(すなわち、1−テトラトリアコンタノール)、セテアリールアルコール(すなわち、セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物)等、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
代替的な一実施形態において、ポリオールとα,β−不飽和カルボン酸とのエステルとして記載するα,β−不飽和エステル組成物のポリオールは、少なくとも2個のアルコール基、代替的に少なくとも3個のアルコール基、または代替的に少なくとも4個のアルコール基を含み得る。いくつかの実施形態において、ポリオールは、アルコール1分子当たり少なくとも平均1.5個のアルコール基、代替的にアルコール1分子当たり少なくとも平均2個のアルコール基、代替的にアルコール1分子当たり少なくとも平均2.5個のアルコール基、代替的にアルコール1分子当たり少なくとも平均3個のアルコール基、代替的にアルコール1分子当たり平均1.5〜12個のアルコール基、代替的にアルコール1分子当たり平均1.5〜9個のアルコール基、代替的にアルコール1分子当たり平均2〜7個のアルコール基、代替的にアルコール1分子当たり平均2〜5個のアルコール基、または代替的にアルコール1分子当たり平均2〜4個のアルコール基を有するアルコールの混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
一実施形態において、ポリオールとα,β−不飽和酸とのエステルとして記載するα,β−不飽和エステル組成物のポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、106〜1000の分子量を有するポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、グリセロール、2,2−ジメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、1,2,4−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、1,2−ベンゼンジオール(ピロカテコール)、1,3−ベンゼンジオール(レソルシノール)、1,4−ベンゼンジオール、メチルカテコール、メチルレソルシノール、1,2,4−ベンゼントリオール、2−ヒドロキシベンジルアルコール、3−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、2−(2−ヒドロキシフェニル)エタノール、2−(3−ヒドロキシフェニル)エタノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、2−フェニル−1,2−プロパンジオール、ビスフェノールA(2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)、ビスフェノールZ(4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール)、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、ポリオールは、ポリオールまたはポリオールの混合物のエトキシラート、プロポキシラート、または混合エトキシラート/プロポキシラートを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。他の実施形態において、ポリオールは、ポリオール1モル当たり2〜400モルのエチレンオキシドを含有するポリオールエトキシラート生成物を含む。
一実施形態において、ポリオールとα,β−不飽和カルボン酸とのエステルとして記載するα,β−不飽和エステル組成物のα,β−不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、2−ペンテン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、シトラコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和酸は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的にアクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的にアクリル酸、代替的にメタクリル酸、または代替的にマレイン酸を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。アルコールまたはポリオールとα,β−不飽和カルボン酸とのエステルとして記載するα,β−不飽和エステル組成物が、α,β−不飽和酸とアルコールまたはポリオールとを接触させることにより調製されない場合、α,β−不飽和エステルの調製において、本開示のカルボン酸の適切なα,β−不飽和カルボン酸誘導体、例えば、カルボン酸無水物、単純なカルボン酸エステル、またはカルボン酸ハライドが、利用され得ることを当業者ならば分かるであろう。
α,β−不飽和エステル組成物のうちで、使用され得る2種の一般的部類のα,β−不飽和エステルは、アクリレート化合物およびメタクリレート化合物である。従って、実施形態において、α,β−不飽和エステル組成物は、アクリレート組成物、メタクリレート組成物、またはアクリレートおよびメタクリレートを含む組成物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和エステル組成物は、アクリレート組成物、代替的にメタクリレート組成物、または代替的にアクリレートおよびメタクリレートの混合物を含む、から本質的になる、またはからなる組成物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。一般に、本発明のポリ(β−チオエーテルエステル)を形成するのに利用するアクリレート/メタクリレート組成物は、本明細書に記載されるα,β−不飽和エステル1分子当たりのα,β−不飽和エステル基と、アクリレート/メタクリレート1分子当たりの同一の量のアクリレートおよび/またはメタクリレート基を有し得る。いくつかの実施形態において、アクリレート組成物は、アクリレート、ジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート、またはそれらの混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。他の実施形態において、メタクリレート組成物は、メタクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレート、テトラメタクリレート、またはそれらの混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。さらに他の実施形態において、アクリレートおよびメタクリレートの混合物含む組成物は、少なくとも1種のアクリレート、ジアクリレート、トリアクリレート、またはテトラアクリレートおよび少なくとも1種のメタクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレート、またはテトラメタクリレートの組み合わせを含み得る。
一実施形態において、アクリレート組成物のうちで利用できるアクリレートは、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ミリスチルアクリレート、ペンタデシルアクリレート、セチルアクリレート、パルミトレイルアクリレート、オレイルアクリレート、ヘプタデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エライジルアクリレート、オレイルアクリレート、リノレイルアクリレート、エライドリノレイルアクリレート、リノレニルアクリレート、エライドリノレニルアクリレート、リシノレイルアクリレート、ノナデシルアクリレート、アラキジルアクリレート、ヘンエイコシルアクリレート、ベヘニルアクリレート、エルシルアクリレート、リグノセリルアクリレート、セリルアクリレート、1−ヘプタコサニルアクリレート、モンタニルアクリレート、1−ノナコサニルアクリレート、ミリシルアクリレート、1−ドトリアコンタニルアクリレート、ゲッジルアクリレート、セテアリールアクリレート等、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。代替的に、一実施形態において、アクリレート組成物のうちで使用できるアクリレートは、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,2−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,2−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,2−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,2−オクタンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,2−デカンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロール1,3−ジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ソルビトールジアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、1,2,4−ブタンジオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、1−フェニルエチレン−1,2−ジアクリレート、1,4−ベンゼンジオールジアクリレート、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、アクリレート組成物のうちで利用できるアクリレートは、ビスフェノールAジアクリレート(2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート)、ビスフェノールFジアクリレート(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジアクリレート)、ビスフェノールSジアクリレート(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンジアクリレート)、ビスフェノールZジアクリレート(4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールジアクリレート)、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールAグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールAプロポキシレート/エトキシレートジアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールFエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールFプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールFグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールFプロポキシレート/エトキシレートジアクリレート、ビスフェノールFエトキシレートグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールFプロポキシレートグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールSエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールSプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールSグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールSプロポキシレート/エトキシレートジアクリレート、ビスフェノールSエトキシレートグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールSプロポキシレートグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールZエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールZプロポキシレートジアクリレート、ビスフェノールZグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールZプロポキシレート/エトキシレートジアクリレート、ビスフェノールZエトキシレートグリセロレートジアクリレート、ビスフェノールZプロポキシレートグリセロレートジアクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンエトキシレートジアクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンプロポキシレートジアクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタングリセロレートジアクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンプロポキシレート/エトキシレートジアクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンエトキシレートグリセロレートジアクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンプロポキシレートグリセロレートジアクリレート、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
一実施形態において、メタクリレート組成物のうちで利用できるメタクリレートは、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、ペンタデシルメタクリレート、セチルメタクリレート、パルミトレイルメタクリレート、オレイルメタクリレート、ヘプタデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、エライジルメタクリレート、オレイルメタクリレート、リノレイルメタクリレート、エライドリノレイルメタクリレート、リノレニルメタクリレート、エライドリノレニルメタクリレート、リシノレイルメタクリレート、ノナデシルメタクリレート、アラキジルメタクリレート、ヘンエイコシルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、エルシルメタクリレート、リグノセリルメタクリレート、セリルメタクリレート、1−ヘプタコサニルメタクリレート、モンタニルメタクリレート、1−ノナコサニルメタクリレート、ミリシルメタクリレート、1−ドトリアコンタニルメタクリレート、ゲッジルメタクリレート、セテアリールメタクリレート等、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。一実施形態において、メタクリレート組成物のうちで使用できるメタクリレートは、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、1,2−プロパンジオールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,2−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,2−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、1,2−オクタンジオールジメタクリレート、1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,2−デカンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロール1,3−ジメタクリレート、グリセロールトリメタクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールジメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタメタクリレート、ソルビトールヘキサメタクリレート、1,2,4−ブタンジオールトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジメタクリレート、1−フェニルエチレン−1,2−ジメタクリレート、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、メタクリレート組成物のうちで利用できるメタクリレートは、ビスフェノールAジメタクリレート(2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート)、ビスフェノールFジメタクリレート(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジメタクリレート)、ビスフェノールZジメタクリレート(4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールジメタクリレート)、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンジメタクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートジメタクリレート、ビスフェノールAグリセロレートジメタクリレート、ビスフェノールAプロポキシレート/エトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールAエトキシレートグリセロレートジメタクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートグリセロレートジメタクリレート、ビスフェノールFエトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールFプロポキシレートジメタクリレート、ビスフェノールFグリセロレートジメタクリレート、ビスフェノールFプロポキシレート/エトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールFエトキシレートグリセロレートジメタクリレート、ビスフェノールFプロポキシレートグリセロレートジメタクリレート、ビスフェノールZエトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールZプロポキシレートジメタクリレート、ビスフェノールZグリセロレートジメタクリレート、ビスフェノールZプロポキシレート/エトキシレートジメタクリレート、ビスフェノールZエトキシレートグリセロレートジメタクリレート、ビスフェノールZプロポキシレートグリセロレートジメタクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンエトキシレートジメタクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンプロポキシレートジメタクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタングリセロレートジメタクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンプロポキシレート/エトキシレートジメタクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンエトキシレートグリセロレートジメタクリレート、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタンプロポキシレートグリセロレートジメタクリレート、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
一実施形態において、α,β−不飽和アミドは、C〜C30α,β−不飽和アミド、代替的にC〜C20α,β−不飽和アミド、代替的にまたは代替的にC10〜C15α,β−不飽和アミドであり得る。α,β−不飽和アミドが、炭素−炭素二重結合に結合するアミド基を1個のみ有する場合、その化合物は、アクリルアミドであり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和アミドは、構造A2
[式中、指定されていない原子価は、構造A2の残部を表す]を有する基を含み得る。一態様において、A2基のR31、R32、およびR33は、H、オルガニル基、もしくはヒドロカルビル基、代替的にHもしくはオルガニル基、または代替的にH、もしくはヒドロカルビル基であり得る。オルガニル基およびヒドロカルビル基は、既に本明細書において説明されており、α,β−不飽和アミド化合物中に存在し得て、チオフェノール除去剤として利用できる、構造A2を含むα,β−不飽和アミドのR31、R32、およびR33をさらに説明するために、限定することなく利用され得る。いくつかの特定の非限定の実施形態において、R31、R32、およびR33は、Hであり(アクリルアミド)、またはR31、R32はH、R33は、メチル基であり(メタクリルアミド)またはそれらの組み合わせであり、代替的にR31、R32、およびR33は、Hであり(アクリルアミド)、または代替的にR31、R32はH、R33はメチル基であり(メタクリルアミド)である。α,β−不飽和アミド分子が、2個以上のA2基を含む場合、追加のA2基は、R、R、R内におよび/または指定されていない窒素の原子価のうちの1つ内に位置できる。いくつかの特定の実施形態において、α,β−不飽和アミドが、2個以上のA2基を含む場合、追加のA2基は、指定されていない窒素の原子価内に位置できる。R21、R22、およびR23置換基を説明するのに使用する置換基のいずれも、それぞれR31、R32、およびR33置換基を説明するのに使用され得る。
一実施形態において、α,β−不飽和アミド組成物は、構造A2を有する少なくとも2個のα,β−不飽和アミド基を有するα,β−不飽和アミドを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和アミド組成物は、構造A2を有する少なくとも3個のα,β−不飽和アミド基を有するα,β−不飽和アミドを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。他の実施形態において、α,β−不飽和アミド組成物は、構造A2を有するα,β−不飽和アミド分子の混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。α,β−不飽和アミド組成物が、α,β−不飽和アミド分子の混合物を含む、から本質的になる、またはからなる場合、α,β−不飽和アミド分子は、α,β−不飽和アミド1分子当たり少なくとも平均1.5個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基、代替的にα,β−不飽和アミド1分子当たり少なくとも平均2個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基、代替的にα,β−不飽和アミド1分子当たり少なくとも平均2.5個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基、または代替的にα,β−不飽和アミド1分子当たり少なくとも平均3個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基を有することができる。さらに別の実施形態において、α,β−不飽和アミド分子は、α,β−不飽和アミド1分子当たり平均1.5〜12個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基、代替的にα,β−不飽和アミド1分子当たり平均1.5〜9個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基、代替的にα,β−不飽和アミド1分子当たり平均2〜7個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基、代替的にα,β−不飽和アミド1分子当たり平均2〜5個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基、または代替的にα,β−不飽和アミド1分子当たり平均2〜4個の、構造A2を有するα,β−不飽和アミド基を有することができる。
α,β−不飽和アミド組成物を含むα,β−不飽和アミドは、アミンまたはポリアミンとα,β−不飽和カルボン酸とのアミドとして説明され得る。この説明は、アミンまたはポリアミンとα,β−不飽和カルボン酸とを接触させることにより、不飽和アミドが調製されることを意味するように思われるが、α,β−不飽和アミドは、反応のうちでとりわけ、ポリアミンとα,β−不飽和カルボン酸との反応、ポリアミンとα,β−不飽和カルボン酸無水物との反応、単純なα,β−不飽和カルボン酸エステルとポリアミンとの反応、またはポリアミンとα,β−不飽和カルボン酸ハライドとの反応をはじめとする多数の方法により調製され得ることを当業者ならば分かるであろう。従って、α,β−不飽和アミドを説明する手法は、α,β−不飽和アミドを製造できる方法を限定しない。アミンまたはポリアミンの成分は、任意の脂肪族、脂環式、または芳香族のアミンまたはポリアミンを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。α,β−不飽和アミド成分のα,β−不飽和部分は、構造A2を有する任意のα,β−不飽和カルボン酸または酸誘導体から誘導されることができ、構造A2において、任意のα,β−不飽和酸または指定されていない原子価は、水素、−OR’基(式中、R’は、HまたはC〜C20オルガニル基から選択される)、またはハライド原子であり得る。
一実施形態において、ポリアミンとα,β−不飽和酸とのアミドとして記載するα,β−不飽和アミドのポリアミンは、少なくとも2個の第1級または第2級アミン基、代替的に少なくとも3個の第1級または第2級アミン基、または代替的に少なくとも4個の第1級または第2級アミン基を含み得るポリアミンから誘導され得る。実施形態において、ポリアミンは、アミン1分子当たり少なくとも平均1.5個の第1級または第2級アミン基、代替的に、アミン1分子当たり少なくとも平均2個の第1級または第2級アミン基、代替的にアミン1分子当たり少なくとも平均2.5個の第1級または第2級アミン基、代替的にアミン1分子当たり少なくとも平均3個の第1級または第2級アミン基、代替的にアミン1分子当たり平均1.5〜12個の第1級または第2級アミン基、代替的にアミン1分子当たり平均1.5〜9個の第1級または第2級アミン基、代替的にアミン1分子当たり平均2〜7個の第1級または第2級アミン基、代替的にアミン1分子当たり平均2〜5個の第1級または第2級アミン基、または代替的にアミン1分子当たり平均2〜4個の第1級または第2級アミン基を有するアミンの混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
一実施形態において、ポリアミンとα、β−不飽和カルボン酸とのアミドとして記載するα、β−不飽和アミドのポリアミンは、メチレンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン(N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン)、トリエチレンテトラミン(1,2−エタンジアミン,N,N’−ビス(2−アミノエチル)、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N’−1,2−エタンジイルビス−1,3−プロパンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ジプロピレントリアミン、トリブチレンテトラミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、テトラブチレンペンタミン、1,2−ブタンジアミン、1,3−ブタンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、オクタンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノシクロヘキシルアミン、4,4’−メチレンビスシクロヘキサンアミン、イソホロンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メチレンジアミンジアニレン、ジアミノジフェニルメタン、ビスフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、N−アミノエチルピペラジン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、ポリアミンは、ポリアルキレンポリアミン、ポリエチレンアミン、またはそれらの混合物を含み得る。他の実施形態において、ポリアミンは、ポリアルキレンポリアミン、または代替的にポリエチレンアミンを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
一実施形態において、ポリアミンとα,β−不飽和カルボン酸とのアミドとして記載するα,β−不飽和アミド組成物のα,β−不飽和酸は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、2−ペンテン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、シトラコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、またはそれらの混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的にアクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの任意の組み合わせ、代替的にアクリル酸、代替的にメタクリル酸、または代替的にマレイン酸を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。ポリアミンとα,β−不飽和カルボン酸とのエステルとして記載するα,β−不飽和アミド組成物がα,β−不飽和酸とポリアミンとを接触させることにより調製されない場合、α,β−不飽和エステルの調製において、開示されたカルボン酸の適切なα,β−不飽和カルボン酸誘導体、例えば、カルボン酸無水物、単純なカルボン酸エステル、またはカルボン酸ハライドが、利用され得ることを当業者ならば、分かるであろう。
α,β−不飽和アミド組成物のうちで使用できる2種の一般的部類のα,β−不飽和アミドは、アクリルアミド化合物およびメタクリルアミド化合物である。従って、いくつかの実施形態において、α,β−不飽和アミド組成物は、アクリルアミド組成物、メタクリルアミド組成物、またはアクリルアミドおよびメタクリルアミドをふくむ組成物であり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和アミド組成物は、アクリルアミド組成物、代替的にメタクリルアミド組成物、または代替的にアクリルアミドおよびメタクリルアミドの混合物を含む組成物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。一般に、本開示のポリ(β−チオエーテルエステル)を形成するために利用されるアクリルアミド/メタクリルアミド組成物は、本明細書に記載されるα,β−不飽和アミド1分子当たりのα,β−不飽和アミド基と、アクリルアミド/メタクリルアミド1分子当たりの同量のアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド基を有することができる。いくつかの実施形態において、アクリルアミド組成物は、アクリルアミド、ジアクリルアミド、トリアクリルアミド、テトラアクリルアミド、またはそれらの混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。他の実施形態において、メタクリルアミド組成物は、メタクリルアミド、ジメタクリルアミド、トリメタクリルアミド、テトラメタクリルアミド、またはそれらの混合物を含み得る。さらに他の実施形態において、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの混合物を含む組成物は、少なくとも1種のアクリルアミド、ジアクリルアミド、トリアクリルアミド、またはテトラアクリルアミドおよび少なくとも1種のメタクリルアミド、ジメタクリルアミド、トリメタクリルアミド、またはテトラメタクリルアミドの組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
一実施形態において、アクリルアミド組成物のうちで利用できるアクリルアミドは、メタンジアクリルアミド、エチレンジアクリルアミド、1,6−ヘキサンジアクリルアミド、プロピルジアクリルアミド、1,4−シクロヘキサンジアクリルアミド、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンジアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、メタンジアクリルアミド、エタンジアクリルアミド、トリエチレンテトラミンジアクリルアミド、1,2−プロパンジアクリルアミド、1,3−プロパンジアクリルアミド、1,2−ブタンジアクリルアミド、1,3−ブタンジアクリルアミド、1,4−ブタンジアクリルアミド、1,5−ペンタンジアクリルアミド、1,6−ヘキサンジアクリルアミド、1,7−ヘプタンジアクリルアミド、オクタンジアクリルアミド、デカンジアクリルアミド、ドデカンジアクリルアミド、シクロヘキサン1,2−ジアクリルアミド、シクロヘキサン1,4−ジアクリルアミド、1,3−ビスアクリルアミドシクロヘキサン、イソホロンジアクリルアミド、o−キシリレンジアクリルアミド、m−キシリレンジアクリルアミド、p−キシリレンジアクリルアミド、メチレンジアクリルアミドジアニレン、ジアクリルアミドジフェニルメタン、ビスフェニレンジアクリルアミド、ジアクリロミドジフェニルスルホン、N−アクリルアミドエチルピペラジン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
一実施形態において、メタクリルアミド組成物のうちで利用できるメタクリルアミドは、メタンジメタクリルアミド、エタンジメタクリルアミド、1,6−ヘキサンジメタクリルアミド、プロピルジメタクリルアミド、1,4−シクロヘキサンジメタクリルアミド、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンジメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、メタンジメタクリルアミド、エタンジメタクリルアミド、トリエチレンテトラミンジメタクリルアミド、1,2−プロパンジメタクリルアミド、1,3−プロパンジメタクリルアミド、1,2−ブタンジメタクリルアミド、1,3−ブタンジメタクリルアミド、1,4−ブタンジメタクリルアミド、1,5−ペンタンジメタクリルアミド、1,6−ヘキサンジメタクリルアミド、1,7−ヘプタンジメタクリルアミド、オクタンジメタクリルアミド、デカンジメタクリルアミド、ドデカンジメタクリルアミド、シクロヘキサン1,2−ジメタクリルアミド、シクロヘキサン1,4−ジメタクリルアミド、1,3−ビスメタクリルアミドシクロヘキサン、イソホロンジメタクリルアミド、o−キシリレンジメタクリルアミド、m−キシリレンジメタクリルアミド、p−キシリレンジメタクリルアミド、メチレンジメタクリルアミドジアニレン、ジメタクリルアミドジフェニルメタン、ビスフェニレンジメタクリルアミド、ジメタクリロミドジフェニルスルホン、またはN−メタクリルアミドエチルピペラジンを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
一実施形態において、α,β−不飽和ケトンは、C〜C30α,β−不飽和ケトン、代替的にC〜C20α,β−不飽和ケトン、代替的に、または代替的にC10〜C15α,β−不飽和ケトンであり得る。理論に限定されることを望むものではないが、α,β−不飽和ケトンは、エノンとしても知られている。α,β−不飽和ケトンが、炭素−炭素二重結合に結合するケトン基を1個のみを有する場合、その化合物は、ビニルケトンであり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和ケトンは、構造A3
[式中、指定されていない原子価は、構造A3の残部を表す]を有する基を含み得る。一態様において、A3基のR41、R42およびR43は、H、オルガニル基、またはヒドロカルビル基、代替的にHまたはオルガニル基、または代替的にHまたはヒドロカルビル基であり得る。オルガニル基およびヒドロカルビル基は、既に本明細書で記載されており、チオフェノール除去剤として利用できるα,β−不飽和ケトン化合物中に存在し得、構造A3を含むα,β−不飽和ケトンのR41、R42、およびR43をさらに説明するために限定されることなく利用され得る。いくつかの特定の非限定の実施形態において、R41、R42、およびR43は、H(ビニルケトン)であるか、またはR41、R42はHであり、R43はメチル基(イソプロピルケトン)であるか、またはそれらの組み合わせであり、代替的にR41、R42、およびR43はH(ビニルケトン)であり、または代替的にR41、R42はHであり、R43はメチル基(イソプロピルケトン)である。α,β−不飽和ケトン分子が、2個以上のA3基を含む場合、追加のA3基は、R、R、Rおよび/または指定されていないケトン原子価の内に位置できる。いくつかの特定の実施形態においてα,β−不飽和ケトンが、2個以上のA3基を含む場合、追加のA3基は、指定されていないケトン原子価の内に位置できる。R21、R22、およびR23の置換基を説明するのに使用される置換基のいくつかは、それぞれR41、R42、およびR43の置換基を説明するためにも使用され得る。
一実施形態において、α,β−不飽和ケトン組成物は、構造A3を有する少なくとも2個のα,β−不飽和ケトン基を有するα,β−不飽和ケトンを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和ケトン組成物は、構造A3を有する少なくとも3個のα,β−不飽和ケトン基を有するα,β−不飽和ケトンを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。他の実施形態において、α,β−不飽和ケトン組成物は、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン分子の混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。α,β−不飽和ケトン組成物が、α,β−不飽和ケトン分子の混合物を含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る場合、α,β−不飽和ケトン分子は、α,β−不飽和ケトン1分子当たり少なくとも平均1.5個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基、代替的にα,β−不飽和ケトン1分子当たり少なくとも平均2個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基、代替的にα,β−不飽和ケトン1分子当たり少なくとも平均2.5個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基、または代替的に、α,β−不飽和ケトン1分子当たり少なくとも平均3個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基を有することができる。さらに他の実施形態において、α,β−不飽和ケトン分子は、α,β−不飽和ケトン1分子当たり平均1.5〜12個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基、代替的にα,β−不飽和ケトン1分子当たり平均1.5〜9個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基、代替的に、α,β−不飽和ケトン1分子当たり平均2〜7個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基、代替的にα,β−不飽和ケトン1分子当たり平均2〜5個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基、または代替的にα,β−不飽和ケトン1分子当たり平均2〜4個の、構造A3を有するα,β−不飽和ケトン基を有することができる。
α,β−不飽和ケトン組成物を含むα,β−不飽和ケトンは、α,β−不飽和アルコールから誘導されるケトンとして説明され得る。この説明は、不飽和アルコールの酸化により、不飽和ケトンが調製されることを意味するように思われるが、α,β−不飽和ケトンは、反応のうちでとりわけ、アルキン−カルボニルカップリング反応、オレフィンのアリル酸化、第3級アリルアルコールの酸化的転位、アルドール縮合、クネーフェナーゲル縮合、パーキン反応、マイケル付加をはじめとする多数の方法により調製され得ることを当業者ならば、分かるであろう。従って、α,β−不飽和ケトンを説明する手法は、α,β−不飽和ケトンが製造され得る方法を限定しない。α,β−不飽和アルコール成分は、任意の脂肪族、脂環式、または芳香族のα,β−不飽和アルコールを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。α,β−不飽和ケトン成分のα,β−不飽和アルコール部分は、任意のα,β−不飽和アルコールまたはアルコール誘導体から誘導され得る。本開示での使用に適切なα,β−不飽和アルコールの非限定な例として、アリルアルコール、シンナミルアルコール(すなわち、(2E)−3−フェニルプロパ−2−エン−1−オール)、レチノール(すなわち、(2E,4E,6E,8E)−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エニル)ノナ−2,4,6,8−テトラエン−1−オール)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。代替的な一実施形態において、α,β−不飽和ケトンが、α,β−不飽和アルデヒドのケトンとして記載され得る。一実施形態において、α,β−不飽和ケトンは、アクロレインのケトン、メタクロレインのケトン、メシチルオキシド(すなわち、4−メチルペンタ−3−エン−2−オン)、イソホロン(すなわち、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、カルコン(すなわち、ベンジリデンアセトフェノン)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、から本質的になり得る、またはからなり得る。
α,β−不飽和エステルが炭素−炭素二重結合に結合するエステル基を2個のみ有する場合、またはα,β−不飽和アミドが炭素−炭素二重結合に結合するアミド基を2個のみ有する場合、またはα,β−不飽和ケトンが炭素−炭素二重結合に結合するケトン基2個のみを有する場合、その化合物は、構造UI、U2、U3、またはU4、代替的にU1、代替的にU2、代替的にU3、代替的にU4
を有することができる。構造U1において、X、およびR51とR52は、構造U1を有するα,β−不飽和エステルおよびα,β−不飽和ケトンの独立した要素であり、構造U1を有するα,β−不飽和エステルおよびα,β−不飽和ケトンは、本明細書に記載されるXと本明細書に記載されるR51とR52との任意の組み合わせを使用して説明され得る。構造U2およびU3において、R51とR52は、それぞれ、構造U2またはU3を有するα,β−不飽和エステルおよびα,β−不飽和アミドの独立した要素であり、構造U2またはU3を有するα,β−不飽和エステルおよびα,β−不飽和アミドは、それぞれ、本明細書に記載されるR51とR52の任意の組み合わせを使用して記載されることができる。構造U4において、R60、R61、およびR62は、構造U4を有するα,β−不飽和エステルの独立した要素であり、構造U4を有するα,β−不飽和エステルは、本明細書に記載されるR60、R61、およびR62の任意の組み合わせを使用して説明され得る。
一態様において、R60は、ヒドロカルビル基であり得る。ヒドロカルビル基は、本明細書に記載され、これらのヒドロカルビル基は、構造U4を有するα,β−不飽和エステルをさらに説明するために限定することなく利用され得る。一態様において、R61およびR62は、独立してH、オルガニル基、またはヒドロカルビル、代替的にHまたはオルガニル基、代替的にHまたはヒドロカルビル、代替的にH、代替的にオルガニル基、または代替的にヒドロカルビル基であり得る。オルガニル基およびヒドロカルビル基は、本明細書に記載され、これらのオルガニル基およびヒドロカルビル基は、構造U1、U2、またはU3またはU4を有する化合物のR51、R52、R60、R61およびR62をさらに説明するために限定されることなく利用され得る。一態様において、Xは、O、N、またはS、代替的にO、代替的にN、または代替的にSであり得る。いくつかの特定の非限定的な実施形態において、R51およびR52は、Hである。いくつかの特定の非限定な実施形態において、R61およびR62は、Hである。R21、R22、およびR23の置換基を説明するのに使用する任意の置換基はまた、R51、R52、R60、R61およびR62の置換基を別々に説明するのにも使用され得る。
いくつかの実施形態において、α,β−不飽和エステル部分をチオフェノール除去剤の中に組み込むことができる。そのような場合には、部分U5が、本明細書に開示される任意のチオフェノール除去剤内で構造U6を有するいずれかのまたは全ての部分に置き換わることができる。部分U6が繰り返し構造を示すチオフェノール除去剤内に提供される場合、部分U6が部分U7として出現できることを当業者ならば分かるであろう。一実施形態において、構造U6および/またはU7のR”、各R”は、C〜C60オルガニレン基から選択される。
一実施形態において、本明細書に開示されるポリ(アリーレンスルフィド)組成物からチオフェノールを除去する方法は、組成物がまだ反応器中にある間に、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物からチオフェノールを除去する利点を呈する。そのような一実施形態において、チオフェノールは、既知の有毒化学物質/危険化学物質であるが、高濃度、例えば、極性有機化合物の重量を基準として約1重量%以上の濃度のチオフェノールに作業員を曝すことなく、チオフェノールを除去できる。
一実施形態において、本明細書に開示されるポリ(アリーレンスルフィド)組成物からチオフェノールを除去する方法は、チオフェノールを除去した後に極性有機化合物(例えば、NMP)をリサイクルおよび/または再使用する利点を呈する。そのような実施形態において、費用効果が高いことに加えて、極性有機化合物(例えば、NMP)をリサイクルおよび/または再使用することは、高濃度、例えば、極性有機化合物の重量を基準として約1重量%以上の濃度のチオフェノールを有する極性有機化合物(例えば、NMP)を廃棄する必要がないさらなる利点を呈する。
本出願から任意の米国国内段階出願の目的上、本開示に記載される全ての刊行物および特許文献は、その全体が本明細書に参照により組み込まれ、これらの刊行物に記載される構成(constructs)および方法論を記載および開示する目的上、それらは、本開示の方法に関連して使用されてもよい。本明細書において考察されるいかなる刊行物および特許文献も、本出願の出願日前のそれらの開示のみを目的として提供される。本発明者らが、先行発明によって、このような開示に先行する権利を持たないことを承認するものとして解釈されてはならない。
米国特許商標庁の前のいかなる出願においても、本出願の要約書は、37C.F.R.§1.72の要件および37C.F.R.§1.72(b)に明示される目的、「米国特許商標庁および公衆が概観により、技術的開示の性質および趣旨を迅速に決定できる」を満たす目的で、提供される。従って、本出願の要約書を用いて、請求項の範囲を解釈することも意図しないし、本明細書に開示される対象の範囲を限定することも意図しない。さらに、同様に本明細書に使用できるいかなる表題を用いて、請求項の範囲を解釈することを意図しないし、本明細書に開示される対象の範囲を限定することも意図しない。推定的または仮想的と明記されないならば、実施例を説明するための過去時制のいかなる使用も、実際に推定的または仮想的な実施例を実施したことを示すことを意図しない。
本開示は、以下の実施例によってさらに例証的されるが、それらの実施例は、それらの範囲に何らかの限定を加えると解釈されるべきではない。反対に、様々な他の態様、実施形態、修正形態、およびそれらの均等物に対して方策を有することができ、本明細書の記載を閲覧した後に、本発明の趣旨からも添付の請求項の範囲からも逸脱することなく、当業者にその方策を提言できることを明白に理解するべきである。
以下の実施例は、本明細書において請求される方法をいかに評価するかに関して詳細な説明を提供するように明記され、本発明者らが自らの発明とみなすものの範囲を限定することを意図しない。
実施例1
以下の手順で、チオフェノールを含有するPPSの「有害な」バッチを調製した。1Lのステンレス鋼オートクレーブ反応器に、0.666モルのNaSH、0.683モルのNaOH、0.4モルの酢酸ナトリウム(NaOAc)、および1.66モルのNMPを装填した。反応器を50ポンド/平方インチ(psi)まで加圧し、5回圧力を開放した後、反応器を250psiまで加圧し、5回圧力を開放することにより、窒素を用いてNaSH、NaOH、NaOAc、およびNMPを含む混合物を脱気した。窒素流(2mL/分)下で、混合物を脱水し、反応器を205℃まで加熱した。0.5モルのNMPにジクロロベンゼン装填(0.599モル)を脱水後に直ちに加えた。装填容器を追加の0.25モルのNMPで濯いだ。次に、反応器を240℃まで加熱し、3時間保った後、温度を265℃まで上昇させ、さらに2時間保った。反応器を一晩中室温まで冷却させた。試薬の純度を表1に示す。
翌日、反応混合物が室温に到達した後、NMPとチオフェノールを含む、反応混合物の液体部分の試料を反応器から回収した。反応器を開放して(例えば、反応器を少し開いたままにする)、周囲条件下で試料を回収することにより、試料を回収した。試料を回収した後直ちにチオフェノール含有率に関して試料を分析した。水素炎イオン化型検出器(FID)を装備したAgilent(登録商標)7890キャピラリーガスクロマトグラフ(GC)を用いて、チオフェノールの分析を実施した。膜厚1.0μmを有するDB−5カラム(30m×0.32mm)を用いて、分析を実施した。入口温度を325℃に設定し、15:1のスプリット比で6psiを保った。以下のガス流設定、30mL/分H、380mL/分空気、および25mL/分Heを用いて、FID検出器の温度を325℃に保った。試料を注入した後、0.5℃/分の昇温速度で炉の温度を60℃から320℃に昇温させた。NMPに溶かした希釈チオフェノール標準を用いて、反応器の内容量のNMP総質量を基準として、重量パーセント(wt.%)チオフェノールに対してのGCのキャリブレーションを達成した。報告する全てのチオフェノール値は、NMPに対する重量%である。チオフェノールは、分析した23.36重量%の液体試料を含んだ。
23.36重量%のチオフェノールを含有する、反応混合物の液体部分にチオフェノールの除去手順をさらに施した。75gの量の2−エチルヘキシルアクリレートをチオフェノール含有の反応混合物に加えた。反応器を再び封止し、室温で6時間撹拌した。撹拌の最初の3分間に発熱反応が起こり、23℃から40℃まで温度が非常に急速に上昇した。およそ40分後、反応器は室温に戻った。14時間後の材料の分析は、2.0重量%のチオフェノールのチオフェノール含有量を測定した。別の10gの2−エチルヘキシルアクリレートを反応混合物に加え、混合物を室温で6時間撹拌した。2−エチルヘキシルアクリレートの2回目の添加後に、発熱反応を認めなかった。アクリレートの2回目の添加は、チオフェノール含有量を全体で0.31重量%までさらに削減した。2−エチルヘキシルアクリレートの最初の添加後、チオフェノール含有量は、91.4%削減され、2−エチルヘキシルアクリレートの2回目の添加後、チオフェノールの総除去量は、98.6%だったことが、結果からわかる。
追加的開示
以下は、本開示に基づく非限定の特定の実施形態である。
第1実施形態は、
ポリ(アリーレンスルフィド)組成物および極性有機化合物を含む反応生成組成物を、C〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触させることを含むプロセスであり、極性有機化合物は、約1重量%以上のチオフェノールを含み、接触後、極性有機化合物は、約1重量%未満のチオフェノールを含む。
第2実施形態は、第1実施形態のプロセスであり、反応生成組成物が、
i)2つのハロゲンを有する少なくとも1種のハロゲン化芳香族化合物、
ii)硫黄化合物、および
iii)極性有機化合物
を接触させることにより、製造される。
第3実施形態は、第1実施形態〜第2実施形態のいずれかのプロセスであり、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物が、ポリ(フェニレンスルフィド)組成物である。
第4実施形態は、第2実施形態〜第3実施形態のいずれかのプロセスであり、ハロゲン化芳香族化合物が、p−ジクロロベンゼンを含み、かつ硫黄化合物が、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
第5実施形態は、第2実施形態〜第4実施形態のいずれかのプロセスであり、極性有機化合物は、N−メチル−2−ピロリドンを含む。
第6実施形態は、第1実施形態〜第5実施形態のいずれかのプロセスであり、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物が、C〜C30α,β−不飽和エステルと接触する。
第7実施形態は、第6実施形態のプロセスであり、C〜C30α,β−不飽和エステルが、2−エチルヘキシルアクリレートを含む。
第8実施形態は、第6実施形態のプロセスであり、C〜C30α,β−不飽和エステルが、アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルを含む。
第9実施形態は、第6実施形態のプロセスであり、C〜C30α,β−不飽和エステルが、メタクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルを含む。
第10実施形態は、第1実施形態〜第9実施形態のいずれかのプロセスであり、反応生成組成物が、チオフェノール1当量当たり少なくとも1化学当量のC〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触する。
第11実施形態は、第1実施形態〜第10実施形態のいずれかのプロセスであり、接触が、約200℃以下の温度で起こる。
第12実施形態は、第1実施形態〜第11実施形態のいずれかのプロセスであり、1重量%未満のチオフェノールを含む極性有機化合物が、反応生成組成物から分離される。
第13実施形態は、第12実施形態のプロセスであり、分離された極性有機化合物が、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物を製造するプロセスに使用される。
第14実施形態は、極性有機化合物と約1重量%以上のチオフェノールとを含む組成物を、C〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触させて、極性有機化合物と約1重量%未満のチオフェノールを含む組成物を形成することを含むプロセスである。
第15実施形態は、第14実施形態のプロセスであり、極性有機化合物は、N−メチル−2−ピロリドンを含む。
第16実施形態は、第14実施形態〜第15実施形態のいずれかのプロセスであり、極性有機化合物と約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物が、
i)2つのハロゲンを有する少なくとも1種のハロゲン化芳香族化合物、
ii)硫黄化合物、および
iii)極性有機化合物
を接触させることを含むポリ(アリーレンスルフィド)組成物を製造するプロセス中に、形成される。
第17実施形態は、第16実施形態のプロセスであり、極性有機化合物は、N−メチル−2−ピロリドンを含む。
第18実施形態は、第17実施形態のプロセスであり、N−メチル−2−ピロリドンと約1重量%以上のチオフェノールとを含む組成物が、接触の前に、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物から分離される。
第19実施形態は、第14実施形態〜第18実施形態のいずれかのプロセスであり、極性有機化合物と約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物が、C〜C30α,β−不飽和エステルと接触する。
第20実施形態は、第19実施形態のプロセスであり、C〜C30α,β−不飽和エステルが、2−エチルヘキシルアクリレートを含む。
第21実施形態は、第19実施形態のプロセスであり、C〜C30α,β−不飽和エステルが、アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルを含む。
第22実施形態は、第19実施形態のプロセスであり、C〜C30α,β−不飽和エステルが、メタクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルを含む。
第23実施形態は、第18実施形態のプロセスであり、N−メチル−2−ピロリドンと1重量%未満のチオフェノールとを含む組成物が、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物を製造するプロセスにリサイクルされる。
第24実施形態は、第14実施形態〜第23実施形態のいずれかのプロセスであり、極性有機化合物と約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物が、チオフェノール1当量当たり少なくとも1化学当量のC〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触する。
第25実施形態は、第14実施形態〜第24実施形態のいずれかのプロセスであり、接触が、約200℃以下の温度で起こる。
本開示の実施形態が、示され、記載されているが、本発明の趣旨および教示から逸脱することなく、それらの修正を行うことができる。本明細書に記載される実施形態および実施例は、例示のためだけのものであり、これらに限定しようとするものではない。本明細書に開示される本発明の多くの変更形態および修正形態が可能であり、本発明の範囲内である。
従って、保護の範囲は、先に説明した記載に限定されることはないが、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は、特許請求の範囲の対象の均等物を全て含む。各々および全ての特許請求の範囲は、本発明の実施形態として、本明細書に組み込まれている。従って、特許請求の範囲は、さらなる説明であり、本発明の詳細な説明への追加である。本明細書に記載される全ての特許、特許出願、および刊行物の開示は、本明細書に参照により組み込まれる。

Claims (25)

  1. ポリ(アリーレンスルフィド)組成物および極性有機化合物を含む反応生成組成物を、C〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触させる方法であって、前記極性有機化合物は、約1重量%以上のチオフェノールを含み、接触後、前記極性有機化合物が、約1重量%未満のチオフェノールを含む方法。
  2. 反応生成組成物が、
    i)2つのハロゲンを有する少なくとも1種のハロゲン化芳香族化合物、
    ii)硫黄化合物、および
    iii)極性有機化合物
    を接触させることにより、製造される、請求項1に記載の方法。
  3. ポリ(アリーレンスルフィド)組成物がポリ(フェニレンスルフィド)組成物である、請求項1または2に記載の方法。
  4. ハロゲン化芳香族化合物が、p−ジクロロベンゼンを含み、かつ硫黄化合物が、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項2または3に記載の方法。
  5. 極性有機化合物がN−メチル−2−ピロリドンを含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ポリ(アリーレンスルフィド)組成物が、C〜C30α,β−不飽和エステルと接触する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 〜C30α,β−不飽和エステルが、2−エチルヘキシルアクリレートを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 〜C30α,β−不飽和エステルが、アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルを含む、請求項6に記載の方法。
  9. 〜C30α,β−不飽和エステルが、メタクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルを含む、請求項6に記載の方法。
  10. 反応生成組成物が、チオフェノール1当量当たり少なくとも1化学当量のC〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 接触が約200℃以下の温度で起こる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 1重量%未満のチオフェノールを含む極性有機化合物が、反応生成組成物から分離される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 分離された極性有機化合物が、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物を製造するプロセスに使用される、請求項12に記載の方法。
  14. 極性有機化合物および約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物を、C〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触させて、前記極性有機化合物および約1重量%未満のチオフェノールを含む組成物を形成することを含む方法。
  15. 極性有機化合物が、N−メチル−2−ピロリドンを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 極性有機化合物と約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物が、
    i)2つのハロゲンを有する少なくとも1種のハロゲン化芳香族化合物、
    ii)硫黄化合物、および
    iii)極性有機化合物
    を接触させることを含む、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物を製造するプロセス中に、形成される、請求項14または15に記載の方法。
  17. 極性有機化合物がN−メチル−2−ピロリドンを含む、請求項16に記載の方法。
  18. N−メチル−2−ピロリドンと約1重量%以上のチオフェノールとを含む組成物が、接触の前に、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物から分離される、請求項17に記載の方法。
  19. 極性有機化合物と約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物が、C〜C30α,β−不飽和エステルと接触する、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 〜C30α,β−不飽和エステルが、2−エチルヘキシルアクリレートを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 〜C30α,β−不飽和エステルが、アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルを含む、請求項19に記載の方法。
  22. 〜C30α,β−不飽和エステルが、メタクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルを含む、請求項19に記載の方法。
  23. N−メチル−2−ピロリドンと1重量%未満のチオフェノールとを含む組成物が、ポリ(アリーレンスルフィド)組成物を税造するプロセスにリサイクルされる、請求項18に記載の方法。
  24. 極性有機化合物と約1重量%以上のチオフェノールを含む組成物が、チオフェノール1当量あたり少なくとも1化学当量のC〜C30α,β−不飽和ケトン、C〜C30α,β−不飽和エステル、C〜C30α,β−不飽和アミド、またはそれらの任意の組み合わせと接触する、請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 接触が約200℃以下の温度で起こる、請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
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